説明

耐火材料およびその処方

【課題】耐火材料およびその処方を提供する。
【解決手段】本発明の処方は、改質無機粒子および有機成分からなる懸濁液を含む。改質無機粒子は、ヒドロキシル基を備える無機粒子と、無機粒子にウレタン結合によって連結する、エチレン性不飽和末端基を備える表面改質剤とを含む。有機成分は、該エチレン性不飽和末端基と反応可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーまたはこれらの組み合わせを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐火材料およびその処方に関し、より詳細には耐火材料として用いるのに適した有機/無機複合材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチックとその複合材料は、運動機材、内装材、建築材、工業・土木事業、エレクトロニクス製品、自動車など、様々な分野において広く利用されている。しかし、プラスチックは燃え易い材料であるため、毎年プラスチックを原因とする火災が膨大な死傷者と経済的損失を出している。ゆえに、プラスチック材料が原因の火災による死傷者と経済的損失を有効に減らすことができると同時に、生態を汚染しない、環境にやさしい耐火ポリマー材料または複合材料の開発が重要な研究テーマとなっている。
【0003】
環境への関心の高まりによって、ハロゲンフリー難燃系の開発がますます盛んになされ、そのニーズも高まっている。ハロゲンフリー難燃剤には例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどがある。水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムの難燃効果は、金属酸化物と水に吸熱分解することによって達成されるものである。これにより、プラスチックが急速な熱分解から守られると共に、可燃性かつ易然性の分解生成物の生成が阻止される。形成された水蒸気は、酸素を移動させ、保護ガスとして作用する。プラスチックの表面には炭化生成物と金属酸化物を含んでなる耐熱性の皮膜ができ、さらなる燃焼が阻害され、かつ煙濃度も低減される。ハロゲンフリーの難燃剤として最もよく用いられている金属水酸化物は、単独でまたは他の難燃剤と組み合わせて、耐火熱硬化性または熱可塑性複合材料の製造に供されている。
【0004】
例えば水酸化アルミニウム(ATH)などの金属水酸化物は、−OH基を多く含むと共に、通常その表面には水分が付着しており、極性が非常に高い。よって、金属水酸化物を、一般に極性の低いポリマー樹脂とブレンドすると、界面相容性が悪いために凝集が生じてしまう。さらに、ポリマーと金属水酸化物とは、反応によって化学結合の形成による、充分に組織化された複合材料を形成しないので、得られる生成物は火炎暴露下で容易に溶融、発火または燃焼滴下を生じるものとなる。また、金属水酸化物を混入すると材料の脆性が大いに高まるため、応用範囲が狭まってしまう。
【0005】
したがって、より優れた難燃性と低い脆性を実現するべく、無機粒子のポリマー相容性が改善された有機/無機複合材料が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は耐火材料およびその処方を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、耐火材料、耐火材料の作製に用いられる処方、およびこれらに類似のものを含む。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、耐火材料の作製に用いられる処方であって、改質無機粒子および有機成分を含む懸濁液を含む処方を提供する。該改質無機粒子は、ヒドロキシル基を備える無機粒子と、無機粒子にウレタン結合によって連結する、エチレン性不飽和末端基を備える表面改質剤と、を含む。該有機成分はエチレン性不飽和末端基と反応可能な、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーまたはこれらの組み合わせから選ばれるものである。
【0009】
別の態様において、本発明の実施形態は、上記処方を硬化させてなる耐火材料を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により得られる有機/無機複合材料は、その改質無機粒子と有機成分との化学結合のために(従来の物理的にブレンドされたものと比べると)、炎または発火源暴露下で溶融、発火または燃焼滴下を生じることがない。さらに、未改質無機粒子を含むものと比較して、本発明の複合材料は成膜性、靭性および難燃性により優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明を実施形態により詳細に説明する。
【0012】
特に示すことのない限り、本発明の実施形態では当該技術分野の範囲内である合成有機化学、無機化学、材料科学およびこれらに類似の技術を用いる。これらの技術は文献中に充分に説明がされているものである。
【0013】
下記の実施例は、本明細書および特許請求の範囲に記載された方法をどのように実施し、組成物をどのように使用するかについての完全な開示と説明を、当業者に提供するべく提示するものである。数字(例えば量、温度など)に関してはできるだけ正確さを確保するようにしたが、多少の誤差と偏差は考慮に入れなければならない。特に示すことのない限り、割合は重量部、温度は摂氏、圧力は大気圧または大気圧近傍の圧力である。標準温度および圧力はそれぞれ20℃および1気圧とする。
【0014】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、特に示すことのない限り本発明は特定の物質、試薬、反応物質、製造および試験過程などに限定されることはなく、よってこれらは変更し得るものであるということが理解されなければならない。本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的で用いているに過ぎず、限定を意図するものではないことも理解されなければならない。また、論理的に可能であれば、本発明における工程を異なる順番で行うこともできる。
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられている単数形の語(“a”、“an”および“the”に相当する語)は、文言により明示されていない限り、複数の対象を含むものとする。つまり、例えば“支持材(a support)”と言った場合、複数の支持材が含まれる。以下の本明細書および特許請求の範囲では多くの用語に言及するが、これらは、そうではないと明示する場合を除き、下記に定義された意味を持つものとする。
【0015】
以下の記載は本発明を実施するための最良の形態である。この記載は本発明の主要な原理を説明することを目的としたものであり、限定の意味で解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照に判断されなくてはならない。
【0016】
本発明の耐火処方の一実施形態は、無機粒子の懸濁液を含む。該懸濁液は少なくとも、改質無機粒子と、この改質無機粒子と反応可能な有機成分とを含む。以下に、図1を参照しながら、改質無機粒子の作製について説明する。
【0017】
