耳栓およびその耳栓付き首上装着具
【課題】 水や雨、風などの抵抗力を弱くし、タイムを争うスポーツなどでその抵抗力によるタイムロスを少なくでき、さらに装着力が弱くなって耳から落下することがなく、耳栓に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が低減され、使用者の耳に伝わり難く、充分な聴覚保護を果たせる耳栓を提供する。そして前記耳栓を落として無くしたり、置き忘れないようにするために、その耳栓付きの首上装着具を提供する。
【解決手段】 この発明の耳栓は、耳栓本体1をアーム部2に、90±45度の角度をもって接続したものとした。さらに、耳栓本体1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2を、コード3の一端に接続したものとした。また、耳栓本体1、1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2、2を、それぞれコード3の両端に接続したものとした。そして、この発明の耳栓付き首上装着具は、前記耳栓のコード3を連結したものとした。
【解決手段】 この発明の耳栓は、耳栓本体1をアーム部2に、90±45度の角度をもって接続したものとした。さらに、耳栓本体1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2を、コード3の一端に接続したものとした。また、耳栓本体1、1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2、2を、それぞれコード3の両端に接続したものとした。そして、この発明の耳栓付き首上装着具は、前記耳栓のコード3を連結したものとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スポーツ時などに耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために用いたり、騒音の激しい場所での聴覚保護などに用いる耳栓およびその耳栓を取り付けた首上装着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の耳栓には、図9、10に示したように、ゴムまたは塩化ビニール、その他ポリエチレン等の軟質合成樹脂で形成した適宜長さの細い軸棒11に薄い柔かな小径傘状翼盤12を先端に設け、その後方に、適宜間隔を設けて翼盤12より大径の翼盤13と、この翼盤13より大径の翼盤14とを順次段階的に軸棒11と一体に形成してなるものが存在する(特許文献1)。
【0003】
このようにした耳栓は、耳孔に挿入する場合、耳孔に適合した翼盤まで挿入して、止めておくことができるので、使用者の耳孔の径の大小に拘らず適合させることができるという効果を有するとしている。
【0004】
さらに、この種の耳栓には、図11に示したように、シリコンゴムからなる一対の耳栓本体21にそれぞれ耳孔挿入部21a、21bと耳孔挿入止め22a、22bを設け、耳孔挿入止め22a、22bに孔23a、23bを設け、これら孔23a、23bにゴム紐24を接続させて一対の耳栓本体21を連結させたものとし、前記耳孔挿入部21a、21bに輪小部25a、25b、輪中部26a、26b、輪大部27a、27bを設けてなるものが存在する(特許文献2)。
【0005】
このようにした耳栓は、一対の耳栓本体21をゴム紐24で連結させているので、片方を落下させて紛失してしまうことがなく、また耳孔挿入部21a、21bに輪小部25a、25b、輪中部26a、26b、輪大部27a、27bを設けているので、前記した耳栓と同様に、使用者の耳孔の径の大小に拘らず適合させることができるという効果を有するとしている。
【特許文献1】実公昭38−19297号公報(第1頁、第1、2図)
【特許文献2】実開平3−36624号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図9、10に示した従来の耳栓では、軸棒11を直線形状としているため、その耳栓を装着した場合、軸棒11の後端部が使用者の耳孔から大きく突出する。さらに、図11に示した耳栓でも、耳孔挿入部21a、21bと耳孔挿入止め22a、22bとを一直線状に設けているため、その耳栓を装着した場合、耳孔挿入止め22a、22bが使用者の耳孔から大きく突出する。
【0007】
そのため、スポーツ時に耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために前記耳栓を使用した場合には、水や雨、風などが入らないようにできても、耳孔から大きく突出している軸棒11の後端部や耳孔挿入止め22a、22bに水や雨、風などの抵抗力がかかり、タイムを争うスポーツなどではその抵抗力によってタイムロスを生じたり、装着力が弱くなって耳から落下してしまうという問題点を有していた。
【0008】
また、騒音の激しい場所での聴覚保護などに前記耳栓を使用した場合には、その耳栓の装着によって外部の音を遮断することができても、耳孔から大きく突出している軸棒11の後端部や耳孔挿入止め22a、22bに物が触れたり、当たったりしたときの振動音が、騒音となって使用者の耳孔に直接入ることがあり、充分な聴覚保護を果たせないという問題点を有していた。
【0009】
ところで、スポーツ時に耳栓を使用するとき、例えば水泳をするときには水泳用ゴーグル、スキーをするときにはスキー用ゴーグルやサングラス、オートレースをするときにはオート用ゴーグルというように、そのスポーツに応じたゴーグルや眼鏡などの首上装着具と同時に使用することがある。さらに、騒音の激しい場所で耳栓を使用するとき、例えば工場や工事現場ではヘルメット、安全ゴーグル、防塵マスクなどの首上装着具と同時に使用することがある。
【0010】
このような場合、その耳栓を首上装着具に取り付けておくことができれば、使用中に耳から耳栓が外れても落として無くしたりすることがなく、また耳栓をその首上装着具と一緒にして携帯したり、保管することができるので、耳栓を置き忘れることがなくなる。
【0011】
しかしながら、図9、10に示した従来の耳栓では、前記したような首上装着具に取り付けておくことができず、図11に示した従来の耳栓でも、ゴム紐24を前記したような首上装着具に結び付けておくには無理があるという問題点を有していた。
