説明

背骨の周りに残されたつながった部分(bridge)を腹部および背部刃によって切断することによって、開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚の背骨から魚の切り身を分離するためのデバイスおよびそのようなデバイスを備える魚おろし機

本発明は、開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚の背骨(11)から魚の切り身を分離し、腹部および背部ナイフによって背骨(11)の周りに残された肋を切断し、魚が送りサドル(15)上で搬送される装置(10)であって、上側骨ガイド(12)と、下側骨ガイド(13)と、背骨(11)から切り身を切り離すために、対応するカウンタ支持体(17)が関連付けられた分離手段(16)を備える分離ユニット(14)であって、待機位置から出て作業位置に入るように、およびそれと逆行するように移動可能である分離ユニット(14)とを備え、さらに、カウンタ支持体(17)が分離ユニット(14)上に配置されるという点で区別される、装置(10)に関する。さらに、本発明は、そのような装置(10)を備えた魚おろし機に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚の背骨から魚の切り身を分離し、腹部および背部ナイフによって背骨の周りに残された肋を切断し、魚が送りサドル上で搬送される装置であって、上側骨ガイドと、下側骨ガイドと、背骨から切り身を切り離すために、対応するカウンタ支持体が関連付けられた分離手段を備える分離ユニットであって、待機位置から出て作業位置に入るように、およびそれと逆行するように移動可能である分離ユニットとを備える装置に関する。さらに、本発明は、開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚をおろすための魚おろし機であって、背スポークを背骨まで暴露するための背部ナイフと、尾部領域内の腹スポークを背骨まで暴露するための腹部ナイフと、横腹骨を切り出すための装置と、背骨から切り身を分離し、腹部および背部ナイフによって背骨周りに残された肋を切断するための装置と、魚尾を先頭に搬送するためのエンドレス・コンベヤと、魚をその腹腔内で確実に受け入れるための、コンベヤ上に配置された複数の魚サドルとを備える魚おろし機に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は、魚、特にサケ種を自動的におろすために魚加工産業で使用されている。魚は、通常、送りサドルを用いて個々の加工ステーション、とりわけ背骨から魚の切り身を分離するための装置に搬送される。必要な作業ステップは、腹部切断および背部切断によって背骨からすでに部分的に切り離された切り身を完全に分離することである。腹部切断および背部切断を行った後、肋が背骨の周りに残る。分離工具とも称される、背骨から切り身を分離するための装置を用いて、肋を、尾部領域、すなわち尾ひれから腹腔の始まりまで分離することができ、それによって切り身が背骨から完全に切り離され、たとえばコンベヤ・ベルトまたは装置の下方に配置された同様のもの上に落下する。上側および下側骨ガイドは、魚を送りサドル上で最適な加工位置に保ちこれを誘導するように働く。分離ユニットは、通常、加工される魚の両側に配置され、それによって切り身が、並行してまたは時間遅延を有して背骨から分離され得る。
【0003】
DE19881497C1からは、背骨から切り身を分離するための装置が、必要な骨ガイド以外に、2つの平行な離間された円形ナイフを有する分離ユニットを有する魚おろし機が知られている。円形ナイフは、下側骨ガイド上方の上側位置から出て下側位置に入る、および下側位置から出て上側位置に入るように移動可能であり、円形ナイフは、さらに、互いに対して軸方向に変位可能である。軸方向の降伏運動が、ばね要素に対抗して起こる。円形ナイフに対する切断カウンタ支持体が、円形ナイフから独立して下側骨ガイドの領域内に配置される。これらの部分に対する切断カウンタ支持体は、枢着部の周りで枢動可能である。この加工位置では、円形ナイフはそれぞれ、内側と外側の切断カウンタ支持体の間に配置される。下側の加工位置から出て上側の待機(または降伏)位置に移動するために、円形ナイフは持ち上げられ、一方で切断カウンタ支持体は、下側位置に留まる。降伏運動のために、切断カウンタ支持体は、それ自体の枢着部に回転可能に取り付けられる。言い換えれば、円形ナイフは、切断カウンタ支持体から独立して移動可能である。その結果、特に加工中、円形ナイフは切断カウンタ支持体に達し、そのため、円形ナイフ、切断カウンタ支持体、およびひれガイド板は、摩耗にさらされる。