説明

背負バンドの取付構造

【課題】 背負バンドと背負枠との間に腕や肩を入れるのに適する広い空間が形成され、且つ、破損し難い、背負バンドの取付構造を提供する。
【解決手段】 背負バンド5は、上端部15bが背負枠4に連結されるバンド本体15と、該バンド本体15の作業者側に沿って取り付けられるパッド16と、を備える。バンド本体15の上部15aとパッド16の上部16aは、それぞれ所定の長さ寸法だけ互いに分離している。パッド16の上端部16bは、背負枠4に当接することにより背負バンド5の横倒れを防止し得る形状及び強度とされる。パッド16の上端部16bを背負枠4に当接した状態に保持せしめる手段20,21,22を備える。バンド本体15の上部15aの張力とパッド16の上部16aの剛性とにより、パッド16の上端部16bを支点としてパッド16の上部16aが浮き上がり状態に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背負枠に対する背負バンドの取付構造と、該取付構造を構成する背負バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、背負式散布機や背負式刈払機、背負式送風機等の背負式作業機においては、原動機等を含む駆動部が背負枠に搭載され、該背負枠の上部に、左右一対の背負バンドの上端部がハの字状に連結され、下端部が前記背負枠の下部の左右に連結される。
【0003】
従来、背負枠の上部への背負バンドの取付構造として、背負バンドの上端部を背負枠の上枠部に自由に回動できるように取着するものがある。このものは、非背負状態では、背負バンドが背負枠の前面に沿って自重で垂れ下がってしまう。このため、背負枠と背負バンドとの間に腕を通すのに十分な空間がなく、背負う際に作業者が背中越しに背負バンドを探すことになり、背負いにくいという問題がある。また、背負バンドが垂れ下がっていると、背負式作業機の展示販売時に見栄えが悪い等の問題がある。
【0004】
そこで、背負バンドの垂れ下がりを防止し、背負バンドと背負枠との間に腕や肩を入れるのに適する広い空間を形成するため、種々の提案がなされている。
【0005】
特許文献1には、背負バンドの上側部分を半剛性とすることが記載されている。特許文献2には、背負枠の上端部に弾性変形自在な突出部を作業者の背中側へ突出するように設け、背負バンドの上端部分の留め部を前記突出部に留めることが記載されている。また、特許文献3には、背負枠への背負バンドの取付状態において、背負バンドの上部をアーチ状に浮き上がらせるための弾性部材を付加するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭63−69571号公報
【特許文献2】実開平3−31872号公報
【特許文献3】特開2007−289816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のものは、背負バンドの上部を半剛性としたり、背負バンドの上部を弾性部材によって浮き上がらせようとするものであるため、背負い状態において、作業者肩部に剛性の高いバンド部材が接触して快適性が損なわれたり、繰り返しの使用によって弾性部材自体が破損したり、該弾性部材の弾性が低下し易いという欠点がある。
【0008】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、背負バンドと背負枠との間に腕や肩を入れるのに適する広い空間が形成され、且つ、破損し難く、作業者肩部の快適性が確保可能な背負バンドの取付構造及び背負バンドを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る背負バンドの取付構造は、次の構成とされる。
【0010】
背負バンドは、上端部が背負枠に連結されるバンド本体と、該バンド本体の作業者側に沿って取り付けられるパッドと、を備える。前記バンド本体の上部と前記パッドの上部は、それぞれ所定の長さ寸法だけ互いに分離している。前記パッドの上端部は、前記背負枠に当接することにより前記背負バンドの横倒れを防止し得る形状及び強度とされる。前記パッドの前記上端部を前記背負枠に当接した状態に保持せしめる手段を備える。そして、前記背負枠の非背負状態において、前記バンド本体の前記上部の張力と前記パッドの前記上部の剛性とにより、前記パッドの前記上端部を支点として前記パッドの前記上部が浮き上がり状態に保持される(請求項1)。
【0011】
