説明

胡麻入りスナック菓子

【課題】 胡麻を多量に使用した栄養価の高いスナック菓子の提供。
【解決手段】 全粉量に対し20〜60%(重量)の胡麻に、米粉又は米粉と澱粉と必要に応じ少量の生味噌及びレシチンを入れた混合物を蒸煮し、混練して得た所定大きさの生地を乾燥後焼成した胡麻入りスナック菓子。全粉量に対し20〜60%(重量)の胡麻に、米粉又は米粉と澱粉及び少量の生味噌及びレシチンを入れた混合物を蒸煮し、これを練り機にかけて、餅状にして、所定大きさに成形し、ついで冷蔵庫に入れて熟成した後、切断し、低温乾燥により乾燥した後、焼成する胡麻入りスナック菓子。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】
この考案は多量の胡麻及び少量の味噌やレシチンを混入させて栄養価が高く味の良好なスナック菓子を得ることを目的とした胡麻入りスナック菓子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来胡麻粒を混入した米菓が知られている。
【0003】
【考案により解決すべき課題】
前記従来の胡麻入り菓子は、胡麻の風味及び味覚を目的としたものであり、味噌やレシチンを混ぜ、その栄養価を考慮したものはない。
【0004】
胡麻には各種有効成分が多量に含まれていることが知られていたが、胡麻特有の硬い殻に包まれている為に消化吸収率が悪く、かつ他物との結合力が弱いなどの問題点があった。また菓子などに胡麻特有の各種有効成分を積極的かつバランスよく利用しようとする思想がなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
然るにこの考案は、胡麻(要すればすり胡麻を含む)につなぎ材として米粉又は米粉と澱粉とを用い常法により米菓生地を生成し、乾燥後焼成することにより、栄養バランスのとれた高栄養胡麻入り米菓を得たのである。
【0006】
即ちこの考案は、胡麻20〜60%(重量)に、米粉又は米粉と澱粉と必要に応じ少量の生味噌及びレシチンを入れた混合物を蒸煮し、混練して得た所定大きさの生地を焼成したことを特徴とする胡麻入り米菓であり、全粉量に対し20〜60%(重量)の胡麻粉に米粉又は米粉と澱粉とを入れた混合物を材料として、常法により製造したことを特徴とする胡麻入りスナック菓子である。
【0007】
この考案において、胡麻の量を20%以下にする場合には、高栄養米菓という程ではなくなる。また胡麻量が60%を越えると、米菓特有の風味を失ない、胡麻菓子のような外観、風味となるのみならず、栄養バランスを失うおそれがあるので、胡麻の混入量を20〜60%(重量)とした。
【0008】
前記において、胡麻は白胡麻又は黒胡麻の単独又は混合物を用い、その形態は胡麻粒のみを使用し、必要に応じ胡麻粉か、すり胡麻又はその混合物であることが好ましい。
【0009】
次に胡麻、上新粉、小麦でんぷん、じゃがいもでんぷん及び脱皮大豆の成分は表1の通りである。
【0010】
【表1】


