脱肛防止補助具
【課題】 脱肛防止補助具を肛門内に安全に挿入し、そこに保持することができる脱肛防止補助具の提供。
【解決手段】 端部が閉塞された筒フィルム1内に詰め物3を装着し、詰め物3後端の係止孔3aに挿入スティック6の軸部4の先端を嵌着して、それを肛門内に挿入する。そして、挿入スティック6のみを引き抜くことができるように構成する。
【解決手段】 端部が閉塞された筒フィルム1内に詰め物3を装着し、詰め物3後端の係止孔3aに挿入スティック6の軸部4の先端を嵌着して、それを肛門内に挿入する。そして、挿入スティック6のみを引き抜くことができるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肛門より外部に脱出している内痔核を伴う外痔核(イボ痔)を肛門内部に戻して、痔の飛び出しに伴う痛みを無くすと共に、痔の治療効果を維持する脱肛防止補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、既に下記特許文献1の「脱肛防止補助具」を提案している。
これは図14に示す如く、一端が開放され他端が閉塞された所定以上長い風船状の柔軟で剛性のない皮膜部を有し、その皮膜部の閉塞端部に詰物が挿入されると共に、その詰物を含む閉塞端部が首状に閉塞されて、その首部を介し小頭部の反対側に皮膜部が肛門外に達する程度長く延在されたものである。
【0003】
直腸の下端の肛門は、直腸との間に歯状線が存在し、歯状線の直腸側には所謂クッションが存在している。さらにそれらの外周には、内括約筋及び外括約筋が取り巻いている。 このクッション体において、内痔核を伴う外痔核(イボ痔)が突出していることがある。これらは日常生活の中で肛門に様々な負担がかかり、直腸のクッションを支える組織が緩んだり切れたりすることにより、そのクッション自体が鬱血して大きくなるものである。
【0004】
そして、内痔核等が次第に大きくなると、排便時にその内痔核等が外側に脱出し、その後自然にそれが肛門内に戻っていく。ところがその内痔核がさらに大きくなり、図15の状態にまでになると、それが肛門外に脱出したままとなり、指で押し込まないと元に戻らない。このような状態を脱肛という。
このような脱肛は、その上部側が肛門の不随筋によって締め付けられている。そして内痔核が外に出た状態のままにしておくと、さらに症状が悪化し、痔が進行する原因となる(岩垂純一著・痔と上手につきあう本・株式会社講談社発行より)。
【0005】
下記特許文献1に記載されている本発明者による脱肛防止補助具は、その内痔核等を指で押し込んだ後に、図13の如く脱肛防止補助具の皮膜内に人差し指等を挿入し、その状態で肛門内に押し込み、先端の詰物によって内痔核等を保持する。そして指を引き抜くことにより、ゴム風船先端の詰物を肛門内に保持し、脱肛を防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3951209号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の脱肛防止補助具は、指でそれを肛門内に挿入した後に指を引き抜くと、その脱肛防止補助具自体も同時に引き抜かれることがあった。
これは肛門の不随筋の働きにより、それが指の周りを締め付けるため、その外周にある風船状のフィルムと指を圧着し、指と共にフィルムが外部に抜け出てしまうからである。
そこで本発明者は、各種実験研究の結果、不随筋の働きが生じても、引抜きの際にフィルムが逆戻りしない条件を見つけ、本発明を完成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、一端が開放され、他端が閉塞する柔軟で剛性のない筒状のフィルムからなる筒フィルム(1)と、
その筒フィルム(1)の閉塞端に配置され、後端に係止孔(3a)を有する詰め物(3)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム(1)に内装された前記詰め物(3)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、
を具備する脱肛防止補助具である。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記筒フィルム(1)は、その先端部直径が小径の小径部(1a)と、その後端部の大径部(1b)と、それらの間を接続するテーパ部(1c)とを有し、その小径部(1a)に前記詰め物(3)が挿入される脱肛防止補助具である。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記詰め物(3)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その詰め物(3)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具である。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、先端に頭部(11)を有し、その頭部(11)の後端の周縁に柔軟で剛性のない筒状フィルムからなる筒フィルム部(1e)を一体に有し、頭部(11)の後端の中心に係止孔(3a)が設けられた本体(12)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム部(1e)に内装された前記頭部(11)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、を具備する脱肛防止補助具である。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の脱肛防止補助具において、
