説明

肩パッド

【課題】
本発明では、保温性を確保できることは勿論、衣服内に着用したとき外見から認識されることや着用ずれが生じることがなく、しかも容易に着脱することができる肩パッドの提供を目的とする。
【解決手段】
首部に対して外周側部位に着用して左右両肩部を保温する肩パッド10,11であって、上記左右両肩部に当接させる一対の肩パッド本体部14を具備し、上記一対の肩パッド本体部14どうしを、胸部側において連結する胸当て部15を具備するとともに、背部側において連結する背当て部16を具備して一体に形成し、上記胸当て部15、或いは上記背当て部16を、左右相互に分離可能な一対の布片状に形成するとともに、当該布片状に形成した胸当て部15、或いは背当て部16に、左右相互に連結可能な固定手段20a,20bを具備した肩パッド10,11。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、保温効果をはじめとする様々な効果を得るために肩部に着用して用いる肩パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、例えば、着用ずれが生じないもの、或いは、保温性を向上させたものなど様々な機能、形態を有する着用式の肩パッドに関する文献が開示されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に係る着用式肩パッドは、背当て布を介して一体化された左右一対の肩パッドを具備し、さらに、背当て布の左右端部から胸部周りに配される接続紐を具備して形成している。
【0004】
上記接続紐は、左右相互の連結を分離可能に形成するとともに、肩パッドから胸部側へ延びた紐を一体に接続し、腕を挿通可能とする空間を形成している。
【0005】
上記着用式肩パッドは、接続紐が構成する空間に腕を挿通し、接続紐を脇の下に配した状態で着用することができるため、着用ずれが生じることがなく着用することができる。
【0006】
しかし、脇の下に配した接続紐の存在により着用時に不快感を与えることや、発汗しやすい脇の下に接続紐を配した場合、衛生的でない。また、上記着用式肩パッドの着脱の度に上記腕を挿通可能とする空間に対して腕を挿脱しなければならず面倒であるという問題も有する。
【0007】
これに対して、保温効果を得るために着用する下記特許文献2に係る保温アンダーケープと称される他の肩パッドが開示されている。
【0008】
上記保温アンダーケープは、一対の略半円形布と、首周りを覆う首バンドを具備して形成される。
【0009】
上記一対の略半円形布における一方の略半円形布は、背部に当接する背当て部と、該背当て部から片状に突き出した肩掛け部とを具備して形成される。
上記一対の略半円形布における他方の略半円形布は、胸部に当接する胸当て部を具備して形成される。
【0010】
上記保温アンダーケープは、上記肩掛け部を半円筒状に湾曲させて肩に掛けた状態で上記一対の略半円形布を首部の外周側部位に覆った後、首バンドを首部に襟状に覆い係合することによりしっかりと取り付けることができる。
【0011】
しかし、上記保温アンダーケープは、外出時に衣服の下に着用した場合、肩掛け部などが嵩張るため、見た目上、違和感が生じる。或いは、外出時に衣服の上に着用した場合は、ファッション性に欠けるという問題も有する。このため、上記アンダーケープの使用用途は、通常、室内に限定されるという問題を有する。
【0012】
また、その他にも下記特許文献3に係る肩パッドが開示されている。
上記肩パッドは、左右の肩部に当接可能な一対の略半円形部材により形成している。取り付けは、女性用下着の肩紐にベルト部材により係合して該ベルト部材を留め具により固定して取り付ける。
【0013】
しかし、上記肩パッドは、下着の肩紐に取り付けなければ適切に取り付けることができないため、その使用は、女性に限定される。さらに、着脱の度にいちいち上述したように下着の肩紐に係合、分離する必要が生じるため、取り付けに手間を要するといった問題も有する。
【0014】
【特許文献1】実開平01−125323号公報
【特許文献2】特開平07−216606号公報
