説明

美容・理容料金の還元システム

【課題】 月に略1度しか利用しない美容・理容の関係でも、現実的に適用できる料金還元システムを構築する。
【解決手段】 美容・理容料金の還元システムは、全体を統括する本店と、複数の美容院・理髪店と、商品の販売店と、前記美容院・理髪店の会員とから構成され、前記本店に前記美容院・理髪店、販売店及び会員の情報を記憶するメインサーバと、該メインサーバの全ての情報をコントロールし、且つ前記会員に対する会員カード発行機能を有するパソコンとを装備し、前記複数の美容院・理髪店には、前記メインサーバと連結し、且つ少なくともカードリーダ機能を有すると共に、領収金額を入力できるパソコンを装備し、前記複数の販売店には、前記メインサーバと連結し、且つカードリーダ機能を有するパソコンを装備し、前記美容院・理髪店の会員は、理容・理髪のために支払った金額に相当する金額の範囲内で前記商品の販売店で買い物を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、美容院または理髪店などにおいて技術料または手数料(奉仕料)として支払った代金に相当する金額分を商品にて還元する美容・理容料金の還元システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような技術料または手数料に関しては、協会または組合でその料金を設定しているが、最近では料金の値引き競争が激化し、設定料金の1/2または1/3程度に値引きして客寄せをし、さらに期間を限定した次回用の割引券を発行している店がある。現段階では、この種の技術料または手数料として客が支払った代金に相当する金額分を商品にて還元するシステムは存在していない。
従来の還元するシステムとしては、各種商品を販売している店舗が顧客に対して商品の販売金額についてポイントを設定して還元している。例えば、商品を買った金額に対して数%をポイントとして算出し還元する記録式のポイントカードを発行したり、ポイントシールを発行したり、または商品券を発行したりしていることは公知または周知技術になっている。
【0003】
その公知技術の一つの例としては、会員と加盟店との間における商取引に伴って取引価格に応じたポイントを発生し、前記ポイントを一定の者に配分することによって取引利益の配分を行うポイントカードシステムであって、前記会員によって携帯され、少なくとも会員コードを記憶する携帯型情報記憶装置と、前記取引に伴って前記会員コードと取引価格を含む取引データを発生するデータ端末装置と、前記取引データを収集し、前記取引価格と予め定められたポイント発生率とを用いてポイントを計算し、これを予め台帳に定められた複数のポイント受取者の口座に配分するデータ処理装置と、を備え、前記台帳は、前記ポイント受取者として少なくとも前記会員を前記ポイントカードシステムに加入せしめた勧誘者を含む、ポイントカードシステムである(特許文献1)。
【0004】
そして、このポイントカードシステムは、会員、加盟店、広告会社、システム運営会社によって構成されており、各構成員はポイント受取者となるものであり、会員が加盟店で商品やサービスを受けた(購入した)ことによって支払われる代金に対して、マージン率として略20%の還元ポイントを設定し、その還元ポイントの中でポイント受取者毎に決められた割合の還元ポイントを算出し、その算出した還元ポイントをそれぞれ各構成員に振り分けるというものである。この場合に、20%の還元ポイントの内、代金を支払った会員が受ける還元ポイント(利益)は支払った金額の3%であり、システム運営会社が6%、広告会社が6%、カード発行店が5%であり、会員以外の構成員はその累積された還元ポイントに基づいて月末毎に金銭で精算し、会員は累積ポイントに対応させた金額で任意に買い物ができるとされている。
【0005】
また、他の例としては、商品やサービスの代金に相当するポイントを累積し、この累積されたポイントに応じて代金支払者にポイント還元サービスを提供するポイント管理システムにおいて、前記商品やサービスを提供する複数の店舗において共通使用可能な共通ポイントカードを、前記代金支払者に固有の会員番号と関連付けて発行する共通ポイントカード発行手段と、前記各店舗に備えられ、前記代金支払者によって支払われた代金に相当するポイントを、前記代金支払者に発行された前記共通ポイントカードに関連付けられた会員番号と自己の店舗情報とを関連付けて送信するポイントデータ送信手段と、前記各ポイントデータ送信手段によって送信されたポイントを、前記会員番号毎に、前記店舗情報毎に累積記憶するポイント記憶手段と、前記各店舗に備えられ、前記ポイント記憶手段によって累積記憶されたポイントを、前記会員番号毎に表示するポイント表示手段と、前記各店舗に備えられ、前記ポイント表示手段によって表示されたポイントに応じて前記代金支払者に前記ポイント還元サービスを提供するポイント還元サービス提供手段とを備えたことを特徴とするポイント管理システムである(特許文献2)。
【0006】
そして、このポイント管理システムは、複数店舗において共通使用可能な共通ポイントカードを発行し、各店舗毎に売り上げ代金に対応して、商品を販売する店舗では購入費100円に対して1ポイントで、映画館などの映像サービスを提供する場合には1回の入場につき1ポイントと定めて各店舗毎にポイントデータを蓄積し、そのポイントデータに基づき各店舗毎にポイント還元サービスを行うものであって、そのポイント還元サービスというのは、割引券、クーポン券、粗品等を受け取ることであるとしている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−113327号公報
