説明

脊椎固定ロック機構

【課題】 本発明は、ロック機構及び骨部用のねじ部材のような固定装置(104)及び脊椎用のロッドのような安定装置(106)の固定といった固定方法に関する。
ロック機構は、座部(102)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)を備える。座部(102)は、底部(114)を備える。底部(114)は、固定装置(104)を収容するように形成される。底部(114)のソケット(116)は、固定装置(104)の一部と噛合い、固定装置(104)が完全に脱落することを防止する。座部(102)は更に、側部(112)を備える。側部(112)は、安定装置(106)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)を収容する。ワッシャ(108)とキャップ(110)が完全に座部(102)と噛合うと、固定装置(104)は、安定装置(106)とは独立してロックされる。ロック機構は、安定装置(106)をロックするロック部材を備えることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に脊椎の病状を治療するための人工器官に関連し、更により具体的には安定ロッドを支える為の骨界面固定装置に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
脊椎不安定症の治療や置換において様々な脊椎の固定方法が用いられてきた。脊椎安定の最も一般的な治療は外科的接合、もしくは関節固定術による関節の固定である。これはほぼ一世紀もの間知られる方法である。しかしながら多くの場合、偽関節が問題となり、特にこの問題は腰仙の関節にわたる融合を含む場合や2つ以上の脊椎が一つに融合する時に顕著となる。今世紀の初頭では、副木やギプス等を使用した術後の外部固定が脊椎固定方法の主流であった。外科技術がさらに高度になってくると、内固定や創外固定の様々な方法が発達した。
【0003】
内固定は、完全に患者の体内で、骨プレート、ねじ、ロッド、ピン等一般に知られる装置を含む安定化の治療方法を言う。対照的に創外固定は、患者の体外に取り付けられた安定装置の少なくとも一部を含む。外科技術や方法がより進化して感染の可能性が小さくなると、患者に対する制限がほとんどないため内固定が固定方法の主流となった。
【0004】
脊椎の内固定は脊椎後湾症、脊椎すべり症、回旋不安定症、分節不安定症等の様々な病気の治療に利用される。分節不安定症は病気、精神的外傷、先天性欠損症や腫瘍疾患といった病気により起こる椎間板変性及び/或いは骨折等である。
【0005】
脊椎固定に関連した大きな課題の一つは、脊髄に損傷を与えずに固定装置を脊椎に固定することである。椎骨の椎弓根は、治療範囲の固定のため適所に固定された固定装置を支えるのに十分な強さの領域を持つので、一般に固定に利用される。患者が骨粗鬆症のような編成による不安定を患っていても可能である。初期の固定装置は椎間を通り椎弓根へと伸びるねじの使用を含むものであった。
【0006】
現代の手術方法で体内での脊椎固定に使用される現在の固定装置やハードウェアシステムは、一般的に一つもしくはそれ以上の基準を満たすよう設計されている。その基準とは、一般に患者の脊椎の長軸にわたって示される剛性を提供すること、使用する脊椎の一部の大きさや形の多様なバリエーションに適応すること、脊椎が動いた結果装置が受ける応力や歪みに対処できること、そして移植や移植片の除去両方に容易な外科的接近を提供することである。
【0007】
これらの要因で最も達成が困難なのは、外科医が移植片を配置及び/又は除去する時の容易な外科的接近を提供することであるのは確実であろう。特に、外科医は大抵、装置を最適な位置に置くことを確実にするため、治療中に何度も固定装置を取り付け、検査し、調節して再度取付けたいと思う。このことは麻痺の危険の理由から、脊椎を扱う時に特に重要である。
【0008】
上記に述べられた基準を満たすための試みとして設計された装置の一つの例が米国特許第5,466,237号に開示されている。開示されている固定装置は骨ねじと座部を備えた位置可変固定アンカーとして述べられているものを含む。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,466,237号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
開示されている固定装置はロック機構としてナットを用いる。開示されている通り、ナットは座部に締め付けられねじの長手方向軸へ取り付けたロッドを押し込む。その結果ねじは座部と接するように噛合い、ねじを適所にロックする。使用時、固定装置を正しい位置に保つことはナットやそのようなロック機構を締めながらでは困難である。さらに、多くの従来の固定装置には、圧縮力を用いロッドを適所にねじで固定する時、固定装置の座部の側面が外に開く問題があった。座部の側面は外へ開き固定装置に段差を作るので、その効果を減少させてしまう。固定装置に外開きに対する抵抗力があれば好ましい。
【0011】
ねじ部がロッドと独立に固定可能であることが好ましい。ねじ部が、ロッド及びねじ部を圧縮することなしにロックされることが好ましい。更には、ロック機構が部分的或いは予備的なロックをすることが可能であり、施術者(外科医)が、インプラントを最終的に所望の場所に固定する前に、インプラントを合せることを補助することができることが好ましい。
本発明は、新規な固定装置を提供し、この新規な固定装置により、従来技術に係る不都合な点を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある実施形態によれば、骨部固定装置の関連する部分と安定装置の関連する部分を噛合わせるとともにロックするロック機構が提供される。
ロック機構は、座部を備える。座部は、固定装置を収容する底部を備え、底部は、固定装置が脱落することを防止する。更に座部は、側部を備える。側部は、安定装置を収容する。
ロック機構は、ワッシャを備える。ワッシャは、安定装置と固定装置の間において、座部の側部と噛合うように形成される。
ロック機構は、キャップを備える。キャップは、ワッシャと座部の側部とを噛合わせ、安定装置と独立して、座部の底部に対して固定装置をロックする。
【0013】
本発明のある実施形態によれば、骨部固定装置の関連する部分と安定装置の関連する部分を噛合わせるとともにロックするロック機構が提供される。
ロック機構は、座部を備える。座部は、固定装置を収容するとともに、固定装置が脱落することを防止する底部を備える。座部は、側部を備え、この側部は、安定装置を収容する。
ロック機構は、翼部を有するワッシャを備える。ワッシャは、安定装置と固定装置の間において、座部の側部に設けられたチャネルと噛合うように形成された翼部を備える。翼部は収容部を備え、この収容部は、座部の側部に形成されたロック用チャネルと整列する。