前記頭部(11)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その頭部(11)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具である。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)は、筒状の前記把持部(5)に前記軸部(4)が圧縮スプリング(7)を介して出入自在に保持され、軸部(4)先端に軸方向後方への圧力が加わったとき、その軸部(4)が後方に移動しつつ、前方に進入するように付勢された脱肛防止補助具である。
請求項7に記載の本発明は、請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)の軸部(4)の直径が2mm〜4mmである脱肛防止補助具。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7に記載の脱肛防止補助具のいずれかにおいて、
挿入スティック(6)の軸部(4)先端外周が滑らかに面取り形成された脱肛防止補助具
【発明の効果】
【0014】
請求項1および請求項4に記載の本発明の脱肛防止補助具は、筒フィルム1または筒フィルム部1e(以下筒フィルム1等)と、その筒フィルム1等の端に位置する詰め物3または頭部11(以下詰め物3等)と、挿入スティック6とを有し、詰め物3等の係止孔3aに挿入スティック6の軸部4の先端を嵌着して肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、係止孔3aから挿入スティック6を引き抜くことができるように構成されたものである。
そのため、先端に詰め物3等を有する筒フィルム1等を肛門内に安全に且つ、容易に保持することができる。
これは、筒フィルム1等に被覆された詰め物3等を肛門内に挿入したとき、挿入スティック6の軸部4が小径であるため、その挿入スティック6を引き戻しても、そのとき筒フィルム1等全体が肛門外に引き出されるおそれがない。
また、肛門への挿入が軸部4を有する挿入スティック6によって行われるため、肛門内部を傷つけるおそれがなく、安全に詰め物3等を有する筒フィルム1等を肛門内に挿入することができる。
【0015】
請求項2に記載のように、筒フィルム1としてその先端部に小径部1aを形成し、後端部に大径部1bを形成し、それらの間をテーパ部1cで接続した場合には、詰め物3をその先端部に確実に保持して挿入し易く、体裁の良い脱肛防止補助具となる。
【0016】
請求項3または請求項5に記載のように、詰め物3等としてゴム弾性を有し、係止孔3aに挿入スティック6の軸部4先端を嵌着保持した場合には、脱肛防止補助具を肛門内により安全に保持することができる。
また、その詰め物3等の外周に軸線方向に複数のガス抜き溝3bを形成したので、本脱肛防止補助具を肛門内に挿入した状態で、放屁が可能となり、取り扱い易いものとなる。
【0017】
請求項6に記載のように、挿入スティック6の把持部5に軸部4を圧縮スプリング7を介して出入自在に保持した場合には、筒フィルム1が被覆された詰め物3を肛門に挿入するとき、痔の炎症部に痛みを生じることが少ない。
これは、その挿入時に軸部4の先端に軸方向後方への圧力が加わっても、軸部4が後方に移動しつつ、前方に進入するように付勢されているため、炎症を起こしている肛門に急激な強い圧力が加わることを防止できるからである。
【0018】
請求項7に記載のように、挿入スティック6の軸部4の直径を2〜4mmとした場合には、挿入スティック6の軸部4を肛門から引き抜くとき、肛門に違和感を感ぜず、確実にそれを引き抜くことができる。
実験によれば、4mmを超えると肛門の不随筋の働きにより軸部4の外周が締め付けられ、肛門からの引抜きに伴い、筒フィルム1が一緒に外に出てしまうおそれがある。2mm以下であると、挿入時の安定性に欠けるおそれがある。
【0019】
さらに、詰め物3の先端部外周および挿入スティック6の軸部4の先端外周を滑らかに面取りした場合には、より安全な脱肛防止補助具となる
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の脱肛防止補助具の斜視図。
【図2】同筒フィルム1の平面図及び正面図。
【図3】同詰め物3の正面図及び底面図並びにC−C断面図。
【図4】同脱肛防止補助具の挿入時における説明図。
【図5】同挿入スティック6の一部縦断面図。
【図6】同挿入スティック6の分解斜視図及び、筒フィルム1の斜視図。
【図7】同脱肛防止補助具の使用状態及び使用後の状態を示す説明図。
【図8】本発明の他の脱肛防止補助具の本体の斜視図。
【図9】同本体の正面図。
【図10】同平面図。
【図11】図9のXI−XI線縦断面図。
【図12】同脱肛防止補助具の使用説明図。
【図13】従来型の脱肛防止補助具の使用説明図。
【図14】同脱肛防止補助具の縦断面図。
