説明

育児器具に載置される座席マット

【課題】 乳幼児の背骨の発育を考慮した育児器具に載置される座席マットを提供する。
【解決手段】 育児器具に載置される座席マット10は、上端部21の中央部から下方向に延在する、クッション性の低い背骨保持部22と、背骨保持部22の左右方向および下方向の端部に隣接して設けられ、背骨保持部22よりもクッション性を有するサポート部23とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は育児器具に載置される座席マットに関し、特に、背骨の成長を考慮した育児器具に載置される座席マットに関する。
【背景技術】
【0002】
背骨を考慮したマットが、たとえば登録実用新案第3057711号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
特許文献1に開示されたマットにおいては、肩幅で頭部から膝までの細長な扁平袋に、同形の薄板と軟材のマットを入れ固定する。扁平袋の頭部側に、頭部が横向きにならないよう、仰向きになるよう安定する、枕を取付ける。扁平袋内のマットの長手両側に、肩、腰に入り込む程度の硬質の芯材に軟材を巻き付けた円筒形状の筒材を挿入して固定している。
【特許文献1】登録実用新案第3057711号公報(段落番号0004等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の、背筋を考慮したマットは、上記のように構成されていた。マット本体は軟材で構成され、その側部に、内部が硬質で外部に軟材を巻き付けた円筒状の筒体が設けられていた。このようなマットを乳幼児のチャイルドシートに使用される育児器具に載置される座席マットとして利用すると、次のような問題が発生する。
【0005】
乳幼児が成長するときには、おすわりができるようになる、いわゆる、腰が座るまで(生後4ヶ月程度まで)は、背骨のいわゆる「S字カーブ」が形成されていない。したがって、特に背筋があたる部分については、マットにある程度の硬さがないと、背骨に悪影響がでるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、乳幼児の背骨の発育を考慮した育児器具に載置される座席マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる、上下および左右に延在する、育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットは、上端部の中央部から下方向に延在する、クッション性の低い背骨保持部と、背骨保持部の左右方向および下方向の端部に隣接して設けられ、背骨保持部よりもクッション性を有するサポート部とを含む。
【0008】
育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットの、上端部の中央部から下方向の、乳幼児の背筋があたる部分については、クッション性が低く、その周囲がクッション性を有するサポート部で囲われているため、背骨の発育に悪い影響を及ぼさない。
【0009】
その結果、乳幼児の背骨の発育を考慮した、育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットを提供できる。
【0010】
育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットの上端部には、枕部が接続されるのが好ましい。
【0011】
また、サポート部は、該サポート部の表裏面を接続して貫通する、複数の貫通穴を有してもよいし、背骨保持部は、メッシュで形成されてもよい。
【0012】
この発明の他の局面においては、上下および左右に延在する、育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットは、上端部の中央部から下方向の所定の位置までが切り欠かれており、切り欠かれた部分の左右方向および下方向の所定の位置に隣接して、クッション性を有するサポート部が設けられている。
【0013】
育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットの、上端部の中央部から下方向の、乳幼児の背筋があたる部分が切り欠かれ、その周囲がクッション性を有するサポート部で囲われているため、背骨の発育に悪い影響を及ぼさない。
【0014】
その結果、乳幼児の背骨の発育を考慮した、育児器具に載置される育児器具に載置される座席マットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる、乳幼児用の使用される育児器具に載置される座席マットを示す平面図であり、図2は、図1においてII−IIで示す部分の断面図である。図1および図2を参照して、育児器具に載置される座席マット10は、枕部11と、枕部11に接続されたマット20とを含む。枕部11は、頭部保持部12と、頭部を覆うカバー部13とを含む。マット20は、枕部11との接続部を有する上端部21の中央部から下方向に延在する、所定の硬さを有する背骨保持部22と、背骨保持部22の左右および下方向に、背骨保持部22を囲むように設けられたサポート部23とを含む。
【0016】