本発明によれば、前記当接状態保持手段によって前記パッドの前記上端部が前記背負枠に当接した状態に保持される。そして、前記バンド本体の前記上部の張力と前記パッドの前記上部の剛性とによって、前記パッドの前記上端部を支点として前記パッドの前記上部が浮き上がり状態に保持される。しかも、前記背負バンドの横倒れは、前記背負枠に当接した前記パッドの前記上端部の形状及び強度によって防止される。このため、前記背負枠と前記背負バンドとの間に、使用者が腕や肩を入れ易い十分な広さの空間が確保されて、背負枠を背負い易い。
【0012】
また、前記従来の提案のように、部材の剛性や弾性のみで背負バンドを浮き上がらせるものではないので、繰り返しの使用によっても破損し難く、該バンド本体の作業者側に沿って取り付けられるパッドが作業者の肩部に沿い易くなり、作業者肩部の快適性が確保できる。
【0013】
好適な実施の一形態として、前記背負枠に孔が形成され、前記当接状態保持手段が、前記パッドの前記上端部に取り付けられる補助バンドを備え、該補助バンドが前記孔に挿通されて所定の箇所に固定される態様とすることもできる(請求項2)。
【0014】
好適な実施の一形態として、次の態様のものも採用可能である(請求項3)。 背負枠の上部に背負バンド取付用の棒状部が形成される。前記バンド本体の前記上端部が前記棒状部に巻き掛けられて連結金具で留められる。前記補助バンドの先端部に前記補助バンドと交差する方向に延びる巻き付けバンドが取り付けられる。前記孔に挿通された前記補助バンドが前記棒状部に巻き掛けられて、前記巻き付けベルトが前記連結金具を覆い隠すように前記バンド本体に巻き付けて固定される。この実施の形態によれば、前記補助バンドは、前記巻き付けバンドによって前記バンド本体に対して固定される。この固定状態において、前記巻き付けバンドにより前記連結金具が覆い隠されるので、該連結金具に作業者の衣類が引っ掛かる等の心配がない。
【0015】
好適な実施の一形態として、前記バンド本体の前記上端部に前記連結金具が止着され、該連結金具が前記バンド本体を横方向から受け入れるスリットを有するものとすることもできる(請求項4)。この場合、前記スリットに前記バンド本体を挿入するだけで該バンド本体を前記棒状部に連結できるので、該棒状部への前記バンド本体の連結が容易且つ迅速に行える。加えて、前記巻き付けベルトが前記連結金具を覆い隠すように前記バンド本体に巻き付けて固定されることで、前記スリットからの前記バンド本体の予期せぬ脱落が防止できる。
【0016】
一方、本発明に係る背負バンドは、上端部が背負枠に連結されるバンド本体と、該バンド本体の作業者側に沿って取り付けられるパッドと、を備える背負バンドであって、前記バンド本体の上部と前記パッドの上部はそれぞれ所定の長さ寸法だけ互いに分離しており、前記パッドの上端部は、前記背負枠に当接することにより前記背負バンドの横倒れを防止し得る形状及び強度とされ、前記パッドの前記上端部を前記背負枠に当接した状態に保持せしめる手段を備え、前記背負枠の非背負状態において、前記バンド本体の前記上部の張力と前記パッドの前記上部の剛性とにより、前記パッドの前記上端部を支点として前記パッドの前記上部が浮き上がり状態に保持されることを特徴とする(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の一形態に係る背負バンドの取付構造を備えた背負式作業機の左側面図である。
【図2】図1の背負バンドの取付構造の全体斜視図である。
【図3】図1の背負バンドの背負枠への取付方法の説明図である。
【図4】図1の背負バンドの背負枠への取付方法の説明図である。
【図5】図1の背負バンドの背負枠への取付方法の説明図である。
【図6】図1の背負バンドの背負枠への取付方法の説明図である。
【図7】図1の背負バンドの背負枠への取付方法の説明図である。
【図8】図1の背負バンドの背負枠への取付状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。
【0019】
図1には、本発明の適用対象の一例として、背負式作業機1が示されている。該背負式作業機1は、作業機の動力源となる原動機2等を含む機体3と、該機体3を防振部材または防振構造を介して支持する背負枠4と、該背負枠4に取り付けられる左右一対の背負バンド5,5と、を備える。前記機体3の具体的な態様は、作業機の種類、例えば、噴霧機、散粉機、刈払機、送風機等によって異なるが、図1にはその一例として、背負式動力噴霧機を示している。したがって、図1の例では、前記機体3として、小形空冷2サイクルガソリンエンジン等の前記原動機2のほか、該原動機2で駆動される噴霧用ポンプ6や液体タンク7等を含んでいる。該液体タンク7内の薬液等は、前記噴霧用ポンプ6で圧送され、図示しない噴霧竿の先端に設けた噴霧ノズルから噴霧される。
【0020】