本発明で用いる改質無機粒子はエチレン性不飽和基を備える無機粒子である。図1に示されるように、一実施形態では、一端にイソシアネート基を、他端にエチレン性不飽和基を備える表面改質剤200を無機粒子100の改質に用いる。表面改質剤200はモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーとすることができる。表面改質剤200は、無機粒子100のヒドロキシル基と表面改質剤200のイソシアネート基(−N=C=O)との反応により、ウレタン結合(−NH(CO)O−)で無機粒子100に連結する。図示されるように、改質された無機粒子300にはエチレン性不飽和基が備わるため、他の反応性モノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポリマーの官能基とさらに反応を生じることができるようになる。よって改質無機粒子300が有機(ポリマー)基質に充分に分散し、化学結合の形成による充分に組織化された耐火複合材料400が得られることとなる。
【0018】
本発明において、“ポリマー”という用語は、数平均分子量が1500から100000ダルトンをこえる化合物のことをいい、“オリゴマー”という用語は、数平均分子量が200から1499ダルトンの化合物のことをいう。また、“プレポリマー”という用語は、in−situ重合によりポリマーを形成する物質であって、これには重合されるポリマーに通常組み込まれ得るモノマー、オリゴマー、短鎖の擬安定ポリマー鎖が含まれる。
【0019】
本発明で用いる無機粒子100は、特に限定はされないが、例えば水酸化アルミニウム(Al(OH)3)または水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)などの金属水酸化物とするのが好ましい。また、例えば酸化物などの表面にヒドロキシル基を備える無機粒子も使用に適しており、限定はされないが、例としてSiO2、TiO2またはZnOを挙げることができる。ヒドロキシル基は粒子に元々存在している、または表面改質後に備わるものであってもよい。無機粒子は、粒径約1〜50μmのマイクロサイズ粒子、または粒径約10〜500nmのナノサイズ粒子とすることができる。
【0020】
表面改質を進行する前に、無機粒子を約100〜130℃のオーブンで乾燥させて粒子に付着している水分を除去しておくことが好ましい。かかる水分が表面改質剤のイソシアネート基と反応して、表面改質剤のグラフトの程度を下げてしまう恐れがあるからである。
【0021】
本発明で用いる表面改質剤200は例えばイソシアネート含有アクリレートモノマーまたはオリゴマーであり、脂肪族または芳香族であってよい。表面改質剤の量は、無機粒子100重量部に対して通常約2〜10重量部、好ましくは約3〜6重量部とする。
【0022】
“脂肪族”という用語には、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基などの不飽和および飽和脂肪族基が含まれる。“アルキル”という用語は、直鎖または分岐鎖炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびこれらに類似のもののことをいう。“シクロアルキル”という用語は、その環構造に約3〜10の炭素原子を、あるいはその環構造に約5、6または7の炭素を有するものであり得る。また“アルキル”という用語は、ハロ置換(例えばCl、Br、FおよびI)アルキルおよびヘテロ原子置換アルキルを含むものとしても定義される。
【0023】
脂肪族基の置換基としては、これらに限定はされないが、ヒドロキシル、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素)、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルもしくはアシル)、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオ酢酸もしくはチオギ酸)、アルコキシ、ホスホリル、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、硫酸、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、複素環、アラルキル、または芳香族もしくは複素芳香族部分を挙げることができる。なお、そうすることが適当である場合、炭化水素鎖上で置換されるこれらの部分は、それ自体が置換されてもよいことを、当業者であれば理解できるはずである。例えば、置換アルキルの置換基としては、置換されたおよび置換されていない形のアミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートなど)、スルホニル(硫酸、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホネートなど)、ならびにシリル基を挙げることができ、さらに、エーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレートおよびエステルなど)、−CNならびにこれらに類似のものを挙げることもできる。
【0024】
“芳香族”という用語には、0から4のヘテロ原子を含み得る5−、6−および7−員単環の芳香族基が含まれ、例としてベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジン、ならびにこれらに同類のものを挙げることができる。環構造にヘテロ原子を有するそれらアリール基は“アリール複素環化合物”または“複素環式芳香族化合物”とも称される。
【0025】
芳香環は、その1つまたは複数の環の位置が、上述したような置換基、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香族もしくは複素環芳香族部分、−CF3、−CN、またはこれらに類似のものによって置換されていてもよい。
【0026】
表面改質は反応性溶媒中で行うことができる。本明細書において“反応性溶媒”という用語は、表面改質後に無機粒子のエチレン性不飽和基と反応することができる低粘度のモノマーまたはオリゴマーのことをいう。従来の湿式改質の手法では、表面改質の反応系に追加の成分をさらに添加して、in situで所望の耐火材料を得るが、反応系中には溶媒および酸性またはアルカリ性触媒が含まれていることから、耐火材料は硬化し難くなり、外観と物理特性の制御が容易にできないものとなってしまう。反応性溶媒を使用すると、硬化を行う前に反応系から大部分の溶媒を除去する、ということを行う必要がなくなる。反応性溶媒が改質反応の邪魔をするのを防ぐため、−SH、−OH、−COOH、−NH2および−NHR(Rはアルキルまたはアリール基を表す。)といった官能基を備えない反応性モノマーまたはオリゴマーを使用するのが望ましい。これら官能基は改質剤のイソシアネート基と反応して改質反応に悪影響をもたらす恐れがあるからである。好ましい反応性溶媒としては、これらに限定はされないが、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルまたはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0027】