【図15】肛門の脱肛炎症部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1及び図4は、本発明の脱肛防止補助具の実施の形態を示し、この脱肛防止補助具は筒フィルム1と詰め物3と挿入スティック6とを有する。
筒フィルム1は、図2に示す如く一端に開口端1dを有し、他端が閉塞する。そして、その後端部に大径部1b、先端部に小径部1a、それらの間にテーパ部1cを有する。この筒フィルム1は、柔軟で剛性のない筒状のフィルムからなり、ポリウレタン、ラテックスを用いることができる。ゴムアレルギーの対策としてポリウレタンが好ましい。色は透明または半透明が好ましい。これらは極めて伸びのよい、弾性的なものである。そのゴムの硬度は70〜75Hs JIS Aとすることができる。厚みは好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.1mm以下である。
【0022】
またその材質、伸びおよび厚みはコンドームと同一でも良い。そして、開口端1dはリング状に形成されている。なお、筒フィルム1の寸法は一例として全長が100mm程度で、小径部1a長さが20mm程度、小径部1aとテーパ部1cとの和が35mm程度である。小径部1aの自由直径は、6mm程度、テーパ部1cの自由直径は18mm程度である。その製品厚さは、好ましくは0.03〜0.04mmである。
【0023】
次に、筒フィルム1の小径部1aの閉塞端に挿入される詰め物3は、図3に示す如く、先端が半球状に滑らかに形成され、その外周にはこの例では90度毎に軸線方向にガス抜き溝3bが形成されている。そして、その底部には係止孔3aが設けられ、それが詰め物3の中間部まで深さまで存在する。この係止孔3aは、後述する挿入スティック6の軸部4の外直径と略同一である。
【0024】
詰め物3の材質は、一例として柔軟なシリコンゴムの成形体を用いることができる。それに代えてポリウレタン、ESBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)のブロックコポリマー等のエラストマーを使用することができる。即ち、室温でゴム弾性を有する高分子物質であって、室温で伸ばすと2倍以上に伸び、外力を取り除いたとき、瞬間的に元の形に戻る。好ましくは、そのゴム弾性は15A〜35A(A型試験器で15〜35point)程度である。詰め物3の外直径は筒フィルム1の小径部1aよりも大であり、それを筒フィルム1の小径部1aに装着したとき、図1及び図4に示す如く、小径部1aを拡開して、それが詰め物3の外周形状と同一になる。そして小径部1aの根元部は括れた状態になる。なお、詰め物3の外直径は、一例として14mm程度、長さ15mm程度、詰め物3の先端の曲率半径は7mm程度、係止孔3aの直径は3.5mm程度、深さ8mm程度、ガス抜き溝3bの半径は2mm程度とすることができる。
【0025】
次に、挿入スティック6は、図5及び図6の如く、把持部5と軸部4と圧縮スプリング7と端蓋8とからなる。
把持部5は筒状に形成され、その先端に小径孔5aが形成されると共に、その後方に大径孔5bが形成され、さらに後端内面に環状溝9が設けられている。軸部4はその後端に膨出部4aが一体に形成されている。この挿入スティック6の材質は、一例としてジュケラコンを用いることができる。
軸部4及び把持部5の長さは夫々一例として60mm程度である。そして、大径孔5bの長さは50mm程度である。大径孔5bに挿入される圧縮スプリング7の自由長さは60mm程度である。これはコイルスプリングからなり、圧縮状態で把持部5内に装着される。
【0026】
そして、把持部5に軸部4と圧縮スプリング7と端蓋8とを順に装着し、端蓋8の環状凸部10を環状溝9に係止して図5の状態にする。このとき圧縮スプリング7は、軸部4を軸方向先端側に付勢している。その付勢力は比較的弱く、軸部4の先端に後方への圧力が加わったとき容易に軸部4が把持部5側に移動できる程度のものである。
【0027】
(作用)
次に、本脱肛防止補助具の使い方につき述べる。
先ず、図4に示すように筒フィルム1の小径部1aに詰め物3が挿入された状態で、挿入スティック6の軸部4の先端を詰め物3の係止孔3aに嵌着して準備をする。次いで、脱肛した部分を肛門内部に指で戻した後に、図4の状態に組立てた本脱肛防止補助具の把持部5を把持し、筒フィルム1と共に詰め物3を肛門から挿入する。このとき肛門の不随筋の働きにより、詰め物3に後方への押圧力が加わる。すると、軸部4が圧縮スプリング7に抗して後方に移動し、その衝撃を和らげる。
【0028】
次いで、圧縮スプリング7の弾発力により、肛門に刺激を与えることなく、詰め物3が肛門内に挿入される。そして、把持部5の上端面が肛門の入口まで挿入されたら、その把持部5を周方向に軽く回しながら引き抜く。このとき軸部4の軸径はきわめて細いので、肛門の不随筋がそれを締め付けても、容易に挿入スティック6のみを抜き取ることができる。実験によれば、軸部4の直径が4mm以上だと、肛門の不随筋の働きにより挿入スティック6を引き抜くとき同時に筒フィルム1が引き出される傾向がある。軸部4が2mm以下だと強度的に弱く、挿入時の安定性に欠ける欠点があることが判った。
【0029】
図7(A)はその挿入状態を示す一例であり、次いで、挿入スティック6を引き抜くと、同図(B)の状態になる。この状態で、筒フィルム1の開口部を軽く引っ張っても詰め物3部分が抜け出なければよい。それにより、脱肛部分は肛門内部に保持され、それが自然に外側に出ることがない。