ロック機構はキャップを備える。キャップは、ワッシャの翼部に形成された収容部と座部のロック用チャネルを噛合わせ、固定装置を、安定装置と独立して、座部の底部に対してロックする。
ロック機構は、ロック部材を備える。ロック機構は、安定装置とワッシャを圧縮することにより、座部に対して安定装置をロックする。
【0014】
本発明のある実施形態によれば、固定装置と安定装置の関連する部分をロックする方法が提供される。この方法は、ロック機構が有する座部の底部を通じて、固定装置を配設する段階と、収容部を有するワッシャと、ロック用チャネルを備える座部の側部を噛合わせ、前記ワッシャの収容部と前記座部のロック用チャネルを整列させる段階と、前記座部の側部内に安定装置を配設する段階と、前記座部上に雄型部材を備えるキャップを配設し、該雄型部材を前記ロック用チャネルと前記収容部に噛合わせる段階と、前記座部に対して前記固定装置をロックする段階からなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1A乃至図1C並びに図2A乃至図2Dを参照する。図1A乃至図1Cは、本発明に係るロック機構の展開斜視図である。図2A乃至図2Dは、本発明に係るロック機構の断面図である。
ロック機構(100)は、固定装置(104)の関連する部分を座部(102)に対して噛合わせるとともにロックする。ロック機構は、更に、安定装置(106)の関連する部分を座部(102)に対してロックすることができる。好ましくは、固定装置(104)は、安定装置(106)とは独立して、ロックされることができる。
【0016】
ロック機構(100)は、座部(102)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)を備える。
座部(102)は、底部(114)を含む。底部(114)は、固定装置(104)を収容可能に形成され、底部(114)のソケット(116)は、固定装置(104)の一部と噛合い、固定装置(104)が完全に脱落することを防止する。
【0017】
固定装置(104)は、例えば、頭部(140)と、ねじ山部(144)を備えるシャフト(142)を備えるねじ部材とすることができる。固定装置(104)が、図5A及び図5Bに例示される。固定装置(104)が、完全に座部(102)から脱落することを防ぐために、座部(102)は、好ましくは、シャフト(142)より大きく、頭部(140)より小さな穴部(118)を備える。固定装置(104)が、座部(102)の底部(114)に向けて力を加えられたとき、座部(102)の底部(114)のソケット(116)は、固定装置(104)の頭部(140)と噛合う。加えて、底部(114)のソケット(116)は、テーパ状に形成され、固定装置(104)と噛合い可能とすることもできる。
【0018】
座部(102)は、側部(112)を含む。側部(112)は、安定装置(106)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)を収容可能に形成される。
安定装置(106)は、例えば、ロッドであってもよい。座部(102)の側部(112)は、チャネル(124)を備える。チャネル(124)は、安定装置(106)を収容可能である。
【0019】
ワッシャ(108)と側部(112)は、固定装置(104)と安定装置(106)の間で噛合い可能に形成される。ワッシャ(108)と側部(112)は、例えば、摺動可能に噛合う形態、回転可能に噛合う形態及び/又は嵌合して噛合う形態で互いに噛合うことが可能である。
図示される好適な実施形態においては、ワッシャ(108)と側部(112)は、回転可能な形態で噛合い可能である。ワッシャ(108)との噛合い状態を容易に構築するために、座部(102)の側部(112)が、少なくとも1つの溝部(120)を備える。この溝部(120)は、ワッシャ(108)を受け入れることが可能である。
ワッシャ(108)は、少なくとも部分的に側部(112)と噛合い、固定装置(104)が少なくとも部分的にロックされた状態となる。これにより、安定装置の配設並びに整列を容易に行なうことが可能となる。
【0020】
部分的な噛合わせが行なわれた後、ワッシャ(108)は、好ましくは、側部(112)から、その噛合わせ状態を解除可能となる。これにより、固定装置(104)の位置並びに整列状態を変更することが容易になる。
ワッシャ(108)が側部(112)に対して少なくとも部分的に噛合わされると、ワッシャ(108)が固定装置(104)に接近可能なようにワッシャ(108)が形成される。
【0021】
キャップ(110)と側部(112)が噛み合わさるとともに、ワッシャ(108)とキャップ(110)が噛み合わさるように、ワッシャ(108)とキャップ(110)が形成される。例えば、側部(112)が、ワッシャ(108)とキャップ(110)の両方を収容するように形成され、ワッシャ(108)とキャップ(110)が協働して対となって噛合うように形成されてもよい。噛合わされたワッシャ(108)とキャップ(110)が、側部(112)とロック可能に噛合い、安定装置(106)と独立して、固定装置(104)のロックを生じさせるように側部(112)が形成されてもよい。
【0022】
ロック機構(100)は、ロック部材(図示せず)を含む。ロック部材は、安定装置(106)の位置をロックする。安定装置(106)は、固定装置(104)とは独立してロックされる。
【0023】
図2A乃至図2Dを参照する。
本発明に係るロック機構(100)が、図2A乃至図2Dに示される。図2A及び図2Cは、本発明に係るロック機構(100)の側面断面図であり、このロック装置(100)は、安定装置(106)と固定装置(104)を備え、図2Aと図2Cは、ロックされていない状態とロックされている状態をそれぞれ示す。
図2B及び図2Dは、本発明に係るロック機構(100)の正面断面図であり、このロック装置(100)は、安定装置(106)と固定装置(104)を備え、図2Bと図2Dは、ロックされていない状態とロックされている状態をそれぞれ示す。
【0024】