【特許文献3】特開2001−172812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで本発明では、保温性を確保できることは勿論、衣服内に着用したとき外見から認識されることや、着用ずれが生じることがなく、しかも容易に着脱することができる肩パッドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る肩パッドは、首部に対して外周側部位に着用して左右両肩部を保温する肩パッドであって、上記左右両肩部に当接させる一対の肩パッド本体部を具備し、上記一対の肩パッド本体部どうしを、胸部側において連結する胸当て部を具備するとともに、背部側において連結する背当て部を具備して一体に形成し、上記胸当て部、或いは上記背当て部を、左右相互に分離可能な一対の布片状に形成するとともに、当該布片状に形成した胸当て部、或いは背当て部に、左右相互に連結可能な固定手段を具備したことを特徴とする。
【0017】
上記肩パッド本体部は、熱を付与した状態で圧縮成形して、肩形状に対応する椀状に形成することが好ましい。
【0018】
また、上記肩パッドは、上記肩パッド本体部の表面を、縫着部の存在しない平面状に形成したことを特徴とする。
【0019】
また、上記肩パッドは、綿などの天然繊維、或いは合成繊維などで形成してもよいが、好ましくは、上記一対の肩パッド本体部、上記一対の肩パッド本体部内に具備されたパッド部材、上記胸当て部、及び、上記背当て部における少なくとも1つを、発熱性素材により形成することが好ましい。
【0020】
上記発熱性素材としては、例えば、汗などの水分の吸湿により発熱する素材を含有した吸湿発熱繊維、或いは、赤外線を吸収し、熱に変えて放出する素材を含有した遠赤外線繊維などを用いることができる。
【0021】
その他、上記発熱性素材は、上記吸湿発熱繊維、或いは、上記遠赤外線繊維などに対して例えば、備長炭を細かく砕いた粉末を含有させてマイナスイオンを発生させる作用を付加するなど1つの形態に限定しない。
【0022】
さらに、上記肩パッド本体部における肩部への当接面側と反対面側に、下着の肩紐に取り付け可能な取付け手段を補助的に形成することが好ましい。
【0023】
また、上記固定手段は、例えば、スナップ、スライドファスナ、ホックなどで形成することができるが、好ましくは、一対の面ファスナにより形成するとよい。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に係る発明によれば、肩パッドを上記形態により形成することで、肩部周辺に限らず、首部に対する外周部位全体を保温することができる。
【0025】
しかも、例えば、従来の肩パッドのように、腕に対して係合する係合用紐を脇の下に配することなくしっかりと人に対して着用できる。このため、肩パッドの着脱は、例えば、いちいち係合用紐を脇の下に配するため、腕の挿通用の空間に腕を挿脱しなくても、上記固定手段を固定、或いは分離するだけで容易に行える。しかも、着用時において、脇下に係合用紐などが存在しない。このため、不快感を伴わず、汗でべたつかないため衛生的である。
【0026】
また、請求項2に係る発明によれば、肩パッド本体部は、熱を付与した状態で圧縮成形する。これにより、肩パッド本体部は、たとえ意図的に形状を変形させても自発的に元の形状に復元し、型崩れすることがない。
【0027】
特に、請求項3に係る発明によれば、肩部本体部における全面に、縫着部を形成することがなく、滑らかな椀状をした平面状に形成することができる。よって、より肩部に密着するため、さらにしっかりと着用できる。
さらに、着用時に、ごわごわ感を感じず、肩が凝ることもなく、着用していることを感じさせない快適な状態で着用することができる
つまり、肩パッド本体部を上述したように一体成形により形成すれば、裏面布側上に縫着部などで屈曲した部位や段部などが生じることもなく、滑らかな椀状に形成することができる。
【0028】
加えて、例えば、上記肩パッドを着用し、さらに、該肩パッドの上から衣服を着用しても、縫着部による凹凸が衣服の上に現れることもないため、外見上、第3者に衣服の下に肩パッドを着用していることが認識されず、見栄えよく着用できる。
請求項4に係る発明によれば、パッド部材を発熱性素材により形成することにより、肩部本体部は、さらに積極的に保温効果を得ることができる。
