義歯洗浄方法及び義歯洗浄用容器
【課題】 繰り返して使用できる義歯洗浄具を提供する。
【解決手段】 義歯Tを水Wに浸漬して義歯Tを洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2した有底筒状であると共に、該容器本体1の内面に水Wに浸漬可能な浄化用銅繊維6を設け、かつ開口2に該開口2を開閉する蓋10を備える。水中で銅繊維6より生成される銅イオンにより前記義歯Tを洗浄することで、義歯Tの殺菌やぬめりの除去を行うことができると共に、銅イオンによって水道水の塩素を除去でき、さらに開口2を開閉する蓋10を備えたことで、容器本体1にごみの浸入などを阻止することができる。
【解決手段】 義歯Tを水Wに浸漬して義歯Tを洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2した有底筒状であると共に、該容器本体1の内面に水Wに浸漬可能な浄化用銅繊維6を設け、かつ開口2に該開口2を開閉する蓋10を備える。水中で銅繊維6より生成される銅イオンにより前記義歯Tを洗浄することで、義歯Tの殺菌やぬめりの除去を行うことができると共に、銅イオンによって水道水の塩素を除去でき、さらに開口2を開閉する蓋10を備えたことで、容器本体1にごみの浸入などを阻止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総入れ歯 、部分入れ歯などの義歯洗浄方法及び義歯洗浄用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして微粉化した無機物系担体に抗菌性金属の金属塩を吸着保持させ、該無機物系担体が加熱収縮を起こす温度でこれを焼成して金属が無機物系担体から水中に脱着することがないよう加工したりして、銀、銅 および亜鉛イオンのような抗菌性金属イオンを担持させた無機物系担体からなり、発泡錠剤、発泡顆粒、発泡粉体、液体、歯磨ペーストなど様々な剤型に製剤化することができるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】国際公開WO99/56714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術のような抗菌性金属イオンを担持させた義歯洗浄剤においては、抗菌性金属イオンによって義歯に付着している雑菌の殺菌を行うことができるものであるが、発泡錠剤、発泡顆粒、発泡粉体、液体、歯磨ペーストなどの剤型とした場合には、繰り返し使用することができないという問題がある。
【0004】
解決しようとする問題点は、繰り返して使用できる義歯洗浄方法及び義歯洗浄用容器を提供する点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄方法であって、前記水に銅を浸漬させ、該銅より生成される銅イオンにより前記義歯を洗浄することを特徴とする義歯洗浄方法である。
【0006】
請求項2の発明は、義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体は、上方を開口した有底筒状であると共に、該容器本体の内面に前記水に浸漬可能な浄化用銅繊維を設け、かつ前記開口に該開口を開閉する蓋を備えたことを特徴とする義歯洗浄用容器である。
【0007】
請求項3の発明は、義歯と共に水に浸漬する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体に通水孔を形成し、この容器本体に浄化用銅繊維を設けたことを特徴とする義歯洗浄用容器である。
【0008】
請求項4の発明は、前記浄化用銅繊維は通水可能な収容体に複数層に収容したことを特徴とする請求項2又は3記載の義歯洗浄用容器である。
【0009】
請求項5の発明は、前記浄化用銅繊維が不織布状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の義歯洗浄用容器である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、義歯を水に銅と共に浸漬することで義歯の殺菌やぬめりの除去を簡単に繰り返して行うことができる。しかも、銅は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、容器本体に義歯を収容し、そして水に浸漬することで義歯の殺菌やぬめりの除去を簡単に繰り返して行うことができる。しかも、銅繊維は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、通水可能な収容体に収容された浄化用銅繊維を義歯と共にコップ等に収容した水に浸漬するだけで簡単に義歯の殺菌やぬめりの除去を簡単に繰り返して行うことができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、銅繊維相互が絡み合っているので抜け出るようなことはなく、義歯に銅繊維が付着するようなおそれをなくすことができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、銅繊維と水との接触面積を大きくでき、その両者の接触面積の増大に伴なって銅イオンの溶け出し量を大きくして義歯の殺菌を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0016】