【0012】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、スポーツ時に耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために使用した場合には、水や雨、風などの抵抗力を弱くして、タイムを争うスポーツなどでもその抵抗力によるタイムロスを少なくすることができ、さらに装着力が弱くなって耳から落下するようなこともなく、騒音の激しい場所で聴覚保護などに使用した場合には、耳栓に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が低減され、使用者の耳孔に伝わり難くし、充分な聴覚保護を果たせるようにした耳栓を提供することを目的とし、さらに前記耳栓を落として無くしたり、置き忘れないようにするために、その耳栓付き首上装着具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのため、この発明の耳栓は、耳栓本体1をアーム部2に、90±45度の角度をもって接続したものとしている。
【0014】
さらに、この発明の耳栓は、耳栓本体1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2を、コード3の一端に接続したものとしている。
【0015】
また、この発明の耳栓は、耳栓本体1、1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2、2を、それぞれコード3の両端に接続したものとしている。
【0016】
そして、この発明の耳栓は、前記耳栓本体1とアーム部2、さらにアーム部2とコード3を一体成形して接続したものとしている。
【0017】
さらに、この発明の耳栓は、前記耳栓本体1の硬度を、シェアーAデュロメータ硬度が10〜40の値を有するものとしている。
【0018】
また、この発明の耳栓は、前記コード3の他端に連結部4を設けたものとしている。
【0019】
さらに、この発明の耳栓は、前記コード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くしたものとしている。
【0020】
また、この発明の耳栓は、前記コード3の略中央部に連結部4を設けたものとしている。
【0021】
さらに、この発明の耳栓は、前記コード3に、両端のアーム2、2から適宜位置に目印5、5を設けたものとし、これら目印5、5のそれぞれアーム2、2側に連結部4を設けたものとしている。
【0022】
この発明の耳栓付き首上装着具は、前記耳栓のコード3を連結したものとしている。
【0023】
そして、この発明の耳栓付き首上装着具は、前記耳栓のコード3を首上装着具の止めバンドBまたはツルに連結したものとしている。
【0024】
さらに、この発明の耳栓付き首上装着具を、水泳ゴーグルGとした場合にはアイカップCに前記耳栓のコード3を連結したものとしている。
【発明の効果】
【0025】
この発明の耳栓は、スポーツ時に耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために使用した場合には、水や雨、風などの抵抗力が弱くなり、タイムを争うスポーツなどでもその抵抗力によるタイムロスを少なくすることができ、さらに装着力が弱くなって耳から落下するようなこともなく、騒音の激しい場所での聴覚保護などに使用した場合には、耳栓に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が低減され、使用者の耳孔に伝わり難くなり、充分な聴覚保護を果たせるものとなる。
【0026】
さらに、この発明の耳栓付き首上装着具は、耳栓を落として無くしたり、置き忘れないようにすることができ、非常に便利なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具を実施するための最良の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1は、この発明の耳栓の一実施形態を示しており、耳栓本体1をアーム部2に、一定の角度をもって接続したものとしている。
【0029】
図2は、この発明の耳栓の他の実施形態を示しており、耳栓本体1を一定の角度をもって接続したアーム部2を、コード3の一端に接続したものとしている。
【0030】
図3は、この発明の耳栓のさらに他の実施形態を示しており、耳栓本体1、1を一定の角度をもって接続したアーム部2、2を、それぞれコード3の両端に接続したものとしている。
【0031】
前記耳栓本体1は、遮音や防水性能を有したものとしており、図示したものはフランジ型とし、三段のフランジ1aを設けて耳孔に挿入するものとしているが、このようなフランジ1aを設けず、耳孔に充填するようにした充填型としてもよく、その型式は限定されることはない。この耳栓本体1は、軟質性としており、その材質としては、フランジ型とした場合には、軟質加硫ゴムや、シリコーンゴムや、ポリオレフイン系、ポリ塩化ビニール系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系などの熱可塑性エラストマーが用いられ、充填型とした場合には、通常、独立発泡型のポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が用いられる。なお、充填型は通常、独立発泡型の樹脂を使用するので、アーム部2と一体成形した場合、アーム部2の強度が充分でないことがあり、この場合はフランジ型が好ましいといえる。
【0032】
前記アーム部2は、耳栓本体1よりも通常は細い形状としており、その断面形状は円形、楕円形などとしており、耳栓本体1と同様に軟質性としており、その材質も耳栓本体1と同様の材質とすることができる。
【0033】
前記コード3は、アーム部2よりも通常は細い形状としており、その断面形状は円形、楕円形などとしており、アーム部2と同様に軟質性としており、その材質もアーム部2と同様の材質とすることができる。
【0034】
