説明

脱臭処理装置

【課題】 簡潔構造で臭気ガスの脱臭を確実に行う脱臭処理装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の脱臭処理装置10は、内部に形成された活性炭層31a、31bの上方まで貯留水W1で覆われ、活性炭層31a、31bの下方に臭気ガスがバブル状となって送入され、活性炭層31a、31bにより脱臭した脱臭処理ガスを送出する容器12が設けられた第1の脱臭処理ユニット11と、内部に形成された活性炭層32の上方まで貯留水W2で覆われ、第1の脱臭処理ユニット11から送出する脱臭処理ガスが送入され、活性炭層32によりさらに脱臭した脱臭ガスを排出する容器22が設けられた第2の脱臭処理ユニット21とを備え、第2の脱臭処理ユニット21の上方から送出した貯留水にオゾンをバブル状に混入して第1の脱臭処理ユニット11に送入するとともに第2の脱臭処理ユニット21にも送入することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡潔構造で臭気ガスの脱臭を確実に行う脱臭処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の脱臭処理装置には、細菌により臭気物質を酸化分解して臭気ガスの脱臭をする生物脱臭法があるが(例えば、特許文献1参照)、処理ガスの温度低下により臭気物質の分解活性が低下するため、スプレー水の散水などを必要とし複雑構造とする必要があったなどの問題があった。また、活性炭の吸着作用を利用する活性炭吸着法があるが(例えば、特許文献2参照)、強力な臭気ガスには処理能力が不足するという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2003−210931号公報
【特許文献2】 特開2010−253246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、簡潔構造で臭気ガスの脱臭を確実に行う脱臭処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の脱臭処理装置は、内部に形成された活性炭層の上方まで貯留水で覆われ、前記活性炭層の下方に臭気ガスがバブル状となって送入され、前記活性炭層により脱臭した脱臭処理ガスを送出する容器が設けられた第1の脱臭処理ユニットと、内部に形成された活性炭層の上方まで貯留水で覆われ、前記第1の脱臭処理ユニットから送出する前記脱臭処理ガスが送入され、前記活性炭層によりさらに脱臭した脱臭ガスを排出する容器が設けられた第2の脱臭処理ユニットとを備え、前記第2の脱臭処理ユニットの上方から送出した前記貯留水にオゾンをバブル状に混入して前記第1の脱臭処理ユニットに送入するとともに前記第2の脱臭処理ユニットにも送入するオゾン発生器とを備えることとした。
さらに、前記第1の脱臭処理ユニットと前記第2の脱臭処理ユニットとの間に設けられ、前記第1の脱臭処理ユニットの前記貯留水が増加したとき前記第2の脱臭処理ユニットに前記貯留水を送出することとした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の脱臭処理装置は、内部に形成された活性炭層の上方まで貯留水で覆われ、前記活性炭層の下方に臭気ガスがバブル状となって送入され、前記活性炭層により脱臭した脱臭処理ガスを送出する容器が設けられた第1の脱臭処理ユニットと、内部に形成された活性炭層の上方まで貯留水で覆われ、前記第1の脱臭処理ユニットから送出する前記脱臭処理ガスが送入され、前記活性炭層によりさらに脱臭した脱臭ガスを排出する容器が設けられた第2の脱臭処理ユニットとを備え、前記第2の脱臭処理ユニットの上方から送出した前記貯留水にオゾンをバブル状に混入して前記第1の脱臭処理ユニットに送入するとともに前記第2の脱臭処理ユニットにも送入することとしたため、簡潔構造で臭気ガスの脱臭を確実に行うことができる。
さらに、前記第1の脱臭処理ユニットと前記第2の脱臭処理ユニットとの間に設けられ、前記第1の脱臭処理ユニットの前記貯留水が増加したとき前記第2の脱臭処理ユニットに前記貯留水を送出する連通管を備えることとしたため、第1の脱臭処理ユニットと第2の脱臭処理ユニットとの貯留水を常に一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の実施の形態の脱臭処理装置の外観図を示す。
【図2】 本発明の実施の形態の脱臭処理装置の一部断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態の脱臭処理装置につき説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態の脱臭処理装置の外観図を示す。
本発明の第1の実施の形態の脱臭処理装置10は、図1に示すように、第1の脱臭処理ユニット11と、第2の脱臭処理ユニット21と、オゾン発生器18とで簡潔に構成されている。