【0029】
しかも、例えば、パッド部材を綿などで形成する場合と比較して、保温性を維持した状態のまま肩部本体部の厚みを薄く形成することができるため、着用時に該肩本体部が嵩張ることもない。さらに、肩パッド全体を軽量化することもでき、肩が凝ることもない。
【0030】
請求項5に係る発明によれば、肩パッドは、取付け手段を肩紐に取り付けた状態で着用することができるため、よりしっかりと一対の面ファスナどうしを取り付けることができる。このため、例えば、着用時にたとえ、腕を略真上にあげたりしても不用意に肩パッドが取り外れることがない。
【0031】
請求項6に係る発明によれば、前記一対の面ファスナどうしを面接触状態させるだけで係合できるため、容易に固定、或いは分離することができる。しかも、一対の面ファスナを面接触状態とすれば、さらに強固に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は、実施例1における肩パッド10の外観図を示し、環状に連結した状態を示す。上記肩パッド10は、人の首部に対する外周側部位、すなわち、肩部、上胸部、及び、上背部にかけて着用することができる。
【0034】
上記図1に示したように、上記肩パッド10は、着用したとき表面側、及び、裏面側にそれぞれ位置する表面布12、及び、裏面布13を重合して形成するとともに、その外周縁部に縁取り加工を施すことにより一体に形成している。また、上記表面布12、及び、上記裏面布13は、発熱性素材を用いてメッシュ地により形成している。
【0035】
さらに、上記肩パッド10は、左右両側の肩部に当接する部位に一対の肩パッド本体部14を形成している。ここで、上記左右一対の肩パッド本体部14間に位置し、着用時に胸部に当接する部位を胸当て部15に設定し、背部に当接する部位を背当て部16に設定する。
【0036】
また、上記表面布12、及び上記裏面布13における上記肩パッド本体部14の外周部に相当する部位を縫着し、肩パッド本体部14における上記表面布12、及び上記裏面布13の間には、パッド部材17として発熱性繊維を封入している。
【0037】
上記発熱性繊維にとして、汗などの水分を吸収すると発熱する性質を有する吸湿発熱繊維18aを用い、該吸湿発熱繊維18aは、ウールの約3倍程度の熱(吸着熱)を発熱する。
【0038】
さらに、上記肩パッド本体部14は、肩形状に対応する椀状に形成している。
このような、上記肩パッド本体部14を椀状に加工する方法は、表面布12、及び、裏面布13の間に吸湿発熱繊維18aを封入した状態のまま、肩パッド本体部14に相当する部位に熱を付与した状態で、該肩パッド本体部14に相当する部位を圧縮成形することにより行う。
これにより、図2に示したように、肩パッド本体部14は、表面布12、及び、裏面布13における表面に縫着部などの段部が存在しない状態で肩形状に対応する椀状に成形することができる。
【0039】
また、胸当て部15、及び、背当て部16についても、上述したように発熱性素材を用いて形成し、特に、胸当て部15は、左右各肩部から上胸部を覆うことが可能な幅を備えて形成している。このため、上胸部、及び、上背部についても保温性を保つことができる。しかも、胸当て部15、及び、背当て部16は、上述したようにメッシュ地により形成しているため、上胸部、及び、上背部において、ある程度の通気性も確保することができる。
【0040】
また、図3に示したように、胸当て部15は、その中間部において左右各側に片状に分離可能に形成している。さらに、分離した布片状の各部位15a,15bにおける先端部どうしが互いに重合する部位に、相互に連結可能に一対の面ファスナ20a,20bを縫着している。
【0041】
本実施例における肩パッド10は、上述したように形成するものとし、図示しないが以下、上記肩パッド10の着用手順について説明する。
肩パッド10を図3にように展開した状態から着用する場合、まず、上記肩パッド10を着用する人A(以下、着用者Aという)は、上記胸当て部15における一対の布片状の各部位15a,15bを左右各側の指で抓み、肩パッド10を上背部に掛ける。
【0042】