図1〜6は実施例1を示しており、義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2とした偏平な有底筒状であって、容器本体1の底部4或いは外周部5には後述する銅繊維6を積層した銅の不織布7を、収容した水Wに浸漬するように設ける。
【0017】
前記容器本体1はさらに開口2に、該開口2を開閉する蓋10が回動自在に設けられている。尚、この蓋10は開口2を全面的に閉じて該開口2を水密に閉じることができるようになっている。
【0018】
前記不織布7は、高純度(純度99.9%以上)の金属銅を、直径が例えば5〜100ミクロンメートル、好ましくは10〜30ミクロンメートルの繊維状に細く形成した多数の銅繊維6を積層して不織布7のようなシート状にし一体化したもので、銅繊維6は抜け出ないようになっている。
【0019】
浄化用銅繊維6からなる円盤形状の複数層の不織布7を収容する収容体としての平面が円形な内容器本体11は、その上下面にナイロン等樹脂等による覆布12を設けると共にその側縁を縫着部13によりナイロン等樹脂等による縁布14で覆って設けられている。尚、覆布12、縁布14は布目によって通水性を有すると共に、布目は銅繊維6がはみ出ない大きさに形成されている。
【0020】
内容器本体11を収容する平面が円形な外容器本体15はケース下器16の上部にケース上蓋17を設けると共に、これらは円周に設けた雄、雌螺子部18により着脱自在に設ける。そしてケース下器16とケース上蓋17と円周に設けた着脱自在にするために螺子部18に囲まれて内容器本体11を収容する収納空間19が形成される。さらに、ケース下器16、ケース上蓋17には内外を連通する通水孔20がそれぞれ形成されている。
【0021】
次に前記構成についてその作用を説明する。予め銅繊維6、ひいては内容器本体11を収容する外容器本体15を底部5に載置すると共に、水Wとしての水道水を所定量収容し、蓋10を閉じる。尚、所定量の水Wとは銅繊維6及び義歯Tが浸漬する量をいう。これにより水Wは通水孔20から内容器本体11の内側に侵入し銅繊維6は水Wに浸漬する。この際、水Wに浸漬された銅金属から銅イオンが水中に溶け出して、この銅イオンが溶けた水が再び内容器本体11、外容器本体15を通って容器本体1にたまる。この後容器本体1を10回程度少し強目に振ることで比較的多量の水道水が銅繊維6に触れて水道水中の塩素を数秒で除去することができる。
【0022】
次に蓋10を開いて義歯Tを水Wに浸漬するように容器本体1に収容し蓋10を閉じる。前述のように銅イオンを含んでいる水Wに義歯Tを浸漬すると、該義歯Tに付着していた雑菌は銅イオンによって殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水W中に浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。そして、使用するときには、蓋10を開いて義歯Tを取り出すものである。
【0023】
尚、義歯Tは1日でも乾燥させると金属部分と樹脂部分との間で変形を生じて歯茎に合わなくなる。それを防ぐため、使用しない時は常に水Wに浸しておく必要がある。そのため、容器本体1内の水Wは雑菌のない清潔で塩素もない水Wでなければならず、この容器本体1に24時間常時収容している前記水W中に使用していない時の義歯Tを浸漬するものである。
【0024】
以上のように、前記実施例では義歯Tを水Wに浸漬して義歯Tを洗浄する義歯洗浄方法であって、前記水Wに浄化用銅繊維6を浸漬させ、該銅繊維6より生成される銅イオンにより前記義歯Tを洗浄することで、義歯Tの殺菌やぬめりの除去を行うことができる。しかも、銅繊維6は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0025】
また、義歯Tを水Wに浸漬して義歯Tを洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2した有底筒状であると共に、該容器本体1の内面に前記水Wに浸漬可能な浄化用銅繊維6を設け、かつ前記開口2に該開口2を開閉する蓋10を備えたことにより、水中で銅繊維6より生成される銅イオンにより前記義歯Tを洗浄することで、義歯Tの殺菌やぬめりの除去を行うことができると共に、銅イオンによって水道水の塩素を除去でき、さらに開口2を開閉する蓋10を備えたことで、容器本体1にごみの浸入などを阻止することができる。
【0026】
しかも、前記浄化用銅繊維6は通水可能な収容体たる内容器本体11、さらには外容器本体15に複数層に収容し、水Wに浸漬された銅繊維6から銅イオンが水中に溶け出して、この銅イオンが溶けた水が再び内容器本体11、外容器本体15を通って容器本体1にたまるので、銅繊維6が直接あらわれることはなく、銅繊維6の取り扱いを容易に行うことができる。
【0027】
さらに、前記複数層に設けられた浄化用銅繊維6が不織布7の状態であることにより、銅繊維6相互が絡み合って抜け出るようなことはなく、義歯Tに銅繊維6が付着するようなおそれをなくすことができる。
【実施例2】
【0028】
以下に他の実施例について説明する。尚、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。図7に示した実施例2においては、外容器本体15を平面横長形状としたものである。これにより、図示しない内容器本体の平面も横長形状としたものである。