そして、前記耳栓本体1とアーム部2の硬度は、シェアーAデュロメータ硬度が10〜40の値を有するものとするのが好ましく、15〜30の値を有するものとするのがより好ましい。前記硬度が10より小さいと、柔らかすぎて、耳栓本体1の腰が弱く、アーム部2の強度が足りなくなる傾向があり、40より大きいと、硬すぎて耳孔に耳栓本体1を挿入し難くなる。
【0035】
前記耳栓本体1とアーム部2は、一定の角度、すなわち90±45度の角度、より好ましくは90±20度の角度をもって接続したものとしている。このようにすると、耳栓装着時に、アーム部2が折れ曲がった状態となり、使用者の耳孔から大きく突出することがないので、強い抵抗力がかかることもなく、またバタついて気になったり、バタつきによる装着力が弱くなることもない。さらに、折れ曲がった状態となったアーム部2が、使用者の耳孔外郭部に接触するので、このアーム部2に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が耳孔外郭部に吸収され低減されて、使用者の耳孔に伝わり難くなる。しかし、この角度が45度より小さいと、耳栓装着時にアーム部2が耳孔外郭部に強く当たりその反発によって耳から外れ易く、135度より大きいと、耳孔から大きく突出して強い抵抗力がかかるので外れ易くなる。また、前記角度が135度より大きくなると、耳栓装着時にアーム部2が耳孔外郭部に接触せず、振動音の低減をはかることができない。
【0036】
前記耳栓本体1とアーム部2は、一体成形して接続したものとすれば、両者の角度が変わったり、両者が外れてしまうことがないので、好ましい。さらに、前記アーム部2とコード3も一体成形して接続したものとすれば、両者が外れてしまうことがないので、好ましい。
【0037】
図2に示したように、アーム部2をコード3の一端に接続した場合には、コード3の他端に連結部4を設けたものとしている。この連結部4は、コード3の端部に直に設けた挿入孔としたり、コード3の端部に連結したリングとしたり、コード3の端部に連結したクリップなどとすることができる。さらに、前記連結部4は、首上装着具に設けた連結部(図示せず)と対となって機能するもの、例えばバックル、尾錠、面接着テープなどとしてもよい。
【0038】
そして、前記コード3は、そのコード3に設けた連結部4によって、首上装着具に取り付けることができる。この場合、首上装着具に好ましい状態で取り付けるには、コード3の長さは20cm以下が好ましく、10〜15cmとするのがより好ましい。コード3の長さが10cmより短いと、首上装着具に届かず、取り付けることができなかったり、20cmより長いと、首上装着具に取り付けたときに弛んで邪魔になることがある。
【0039】
図3に示したように、前記アーム部2、2をコード3の両端にそれぞれ接続した場合には、コード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くしたものとしている。この偏平形状とした部分は、幅を0.5〜3cm、長さを3〜20cm、厚みを0.5〜3mm程度にすることができる。そして、この略中央部に連結部4を設けたものとしている。さらに、両端のアーム部2、2からそれぞれ20cm以下の位置、好ましくは10〜15cmの位置に目印5、5を付けたものとし、これら目印5、5のそれぞれアーム部2、2側に連結部4を設けたものとすることができる。これらの連結部4は、コード3に直に設けた挿入孔としたり、コード3に連結したリングとしたり、コード3に連結したクリップなどとすることができる。
【0040】
そして、前記コード3は、使用者の首の後ろにその略中央部を掛けたり、連結部4によってその略中央部を首上装着具に取り付けることができる。この場合、コード3の長さは、35〜75cmとするのが好ましく、38〜48cmとするのがより好ましい。コード3の長さが35cmより短いと、使用者によっては首の後ろに掛けることができなくなる場合があり、75cmより長いと、使用者の首の後ろに掛けたときに弛んで邪魔になることがある。このコード3の略中央部を使用者の首の後ろに掛けると、コード3が引っ張られなくなり、そのコード3の重量がアーム部2、2に掛かることがないので、耳栓本体1も引っ張られることなく使用者の耳孔から抜けることがない。さらに、このコード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くすれば、使用者の首の後ろに安定した状態で掛けることができ、使用者の耳孔からより一層抜けることがないものとなる。
【0041】
次に、この発明の首上装着具は、前記耳栓のコード3を一体として、または着脱自在として連結したものとしている。
【0042】
首上装着具としては、例えば、矯正眼鏡、サングラス、安全眼鏡、水泳ゴーグル、スキーゴーグル、オートゴーグル、安全ゴーグル、防塵ゴーグルなどの眼鏡類、ヘルメット、帽子などの頭部装着具類、安全面、ガスマスク、防塵マスクなどの顔面装着具類などが挙げられる。
【0043】
前記首上装着具に耳栓のコード3を一体として連結する場合は、首上装着具の止めバンドBやツル(図示せず)などに直接、接着するなどすればよい。また、前記首上装着具にコード3を着脱自在として連結する場合は、図5、6、8に示したように、コード3に設けた連結部4に首上装着具の止めバンドBやツルなどを挿入したり、これら止めバンドBやツルなどに前記連結部4を挟み込んだりすればよい。さらに、前記連結部4を挿入孔とした場合には、図5にしたように、長孔とすれば、首上装着具の止めバンドBなどが通し易く、抜け難いものとなるので好ましい。また、前記首上装着具にコード3を連結する場合は、首上装着具を水泳ゴーグルGとした場合には、その水泳ゴーグルGのアイカップCにコード3を連結したものとすることもできる。なお、前記連結部4は、コード3に設けた挿入孔、コード3の端部に連結したリングやクリップなどとすることができ、またこれら以外にも、首上装着具に設けた連結部(図示せず)と対となって機能するもの、例えばバックル、尾錠、面接着テープなどとすることができる。
【0044】
以上のように構成したこの発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態について、次に説明する。
【0045】