前記背負枠4は、水平部8と起立部9とからなる。前記水平部8は、水平方向に板状又は枠状に延びており、前記背負枠4を地面に置く際の接地部となるとともに前記機体3を支持する。前記起立部9は、前記水平部8の前端縁から板状又は枠状に上方へ立ち上がっている。前記起立部9の前面(背負枠4を背負った作業者の背中側の面)には、クッション性を有する背当板10が取り付けられる。前記背負枠4は、プラスチックや金属パイプ等、前記機体3を支持するのに必要な強度と軽量性とを有する適宜の材料で形成される。
【0021】
図2に示すように、前記起立部9の上部には、前記左右一対の背負バンド5,5の上側取付部となる左右一対の棒状部11,11がある。該左右一対の棒状部11,11は前後方向から見てハの字状に位置し、各棒状部11,11の下方には孔12,12が開いている。これらの孔12,12は、前記各棒状部11,11を画成して移動時に把手として使用するとともに、前記背負枠4の軽量化にも貢献する。前記左右一対の棒状部11,11は、前記起立部9の左右幅方向の中央位置で、上端部同士が互いに連結されている。
【0022】
前記左右一対の背負バンド5,5は、それぞれの上端部が前記左右一対の棒状部11,11のそれぞれに連結され、それぞれの下端部が、前記起立部9の下部の左右両端に配設された下側取付部13,13に連結される。本発明において、該各下側取付部13,13への取付態様は任意であるが、例えば、前記左右一対の背負バンド5,5の各下端部にS字フック14,14を取り付け、該各S字フック14,14を前記各下側取付部13,13に引っ掛ける等して連結することができる。
【0023】
前記左右一対の背負バンド5,5は、作業者の両肩に適合するようにそれぞれが互いに左右対称な形状とされているが、少なくとも上端部と下端部の構成に実質的な差異はないので、以下、左右の区別なく同じものとして説明する。
【0024】
図1及び図2に示すように、前記背負バンド5は、バンド本体15と、該バンド本体15の作業者側に沿って取り付けられるパッド16と、を備える。該パッド16は、厚さ30mm程度のスポンジ体を布で覆ったものとされ、適度のクッション性を有する。これにより、前記バンド本体15にかかる前記背負枠4と前記機体3の合計荷重を分散させて、局所的に過度な負担がかかることを回避している。尚、前記背負枠4にかかる荷重は前記バンド本体15のみで支えられ、前記パッド16は荷重を支えることには関与しない。前記バンド本体15の上部15aと前記パッド16の上部16aはそれぞれ所定の長さ寸法だけ互いに分離している。これは、後で述べるように、前記バンド本体15の前記上部15aの張力と前記パッド16の前記上部16aの剛性とによって、前記パッド16の前記上部16aを浮き上がり状態に保持させ、作業者の肩部形状に沿わせるためである。
【0025】
図3に示すように、前記バンド本体15の上端部15bは前記背負枠4に連結される。具体的には、前記バンド本体15の前記上端部15bが前記棒状部11に巻き掛けられて連結金具17で留められる。該連結金具17は、前記バンド本体15の前記上端部15bに止着されており、前記バンド本体15を横方向から受け入れるスリット18を有する。
【0026】
前記連結金具の好ましい例として、全体形状が角張ったS字状の金具17を示す。このS字状金具17は、三本の平行なバー19,19,19を備え、隣接するバー19,19同士の間に、開口部が互いに逆向きの前記スリット18,18を上下に二段備える。図4及び図5に示すように、該各スリット18,18は、前記バンド本体15を横方向から受け入れる。前記S字状金具17の一端側のバー19に前記バンド本体15の前記上端部15bが止着される。
【0027】
図3に示すように、前記S字状金具17は、前記背負枠4の前側から後側へと前記孔12内を挿通され、前記棒状部11の上側から前記背負枠4の前方へと引き回される。その後、図4及び図5に示すように、前記バンド本体15の上部15aを前記二段のスリット18,18に横方向から交互に差し入れると、前記バンド本体15の前記棒状部11への連結が完了する(図6参照)。
【0028】
図3に示すように、前記パッド16の上端部16bには、該上端部16bを前記背負枠4に当接した状態に保持せしめる手段として、補助バンド20が取り付けられている。該補助バンド20は、前記孔12に挿通可能な左右幅を有する。前記補助バンド20は、前記背負枠4の前側から後側へと前記孔12に挿通され、所定の箇所に固定される。これにより、前記パッド16の前記上端部16bが前記背負枠4に当接した状態に維持される。
【0029】