【0029】
このように銅繊維を収容する外容器本体15、内容器本体を平面横長形状とすることで、義歯Tが平面横長な場合には、該義歯Tを外容器本体15上に安定して載置することができる。
【実施例3】
【0030】
図8〜10は実施例3を示しており、義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口部2とした偏平な有底筒状であって、この容器本体1は例えば板状の網やパンチングメタル等を加工して形成されており、網目或いは打ち抜き孔によって通水孔3が形成される。そして、容器本体1の底部4及び外周部5のうち底部4には銅繊維6を積層した銅の不織布7を載置したり、或いは一体に貼り付ける。この一体化する固定手段としては接着等の固定手段による。
【0031】
前記容器本体1はさらに開口部2に蓋10が設けられている。そしてこの蓋10にも通水孔3を形成すると共に、内側に銅繊維6を積層した銅の不織布7を取り付ける。
【0032】
前記不織布7は、高純度(純度99.9%以上)の金属銅を、直径が例えば10〜30ミクロンメートルの繊維状に細く形成した多数の銅繊維6をシート状にして一体化したもので、銅繊維6は抜け出ないようになっている。
【0033】
次に前記構成についてその作用を説明する。予めコップ等の外容器8に水Wを収容しておき、そして義歯Tを容器本体1に収容し、そして容器本体1を外容器8に収容し蓋10を閉じる。これにより銅繊維6は水Wに浸漬すると共に、水Wは通水孔3から容器本体1の内側に浸入し、義歯Tは浸漬されることとなる。この際、水Wに浸漬された銅金属から銅イオンが溶け出して、水Wと共に通水孔3を通って義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水W中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。
【0034】
そして再び義歯Tを洗浄するときには、水Wを収容した外容器8に、義歯Tを収容した容器本体1を再び浸漬させ、銅繊維6より溶け出す銅イオンを含んだ水Wによって義歯Tを殺菌する。
【0035】
以上のように、前記実施例では義歯Tと共に水Wに浸漬する義歯洗浄具において、前記義歯Tを収容する容器本体1に通水孔3を形成し、この容器本体1に浄化用銅繊維6を複数層に設けたことにより、銅から溶け出す銅イオンによって義歯Tの殺菌を行うことができ、さらに銅繊維6は複数層に設けられているので、銅繊維6と水Wとの接触面積を大きくでき、その両者の接触面積の増大に伴なって銅イオンの溶け出し量を大きくでき、この結果銅イオンに伴う殺菌作用を高めることができる。しかも、銅繊維6は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0036】
また、前記容器本体1は上方を開口した有底筒状であり、容器本体1に義歯Tを収容し、そして容器本体1を外容器8の水Wに浸漬することで義歯Tの殺菌を簡単に行うことができる。
【実施例4】
【0037】
図11〜12は実施例4を示しており、義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2とした有底筒状であって、この容器本体1は網目或いは打ち抜き孔によって通水孔3が形成される。そして、容器本体1の底部4及び外周部5を囲むように銅繊維6を積層した銅の不織布7を一体に貼り付ける。この一体化する固定手段としては接着等の固定手段による。
【0038】
前記容器本体1はさらに外容器8に収容される。この外容器8は上方を開口した有底容器であって、その上部開口9より容器本体1を出し入れできるようになっており、上部開口9には開閉自在な蓋10が設けられている。
【0039】
次に前記構成についてその作用を説明する。予め外容器8に水Wを収容しておき、そして義歯Tを容器本体1に収容し、そして容器本体1を外容器8に収容する。これにより銅繊維6は水Wに浸漬すると共に、水Wは通水孔3から容器本体1の内側に浸入し、義歯Tは浸漬されることとなる。この際、水Wに浸漬された銅金属から銅イオンが溶け出して、水Wと共に通水孔3を通って義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水W中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。
【0040】
そして、義歯Tを容器本体1より取り出すと共に、該容器本体1を外容器8より取り出した後、汚れた水Wは廃棄する。一方、容器本体1は風通しのよいところにおいて銅繊維6を乾燥させる。
【0041】
そして再び義歯Tを洗浄するときには、水Wを収容した外容器8に、義歯Tを収容した容器本体1を再び浸漬させ、銅繊維6より溶け出す銅イオンを含んだ水Wによって義歯Tを殺菌する。
【0042】
以上のように、前記実施例では義歯Tと共に水Wに浸漬する義歯洗浄具において、前記義歯Tを収容する容器本体1に通水孔3を形成し、この容器本体1に浄化用銅繊維6を複数層に設けたことにより、銅から溶け出す銅イオンによって義歯Tの殺菌を行うことができ、さらに銅繊維6は複数層に設けられているので、銅繊維6と水Wとの接触面積を大きくでき、その両者の接触面積の増大に伴なって銅イオンの溶け出し量を大きくでき、この結果銅イオンに伴う殺菌作用を高めることができる。しかも、銅繊維6は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0043】
