説明

胃横断手術デバイス及び処置

自然起源の身体開口部を介して患者の体腔へのアクセスを得るために使用する手術用カニューレ及びアクセスシステムの実施形態を開示する。アクセスカニューレの末端は自然起源の身体開口部を通じて中空器官へ進める。カニューレに挿通された器具は中空器官の壁に切開を形成するために用いられる。アクセスカニューレは、その末端開口が中空器官の外側の体腔へのアクセスを与えるように切開内に留置する。手術用器具をアクセスカニューレに挿通させて体腔内の処置を実行するために使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腹膜腔内で手術を実行する際に用いるアクセスデバイス及び処置の分野に関する。
【発明の背景】
【0002】
通常、腹腔内の手術は、開口外科技法か腹腔鏡処置を用いて実行される。これらの処置の各々は、皮膚、その下の筋肉、及び腹膜組織を通した切開を必要とするので、施術後の傷跡及び/又はヘルニアのおそれを伴う。
【0003】
腹腔へのアクセスが自然の人体開口部を通って得られるシステム及び技法は、皮膚、その下の筋肉、及び腹膜組織を通した切開を回避し得るという点で有利である。そのようなシステムの使用は、食道、胃又は腸へ(例えば、口か直腸を通じて)挿入されたアクセスデバイスを用いることで腹膜腔へのアクセスを提供できる。かくして手術器具はアクセスデバイスを通して食道壁、胃又は腸の切開を介して腹膜腔に進められる。 腟のアクセスなどの他の形式の自然の人体開口部のアクセスを同様に用いることができるであろう。
【0004】
図面の詳細な説明
一般的に述べれば、本願は自然な管腔を介して患者の体腔へのアクセスを得るために用いる手術アクセスカニューレ及びアクセスシステムの実施形態について説明する。カニューレは、自然の人体開口部(例えば、口、直腸、膣口)を通って中空器官(食道、胃、腸、膣又は子宮)に末端を進めることができるように構成されている。カニューレが中空器官に一旦配置されると、カニューレを通り抜ける手術器具は、中空器官の壁に切開を形成するのに使用される。好ましくは、腹膜腔に手術器具の無菌通路を可能とするように、カニューレの要素は切開を通じて密封されたアクセスを形成する。また、本願は経口アクセスを用いる患者の腸の管腔内検査を可能とするシステムについて説明する。 このシステムは開示されたアクセスカニューレを利用する処置、及び別個の処置で使用される。
【0005】
開示されたデバイス、システム、及び方法は腹膜腔への径胃アクセスに関して説明される。これは単なる例示であって、開示された実施形態は他の自然の人体開口部処置にも等しく適する。
【0006】
自然の人体開口部を使用することで実行できる体内処置は、虫垂切除、胆嚢摘出手術、子宮摘出、卵巣摘出、並びに腸及び前立腺の処置を含むが、これらに限定されるものではない。
【0007】
図1を参照すると、経胃アクセスデバイスの一実施形態は、末端ポート12へカニューレの長さに延出する少なくとも一つの作動ルーメン14を有する細長いカニューレ10を含む。器具ポート16は管腔の基端に形成されており、バルブ18はルーメンの末端を封止するように配置されている。一対の封止要素20a、20bは、末端ポート12の近傍でカニューレ10の外部に置かれている。図4及び図6に関して説明するように、封止要素は、胃壁に形成された切開内でカニューレを留置でき、好ましくはカニューレと切開との間にシールを形成する膨張性バルーン又は他の要素を含んでもよい。
【0008】
一つの実施形態において、作動ルーメン14は図2に示すように処置に必要な器具を受け入れるのに適切なサイズの単腔としてもよい。代替的な実施形態は二つ又はそれ以上のルーメンを含み得る。
【0009】
図3はシステムの基端部を示し、これは使用中はカニューレ10が食道を胃へ向って下方へ延出する状態で口内又は口外に器具ポート16と共に配置されている。光源ルーメン22はカニューレの長さに延出している。光源ルーメンは、光ファイバー照明系又は他の他の適宜な照明源(図示せず)に接続された光ファイバー要素を含むことにより、カニューレ10の末端で実行する処置を照明できるようにされている。留置要素20a、20b(図1)が膨張性であるならば、膨張ポート23(図2及び図3)は、シリンジ(図示せず)又は他の適宜な膨張システムなどの膨張デバイスを用いることにより、膨張流体又はガスをバルーンへ配送するための導管を与える。偏向/操縦可能カニューレが望ましければ、張引ワイヤ25(図2)をカニューレ10の対応する張引ルーメンを通して延出させて、カニューレの末端領域内に留置する。
【0010】
図4を参照すると、バルブ18は図示のように末端ポート12の近傍又はよりカニューレ10のより基端部分でカニューレ10内に配置できる。バルブ18は図示のようにダックビル(duck bill)バルブの形態を採ってもよく、或いはルーメンを通じる器具がない状態でルーメン14の末端部分を封止するのに適する他の形式のバルブとしてもよい。その結果、バルブ18は胃を通じて腹膜腔内へ基端ポート12が通過する間に、ルーメン内へ流体及び/又はガスの移動を防止できる。このバルブは付加的に、バルブ18を通り抜ける器具に対して封止するよう構成してもよく、これにより、器具の周りの流体及びガスの移動がバルブ18を通じて広がることが防止され、吹入に用いられる腹膜腔からの吹入圧力の損失が防止される。代替的な実施形態では、別々のバルブ又はシールをルーメン14内に取り付けて、使用中にルーメン14を通り抜ける器具の周辺の周りにシールを形成してもよい。これらの目的の役に立つバルブとシールは腹腔鏡処置に普通に用いられている套管針に用いられる形式のものを含む。
【0011】
留置要素20a,20bは、図5に示するように膨張性環状のカフとしてもよい。このような留置要素の各々は、膨張ポート23(図2)の対応する一つへ流体接続されているので、留置要素20a,20bは個別に膨らませることができる。留置要素20a,20bは、耐久性高分子材料から形成され、カニューレ10の長さに沿って互いに離間して配置されており、それらが胃壁の一部の反対側に配置されるようにしてある。
【0012】
代替的な実施形態では、留置要素20a、20bはカニューレ10から取り外し可能であり、胃壁に対して適所に退き、胃壁に形成された切開を連続的に封止するようにしてある。例えば、カニューレの末端は、図5Bに示されているように、カニューレのルーメン内に配置された閉鎖ピン21又は他のデバイスを用いて封止できるようにして、カニューレの留置要素形態においてはか対向機器を使用することで封をされる。そして、カニューレ10の末端部分(ここに留置要素が配置される)はカニューレ10の残りの部分から取り外し可能にしてもよい。この代替の実施形態によると、身体内に残るカニューレの一部を生体内分解性材料から形成してもよく、これは胃壁の切開が回復した後に或る時点で受動的に分解するか、或いは熱、光、電気エネルギ、又は特定の化学薬品に晒されると能動的に分解する。取り外し自在留置要素は、治療薬及び/又は切開の治癒若しくは留置要素上の組織内成長を促進するように選択された薬剤を含めて、少なくとも一つ以上の調合薬を含浸させたコーティングマトリクスを介して薬物送達能力を持たせるようにしてもよい。