【0011】
また胡麻たんぱく質のアミノ酸構成比較は表2の通りである。
【0012】
【表2】


【0013】
【考案の実施の形態】
この考案は、胡麻粒、胡麻粉、すり胡麻につなぎ材として米粉、米粉と澱粉との混合物を用い、常法により蒸煮、混練、成形、乾燥後焼成するものである。
【0014】
前記混練にはエクストルーダーのような加熱加圧押出機又は餅搗機を含むものである。
【0015】
前記において、レシチンを0.5〜2%混入すれば、生地をなめらかにすることができる。澱粉としては、小麦澱粉、じゃがいも澱粉、ワキシスターチその他菓子材料として用いる澱粉は何れも使用することができる。
【0016】
【実施例1】
材料配合 白生胡麻 100g 上新粉 50g ワキシスターチ 50g 生味噌 10g レシチン 0.5g 水 85g
【0017】
工程 上記材料を混合機に入れて均一に混合した後蒸練機で蒸練し、更に混練して一定の厚さに押し出して容器にとり(又は成形器に入れて一定の厚さと形状にし)
、ついでこの容器を冷蔵庫にいれて0℃〜5℃で1晩熟成した後、厚さ3mmの小片(柿の種)に切断して、50℃で2時間乾燥する。
【0018】
前記乾燥物を280℃で6〜8分間焙焼し、表面に調味液を塗布してこの考案のスナック菓子を仕上げる。
【0019】
【実施例2】
材料配合 白生胡麻 60g 上新粉 70g ワキシスターチ 70g 生味噌 10g レシチン 0.5g 水 85g
【0020】
工程 上記材料を混合機に入れて均一に混合した後、蒸練機で蒸練し、更に混練して一定の厚さに押し出して容器に収容する。前記容器を冷蔵庫にいれて0℃〜5℃で1晩熟成した後、厚さ3mmの小片に切断して、50℃で約2時間乾燥する。
【0021】
前記乾燥物を280℃で6〜8分間焙焼し、表面に調味液を塗布してこの考案のスナック菓子を仕上げる。
【0022】
【実施例3】
材料配合 白生胡麻 35g すり胡麻 35g 上新粉 20g ワキシスターチ 20g 生味噌 10g レシチン 1.0g 水 85g
【0023】
工程 上記材料を混合した後、エクストルーダーにかけて加熱加圧して押し出し、容器にとった後、冷蔵庫にいれて0℃〜5℃で1昼夜熟成する。ついで取り出し、厚さ3mmの短冊状に切断し、50℃で2〜3時間低温乾燥する。この乾燥生地を280℃で6〜10分間焙焼すれば、この考案の胡麻入りスナック菓子が出来上る。
【0024】
【実施例4】
材料配合 胡麻 80g ワキシスターチ 60g 上新粉 30g 小麦澱粉 30g 生味噌 10g 水 85g
【0025】
工程 前記材料を混合した後、エクストルーダーにかけて加熱加圧し帯状に押し出して切断した後、50℃で3〜4時間低温乾燥する。この乾燥生地を280℃で6〜10分間焙焼すれば、この考案の胡麻2入りのスナック菓子1が出来上る。
【0026】
前記生味噌に代えて他の調味料を使用することもできる。
【0027】
【考案の効果】
この考案によれば、胡麻を20〜60%混入し要すれば生味噌を添加したので、カルシウム、マグネシウム、カロチンなどが著しく多くなり、栄養面で著しい効果がある。またレシチンを混入することにより、栄養価を増進することができる。
【提出日】平成8年1月19日

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 全粉量に対し20〜60%(重量)の胡麻に、米粉又は米粉と澱粉と必要に応じ少量の生味噌及びレシチンを入れた混合物を蒸煮し、混練して得た所定大きさの生地を乾燥後焼成したことを特徴とする胡麻入りスナック菓子。
【請求項2】 全粉量に対し20〜60%(重量)の胡麻に、米粉又は米粉と澱粉と必要に応じ少量の生味噌及びレシチンを入れた混合物を蒸煮し、混練して得た所定大きさの生地を乾燥後焼成し、前記胡麻は粒胡麻、すり胡麻又は胡麻粉としたことを特徴とする胡麻入りスナック菓子。
【請求項3】 全粉量に対し20〜60%(重量)の胡麻、これに米粉又は米粉と澱粉並びに生味噌5〜15%(重量)とレシチン0.5〜20%とを入れた混合物を蒸煮し、混練して得た所定大きさの生地を乾燥後焼成したことを特徴とする胡麻入りスナック菓子。

【図1】
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【登録番号】第3026431号
【登録日】平成8年(1996)4月17日
【発行日】平成8年(1996)7月12日
【考案の名称】胡麻入りスナック菓子
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−13835
【出願日】平成7年(1995)12月28日
【出願人】(591137031)日研フード株式会社 (3)