また、前記容器本体1は上方を開口した有底筒状であって、該容器本体1は上方を開口した有底筒状の外容器8に着脱自在に収容され、外容器8に水Wを収容すると共に、容器本体1に義歯Tを収容し、そして容器本体1を外容器8の水Wに浸漬することで義歯Tの殺菌を簡単に行うことができる。
【0044】
さらに、前記複数層に設けられた浄化用銅繊維6が不織布7であることにより、銅繊維6相互が絡み合って抜け出るようなことはなく、義歯Tに銅繊維6が付着するようなおそれをなくすことができる。
【実施例5】
【0045】
図13は実施例5を示しており、実施例5は銅繊維6の不織布7を単独で使用する場合であり、合成樹脂繊維を編んで網目21によって通水可能とした織布によってコップに入る程度の閉じた袋22を形成し、この袋22の中に、銅繊維6を積層した不織布7を収容する。
【0046】
したがって、予めコップ等水容器23に水Wを収容しておき、そして義歯Tと共に銅繊維6を収容した袋22を水Wに浸漬する。水Wは網目21から袋22の内側に侵入し、水Wに銅金属から銅イオンが溶け出し、そしてこの銅イオンが義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。そして、義歯T及び袋22を容器23より取り出し、袋22は風通しのよいところにおいて銅繊維6を乾燥させる。
【0047】
そして再び義歯Tを洗浄するときには、水Wを収容した容器23に、義歯T及び袋22を再び浸漬させ、銅繊維6より溶け出す銅イオンを含んだ水Wによって義歯Tを殺菌する。
【0048】
以上のように、前記実施例では前記実施例の効果のほかに義歯Tと共に水Wに浸漬する義歯洗浄具において、通水可能な収容体たる袋22に浄化用銅繊維6を複数層に収容したことで、この通水可能な袋22に収容された浄化用銅繊維6を義歯Tと共にコップ等の容器23に収容した水Wに浸漬するだけで簡単に義歯Tを殺菌することができる。
【0049】
また、前記収容体が袋22となって小型化できるので、旅行などの際の携帯性を向上することができる。
【実施例6】
【0050】
図14は実施例6を示しており、実施例5も銅繊維6の不織布7を単独で使用する場合であり、合成樹脂繊維を編んだ上下一対の布或いは一枚ものの合成樹脂製シートからなる蓋部材31、底部材32の間に、銅繊維6を積層した不織布7を一体に収容する。この一体化する固定手段としては接着、縫着等の固定手段による。
【0051】
したがって、予めコップ等水容器33に水Wを収容しておき、そして義歯Tと共に銅繊維6を収容した蓋部材31、底部材32を水Wに浸漬する。水Wは蓋部材31、底部材32の間から内側に侵入し、水Wに銅金属から銅イオンが溶け出し、そしてこの銅イオンが義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。
【0052】
そして、義歯T及び銅繊維6を容器本体1より取り出し、再び繰り返して使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように本発明は種々の義歯の浄化に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示す内容器本体の平面図である。
【図3】本発明の実施例1を示す内容器本体の断面図である。
【図4】本発明の実施例1を示す外容器本体の平面図である。
【図5】本発明の実施例1を示す外容器本体の側面図である。
【図6】本発明の実施例1を示す外容器の分解断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例3を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す側面図である。
【図10】本発明の実施例3を示す平面図である。
【図11】本発明の実施例4を示す一部を拡大断面した正面図である。
【図12】本発明の実施例4を示す分解斜視図である。
【図13】本発明の実施例5を示す一部を拡大断面した正面図である。
【図14】本発明の実施例6を示す一部を拡大断面した正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 容器本体
3 通水孔
6 浄化用銅繊維
7 不織布
10 蓋
11 内容器(収容体)
22 袋
T 義歯
W 水
【技術分野】
【0001】
本発明は、総入れ歯 、部分入れ歯などの義歯洗浄方法及び義歯洗浄用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして微粉化した無機物系担体に抗菌性金属の金属塩を吸着保持させ、該無機物系担体が加熱収縮を起こす温度でこれを焼成して金属が無機物系担体から水中に脱着することがないよう加工したりして、銀、銅 および亜鉛イオンのような抗菌性金属イオンを担持させた無機物系担体からなり、発泡錠剤、発泡顆粒、発泡粉体、液体、歯磨ペーストなど様々な剤型に製剤化することができるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】国際公開WO99/56714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術のような抗菌性金属イオンを担持させた義歯洗浄剤においては、抗菌性金属イオンによって義歯に付着している雑菌の殺菌を行うことができるものであるが、発泡錠剤、発泡顆粒、発泡粉体、液体、歯磨ペーストなどの剤型とした場合には、繰り返し使用することができないという問題がある。