また、知られている分離ユニットの制御は、特に数多くの要素が制御されるために費用がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE19881497C1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、魚の切り身が、それによって安全に確実に背骨から分離され得る、取り扱いが簡単で摩耗の少ない装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、カウンタ支持体が分離ユニット上に配置されるという事実によって上記で述べられた特徴を有する装置によって達成される。カウンタ支持体を分離ユニットに結合することにより、円形ナイフがカウンタ支持体まで達することが効果的に防止され、それによって摩耗が存在しない。別の言い方をすれば、カウンタ支持体は、それと共に円形ナイフを移動させ、それによって円形ナイフとカウンタ支持体の間の相対運動が回避される。さらに、カウンタ支持体を円形ナイフに結合することによって、制御コストが低減される。
【0007】
本発明の適切な開発は、分離ユニットの2つの部分ユニットが、加工される魚の両側に互いに対向して配置され、それぞれは枢軸の周りで枢動可能に取り付けられるという点で区別される。この設計により、容易な制御および操作に関する効果が、支援される。
【0008】
好ましくは、2つの部分ユニットには、それぞれの枢軸の周りの枢動運動を行うための少なくとも1つの調整要素が与えられる。この設計は、たとえば魚のさまざまな形状を考慮するために、特に分離切断中に、円形ナイフの位置が変更可能であるということを驚くほど簡単な方法で確実にする。
【0009】
好ましい開発は、2つの部分ユニットの少なくとも1つには補正要素が与えられ、それによって2つの部分ユニット間の距離が、調整要素から独立して変更可能になることを特徴とする。その結果、上記で説明したように、加工される魚に関連して円形ナイフを個々に配置させる効果が、強化され得る。
【0010】
有利には、円形ナイフは、一方では個々の枢軸の周りで枢動可能であり、他方では軸方向に静止している。円形ナイフを軸方向に動かすのを止めることにより、一方では装置の機械的消耗が低減され、他方では分離ユニットの制御がより容易になる。さらに、結果として達成された円形ナイフとカウンタ支持体の間の一定の距離により、改良された切断誘導が確実にされる。
【0011】
好ましい開発は、ナイフ・カバーが、円形ナイフごとに分離ユニット上に配置されることを特徴とする。この手段により、制御コストはさらに低減される。さらに、ナイフ・カバーを分離ユニットに結合することにより、円形ナイフがナイフ・カバーまで達することが防止されて、摩耗が回避される。
【0012】
有利には、ナイフ・カバーは円形ナイフと共に、その部分ユニットのそれぞれの枢軸の周りで枢動可能に取り付けられる。円形ナイフ、カウンタ支持体、およびナイフ・カバーの枢軸を組み合わせることにより、制御コストがさらに低減される。
【0013】
本発明の適切な開発は、魚の進行の方向における分離ユニットの前方には、入来する魚を検出するための検出手段が配置されることを特徴とする。その結果、分離切断に必要な円形ナイフ間の距離は、魚が、その尾ひれを円形ナイフの間に入れて固定して位置するときのみに調整されねばならない。
【0014】
本目的はまた、背骨から魚の切り身を分離し、腹部および背部ナイフによって背骨の周りに残された肋を切断するための装置が、請求項1から22のいずれかによって設計されるという事実によって上記で述べられた種類の魚おろし機によって達成される。その得られる利点は、そのデバイスに関連してすでに説明されてきており、そのため、反復を回避するために、対応する章句を参照する。
【0015】
さらなる適切および/または有利な特徴は、付随する特許請求の範囲および説明から明白になる。特に好ましい実施形態は、添付の図を活用してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】魚の進行の方向における本発明による装置を示す図である。
【図2】図1による装置の側面図である。
【図3】加工前の魚を貫通する断面図である。
【図4】加工位置にある分離ユニットを伴った図3による魚の断面図である。
【図5】魚の切り身を分離するための切断ガイドの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図に示す装置は、開口した腹腔を有するサケ種の無頭の食肉処理された魚の背骨から魚の切り身を完全に分離するように働く。当然ながら、装置は、他の種類の魚の切り身を分離するためにも使用され得る。装置は、魚の進行の方向に尾部を先頭に搬送される魚の例によって説明されているが、頭部を先頭にして魚を搬送し加工することもできる。
【0018】