ロック機構(100)は、座部(102)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)を備え、これらは、固定装置(104)をロックする。ロック機構(100)は、安定装置(106)をロックするロック部材を備える。座部(102)、固定装置(104)、安定装置(106)、ワッシャ(108)、キャップ(110)及びロック部材は、本技術分野で既知の様々な材料から形成可能であり、ロック機構(100)が骨部の固定に用いられる場合には、好ましくは、生体適合性を有する材料から形成される。限定的なものではないが、このような材料として、チタン、チタン合金(例えば、チタン/アルミニウム/バナジウム(Ti/Al/V)合金)、コバルト−クロム合金、ステンレス鋼、セラミック(アルミナセラミック、ジルコニアセラミック、イットリア・ジルコニア・セラミックなど)、高強度ポリマ(例えば、PEEK、PEKKなど)、熱分解カーボン、タンタル、炭素繊維複合材料及びこれらの組み合わせを例示可能である。コバルト−クロム合金、チタン及び(Ti/Al/V)合金などといったいくつかの材料は、固定表面を形成するのに特に適切なものであるが、固定表面に用いられるものとして本技術分野で既知の如何なる材料も本発明に適用可能である。このような材料は、一般的に、骨部の固定及びこれらに類するものに用いられるものである。好ましくは、適用される材料は剛性を有し、ある実施形態においては、座部(102)、固定装置(104)、安定装置(106)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)は全て、Ti/6Al/4V ELIなどのTi/Al/V合金から形成される。
【0025】
当業者にとって、ねじ部材以外の固定装置(104)を本発明の要旨から外れることなく用いることは可能であるが、本明細書においては、固定装置としてねじ部材が図示され、ねじ部材として固定装置の説明がなされている。また、ねじ部材を用いて、固定装置(104)と座部(102)の噛合い並びに固定装置(104)と安定装置(106)の関連する部分をロックする方法の説明がなされている。更に、多種のねじ部材を本発明に適用可能であり、2つの種類のねじ部材が図5A及び図5Bに例示されている。
【0026】
座部(102)の大きさは、従来技術に係る装置の大きさと同様のものであってもよい。例えば、座部(102)の高さは、約0.25インチから約1インチの範囲とすることができる。ある実施形態において、座部(102)の高さを約0.4インチから約0.45インチの範囲とすることができる。更に、座部(102)の幅を約0.25インチから約1インチの範囲とすることができ、ある実施形態においては、座部(102)の幅を、約0.39インチから約0.42インチの範囲とすることができる。
【0027】
座部(102)は、側部(112)と底部(114)を備える。底部(114)は、図2B及び図2Dに示す如く、テーパ状に形成され、底部(114)は、ソケット(116)及び穴部(118)を備える。ロック機構(100)が、脊椎の固定に用いられるとき、「上方」との用語は、患者に対して後方を意味し、「下方」との用語は、患者に対して前方を意味する。したがって、座部(102)の底部(114)は、患者に対して前方にあり、固定装置(104)と安定装置(106)が後方から前方に移動するにつれて、固定装置(104)及び安定装置(106)は、座部(102)により収容されることとなる。
図1A乃至図1Cに示す如く、この種の座部(102)の全体的形状は、幾分、チューリップの形状に似ているため、本技術分野の当業者は、この種の座部(102)をしばしば「チューリップ」と呼称する。
【0028】
ソケット(116)は、固定装置(104)(例えば、ねじ部材)を受入可能な大きさとされることが好ましい。穴部(118)は、好ましくは、固定装置(104)が完全に脱落することを防止する大きさとされる。穴部(118)は、好ましくは、座部(102)の底部に位置する。ソケット(116)は、固定装置(104)、より詳しくは、固定装置(104)の頭部(140)の噛合い表面(146)と噛合うように形成される。噛合いを容易に行なうために、ソケット(116)の表面は、粗く形成され、或いは、ソケット(116)の表面に凹凸が形成され、及び/又は、隆起部、溝部、でこぼこ、ダイヤ模様或いはこれに類するもののような表面固定機構が形成されてもよい。加えて、固定装置(104)の噛合い表面(146)が、同様の表面を有していてもよい。
【0029】
側部(112)は、溝部(120)を備える。溝部(120)は、ワッシャ(108)と噛合う。固定装置(104)を座部(102)の底部(114)の穴部(118)を介して配設した後、ワッシャ(108)は、座部(102)の上部の開口部から座部(102)内に配設される。
好ましくは、ワッシャ(108)は翼部(126)を備える。翼部(126)は、ワッシャ(108)の本体部から側方に延出する。溝部(120)は、座部(102)内側方において互いに平行に配される。しかしながら、溝部(120)が傾斜を付けて形成され、ワッシャ(108)の翼部(126)が噛合わせられたとき、側方への拡がりの抑止に貢献するものであってもよい。ワッシャ(108)が座部(102)内に配設されたときに、翼部(126)が座部(102)のチャネル(124)内に留まるように、ワッシャ(108)が方向付けられることが好ましい。ワッシャ(108)が座部(102)内に存するとき、ワッシャ(108)は、回転し、座部(102)の側部(112)に形成された側部(120)に噛合い、ワッシャ(108)が座部(102)から引っ込むことが防止される。
【0030】
図示の如く、ワッシャ(108)の翼部(126)が、溝部(120)と噛合う。溝部(120)は、翼部(126)との噛合いが一定以上の水準となるように形成される。図示の如く、溝部(120)のそれぞれは、狭く形成され、ワッシャ(108)の回転につれて、強い噛合い状態を奏するように形成される。例えば、溝部(120)が急傾斜部(122)を備え、急傾斜部(122)がチャネルを狭め、溝部(120)と翼部(126)との噛合いを強める効果を発揮してもよい。好ましくは、急傾斜部は、溝部(120)の上部を狭める。これにより、ワッシャ(108)に下向きに力を生じせしめ、この力は固定装置(104)に伝達され、固定装置(104)の位置に対して少なくとも部分的なロック状態を生じせしめる。翼部(126)が脱離することを防止する他の機構(例えば、螺子切加工された溝部(120)と翼部(126))を利用することは、当業者に容易に理解されることである。加えて、最初に翼部(126)と溝部(120)とを噛合わせることなしに、安定装置(106)が、翼部(126)の間に配されるようにワッシャ(108)が形成されてもよい。この構造によれば、翼部(126)が安定装置(106)に対して接触することなしに、ワッシャ(108)が十分な量の回転を行なうことができることが好ましい。
【0031】
他の種類の噛合い状態を利用できることは、当業者に理解可能である。例えば、狭くなる溝部以外にも、翼部(126)の外縁を偏心的に湾曲させ、この偏心によって、翼部(126)が回転するにつれて、楔止め状態を生じさせることができる。同様に、溝部(120)を偏心させ、この溝部(120)の偏心により楔止め状態を作り出すことができる。
【0032】