【0004】
解決しようとする問題点は、繰り返して使用できる義歯洗浄方法及び義歯洗浄用容器を提供する点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄方法であって、前記水に銅を浸漬させ、該銅より生成される銅イオンにより前記義歯を洗浄することを特徴とする義歯洗浄方法である。
【0006】
請求項2の発明は、義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体は、上方を開口した有底筒状であると共に、該容器本体の内面に前記水に浸漬可能な浄化用銅繊維を設け、かつ前記開口に該開口を開閉する蓋を備えたことを特徴とする義歯洗浄用容器である。
【0007】
請求項3の発明は、義歯と共に水に浸漬する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体に通水孔を形成し、この容器本体に浄化用銅繊維を設けたことを特徴とする義歯洗浄用容器である。
【0008】
請求項4の発明は、前記浄化用銅繊維は通水可能な収容体に複数層に収容したことを特徴とする請求項2又は3記載の義歯洗浄用容器である。
【0009】
請求項5の発明は、前記浄化用銅繊維が不織布状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の義歯洗浄用容器である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、義歯を水に銅と共に浸漬することで義歯の殺菌やぬめりの除去を簡単に繰り返して行うことができる。しかも、銅は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、容器本体に義歯を収容し、そして水に浸漬することで義歯の殺菌やぬめりの除去を簡単に繰り返して行うことができる。しかも、銅繊維は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、通水可能な収容体に収容された浄化用銅繊維を義歯と共にコップ等に収容した水に浸漬するだけで簡単に義歯の殺菌やぬめりの除去を簡単に繰り返して行うことができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、銅繊維相互が絡み合っているので抜け出るようなことはなく、義歯に銅繊維が付着するようなおそれをなくすことができる。
【0014】
請求項5の発明によれば、銅繊維と水との接触面積を大きくでき、その両者の接触面積の増大に伴なって銅イオンの溶け出し量を大きくして義歯の殺菌を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0016】
図1〜6は実施例1を示しており、義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2とした偏平な有底筒状であって、容器本体1の底部4或いは外周部5には後述する銅繊維6を積層した銅の不織布7を、収容した水Wに浸漬するように設ける。
【0017】
前記容器本体1はさらに開口2に、該開口2を開閉する蓋10が回動自在に設けられている。尚、この蓋10は開口2を全面的に閉じて該開口2を水密に閉じることができるようになっている。
【0018】
前記不織布7は、高純度(純度99.9%以上)の金属銅を、直径が例えば5〜100ミクロンメートル、好ましくは10〜30ミクロンメートルの繊維状に細く形成した多数の銅繊維6を積層して不織布7のようなシート状にし一体化したもので、銅繊維6は抜け出ないようになっている。
【0019】
浄化用銅繊維6からなる円盤形状の複数層の不織布7を収容する収容体としての平面が円形な内容器本体11は、その上下面にナイロン等樹脂等による覆布12を設けると共にその側縁を縫着部13によりナイロン等樹脂等による縁布14で覆って設けられている。尚、覆布12、縁布14は布目によって通水性を有すると共に、布目は銅繊維6がはみ出ない大きさに形成されている。
【0020】
内容器本体11を収容する平面が円形な外容器本体15はケース下器16の上部にケース上蓋17を設けると共に、これらは円周に設けた雄、雌螺子部18により着脱自在に設ける。そしてケース下器16とケース上蓋17と円周に設けた着脱自在にするために螺子部18に囲まれて内容器本体11を収容する収納空間19が形成される。さらに、ケース下器16、ケース上蓋17には内外を連通する通水孔20がそれぞれ形成されている。
【0021】
次に前記構成についてその作用を説明する。予め銅繊維6、ひいては内容器本体11を収容する外容器本体15を底部5に載置すると共に、水Wとしての水道水を所定量収容し、蓋10を閉じる。尚、所定量の水Wとは銅繊維6及び義歯Tが浸漬する量をいう。これにより水Wは通水孔20から内容器本体11の内側に侵入し銅繊維6は水Wに浸漬する。この際、水Wに浸漬された銅金属から銅イオンが水中に溶け出して、この銅イオンが溶けた水が再び内容器本体11、外容器本体15を通って容器本体1にたまる。この後容器本体1を10回程度少し強目に振ることで比較的多量の水道水が銅繊維6に触れて水道水中の塩素を数秒で除去することができる。
