説明

肝機能改善剤

【課題】脂肪肝、肝炎、肝線維化、肝硬変、肝癌などによる肝機能障害の予防・改善のための肝機能改善剤の提供。
【解決手段】パラチノース(palatinose)とも呼ばれ、グルコース(ブドウ糖)がフルクトース(果糖)にα−1,6−グルコシル結合することによって構成された二糖であるイソマルツロース(isomaltulose)からなる肝機能改善剤であり、0.1〜1g/日/kg体重で3ヶ月以上投与される肝機能改善剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝機能改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の欧米化に伴い、脂肪、特に動物性脂肪摂取量の増加、また、それに伴うコレステロール摂取量の増加が顕著である。さらに、栄養バランスの偏りやアルコール摂取等により、代謝を司る肝臓への負担は大きくなっている。肝臓は、循環機能、排泄機能、代謝機能、保護・解毒機能及び血液学的機能を有しており、そのいずれかの機能に障害が生じると、疲労感、倦怠感、食欲不振、黄疸及び微熱を始めとする肝機能障害に特有の諸症状が顕現することとなる。
【0003】
通常、肝機能の検査は、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、γ−GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)等の値を指標として行われている。すなわち、肝機能が低下しているときには肝細胞が障害を受けているため、AST、γ−GTPが細胞外へ放出され、その数値が上昇する。
【0004】
肝機能の低下に際しては、基本的には栄養をよく摂り、安静にすることが最も重要である。また、肥満やメタボリックシンドローム等の場合、体質を改善することが推奨される。一方、ストレスやアルコール摂取等により肝機能が低下し続けると、肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓癌等が発症するリスクが増す。このような肝臓疾患に対しては、グリチルリチンを主成分とする強力ネオミノファーゲンC(ミノファーゲン株式会社製、特許文献1)等の治療薬が用いられているが、これらは静注されるため、苦痛や各種の制約を伴い、連続的な投与には不向きである。
【0005】
また、肝機能障害の予防・改善を目的とした機能性食品としてウコン等の数種の食品が利用されている(特許文献2)。しかしながら、その選択肢は少なく、新たな肝機能障害予防・改善作用を有する機能性食品の開発が望まれている。また、現時点では肝機能障害の予防・改善効果をヘルスクレームとした特定保健用食品や栄養機能食品は存在しないことから、安全性が高く、機能性の確かな肝機能障害予防・改善食品の開発が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−225836号公報
【特許文献2】特開2004−067591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景から、肝機能を改善することができる物質が求められている。したがって、本発明の目的は、肝機能改善剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、イソマルツロースからなる肝機能改善剤を提供する。
【0009】
本発明の肝機能改善剤によれば、肝機能を改善することができる。本発明は、安全性が高く日常的に摂取が可能な肝機能改善作用を有する医薬、及び、これを含有する飲食品を提供することができる。本発明の肝機能改善剤は、連続的に摂取しても副作用を生ぜず、経口で手軽に摂取できる。
【0010】
さらに、本発明のイソマルツロースからなる肝機能改善剤は、一日当たり所定量で投与されることが好ましい。投与量は、成人一人当たりを基準として適宜調整すればよく、一日当たり、かつ、対象の体重1kg当たり、0.1〜1gが好ましく、0.2〜0.8gがより好ましく、0.3〜0.6gがさらに好ましい。また、通常摂取するスクロースの全量または一部の代わりにイソマルツロースを摂取することが好ましい。本発明のイソマルツロースからなる肝機能改善剤は、所定期間投与されることが好ましい。投与期間は、1ヶ月が好ましく、2ヶ月がより好ましく、3ヶ月がさらに好ましい。
【0011】
また、本発明は、イソマルツロースからなる肝機能改善剤を対象に適用する工程を備える、肝機能を改善する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】試験介入前及び試験開始3ヶ月後のAST濃度(U/l)を示すグラフ。
【図2】試験介入前及び試験開始3ヶ月後のγ−GTP濃度(U/l)を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明において「イソマルツロース(isomaltulose)」とは、パラチノース(palatinose)とも呼ばれ、グルコース(ブドウ糖)がフルクトース(果糖)にα−1,6−グルコシル結合することによって構成された二糖である。なお、パラチノース及びpalatinoseは三井製糖株式会社の登録商標である。
【0015】
パラチノースは水和物であってもよく、一水和物の場合は、融点は123〜124℃であり、比旋光度は[α]20=+97.0〜99.0°(C=0.04)、フェ−リング溶液還元力はグルコースの52%、水100gに対する溶解度は20℃で38.4gである。また、水溶液の甘味の質は良好であり、甘味度はスクロース(ショ糖)の約40%である。
【0016】