【特許文献2】特開2002−74515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記公知技術に係るポイントカードシステムは、会員が加盟店で買い物をした時に支払った代金について、所要の率で還元ポイントが算出されて累積され、その累積した還元ポイントに対応した金額の範囲で買い物ができるというものであるが、会員が受ける還元ポイントは支払った金額の僅か3%であって、各加盟店における商品には、販売利益の他にさらに20%のマージンを上乗せした価格を最初から設定しなければならないのであり、例えば、小売価格で販売利益が最初から20%程度しかない商品も多々あることから、そのような商品にはマージンを上乗せできないし、また、卸売り価格が決まっていて市販価格が決まっているような商品については、その販売利益に関して最初からマージン分を差し引いて考慮しなければならず、利益分が薄くなってしまい、小売りを行う加盟店自体の経営が成り立たないという問題点がある。
【0009】
また、前記公知技術に係るポイント管理システムは、複数店舗において共通使用可能な共通ポイントカードを加入者に発行して使用させるものであり、各店舗毎に商品の購入毎にポイントカード加入者に商品代金の1%をポイントデータとして蓄積させ、その蓄積したポイントデータに基づき割引券、クーポン券、粗品等を受け取ることができるポイント還元サービスを提供するものであるが、加入者としては1%のポイントでは価値としてあまり評価されていないし、受け取る物にしても好まれるとは限らないという問題点を有している。
【0010】
上記いずれの公知技術においても、商品または映画館入場代金に対する数%のポイント還元であって、会員または加入者にとって還元に関するメリットがそれ程期待できるものではなく、また、還元が期待できるポイント蓄積には数ヶ月またはそれ以上掛かるためにその地域以外の店舗(スーパー等)でも買い物をすることがあったりして、従来のポイント制では集客にあまり期待できないし、会員または加入者にも得をしたという実感または満足感がなく利用度が徐々に減少する傾向にあるのが現状である。
【0011】
また、上記従来のポイント制では、一般的に1ヶ月または1.5ヶ月に1度しか利用しない美容・理容関係ではポイント蓄積に期間が掛かり過ぎて適用が難しいし、この種のサービス分野においては、技術料金を著しく低減させ、例えば、1000円床屋とか、1500円床屋または2000円床屋等のように、料金を安くし時間も15分とか20分以内で処理するようにして、全体的な技術サービスが粗雑になっており、実質的に美容・理容の関係では適用に問題がある。
【0012】
従って、前記従来技術に係るポイント制とは違って、仮に、月に1度しか利用しない美容・理容の関係でも、利用者に喜んでもらって且つ現実的に適用できる料金還元システムを構築することに解決課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、全体を統括する本店と、複数の美容院・理髪店と、商品の販売店と、前記美容院・理髪店の会員とから構成され、前記本店に前記美容院・理髪店、販売店及び会員の情報を記憶するメインサーバと、該メインサーバの全ての情報をコントロールし、且つ前記会員に対する会員カード発行機能を有すると共にカードリーダ機能を有するパソコンとを装備し、前記複数の美容院・理髪店には、前記メインサーバと連結し、且つ少なくともカードリーダ機能を有すると共に、領収金額を入力できるパソコンを装備し、前記複数の販売店には、前記メインサーバと連結し、且つ少なくともカードリーダ機能を有しそのカードの累積金額が表示または読み取れると共に、その累積金額の範囲内において商品の販売金額を入力できるパソコンを装備し、前記美容院・理髪店の会員は、理容・理髪のために支払った金額に相当する金額の範囲内で前記商品の販売店で買い物をすることができることを特徴とする美容・理容料金の還元システムを提供するものである。
【0014】
また、本発明の還元システムは、各美容院・理髪店に装備したパソコンにも会員カード発行機能を付与すると共に、カード情報を表示または読み取れるようにしたことを付加的な要件として含むものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る還元システムは、複数の美容院・理髪店と、商品の販売店と、前記美容院・理髪店の会員とから構成され留ものであって、会員が美容院または理髪店(床屋)で支払った代金の全てを会員に還元するものであって、特に、支払者が求める商品で還元するのである。つまり、会員カードに支払った代金が記憶され、そのカードをもって商品の販売店において、その金額の範囲内において、その金額に相当する商品を何時でも買い求めることができるのであり、会員にとって経済的に著しく得をした感じを抱かせるばかりでなく、その地域において商品が動き消費されることで地域の活性化に寄与することが出来るという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図1〜図 を参照して説明する。図1は、本発明に係る還元システムの全体構成を略示的に示した概念図である。同図において、一定の地域内にチェーン店となる複数の美容院及び/または理髪店(床屋)1、1a、1b、1c…1nが組織され、その内の一つは要するに組織を全体を統轄する本店1であり、該本店1には会員権(会員カード)発行機能を含むパソコン2と、各チェーン店毎の営業実績または業務内容と会員の情報とを全て記憶し管理するメインサーバ3とが装備してある。