また、腸内のガスを放出する際には、詰め物3の外周に設けたガス抜き溝3bの存在によりそこを通ってガスが外部へ抜け出す。
本脱肛防止補助具を取り出すには、筒フィルム1の開口部を強く引っ張ればよい。
【0030】
図8〜図11は、本発明の脱肛防止補助具の他の例を示すその本体12であり、図12はその使用状態を示すものである。
この補助具の本体12が前記実施例と異なる点は、前記実施例では筒フィルム1と詰め物3が別体であったが、この例では、前記実施例の詰め物3に相当する頭部11と、筒フィルム1に相当する筒フィルム部1eとが一体に形成されたものである。即ち、筒フィルム部1eと頭部11とは共に同一材料の一体成形体(射出成形)よりなる。両者は、医療用ウレタンゴムやシリコンゴム等を使用することができる。
【0031】
そしてこの本体12は、その先端に頭部11を有し、その頭部11の後端に首部13を介し、その周縁に柔軟で剛性のない筒状フィルムからなる筒フィルム部1eを一体に有する。頭部11の後端の中心には、係止孔3aが設けられている。また、筒フィルム部1eはその開口端1dが、中間部から後端に向けて斜めに切り取られたような形状を有する。このようにすることにより、挿入スティック6を紛失したとき、指をその筒フィルム部1e内に開口端1dから挿入し易くしたものである。さらには、その柔軟性を向上させたものである。
【0032】
筒フィルム部1eの厚みは、一例として0.1mm〜0.3mmとすることができる。好ましくは、0.15mm〜0.2mmである。この筒フィルム部1eは、前記実施例同様に頭部11が肛門内に挿入されたとき、その筒フィルム部1eは柔軟で薄いため紐状に外部に導かれ、それが肛門外に露出される。
なお、この実施例においても、その挿入スティック6は前記実施例と同様に使用され、その軸部4が頭部11の係止孔3aに挿入される。
【符号の説明】
【0033】
1 筒フィルム
1a 小径部
1b 大径部
1c テーパ部
1d 開口端
1e 筒フィルム部
3 詰め物
3a 係止孔
3b ガス抜き溝
4 軸部
4a 膨出部
【0034】
5 把持部
5a 小径孔
5b 大径孔
6 挿入スティック
7 圧縮スプリング
8 端蓋
9 環状溝
10 環状凸部
11 頭部
12 本体
13 首部
【技術分野】
【0001】
本発明は、肛門より外部に脱出している内痔核を伴う外痔核(イボ痔)を肛門内部に戻して、痔の飛び出しに伴う痛みを無くすと共に、痔の治療効果を維持する脱肛防止補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、既に下記特許文献1の「脱肛防止補助具」を提案している。
これは図14に示す如く、一端が開放され他端が閉塞された所定以上長い風船状の柔軟で剛性のない皮膜部を有し、その皮膜部の閉塞端部に詰物が挿入されると共に、その詰物を含む閉塞端部が首状に閉塞されて、その首部を介し小頭部の反対側に皮膜部が肛門外に達する程度長く延在されたものである。
【0003】
直腸の下端の肛門は、直腸との間に歯状線が存在し、歯状線の直腸側には所謂クッションが存在している。さらにそれらの外周には、内括約筋及び外括約筋が取り巻いている。 このクッション体において、内痔核を伴う外痔核(イボ痔)が突出していることがある。これらは日常生活の中で肛門に様々な負担がかかり、直腸のクッションを支える組織が緩んだり切れたりすることにより、そのクッション自体が鬱血して大きくなるものである。
【0004】
そして、内痔核等が次第に大きくなると、排便時にその内痔核等が外側に脱出し、その後自然にそれが肛門内に戻っていく。ところがその内痔核がさらに大きくなり、図15の状態にまでになると、それが肛門外に脱出したままとなり、指で押し込まないと元に戻らない。このような状態を脱肛という。
このような脱肛は、その上部側が肛門の不随筋によって締め付けられている。そして内痔核が外に出た状態のままにしておくと、さらに症状が悪化し、痔が進行する原因となる(岩垂純一著・痔と上手につきあう本・株式会社講談社発行より)。
【0005】
下記特許文献1に記載されている本発明者による脱肛防止補助具は、その内痔核等を指で押し込んだ後に、図13の如く脱肛防止補助具の皮膜内に人差し指等を挿入し、その状態で肛門内に押し込み、先端の詰物によって内痔核等を保持する。そして指を引き抜くことにより、ゴム風船先端の詰物を肛門内に保持し、脱肛を防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3951209号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の脱肛防止補助具は、指でそれを肛門内に挿入した後に指を引き抜くと、その脱肛防止補助具自体も同時に引き抜かれることがあった。
これは肛門の不随筋の働きにより、それが指の周りを締め付けるため、その外周にある風船状のフィルムと指を圧着し、指と共にフィルムが外部に抜け出てしまうからである。
そこで本発明者は、各種実験研究の結果、不随筋の働きが生じても、引抜きの際にフィルムが逆戻りしない条件を見つけ、本発明を完成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、一端が開放され、他端が閉塞する柔軟で剛性のない筒状のフィルムからなる筒フィルム(1)と、