【0013】
図6及び図7は、代替的な留置要素20C,20dを用いるアクセスカニューレを示し、その留置要素の各々はフレーム部材30を含み、これはカニューレ10に装着された中央リング32(図7)、及びこのリング32から延出する放射状部材34を含み得る。フレーム部材30はニチノールまたは形状記憶ポリマーなどの形状記憶材料、或いは留置要素20c,20dを送達シース38(図7)内に圧縮するが、そのシース38から一旦解放されると留置要素20c,20dがそれらの拡張姿勢へ弾けることを可能にする材料から形成し得る。重合ディスク36はフレーム部材30.へ装着されている。
【0014】
他の留置システムを図8A乃至図12Bに示す。図示のシステムは末端留置(即ち、胃壁の外部に対する留置)のみを与えて、カニューレ10が胃壁内の切開から引き抜けることを防止するようにしてもよく、或いは図1のバルーン20a,20bによって与えられたものと同様に基端と末端との両方の留置を与えて、カニューレが腹膜へ更に前進してしまうカニューレの不慮の前進をも防ぐようにしてもよい。好ましい留置システムは切開の周辺も封止して、胃からの物質が無菌腹膜腔を汚染することを防止する。しかしながら、代替例として、切開内に着座するカニューレの部分が、それ自身が切開にシールを形成するように弾力的な外面を有してもよい。
【0015】
図8Aを参照すると、カニューレ10は、シャフト31に被せられる管状の長い編組体29を持つ末端部分を有してもよい。編組体29は、シャフト31が編組体29に対して後退したときに、少なくともその一部が外側へ広がって、図8Bに示すように留置体20e,20fを形成するように形状付けられている。
【0016】
図9Aの実施形態では、カニューレ10の末端部分がヒンジ留め環状カラー33を含み、これは自己拡張するか、或いは図9Bに示される放射状拡張姿勢へ能動的に揺動する。図1OAの実施形態はカニューレ10の末端部分に切られた長手ストリップ35を含む。ストリップ25は、図10Bに示すように、カニューレの末端が長手方向に圧縮された際に、外側へ撓む。圧縮力は様々な方式で加えることができ、例えばカニューレの末端へ接続された張印ワイヤへ張力を加えながら、カニューレの基端を押圧することによるか、或いはカニューレを押圧しながら、カニューレのルーメンを通過する器具を用いてカニューレの末端を支持することによる。円周折り畳み線又は脆弱領域27をストリップ内に形成して、ストリップが選択された場所で折れ目になるようにしてもよい。
【0017】
図11A及び図11Bに示す代替的な留置システムにおいて、アクセスカニューレ10の末端は編組体末端を有し、これは(例えばシース39の引き抜きに際して)胃壁外側の裾拡がりの「トランペット」形態(図11B)へ自己拡張するように製作できる。カニューレは、対応するリップ(これは予形成してもよく、自己拡張性でもよい)を選択的に含み、これは末端から離間して胃壁の内側に配置可能であり、壁が裾とリップとの間に保持されるようにしてある。
【0018】
図12Aに示す他の実施形態においては、カニューレ10はテーパー状先端41を含み、これは螺旋状リブ43若しくはスレッドを含み、これはカニューレシャフト及び先端41上にあるか、或いは図12Bに示す実施形態のようにシャフト上のみにある。これらの実施形態は切開を通じるカニューレの連続的前進、切開の拡張、及びカニューレの切開内の留置を可能とする。先端41は留置に続いて、器具の通過のためにカニューレを開くように退行できるであろう。他の退行可能先端を以下に説明する。
【0019】
アクセスカニューレ10は高分子材料(例えばポリウレタン)について形成された可撓管としてもよい。カニューレ10は身体内への導入のために非常に柔軟であり、カニューレを胃への送達のために部分的又は完全に潰すことができる。カニューレの特性は最適な径方向強度、柔軟性、及び湾曲半径のために設えることができる。柔軟なカニューレは、胃への通過期間中又は通過後に、アクセスシステム(例えば、以下で説明する形式の閉塞体)などの二次構造体により、或いはカニューレに挿入された他の器具により支持される。
【0020】
カニューレのために有益な材料はePTFE、編材料、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、合成材料(例えば、ポリエステルを有するライクラ)その他を含む。ePTFEなどの滑らかな材料は食道を通じての送達及びカニューレを通じる器具の通過を容易にする滑らかな表面を与える。幾つかの実施形態では、カニューレの全て又は一部が微小孔領域を含み、これは治療又は殺菌溶液を周辺領域へ投与しながら、カニューレへの汚染物質の流れを防止する孔サイズを有する。例えば、溶液は圧力下でカニューレを通じて指向され、この溶液はカニューレの壁における孔を通じて通過する。代替的なカニューレの実施形態は、様々な材料を用いて補強してもよい。補強材はカニューレの長さに沿って連続的に、可変に、又は特定の部位向けにしてもよい。
【0021】
カニューレは、内部、外部、又は埋設された螺旋状巻回コイル(例えば、ステンレス、ニチノール若しくは適宜な代替物の平坦又は丸められたワイヤ、ポリエステル、ナイロンその他の単一フィラメント、又は他の材料)で補強された高分子材料としてもよい。螺旋状巻回補強材は、改良された湾曲半径を可能にする径方向強度を与える。緊密に巻回された(例えば密接した)コイルはカニューレの軸方向剛性を改良し、カニューレの全身、留置システムの起動のためのコラム強さを高めるか、或いはカニューレを通じる器具の前進を改良する。
【0022】
他の実施形態においては、内部、外部又は埋設された編組構造体をカニューレの壁上又は壁内に設けて、径方向強度、コラム強さ及びねじり剛性を改良するようにしてもよい。また編組構造体は、(例えば編組体に縦方向張力を加えることにより)縮小された径へ圧縮可能か、或いは編組体の縦方向圧縮により)拡張可能なカニューレを製作するのに用いることができる。各地用自在な編組体特性は、カニューレを上述のように切開内に留置するのに用いることができる。カニューレの外部に露呈した編組体は留置のための更なる牽引力を与える。
【0023】
アクセスカニューレ10を用いる方法は、アクセスカニューレ10の末端12を患者の口へ挿通して、食道Eを通じて胃Sへ入れることを含む(或いは、代替的な実施形態において、直腸を介して腸へ入れるか、腟の天井か子宮を通じたアクセスのために膣へ通すことを含む)。図13A及び図13Bを参照すると、好ましくは、突き通すべき壁Wにカニューレ10を接触させた状態で、このカニューレ10に挿通させた針50などの器具を用いて壁Wに切開I又は穿孔を形成する。
【0024】