【0022】
次に蓋10を開いて義歯Tを水Wに浸漬するように容器本体1に収容し蓋10を閉じる。前述のように銅イオンを含んでいる水Wに義歯Tを浸漬すると、該義歯Tに付着していた雑菌は銅イオンによって殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水W中に浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。そして、使用するときには、蓋10を開いて義歯Tを取り出すものである。
【0023】
尚、義歯Tは1日でも乾燥させると金属部分と樹脂部分との間で変形を生じて歯茎に合わなくなる。それを防ぐため、使用しない時は常に水Wに浸しておく必要がある。そのため、容器本体1内の水Wは雑菌のない清潔で塩素もない水Wでなければならず、この容器本体1に24時間常時収容している前記水W中に使用していない時の義歯Tを浸漬するものである。
【0024】
以上のように、前記実施例では義歯Tを水Wに浸漬して義歯Tを洗浄する義歯洗浄方法であって、前記水Wに浄化用銅繊維6を浸漬させ、該銅繊維6より生成される銅イオンにより前記義歯Tを洗浄することで、義歯Tの殺菌やぬめりの除去を行うことができる。しかも、銅繊維6は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0025】
また、義歯Tを水Wに浸漬して義歯Tを洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2した有底筒状であると共に、該容器本体1の内面に前記水Wに浸漬可能な浄化用銅繊維6を設け、かつ前記開口2に該開口2を開閉する蓋10を備えたことにより、水中で銅繊維6より生成される銅イオンにより前記義歯Tを洗浄することで、義歯Tの殺菌やぬめりの除去を行うことができると共に、銅イオンによって水道水の塩素を除去でき、さらに開口2を開閉する蓋10を備えたことで、容器本体1にごみの浸入などを阻止することができる。
【0026】
しかも、前記浄化用銅繊維6は通水可能な収容体たる内容器本体11、さらには外容器本体15に複数層に収容し、水Wに浸漬された銅繊維6から銅イオンが水中に溶け出して、この銅イオンが溶けた水が再び内容器本体11、外容器本体15を通って容器本体1にたまるので、銅繊維6が直接あらわれることはなく、銅繊維6の取り扱いを容易に行うことができる。
【0027】
さらに、前記複数層に設けられた浄化用銅繊維6が不織布7の状態であることにより、銅繊維6相互が絡み合って抜け出るようなことはなく、義歯Tに銅繊維6が付着するようなおそれをなくすことができる。
【実施例2】
【0028】
以下に他の実施例について説明する。尚、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。図7に示した実施例2においては、外容器本体15を平面横長形状としたものである。これにより、図示しない内容器本体の平面も横長形状としたものである。
【0029】
このように銅繊維を収容する外容器本体15、内容器本体を平面横長形状とすることで、義歯Tが平面横長な場合には、該義歯Tを外容器本体15上に安定して載置することができる。
【実施例3】
【0030】
図8〜10は実施例3を示しており、義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口部2とした偏平な有底筒状であって、この容器本体1は例えば板状の網やパンチングメタル等を加工して形成されており、網目或いは打ち抜き孔によって通水孔3が形成される。そして、容器本体1の底部4及び外周部5のうち底部4には銅繊維6を積層した銅の不織布7を載置したり、或いは一体に貼り付ける。この一体化する固定手段としては接着等の固定手段による。
【0031】
前記容器本体1はさらに開口部2に蓋10が設けられている。そしてこの蓋10にも通水孔3を形成すると共に、内側に銅繊維6を積層した銅の不織布7を取り付ける。
【0032】
前記不織布7は、高純度(純度99.9%以上)の金属銅を、直径が例えば10〜30ミクロンメートルの繊維状に細く形成した多数の銅繊維6をシート状にして一体化したもので、銅繊維6は抜け出ないようになっている。
【0033】
次に前記構成についてその作用を説明する。予めコップ等の外容器8に水Wを収容しておき、そして義歯Tを容器本体1に収容し、そして容器本体1を外容器8に収容し蓋10を閉じる。これにより銅繊維6は水Wに浸漬すると共に、水Wは通水孔3から容器本体1の内側に浸入し、義歯Tは浸漬されることとなる。この際、水Wに浸漬された銅金属から銅イオンが溶け出して、水Wと共に通水孔3を通って義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水W中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。
【0034】
そして再び義歯Tを洗浄するときには、水Wを収容した外容器8に、義歯Tを収容した容器本体1を再び浸漬させ、銅繊維6より溶け出す銅イオンを含んだ水Wによって義歯Tを殺菌する。
【0035】