ワッシャ(108)を座部(102)と噛合い可能とし、ワッシャ(108)が座部(102)の側部(112)を通過させなくともよいことは、当業者に理解可能である。例えば、ワッシャ(108)が、座部(102)の側部(112)の溝部(例えば、溝部(120))との噛合いをロックするように形成されてもよい。ワッシャ(108)と座部(102)が、本技術分野で既知の他の適切なロック機構を用いて噛合うように形成されてもよい。ワッシャ(108)が座部(102)と噛合い可能であり、ワッシャ(108)と座部(102)の相互作用のみで、固定装置(104)の位置を十分にロックできるようにしてもよい。
【0033】
工具を用いて、ワッシャ(108)を側部(112)と噛合い可能にしてもよいことは当業者に理解されるべきである。例えば、ワッシャ(108)が回転可能に側部(112)と噛合い可能であるならば、工具がワッシャ(108)に取り付けられ、ワッシャ(108)が噛合い状態を奏するために適切な位置に配されるように工具が用いられてもよい。その後、ワッシャ(108)を回転し、側部(112)との噛合い状態を作り出してもよい。
【0034】
座部(102)は、側部(112)内にチャネル(124)を備え、チャネル(124)を用いて、安定装置(106)(例えば、ロッド)を収容する。チャネル(124)は、安定装置(106)を収容するのに好適に利用可能であるが、側部(112)内に形成された穴部であっても、安定装置(106)を収容可能であることは、当業者に理解可能である。しかしながら、穴部を備える座部(102)を用いる場合、チャネル(124)内に安定装置を配設する代わりに、施術者(外科医)は、穴部を通じて安定装置(106)を配設する必要があり、穴部を備える座部(102)は、取扱いの面で難点が多い。チャネル(124)を用いて、安定装置(106)を収容可能とすることで、施術者に多大な自在性を与えることが可能となる。
【0035】
チャネル(124)内に安定装置(106)を配設した後、座部(102)内に安定装置(106)を保持し、固定装置(106)の位置を固定することが望ましい。キャップ(110)は、座部(102)内に安定装置を保持し、ワッシャ(108)と座部(102)に接触して、安定装置(104)を固定する。
【0036】
図2E及び図2Fは、座部(102)の側部(112)、ワッシャ(108)及びキャップ(110)の噛合い状態を示す。
側部(112)は、ロック用チャネル(152)を備える。ロック用チャネル(152)は、ワッシャ(108)とキャップ(110)の両方に噛合い可能に形成される。ロック用チャネル(152)は、例えば、螺子切加工をされておらず、また、狭まるように形成されていないチャネルである。好ましくは、ロック用チャネル(152)は、溝部(120)に向けて延出し、J型の形状のチャネルを構成する。翼部(126)が溝部(120)と噛合うと、翼部(126)のそれぞれの部分は、ロック用チャネル(152)に現れる。各翼部(126)の露出する部分は、好ましくは、雌型収容部(128)を備え、この雌型収容部(128)は、キャップ(110)と互いに噛合う。
【0037】
好ましくは、ワッシャ(108)が回転し、雌型収容部(128)が、ロック用チャネル(152)の整列部(154)と整列状態となる。雌型収容部(128)が適切に整列すると、キャップ(110)は、座部(102)上に配設され、キャップ(110)の雄型部材(158)が、ロック用チャネル(152)と雌型収容部(128)と噛合う。この噛合いの後、キャップ(110)及びワッシャ(108)の組立体は、ロック用チャネル(152)のロック部(156)に入り込む。このロック部(156)は、好ましくは、組立体の戻りを防止するように、キャップ(110)を引き上げて、ロック効果を奏する。したがって、キャップ(110)が引き上げられると、雄型部材(158)が、J型のロック用チャネル(152)の先端により、ロックされていない状態となることを制限されることとなる。
【0038】
加えて、キャップ(110)がロック用チャネル(152)に完全に噛合った後にキャップ(110)が噛合い状態から解除されると、雄型部材(158)が部分的に引き裂かれるように雄型部材(158)が形成されてもよい。例えば、リビジョン出術の間、このようなことが生ずる。その後、キャップ(110)は、廃棄され、若干異なる形状を有する雄型部材(158)を備える新しいキャップ(110)が使用され、新たに噛合い状態を作り出され、ロックされた状態を作り出す。
【0039】
ロック状態を生じさせる位置に向けてキャップ(110)を回転させることにより、ワッシャ(108)は、溝部(120)に更に噛合うこととなり、これにより、固定装置(104)が座部(102)に対して更にロックされることとなる。安定装置(106)は、しかしながら、キャップ(110)とワッシャ(108)の回転によっては、ロックされない。むしろ、ロック機構(100)の使用を含む一連の操作過程の間、必要に応じて、再度、安定装置(106)の位置設定を行うことが可能である。したがって、固定装置(104)は、安定装置(106)とは独立してロックされることとなる。
【0040】
安定装置(106)をロックする前に、多数回、固定装置(104)がロック状態及びロックされていない状態とされることが可能であることは当業者には理解可能である。このことは、特に、多数のロック機構(100)及び安定装置(106)を含む一連の手術行為に対して有益である。なぜなら、多軸の固定装置(104)の位置をロック機構(100)が維持することができる一方で、残りの外科用インプラントが、適合され或いは設置されるからである。システム全体が固定位置にロックされる前に、座部(102)と固定機構(104)が、その位置を効果的に維持するので、このことは、手術行為の侵襲性を低減させることとなる。
【0041】
図3A及び図3Bを参照する。図3A及び図3Bは、図1A乃至図1C及び図2A乃至図2Fの座部(102)とともに使用される例示的なワッシャ(108)を示す。
ワッシャ(108)は、固定装置(104)と安定装置(106)の間に配設されるように形成され、固定位置に固定装置(104)をロックする機能を発揮する。ワッシャ(108)は、チタン合金から形成される。ワッシャ(108)は、固定装置用側部(132)と安定装置用側部(130)を備える。固定装置用側部(132)及び/又は安定装置用側部(130)の表面は、比較的円滑であってもよく、粗い表面或いは凹凸付の表面及び/又は表面固定機構(例えば、隆起部、溝部、でこぼこ、ダイヤモンド形状の模様或いはこれに類するもの)が形成され、表面の摩擦係数を増加させてもよい。例えば、安定装置用側部(130)或いは固定装置用側部(132)が、酸化アルミニウムを用いたブラスティング加工により、粗面形成加工を施されてもよい。
【0042】
他の表面処理が、固定装置用側部(132)及び安定装置用側部(130)の表面に適用可能であることは、当業者が容易に理解可能である。また、ロック機構(100)の任意の表面及び/又は固定装置(104)の任意の表面に対して表面処理を施してもよいことは当業者にとって理解可能である。
【0043】