その筒フィルム(1)の閉塞端に配置され、後端に係止孔(3a)を有する詰め物(3)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム(1)に内装された前記詰め物(3)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、
を具備する脱肛防止補助具である。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記筒フィルム(1)は、その先端部直径が小径の小径部(1a)と、その後端部の大径部(1b)と、それらの間を接続するテーパ部(1c)とを有し、その小径部(1a)に前記詰め物(3)が挿入される脱肛防止補助具である。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記詰め物(3)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その詰め物(3)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具である。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、先端に頭部(11)を有し、その頭部(11)の後端の周縁に柔軟で剛性のない筒状フィルムからなる筒フィルム部(1e)を一体に有し、頭部(11)の後端の中心に係止孔(3a)が設けられた本体(12)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム部(1e)に内装された前記頭部(11)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、を具備する脱肛防止補助具である。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の脱肛防止補助具において、
前記頭部(11)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その頭部(11)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具である。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)は、筒状の前記把持部(5)に前記軸部(4)が圧縮スプリング(7)を介して出入自在に保持され、軸部(4)先端に軸方向後方への圧力が加わったとき、その軸部(4)が後方に移動しつつ、前方に進入するように付勢された脱肛防止補助具である。
請求項7に記載の本発明は、請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)の軸部(4)の直径が2mm〜4mmである脱肛防止補助具。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7に記載の脱肛防止補助具のいずれかにおいて、
挿入スティック(6)の軸部(4)先端外周が滑らかに面取り形成された脱肛防止補助具
【発明の効果】
【0014】
請求項1および請求項4に記載の本発明の脱肛防止補助具は、筒フィルム1または筒フィルム部1e(以下筒フィルム1等)と、その筒フィルム1等の端に位置する詰め物3または頭部11(以下詰め物3等)と、挿入スティック6とを有し、詰め物3等の係止孔3aに挿入スティック6の軸部4の先端を嵌着して肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、係止孔3aから挿入スティック6を引き抜くことができるように構成されたものである。
そのため、先端に詰め物3等を有する筒フィルム1等を肛門内に安全に且つ、容易に保持することができる。
これは、筒フィルム1等に被覆された詰め物3等を肛門内に挿入したとき、挿入スティック6の軸部4が小径であるため、その挿入スティック6を引き戻しても、そのとき筒フィルム1等全体が肛門外に引き出されるおそれがない。
また、肛門への挿入が軸部4を有する挿入スティック6によって行われるため、肛門内部を傷つけるおそれがなく、安全に詰め物3等を有する筒フィルム1等を肛門内に挿入することができる。
【0015】
請求項2に記載のように、筒フィルム1としてその先端部に小径部1aを形成し、後端部に大径部1bを形成し、それらの間をテーパ部1cで接続した場合には、詰め物3をその先端部に確実に保持して挿入し易く、体裁の良い脱肛防止補助具となる。
【0016】
請求項3または請求項5に記載のように、詰め物3等としてゴム弾性を有し、係止孔3aに挿入スティック6の軸部4先端を嵌着保持した場合には、脱肛防止補助具を肛門内により安全に保持することができる。
また、その詰め物3等の外周に軸線方向に複数のガス抜き溝3bを形成したので、本脱肛防止補助具を肛門内に挿入した状態で、放屁が可能となり、取り扱い易いものとなる。
【0017】
請求項6に記載のように、挿入スティック6の把持部5に軸部4を圧縮スプリング7を介して出入自在に保持した場合には、筒フィルム1が被覆された詰め物3を肛門に挿入するとき、痔の炎症部に痛みを生じることが少ない。
これは、その挿入時に軸部4の先端に軸方向後方への圧力が加わっても、軸部4が後方に移動しつつ、前方に進入するように付勢されているため、炎症を起こしている肛門に急激な強い圧力が加わることを防止できるからである。