パラチノースは、天然において蜂蜜中に見出される。また、細菌や酵母に由来するα−グルコシルトランスフェラーゼ(イソマルチュロースシンターゼ)がスクロースに作用した場合に生じる転移生成物中にも存在する。
【0017】
工業的には、パラチノースは、プロタミノバクター・ルブラム(Protaminobacter rubrum)やセラチア・プリムチカ(Serratia plymuthica)等の細菌に由来するα−グルコシルトランスフェラーゼをスクロースに作用させることにより製造される。
【0018】
本発明における肝機能改善剤は、パラチノースからなるものであり、肝機能を改善するために用いるものである。
【0019】
なお、本発明において、「肝機能改善剤」とは、肝機能障害(脂肪肝、肝炎、肝線維化、肝硬変、肝癌等)、又は、肝機能の低下を改善する剤を意味する。ここで、「肝機能障害」又は「肝機能の低下」は、将来生じるべき未発生の肝障害、又は、肝機能の低下であっても、既に生じている肝機能障害、又は、肝機能の低下であってもよく、また、「改善」には、予防、治療、軽減、緩和等のいずれもが包含される。肝機能障害、又は、肝機能の低下が抑制されたか否かは、例えば、血清AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、血清ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)又は、γ−GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)の上昇が有意に抑制されたか否か、又は、AST、ALT又はγ−GTPの測定値が低減するか否か、特に、正常値に低減するか否かによって判定することができる。
【0020】
「AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)」とは、別名、「GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)」とも呼ばれる酵素であり、肝臓の他、心臓、骨格筋にも含まれる酵素である。「ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)」とは、別名、「GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)」とも呼ばれる酵素であり、ほとんどが肝臓に含まれる酵素である。したがって、肝臓細胞が損傷すると、細胞中に存在するAST及び/又はALTが細胞外に逸脱し、これらの血中濃度が上昇する。AST及びALTの基準値(正常値)は、いずれも40UI(国際単位)以下である。
【0021】
「γ−GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)」は、肝臓の解毒作用、例えばアルコール解毒作用、に関係している酵素である。肝臓や胆管の細胞がこわれると血液中にγ−GTPが血液の中に流れ出てくることから、「逸脱酵素」と呼ばれる。そのため、γ−GTPは肝臓や胆管の細胞がこわれたことの指標として利用されている。γ−GTPの基準値(正常値)は男性で50UI以下、女性で32UI以下である。
【0022】
また、上記以外の肝機能の指標に基づいて、肝障害、又は、肝機能の改善を判定することができる。上記以外の肝機能の指標としては、例えば、血中のALP(アルカリフォスファターゼ)、総タンパク、アルブミン、グロブリン、総ビリルビン、LDH(乳酸脱水粗酵素)、A/G比、アミラーゼ、コリンエステラーゼ、LAP(ロイシン・アミノ・ぺプチターゼ)等が挙げられる。
【0023】
本発明の肝機能改善剤は、パラチノースからなる。また、別の実施形態では、本発明の肝機能改善剤は、パラチノースを有効成分として含むものであり、パラチノースのみからなるものであっても、パラチノースと他の構成成分との混合物であってもよい。他の構成成分としては薬学的に許容可能な公知の賦形剤やキャリアが挙げられ、これら以外にもスクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、デキストリン、分枝デキストリン、デンプン等を含んでいてもよい。上記混合物中のパラチノースの重量比率は、好ましくは10〜99.99%であり、より好ましくは20〜99.99%である。
【0024】
また、上記の肝機能改善剤として、パラチノースを非還元糖である他の炭水化物と組み合わせた混合物を用いてもよい。これにより、着色の原因を減少させ、食品が着色しにくくなる。また、パラチノースを溶解性のよい他の炭水化物と組み合わせてもよい。これにより、晶出がしにくくなる。
【0025】
パラチノースをスクロース、グルコース、異性化糖等の甘味料と組み合わせて使用してもよい。これにより、スクロース、グルコース、異性化糖等の有する甘味が低減され、さっぱりとした低甘味の食品を製造することができる。
【0026】
本発明の肝機能改善剤として、例えば、結晶パラチノース、粉末パラチノース、パラチノースシロップ及び/又はトレハルロースシロップを用いることができる。結晶パラチノース(商品名:結晶パラチノースIC、三井製糖株式会社製)及び粉末パラチノース(商品名:粉末パラチノースICP、三井製糖株式会社製)は、パラチノース(含結晶水)を99.0%以上含む。パラチノースシロップ(商品名:パラチノースシロップ−ISN及びパラチノースシロップ−TN、三井製糖株式会社製)は、パラチノースを11〜17%及びトレハルロースを53〜59%含む。トレハルロースシロップ(商品名:ミルディア−75及びミルディア−85、三井製糖株式会社製)は、パラチノースを8〜13%及びトレハルロースを83〜89%含む。