背骨保持部22は、乳幼児の背骨にあたる領域を支持するため、クッション性が低いか、または全然無いように形成されている。背骨保持部22がこのように構成されているため、従来のような柔らかいマットによる背骨の沈み込みを避けることができる。なお、この部分は、体温調節が未熟である乳幼児にとって体温調整が容易にできるように、メッシュで形成されていてもよい。
【0017】
サポート部23は、乳幼児の姿勢を保持するために設けられており、図2に示すように、背骨保持部22に対して隆起しており、背骨保持部22よりも柔らかいクッション材で構成されている。サポート部23には、股ベルト通し穴24が設けられている。また、マット20に、図示のない、所定の針を通して、表面と裏面とを接続して貫通する貫通穴25を多数配置し、それによって、通気性を保持するとともに、他の部分を膨張させ、クッション性を高めるのが好ましい。
【0018】
なお、上記実施の形態においては、枕部11をマット20に接続した場合について説明したが、これに限らず、枕部11が無くてもよい。
【0019】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図3は、この発明の他の実施の形態にかかるマットを示す図である。(A)においては、マット30は、マット20と基本的に同様の幅を有し、上端部において左右方向の端部まで延在する、T字型の背骨保持部32が設けられている。
【0020】
ここで、この左右方向に延びる部分の幅は、乳幼児の腕の幅をカバーする寸法であればよい。マット30において、T字型の背骨保持部32以外の部分は、サポート部33であり、先の実施の形態と同様の構成を有する。
【0021】
(B)においては、マット40は、縦方向にマット20より狭い幅を有し、上端部から下端部まで端部まで延在するとともに、上端部において左右方向端部までT字型の背骨保持部42が設けられている。マット40において、T字型の背骨保持部42以外の部分は、サポート部43であり、先の実施の形態と同様の構成を有する。
【0022】
また、図3においては、股ベルト通し穴24や、貫通穴25については、省略している。
【0023】
なお、ここでいう、育児器具とは、たとえば、乳母車、チャイルドシート、ベビーベッド、ベビーラック等を含む。
【0024】
また、上記実施の形態においては、育児器具に載置される座席マットとして、クッション性が低いか、または全然無いような背骨保持部を、サポート部で囲むように形成した場合について説明したが、これに限らず、この背骨保持部を切り欠いて、この切り欠き部をサポート部で囲むように形成してもよい。この場合も同様の効果を奏する。
【0025】
上記実施の形態においては、枕をマットの上端部に接続する場合について説明したがこれに限らず、枕をマット上の任意の位置に配置できるようにしてもよい。
【0026】
図面を参照してこの発明の一実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明にかかる、育児器具に載置される座席マットは、乳幼児の背骨にあたる領域を硬くし、それ以外の部分にクッション性を持たせたため、乳幼児の背骨の発育に役立つ育児器具に載置される座席マットとして、有利に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の一実施の形態にかかる育児器具に載置される座席マットの平面図である。
【図2】図1においてII−IIで示す部分の断面図である。
【図3】この発明の他の実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 育児器具に載置される座席マット、11 枕部、20、30、40 マット、21 上端部、22、32、42 背骨保持部、23、33、43 サポート部、24 股ベルト通し穴、25 貫通穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下および左右に延在する、育児器具に載置される座席マットであって、
上端部の中央部から下方向に延在する、クッション性の低い背骨保持部と、
前記背骨保持部の左右方向および下方向の端部に隣接して設けられ、前記背骨保持部よりもクッション性を有するサポート部とを含む、育児器具に載置される座席マット。
【請求項2】
上端部に枕部を接続された、請求項1に記載の育児器具に載置される座席マット。
【請求項3】
前記サポート部は、該サポート部の表裏面を接続して貫通する、複数の貫通穴を有する、請求項1または2に記載の育児器具に載置される座席マット。
【請求項4】
前記背骨保持部は、メッシュで形成された、請求項1から3のいずれかに記載の育児器具に載置される座席マット。
【請求項5】
上下および左右に延在する、育児器具に載置される座席マットであって、
上端部の中央部から下方向の所定の位置までが切り欠かれており、前記切り欠かれた部分の左右方向および下方向の所定の位置に隣接して、クッション性を有するサポート部が設けられている、育児器具に載置される座席マット。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−20970(P2006−20970A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203797(P2004−203797)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(390006231)アップリカ育児研究会アップリカ▲葛▼西株式会社 (97)
【Fターム(参考)】