また、非反応性溶媒中で表面改質を行うことも可能である。この場合もイソシアネートとの副反応を回避するため、−SH、−OH、−COOH、−NH2および−NHR(Rはアルキルまたはアリール基を表す。)といった官能基を備えない非反応性溶媒を用いるのが望ましい。好ましい非反応性溶媒としては、これらに限定はされないが、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シクロアルカンまたはこれらの組み合わせを挙げることができる。ケトン溶媒の例としては、これらに限定はされないが、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンおよびメチルt−ブチルケトンが挙げられる。エーテル溶媒の例としては、これらに限定はされないが、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)およびエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。エステル溶媒の例としては、これらに限定はされないが、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−エトキシエタノールアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、および酢酸イソアミルが挙げられる。脂肪族炭化水素溶媒の例としては、これらに限定はされないが、n−ヘキサン、ヘプタンおよびペンタンが挙げられる。芳香族炭化水素溶媒の例としては、これらに限定はされないが、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが挙げられる。シクロアルカン溶媒の例としては、これらに限定はされないが、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンが挙げられる。非反応性溶媒は、改質反応に用いるに先立ち、乾燥させて含水量を可能な限り減らしておくことが望ましい。
【0028】
表面改質には、イソシアネート基とヒドロキシル基との反応を促進する任意の触媒を用いることができる。かかる触媒の例として、ジブチル錫ジラウレート(T−12)およびオクタン酸錫(T−9)が挙げられる。表面改質の反応は通常約20〜80℃、好ましくは約40〜70℃、より好ましくは約45〜65℃の温度で行われる。
【0029】
エチレン性不飽和基を備える改質無機粒子は、エチレン性不飽和基を備えるモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーと架橋反応することができるため、該改質無機粒子が有機樹脂基質中に均一に分散されて三次元有機/無機構造が形成される。これらモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーがさらにヒドロキシル、無水物、カルボキシルまたはエポキシ基を含んでいてもよい。よって、本発明において有機成分は、改質無機粒子と反応可能な任意のモノマー、オリゴマー、プレポリマー、モノポリマー、コポリマーまたはこれらの組み合わせとすることができる。有機成分は、フリーラジカル重合を進行する有機系、例えばアクリレートベースの系、ポリオレフィンベースの系、不飽和ポリエステルベースの系、ビニルエステルベースの系、またはポリスチレンベースの系とするのが好ましい。なお、本発明の処方には、改質無機粒子と反応しない有機系がさらに含まれてもよいことに留意されたい。このような有機系としては、これらに限定はされないが、フェノールアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、メラミンおよびこれらに類似のものを挙げることができる。
【0030】
表面改質を反応性溶媒中で行う場合、フリーラジカル開始剤を添加して反応性溶媒の重合を進行させることにより、in−situで有機/無機複合材料を作製することができる。必要であれば、1種または複数種の追加の反応性モノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポリマーを反応系に加えることによって各種タイプの耐火複合材料を作製することもできる。また、表面改質を非反応性溶媒中で行う場合は、反応性モノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはポリマーと架橋させる前に、反応系から改質無機粒子を分離する、あるいは非反応性溶媒の大部分を除去する必要がある。
【0031】
架橋反応(硬化)の過程において、硬化剤を加えることができる。硬化剤の例としては、特に限定はされないが、フリーラジカル開始剤である過酸化ベンゾイル(BPO)およびt−ブチルパーオキシベンゾエート(TBPB)などの過酸化物を挙げることができる。硬化剤のさらなる例としては、特に限定はされないが、NH、-NH2、または無水物基を有する化合物(例えば、ジシアンジアミド、ジエチレントリアミン、無水フタル酸、および無水メチルナジック酸)が挙げられる。硬化剤の量は、有機成分100重量部に対して通常約0.5〜2重量部である。硬化は、使用する有機成分に応じ、約20〜180℃で約0.5〜24時間行うことができる。
【0032】
本発明の耐火材料は、従来の塗布または成形技術によって、特に限定はされないが、例えばシート、プレートまたはバルク材などの様々な形態に作製することができる。好ましい塗布法としては、特に限定はされないが、刷毛塗布、ローラー塗布、ブレード塗布、スプレー塗布およびこれらに類似のものを挙げることができる。好ましい成形法としては、特に限定はされないが、圧縮成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形およびこれらに類似のものを挙げることができる。また、当業者であれば、加工上の必要性および最終用途に応じて、耐火材料に他の従来の添加剤を加え得ることが理解できるはずである。かかる添加剤としては、特に限定はされないが、上記改質無機粒子以外の無機フィラー、分散剤および離型剤が挙げられる。例えば、機械特性および耐火特性の向上、ならびに熱分解の阻止を目的として、ガラス繊維チョップドストランドまたはガラス砂を加えてもよい。さらに、本発明の耐火材料をガラス繊維布またはガラス繊維マットに塗布してからプレス成形して、各種形状を有する所望の耐火物とすることもできる。
【0033】
また、硬化した有機/無機複合材料は耐火材料としてそのまま用いることもできるが、粒子に粉砕し、難燃剤として用いることも可能である。かかる粉砕粒子は、ポリマー表面コーティングで覆われた改質無機粒子である。例えば、この粉砕粒子を高温で熱可塑性ポリマー、可塑剤および追加の無機フィラーと混練してから押し出すと、耐火熱可塑性複合材料が形成される。
【0034】
本発明の有機/無機複合材料は、その改質無機粒子と有機成分との化学結合のため(従来の物理的にブレンドされたものと比べると)、炎または発火源暴露下で溶融、発火または燃焼滴下を生じることがない。さらに、熱せられた部分は短時間のうち炭化して充分に組織化された炭化層を形成し、これによって剥離または亀裂なく優れた構造的完全性が保たれ得るので、内部への直接的な熱の伝達が効果的に阻止される。実験から、未改質無機粒子を含む対照材料と対比して、本発明の複合材料は成膜性、靭性および難燃性により優れることが分かっている。