針を用いて切開が形成されると、切開に拡張器を挿通して切開Iを拡大する必要が生じるであろう。図示の実施形態では、針50は拡張器52の末端から延出し、その拡張器は切開Iへ押し入れて図13C及び図13Dに示すように切開を拡張する。以下に説明する代替的な実施形態では、針は、アクセスカニューレを通じて前進する間は拡張器のルーメン内に保護されて、次いで拡張器から進出して切開Iを形成する。小さなナイフ縁(図示せず)が拡張器の表面から延出して、切開を切断により広げることを可能とするので、壁の損傷が最小限になる。他の代替例においては、拡張器には、膨張自在バルーン、拡張自在な形状記憶編組区画、又は切開I内に配置して切開の寸法を増大するように拡張する他の拡張自在な機構を持たせてもよい。拡張器は内視鏡を更に組み込んで、施術者が切開を形成してアクセスカニューレを留置する間、施術者に視覚的なフィードバックを与えるようにしてもよい。
【0025】
カニューレ10の末端12を切開Iへ進めて、カニューレ上の基部留置要素20bを図13Eに示すように膨らませる。次に、カニューレ10の末端12を好ましくは壁Wに接触させた状態で、図13Fに示すように切開Iへ完全に挿通することにより、カニューレ上の末端留置要素20a(この時点では未だ拡張していない)を胃の外側に位置させ、且つカニューレ上の最も基端に近い留置要素20bが胃の内側に留まるようにさせる。拡張器52及び針50を図13Gに示すように身体から引き出す。図13Hに示すように膨張流体を送り、末端留置要素20aを拡張させて、壁Wを留置要素20a,20bの間に係合させ、更に留置要素20a,20bに、流体及び/又はガスの通過に抗するように切開を封止させる。所定位置に留置されると、アクセスカニューレは腹膜腔への無菌アクセスを与える。従って腹膜腔内の処置を実行するのに用いられる器具は、身体の外側にあるアクセスカニューレの基端へ挿通され、このカニューレを通じて腹膜腔へ進められる。
【0026】
図1のアクセスカニューレを配置する代替的な方法においては、カニューレ10の末端部分を切開Iへ挿通して、最も末端の留置要素20aを胃の外側へ配置し、最も基端の留置要素20bを胃の内側に留める。図14Aに示すように、膨張流体を送って末端留置要素20aを拡張させる。図7の実施形態が代わりに用いられているならば、カニューレ10をシース38の内側に置きつつ、胃へ導入して、留置要素20c,20dはシース38の内側の圧縮された向きにする。(カニューレ10が内側にある)シース38を穿孔Pに挿通する。カニューレ10を末端方向へ僅かに前進させて、最も末端の留置要素20cをシースの末端から解放して、留置要素20cを膨らませる。
【0027】
図14Bを参照すると、末端留置要素20aが拡張すると、カニューレ10へ牽引力が加えられて、末端留置要素20aを引っ張って胃壁との確実な接触へもってゆく。次に、膨張流体を送って基端留置要素20bを拡張させて、基端留置要素20bを拡張させて、胃壁を留置要素20a,20bの間に係合させて、更に留置要素20a,20bに穿孔Pを封止させて、流体及び/又はガスの通過に抗する。図7の実施形態が用いられているならば、図7の実施形態の基部留置要素20dの展開は、留置要素20dを解放するようにシース38を基部方向へ引くことにより達成され、 その結果、胃壁が留置要素2の間に係合する。
【0028】
最終的に図10を参照すると、処置カニューレ40をカニューレ10に相通する。好ましくは、処置カニューレ40は流体の通過に抗して末端を封止するバルブ42を含んでいる。バルブ42は上述したダックビル形式としてもよく、及び/又はそれを通過する器具の周りを封止するものでもよく、その各々は腹腔鏡套管針に一般的に見られるものである。腹膜腔内で所望の処置を実行するのに必要である器具44(例えば、鉗子、電気手術器具、スネアー、カッター、内視鏡、ステープラーなど)をアクセスカニューレ40に挿通させて、処置を実行するために使用する。処置が完了したならば、処置カニューレ40及び器具を取り出し、留置要素20a,20bを萎ませ(或いは、図7の留置要素20c,20dの場合は、シース38へ引っ張り)、身体からカニューレ10を取り出す。
【0029】
食道(又は腸)を通じるカニューレ10の通過の容易性は、閉塞体を採用するアクセスシステムの使用により増進されるであろう。アクセスカニューレ10及び閉塞体200を包括する一つのアクセスシステムを図15に示す。閉塞体200は、患者から出るカニューレ10を通じて延在する細長い管状シャフト202と、閉塞体の末端上の先端204とを含む。通路又はルーメン203がシャフト202及び先端204を通じて延在している。先端204は、シャフトから外側へ裾広がりになる基端部分206と、テーパー状末端部分208とを含むことが好ましい。好ましくはシャフト202は、身体の目標領域(例えば、食道、腸)を通じる移動のために充分なコラム強さ、所望の湾曲半径、ねじれ剛性を与えるように、編組管材料又は他の材料から形成されている。適切な例は、補強されたカニューレ設計に関してここに列挙されたものを含む。
【0030】
先端204は、円周方向に離間した複数のスプリング要素205図に分割される。図15は、カニューレ10がその内部ルーメン上の傾斜末端縁210を含み、図16に示すように閉塞体200がカニューレ10内に配置されたときに、先端の裾拡がり基端部206がカニューレ10の傾斜縁210に隣接するようにできることを示している。閉塞体200のルーメン203内に配置された係止要素212(図17B)は、スプリング要素205が傾斜縁210と接触するように外側へ付勢して、閉塞体200がカニューレ内をきたんほうこうへ移動することを防止する。係止要素212はチューブとして示されているが、これは閉塞体をその末端位置に係止する他の構造としてもよい。
【0031】
膨張バルーンカテーテル220は、カニューレ10及び閉塞体200を通じて前進可能である。針218はバルーンカテーテル220内のルーメンを通じて延伸自在であるか、或いはそれがバルーンカテーテル220の延伸自在且つ収縮自在な部品としてもよい。
【0032】
図16の閉塞体システムは、アクセスカニューレが胃壁切開内に無菌状態で配置することを可能にする。図示のように、透明隔壁214は、閉塞体を覆っており、カニューレの円周の周りで封止される。隔壁214は、閉塞体の末端を封止することにより、カニューレ内の無菌環境を維持して、器具の腹膜空間内への清潔な通路を可能にする。隔壁の透明材料は内視鏡216を用いて閉塞体200及びカニューレ210の末端の外側の構造体の視覚化を可能とする。隔壁214は好ましくは閉塞体先端202へ結合される。
【0033】
図16のアクセスシステムを用いてカニューレ10を配置する一つの方法によると、システムは内視鏡16(図17A)を用いる視覚化下で食道を通じて前進して、胃壁Wに接触若しくは近接する。針218はカニューレを通じて前進して、閉塞体の末端から出て、隔壁214(図15及び図16参照)及び胃壁W(図17B及び図17C)の両方に穿通する。腹膜腔内の視覚化に送気が必要であるならば、腹膜腔は、針218を通じて指向されたガスを用いて送気し得る。
【0034】