なお、前記当接状態保持手段は、前記パッド16の前記上端部16bが所定の位置から下がらないように、前記背負枠4の前記起立部9に対して前記パッド16の前記上端部16bを当接状態に保持させることができるものであればよい。したがって、前記パッド16の前記上端部16bに係合部を形成し、前記起立部9に係合受部を形成し、それらを互いに係合させる態様としても良い。
【0030】
前記パッド16の前記上端部16bは、前記背負枠4(前記起立部9)に当接することにより前記背負バンド5の横倒れを防止し得る形状及び強度とされる。具体的には、図2及び図3に示すように、前記パッド16の前記上端部16bは、前記孔12に入り込んでしまわないように、前記パッド16の長さ方向に対して略直角方向に、該孔12よりも大きい左右幅を備え、所定の剛性を有する。前記補助バンド20は、前記パッド16の前記上端部16bの左右幅の略中央位置に止着されている。
【0031】
図1に示すように、前記パッド16の少なくとも前記上部16a、すなわち、少なくとも前記バンド本体15との分離点Pから先の部分は、前記パッド16の前記上端部16bと前記背負枠4の前記起立部9との接触部Cを支点として、前記バンド本体15の前記上部15aの張力と前記パッド16の前記上部16aの剛性とにより、浮き上がり状態に保持される。したがって、前記パッド16の少なくとも前記上部16aには、前記浮き上がりを可能にするだけの剛性が必要とされるが、前記パッド16の前記上部16aが容易に折れ曲がってしまわない程度であれば足りる。 図3に示すように、前記補助バンド20の先端部には、該補助バンド20と交差する方向に延びる巻き付けバンド21が取り付けられている。該巻き付けバンド21は、前記補助バンド20を前記所定の箇所に固定することにより、前記パッド16の前記上端部16bを前記背負枠4に当接した状態に保持させるためのものである。前記巻き付けバンド21には、巻き付け後にその巻き付け状態を維持するための留め具22が設けられている。該留め具22としては、ボタン式のものや面留め具等、適宜の形式のものを採用することができる。
【0032】
本実施の形態では、前記補助バンド20は、留め具付の前記巻き付けバンド21によって前記バンド本体15に対して固定される。具体的には、図3に示すように、前記補助バンド20は、前記背負枠4の前側から後側へと前記孔12に挿通された後、図7に示すように、前記棒状部11の上側に巻き掛けられる。そして、前記巻き付けバンド21を、前記バンド本体15と結合した図6の状態の前記S字状金具17の回りに巻き付けて、前記留め具22で固定する(図8参照)。
【0033】
本実施の形態に係る背負バンドの取付構造によれば、図1に示すように、前記補助バンド20と前記巻き付けバンド21とによって、前記パッド16の前記上端部16bが前記背負枠4に当接した状態に保持される。そして、前記バンド本体15の前記上部15aの張力と前記パッド16の前記上部16aの剛性とによって、前記パッド16の前記上部16aが浮き上がり状態に保持される。しかも、前記背負バンド5の横倒れは、前記背負枠4に当接した前記パッド16の前記上端部16bの形状及び強度によって防止される。このため、前記背負枠4と前記背負バンド5との間に、使用者が腕や肩を入れ易い十分な広さの空間Sが確保される。よって、背負枠4を背負い易い。また、前記背負バンド5が前記背負枠4に対して前方へ向けて立ち上がった状態に保持されるので、展示販売時等の意匠性も良い。しかも、前記従来の提案のように、部材の剛性や弾性のみで背負バンド5を立ち上がらせるものではなく、前記バンド本体15の張力も利用するものであるので、繰り返しの使用によっても破損し難く、また、背負い状態における作業者肩部の快適性が確保できる。
【0034】
本実施の形態によれば、次の効果も奏される。
【0035】
前記バンド本体15も前記補助バンド20も、前記棒状部11に対して前記背負枠4の左右方向へ移動可能に連結されるので、浮き上がり状態の前記背負バンド5の左右位置を、孔12の左右幅内において微調整することができる。よって、より一層背負い易くできる。
【0036】
前記背負バンド5の構成がシンプルであり、且つ、前記背負枠4に対して工具を必要とせず簡単に取り付けができるので、製造工程が簡略化でき、製造コスト低減にも貢献できる。また、前記背負枠4自体は従来のものと変わりはないので、このことも製造コスト低減に資する。
【0037】
前記背負バンド5の着脱も容易に行えるので、作業者が背負バンドの交換を行う場合にも便利である。
【0038】
前記S字状金具17の前記各スリット18,18に前記バンド本体15を横から挿入するだけで該バンド本体15を前記棒状部11に連結できるので、該棒状部11への前記バンド本体15の連結が容易且つ迅速に行える。
【0039】