固定装置用側部(132)は、固定装置(104)との噛合いをよりよいものとするようにその輪郭形状を定められる。固定装置用側部(132)の輪郭形状は、ワッシャ(108)と固定装置(104)が噛合う部分の面積を増大させる。例えば、ロック機構(100)が、固定用ねじ(104)と全体的に球形状の頭部(140)とを噛合わせるために用いられる場合、頭部(140)の曲面形状に近似した曲面形状をなすチャネルを有するように、頭部固定用側部(132)の輪郭形状が定められる。同様に、ワッシャ(108)と安定装置(106)が噛合う部分の面積を増大させるように、安定装置用側部(130)の輪郭形状が定められる。安定装置(106)がロッドである場合、安定装置用側部(130)がロッドの外周面の曲面と近似した曲面を有するチャネルを備えるように、安定装置用側部(130)の輪郭形状が定められる。この輪郭形状が、ワッシャ(108)と固定装置(104)との間の噛合う面積を低減させるように定められてもよいことは当業者には理解されるべきことである。
【0044】
更に、固定装置用側部(132)が、固定装置による対象物の固定効果を向上させるように、固定装置用側部(132)が形成されてもよい。例えば、固定装置用側部(132)が、互いに噛合う指形状、隆起或いは、固定装置用側部(132)と固定装置(104)との間の相互作用を増大させるための他の機構(例えば、ねじ)を備えるものであってもよい。
【0045】
図1A乃至図1C、図2A乃至図2D並びに図3A及び図3Bに示す例示的な実施形態において、ワッシャ(108)は、座部(102)の側部(112)に設けられた溝部(120a及び120b)と回転可能に噛合う。したがって、ワッシャ(108)は、溝部(120a及び120b)と噛合う翼部(126a及び126b)を含む。翼部(126a及び126b)それぞれは、好ましくは、面取り部(150a及び150b)を備え、溝部(120a及び120b)への噛合いを容易化している。翼部(126a及び126b)それぞれは、好ましくは、雌型収容部(128a及び128b)を備える。雌型収容部(128a及び128b)は、キャップ(110)の雄型部材と対となって噛合うこととなる。雄型部材との噛合いがなされると、雌型収容部(128a及び128b)は、好ましくは、座部(102)の側部(112)に形成されたロック用チャネル(152a及び152b)の整列部(154a及び154b)と一線上に整列する。
【0046】
加えて、ワッシャ(108)が、接近用穴部(134)を備え、この接近用穴部(134)は、ワッシャ(108)が座部(102)の側部(112)と少なくとも部分的に噛合った後に、固定装置(104)への接近を可能とする。したがって、ワッシャ(108)が、側部(112)に対して噛合っていない場合、部分的に噛合っている場合或いは完全に噛合っている場合のいずれであっても、駆動機構は、接近用穴部(134)を通じて、固定装置(104)に対して駆動力を生じせしめることができる。
【0047】
溝部(120a及び120b)及び翼部(126a及び126b)の特定の形状及び種類を実質的に変更してもよいことは、当業者には理解可能である。例えば、溝部(120)が溝部内部に小さなスロットを備え、翼部(126)上に設けられた小さな隆起部と接触するようにし、翼部(126)と溝部(120)が適切に噛合ったときを明確に判明するようにしてもよい。同様に、翼部(126)それぞれが小さな突条を備える表面を有し、翼部(126)と溝部(120)との間の摩擦を増大させてもよい。これにより、ワッシャ(108)の脱離の防止に貢献することとなる。このような表面に、粗く形成され、或いは、凹凸を備え、及び/又は、隆起部、溝部、でこぼこ、ダイヤ模様或いはこれに類するもののような表面固定機構が形成されてもよい。これにより、表面摩擦係数の増大を図ることが可能となる。例えば、表面が、酸化アルミニウムを用いたブラスティング加工を施され、粗面形成されてもよい。当業者であれば、他の表面処理手法も使用可能であることは理解可能である。
【0048】
本発明の要旨から逸脱することなく、ワッシャ(108)と、固定装置(104)及び安定装置(106)のうちいずれか一方或いは両方の間に中間部材が使用されてもよいことは当業者には理解可能である。例えば、中間部材が、ワッシャ(108)と固定装置(104)の間に配されるスペーサであってもよい。したがって、スペーサは、曲面及び/又は互いに噛合う指の形状或いは、ワッシャ(108)の固定装置用表面(132)に関連して説明したものと同様の形状に形成されてもよい。同様に、ワッシャ(108)と安定装置(106)の間の中間部材が、安定装置用表面(130)と同様の形状の表面を有していてもよい。
【0049】
図4A及び図4Bは、図1A乃至図1C及び図2A乃至図2Fに示す座部(102)に用いられる例示的なキャップ(110)を示す。
上述の如く、キャップ(110)は、チャネル(124)内で安定装置(106)を保持し、ワッシャ(108)と噛合うことにより、固定装置(104)の固定作用を生じせしめる。図示されるキャップ(110)に加えて、キャップ(110)は、例えば、回動可能に座部(102)に接続されてもよいし、垂直或いは水平に座部(102)に接続されてもよい。
【0050】
図1A乃至図1C、図2A乃至図2F並びに図4A及び図4Bに示す特定の実施形態において、キャップ(110)は、一方の方向の寸法長さが他方の方向の長さよりも長く形成される。好ましくは、キャップ(110)は座部(102)上に配され、安定装置(106)の長軸に対して略垂直となるように配される。好ましくは、キャップ(110)は上面(136)と安定装置用表面(138)を備える。安定装置用表面(138)は、安定装置(106)の外周面に近似した外形輪郭を備える。加えて、キャップ(110)は、接近用穴部(148)を備え、座部(102)内での安定装置(106)を噛合わせ、ロックすることを容易とする。安定装置(106)へのロックは、接近用穴部(148)を通過するロック部材(図示せず)によりなされる。
【0051】
好ましくは、キャップ(110)は、雄型部材(158a及び158b)を備え、この雄型部材(158a及び158b)は、ロック用チャネル(152a及び152b)並びに雌型収容部(128a及び128b)と噛合う。キャップ(110)が座部(102)に配設されると、好ましくは、雄型部材(158a及び158b)は、ロック用チャネル(152a及び152b)並びに雌型収容部(128a及び128b)と噛合う。雄型部材(152)及び雌型収容部(128)は、ロック用チャネル(152)の整列部(154)内で噛合い可能であるとともにこの噛合いを解除可能である。その後、キャップ(110)が回転すると、この回転によって、ワッシャ(108)も回転することとなる。雄型部材(158a及び158b)が、ロック用チャネル(152a及び152b)のロック部(156a及び156b)に位置すると、雄型部材(152)と雌型収容部(128)は、ロック可能に噛合うこととなる。そして、図2E並びに図2Fに関連して、上述したように、ロックがなされることとなる。