【0018】
請求項7に記載のように、挿入スティック6の軸部4の直径を2〜4mmとした場合には、挿入スティック6の軸部4を肛門から引き抜くとき、肛門に違和感を感ぜず、確実にそれを引き抜くことができる。
実験によれば、4mmを超えると肛門の不随筋の働きにより軸部4の外周が締め付けられ、肛門からの引抜きに伴い、筒フィルム1が一緒に外に出てしまうおそれがある。2mm以下であると、挿入時の安定性に欠けるおそれがある。
【0019】
さらに、詰め物3の先端部外周および挿入スティック6の軸部4の先端外周を滑らかに面取りした場合には、より安全な脱肛防止補助具となる
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の脱肛防止補助具の斜視図。
【図2】同筒フィルム1の平面図及び正面図。
【図3】同詰め物3の正面図及び底面図並びにC−C断面図。
【図4】同脱肛防止補助具の挿入時における説明図。
【図5】同挿入スティック6の一部縦断面図。
【図6】同挿入スティック6の分解斜視図及び、筒フィルム1の斜視図。
【図7】同脱肛防止補助具の使用状態及び使用後の状態を示す説明図。
【図8】本発明の他の脱肛防止補助具の本体の斜視図。
【図9】同本体の正面図。
【図10】同平面図。
【図11】図9のXI−XI線縦断面図。
【図12】同脱肛防止補助具の使用説明図。
【図13】従来型の脱肛防止補助具の使用説明図。
【図14】同脱肛防止補助具の縦断面図。
【図15】肛門の脱肛炎症部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1及び図4は、本発明の脱肛防止補助具の実施の形態を示し、この脱肛防止補助具は筒フィルム1と詰め物3と挿入スティック6とを有する。
筒フィルム1は、図2に示す如く一端に開口端1dを有し、他端が閉塞する。そして、その後端部に大径部1b、先端部に小径部1a、それらの間にテーパ部1cを有する。この筒フィルム1は、柔軟で剛性のない筒状のフィルムからなり、ポリウレタン、ラテックスを用いることができる。ゴムアレルギーの対策としてポリウレタンが好ましい。色は透明または半透明が好ましい。これらは極めて伸びのよい、弾性的なものである。そのゴムの硬度は70〜75Hs JIS Aとすることができる。厚みは好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.1mm以下である。
【0022】
またその材質、伸びおよび厚みはコンドームと同一でも良い。そして、開口端1dはリング状に形成されている。なお、筒フィルム1の寸法は一例として全長が100mm程度で、小径部1a長さが20mm程度、小径部1aとテーパ部1cとの和が35mm程度である。小径部1aの自由直径は、6mm程度、テーパ部1cの自由直径は18mm程度である。その製品厚さは、好ましくは0.03〜0.04mmである。
【0023】
次に、筒フィルム1の小径部1aの閉塞端に挿入される詰め物3は、図3に示す如く、先端が半球状に滑らかに形成され、その外周にはこの例では90度毎に軸線方向にガス抜き溝3bが形成されている。そして、その底部には係止孔3aが設けられ、それが詰め物3の中間部まで深さまで存在する。この係止孔3aは、後述する挿入スティック6の軸部4の外直径と略同一である。
【0024】
詰め物3の材質は、一例として柔軟なシリコンゴムの成形体を用いることができる。それに代えてポリウレタン、ESBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)のブロックコポリマー等のエラストマーを使用することができる。即ち、室温でゴム弾性を有する高分子物質であって、室温で伸ばすと2倍以上に伸び、外力を取り除いたとき、瞬間的に元の形に戻る。好ましくは、そのゴム弾性は15A〜35A(A型試験器で15〜35point)程度である。詰め物3の外直径は筒フィルム1の小径部1aよりも大であり、それを筒フィルム1の小径部1aに装着したとき、図1及び図4に示す如く、小径部1aを拡開して、それが詰め物3の外周形状と同一になる。そして小径部1aの根元部は括れた状態になる。なお、詰め物3の外直径は、一例として14mm程度、長さ15mm程度、詰め物3の先端の曲率半径は7mm程度、係止孔3aの直径は3.5mm程度、深さ8mm程度、ガス抜き溝3bの半径は2mm程度とすることができる。
【0025】
次に、挿入スティック6は、図5及び図6の如く、把持部5と軸部4と圧縮スプリング7と端蓋8とからなる。
把持部5は筒状に形成され、その先端に小径孔5aが形成されると共に、その後方に大径孔5bが形成され、さらに後端内面に環状溝9が設けられている。軸部4はその後端に膨出部4aが一体に形成されている。この挿入スティック6の材質は、一例としてジュケラコンを用いることができる。
軸部4及び把持部5の長さは夫々一例として60mm程度である。そして、大径孔5bの長さは50mm程度である。大径孔5bに挿入される圧縮スプリング7の自由長さは60mm程度である。これはコイルスプリングからなり、圧縮状態で把持部5内に装着される。
【0026】
そして、把持部5に軸部4と圧縮スプリング7と端蓋8とを順に装着し、端蓋8の環状凸部10を環状溝9に係止して図5の状態にする。このとき圧縮スプリング7は、軸部4を軸方向先端側に付勢している。その付勢力は比較的弱く、軸部4の先端に後方への圧力が加わったとき容易に軸部4が把持部5側に移動できる程度のものである。