第1の脱臭処理ユニット11には、脱臭処理ガスS2を送出する送出筒13と、油煙などの臭気ガスS1を送入する臭気ガス送入管14と、オゾン発生器18よりのオゾンをバブル状に混入するマイクロバブル発生器16、17とが容器12に設けられ、第2の脱臭処理ユニット21には、脱臭ガスHを排出する排出筒23と、オゾン発生器18よりのオゾンをバブル状に混入するマイクロバブル発生器26と、貯留水を抜く水抜28とが容器22に設けられている。
第1の脱臭処理ユニット11と第2の脱臭処理ユニット21との間には、脱臭処理ガスS2を送出する脱臭処理ガス送出管15と、第2の脱臭処理ユニット21の上方から貯留水を送出しマイクロバブル発生器26に接続する貯留水送出管24と、貯留水送出管24に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器17に接続する貯留水送出管24aと、貯留水送出管24に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器16に接続する貯留水送出管24bと、オゾン発生器18に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器17に接続するオゾン送出用配管25aと、オゾン発生器18に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器16に接続するオゾン送出用配管25bと、オゾン発生器18に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器26に接続するオゾン送出用配管25cとが設けられている。
【0010】
図2は、本発明の実施の形態の脱臭処理装置の一部断面図を示す。
本発明の第1の実施の形態の脱臭処理装置10は、図2に示すように、第1の脱臭処理ユニット11と、第2の脱臭処理ユニット21と、オゾン発生器18とで構成されている。
第1の脱臭処理ユニット11には、脱臭処理ガスS2を送出する送出筒13と、油煙などの臭気ガスS1を送入する臭気ガス送入管14と、オゾン発生器18よりのオゾンをバブル状に混入するマイクロバブル発生器16、17とが容器12に設けられ、第2の脱臭処理ユニット21には、脱臭ガスHを排出する排出筒23と、ゾン発生器18よりのオゾンをバブル状に混入するマイクロバブル発生器26と、貯留水を抜く水抜28とが容器22に設けられている。
第1の脱臭処理ユニット11と第2の脱臭処理ユニット21との間には、脱臭処理ガスS1を送出する脱臭処理ガス送出管15と、第2の脱臭処理ユニット21の上方からの貯留水を送出しマイクロバブル発生器26に接続する貯留水送出管24と、貯留水送出管24に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器17に接続する貯留水送出管24aと、貯留水送出管24に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器16に接続する貯留水送出管24bと、オゾン発生器18に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器17に接続するオゾン送出用配管25aと、オゾン発生器18に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器16に接続するオゾン送出用配管25bと、オゾン発生器18に一方の端部が接続し他方の端部がマイクロバブル発生器26に接続するオゾン送出用配管25cとが設けられている。
【0011】
第1の脱臭処理ユニット11の内部には、2個の活性炭層31a、31bが設けられ、活性炭層31aの上方まで貯留水W1で覆われ、送出筒13に設けたファン13aにより貯留水W1の上面に負圧が発生するため、臭気ガス送入管14より送入した油煙などの臭気ガスS1が臭気ガス送入管14の端部に設けられたスリット19によりバブル状となって活性炭層31aの下方に送入される。活性炭層31aにより脱臭した脱臭処理ガスS2はファン13aにより脱臭処理ガス送出管15から送出する
第2の脱臭処理ユニット21の内部には、活性炭層32が設けられ、活性炭層32の上方まで貯留水W2で覆われ、脱臭処理ガス送出管15から送出する脱臭処理ガスS2はバブル状となって活性炭層32の下方に送入される。送入された脱臭処理ガスS2は活性炭層32により脱臭され排出管23より排出する。
第1の脱臭処理ユニット11にはマイクロバブル発生器16、17が設けられ、第2の脱臭処理ユニット21にはマイクロバブル発生器26が設けられており、第2の脱臭処理ユニット21に設けられたポンプ33により活性炭層32の上方の貯留水W2が貯留水送出管24によりマイクロバブル発生器26に送出される。また、貯留水送出管24に接続した貯留水送出管24aにより貯留水W2がマイクロバブル発生器17に送出され、貯留水送出管24に接続した貯留水送出管24bにより貯留水W2がマイクロバブル発生器16に送出される。
マイクロバブル発生器17は、オゾン発生器18より発生したオゾンがオゾン送出用配管25aにより送入され、貯留水送出管24により送入した貯留水W2にオゾンをバブル状に混入して第1の脱臭処理ユニットの2個の活性炭層31a、31bの間に送入する。