図1では、開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚の背骨11から魚の切り身を分離するための装置10が示されている。装置10は、上側骨ガイド12と、下側骨ガイド13と、背骨11から切り身を切り離すための分離ユニット14とを含む。骨ガイド12、13を用いて、通常は送りサドル15上で分離ユニット14の領域内に搬送される加工される魚は、分離ユニット14に関連して規定された位置に魚が位置するように規定された位置に保たれる。下側骨ガイド13は、通常、静止し、固定されている。上側骨ガイド12は、一方では固定される。しかし、他方では、上側骨ガイド12はまた、たとえば背骨11の直径に応じて上方向に降伏することができるように移動可能でもある。
【0019】
分離ユニット14は、魚との係合が防止される上側の待機位置から出て、分離ユニット14が背骨11から切り身を切り離す下側の加工位置に入るように、およびその下側の加工位置から出てその上側の待機位置に入るように移動可能である。分離ユニット14は、実際の切り離し作動がそれによって行われる分離手段16を備える。この目的のために、分離手段16には、対応するカウンタ支持体17が与えられる。好ましくは、分離ユニット14は、分離手段16aおよび16bをそれぞれが有する2つの部分ユニット18、19を備える。各分離手段16a、16bには、さらに、対応するカウンタ支持体17aおよび17bが与えられる。特に、円形ナイフ20、21が、分離手段16a、16bとして設けられる。円形ナイフ20、21と同様に、カウンタ支持体17a、17bもまた、分離ユニット14上に配置され、待機位置から出て加工位置に入るように、および加工位置から出て待機位置に入るように移動可能である。
【0020】
2つの部分ユニット18、19は、加工される魚に関連して両側に位置する。直径方向に対向する部分ユニット18、19は、それぞれ枢軸Iの周りで枢動可能に取り付けられる。枢軸Iは、骨ガイド12、13に対してほぼ平行に通っている。別の言い方をすれば、枢軸Iは、魚の進行方向Fに向いており、それによって部分ユニット18、19は、言ってみれば互いに向かって、および互いから離れるように枢動することができる。枢軸Iの周りで枢動運動を行うために、図示する実用的な例における2つの部分ユニット18、19には、1つの調整要素22が与えられる。調整要素22は、空気圧シリンダまたは同様のものとして設計され得る。2つの部分ユニット18、19は、共通の調整要素22を有しているため、2つの部分ユニット18、19は、同期化デバイス36によって動作可能に連結され、それによって1つの部分ユニット18上に作用する調整運動を、他方の部分ユニット19に伝えることができる。当然ながら、各部分ユニット18、19にもまた、別個の調整要素22を与えることもでき、それによってこの場合、デバイス36を省くことができる。
【0021】
上述したように、好ましくは、1つの部分ユニット18のみに調整要素22が与えられる。調整要素22は、負荷から自由になるように部分ユニット18に動作可能に連結される。詳細には、部分ユニット18は、調整要素22上に、言ってみれば緩く載設されており、それによって部分ユニット18を調整要素22から持ち上げることができる。部分ユニットの少なくとも1つ、しかし好ましくは両方の部分ユニット18、19には、補正要素23、24が与えられる。補正要素23、24は、たとえば圧力シリンダやばねなどとして設計することができ、一方では部分ユニット18、19に、他方では静止フレーム25に取り付けられており、この静止フレーム25上には、部分ユニット18、19も枢動可能に取り付けられている。補正要素23、24の力に対抗する補正運動を、調整要素22から独立して行うことができ、それによって2つの部分ユニット18、19間または円形ナイフ20、21間の距離が変更可能になる。特に、円形ナイフ20、21の代替の位置は、調整要素22および/または補正要素23、24を用いて達成され得る。
【0022】
すでに述べたように、円形ナイフ20、21は、調整要素22を用いておよび/または補正要素23、24を用いて、部分ユニット18、19と共に枢軸Iの周りで枢動可能である。他方では、軸方向に、したがって回転IIIの軸の方向に、円形ナイフ20、21は静止している。別の言い方をすれば、円形ナイフ20、21は、軸方向に変位不能である。枢軸Iの周りの部分ユニット18、19の枢動運動中、円形ナイフ20または21および部分ユニット18または19の対応するカウンタ支持体17aまたは17bは、互いに対して固定される。これは、円形ナイフ20、21とカウンタ支持体17a、17bの間に相対運動が起こらないことを意味している。しかし、互いに向かう、および互いから離れる部分ユニット18、19の枢動運動は、部分ユニット18、19間、より精密には円形ナイフ20、21間に最小距離を維持するためにストッパ要素26によって限定される。たとえば調整ねじでよいストッパ要素26が、2つの部分ユニット18の一方に与えられ、他方の部分ユニット19の突出部27に動作可能に連結される。
【0023】