【0052】
雄型部材(158)及び雌型収容部(128)を用いることなしに、キャップ(110)とワッシャ(108)の噛合いを作り出すことができることは、当業者には理解可能である。例えば、キャップ(110)とワッシャ(108)の表面が、溝部、隆起部、ワッシャ(108)の翼部周りの分岐部、或いは、キャップ(110)とワッシャ(108)の噛合いを生じさせる同様の表面構造を有するように形成されてもよい。
【0053】
ロック機構が、ロック部材(図示せず)を備え、安定装置(106)の位置をロック部材により固定してもよい。ロック部材は、キャップ(110)と接触するように形成され、安定装置との噛合い状態を作り出してもよい。例えば、ロック部材は、分離ねじといったねじ部材であってもよい。このねじ部材は、接近用穴部(148)に挿通される。尚、接近用穴部(148)には螺子切加工が施されている。ロック部材は、キャップ部材(110)が安定装置(106)から離間するように力を負荷し、雄型部材(158)が、ロック用チャネル(152)のロック部(154)の先端に向かうように力を負荷する。これにより、キャップ(110)のロックがなされることとなる。このような状態となると、ロック部材は、安定装置(106)に対して下方に向かう力を加え、安定装置(106)がワッシャ(108)内に向かうようにする。これにより、安定装置(106)が適所でロックされることとなる。
安定装置(106)が、固定装置(104)とは独立してロックされる条件の下、安定装置(106)をロックする他の機構を採用することもできる。このようなロック部材として、例えば、ねじ部材、分離ねじ、頂角90°の楔材、直線状の楔材、ワッシャ及びナット、スナップリング(snap-in lock)或いはこれらに類するものを例示することができる。
【0054】
使用時において、本発明に係る固定機構(100)は、固定装置(104)と安定装置(106)の関連する部分を噛合わせるとともにロックする便利な方法を提供する。
本発明のある実施形態によれば、座部(102)の底部(114)に固定装置(104)を挿通し、その後、対象物(例えば、脊椎の椎骨或いは他の骨部)に固定装置(104)を固定する。ワッシャ(108)は、その後、座部(102)の側部(112)に噛合わせられ、ワッシャ(108)上の収容部(128)と座部(112)上に形成されるロック用チャネル(152)が一線上に整列される。安定装置(106)が、座部(102)の側部(112)内に配される。特定の実施形態において、安定装置(106)は、チャネル(124)内に配される。安定装置(106)を配設した後、雄型部材(158)を備えるキャップ(110)が、座部(102)上面に配され、雄型部材(158)が、ロック用チャネル(152)と収容部(128)に噛合うようにする。固定装置(104)は、その後、座部(102)に対してロックされるようにする。収容部(128)と雄型部材(158)の組合体を、ロック用チャネル(152)の整列部(154)からロック用チャネル(152)のロック部(156)に向けて回転させることにより、固定装置(104)のロックがなされることとなる。
【0055】
更に、固定装置(104)が、少なくとも一次的にロックされた後に、安定装置が座部(102)に対してロックされる。安定装置(106)をロックするために、ロック部材が噛合わせられる。座部(102)の一部が叩き潰され、固定装置(104)、ワッシャ(108)及び座部(102)が必然的に単一部材の如くして機能するようにしてもよい。このことにより、ロック機構(100)の設置の間に要求される工程数を最小限化することができる。
【0056】
例示的な実施形態を用いて、本発明について説明してきたが、説明された実施形態全ては説明のために用いるためのものであり、限定的な解釈のために用いられるものではない。他の技術的特徴、他の実施形態、他の変更形態、他の改良形態及び他の均等形態に関しても、本発明の要旨から逸脱することなく、構成することが可能である。また、本発明は、添付する請求の範囲に記載の特徴によってのみ制限されるべきものである。ある実施形態で説明された特徴及び部品が、他の実施形態においても同一の方法或いは同等の方法で用いられ、適用されるべきものとして解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1A】本発明に係るロック機構の展開斜視図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。
【図1B】本発明に係るロック機構の展開斜視図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。
【図1C】本発明に係るロック機構の展開斜視図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。
【図2A】本発明に係るロック機構の側面断面図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。尚、図2Aに示す状態は、ワッシャが完全には、座部と噛合っていない状態である。
【図2B】本発明に係るロック機構の正面断面図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。尚、図2Bに示す状態は、ワッシャが完全には、座部と噛合っていない状態である。
【図2C】本発明に係るロック機構の側面断面図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。尚、図2Cに示す状態は、ワッシャが、完全に、座部と噛合っている状態である。
【図2D】本発明に係るロック機構の正面断面図であり、このロック機構は、固定装置と安定装置を備える。尚、図2Dに示す状態は、ワッシャが、完全に、座部と噛合っている状態である。
【図2E】ワッシャ、キャップ及び座部の側部に形成されたロック用チャネルの側面図である。尚、図2Eに示す状態において、キャップは座部に完全には噛合っていない。
【図2F】ワッシャ、キャップ及び座部の側部に形成されたロック用チャネルの側面図である。尚、図2Fに示す状態において、キャップは座部に完全に噛合っている。
【図3A】本発明に係るワッシャを上方から見た斜視図である。
【図3B】本発明に係るワッシャを下方から見た斜視図である。
【図4A】本発明に係るキャップを上方から見た斜視図である。
【図4B】本発明に係るキャップを下方から見た斜視図である。
【図5A】本発明に用いられる典型的な固定装置の斜視図である。
【図5B】本発明に用いられる典型的な固定装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定装置(104)を収容するように形成された底部(114)を備える座部(102)と、