【0027】
(作用)
次に、本脱肛防止補助具の使い方につき述べる。
先ず、図4に示すように筒フィルム1の小径部1aに詰め物3が挿入された状態で、挿入スティック6の軸部4の先端を詰め物3の係止孔3aに嵌着して準備をする。次いで、脱肛した部分を肛門内部に指で戻した後に、図4の状態に組立てた本脱肛防止補助具の把持部5を把持し、筒フィルム1と共に詰め物3を肛門から挿入する。このとき肛門の不随筋の働きにより、詰め物3に後方への押圧力が加わる。すると、軸部4が圧縮スプリング7に抗して後方に移動し、その衝撃を和らげる。
【0028】
次いで、圧縮スプリング7の弾発力により、肛門に刺激を与えることなく、詰め物3が肛門内に挿入される。そして、把持部5の上端面が肛門の入口まで挿入されたら、その把持部5を周方向に軽く回しながら引き抜く。このとき軸部4の軸径はきわめて細いので、肛門の不随筋がそれを締め付けても、容易に挿入スティック6のみを抜き取ることができる。実験によれば、軸部4の直径が4mm以上だと、肛門の不随筋の働きにより挿入スティック6を引き抜くとき同時に筒フィルム1が引き出される傾向がある。軸部4が2mm以下だと強度的に弱く、挿入時の安定性に欠ける欠点があることが判った。
【0029】
図7(A)はその挿入状態を示す一例であり、次いで、挿入スティック6を引き抜くと、同図(B)の状態になる。この状態で、筒フィルム1の開口部を軽く引っ張っても詰め物3部分が抜け出なければよい。それにより、脱肛部分は肛門内部に保持され、それが自然に外側に出ることがない。
また、腸内のガスを放出する際には、詰め物3の外周に設けたガス抜き溝3bの存在によりそこを通ってガスが外部へ抜け出す。
本脱肛防止補助具を取り出すには、筒フィルム1の開口部を強く引っ張ればよい。
【0030】
図8〜図11は、本発明の脱肛防止補助具の他の例を示すその本体12であり、図12はその使用状態を示すものである。
この補助具の本体12が前記実施例と異なる点は、前記実施例では筒フィルム1と詰め物3が別体であったが、この例では、前記実施例の詰め物3に相当する頭部11と、筒フィルム1に相当する筒フィルム部1eとが一体に形成されたものである。即ち、筒フィルム部1eと頭部11とは共に同一材料の一体成形体(射出成形)よりなる。両者は、医療用ウレタンゴムやシリコンゴム等を使用することができる。
【0031】
そしてこの本体12は、その先端に頭部11を有し、その頭部11の後端に首部13を介し、その周縁に柔軟で剛性のない筒状フィルムからなる筒フィルム部1eを一体に有する。頭部11の後端の中心には、係止孔3aが設けられている。また、筒フィルム部1eはその開口端1dが、中間部から後端に向けて斜めに切り取られたような形状を有する。このようにすることにより、挿入スティック6を紛失したとき、指をその筒フィルム部1e内に開口端1dから挿入し易くしたものである。さらには、その柔軟性を向上させたものである。
【0032】
筒フィルム部1eの厚みは、一例として0.1mm〜0.3mmとすることができる。好ましくは、0.15mm〜0.2mmである。この筒フィルム部1eは、前記実施例同様に頭部11が肛門内に挿入されたとき、その筒フィルム部1eは柔軟で薄いため紐状に外部に導かれ、それが肛門外に露出される。
なお、この実施例においても、その挿入スティック6は前記実施例と同様に使用され、その軸部4が頭部11の係止孔3aに挿入される。
【符号の説明】
【0033】
1 筒フィルム
1a 小径部
1b 大径部
1c テーパ部
1d 開口端
1e 筒フィルム部
3 詰め物
3a 係止孔
3b ガス抜き溝
4 軸部
4a 膨出部
【0034】
5 把持部
5a 小径孔
5b 大径孔
6 挿入スティック
7 圧縮スプリング
8 端蓋
9 環状溝
10 環状凸部
11 頭部
12 本体
13 首部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開放され、他端が閉塞する柔軟で剛性のない筒状のフィルムからなる筒フィルム(1)と、
その筒フィルム(1)の閉塞端に配置され、後端に係止孔(3a)を有する詰め物(3)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム(1)に内装された前記詰め物(3)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、
を具備する脱肛防止補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記筒フィルム(1)は、その先端部直径が小径の小径部(1a)と、その後端部の大径部(1b)と、それらの間を接続するテーパ部(1c)とを有し、その小径部(1a)に前記詰め物(3)が挿入される脱肛防止補助具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記詰め物(3)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その詰め物(3)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具。
【請求項4】