【0035】
いかなる形によっても本発明を限定することなく、以下に実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
実施例1
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー10g、スチレン50g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.4gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、あらかじめ130℃で2時間乾燥させておいたもの)180gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、その反応混合物からアルミナ水酸化物分散液を20g取り出し、これにトルエン60mlを加えて超音波振動、遠心分離、およびろ過処理を行った。このプロセスを3回繰り返した。得られたアルミナ水酸化物粒子を60℃のオーブンで2時間乾燥した。赤外スペクトルには、1500〜1750cm-1にアクリレートおよび−O−C=Oの特性吸収帯が現れ、2850〜2950cm-1に脂肪族水素の伸縮の特性吸収帯が現れた。このことは、改質剤がアルミナ水酸化物粒子上にグラフトされたことを表している。
【0037】
実施例2
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー10g、スチレン50g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.4gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)180gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10gおよび過酸化ベンゾイル1.0gを加えて30分間機械攪拌した。次いで、その混合物を3本ロールミルでブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、100℃で60分間プレス成形を行った。成形された試験片を型から外し、オーブンに入れて120℃で60分間硬化させた。硬化した試験片は表面が滑らかであると共に成膜性に優れ、かつUL94V−0難燃性規格を満たすものであった。
【0038】
実施例3
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー10g、スチレン50g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.3gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)180gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末20g、不飽和ポリエステル(Swancor Ind. Co., Ltd.製Swancor 926)45g、ステアリン酸亜鉛3.0g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを加えて30分間機械攪拌した。次いで、その混合物を3本ロールミルでブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、135℃で25分間プレス成形を行った。成形された試験片を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試験片は表面が滑らかであると共に成膜性に優れ、かつUL94V−0難燃性規格を満たすものであった。
【0039】
実施例4
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー20g、スチレン80g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.25gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)300gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、不飽和ポリエステル(Swancor Ind. Co., Ltd.製Swancor 926)45g、ステアリン酸亜鉛3.4g、BYK110分散剤4.5g、過酸化ベンゾイル0.6g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート1.2gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)66gをブレンドしてから、厚さ0.6mmの型に仕込み、80℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて120℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は357℃であった。
【0040】
実施例5
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー15g、スチレン75g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.45gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)270gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、無水マレイン酸30g、ステアリン酸亜鉛6.3g、BYK110分散剤2.7g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート1.9gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)98gをブレンドしてから、厚さ0.6mmの型に仕込み、140℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は341℃であった。
【0041】
実施例6
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー10g、スチレン50g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.3gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)180gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、無水マレイン酸10g、メラミン10g、ステアリン酸亜鉛4g、BYK110分散剤2g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート0.9gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)65gをブレンドしてから、厚さ0.6mmの型に仕込み、140℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は261.1℃であった。
【0042】
実施例7