前記座部(102)の側部(112)と噛合うように形成されたワッシャ(108)と、
前記座部(102)の前記側部(112)を介して、前記ワッシャ(108)と噛合い、前記固定装置(104)をロックするように形成されたキャップ(110)からなることを特徴とするロック機構。
【請求項2】
前記側部(112)は、安定装置(106)を収容することを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項3】
前記固定装置(104)が、前記安定装置(106)から独立してロックされることを特徴とする請求項2記載のロック機構。
【請求項4】
前記安定装置(106)が、ロッドを備えることを特徴とする請求項2記載のロック機構。
【請求項5】
前記ワッシャ(108)が、前記固定装置(104)と安定装置(106)との間において、前記座部(102)の側部(112)と噛合うことを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項6】
前記座部(102)の前記側部(112)が安定装置(106)を収容した後、前記ワッシャ(108)が前記座部(102)の前記側部(112)と噛合うこと並びに噛合い解除されることが可能であることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項7】
安定装置(106)の位置をロックするロック部材を更に備えることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項8】
前記ロック部材が、ねじ部材、分離ねじ、ワッシャ、90度の頂角を有する楔材、直線状の楔材、ワッシャ及びナット或いはスナップリングのうち少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項7記載のロック機構。
【請求項9】
前記ワッシャ上の前記安定装置(106)を押さえつけることにより、前記ロック部材が前記安定装置(106)の位置をロックすることを特徴とする請求項7記載のロック機構。
【請求項10】
前記ワッシャ(108)が、前記座部(102)の前記側部(112)と少なくとも部分的に噛合った後に、前記ワッシャ(108)が前記固定装置(104)に接近可能であることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項11】
前記ワッシャ(108)及び前記座部(102)の側部(112)が、回転可能に噛合い、前記固定装置(104)をロックすることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項12】
前記ワッシャ(108)が、少なくとも1つの翼部(126)を備え、
前記座部(102)の前記側部(112)が、少なくとも1つの溝部(120)を備え、
該溝部(120)が、前記ワッシャ(108)の前記翼部(126)を収容することを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項13】
前記座部(102)の前記側部(112)に形成された前記少なくとも1つの溝部(120)が、V字型の溝部であることを特徴とする請求項12記載のロック機構。
【請求項14】
前記ワッシャ(108)が、少なくとも1つの雌型収容部(128)を備え、
前記キャップ(110)が、少なくとも1つの雄型部材(158)を備え、
前記少なくとも1つの雌型収容部(128)と前記少なくとも1つの雄型部材(158)が、互いに嵌合するように形成されることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項15】
前記キャップ(110)が、少なくとも1つの雄型部材(158)を備え、
前記座部(102)の前記側部(112)が、少なくとも1つのロック用チャネル(152)を備え、
該ロック用チャネル(152)が、前記キャップ(110)の前記少なくとも1つの雄型部材(158)を収容することを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項16】
前記ワッシャ(108)が少なくとも1つの雌型収容部(128)を備え、
該雌型収容部(128)が、前記少なくとも1つのロック用チャネル(152)と前記少なくとも1つの雄型部材(158)と整列可能であることを特徴とする請求項15記載のロック機構。
【請求項17】
前記少なくとも1つのロック用チャネル(152)が、整列部(154)とロック部(156)を備え、
前記少なくとも1つの雌型収容部(128)と前記少なくとも1つの雄型部材(158)が、前記整列部(154)内で、噛合い可能であるとともにその噛合い状態を解除可能であり、前記ロック部(156)内でロック可能に噛合い可能であることを特徴とする請求項16記載のロック機構。
【請求項18】
前記少なくとも1つのロック用チャネル(152)が、J型のチャネルであることを特徴とする請求項16記載のロック機構。
【請求項19】
前記ワッシャ(108)が安定装置用側部(130)を備え、
該安定装置用側部(138)が、前記安定装置(106)の外形輪郭と接触するように輪郭付けられることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項20】
前記キャップ(110)が、安定装置用側部(138)を備え、
該安定装置用側部(130)が、前記安定装置(106)の外形輪郭と接触するように輪郭付けられることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項21】
前記ワッシャ(108)が、固定装置用側部(132)を備え、
該固定装置用側部(132)が、前記固定装置(104)の外形輪郭と接触するように輪郭付けられることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項22】
前記座部(102)の前記底部(114)が、前記固定装置(104)の完全な通り抜けを防止することを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項23】
前記座部(102)の前記底部(114)が、ソケット(116)を備え、
該ソケット(116)は、テーパ状に形成され、前記固定装置(104)を収容するとともに該固定装置(104)と噛合い可能であることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項24】
前記固定装置(104)が、ねじ部を備え、
該ねじ部は、シャフト(142)と頭部(140)を備え、
前記座部(102)の前記底部(114)が、穴部(118)を備え、
該穴部(118)は、前記シャフト(142)よりも大きく、前記頭部(140)よりも小さいことを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項25】