円形ナイフ20、21間の空隙を調整し、加工される魚の形状を考慮して円形ナイフを配置するための枢軸Iの周りの説明した枢動運動に加えて、両方の部分ユニット18、19は、上側の待機位置から出て下側の加工位置に入るように、および下側の加工位置から出て上側の待機位置に入るように枢軸IIの周りでさらに枢動可能である。枢軸IIは、骨ガイド12、13に対して直角に通っている。別の言い方をすれば、枢軸IIは、回転IIIの軸の方向に通っている。好ましくは、枢軸IIおよび回転IIIの軸は、互いに平行でずれており、枢軸IIは、回転IIIの軸の上方に配置される。
【0024】
各円形ナイフ20、21には、ナイフ・カバー28、29が与えられ、このナイフ・カバー28、29は、分離ユニット14上に配置されている。これは、ナイフ・カバー28、29が、分離ユニット14の枢動運動に追随することを意味する。より精密には、ナイフ・カバー28、29は円形ナイフ20、21と共に、対応する部分ユニット18、19の枢軸Iの周りで枢動可能に取り付けられる。さらに、ナイフ・カバー28、29は、円形ナイフ20、21の回転IIIの軸の周りで回転可能または枢動可能である。回転IIIの軸の周りの枢動運動を引き起こすために、ナイフ・カバー28、29は、上側骨ガイド12に動作可能に連結される。上側骨ガイド12は、ボルト31、ガイドピン、または同様のものが中で誘導されるフォーク状のガイド要素30を有する。ガイド要素30は、上側骨ガイド12に堅固に連結される。ボルト31は、一方が開放しているほぼ水平の細溝32内で移動可能であり、ナイフ・カバー28、29に堅固に連結される。上側骨ガイド12が降伏運動を行うとすぐに、ナイフ・カバー28、29はこの運動に追随し、この場合、骨ガイド12の上下運動は、回転IIIの軸の周りのナイフ・カバー28、29の枢動運動に変換される。これは、ナイフ・カバー28、29が、円形ナイフ20、21に対して移動可能、すなわち枢動可能であることを意味する。
【0025】
魚が装置10の領域に入るときを検出するために、魚の進行方向Fにおける分離ユニット14の前方には、検出手段33が配置される。検出手段33は、たとえば光バリアでよい。送信機および受信機または一方側に配置された要素を有する他の手段もまた使用することができる。別の実施形態では、カウンタ支持体17a、17bにガイド要素34、35を与えることができる。ガイド要素34、35を用いて、すべて切り離された切り身を装置10から搬送手段または下方に配置された同様のもの(図示せず)上に誘導することができる。
【0026】
上記で説明した装置10は、単一の装置として、改造用部品キットとして、または魚おろし機の一部として使用されてよい。
【0027】
以下に、本方法の原理を、図を活用してより詳細に説明する。送りサドル15上に配置され、腹部切断および背部切断にすでにかけられた魚は、装置10の方向における魚の進行方向Fにひれを先頭にして搬送される。円形ナイフ20、21の間に確実に尾ひれを配置する/通すために、円形ナイフ20、21は、分かれるように移動される。別の言い方をすれば、円形ナイフ20、21は、尾ひれが円形ナイフ20、21間に入るように、枢軸Iの周りで分かれるように枢動される。魚が入ったことは、検出要素33を用いて検出される。尾ひれが円形ナイフ20、21間に配置されたときだけ、円形ナイフ20、21は、実際の切断距離に合わせて枢動される。切断位置では、円形ナイフ20、21は、好ましくは平行に設置され、規定された距離を離される。
【0028】
切断中、円形ナイフ20、21間の距離を、たとえば調整要素22によって、部分ユニット18、19を枢軸Iの周りで枢動させることによって変更することができる。代替的にまたは追加的に、円形ナイフ20、21を、たとえば円形ナイフ20、21間の設定距離より太い骨によって、補正要素23、24の力/抵抗に対抗して強制分離することができる。円形ナイフ20、21から下側骨ガイド13までの距離は、部分ユニット18、19を枢軸IIの周りで枢動させることによって変更され得る。下側骨ガイド13の上方に位置する枢軸IIは、部分ユニット18、19の枢動運動が送りサドル15の運動と共に行われ、それによって部分ユニット18、19が送りサドル15の上方に持ち上げられように設定される。
【0029】
ナイフ・カバー28、29は、背骨11の上方に配置された骨およびひれが、円形ナイフ20、21によって拾い上げられることを防止する。ナイフ・カバー28、29は、上側骨ガイド12によって制御される。別の言い方をすれば、上側骨ガイド12はナイフ・カバー28、29を同伴し、したがってこのナイフ・カバー28、29は、入来する魚のサイズに応じて高さが制御される。このプロセスでは、ナイフ・カバー28、29は、回転IIIの軸の周りで枢動する。円形ナイフ20、21は、補正要素23、24の保持力によって背骨11に押し付けられ、それによって円形ナイフ20、21は、両側に寄って位置しながら、背骨11に沿って切断する。送りサドル15が円形ナイフ20、21に到達する前に、円形ナイフ20、21は、送りサドル15上に持ち上げられ誘導されねばならない。魚のサイズおよび対応する制御要素を事前に決定することにより、送りサドル15上方の円形ナイフ20、21の高さを、魚のサイズに応じて制御することができる。