以上のように、前記実施例では義歯Tと共に水Wに浸漬する義歯洗浄具において、前記義歯Tを収容する容器本体1に通水孔3を形成し、この容器本体1に浄化用銅繊維6を複数層に設けたことにより、銅から溶け出す銅イオンによって義歯Tの殺菌を行うことができ、さらに銅繊維6は複数層に設けられているので、銅繊維6と水Wとの接触面積を大きくでき、その両者の接触面積の増大に伴なって銅イオンの溶け出し量を大きくでき、この結果銅イオンに伴う殺菌作用を高めることができる。しかも、銅繊維6は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0036】
また、前記容器本体1は上方を開口した有底筒状であり、容器本体1に義歯Tを収容し、そして容器本体1を外容器8の水Wに浸漬することで義歯Tの殺菌を簡単に行うことができる。
【実施例4】
【0037】
図11〜12は実施例4を示しており、義歯Tを収容する容器本体1は、上方を開口2とした有底筒状であって、この容器本体1は網目或いは打ち抜き孔によって通水孔3が形成される。そして、容器本体1の底部4及び外周部5を囲むように銅繊維6を積層した銅の不織布7を一体に貼り付ける。この一体化する固定手段としては接着等の固定手段による。
【0038】
前記容器本体1はさらに外容器8に収容される。この外容器8は上方を開口した有底容器であって、その上部開口9より容器本体1を出し入れできるようになっており、上部開口9には開閉自在な蓋10が設けられている。
【0039】
次に前記構成についてその作用を説明する。予め外容器8に水Wを収容しておき、そして義歯Tを容器本体1に収容し、そして容器本体1を外容器8に収容する。これにより銅繊維6は水Wに浸漬すると共に、水Wは通水孔3から容器本体1の内側に浸入し、義歯Tは浸漬されることとなる。この際、水Wに浸漬された銅金属から銅イオンが溶け出して、水Wと共に通水孔3を通って義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水W中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。
【0040】
そして、義歯Tを容器本体1より取り出すと共に、該容器本体1を外容器8より取り出した後、汚れた水Wは廃棄する。一方、容器本体1は風通しのよいところにおいて銅繊維6を乾燥させる。
【0041】
そして再び義歯Tを洗浄するときには、水Wを収容した外容器8に、義歯Tを収容した容器本体1を再び浸漬させ、銅繊維6より溶け出す銅イオンを含んだ水Wによって義歯Tを殺菌する。
【0042】
以上のように、前記実施例では義歯Tと共に水Wに浸漬する義歯洗浄具において、前記義歯Tを収容する容器本体1に通水孔3を形成し、この容器本体1に浄化用銅繊維6を複数層に設けたことにより、銅から溶け出す銅イオンによって義歯Tの殺菌を行うことができ、さらに銅繊維6は複数層に設けられているので、銅繊維6と水Wとの接触面積を大きくでき、その両者の接触面積の増大に伴なって銅イオンの溶け出し量を大きくでき、この結果銅イオンに伴う殺菌作用を高めることができる。しかも、銅繊維6は半永久的に銅イオンを溶け出し可能なので、繰り返し使用することができる。
【0043】
また、前記容器本体1は上方を開口した有底筒状であって、該容器本体1は上方を開口した有底筒状の外容器8に着脱自在に収容され、外容器8に水Wを収容すると共に、容器本体1に義歯Tを収容し、そして容器本体1を外容器8の水Wに浸漬することで義歯Tの殺菌を簡単に行うことができる。
【0044】
さらに、前記複数層に設けられた浄化用銅繊維6が不織布7であることにより、銅繊維6相互が絡み合って抜け出るようなことはなく、義歯Tに銅繊維6が付着するようなおそれをなくすことができる。
【実施例5】
【0045】
図13は実施例5を示しており、実施例5は銅繊維6の不織布7を単独で使用する場合であり、合成樹脂繊維を編んで網目21によって通水可能とした織布によってコップに入る程度の閉じた袋22を形成し、この袋22の中に、銅繊維6を積層した不織布7を収容する。
【0046】
したがって、予めコップ等水容器23に水Wを収容しておき、そして義歯Tと共に銅繊維6を収容した袋22を水Wに浸漬する。水Wは網目21から袋22の内側に侵入し、水Wに銅金属から銅イオンが溶け出し、そしてこの銅イオンが義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。そして、義歯T及び袋22を容器23より取り出し、袋22は風通しのよいところにおいて銅繊維6を乾燥させる。
【0047】
そして再び義歯Tを洗浄するときには、水Wを収容した容器23に、義歯T及び袋22を再び浸漬させ、銅繊維6より溶け出す銅イオンを含んだ水Wによって義歯Tを殺菌する。
【0048】
以上のように、前記実施例では前記実施例の効果のほかに義歯Tと共に水Wに浸漬する義歯洗浄具において、通水可能な収容体たる袋22に浄化用銅繊維6を複数層に収容したことで、この通水可能な袋22に収容された浄化用銅繊維6を義歯Tと共にコップ等の容器23に収容した水Wに浸漬するだけで簡単に義歯Tを殺菌することができる。
【0049】
また、前記収容体が袋22となって小型化できるので、旅行などの際の携帯性を向上することができる。
【実施例6】
【0050】