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー20g、スチレン100g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.8gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)360gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、ステアリン酸亜鉛5g、BYK110分散剤2.6g、および過酸化ベンゾイル2.0gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)160gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。次いで100℃で60分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて120℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は254℃であった。
【0043】
実施例8
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー20g、スチレン80g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.25gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)300gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、不飽和ポリエステル(Swancor Ind. Co., Ltd.製Swancor 926)30g、ステアリン酸亜鉛3.4g、BYK110分散剤4.5g、過酸化ベンゾイル0.6g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート1.2gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)66gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.3mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。その後、80℃で30分間、次いで120℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて120℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は248℃であった。
【0044】
実施例9
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー15g、スチレン75g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.45gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)270gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末20g、無水マレイン酸20g、ステアリン酸亜鉛6.3g、BYK110分散剤2.7g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート1.6gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)126gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。次いで140℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は257℃であった。
【0045】
実施例10
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー20g、スチレン80g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.4gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)270gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、ビニルエステル樹脂(Swancor Ind. Co., Ltd.製vinyl ester 977)30g、ステアリン酸亜鉛6.75g、BYK110分散剤4.5g、過酸化ベンゾイル0.6g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート1.2gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)168gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。その後、80℃で30分間、次いで120℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて120℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は276℃であった。
【0046】
実施例11
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー10g、スチレン50g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.3gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)180gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末10g、無水マレイン酸10g、ステアリン酸亜鉛4g、BYK110分散剤2g、およびt−ブチルパーオキシベンゾエート0.9gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)65gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。次いで140℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。1時間経過後、試験片の裏面温度は253.1℃であった。
【0047】
実施例12
市販のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー15g、スチレン75g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.45gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽に、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)270gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、反応槽にポリスチレン粉末20g、エポキシ樹脂(Nan Ya Plastics Corp.製Epoxy 128)25g、ステアリン酸亜鉛6.3g、BYK110分散剤2.7g、t−ブチルパーオキシベンゾエート1.1g、ジシアンジアミド1.4g、およびジクロロフェニルジメチル尿素(DCMU)0.8gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)146gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。次いで150℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。15分経過後、試験片の裏面温度は255℃となり、25分経過後には271.8℃となった。