【0030】
背部ナイフまたは横腹カッタによって魚の進行方向の上流側において分離されなかった肋は、ここで、可能であれば対応する円形ナイフ20、21と連結して、カウンタ支持体17a、17bによって背骨11から分離される。したがって、切り身は、背骨11を含む骨構造から完全に分離され、両側に落下する。ガイド要素34、35により、切り身は、障害なく、装置10の真下に配置されたコンベヤ・ベルト上の正しい位置に誘導される。
【0031】
背骨11から切り離された切り身が肋骨を含む場合には、2つの円形ナイフ20、21は、その目的のためだけに、送りサドル15が円形ナイフ20、21に沿ってその間を運ばれ得るような距離まで分かれるように移動される。しかし、高さにおいては、円形ナイフ20、21は変更されないままである。
【0032】
説明した方法によって得られた円形ナイフ20、21の進む方向は、図5を参照して確認され得る。破線Lは、魚を貫通する円形ナイフ20、21の経路となる。背骨11周りの斜線部分Sは、円形ナイフ20、21が切り身を切断する部分を示している。
【符号の説明】
【0033】
11 背骨; 12 上側骨ガイド; 13 下側骨ガイド;
14 分離ユニット; 15 送りサドル15; 16 分離手段16;
17 カウンタ支持体; 18,19 部分ユニット;
20,21 円形ナイフ; 22 調節要素; 23,24 補正要素。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚の背骨(11)から魚の切り身を分離し、腹部および背部ナイフによって前記背骨(11)の周りに残された肋を切断し、前記魚が送りサドル(15)上で搬送される装置(10)であって、上側骨ガイド(12)と、下側骨ガイド(13)と、前記背骨(11)から前記切り身を切り離すために、対応するカウンタ支持体(17)が関連付けられた分離手段(16)を備える分離ユニット(14)であって、待機位置から出て作業位置に入るように、およびそれと逆行するように移動可能である分離ユニット(14)とを備え、さらに、前記カウンタ支持体(17)が、前記分離ユニット(14)上に配置されることを特徴とする、装置(10)。
【請求項2】
前記分離ユニット(14)が、各々が円形ナイフ(20、21)と、対応するカウンタ支持体(17a、17b)とを有する2つの部分ユニット(18、19)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つの部分ユニット(18、19)が、加工される前記魚の両側に互いに対向して配置され、それぞれが枢軸Iの周りで枢動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記枢軸Iが、前記骨ガイド(12、13)にほぼ平行に通っていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの部分ユニット(18、19)には、前記それぞれの枢軸Iの周りで前記枢動運動を行うための少なくとも1つの調整要素(22)が与えられることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記調整要素(22)が、空気圧シリンダであることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記2つの部分ユニット(18、19)が、1つの調整要素(22)によって枢動可能になるように同期化デバイス(36)によって互いに動作可能に連結されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記調整要素(22)が与えられた前記部分ユニット(18)が、締め付けることなく前記調整要素(22)に動作可能に連結されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記2つの部分ユニット(18、19)の少なくとも1つには、補正要素(23、24)が与えられ、それによって前記2つの部分ユニット(23、24)間の距離が、前記調整要素(22)から独立して変更可能であることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記2つの部分ユニット(18、19)には、補正要素(23、24)が与えられ、前記補正要素(23、24)が、圧力シリンダとして設計されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記円形ナイフ(20、21)が、一方では前記それぞれの枢軸Iの周りで枢動可能であり、他方では回転IIIの軸の軸方向に静止していることを特徴とする、請求項2から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