バルーン拡張器220を切開I(図17D)を通じて進めて、係止要素212を収縮させる(図17E)。 無菌塩水又は他の物質(例えば防腐剤)の流れ221は処置期間中の何時でもカニューレ10を通じて胃壁又は切開へ指向させることができる。
【0035】
図17Fに示すように閉塞体のシャフト202を基端方向へ摺動させることにより、閉塞体先端204が退行する。閉塞体先端204の退行は、図示のように隔壁214も退行させる。バルーン220は、切開Iを拡張させるように膨張させる(図17H及び図17I)。 カニューレの傾斜縁及びバルーンの膨張は、切開を包囲する胃壁に等直径の嵌合を形成して、切開を通じるカニューレの前進を容易にする。図18に示す代替的な実施形態では、バルーンの基端部分に、カニューレ10に向かって切開の縁を指向させることにより、カニューレの前進を容易にさせる基端テーパー222を含めてもよい。図19は、拡張バルーン220は外側環状バルーン224を含み得ることを示しており、このバルーン224は基部方向に膨張して、切開を包囲する組織をカニューレ10の縁の上まで駆り立てる。切開Iが広げられると、カニューレ10は切開を通じて前進して、留置バルーン20a、20bは上述のように膨張する(図17K)。
【0036】
図17A−図17Iに関連して説明した方法に対する僅かな変更において、閉塞体及び隔壁は、針218を用いる穿通に先立って収縮するので、胃壁に対する吸引が形成され、針の前進のために耐牽引が与えられる。何れの場合でも、吸引は、穿通のために胃壁を係合させるように閉塞体又はアクセスカニューレを通じて適用できる。
【0037】
図2OAは、アクセスカニューレ10を無菌性で配置する使用のための代替的なアクセスシステムを示す。図2OAのシステムは、図16のシステムに類似しており、カニューレ10、閉塞体200、収縮可能な針先端218を有するバルーン拡張器220、及び隔壁214aを含んでいる。この実施形態では、閉塞体と隔壁とは独立した構造体である。隔壁214aの先端は、ノッチ232を有するO-リング230を含んでいる。O-リングの中心は、カニューレ及び閉塞体の末端を封止するように隔壁で覆われる。図2OAの実施形態の使用期間中に、針218及びバルーン拡張器220は、O-リング230を通じて進められ、図2OCに示されるように、隔壁214a及び胃壁Wに貫入する。バルーン拡張器220の拡張は、図2ODに示されているように、O-リング230及び隔壁を破断する。
【0038】
図21A乃至図22Bに示される他の代替的な実施形態は、バルーン拡張器220が隔壁214bを破断するのに用いられるという点では図2OAの実施形態と同様である。図21Bを参照すると、閉塞体202が収縮した後、隔壁214bは無菌食塩水を用いて加圧され、張引状態へ伸張する。隔壁214bが、バルーン拡張器を用いて穿孔されて破断されるとき、破断された隔壁はカニューレ10の外部に集まって、カニューレ10が更に胃へ進む不測の前進を防止する停止体234を形成し、更に切開の周囲にシールを形成する。O-リング230aは、拡張器の拡張に対応して破断することのないように充分に大きくして、その代わりに、隔壁が破断するときはカニューレの外表面へ向かって収縮するようにしてもよい。
【0039】
図23に示すように、代替的な閉塞体236は編組シャフト240上にテーパー状先端238を含む。シャフト240及び先端238内のルーメン242はダックビルバルブ244と流体接続されており、そのダックビルバルブは、針及びバルーン拡張器がそれを通過するときを除いては、閉止状態に留まっている。O-リングシール246はカニューレ10.の内表面に対して閉塞体を封止する。
【0040】
図24は開示された実施形態の何れにも使用し得る拡張器を図解する。拡張器248は、オフセットテーパーを有する先端を含んでいる。透明窓250は、内視鏡を用いて対象組織の観察を可能とするように位置しているが、拡張器先端全体を透明にしてもよい。フラッシュポート252は、胃壁の穿通の前及び/又は胃壁の穿通期間中に、無菌食塩溶液又は防腐剤を胃壁に接触するように指向させるために配置されている。針シース254は、それから延出自在な安全針を有しており、胃壁を穿通するのに使用される。
【0041】
既に述べたように、上述のアンカーは、胃壁又は他の体腔壁に形成された切開を閉止させるために置き残すこともある。図25A及び図25Cは、他の閉止デバイスを示し、これは内視鏡処置により移植されて、胃壁又は他の体腔壁に形成された切開を閉止する。簡単化のために、体壁に形成された任意の形式の開口(上述のように拡張された針穴を含むが、これに限定されるものではない)を切開と称することにする。一般に、閉止デバイスは一対の拡張可能部分を含み、その一方は胃の内部に置かれ、他方は胃の外に置かれる。接続機構は、拡張可能な部分の間に延在し、概ね切開を通じて延在するように配置される。閉止デバイスは、切開を封止して、胃から腹膜腔への流体又は材料の通過を防止する。これらは生体吸収性/生体内分解性移植であることが好ましいが、恒久的移植に代えてもよい。
【0042】
図25A−図25Cは閉止デバイス310の一つの例示的な実施形態を図解し、これは一対の翼312a,312bと、これら翼の間に延在する様々な任意の形状の接続要素314とを含んでいる。翼312a,312bは図示のように長円形状を有するが、他の形状を用いてもよい。他の形状は楕円形状又は円形状を含むが、それらに限定されるものではない。第1の実施形態では、接続要素314は、胃の切開内に配置できるように寸法付けられた細長いリブである。必須というわけではないが、リブの細長い形状は、組織の細長い切除若しくは裂け目を閉止するのに用いられる閉止デバイスに特に適している。閉止デバイスの寸法は、胃壁組織へ過剰な圧縮力を与えることなく、翼の間の間隙が切開を風刺するのに充分であるように選択される。一つの実施形態では、翼の対向面の間の距離間隔は、0.06乃至0.1インチの範囲である。
【0043】
翼及びリブのための材料は好ましくは生体内分解性であり、切開の治癒を見込んで計算された期間の後に分解又は吸収される。好ましい材料はセバシン酸材料を用いて形成された生体内分解性エラストマー又はバイオラバーを含むが、これらに限定されるものではない。被吸収性縫合材料を用いて形成されたメッシュ、編組体又は織材料を使用してもよい。メッシュ、編組体又は織部品が部品(例えば翼の一方又は両方)を封止するために用いられているならば、それらを通じる流体の通過を防ぐように充分に緊密な構造であることが望ましく、或いは生体内吸収性接着剤又は他の構造体を用いて流体通路に対して封止される。閉止デバイスは材料の様々な組み合わせにより構成してもよい。一例として、デバイスは生体内吸収性ポリマー翼及び生体内吸収性メッシュ接続要素を有してもよい。更に各々の構造体は、埋設された生体内急性メッシュ構造体により補強された生体高分子などの材料の組み合わせを有してもよい。材料は、硬化剤又は胃壁組織の治癒を促進する他の材料を用いて被覆又は含浸させてもよい。
【0044】
リブ314には、胃組織が治癒するのに応じて内部を通じて組織が成長できる孔、開口又は他の構造を設けてもよい。図25A−図25Cの実施形態において、そのような構造はスロット316の形態を採っている。