【0027】
上記の肝機能改善剤の形状は、パラチノースを有効成分として含んでいれば特に限定されないが、フォンダン、顆粒、タブレット、シロップ剤、ドリンク剤、清涼飲料水、ゼリー飲料、粉末飲料等が挙げられる。また、本発明の肝機能改善剤は、食品、医薬部外品及び医薬品に使用可能な素材を配合して、特定保健用食品、機能性食品、健康食品、医薬部外品、医薬品等に加工して使用することができる。
【0028】
上記の肝機能改善剤の投与方法(摂取方法)としては経口投与(経口摂取)が挙げられる。また、通常摂取する炭水化物の全量又は一部の代わりにパラチノースを摂取することが好ましく、通常摂取する炭水化物の一部の代わりにパラチノースを摂取してもよい。炭水化物としては、スクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、デキストリン、分枝デキストリン、デンプン等が挙げられる。炭水化物と同時に摂取する場合は、重量比として、パラチノース:炭水化物=10:90〜99:1が好ましく、30:70〜99:1がより好ましく、50:50〜90:10がさらに好ましい。
【0029】
上記の肝機能改善剤に含まれるパラチノースの投与量は、0.1〜1g/日/kg体重が好ましく、0.2〜0.8g/日/kg体重がより好ましく、0.3〜0.6g/日/kg体重がさらに好ましい。また、成人一人(例えば、60kg)当たりを基準として、1回当たりの肝機能改善剤に含まれるパラチノースの投与量は、5g以上が好ましく、7g以上がより好ましく、10g以上がさらに好ましい。1日当たりの肝機能改善剤に含まれるパラチノースの投与量は、5g以上が好ましく、10g以上がより好ましく、20g以上がさらに好ましい。また、1回当たりの肝機能改善剤に含まれるパラチノースの投与量は、60g以下が好ましく、40g以下がより好ましく、20g以下がさらに好ましい。1日当たりの肝機能改善剤に含まれるパラチノースの投与量は、60g以下が好ましく、50g以下がより好ましく、40g以下がさらに好ましい。
【0030】
本発明の肝機能改善剤の投与期間は、1ヶ月以上が好ましく、2ヶ月以上がより好ましく、3ヶ月以上がさらに好ましい。また、1週間当たりの投与頻度としては、3日以上又は4日以上が好ましく、5日以上がより好ましく、6日以上がさらに好ましく、7日が最も好ましい。
【0031】
パラチノースは、小腸内のイソマルターゼにより分解されて、グルコースとフルクトースを生成する。これら単糖類は、スクロースが酵素により分解されたときと同様に小腸から吸収されて代謝される。よって、パラチノースは、スクロースと同様4kcal/gのカロリーを有し、エネルギー源となる上、細胞が正常に機能するための不可欠なグリコーゲン、糖鎖等の材料となる。したがって、スクロース、グルコース、フルクトース、異性化糖、デキストリン、分枝デキストリン、デンプン等の炭水化物の代わりにパラチノースを炭水化物源として摂取することができる。また、パラチノースは緩下作用又は腹部膨満感のような胃腸障害を示すことが無い。さらに、パラチノースはその加水分解速度がスクロースの1/5と遅いために、摂取後の血糖値およびインスリン濃度を一定レベルに長時間維持できる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)
メタボリックシンドロームの疑いがある男性、つまり腹囲が男性85cm以上の男性のうち、血糖降下薬を服薬している者又は血糖異常者を除外した16名を被検者とした。なお、試験責任医師の指導の下、ヘルシンキ宣言にのっとり、被験者本人の同意を得て、被験者の選定及び試験の実施を行った。年齢及び健診結果等を基準として、被験者をランダムに2群(試験群及び対照群)に分け、二重盲検プラセボ対照試験を実施した。試験群及び対照群はそれぞれ男性8名だった。健診の結果、被験者全員がメタボリックシンドローム又はその予備群、すなわち、高血圧、血清脂質異常、食後高脂血症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高インスリン血症、又は、これらの組み合わせのいずれかに該当した。
【0034】
試験食として食事1回あたり10g、一日あたり30gのパラチノース、対照食として食事1回あたり10g、一日あたり30gのスクロースを用いた。具体的には、試験食として1袋あたり5gの結晶パラチノースIC(三井製糖株式会社製)を2袋、又は、対照食として1袋あたり5gのスクロースを2袋用い、食事前又は食事中にコーヒー又は紅茶と共に摂取するよう指導した。試験食又は対照食を3ヶ月間の試験期間中、毎日摂取した。一日あたりの試験食又は対照食の平均摂取量は、試験群(パラチノース群)、対照群(スクロース群)共に約20gであった。
【0035】
3ヶ月の試験期間中、特定保健指導による食事・生活習慣の改善を行った。具体的には、食事指導としては、炭水化物を減らすことで摂取カロリーを減らし、野菜を多く摂るよう、個人のレベルに応じて指導した。生活習慣の改善としては、運動の習慣化となるべく歩くよう、個人のレベルに応じて指導した。
【0036】
試験介入前及び試験開始3ヶ月後の体重、BMI、腹囲及び体脂肪率をそれぞれ測定した結果を表1に示す。体重、BMI、腹囲及び体脂肪率(平均±SD)は、いずれも試験群(パラチノース群)、対照群(スクロース群)共に、試験前に比べ試験後に有意に減少した。よって、試験群及び対照群のいずれにおいても、特定保健指導により、減量効果、及び、脂肪減少効果が得られたことが分かった。
【0037】
なお、BMI(ボディマスインデックス)は肥満度を表す指数であり、以下の式で表される。
BMI=体重(kg)/身長(m)
【0038】
【表1】