【0048】
比較例1
スチレン75gおよびBYK110分散剤2.7gを500mlプラスチックジャーに入れて完全に混合した。そこにアルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)270gをゆっくり加えた。続いて、そのプラスチックジャーにポリスチレン粉末20g、エポキシ樹脂(Nan Ya Plastics Corp.製Epoxy 128)25g、ステアリン酸亜鉛6.3g、t−ブチルパーオキシベンゾエート1.1g、ジシアンジアミド1.4g、およびジクロロフェニルジメチル尿素(DCMU)0.8gを加えて30分間機械攪拌した。次に、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)146gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。次いで150℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。15分経過後、試験片の裏面温度は374.2℃まで上昇し、25分経過後には322.8℃となった。
【0049】
図2は、比較例1と実施例12の燃焼試験の結果を比較する図である。図示されるように、実施例12の温度上昇曲線はよりなだらかとなっており、実施例12の難燃性が、無機粒子を改質していない比較例1よりも優れていることが分かる。
【0050】
比較例2
スチレン75g、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Shin Etsu Chemical Corp.製)15g、およびBYK110分散剤2.7gを500ml反応槽中で完全に混合した。その反応槽にアルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)270gをゆっくり加え、50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却したら、反応槽にポリスチレン粉末20g、エポキシ樹脂(Nan Ya Plastics Corp.製Epoxy 128)25g、ステアリン酸亜鉛6.3g、t−ブチルパーオキシベンゾエート1.1g、ジシアンジアミド1.4g、およびジクロロフェニルジメチル尿素(DCMU)0.8gを加えて30分間機械攪拌した。続いて、その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)146gをブレンドし、得られたブレンド物の一部を厚さ0.6mmの型に塗布して厚さ約0.2〜0.25mmの塗布膜を形成した。その塗布膜上に厚さ0.15mmのガラス繊維布(Taiwan Glass Corp.製)を置き、残りのブレンド物を適量取って型を満たすべく該ガラス繊維布に塗布した。次いで150℃で30分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。そして、硬化した試料を60mm×60mm、厚さ0.6mmの試験片にカットし、試験片の表面に対し火炎温度1100℃で燃焼試験を行った。この際、試験片の裏面に温度検出器の熱電対を装着して温度上昇をモニターした。15分経過後、試験片の裏面温度は366.3℃まで上昇し、25分経過後には350.7℃となった。
【0051】
図2には比較例2と実施例12の燃焼試験の結果も比較されている。図示されるように、実施例12の温度上昇曲線はよりなだらかとなっており、実施例12の難燃性が、アクリレート含有のシランカップリング剤で無機粒子が改質された比較例2よりも優れていることが分かる。
【0052】
調製例1
ポリプロピレングリコール(PPG−1000、Mw=1000)160.0gおよび1,6−ヘキサンジオール9.4gをガラス容器に入れ、105℃で少なくとも4時間真空乾燥を行って含水量を400ppm以下まで減らした。
【0053】
窒素雰囲気下、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート100.8gを四つ口の反応容器に入れて120℃に予熱した。その反応容器に、乾燥したポリプロピレングリコールおよび1,6−ヘキサンジオールをゆっくり添加した。添加が完了した後、その反応混合物を120〜130℃で5時間攪拌してから、フリーイソシアネート(−NCO)の残留量をモニターした。イソシアネートの残留量が約11.5%まで減少したところで、冷却して第1段階の反応を停止させた。
【0054】
そして50℃まで冷却したら、上述の混合物にジブチル錫ジラウレート1.5gを加えることにより第2段階の反応を開始させた。50℃の温度下、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(2−HPA)20.8gをゆっくり添加し、添加が完了した後、得られた混合物を50℃で3時間攪拌してから、イソシアネートの残留量をモニターした。イソシアネートの残留量が約8.5%まで減少したところで第2段階の反応を終了とした。これにより、室温で固態を呈する高粘度のイソシアネート含有アクリレートオリゴマーを得た。そのイソシアネート残留量は6.5%であった。
【0055】
調製例2
ポリプロピレングリコール(PPG−1000、Mw=1000)200.0gおよび1,6−ヘキサンジオール4.1gをガラス容器に入れ、105℃で少なくとも4時間真空乾燥を行って含水量を400ppm以下まで減らした。
【0056】
窒素雰囲気下、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート126.0gを四つ口の反応容器に入れて120℃に予熱した。その反応容器に乾燥したポリプロピレングリコールおよび1,6−ヘキサンジオールをゆっくり60分以内に添加し、添加が完了した後、その反応混合物を120〜130℃で6時間攪拌してから、フリーイソシアネート(−NCO)の残留量をモニターした。イソシアネートの残留量が約13.1%まで減少したところで、冷却して第1段階の反応を停止させた。
【0057】
そして50℃まで冷却したら、上述の混合物にジブチル錫ジラウレート1.8gを加えることにより第2段階の反応を開始させた。50℃の温度下、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(2−HPA)26.0gを30分間のうちに数回に分けて段階的に添加し、添加が完了した後、得られた混合物を50℃で5時間攪拌してから、イソシアネートの残留量をモニターした。イソシアネートの残留量が約9.7%まで減少したところで第2段階の反応を終了とした。これにより、低粘度(25℃で1425cps)の液態を呈するイソシアネート含有アクリレートオリゴマーを得た。そのイソシアネート残留量は8.3%であった。