【0045】
閉止デバイス310は展開のためにチューブへ挿入するように折り畳めるように構成されている。様々な折り畳み配置構成を使用できる。その一つの例を図25D−図25Fに示す。図25Dは折り畳む前の閉止デバイスの平面図である。矢印で示すように、各翼312a,312bは最初にその縦軸に沿ってそれ自体に折り重ねて、図25Eの平面図及び図25Fの側面図に示されるようにデバイス10を構成する。 次に図25Fを参照すると、デバイス310の上部部分を水平軸Aに沿って折り畳み、各翼312a,312bを再びそれ自体に折り重ねて、デバイス310を図25Gに示す構成に置く。
【0046】
図26は閉止デバイス310を移植するのに使用し得る形式の展開システム318を図解する。システム318は、送達カニューレ320、該カニューレ320を通じて延伸する把持器322、外側シース324、内視鏡326、及び中間シース328を含む。このシステム318の使用について以下に説明する。
【0047】
展開に備えて、閉止デバイス310は、上述のように折り重ねられ、胃の内部で展開されるべき翼312bは把持器322によりその折り畳み状態に係合している。把持器322とデバイス310の一部(翼312bを含んでいる)とを送達カニューレ320内に引き込み、翼312aを送達カニューレ320の末端開口の外に置く。送達カニューレ320及び折り重ねられた閉止デバイス310は、デバイス310の折り畳み構造を維持するために中間シース328の内部に置かれる。中間シース328及び内視鏡は、図27に示すように、外側シース324内に置かれる。
【0048】
外側シース324の末端は口と食道を通って胃へ入る。図28に示すように、中間シース328は、内視鏡326を用いる視覚化のもとに切開(図示せず)通じて外側シース324の外側へ進められる。この段階では、デバイス310は把持器322及び送達カニューレ320に沿って中間シース328の中にあるが、これらは図28では見えない。図29を参照すると、中間シース328は次いで引き出されて、デバイス310の翼312aを露呈させ、翼を胃の外側にて図29に示される位置へ膨らませる。送達カニューレ320は図30に示すように引き出されるが、翼312bは把持器322の顎内に留まっているので、翼312bは折り畳み状態に留まっている。把持器322に牽引を加えて、外側翼312aを胃壁と接触するように引っ張る。次いで把持器322は翼312bを解放するように作動して、この翼を胃の内部で拡張させ(図32)、図33に示すようにデバイスを切開内に置いたままにする。翼312a、312bの一方又は両方で胃壁にシールを形成して、胃の内容物の腹膜空間への漏出を防止する。切開が回復すると、組織はスロット316を通して成長する。時間が経過するにつれて、デバイスは身体内で分解若しくは吸収される。
【0049】
閉止デバイスを展開するためのシステムにおいて、送達カニューレ320は図1のアクセスカニューレ10としてもよく、或いは別個のカニューレとしてもよい。アクセスカニューレ10を所定位置に置きながら、閉止デバイスが展開すると、アンカー要素20a,20bは閉止デバイスに道をあけるように適宜な時間萎む。
【0050】
図34及び図35はアクセスカニューレ400の代替的実施形態を示し、これは内部カニューレ区画を含み、この内部カニューレ区画は展開したアンカー要素20a,20bを通じて腹膜腔へ入る。特に、カニューレ400は、ルーメン404を有する管状基部区画402と、末端区画406とを含み、その末端区画406は、図34に示される細長い姿勢から図35に示される圧縮された姿勢へ長さ方向に圧縮可能である。内側カニューレ408は、基部区画402から長さ方向へ延在しており、基部区画404のルーメン404に連通するルーメン410を含んでいる。カニューレの末端区画406が細長い姿勢にあるとき、内側カニューレ408は、完全に末端区画406の中にあり、口、食道、及び胃を通したカニューレ400の移動期間中、内側カニューレ408の減菌保障をなす。上述したようにアンカー20a,20bが展開された後、末端区画406は、図35の矢印Aの方向にカニューレ400を軸方向に荷重することによって圧縮される。 末端区画の圧縮は内側カニューレ408を末端区画406から(図4のようにバルブ418が設けられているならば、このバルブ418を介して)出して、腹膜腔に突出させ、ルーメン404及び410を介して腹膜腔への減菌アクセスを可能にする。
【0051】
図36を参照すると、アクセスカニューレ10(又はカニューレ100)は腸Bにおける手術(例えば腸の病的な部分を取り除く腸切除)を実行するのに用いられる器具の導入のために使用してもよい。図示のように腔内内視鏡46は経口で胃及び腸の中へ通されて、外科医が腸の疾病又は負傷している区画を特定することを可能にさせる。アクセスカニューレ10を介して腹膜腔へ通過した把持器48は、腸を処置のために所望の位置へ操ることに使用でき、及び/又は把持器は検査のために腸の対象領域を腔内内視鏡46上へ引っ張ることに使用できる。アクセスカニューレ10を通じて導入された内視鏡ステープラー50は、腸の一部を切除及び/又は閉じるために用いることができ、またカメラ52を処置の視覚化のために用いてもよい。各種器具(例えばステープラー、内視鏡、及び/又はその他)を、手術腔へのアクセスを与える一つ又は複数の腹腔鏡ポートを通じて導入してもよい。
【0052】
図36に関連して説明したように、経口導入された内視鏡を用いて腸を検査することが望まれるならば、腸の一部を内視鏡の視野範囲に入れる目的で腸の操作が必要であろう。図37Aは腸内からそのような操作と検査を可能にするためのシステム60を示す。図示のように、システム60は一対の細長い管状部材62a,62bを含み、その各々は、その末端に膨張性バルーン64a,64bを含んでいる。バルーン64a,64bは、腸の内側から膨らんだときに、腸の内壁に係合できる寸法と材料から構成されている。バルーン64a,64bの外面は、腸壁の係合を促進する表面特徴(例えば、織地、リッジ、鉤又は魚鱗形状構造)を含んでいる。
【0053】
膨張ポート66a,66bは、シリンジ68又は他の膨張デバイスを用いてバルーンを膨らませるために設けられている。案内ワイヤ70a,70bも管状部材内のルーメンを通じて延出する。図37Bに示すように、管状部材62a,62bと内視鏡72とは、内視鏡72が管状部材62bのルーメンを通じて延出し、且つ管状部材62bは管状部材62aのルーメンを通じて延出するように構成されている。 システムは、管状部材62a,62b(及び/又は内視鏡72)の位置を互いに関して係止するために一つ以上の要素(図示せず)を含んでもよい。
【0054】
図38乃至図42は図37Aの腸操作デバイスの使用を図解する。先ず、部品は図37Bに示されるように配置されているが、バルーン64a,64bは萎んだ状態にある。組立てられた部品は食道及び胃を通して腸へ導入される。システムが腸内にくると、バルーン64bは図39に示すように膨らむ。しかしながら、管状部材62aが図39に示す位置へ前進する前に、内視鏡72は管状部材から進出して、腸の区画80を検査するために用いられる。