図14は実施例6を示しており、実施例5も銅繊維6の不織布7を単独で使用する場合であり、合成樹脂繊維を編んだ上下一対の布或いは一枚ものの合成樹脂製シートからなる蓋部材31、底部材32の間に、銅繊維6を積層した不織布7を一体に収容する。この一体化する固定手段としては接着、縫着等の固定手段による。
【0051】
したがって、予めコップ等水容器33に水Wを収容しておき、そして義歯Tと共に銅繊維6を収容した蓋部材31、底部材32を水Wに浸漬する。水Wは蓋部材31、底部材32の間から内側に侵入し、水Wに銅金属から銅イオンが溶け出し、そしてこの銅イオンが義歯Tに接すると、該義歯Tに付着していた雑菌は殺菌される。このようにして、義歯Tを銅イオンが溶け出した水中に一晩浸漬しておくことで、義歯Tに付着した雑菌を殺菌し、さらにぬめりなども同時に除去することができる。
【0052】
そして、義歯T及び銅繊維6を容器本体1より取り出し、再び繰り返して使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように本発明は種々の義歯の浄化に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示す内容器本体の平面図である。
【図3】本発明の実施例1を示す内容器本体の断面図である。
【図4】本発明の実施例1を示す外容器本体の平面図である。
【図5】本発明の実施例1を示す外容器本体の側面図である。
【図6】本発明の実施例1を示す外容器の分解断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例3を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す側面図である。
【図10】本発明の実施例3を示す平面図である。
【図11】本発明の実施例4を示す一部を拡大断面した正面図である。
【図12】本発明の実施例4を示す分解斜視図である。
【図13】本発明の実施例5を示す一部を拡大断面した正面図である。
【図14】本発明の実施例6を示す一部を拡大断面した正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 容器本体
3 通水孔
6 浄化用銅繊維
7 不織布
10 蓋
11 内容器(収容体)
22 袋
T 義歯
W 水
【特許請求の範囲】
【請求項1】
義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄方法であって、前記水に銅を浸漬させ、該銅より生成される銅イオンにより前記義歯を洗浄することを特徴とする義歯洗浄方法。
【請求項2】
義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体は、上方を開口した有底筒状であると共に、該容器本体の内面に前記水に浸漬可能な浄化用銅繊維を設け、かつ前記開口に該開口を開閉する蓋を備えたことを特徴とする義歯洗浄用容器。
【請求項3】
義歯と共に水に浸漬する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体に通水孔を形成し、この容器本体に浄化用銅繊維を設けたことを特徴とする義歯洗浄用容器。
【請求項4】
前記浄化用銅繊維は通水可能な収容体に複数層に収容したことを特徴とする請求項2又は3記載の義歯洗浄用容器。
【請求項5】
前記浄化用銅繊維が不織布状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の義歯洗浄用容器。
【請求項1】
義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄方法であって、前記水に銅を浸漬させ、該銅より生成される銅イオンにより前記義歯を洗浄することを特徴とする義歯洗浄方法。
【請求項2】
義歯を水に浸漬して義歯を洗浄する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体は、上方を開口した有底筒状であると共に、該容器本体の内面に前記水に浸漬可能な浄化用銅繊維を設け、かつ前記開口に該開口を開閉する蓋を備えたことを特徴とする義歯洗浄用容器。
【請求項3】
義歯と共に水に浸漬する義歯洗浄用容器であって、前記義歯を収容する容器本体に通水孔を形成し、この容器本体に浄化用銅繊維を設けたことを特徴とする義歯洗浄用容器。
【請求項4】
前記浄化用銅繊維は通水可能な収容体に複数層に収容したことを特徴とする請求項2又は3記載の義歯洗浄用容器。
【請求項5】
前記浄化用銅繊維が不織布状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の義歯洗浄用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−89816(P2007−89816A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283043(P2005−283043)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(500436938)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(500436938)
【Fターム(参考)】
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