【0039】
また、試験介入前(試験前)及び試験開始から3ヵ月後(試験後)に、肝機能の指標であるAST濃度及びγ−GTP濃度について健診を行った。健診結果を図1及び2に示す。
【0040】
図1に示すように、パラチノース摂取によって、AST濃度が有意に低下した(t検定、p<0.01)。一方、スクロース群においては有意差が観察されなかった。図2に示すように、γ−GTP濃度は、パラチノース群において有意に低下し(t検定、p<0.01)、試験介入前には基準値外であった値が、試験後には基準値内に低下した。一方、スクロース群においては有意差が観察されなかった。
【0041】
以上の結果より、試験群、対照群ともに、特定保健指導の効果があり、体重、BMI、腹囲及び体脂肪率が改善したことが分かった。その上、図1及び2に示した結果から、パラチノースには、肝機能を改善する効果があることが分かった。
【0042】
以下の実施例2〜20に、パラチノースからなる肝機能改善剤、及び、肝機能改善剤を含む組成物の配合例を例示する。
【0043】
(実施例2)
<パラチノースを含むスティックシュガー>
2−1:パラチノースからなるスティックシュガー
包装一本当たり結晶パラチノースが7g含まれるようにスティック包装に充填した。
2−2:パラチノース及び高甘味度甘味料からなるスティックシュガー
包装一本当たり結晶パラチノース7g及びアセスルファムカリウム0.02gが含まれるようにスティック包装に充填した。
2−3:パラチノース及びスクロースからなるスティックシュガー
結晶パラチノース及びスクロースを同重量混合し、包装一本当たり結晶パラチノース及びスクロースがそれぞれ3.5gずつ含まれるようにスティック包装に充填した。
【0044】
(実施例3)
<パラチノースを含むガムシロップ>
以下の表2に示す配合で、パラチノースを含むガムシロップを製造した。製造は、パラチノースとアラビアガムを合わせ、粉体混合し、そこへ異性化糖及び水を加え、煮沸混合することによって行った。以上の溶液をレフブリックスで30に調整した。
【0045】
【表2】