【0055】
次いで、管状部材62aは腸のより末端領域へ更に進められ(図39)、次に図40に示すようにバルーン64aが膨らむ。両方のバルーンが膨らむと、管状部材62aは、図40に矢印により示されるように、基端方向へに引っ込められて、バルーン64aに腸の区画を基端方向へ運ばせるので、腸の既に検査された区画80が圧縮される結果、腸の末端方向に隣接する区画82が内視鏡72の視野範囲に現れる(図41参照)。区画82が検査されると、バルーン64bを萎めて、図42に示すように、管状部材62bを前進させて、バルーン64bをバルーン64aに位置へ移動させる。位置を変えられたバルーン64bは、既に収縮された腸の区画82をその収縮状態に保つので、収縮した区画80を解放することなく、バルーン64aの位置を変えることが可能となる。内視鏡72は新たな位置へ末端方向へ進められて、バルーン64aが萎められて末端方向へ進められて、再び膨らませられて、バルーン64bに向って収縮されるので、腸の他の区画を内視鏡72の視野の中に出現させながら、腸区画82を収縮させる。この方法は、腸の観察が必要なだけ何度も繰り返される。
【0056】
特定の実施形態について上述のように説明したが、これらの実施形態は例示のために示されており、限定するものではないことに留意されたい。当業者には形態及び詳細における様々な変更が本発明の要旨及び目的から逸脱せずなせることが明らかである。このことは特に技術と用語の観点から将来的に開発される関連技術分野にも当てはまる。更に、開示された実施形態の様々な特徴は、他の一つ又は付加的な特徴と組み合わせて、本発明の目的の範疇にある付加的な実施形態を構成することができる。
【0057】
優先権主張の目的のために頼っているものを含めて、上述に参照した任意の及び全ての特許、特許出願、刊行物は参照により本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、外科的アクセスカニューレの一つの実施形態を示す側面図である。
【図2】図2は図1に2−2で示された平面に沿って採った上部断面図である。
【図3】図3は図1のカニューレの手術器具/スコープポートの斜視図である。
【図4】図4はバルブとアンカーを含む図1のカニューレの末端の斜視図である。
【図5A】図5Aは図1のカニューレの末端の側面図である。
【図5B】図5Bは図5Aと同様な図であり、カニューレの末端の取り外し可能なアンカー要素を示す図である。
【図6】図6は図1のカニューレにおける使用に適する代替的なアンカーを示す斜視図である。
【図7】図7はカニューレに取り付けられた図6のするの斜視図である。
【図8A】図8Aは代替的なアンカー設計を示すアクセスカニューレの末端の横断面図である。
【図8B】図8Bは図8Aのアンカーの拡張姿勢の側面図である。
【図9A】図9Aはアンカー設計の別の代替例を示すアクセスカニューレの末端の横断面図である。
【図9B】図9Bはアンカー設計の別の代替例を示すアクセスカニューレの末端の横断面図である。
【図10A】図1OAは更に別のアンカー設計を示すアクセスカニューレの末端の側面図である。
【図10B】図1OBは図1OAに示されている末端の横断面図であり、拡張姿勢にあるアンカーを示す。
【図11A】図11Aは別のアンカー設計を示しているアクセスカニューレの末端の横断面図である。
【図11B】図11Bは拡張姿勢にある図11Aのアンカーの側面図である。
【図12A】図12Aはテーパー状閉塞体先端及び螺合アンカーを有するカニューレの末端の側面図である。
【図12B】図12Bはカニューレシャフトにおける螺合アンカーのみを示す同様な図である。
【図13A】図13Aは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13B】図13Bは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13C】図13Cは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13D】図13Dは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13E】図13Eは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13F】図13Fは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13G】図13Gは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図13H】図13Hは図1のアクセスカニューレの配置方法を例示する連続的な図である。
【図14A】図14Aは図1のカニューレの代替的な配置方法を例示すると共に、その腹腔内で施術するための使用を示す連続的な概略図である。
【図14B】図14Bは図1のカニューレの代替的な配置方法を例示すると共に、その腹腔内で施術するための使用を示す連続的な概略図である。
【図14C】図14Cは図1のカニューレの代替的な配置方法を例示すると共に、その腹腔内で施術するための使用を示す連続的な概略図である。
【図15】図15はアクセスカニューレ及び隔膜が断面図で示されているアクセスシステムの分解側面図である。
【図16】図16は図15のカニューレ及び閉塞体先端を使用のために組み立てた状態で示す部分的な横断面図である。
【図17A】図17Aは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、カニューレを断面で示す図である。
【図17B】図17Bは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、カニューレを断面で示す図である。
【図17C】図17Cは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、ここではカニューレは断面で示されており、胃壁は見えない。
【図17D】図17Dは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、カニューレを断面で示す図である。
【図17E】図17Eは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、ここではカニューレは断面で示されており、胃壁は見えない。
【図17F】図17Fは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、カニューレを断面で示す図である。
【図17G】図17Gは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、ここではカニューレは断面で示されており、胃壁は見えない。