このとき、左右各側の肩パッド本体部14を該左右各側の肩パッド本体部14に対応する肩部に順に嵌め込まれるよう、上記左右各側の指で抓んだ胸当て部15における上記一対の布片の各部位15a,15bを首部の前側において互いに連結すべく、引き寄せる。
【0043】
そして、上記胸当て部15における上記一対の布片状の各部位15a,15bが重合したとき、上記一対の面ファスナ20a,20bどうしが係合される。
これにより、肩パッド10は、首部に対して外周側部位において連結した状態となる。
【0044】
以上により、図4、図5に示したように、肩パッド10を着用者Aに着用することができ、上記肩パッド10は、以下のような様々な効果を奏することができる。
【0045】
上記肩パッドは、10分程度着用するだけで、着用者Aにおける着用部位、及び、その周辺を、目安として1度から3度程、他の部位と比較して温めることができる。
【0046】
また、肩パッド本体部14は、上述したように上記表面布12、及び上記裏面布13の間に上記吸湿発熱繊維18aを封入し、一体にした状態で熱を付与して形成しているため、上記吸湿発熱繊維18aだけでなく、肩パッド本体部14における上記表面布12、及び上記裏面布13も含めて肩形状に対応する椀状に成形することができる。
【0047】
つまり、肩パッド本体部14を一体成形により形成すれば、裏面布13側上に縫着部などで屈曲した部位や段部などが生じることもなく、滑らかな椀状に形成することができる。
【0048】
このように、本実施形態の肩パッド本体部14における表面布12、及び、裏面布13には、全く縫着部、段部、或いは、連結部などが存在せず、上記図4、図5に示したように、ぴたりと肩に嵌めこまれた状態で着用できる。
このため、例えば、上記肩パッド10を着用し、さらに、該肩パッド10の上から衣服を着用しても、縫着部による凹凸が衣服の上に現れることもなく、外見上、衣服の下に肩パッド10を着用していることが分からない。
さらに、着ぶくれすることや肩幅が広く見えることもないため、特に女性が安心して着用することができる。
加えて、着用時に肩部に密着するため、ごわごわ感などを感じることがなく従来の肩パッドのように肩こりの原因にもならない。
【0049】
勿論、表面布12、及び、裏面布13は、発熱性素材によるメッシュ地で形成しているため、上述したように通気性や保温性の他に伸縮性も有する。このため、首部に対する外周側部位に肌着のように密着した状態で取り付けることができる。
【0050】
すなわち、肩パッド10の着用時において肩パッド11全体が様々な着用者Aの肩形状の違いに関わらず、肩部に対して、密着するため、着用ずれが生じることがなく快適な心地を維持することができる。
【0051】
具体的には、肩パッド10の着用時において着用者Aが、腕をある程度、あげても、肩パッド本体部14が肩部に当接する側へ作用する引張力により、肩パッド本体部14は肩部に密着し、しかも、肩パッド本体部14は、該腕を挙げたときにおける肩形状に対応する形状に湾曲し、しかも、肩に当接する側に引っ張り力により密接するため、例えば、腕を脇に配した紐などを着用者Aの腕に係合して着用しなくても、肩パッド10をしっかりと着用することができる。
【0052】
このため、着用者Aは、肩パッド10を着用していることを意識することなしに快適に着用することができる。しかも、脇の下に紐などを配することもないため、肩パッド10が汗などでべたつくことがなく衛生的に保つことができる。加えて、着脱の度に腕を挿脱する必要もないため、着用者Aは、容易に肩パッド10の着脱を行うことができる。
【0053】
また、上記パッド部材17に発熱性素材18を用いているため、発熱性を有していない天然繊維、人造繊維、或いは合成繊維を用いた場合と比較して、より積極的に肩部を保温できる。しかも、天然繊維などと同程度の保温性を確保しようとしても、パッド部材17に発熱性素材18を用いて形成した肩パッド本体部14の厚みの方がより薄い状態に保つことができるため、見た目にも優れた肩パッド10を形成することができる。
【0054】
また、肩パッド10を、例えば、図2に示したような平面視略U字形に展開状態にしたとき、上記椀状に成形していた肩パッド本体部14は、ある程度、平面状に変形するが、再度、肩パッド10を上記図1に示したように環状になるよう連結すれば、上記肩パッド本体部14は、自身の弾性復元力により復元して元の椀状を維持することができる。