先ず、図1に示したこの発明の耳栓は、図4に示したように、アーム部2を下向きにして耳栓本体1を使用者の耳孔に装着する。すると、アーム部2が折れ曲がった状態となり、使用者の耳孔から大きく突出することがないので、スポーツ時に水や雨、風などの抵抗力を弱くすることができ、またアーム部2がバタついて気になったり、バタつきによる耳栓の装着力が弱くなることもない。さらに、折れ曲がった状態となったアーム部2が、使用者の耳孔外郭部に接触するので、このアーム部2に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が耳孔外郭部に伝わって、耳孔に伝わる振動音が低減されることになる。なお、図4では、アーム部2を下向きにして耳栓本体1を使用者の耳孔に装着しているが、このアーム部2を横向きにしたり、場合によっては上向きにして耳栓本体1を使用者の耳孔に装着してもよい。
【0046】
次に、図2に示したこの発明の耳栓は、耳栓本体1を使用者の耳孔に装着するときに、図5に示したように、連結部4をコード3の端部に設けた挿入孔とした場合は、この挿入孔に、例えば水泳ゴーグルGの止めバンドBを挿入することにより、この水泳ゴーグルGに取り付け、図6に示したように、連結部4をコード3の端部に連結したリングとした場合は、このリングに水泳ゴーグルGの止めバンドBを挿入することにより、この水泳ゴーグルGに取り付ける。すると、図5に示したような耳栓を装着した状態から、図6に示したような耳栓が外れた状態になっても、耳栓は水泳ゴーグルGの止めバンドBに取り付けられたままになっているので、耳栓を落として無くしたりすることがない。さらに、耳栓をその水泳ゴーグルGと一緒に携帯したり、保管することができるので、その耳栓を置き忘れることがなくなる。なお、図2に示したこの発明の耳栓は、アーム部2とコード3の接続部からこのコード3を切断すれば、図1に示したこの発明の耳栓と同じ構成となり、この耳栓と同様の状態として使用することができる。
【0047】
さらに、図3に示したこの発明の耳栓は、耳栓本体1を使用者の耳孔に装着するときに、図7に示したように、コード3の略中央部を使用者の首の後ろに掛けたり、図8に示したように、連結部4によってコード3の略中央部を、例えば水泳ゴーグルGの止めバンドBに取り付ける。すると、図7に示したものではコード3が引っ張られなくなり、そのコード3の重量がアーム部2、2に掛かることがないので、耳栓本体1も引っ張られることなく使用者の耳孔から抜けることがない。そして、このコード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くすれば、使用者の首の後ろに安定した状態で掛けることができ、使用者の耳孔からより一層抜けることがないものとなる。さらに、図8に示したものでは、図6に示したものと同様、耳栓が外れた状態になっても、耳栓は水泳ゴーグルGの止めバンドBに取り付けられたままになっているので、耳栓を落として無くしたりすることがない。なお、図3に示したこの発明の耳栓は、コード3の目印5、5の部分からこのコード3を切断すれば、図2に示したこの発明の耳栓と同じ構成となり、この耳栓と同様の状態として使用することができる。また、図3に示したこの発明の耳栓は、アーム部2とコード3の接続部からこのコード3を切断すれば、図1に示したこの発明の耳栓と同じ構成となり、この耳栓と同様の状態として使用することができるのはいうまでもない。
【0048】
さらに、この発明の耳栓付き首上装着具も、図5、6および図8に示したように、この発明の耳栓と同様の状態として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の耳栓の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の耳栓の他の実施形態を示す斜視図である。
【図3】この発明の耳栓のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】この発明の耳栓の使用状態を示す説明図である。
【図5】この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態を示す説明図である。
【図6】この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態を示す説明図である。
【図7】この発明の耳栓の使用状態を示す説明図である。
【図8】この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態を示す説明図である。
【図9】従来の耳栓の一例を示す側面図である。
【図10】図9に示す従来の耳栓の断面図である。
【図11】従来の耳栓の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 耳栓本体
2 アーム部
3 コード
4 連結部
5 目印
G 水泳ゴーグル
B 止めバンド
C アイカップ
【技術分野】
【0001】
この発明は、スポーツ時などに耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために用いたり、騒音の激しい場所での聴覚保護などに用いる耳栓およびその耳栓を取り付けた首上装着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の耳栓には、図9、10に示したように、ゴムまたは塩化ビニール、その他ポリエチレン等の軟質合成樹脂で形成した適宜長さの細い軸棒11に薄い柔かな小径傘状翼盤12を先端に設け、その後方に、適宜間隔を設けて翼盤12より大径の翼盤13と、この翼盤13より大径の翼盤14とを順次段階的に軸棒11と一体に形成してなるものが存在する(特許文献1)。
【0003】
このようにした耳栓は、耳孔に挿入する場合、耳孔に適合した翼盤まで挿入して、止めておくことができるので、使用者の耳孔の径の大小に拘らず適合させることができるという効果を有するとしている。
【0004】
さらに、この種の耳栓には、図11に示したように、シリコンゴムからなる一対の耳栓本体21にそれぞれ耳孔挿入部21a、21bと耳孔挿入止め22a、22bを設け、耳孔挿入止め22a、22bに孔23a、23bを設け、これら孔23a、23bにゴム紐24を接続させて一対の耳栓本体21を連結させたものとし、前記耳孔挿入部21a、21bに輪小部25a、25b、輪中部26a、26b、輪大部27a、27bを設けてなるものが存在する(特許文献2)。