前記巻き付けバンド21により前記S字状金具17が覆い隠されるので、作業者の衣類が該S字状金具17に引っ掛かる等の心配がない。また、前記巻き付けベルト21が前記S字状金具17を覆い隠すように前記バンド本体15に巻き付けて固定されることで、前記S字状金具17の前記スリット18からの前記バンド本体15の予期せぬ脱落が防止できる。
【符号の説明】
【0040】
4 背負枠
5 背負バンド
11 棒状部
12 孔
15a バンド本体の上部
15b バンド本体の上端部
16 パッド
16a パッドの上部
16b パッドの上端部
17 連結金具(S字状金具)
20 補助バンド(当接状態保持手段)
21 巻き付けバンド(当接状態保持手段)
22 留め具(当接状態保持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背負枠(4)に対する背負バンド(5)の取付構造であって、
前記背負バンド(5)は、上端部(15b)が前記背負枠(4)に連結されるバンド本体(15)と、該バンド本体(15)の作業者側に沿って取り付けられるパッド(16)と、を備え、
前記バンド本体(15)の上部(15a)と前記パッド(16)の上部(16a)はそれぞれ所定の長さ寸法だけ互いに分離しており、
前記パッド(16)の上端部(16b)は、前記背負枠(4)に当接することにより前記背負バンド(5)の横倒れを防止し得る形状及び強度とされ、
前記パッド(16)の前記上端部(16b)を前記背負枠(4)に当接した状態に保持せしめる手段(20,21,22)を備え、
前記背負枠(4)の非背負状態において、前記バンド本体(15)の前記上部(15a)の張力と前記パッド(16)の前記上部(16a)の剛性とにより、前記パッド(16)の前記上端部(16b)を支点として前記パッド(16)の前記上部(16a)が浮き上がり状態に保持されることを特徴とする、背負バンドの取付構造。
【請求項2】
前記背負枠(4)に孔(12)が形成され、前記当接状態保持手段が、前記パッド(16)の前記上端部(16b)に取り付けられる補助バンド(20)を備え、該補助バンド(20)が前記孔(12)に挿通されて所定の箇所に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の背負バンドの取付構造。
【請求項3】
前記背負枠(4)の上部に背負バンド取付用の棒状部(11)が形成され、前記バンド本体(15)の前記上端部(15b)が前記棒状部(11)に巻き掛けられて連結金具(17)で留められ、前記補助バンド(20)の先端部に前記補助バンド(20)と交差する方向に延びる巻き付けバンド(21)が取り付けられ、前記孔(12)に挿通された前記補助バンド(20)が前記棒状部(12)に巻き掛けられて、前記巻き付けバンド(21)が前記連結金具(17)を覆い隠すように前記バンド本体(15)に巻き付けて固定されることを特徴とする、請求項2に記載の背負バンドの取付構造。
【請求項4】
前記バンド本体(15)の前記上端部(15b)に前記連結金具(17)が止着され、該連結金具(17)が前記バンド本体(15)を横方向から受け入れるスリット(18)を有するものである、請求項3に記載の背負バンドの取付構造。
【請求項5】
上端部(15b)が背負枠(4)に連結されるバンド本体(15)と、該バンド本体(15)の作業者側に沿って取り付けられるパッド(16)と、を備える背負バンドであって、
前記バンド本体(15)の上部(15a)と前記パッド(16)の上部(16a)はそれぞれ所定の長さ寸法だけ互いに分離しており、
前記パッド(16)の上端部(16b)は、前記背負枠(4)に当接することにより前記背負バンド(5)の横倒れを防止し得る形状及び強度とされ、
前記パッド(16)の前記上端部(16b)を前記背負枠(4)に当接した状態に保持せしめる手段(20,21,22)を備え、
前記背負枠(4)の非背負状態において、前記バンド本体(15)の前記上部(15a)の張力と前記パッド(16)の前記上部(16a)の剛性とにより、前記パッド(16)の前記上端部(16b)を支点として前記パッド(16)の前記上部(16a)が浮き上がり状態に保持されることを特徴とする、背負バンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−516(P2013−516A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137516(P2011−137516)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(509264132)株式会社やまびこ (65)
【Fターム(参考)】