【0058】
調製例3
ポリプロピレングリコール(PPG−1000、Mw=1000)200.0gおよび1,6−ヘキサンジオール4.1gをガラス容器に入れ、105℃で少なくとも4時間真空乾燥を行って含水量を400ppm以下まで減らした。
【0059】
窒素雰囲気下、2,4/2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)132.2gを四つ口の反応容器に入れて70℃に予熱した。その反応容器に乾燥したポリプロピレングリコールおよび1,6−ヘキサンジオールをゆっくり60分以内に添加し、添加が完了した後、その反応混合物を70〜75℃で3時間攪拌してから、フリーイソシアネート(−NCO)の残留量をモニターした。イソシアネートの残留量が約13.1%まで減少したところで、冷却して第1段階の反応を停止させた。
【0060】
そして40℃まで冷却したら、上述の混合物にジブチル錫ジラウレート0.3gを加えることにより第2段階の反応を開始させた。40℃の温度下、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(2−HPA)26.0gを30分間のうちに数回に分けて段階的に添加し、添加が完了した後、得られた混合物を50℃で5時間攪拌してから、イソシアネートの残留量をモニターした。イソシアネートの残留量が約9.8%まで減少したところで第2段階の反応を終了とした。これにより、無色の液体であるイソシアネート含有アクリレートオリゴマー(粘度:25℃で15000cps)を得た。そのイソシアネート残留量は9.1%であった。
【0061】
比較例3
スチレン40gを200mlプラスチックジャーに入れ、そこに未改質アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm)75gをゆっくり加えて完全に混合した。続いて、ポリスチレン粉末10gおよび過酸化ベンゾイル0.75gを加え、30分間機械攪拌した。その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)41.7gをブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、120℃で60分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試料を12.7mm×127mmの5本の試験片にカットし、これら試験片に対してUL94燃焼試験を行った。結果、これら試験片には滴下現象が見られ、UL94V−0難燃性規格を満たしていなかった。
【0062】
実施例13
スチレン40gを200mlプラスチックジャーに入れ、そこに、調製例1のイソシアネート含有アクリレートオリゴマーで改質したアルミナ三水和物75gをゆっくり加えて完全に混合した。続いて、ポリスチレン粉末10gおよび過酸化ベンゾイル0.75gを加え、30分間機械攪拌した。その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)41.7gをブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、120℃で60分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試料を12.7mm×127mmの5本の試験片にカットし、これら試験片に対してUL94燃焼試験を行った。結果、これら試験片はUL94V−0難燃性規格を満たしていた。
【0063】
実施例14
調製例1のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー3g、スチレン40g、および触媒であるジブチル錫ジラウレート0.15gを500ml反応槽中で完全に混合してから、アルミナ三水和物(Beaming Company社製、平均粒径:8μm、事前に130℃で2時間乾燥させておいたもの)75gをゆっくり加え、その混合物を50〜55℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、ポリスチレン粉末10gおよびt−ブチルパーオキシベンゾエート0.75gを加え、30分間機械攪拌した。その混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)42.7gをブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、120℃で60分間プレス成形を行った。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試料を12.7mm×127mmの5本の試験片にカットし、これら試験片に対してUL94燃焼試験を行った。結果、これら試験片はUL94V−0難燃性規格を満たしていた。
【0064】
比較例4
ビニルエステル樹脂50gおよびコバルト塩0.3gを200mlプラスチックジャー中で混合し、そこに未改質アルミナ三水和物65gをゆっくり加えた。30分間攪拌した後、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)0.75gを加え、次いでその混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)38.3gをブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、室温下6時間放置した。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試料を12.7mm×127mmの5本の試験片にカットし、これら試験片に対してUL94燃焼試験を行った。結果、これら試験片はUL94V−0難燃性規格を満たしていなかった。
【0065】
実施例15
ビニルエステル樹脂50gおよびコバルト塩0.3gを200mlプラスチックジャー中で混合し、そこにアルミナ三水和物65gをゆっくり加えた。30分間攪拌した後、調製例2のイソシアネート含有アクリレートオリゴマー2gを加え完全に混合してから、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)0.75gを加えた。次いでその混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)39.3gをブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、室温下6時間放置した。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試料を12.7mm×127mmの5本の試験片にカットし、これら試験片に対してUL94燃焼試験を行った。結果、これら試験片はUL94V−0難燃性規格を満たしていた。
【0066】
実施例16