【0005】
このようにした耳栓は、一対の耳栓本体21をゴム紐24で連結させているので、片方を落下させて紛失してしまうことがなく、また耳孔挿入部21a、21bに輪小部25a、25b、輪中部26a、26b、輪大部27a、27bを設けているので、前記した耳栓と同様に、使用者の耳孔の径の大小に拘らず適合させることができるという効果を有するとしている。
【特許文献1】実公昭38−19297号公報(第1頁、第1、2図)
【特許文献2】実開平3−36624号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図9、10に示した従来の耳栓では、軸棒11を直線形状としているため、その耳栓を装着した場合、軸棒11の後端部が使用者の耳孔から大きく突出する。さらに、図11に示した耳栓でも、耳孔挿入部21a、21bと耳孔挿入止め22a、22bとを一直線状に設けているため、その耳栓を装着した場合、耳孔挿入止め22a、22bが使用者の耳孔から大きく突出する。
【0007】
そのため、スポーツ時に耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために前記耳栓を使用した場合には、水や雨、風などが入らないようにできても、耳孔から大きく突出している軸棒11の後端部や耳孔挿入止め22a、22bに水や雨、風などの抵抗力がかかり、タイムを争うスポーツなどではその抵抗力によってタイムロスを生じたり、装着力が弱くなって耳から落下してしまうという問題点を有していた。
【0008】
また、騒音の激しい場所での聴覚保護などに前記耳栓を使用した場合には、その耳栓の装着によって外部の音を遮断することができても、耳孔から大きく突出している軸棒11の後端部や耳孔挿入止め22a、22bに物が触れたり、当たったりしたときの振動音が、騒音となって使用者の耳孔に直接入ることがあり、充分な聴覚保護を果たせないという問題点を有していた。
【0009】
ところで、スポーツ時に耳栓を使用するとき、例えば水泳をするときには水泳用ゴーグル、スキーをするときにはスキー用ゴーグルやサングラス、オートレースをするときにはオート用ゴーグルというように、そのスポーツに応じたゴーグルや眼鏡などの首上装着具と同時に使用することがある。さらに、騒音の激しい場所で耳栓を使用するとき、例えば工場や工事現場ではヘルメット、安全ゴーグル、防塵マスクなどの首上装着具と同時に使用することがある。
【0010】
このような場合、その耳栓を首上装着具に取り付けておくことができれば、使用中に耳から耳栓が外れても落として無くしたりすることがなく、また耳栓をその首上装着具と一緒にして携帯したり、保管することができるので、耳栓を置き忘れることがなくなる。
【0011】
しかしながら、図9、10に示した従来の耳栓では、前記したような首上装着具に取り付けておくことができず、図11に示した従来の耳栓でも、ゴム紐24を前記したような首上装着具に結び付けておくには無理があるという問題点を有していた。
【0012】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、スポーツ時に耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために使用した場合には、水や雨、風などの抵抗力を弱くして、タイムを争うスポーツなどでもその抵抗力によるタイムロスを少なくすることができ、さらに装着力が弱くなって耳から落下するようなこともなく、騒音の激しい場所で聴覚保護などに使用した場合には、耳栓に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が低減され、使用者の耳孔に伝わり難くし、充分な聴覚保護を果たせるようにした耳栓を提供することを目的とし、さらに前記耳栓を落として無くしたり、置き忘れないようにするために、その耳栓付き首上装着具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのため、この発明の耳栓は、耳栓本体1をアーム部2に、90±45度の角度をもって接続したものとしている。
【0014】
さらに、この発明の耳栓は、耳栓本体1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2を、コード3の一端に接続したものとしている。
【0015】
また、この発明の耳栓は、耳栓本体1、1を90±45度の角度をもって接続したアーム部2、2を、それぞれコード3の両端に接続したものとしている。
【0016】
そして、この発明の耳栓は、前記耳栓本体1とアーム部2、さらにアーム部2とコード3を一体成形して接続したものとしている。
【0017】
さらに、この発明の耳栓は、前記耳栓本体1の硬度を、シェアーAデュロメータ硬度が10〜40の値を有するものとしている。
【0018】
また、この発明の耳栓は、前記コード3の他端に連結部4を設けたものとしている。
【0019】
さらに、この発明の耳栓は、前記コード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くしたものとしている。
【0020】
また、この発明の耳栓は、前記コード3の略中央部に連結部4を設けたものとしている。
【0021】
さらに、この発明の耳栓は、前記コード3に、両端のアーム2、2から適宜位置に目印5、5を設けたものとし、これら目印5、5のそれぞれアーム2、2側に連結部4を設けたものとしている。
【0022】
この発明の耳栓付き首上装着具は、前記耳栓のコード3を連結したものとしている。
【0023】
そして、この発明の耳栓付き首上装着具は、前記耳栓のコード3を首上装着具の止めバンドBまたはツルに連結したものとしている。
【0024】
さらに、この発明の耳栓付き首上装着具を、水泳ゴーグルGとした場合にはアイカップCに前記耳栓のコード3を連結したものとしている。
【発明の効果】
【0025】