前記座部(102)の前記側部(112)は、安定装置用チャネル(124)を備え、
該安定装置用チャネル(124)が安定装置(106)を収容することを特徴とする請求項1記載のロック機構。
【請求項26】
固定装置(104)を収容する底部(114)と安定装置(106)を収容する側部(112)を備える座部(102)と、
前記座部(102)と噛合うとともに前記安定装置(106)を保持するキャップ(110)と、
前記座部(102)の前記側部(112)と噛合い、前記安定装置(106)と独立して、前記固定装置(104)をロックするワッシャ(108)からなることを特徴とするロック機構。
【請求項27】
前記安定装置(106)がロッドを備えることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項28】
前記ワッシャ(108)が前記固定装置(104)と前記安定装置(106)の間で、前記座部(102)の前記側部(112)と噛合うことを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項29】
前記座部(102)の前記側部(112)が前記安定装置(106)を収容した後に、前記座部(102)の前記側部(112)に対して、前記ワッシャ(108)が噛合い可能であるとともに該噛合い状態を解除可能であることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項30】
ロック部材を更に備え、
該ロック部材が安定装置(106)の位置をロックすることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項31】
前記ロック部材が、ねじ部材、分離ねじ、ワッシャ、90度の頂角を有する楔材、直線状に形成された楔、ワッシャ及びナット或いはスナップリングのうち少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項32】
前記安定部材(106)と前記ワッシャ(108)を押さえつけることにより前記ロック部材が前記安定装置(106)の位置をロックすることを特徴とする請求項31記載のロック機構。
【請求項33】
前記ワッシャ(108)が前記座部(102)の前記側部(112)と少なくとも部分的に噛合った後、前記ワッシャ(108)が前記固定装置(104)に接近可能であることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項34】
前記ワッシャ(108)と前記座部(102)の前記側部(112)が回転可能に噛合い、前記固定装置(104)をロックすることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項35】
前記ワッシャ(108)が、安定装置用側部(130)を備え、
該安定装置用側部(130)が、安定装置(106)の外形輪郭に接触するように輪郭付けられることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項36】
前記キャップ(110)が、安定装置用側部(138)を備え、
該安定装置用側部(138)が、安定装置(106)の外形輪郭に接触するように輪郭付けられることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項37】
前記ワッシャ(108)が、固定装置用側部(132)を備え、
該固定装置用側部(132)が、固定装置(104)の外形輪郭に接触するように輪郭付けられることを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項38】
前記固定装置(104)が、ねじ部を備え、
該ねじ部は、シャフト(142)と頭部(140)を備え、
前記座部(102)の前記底部(114)が、穴部(118)を備え、
該穴部(118)は、前記シャフト(142)よりも大きく、前記頭部(140)よりも小さいことを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項39】
前記座部(102)の前記側部(112)は、安定装置用チャネル(124)を備え、
該安定装置用チャネル(124)が安定装置(106)を収容することを特徴とする請求項26記載のロック機構。
【請求項40】
骨部固定装置(104)の関連する部分と安定装置(106)の関連する部分を噛合わせるとともにロックするロック機構であって、
前記固定装置(104)を収容するとともに該固定装置が完全に通り抜けることを防止する底部(114)と、前記安定装置(106)を収容する側部を備える座部(102)と、
前記安定装置(106)と前記固定装置(104)の間において、前記座部(102)の前記側部(112)に形成されたチャネルと噛合うとともに、前記座部(102)の前記側部(112)に形成されたロック用チャネル(152)と整列する収容部(128)を備える翼部(126)を有するワッシャ(108)と、
前記ワッシャ(126)の前記収容部(128)と前記座部(102)のロック用チャネル(152)とを噛合わせ、前記安定装置(106)とは独立して、前記座部8102)の底部(114)に対して前記固定装置(104)をロックするキャップ(110)と、
前記安定装置(106)と前記ワッシャ(108)を圧縮して、前記座部(102)に対して、前記安定装置(106)をロックするロック部材からなることを特徴とするロック機構。
【請求項41】
固定装置と安定装置の関連する部分をロックする方法であって、
ロック機構が有する座部の底部を通じて、固定装置を配設する段階と、
収容部を有するワッシャと、ロック用チャネルを備える座部の側部を噛合わせ、前記ワッシャの収容部と前記座部のロック用チャネルを整列させる段階と、
前記座部の側部内に安定装置を配設する段階と、
前記座部上に雄型部材を備えるキャップを配設し、該雄型部材を前記ロック用チャネルと前記収容部に噛合わせる段階と、
前記座部に対して前記固定装置をロックする段階からなることを特徴とする方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2008−539877(P2008−539877A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510126(P2008−510126)
【出願日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/016788
【国際公開番号】WO2006/119271
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(507390549)スパインフロンティア インク (2)
【Fターム(参考)】