【図17H】図17Hは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、カニューレを断面で示す図である。
【図17I】図17Iは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、ここではカニューレは断面で示されており、胃壁は見えない。
【図17J】図17Jは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、カニューレを断面で示す図である。
【図17K】図17Kは図16のアクセスシステムの使用を示す連続的な側面図であり、ここではカニューレは断面で示されており、胃壁は見えない。
【図18】図18は図17Fと同様な図であって、代替的な膨張拡張器の形態を示す図である。
【図19】図19は図17Fと同様な図であって、代替的な膨張拡張器の形態を示す図である。
【図20A】図2OAは代替的なアクセスシステムの使用を示す連続的な斜視図である。
【図20B】図2OBは代替的なアクセスシステムの使用を示す連続的な斜視図である。
【図21A】図21Aはアクセスシステムの代替的な実施形態を示す断面図である。
【図21B】図21Bは図21Aのシステムの使用を示す図である。
【図22A】図22Aは図21Aのシステムの使用を示す図である。
【図22B】図22Bは図21Aのシステムの使用を示す図である。
【図23】図23は代替的なアクセスシステムの横断面図である。
【図24】図24は更に他のアクセスシステムの斜視図である。
【図25A】図25Aは閉鎖デバイスの第1の実施形態の前方平面図である。
【図25B】図25Bは図25Aの閉鎖デバイスの側面図である。
【図25C】図25Cは図25Aの閉鎖デバイスの斜視図である。
【図25D】図25Dは図25Aの閉鎖デバイスの上面図である。
【図25E】図25Eは図25Aの閉鎖デバイスの側面図であって、閉鎖デバイスを搬送管への挿入準備のためにウィングを折り畳んだ後の状態を示す。
【図25F】図25Fは図25Aの閉鎖デバイスの側面図であって、閉鎖デバイスを搬送管への挿入準備のためにウィングを折り畳んだ後の状態を示す。
【図25G】図25Gは図25Fと同様な図であり、第2の折り畳み段階に続く閉鎖デバイスを示す図である。
【図26】図26は図25Aの閉止デバイスを折り畳み形態で示し、且つこの閉止デバイスを腹部切開に配置するために使用する展開システムの横に配置して示す斜視図である。
【図27】図27は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図28】図28は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図29】図29は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図30】図30は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図31】図31は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図32】図32は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図33】図33は図26のシステムを用いる図25Aの閉鎖デバイスを展開を図解する連続的な斜視図である。
【図34】図34は手術アクセスカニューラの代替的な実施形態であって、カニューラの使用を図解している正面図である。
【図35】図35は手術アクセスカニューラの代替的な実施形態であって、カニューラの使用を図解している側面図である。
【図36】図36は腸部分で手術を実行する図1のカニューラの使用を示す概略図である。
【図37A】図37Aは腸の可視的検査を促進するために用いるシステムの部品を図解する側面図である。
【図37B】図37Bは図37Aのシステムの使用期間中部品の配置を示す図である。
【図38】図38はヒトの患者の腸における図12Aの管腔内検査システムの使用を図解する概略図である。
【図39】図39はヒトの患者の腸における図12Aの管腔内検査システムの使用を図解する概略図である。
【図40】図40はヒトの患者の腸における図12Aの管腔内検査システムの使用を図解する概略図である。
【図41】図41はヒトの患者の腸における図12Aの管腔内検査システムの使用を図解する概略図である。
【図42】図42はヒトの患者の腸における図12Aの管腔内検査システムの使用を図解する概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内の手術を実行する方法であって、
末端を有するアクセスカニューレを自然起源の身体開口部を通じて空洞身体器官に挿入する段階と、
前記アクセスカニューレを通じて延出する切開器具を用いて、空洞身体器官の壁に切開を形成する段階と、
前記アクセスカニューレの末端部分を前記切開内に留置して、前記末端が身体腔の中に、且つ中空身体器官の外にあるようにする段階と、
手術器具を前記アクセスカニューレを通じて身体腔へ挿入し、身体腔内で処置を実行する段階と、
前記アクセスカニューレを中空身体腔及び自然起源の身体開口部から引き出し、閉止デバイスを切開内に残す段階とを含む方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記閉止デバイスは、生体内分解性又は生体分解性の閉止デバイスである方法。
【請求項3】
請求項1の方法において、前記方法は、前記アクセスカニューレの中に閉塞体を配置する段階を更に含み、前記挿入する段階は、前記アクセスカニューレ及び前記閉塞体を自然起源の身体開口部を通じて空洞身体器官へ挿入することを含む方法。
【請求項4】
請求項3の方法において、前記形成する段階が、前記閉塞体を通過した切開器具を用いて前記切開を形成することを含む方法。
【請求項5】
請求項4の方法において、前記形成する段階が前記切開の中で拡張器を拡張させる段階を更に含む方法。
【請求項6】
請求項1の方法において、前記留置する段階が、前記アクセスカニューレの末端部分を前記切開を通じて体腔へ挿通させて、その末端部分で、アンカーを拡張させる段階を含む方法。
【請求項7】
請求項6の方法において、前記拡張させる段階が、留置バルーンを拡張させる段階を含む方法。
【請求項8】
請求項6の方法において、前記拡張させる段階が、留置編組体を拡張させる段階を含む方法。
【請求項9】
請求項6の方法において、前記拡張させる段階が、ディスク要素を含むアンカーを拡張させる段階を含む方法。
【請求項10】
請求項6の方法において、前記残す段階が、前記アンカーを前記カニューレから取り外す段階を含み、そのアンカーは閉止デバイスを含む方法。
【請求項11】
自然起源の身体開口部の手術のためのアクセスシステムであって、
末端開口を有するアクセスカニューレと、
テーパー状末端チップを有し、前記アクセスカニューレの前記末端開口から前記末端チップを延出させるように前記アクセスカニューレ内に配置可能な閉塞体と、
