説明

胚芽コーンもぎとり器

【課題】 現状では、コーンとコーン胚芽を穂芯から一緒にとりはずすことのできる用具は見当たらない。コーンの胚芽ごと穂芯からもぎとることのできる器具を提供しようとするものである。
【解決手段】 尖刀部をマイナスドライバー形状に形成し、さらに、胚芽掘先部を略鋸刃形状に形成すると共に、刃は設けず、かつ、前記、胚芽掘先部の先端にかけてゆるやかな反り部を設け、併せて、把手部を前記、胚芽掘先部に対し、僅かな反り返り部を設けて固設したことを特徴とする胚芽コーンもぎとり器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーンの実を穂芯から胚芽ごともぎとることのできる胚芽コーンもぎとり器に関する。
【背景技術】
【0002】
トウモロコシは、そのおいしさから調理材料として高い評価があるものである。しかし、その穂芯から実を外すのに電動器具を用い、実と胚芽との間あたりで切断して実を確保している。そのために栄養価が高いとされる胚芽部分は穂芯と共に捨てられているのが現状である。このことは貴重な食料資源の消失につながる問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献2】特開2007−110975号公報
【実案文献1】
実登第3089218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コーンの実をその穂芯からもぎ外すには、これまでコーンの実を切り取る方法をとっているのが一般的であった。
しかし、この方法では、コーンの胚芽は、穂芯に取り残されてしまい、捨てられてしまうことになっていた。
これでは貴重な食料資源をあたらムダにしてしまうものである。
【0005】
とりわけ、コーン胚芽には、植物性ステロールという養分が満たされているものである。
植物性ステロールとは、コレステロールとなまえがよく似ているが、両者の健康への効果は、まったく正反対である。コレステロールは、血中に過剰にあると健康障害を及ぼすのに対し、植物性ステロールは、コレステロールを低下させる効果を発揮させるものである。植物性ステロール研究の第一人者である九州大学熊本県立大学名誉教授菅野道廣さんは、「植物性ステロールは副作用が少なく、安全性の高い『天然の血清コレステロール低下剤』だといっている。」
コーン胚芽には、このほかビタミンBや、ビタミンEなども豊富に含有していて、すこぶる優れた食品なのである。
コーンは、コーンの実と胚芽を一緒に食することで、最高の味覚を味わうことのできる食材なのである。
【0006】
しかし、現状では、コーンとコーン胚芽を穂芯から一緒にとり外すことのできる用具は見当たらない。
本発明は、かかる現状を打破するために開発したものであり、コーンを胚芽ごと穂芯からもぎとることのできる器具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明における胚芽]コーンもぎとり器は、次のような構成としている。
[請求項1]
尖刀部(1)をマイナスドライバー形状に形成し、さらに、胚芽掘先部(2)、(2)を略鋸刃形状に形成すると共に、刃は設けず、かつ、前記、胚芽掘先部(2)、(2)の先端にかけてゆるやかな反り部(3)、(3)を設け、併せて、把手部(5)を前記、胚芽掘先部(2)、(2)に対し、僅かな反り返り部(4)を設けて固設したことを特徴とする胚芽コーンもぎとり器。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
1.マイナスドライバー形状の尖刀部(1)を用いて、立ち並んでいるコーンを力を入れて圧し続けるとコーンは千切れ続けるので、一列目のコーンを千切って外すことができる。
2.胚芽掘先部(2)、(2)を、2列目以降のコーンの根元に向けて圧し続けると、胚芽掘先部(2)、(2)の先端がコーン胚芽は浮き上がり、コーンを胚芽ごと穂芯からもぎ外すことができる。
3.コーンを胚芽ごと穂芯からもぎ外すことができるのは、ゆるやかな反り部(3)、(3)と、僅かな反り返り部(4)を設けたことによる相乗効果で、併せ技効果が発揮されたものである。
4.胚芽つきコーンが得られることで、これを食しコレステロールを自然に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 請求項1の実施例の斜視図である。
【図2】 請求項1の実施例で、部分説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、登頂部にマイナスドライバー形状の尖刀部(1)を形成している。従い、一列目のコーンを外すのに、この尖刀部(1)をコーン胚芽部の根元に強く圧し続けると、最初の一列目のコーンの実を千切って外すことができる。
さらに、本体部には、略鋸刃形状の胚芽掘先部(2)、(2)が形成されている。しかも、胚芽掘先部(2)、(2)には、刃は設けていない。刃を設けない理由は、コーンや胚芽に傷をつけたり、切断を防ぐためである。さらに、胚芽掘先部(2)、(2)の先端にかけて、ゆるやかな反り部(3)、(3)を設けている。コーン胚芽の根元の下部に先端が入るための工夫である。これによりコーン胚芽に傷をつけたり、切断したりすることが起こりにくい。また、下部には、把手部(5)を胚芽掘先部(2)、(2)の本体部に対し、僅かな反り返り部(4)を設けて固設いている。この僅かな反り返り部(4)があるために、2列目以降のコーン胚芽の根元に胚芽掘先部(2)、(2)の角度が形成されているのである。従って、本発明を用いることで胚芽つきコーンを容易にもぎ取ることができる。
【実施例】
【0011】
本発明の実施例を図面を参照に説明する。
図1は、請求項1実施例の斜視図である。
図2は、部分説明斜視図である。
図1では、登頂部にマイナスドライバー形状の尖刀部(1)を設けてある。さらには、本体部に略鋸刃形状の胚芽掘先部(2)、(2)形成し、かつ、刃は設けていない。また、下部の把手部(5)は、胚芽掘先部(2)、(2)に対し、僅かな反り返り部(4)の角度が設けられるように固設されている。
図2は、略鋸刃形状の胚芽掘先部(2)、(2)に形成したその先端にかけて形成したゆるやかな反り部(3)、(3)を示す部分説明図である。
【0012】
本発明は、胚芽掘先部(2)、(2)に形成したその先端にかけて形成したゆるやかな反り部(3)、(3)があるので、コーン胚芽の根元にスムーズに入る。だから、そこでゆるやかな反り部(3)、(3)の先端を上に持ち上げるようにすると、胚芽ごとコーンを確保できる。また、把手部(5)が本体部に対し、僅かな反り返り部(4)の角度が設けられているので、胚芽掘先部(2)、(2)をコーン胚芽の根元に差し入れやすい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、手動による胚芽コーンもぎとり器であるが、将来的には、本発明の構成を生かした電動器具の開発に貢献するものと思われる。
また、将来的には本発明になる調理器具を製造するために、材料に硬質プラスチックを用いて射出形成での製造が可能になるに違いない。
【符号の説明】
【0014】
(1) は 尖刀部
(2) は 胚芽掘先部
(3) は 反り部
(4) は 反り返り部
(5) は 把手部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尖刀部(1)をマイナスドライバー形状に形成し、さらに、胚芽掘先部(2)、(2)を略鋸刃形状に形成すると共に、刃は設けず、かつ、前記、胚芽掘先部(2)、(2)の先端にかけてゆるやかな反り部(3)、(3)を設け、併せて、把手部(5)を前記、胚芽掘先部(2)、(2)に対し、僅かな反り返り部(4)を設けて固設したことを特徴とする胚芽コーンもぎとり器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−43075(P2013−43075A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197635(P2011−197635)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(503094922)
【Fターム(参考)】