部分ユニット(18、19)の前記カウンタ支持体(17a、17b)および前記円形ナイフ(20、21)が、前記枢軸Iの周りの前記枢動運動中、互いに対して固定されることを特徴とする、請求項2から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記2つの部分ユニット(18、19)の少なくとも1つには、前記2つの円形ナイフ(20、21)間に最小距離を維持するためのストッパ要素(26)が与えられることを特徴とする、請求項2から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記2つの部分ユニット(18、19)が、前記待機位置から出て前記加工位置に入るように、および前記加工位置から出て前記待機位置に入るように枢軸IIの周りで上下に枢動可能であり、前記枢軸IIが、前記骨ガイド(12、13)に対して直角に通っていることを特徴とする、請求項2から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
ナイフ・カバー(28、29)が、円形ナイフ(20、21)ごとに前記分離ユニット(14)上に配置されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ナイフ・カバー(28、29)が前記円形ナイフ(20、21)と共に、前記部分ユニット(18、19)の前記それぞれの枢軸Iの周りで枢動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ナイフ・カバー(28、29)が、前記上側骨ガイド(12)に動作可能に連結されることを特徴とする、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記ナイフ・カバー(28、29)が、前記円形ナイフ(20、21)に対して移動可能であることを特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記ナイフ・カバー(28、29)および前記円形ナイフ(20、21)が、回転IIIの同じ軸の周りで回転可能または枢動可能であることを特徴とする、請求項15から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記装置(10)が、魚の進行方向Fに尾部を先頭に搬送される魚の加工に合わせて設計されることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
魚の進行方向Fにおける前記分離ユニット(14)の前方には、入来する魚を検出するための検出手段(33)が配置されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
開口した腹腔を有する無頭の食肉処理された魚をおろすための魚おろし機であって、背スポークを背骨まで暴露するための背部ナイフと、尾部領域内の腹スポークを背骨まで暴露するための腹部ナイフと、横腹骨を切り出すための装置と、腹部および背部ナイフによって背骨(11)の周りに残された肋を切断することによって前記背骨(11)から前記切り身を分離するための装置(10)と、魚尾を先頭に搬送するためのエンドレス・コンベヤと、前記魚をその腹腔内で確実に受け入れるための、前記コンベヤ上に配置された複数の魚サドルとを備え、さらに、前記背骨(11)から前記切り身を分離するための前記装置(10)が、請求項1から21のいずれか一項に従って設計されることを特徴とする、魚おろし機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−502488(P2011−502488A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532488(P2010−532488)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009351
【国際公開番号】WO2009/059758
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(591042838)ノルデイシェル・マシーネンバウ・ルド・バアデル・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー (9)
【氏名又は名称原語表記】NORDISCHER MASCHINENBAU RUD.BAADER GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG+COMPAGNIE KOMMANDITGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】