前記アクセスカニューレの前記末端開口をシールするシールとを備えるシステム。
【請求項12】
請求項11のシステムにおいて、前記シールは前記末端開口を被覆する隔壁であるシステム。
【請求項13】
請求項12のシステムにおいて、前記隔壁を通じて前記アクセスカニューレの前記末端開口及びこの末端開口に隣接して位置する身体壁へ進出可能であり、その身体壁に切開を形成する切開要素を更に含むシステム。
【請求項14】
請求項13のシステムにおいて、前記アクセスカニューレの前記末端開口から前記身体壁の切開内へ進出可能であり、その切開を拡張するように膨張可能である拡張器を更に含むシステム。
【請求項15】
請求項12のシステムにおいて、前記隔壁は前記閉塞体へ接続され、前記閉塞体は前記アクセスカニューレ内で前記隔壁を収縮させるように収縮可能であるシステム。
【請求項16】
請求項11のシステムにおいて、前記シールは前記閉塞体の外面及び前記アクセスカニューレの内面に接触するシーリングリングルであるシステム。
【請求項17】
請求項11のシステムにおいて、前記アクセスカニューレの前記末端開口から進出して、この末端開口に隣接して位置する身体壁へ通じる切開要素を更に含むシステム。
【請求項18】
請求項17のシステムにおいて、前記アクセスカニューレの前記末端開口から前記身体壁の切開内へ進出可能であり、その切開を拡張するように膨張可能である拡張器を更に含むシステム。
【請求項19】
請求項11のシステムにおいて、前記アクセスカニューレは口から食道を通じて患者の胃壁へ延出するように寸法付けられているシステム。
【請求項20】
請求項11のシステムにおいて、前記シールは一方向弁であるシステム。
【請求項21】
請求項11のシステムにおいて、前記アクセスカニューレの壁を通じて延伸する少なくとも一つの張引ワイヤを更に含み、この張引ワイヤは前記アクセスカニューレの末端部分へそれを撓めるように接続されているシステム。
【請求項22】
請求項11のシステムにおいて、前記アクセスカニューレは可撓性材料から形成されているシステム。
【請求項23】
請求項11のシステムにおいて、前記アクセスカニューレは多孔性材料から形成されているシステム。
【請求項24】
請求項23のシステムにおいて、前記アクセスカニューレを通じて射出可能な減菌剤の供給源を更に含み、その減菌剤は前記多孔性材料の孔を通過可能であるシステム。
【請求項25】
請求項11のシステムにおいて、前記アクセスカニューレはePTFEから形成されているシステム。
【請求項26】
自然起源の身体開口部の手術のためのアクセスカニューレであって、
ルーメンを持つ基端区画と末端開口を含む末端区画とを有する細長い管状部材を備え、前記末端区画は、前記ルーメンに流体接続された内側カニューレと、この内側カニューレの周りに配置された細長いベローズ区画とを含み、そのベローズ区画は、前記内側カニューレが前記間ッッ単価以降から延出するように圧縮可能であり、且つ前記内側のカニューレを前記細長いベローズへ縮退させるように拡張可能であるアクセスカニューレ。
【請求項27】
請求項26のアクセスカニューレにおいて、前記末端区画上の拡張可能アンカーを更に含み、この拡張可能アンカーは、切開を囲む内部身体壁に接触するように拡張可能であるアクセスカニューレ。
【請求項28】
請求項26のアクセスカニューレにおいて、前記末端開口をシールするシールを更に含み、前記ベローズを圧縮すると前記内側カニューレが該シールを通じて前進するアクセスカニューレ。
【請求項29】
請求項20のアクセスカニューレにおいて、前記内側カニューレが、拡張して身体壁に接触した際に身体壁に充分に刺さる鋭端な尖端を有するアクセスカニューレ。
【請求項30】
請求項29のアクセスカニューレにおいて、末端開口をシールするシールを更に含み、前記ベローズ区画を圧縮すると、前記内側カニューレが該シールを通じて、更に前記末端開口に隣接する身体壁を通じて前進するアクセスカニューレ。
【請求項31】
体腔への自然の人体開口部のアクセスを得る方法であって、
ルーメン及び末端開口を有するアクセスカニューレと、前記ルーメン内に配置可能な閉塞体とを与え、
前記ルーメン内の前記閉塞体により、アクセスカニューレ及び前記閉塞体を自然の人体開口部を通じて中空身体器官へ挿通させ、
前記アクセスカニューレを通じて延在する切開器具を用いて前記中空身体器官の壁に切開を形成し、
前記切開内の前記アクセスカニューレの前記末端部分を留置して、前記末端が体腔内にあり、前記中空身体器官の外側にくるようにする方法。
【請求項32】
請求項31の方法において、前記与える段階は、前記末端開口をシールするシールを与える方法。
【請求項33】
請求項32の方法において、前記与える段階は、前記シールが前記末端開口を覆う隔壁になるように与えると共に、前記切開を形成する段階は、前記隔壁を通じて切開器具を進める方法。
【請求項34】
請求項33の方法において、前記切開器具を前記隔壁を通じて進める段階は、前記隔壁を破る方法。
【請求項35】
請求項31の方法において、前記与える段階は、前記シールを前記アクセスカニューレと前記閉塞体との間に位置する環状シールとして与える方法。
【請求項36】
請求項31の方法において、前記閉塞体を前記末端開口から縮退させる段階を更に含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図17F】
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【図17G】
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【図17H】
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【図17I】
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【図17J】
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【図17K】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図25F】
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【図25G】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2009−509669(P2009−509669A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533631(P2008−533631)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/037978
【国際公開番号】WO2007/038715
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(505448947)シネコー・エルエルシー (15)
【Fターム(参考)】