【0046】
(実施例4)
<パラチノースを含むタブレット>
以下の表3に示す配合で、パラチノースを含むタブレットを製造した。製造は、下記に示す配合の混合粉末に、300kg/cmの打錠圧をかけ、直径18mm、厚さ5mm、重量1.5gであるタブレットを成型することによって行った。
【0047】
【表3】

【0048】
(実施例5)
<パラチノースを含む粉末飲料>
以下の表4に示す配合で、パラチノースを含む粉末飲料を、常法に従い、万能混合攪拌機を使用して製造した。得られた粉末飲料60gを250〜1000mlの水に溶解することによって清涼飲料水を調製することができる。
【0049】
【表4】

【0050】
(実施例6)
<パラチノースを含む清涼飲料水>
6−1
以下の表5に示す配合でパラチノースを含む清涼飲料水を製造した。製造は、以下の原料を熱湯500mlに溶解した後、ペットボトル(500ml用)に充填することにより行った。
【0051】
【表5】

【0052】
6−2
以下の表6に示す配合でパラチノース及び砂糖を含む清涼飲料水を製造した。製造は、以下の原料を熱湯500mlに溶解した後、ペットボトル(500ml用)に充填することにより行った。
【0053】
【表6】

【0054】
6−3
以下の表7に示す配合でパラチノース及び異性化糖を含む清涼飲料水を製造した。製造は、以下の原料を熱湯500mlに溶解した後、ペットボトル(500ml用)に充填することにより行った。
【0055】
【表7】

【0056】
(実施例7)
<パラチノースを含むゼリー飲料>
下記表8に示す配合でパウチ入りゼリー飲料(通常の180gのパウチ入り飲料として)を調製した。
【0057】
【表8】

【0058】
(実施例8)
<パラチノースを含むドーナツ>
下記表9に示す配合でドーナツを製造した。卵を割りほぐして、該ほぐした卵に、結晶パラチノース、ミルディア−75を加えてよく混ぜた後、さらに溶かしバターを加えてよく混ぜた。これに、篩った小麦粉とベーキングパウダーを加えてさっくり混ぜて、生地とした。生地をまとめて、冷蔵庫で30分休ませた後、生地を伸ばしてドーナツ型で抜いた。170℃の油に入れ、膨れてきつね色になったら、ドーナツを油から取り出した。熱いうちに、揚げたドーナツに粉末パラチノースをまぶした。
【0059】
【表9】

【0060】
(実施例9)
<パラチノースを含む大福>
下記表10に示す配合で大福を製造した。
餅:白玉粉に水を加えて電子レンジ500Wで4分加熱した。加熱後に、全体をかき混ぜ、粉末パラチノースとミルディア−75を加えて練りこんだ。練りこみは、透明感が出て粘りが出るまで行った。
餡:生餡に、結晶パラチノース、ミルディア−75及び水を加えて火にかけ、つやがでるまで約10分間練り上げた。
餡を餅で包んで大福を製造した。
【0061】
【表10】

【0062】
(実施例10)
<パラチノースを含むエナジーバー>
下記表11に示す配合でエナジーバーを製造した。室温で軟らかくしたバターに結晶パラチノースを加えてよく練った。全卵を加えてよく混ぜた後、ドライクランベリー、アーモンドダイスを加えてよく混ぜた。これに大豆粉を加えてさっくり混ぜて、生地とした。天板に該生地を約1.5cmの厚みで敷き詰め、170℃のオーブンで20分間焼成した。焼きあがったものを食べ易い大きさにカットした。
【0063】
【表11】

【0064】
(実施例11)
<パラチノースを含む食パン>
下記表12に示す配合で食パンを製造した。
中種:中種の原材料を24℃で低速3分、中速1分ミキシングし、27℃で4時間予備発酵させた。
本種:ショートニング以外の本種の原材料を26℃で低速3分、中速10分、高速1分の順でミキシングし、次にショートニングを添加し、低速2分、中速2分、高速1分の順でミキシングした。生地をひとつにまとめフロアータイムとして20分間休ませた。分割重量220gとし、ベンチタイムとして20分間休ませた。該生地を馬蹄形に成形して形につめ、35℃75%でホイロタイムとして100分間最終醗酵させた。該最終発酵させた生地を、上火175℃、下火195℃のオーブンで40分間焼成した。なお、ミキシングの低速は約116回転/分、中速は約211回転/分、高速は約268回転/分である。使用ミキサーは「HPS−20M(関東混合機工業株式会社製)」である。
【0065】
【表12】