このように、本実施形態の肩パッド10(特に肩パッド本体部14)は、繰り返し使用しても型崩れすることがない。
【0055】
勿論、肩パッド本体部14は、上記構成、或いは形成方法に限定しない。
例えば、肩パッド本体部14の他の形成方法として、まず、上記表面布12、及び上記裏面布13間に封入する前の上記吸湿発熱繊維18aに対してのみ、熱を付与した状態で圧縮成形して椀状に変形させておき、該椀状に成形した吸湿発熱繊維18aを、上記表面布12、及び上記裏面布13間に封入して肩パッド本体部14を形成してもよい。
【0056】
上記発熱性素材18としては、上記吸湿発熱繊維18aに限定せず、他の発熱性素材を用いてもよい。
【0057】
具体的に、発熱性素材18に遠赤外線放射繊維を用いた場合、遠赤外線放射繊維として例えば、珪酸ジルコニウム系セラミックス、アルミナ、シリカ、窒化ケイソ、ジルコニアなどのセラミックスを原料として含有した繊維を用いることができる。さらに、遠赤外線放射繊維として、例えば、上記セラミックスを繊維外層部に練り込んだものを用いることができる。
【0058】
勿論、上記肩パッドは、上述したように全体を発熱性素材を用いて形成すれば、保温性を向上させることができる点で好ましいが、パッド部材17は、上述した発熱性素材18に限定せず、例えば、綿、ウール、或いは、フエルトなど天然繊維、人造繊維、又は合成繊維などと組み合わせて形成してもよい。
【0059】
このような天然繊維、人造繊維、或いは合成繊維は、それ自体、ある程度の保温性を有することから有効であり、コストの低減を図ることができる。
【0060】
また、肩パッドは、表面布12、及び、裏面布13における、いずれか一方のみを発熱性素材により形成してもよい。または、肩パッド本体部14、胸当て部15、及び、背当て部16における少なくとも1つを発熱性素材により形成してもよい。さらには、肩パッド本体部14におけるパッド部材17のみを発熱性素材により形成してもよい。
【実施例2】
【0061】
実施例2に係る肩パッド11として、肩パッド本体部14には、下着の肩紐Bに取り付けた状態で着用できる取付け部を具備することもできる。
【0062】
具体的に上記取付け部の形態は、図6に示したように、左右各側の肩パッド本体部14における表面布12において、着用時に下着の肩紐Bが配される着用者Aの肩上部に対応する部位に対する縁部側部位に、上記肩紐Bに係合するための帯状をした係合用布22を縫着する。
【0063】
さらに詳しくは、上記縁部側部位には、上記係合用布22の長さ方向における一端側を縫着し、該係合用布22の長さ方向における他端部側を片状に自由端としておく。
【0064】
さらに、上記係合用布22は、該係合用布22における他端部側を一端側へ折り返したときの重合部位における各側には、各端部どうしを連結する手段として一対のスナップ23のそれぞれ23a,23bを固着している。
【0065】
上記形態により、図7に示したように上記係合用布22は、肩部に配した状態の肩紐Bに対して略交差させるとともに、肩部と肩紐Bとの間に配した後、折り返し、上記一対のスナップ23を係合する。これにより、環状となった係合用布22に上記肩紐Bが挿通された状態で肩パッド11を下着に取り付けることができる。
【0066】
また、上記肩パッド11には、上述したような取付け部を形成しなくても、実施例1に示したように着用者Aに対してしっかりと着用することができるが、上記取付け部を付加することにより、さらにしっかりと着用することができる。
【0067】
上述したように、取付け部を補助的に用いることにより、例えば、着用者Aが腕を略真上に挙げた場合であっても、上記肩パッド11が不用意に外れることを確実に防止することができ、着用ずれが生じることもない。
なお、上記係合用布22は、帯状の布であり、該係合用布22の固定手段として、小さなスナップ23を用いているため、着用した時に肩パッド本体部14が嵩張ることもない。
【0068】