この発明の耳栓は、スポーツ時に耳孔に水や雨、風などが入らないようにするために使用した場合には、水や雨、風などの抵抗力が弱くなり、タイムを争うスポーツなどでもその抵抗力によるタイムロスを少なくすることができ、さらに装着力が弱くなって耳から落下するようなこともなく、騒音の激しい場所での聴覚保護などに使用した場合には、耳栓に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が低減され、使用者の耳孔に伝わり難くなり、充分な聴覚保護を果たせるものとなる。
【0026】
さらに、この発明の耳栓付き首上装着具は、耳栓を落として無くしたり、置き忘れないようにすることができ、非常に便利なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具を実施するための最良の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1は、この発明の耳栓の一実施形態を示しており、耳栓本体1をアーム部2に、一定の角度をもって接続したものとしている。
【0029】
図2は、この発明の耳栓の他の実施形態を示しており、耳栓本体1を一定の角度をもって接続したアーム部2を、コード3の一端に接続したものとしている。
【0030】
図3は、この発明の耳栓のさらに他の実施形態を示しており、耳栓本体1、1を一定の角度をもって接続したアーム部2、2を、それぞれコード3の両端に接続したものとしている。
【0031】
前記耳栓本体1は、遮音や防水性能を有したものとしており、図示したものはフランジ型とし、三段のフランジ1aを設けて耳孔に挿入するものとしているが、このようなフランジ1aを設けず、耳孔に充填するようにした充填型としてもよく、その型式は限定されることはない。この耳栓本体1は、軟質性としており、その材質としては、フランジ型とした場合には、軟質加硫ゴムや、シリコーンゴムや、ポリオレフイン系、ポリ塩化ビニール系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系などの熱可塑性エラストマーが用いられ、充填型とした場合には、通常、独立発泡型のポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が用いられる。なお、充填型は通常、独立発泡型の樹脂を使用するので、アーム部2と一体成形した場合、アーム部2の強度が充分でないことがあり、この場合はフランジ型が好ましいといえる。
【0032】
前記アーム部2は、耳栓本体1よりも通常は細い形状としており、その断面形状は円形、楕円形などとしており、耳栓本体1と同様に軟質性としており、その材質も耳栓本体1と同様の材質とすることができる。
【0033】
前記コード3は、アーム部2よりも通常は細い形状としており、その断面形状は円形、楕円形などとしており、アーム部2と同様に軟質性としており、その材質もアーム部2と同様の材質とすることができる。
【0034】
そして、前記耳栓本体1とアーム部2の硬度は、シェアーAデュロメータ硬度が10〜40の値を有するものとするのが好ましく、15〜30の値を有するものとするのがより好ましい。前記硬度が10より小さいと、柔らかすぎて、耳栓本体1の腰が弱く、アーム部2の強度が足りなくなる傾向があり、40より大きいと、硬すぎて耳孔に耳栓本体1を挿入し難くなる。
【0035】
前記耳栓本体1とアーム部2は、一定の角度、すなわち90±45度の角度、より好ましくは90±20度の角度をもって接続したものとしている。このようにすると、耳栓装着時に、アーム部2が折れ曲がった状態となり、使用者の耳孔から大きく突出することがないので、強い抵抗力がかかることもなく、またバタついて気になったり、バタつきによる装着力が弱くなることもない。さらに、折れ曲がった状態となったアーム部2が、使用者の耳孔外郭部に接触するので、このアーム部2に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が耳孔外郭部に吸収され低減されて、使用者の耳孔に伝わり難くなる。しかし、この角度が45度より小さいと、耳栓装着時にアーム部2が耳孔外郭部に強く当たりその反発によって耳から外れ易く、135度より大きいと、耳孔から大きく突出して強い抵抗力がかかるので外れ易くなる。また、前記角度が135度より大きくなると、耳栓装着時にアーム部2が耳孔外郭部に接触せず、振動音の低減をはかることができない。
【0036】
前記耳栓本体1とアーム部2は、一体成形して接続したものとすれば、両者の角度が変わったり、両者が外れてしまうことがないので、好ましい。さらに、前記アーム部2とコード3も一体成形して接続したものとすれば、両者が外れてしまうことがないので、好ましい。
【0037】
図2に示したように、アーム部2をコード3の一端に接続した場合には、コード3の他端に連結部4を設けたものとしている。この連結部4は、コード3の端部に直に設けた挿入孔としたり、コード3の端部に連結したリングとしたり、コード3の端部に連結したクリップなどとすることができる。さらに、前記連結部4は、首上装着具に設けた連結部(図示せず)と対となって機能するもの、例えばバックル、尾錠、面接着テープなどとしてもよい。
【0038】
そして、前記コード3は、そのコード3に設けた連結部4によって、首上装着具に取り付けることができる。この場合、首上装着具に好ましい状態で取り付けるには、コード3の長さは20cm以下が好ましく、10〜15cmとするのがより好ましい。コード3の長さが10cmより短いと、首上装着具に届かず、取り付けることができなかったり、20cmより長いと、首上装着具に取り付けたときに弛んで邪魔になることがある。
【0039】
図3に示したように、前記アーム部2、2をコード3の両端にそれぞれ接続した場合には、コード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くしたものとしている。この偏平形状とした部分は、幅を0.5〜3cm、長さを3〜20cm、厚みを0.5〜3mm程度にすることができる。そして、この略中央部に連結部4を設けたものとしている。さらに、両端のアーム部2、2からそれぞれ20cm以下の位置、好ましくは10〜15cmの位置に目印5、5を付けたものとし、これら目印5、5のそれぞれアーム部2、2側に連結部4を設けたものとすることができる。これらの連結部4は、コード3に直に設けた挿入孔としたり、コード3に連結したリングとしたり、コード3に連結したクリップなどとすることができる。