ビニルエステル樹脂50gおよびコバルト塩0.3gを200mlプラスチックジャー中で混合し、そこに調製例2のイソシアネート含有アクリレートオリゴマーで改質したアルミナ三水和物65gをゆっくり加えた。30分間攪拌した後、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)0.75gを加え、次いでその混合物にガラス繊維チョップドストランド(1/8インチ、Taiwan Glass Corp.製)38.3gをブレンドしてから、厚さ0.3mmの型に仕込み、室温下6時間放置した。成形された試料を型から外し、オーブンに入れて130℃で60分間硬化させた。硬化した試料を12.7mm×127mmの5本の試験片にカットし、これら試験片に対してUL94燃焼試験を行った。結果、これら試験片はUL94V−0難燃性規格を満たしていた。
【0067】
本明細書において、割合、濃度、量およびその他の数字データは範囲の形式で表されている場合があることに留意されたい。かかる範囲の形式は便宜および簡潔とするために用いたと解されるべきであり、すなわち範囲の上下限として明示的に挙げられた数値が含まれるのみならず、その範囲の中の個々の数値または下位の範囲(sub-range)も、それら各数値または下位の範囲があたかも明示的に挙げられたものとして含まれるというように、柔軟に解釈されなければならない。例えば、濃度範囲“約0.1%から約5%”には、明示的に挙げられた濃度約0.1wt%から約5wt%が含まれるのみならず、示された範囲の中の個々の濃度(例えば1%、2%、3%および4%)ならびに下位の範囲(例えば0.5%、1.1%、2.2%、3.3%および4.4%)も含まれると解されるべきである。“約”という用語は、変更する±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±6%、±7%、±8%、±9%もしくは±10%またはこれより大きい数値を含み得る。さらに、“約‘x’から‘y’”という表現には、“約‘x’から約‘y’”が含まれる。
【0068】
以上、好適な実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定はされないと解されるべきであり、つまり本発明は、(当業者であれば明らかであるように)添付の特許請求の範囲は、かかる各種変更および均等なアレンジがすべて包含されるように、最も広い意味に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態における無機粒子の表面改質を示す概略図である。
【図2】加熱時間の関数として試験片の裏面温度を示した図であり、実施例12と、比較例1〜2の耐火材料との比較である。
【符号の説明】
【0070】
100 無機粒子
200 表面改質剤
300 改質無機粒子
400 耐火複合材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火材料の作製に用いられる処方であって、
ヒドロキシル基を備える無機粒子、および前記無機粒子にウレタン結合によって連結する、エチレン性不飽和末端基を備える表面改質剤を含む改質無機粒子と、
前記エチレン性不飽和末端基と反応可能な、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーまたはこれらの組み合わせから選ばれる有機成分と、
を含む懸濁液を含む処方。
【請求項2】
前記無機粒子が、金属水酸化物または酸化物から選ばれる請求項1記載の処方。
【請求項3】
前記金属水酸化物が、Al(OH)3またはMg(OH)2である請求項2記載の処方。
【請求項4】
前記酸化物がSiO2、TiO2またはZnOから選ばれる請求項2記載の処方。
【請求項5】
前記表面改質剤が、一端にイソシアネート基を、他端にエチレン性不飽和基を含むモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーから選ばれる請求項1記載の処方。
【請求項6】
前記有機成分が、少なくともエチレン性不飽和基を含む請求項1記載の処方。
【請求項7】
前記有機成分が、ヒドロキシル、無水物、カルボキシルまたはエポキシ基から選ばれる基を含む請求項6記載の処方。
【請求項8】
前記有機成分が、反応性溶媒を含む請求項1記載の処方。
【請求項9】
前記反応性溶媒が、−SH、−OH、−COOH、−NH2および−NHR(Rはアルキルまたはアリール基を表す)から選ばれる官能基を備えない反応性モノマーまたはオリゴマーから選ばれる請求項8記載の処方。
【請求項10】
前記反応性溶媒が、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルまたはこれらの組み合わせである請求項9記載の処方。
【請求項11】
前記懸濁液が、非反応性溶媒をさらに含む請求項1記載の処方。
【請求項12】
前記非反応性溶媒が、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シクロアルカンまたはこれらの組み合わせから選ばれる請求項11記載の処方。
【請求項13】
前記改質無機粒子以外の無機フィラー、分散剤、離型剤、硬化剤またはこれらの組み合わせをさらに含む請求項1記載の処方。
【請求項14】
前記硬化剤が、フリーラジカル開始剤を含む請求項13記載の処方。
【請求項15】
ヒドロキシル基を備える無機粒子、および前記無機粒子にウレタン結合によって連結する、エチレン性不飽和末端基を備える表面改質剤を含む改質無機粒子と、
前記エチレン性不飽和末端基と反応可能な、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーまたはこれらの組み合わせである有機成分と、
を含む処方を硬化させてなる有機/無機複合材料を含む耐火材料。
【請求項16】
前記無機粒子が、金属水酸化物または酸化物から選ばれる請求項15記載の耐火材料。
【請求項17】
前記金属水酸化物が、Al(OH)3またはMg(OH)2である請求項16記載の耐火材料。
【請求項18】
前記酸化物が、SiO2、TiO2またはZnOから選ばれる請求項17記載の耐火材料。
【請求項19】
前記表面改質剤が、一端にイソシアネート基を、他端にエチレン性不飽和基を含むモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーから選ばれる請求項15記載の耐火材料。
【請求項20】
前記有機成分が少なくともエチレン性不飽和基を含む請求項15記載の耐火材料。
【請求項21】
前記有機成分が、ヒドロキシル、無水物、カルボキシルまたはエポキシ基から選ばれる基を含む請求項20記載の耐火材料。
【請求項22】
前記改質無機粒子以外の無機フィラー、分散剤、離型剤、硬化剤またはこれらの組み合わせをさらに含む請求項15記載の耐火材料。
【請求項23】
前記硬化剤が、フリーラジカル開始剤を含む請求項15記載の耐火材料。
【請求項24】
ガラス繊維布またはガラス繊維マットから選ばれた構成部材をさらに含む請求項15記載の耐火材料。
【請求項25】
シート、プレートまたはバルク材から選ばれた構造に形成される請求項15記載の耐火材料。
【請求項26】
UL94V−0規格を満たす請求項15記載の耐火材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−138177(P2009−138177A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201630(P2008−201630)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】