【0066】
(実施例12)
<パラチノースを含むアイスクリーム>
下記表13に示す配合でアイスクリームを製造した。
砂糖、パラチノース、脱脂粉乳及び安定剤をあらかじめ良く混ぜた。これにミルディア−75及び水を加えて攪拌しながら沸騰させ、完全に溶かした。これに機能性クリームを入れてよく混ぜた。これを20℃程度に冷却し、ホモジナイズした後、アイスクリーマーにかけた。
【0067】
【表13】

【0068】
(実施例13)
<パラチノースを含む中華麺>
下記表14に示す配合で中華麺を製造した。
粗捏ね:材料を混ぜて50回程度捏ねた後、生地が乾かないようにして20分間休ませた。
本捏ね:さらに生地を軽めに捏ねて40分間休ませた。
生地を伸ばして包丁で細く切った。
【0069】
【表14】

【0070】
(実施例14)
<パラチノースを含むうどん>
下記表15に示す配合でうどんを製造した。
材料を混ぜてひとつにまとめ、できた生地をムラがなくなるまで5分間捏ねた後、ラップをして30分間休ませた。該生地を足踏み−たたむ、を45分間約30回繰り返した後、ひとつにまとめた。次に、該生地をラップに包んで1〜2時間休ませた後、伸ばして包丁で細く切った。
【0071】
【表15】

【0072】
(実施例15)
<パラチノースを含む粉末ポタージュスープ>
下記表16に示す配合で粉末ポタージュスープを製造した。
【0073】
【表16】

【0074】
(実施例16)
<パラチノースを含むスポンジケーキ>
以下の表17に示す配合により、パラチノース、砂糖、及びデンプンを含むスポンジケーキを調製した。結晶パラチノース、砂糖(グラニュ糖)、キサンタンガムを粉体混合したものをAとした。別に、小麦粉とベーキングパウダーを混合したものをBとした。Aに、牛乳及びリョートーエステルSPを入れて良く混合した。これに卵を入れ、均一になるまで良く混合し、卵液が25℃ぐらいになるまで湯煎で温めた。これを万能攪拌機で泡立て、これ以上泡立たないという状態になるまで泡立てた。これに、Bを練らないように混合し、スポンジケーキ型に入れ、160℃のオーブンで40分間焼いた。本実施例の配合では、パラチノース70g、砂糖30g、及びデンプン約90gを含む。
【0075】
【表17】

【0076】
(実施例17)
<パラチノースを含むマドレーヌ>
以下の表18に示す配合により、パラチノース及びデンプンを含むマドレーヌを調製した。小麦粉とベーキングパウダーは合わせて篩っておいた。バターは湯煎にかけ、溶かしておいた。ボールに卵を入れ、グラニュ糖、食塩、レモンの皮、レモンエッセンスを加えて湯煎にかけた。これを温めながら、パラチノースを入れ、泡立て器でよく攪拌した。ここに篩っておいた小麦粉を一度に加え、良く混ぜ合わせ、溶かしバターを加えて混ぜた。アルミホイルのカップに分けて入れ、160℃のオーブンで色づくまで10分ほど焼いた。本実施例により得られるマドレーヌは、60gのパラチノース及び約37gのデンプンを含む。
【0077】
【表18】

【0078】
(実施例18)
<パラチノースを含むケーキミックス>
以下の表19に示す配合でケーキミックスを調製した。ショートニング以外の材料を予備混合し、そこに溶解したショートニングを混合し、篩別を行った。
【0079】
【表19】

【0080】
(実施例19)
<パラチノースを含む乾燥スープ>
下記表20に示す配合で乾燥スープを調製した。
【0081】
【表20】

【0082】
(実施例20)
<パラチノースを含むドレッシング>
下記表21に示す配合でドレッシングを調製した。
【0083】
【表21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソマルツロースからなる肝機能改善剤。
【請求項2】
0.1〜1g/日/kg体重で投与される、請求項1記載の肝機能改善剤。
【請求項3】
3ヶ月以上投与される、請求項1又は2記載の肝機能改善剤。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−248141(P2010−248141A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100791(P2009−100791)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(501190941)三井製糖株式会社 (52)
【Fターム(参考)】