【0040】
そして、前記コード3は、使用者の首の後ろにその略中央部を掛けたり、連結部4によってその略中央部を首上装着具に取り付けることができる。この場合、コード3の長さは、35〜75cmとするのが好ましく、38〜48cmとするのがより好ましい。コード3の長さが35cmより短いと、使用者によっては首の後ろに掛けることができなくなる場合があり、75cmより長いと、使用者の首の後ろに掛けたときに弛んで邪魔になることがある。このコード3の略中央部を使用者の首の後ろに掛けると、コード3が引っ張られなくなり、そのコード3の重量がアーム部2、2に掛かることがないので、耳栓本体1も引っ張られることなく使用者の耳孔から抜けることがない。さらに、このコード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くすれば、使用者の首の後ろに安定した状態で掛けることができ、使用者の耳孔からより一層抜けることがないものとなる。
【0041】
次に、この発明の首上装着具は、前記耳栓のコード3を一体として、または着脱自在として連結したものとしている。
【0042】
首上装着具としては、例えば、矯正眼鏡、サングラス、安全眼鏡、水泳ゴーグル、スキーゴーグル、オートゴーグル、安全ゴーグル、防塵ゴーグルなどの眼鏡類、ヘルメット、帽子などの頭部装着具類、安全面、ガスマスク、防塵マスクなどの顔面装着具類などが挙げられる。
【0043】
前記首上装着具に耳栓のコード3を一体として連結する場合は、首上装着具の止めバンドBやツル(図示せず)などに直接、接着するなどすればよい。また、前記首上装着具にコード3を着脱自在として連結する場合は、図5、6、8に示したように、コード3に設けた連結部4に首上装着具の止めバンドBやツルなどを挿入したり、これら止めバンドBやツルなどに前記連結部4を挟み込んだりすればよい。さらに、前記連結部4を挿入孔とした場合には、図5にしたように、長孔とすれば、首上装着具の止めバンドBなどが通し易く、抜け難いものとなるので好ましい。また、前記首上装着具にコード3を連結する場合は、首上装着具を水泳ゴーグルGとした場合には、その水泳ゴーグルGのアイカップCにコード3を連結したものとすることもできる。なお、前記連結部4は、コード3に設けた挿入孔、コード3の端部に連結したリングやクリップなどとすることができ、またこれら以外にも、首上装着具に設けた連結部(図示せず)と対となって機能するもの、例えばバックル、尾錠、面接着テープなどとすることができる。
【0044】
以上のように構成したこの発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態について、次に説明する。
【0045】
先ず、図1に示したこの発明の耳栓は、図4に示したように、アーム部2を下向きにして耳栓本体1を使用者の耳孔に装着する。すると、アーム部2が折れ曲がった状態となり、使用者の耳孔から大きく突出することがないので、スポーツ時に水や雨、風などの抵抗力を弱くすることができ、またアーム部2がバタついて気になったり、バタつきによる耳栓の装着力が弱くなることもない。さらに、折れ曲がった状態となったアーム部2が、使用者の耳孔外郭部に接触するので、このアーム部2に物が触れたり、当たったりしたときの振動音が耳孔外郭部に伝わって、耳孔に伝わる振動音が低減されることになる。なお、図4では、アーム部2を下向きにして耳栓本体1を使用者の耳孔に装着しているが、このアーム部2を横向きにしたり、場合によっては上向きにして耳栓本体1を使用者の耳孔に装着してもよい。
【0046】
次に、図2に示したこの発明の耳栓は、耳栓本体1を使用者の耳孔に装着するときに、図5に示したように、連結部4をコード3の端部に設けた挿入孔とした場合は、この挿入孔に、例えば水泳ゴーグルGの止めバンドBを挿入することにより、この水泳ゴーグルGに取り付け、図6に示したように、連結部4をコード3の端部に連結したリングとした場合は、このリングに水泳ゴーグルGの止めバンドBを挿入することにより、この水泳ゴーグルGに取り付ける。すると、図5に示したような耳栓を装着した状態から、図6に示したような耳栓が外れた状態になっても、耳栓は水泳ゴーグルGの止めバンドBに取り付けられたままになっているので、耳栓を落として無くしたりすることがない。さらに、耳栓をその水泳ゴーグルGと一緒に携帯したり、保管することができるので、その耳栓を置き忘れることがなくなる。なお、図2に示したこの発明の耳栓は、アーム部2とコード3の接続部からこのコード3を切断すれば、図1に示したこの発明の耳栓と同じ構成となり、この耳栓と同様の状態として使用することができる。
【0047】
さらに、図3に示したこの発明の耳栓は、耳栓本体1を使用者の耳孔に装着するときに、図7に示したように、コード3の略中央部を使用者の首の後ろに掛けたり、図8に示したように、連結部4によってコード3の略中央部を、例えば水泳ゴーグルGの止めバンドBに取り付ける。すると、図7に示したものではコード3が引っ張られなくなり、そのコード3の重量がアーム部2、2に掛かることがないので、耳栓本体1も引っ張られることなく使用者の耳孔から抜けることがない。そして、このコード3の略中央部を偏平形状にし、幅を広くすれば、使用者の首の後ろに安定した状態で掛けることができ、使用者の耳孔からより一層抜けることがないものとなる。さらに、図8に示したものでは、図6に示したものと同様、耳栓が外れた状態になっても、耳栓は水泳ゴーグルGの止めバンドBに取り付けられたままになっているので、耳栓を落として無くしたりすることがない。なお、図3に示したこの発明の耳栓は、コード3の目印5、5の部分からこのコード3を切断すれば、図2に示したこの発明の耳栓と同じ構成となり、この耳栓と同様の状態として使用することができる。また、図3に示したこの発明の耳栓は、アーム部2とコード3の接続部からこのコード3を切断すれば、図1に示したこの発明の耳栓と同じ構成となり、この耳栓と同様の状態として使用することができるのはいうまでもない。
【0048】
さらに、この発明の耳栓付き首上装着具も、図5、6および図8に示したように、この発明の耳栓と同様の状態として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の耳栓の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の耳栓の他の実施形態を示す斜視図である。