先端に頭部(11)を有し、その頭部(11)の後端の周縁に柔軟で剛性のない筒状フィルムからなる筒フィルム部(1e)を一体に有し、頭部(11)の後端の中心に係止孔(3a)が設けられた本体(12)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム部(1e)に内装された前記頭部(11)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、を具備する脱肛防止補助具。
【請求項5】
請求項4に記載の脱肛防止補助具において、
前記頭部(11)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その頭部(11)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具。
【請求項6】
請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)は、筒状の前記把持部(5)に前記軸部(4)が圧縮スプリング(7)を介して出入自在に保持され、軸部(4)先端に軸方向後方への圧力が加わったとき、その軸部(4)が後方に移動しつつ、前方に進入するように付勢された脱肛防止補助具。
【請求項7】
請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)の軸部(4)の直径が2mm〜4mmである脱肛防止補助具。
【請求項8】
請求項1〜請求項7に記載の脱肛防止補助具のいずれかにおいて、
挿入スティック(6)の軸部(4)先端外周が滑らかに面取り形成された脱肛防止補助具。
【請求項1】
一端が開放され、他端が閉塞する柔軟で剛性のない筒状のフィルムからなる筒フィルム(1)と、
その筒フィルム(1)の閉塞端に配置され、後端に係止孔(3a)を有する詰め物(3)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム(1)に内装された前記詰め物(3)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、
を具備する脱肛防止補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記筒フィルム(1)は、その先端部直径が小径の小径部(1a)と、その後端部の大径部(1b)と、それらの間を接続するテーパ部(1c)とを有し、その小径部(1a)に前記詰め物(3)が挿入される脱肛防止補助具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記詰め物(3)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その詰め物(3)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具。
【請求項4】
先端に頭部(11)を有し、その頭部(11)の後端の周縁に柔軟で剛性のない筒状フィルムからなる筒フィルム部(1e)を一体に有し、頭部(11)の後端の中心に係止孔(3a)が設けられた本体(12)と、
前記係止孔(3a)に挿脱自在に嵌着する小径の軸部(4)を一端側に有し、他端側に軸部(4)より大径の把持部(5)を有し、前記筒フィルム部(1e)に内装された前記頭部(11)の前記係止孔(3a)に前記軸部(4)先端を嵌着して、肛門にそれらを挿入し、次いでそれらを肛門内に保持した状態で、前記係止孔(3a)から全体を引き抜くことができるように構成された挿入ステック(6)と、を具備する脱肛防止補助具。
【請求項5】
請求項4に記載の脱肛防止補助具において、
前記頭部(11)は、ゴム弾性を有し、その係止孔(3a)に挿入スティック(6)の軸部(4)先端が嵌着されて保持され、その頭部(11)の先端部外周が滑らかに面取り形成され、その外周に軸線方向へ複数のガス抜き溝(3b)が形成された脱肛防止補助具。
【請求項6】
請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)は、筒状の前記把持部(5)に前記軸部(4)が圧縮スプリング(7)を介して出入自在に保持され、軸部(4)先端に軸方向後方への圧力が加わったとき、その軸部(4)が後方に移動しつつ、前方に進入するように付勢された脱肛防止補助具。
【請求項7】
請求項1または請求項4に記載の脱肛防止補助具おいて、
前記挿入スティック(6)の軸部(4)の直径が2mm〜4mmである脱肛防止補助具。
【請求項8】
請求項1〜請求項7に記載の脱肛防止補助具のいずれかにおいて、
挿入スティック(6)の軸部(4)先端外周が滑らかに面取り形成された脱肛防止補助具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−16577(P2012−16577A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116234(P2011−116234)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(501223629)有限会社協都工業 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(501223629)有限会社協都工業 (1)
【Fターム(参考)】
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