また、取付け部は、上述したように、肩パッド本体部14における表面布12側に取り付ければ、肩紐Bが肩パッド10,11を押えつけた状態で取り付けることができるため、着用ずれが生じることがなくしっかりと着用できる。しかも、表面布12側に取付け部を形成することで取付け部の着脱を容易に行うことができる。
【0069】
逆に、上記取付け部は、裏面布13に対して取り付けても構わない。この形態の場合、外観上、肩形状に対応する椀状の形態を損なうことがなく、優れた肩のラインを保つことができるという効果を有する。
【0070】
勿論、上記係合用布22における固定手段も、上記スナップ23に限定せず、面ファスナ、ホック等、他の固定手段を用いて形成してもよい。例えば、面ファスナを用いた場合、面接触させて係合できるため、容易に着脱することができる。
【0071】
また、上述の実施形態と、この発明の構成との対応において、この実施形態の吸湿発熱繊維18aは、この発明の発熱性繊維に対応し、以下、同様に
係合用布22、及び、スナップ23は、取付け手段に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例1に係る環状にした肩パッドの外観図。
【図2】実施例1に係る肩パッド本体部を表面側から視た平面図(a)、図2(a)におけるA−A断面図(b)。
【図3】実施例1に係る肩パッドを展開した状態の平面図。
【図4】実施例1に係る肩パッドを着用した様子を示す正面図。
【図5】実施例1に係る肩パッドを着用した様子を示す背面図。
【図6】実施例2に係る肩パッド本体部を表面側から視た平面図(a)、図6(a)におけるA−A断面図(b)。
【図7】実施例2に係る肩パッドを着用した様子を示す外観図。
【符号の説明】
【0073】
10,11…肩パッド
12…表面布
13…裏面布
14…肩パッド本体部
15…胸当て部
15a,15b…一対の布片状の各部位
16…背当て部
17…パッド部材
18a…吸湿発熱繊維
20…一対の面ファスナ
22…係合用布
23…一対のスナップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
首部に対する外周側部位に着用して左右両肩部を保温する肩パッドであって、
上記左右両肩部に当接させる一対の肩パッド本体部を具備し、
上記一対の肩パッド本体部どうしを、胸部側において連結する胸当て部を具備するとともに、背部側において連結する背当て部を具備して一体に形成し、
上記胸当て部、或いは上記背当て部を、左右相互に分離可能な一対の布片状に形成するとともに、当該布片状に形成した胸当て部、或いは背当て部に、左右相互に連結可能な固定手段を具備した
肩パッド。
【請求項2】
前記肩パッド本体部を、熱を付与した状態で圧縮成形して、肩形状に対応する椀状に形成した
請求項1に記載の肩パッド。
【請求項3】
前記肩パッド本体部の表面を、縫着部の存在しない平面状に形成した
請求項2に記載の肩パッド。
【請求項4】
前記一対の肩パッド本体部、前記一対の肩パッド本体部内に具備されたパッド部材、前記胸当て部、及び、前記背当て部における少なくとも1つを、発熱性素材により形成した
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の肩パッド。
【請求項5】
前記肩パッド本体部における肩部への当接面と反対面側に、下着の肩紐に取り付け可能な取付け手段を形成した
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の肩パッド。
【請求項6】
前記固定手段を、一対の面ファスナにより形成した
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の肩パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−214020(P2006−214020A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26172(P2005−26172)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(503203638)トップマン工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】