【図3】この発明の耳栓のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】この発明の耳栓の使用状態を示す説明図である。
【図5】この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態を示す説明図である。
【図6】この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態を示す説明図である。
【図7】この発明の耳栓の使用状態を示す説明図である。
【図8】この発明の耳栓およびその耳栓付き首上装着具の使用状態を示す説明図である。
【図9】従来の耳栓の一例を示す側面図である。
【図10】図9に示す従来の耳栓の断面図である。
【図11】従来の耳栓の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 耳栓本体
2 アーム部
3 コード
4 連結部
5 目印
G 水泳ゴーグル
B 止めバンド
C アイカップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳栓本体(1)をアーム部(2)に、90±45度の角度をもって接続したことを特徴とする耳栓。
【請求項2】
耳栓本体(1)を90±45度の角度をもって接続したアーム部(2)を、コード(3)の一端に接続したことを特徴とする耳栓。
【請求項3】
耳栓本体(1、1)を90±45度の角度をもって接続したアーム部(2、2)を、それぞれコード(3)の両端に接続したことを特徴とする耳栓。
【請求項4】
前記耳栓本体(1)とアーム部(2)を一体成形して接続したことを特徴とする請求項1記載の耳栓。
【請求項5】
前記耳栓本体(1)とアーム部(2)、さらにアーム部(2)とコード(3)を一体成形して接続したことを特徴とする請求項2または3記載の耳栓。
【請求項6】
前記耳栓本体(1)の硬度を、シェアーAデュロメータ硬度が10〜40の値を有するものとしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の耳栓。
【請求項7】
前記コード(3)の他端に連結部(4)を設けたことを特徴とする請求項2記載の耳栓。
【請求項8】
前記コード(3)の略中央部を偏平形状にし、幅を広くしたことを特徴とする請求項3記載の耳栓。
【請求項9】
前記コード(3)の略中央部に連結部(4)を設けたことを特徴とする請求項3または8記載の耳栓。
【請求項10】
前記コード(3)に、両端のアーム(2、2)から適宜位置に目印(5、5)を設け、これら目印(5、5)のそれぞれアーム(2、2)側に連結部(4)を設けたことを特徴とする請求項3、8または9の何れかに記載の耳栓。
【請求項11】
請求項2〜10に記載の何れかの耳栓のコード(3)を連結したことを特徴とする耳栓付き首上装着具。
【請求項12】
前記耳栓のコード(3)を首上装着具の止めバンド(B)またはツルに連結したことを特徴とする請求項11記載の耳栓付き首上装着具。
【請求項13】
首上装着具を水中ゴーグル(G)とし、この水泳ゴーグル(G)のアイカップ(C)に前記耳栓のコード3を連結したことを特徴とする請求項11記載の耳栓付き首上装着具。
【請求項1】
耳栓本体(1)をアーム部(2)に、90±45度の角度をもって接続したことを特徴とする耳栓。
【請求項2】
耳栓本体(1)を90±45度の角度をもって接続したアーム部(2)を、コード(3)の一端に接続したことを特徴とする耳栓。
【請求項3】
耳栓本体(1、1)を90±45度の角度をもって接続したアーム部(2、2)を、それぞれコード(3)の両端に接続したことを特徴とする耳栓。
【請求項4】
前記耳栓本体(1)とアーム部(2)を一体成形して接続したことを特徴とする請求項1記載の耳栓。
【請求項5】
前記耳栓本体(1)とアーム部(2)、さらにアーム部(2)とコード(3)を一体成形して接続したことを特徴とする請求項2または3記載の耳栓。
【請求項6】
前記耳栓本体(1)の硬度を、シェアーAデュロメータ硬度が10〜40の値を有するものとしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の耳栓。
【請求項7】
前記コード(3)の他端に連結部(4)を設けたことを特徴とする請求項2記載の耳栓。
【請求項8】
前記コード(3)の略中央部を偏平形状にし、幅を広くしたことを特徴とする請求項3記載の耳栓。
【請求項9】
前記コード(3)の略中央部に連結部(4)を設けたことを特徴とする請求項3または8記載の耳栓。
【請求項10】
前記コード(3)に、両端のアーム(2、2)から適宜位置に目印(5、5)を設け、これら目印(5、5)のそれぞれアーム(2、2)側に連結部(4)を設けたことを特徴とする請求項3、8または9の何れかに記載の耳栓。
【請求項11】
請求項2〜10に記載の何れかの耳栓のコード(3)を連結したことを特徴とする耳栓付き首上装着具。
【請求項12】
前記耳栓のコード(3)を首上装着具の止めバンド(B)またはツルに連結したことを特徴とする請求項11記載の耳栓付き首上装着具。
【請求項13】
首上装着具を水中ゴーグル(G)とし、この水泳ゴーグル(G)のアイカップ(C)に前記耳栓のコード3を連結したことを特徴とする請求項11記載の耳栓付き首上装着具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−204632(P2006−204632A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22082(P2005−22082)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000179926)山本光学株式会社 (49)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000179926)山本光学株式会社 (49)
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