【0017】
チェーン店となった各美容院及び/または理髪店1a、1b、1c…1nには、それぞれパソコン2a、2b、2c…2nが装備または設置され、これら各パソコンは前記メインサーバ3とオンライン方式で連結してあり、各パソコンからの全てのデータがリアルタイムでメインサーバ3に記憶される。なお、チェーン店側の各パソコンにおいても会員権発行機能を有するものであって良い。
【0018】
また、理髪店と同じ地域内に複数の商品の販売店(小売店)を設けるか、または従来からある販売店と一種の代理店契約(指定店舗)をして、カードに記憶されている情報(金額)の範囲内において商品を販売する契約をして指定された販売店とし、各販売店4a、4b…4nにもカードリーダ用のパソコン5a、5b…5nを設置し、前記メインサーバ3とオンライン方式で連結してあり、会員が提示したカードの情報を読み出し、購入した商品の代金分を差し引くことができるようになっている。
【0019】
会員カードは、基本的には組織を統轄する本店1で発行するものであり、会員番号並びに会員の住所・氏名・生年月日・性別などが記憶されている。そして、そのカードには理髪した日時と支払った金額及び理髪店名などの情報が記録できるのであり、その金額については順次累積できるし、また指定された販売店4a、4b…4nで好みの商品を購入でき、その際にはその販売店(指定店舗)にカードを提出し、パソコンのカードリーダを通すことによってメインサーバ3と接続され、該メインサーバ3に記憶されている累積金額が確認されると共に購入した商品代金分が自動的に差し引かれるようになっている。
【0020】
各販売店4a、4b…4nに関しては、各美容院及び/または理髪店1a、1b、1c…1nと隣接した状態で、例えばコンビニエンスストアの様な状態で設置した方が好ましい。そして、販売する商品に関しては、コンビニエンスストアと略同様な商品の他に、例えば、喫茶コーナーを設けて、コーヒー、紅茶、ケーキなどを販売することもできるのである。
【0021】
その他に、各販売店4a、4b…4nには商品のカタログを設置しておいて、そのカタログに写真付きで商品を紹介する様な、要するに通信販売形式のカタログを作成し、そのカタログに記載されている商品については、注文を受けてから2〜3日以内に顧客の手元に届けるようにシステム化しても良いのである。そして、統括の本店1と各販売店4a、4b…4nとの間では、例えば、毎月末に精算するようにすれば良いのである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
いずれにしても本発明に係る美容・理容料金の還元システムは、美容及び/または理髪代金の全てを支払者(会員)に還元するものであって、その還元は支払者が求める商品で還元するのである。つまり、美容・理容の手数料として支払った代金の範囲内において、その金額に相当する商品を指定された販売店(店舗)で何時でも買い求めることができるようにしたものであり、美容・理容に限らず、例えば、マッサージ、休息(エステ)などのサービスを提供する場合など広い範囲で利用が可能なのである。
【0023】
なお、会員になった人は、会員権を提示してチェーン店のどの店でも美容、理髪又は理容をすることができ、そのチェーン店では、その会員について、何時誰が担当して美容、理容のサービスを行って、その代金の支払を受けたかを詳細に記録しておき、その後の資料として保存しておくものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の具体的な実施例に係る還元システムを略示的に示したブロック図である。
【符号の説明】
【0025】
1 本店; 1a、1b、1c…1n 美容院及び/または理髪店;
2、2a、2b、2c…2n パソコン; 3 メインサーバ;
4a、4b…4n 商品の販売店; 5a、5b…5n カードリーダ用パソコン;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体を統括する本店と、複数の美容院・理髪店と、商品の販売店と、前記美容院・理髪店の会員とから構成され、
前記本店に前記美容院・理髪店、販売店及び会員の情報を記憶するメインサーバと、該メインサーバの全ての情報をコントロールし、且つ前記会員に対する会員カード発行機能を有すると共にカードリーダ機能を有するパソコンとを装備し、
前記複数の美容院・理髪店には、前記メインサーバと連結し、且つ少なくともカードリーダ機能を有すると共に、領収金額を入力できるパソコンを装備し、
前記複数の販売店には、前記メインサーバと連結し、且つ少なくともカードリーダ機能を有しそのカードの累積金額が表示または読み取れると共に、その累積金額の範囲内において商品の販売金額を入力できるパソコンを装備し、
前記美容院・理髪店の会員は、会員カードによって理容・理髪のために支払った金額に相当する金額の範囲内で前記商品の販売店で買い物をすることができる
ことを特徴とする美容・理容料金の還元システム。
【請求項2】
各美容院・理髪店に装備したパソコンにも会員カード発行機能を付与すると共に、カード情報を表示または読み取れるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の美容・理容料金の還元システム。

【図1】
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