マイクロバブル発生器16は、オゾン発生器18より発生したオゾンがオゾン送出用配管25bにより送入され、貯留水送出管24bにより送入した貯留水W2にオゾンをバブル状に混入して第1の脱臭処理ユニット11の活性炭層31bの下側に送入する。
マイクロバブル発生器26は、オゾン発生器18より発生したオゾンがオゾン送出用配管25cにより送入され、貯留水送出管24により送入した貯留水W2にオゾンをバブル状に混入して第2の脱臭処理ユニット21の活性炭層32の下側に送入する。
【0012】
そのため、臭気ガス送入管14より送入した油煙などの臭気ガスS1は、第1の脱臭処理ユニット11では、臭気ガス送入管14の端部に設けられたスリット19によりバブル状となって活性炭層31aの下方に送入され、活性炭層31aにより脱臭され、脱臭した脱臭処理ガスS2がファン13aにより脱臭処理ガス送出管15から送出し、第2の脱臭処理ユニット21では、脱臭処理ガス送出管15から送出する脱臭処理ガスS2はバブル状となって活性炭層32の下方に送入され活性炭層32により脱臭される。
さらに、第2の脱臭処理ユニット21に貯水する活性炭層32の上方の貯留水W2は、第1の脱臭処理ユニット11に設けられたマイクロバブル発生器16、17と、第2の脱臭処理ユニット21に設けられたマイクロバブル発生器26に戻される。
【0013】
マイクロバブル発生器17では、戻された貯留水W2にオゾン発生器18より発生したオゾンをバブル状に混入して第1の脱臭処理ユニット11の2個の活性炭層31a、31bの間に送入し、戻された貯留水W2に混入し残された臭気ガスの脱臭と、臭気ガス送入管14より送入しバブル状となった臭気ガスS1の脱臭とが行われ、さらに、戻された貯留水W2に混入し残された臭気ガスの脱臭が活性炭層31aでも行われる。
マイクロバブル発生器16では、戻された貯留水W2にオゾン発生器18より発生したオゾンをバブル状に混入して第1の脱臭処理ユニット11の活性炭層31bの下側に送入し、戻された貯留水W2に混入し残された臭気ガスの脱臭と、臭気ガス送入管14より送入しバブル状となった臭気ガスS1の脱臭とが行われ、さらに、戻された貯留水W2に混入し残された臭気ガスの脱臭が活性炭層31a、31bでも行われる。
マイクロバブル発生器26では、戻された貯留水W2にオゾン発生器18より発生したオゾンをバブル状に混入して第2の脱臭処理ユニット21の活性炭層31bの下側に送入し、戻された貯留水W2に混入し残された臭気ガスの脱臭と、脱臭処理ガス送出管15より送入しバブル状となった脱臭処理ガスS2の脱臭とが行われる。
また、脱臭処理装置10は、第2の脱臭処理ユニット21から貯留水W2が戻されることにより第1の脱臭処理ユニット11の貯留水W2が増加したとき第2の脱臭処理ユニット21に貯留水を送出する連通管27が第1の脱臭処理ユニット11と第2の脱臭処理ユニット21との間に設けられている。そのため、第1の脱臭処理ユニット11と第2の脱臭処理ユニット21との貯留水を常に一定に保つことができる。
【0014】
以上述べたごとく、本発明の実施の形態の脱臭処理装置10は、活性炭層31a、31bと活性炭層31による脱臭と、オゾン発生器18より発生したオゾンによる脱臭とが行はれるとともに、戻された貯留水W2に混入し残された臭気ガスの脱臭も連続的に行われ、排出筒23から脱臭が効果的に行われた脱臭ガスHを排出し、脱臭を確実に行うことができる。
なお、本発明の実施の形態の脱臭処理装置10は、第1の脱臭処理ユニット11では、2個の活性炭層31a、31bと、2個のマイクロバブル発生器16、17とを設けることとしたが、活性炭層は1個とすることも3個以上とすることもでき、また、マイクロバブル発生器も活性炭層に応じた数とし設置した複数の活性炭層の間や下側に設けることができる。
また、第2の脱臭処理ユニット21では、1個の活性炭層32と、1個のマイクロバブル発生器26を設けることとしたが、活性炭層は複数とすることもでき、また、マイクロバブル発生器も活性炭層に応じた数とし設置した複数の活性炭層の間や下側に設けることができる。
【0015】
なお、本発明の実施の形態の脱臭処理装置は、焼肉店などで油煙などの脱臭に限らず、その他、工場や一般家庭などに脱臭装置として幅広く使用することもできる。
また、マイクロバブル発生器16、17は、オゾンをバブル状にして混入することとしたが、これに限定することなく、過酸化水素などの気体や、ヒドロキシラジカルOHを始めとする活性ラジカル種などの液体の酸化物質を混入することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、焼肉店などで油煙などの脱臭を効果的に行うことができるが、焼肉店や油煙など限らず、工場や一般家庭などに脱臭装置として幅広く使用することができる。
【符号の説明】
【0017】
10 脱臭処理装置
11 第1の脱臭処理ユニット
14 臭気ガス送入管
15 脱臭処理ガス送出管
16、17 マイクロバブル発生器
18 オゾン発生器
21 第2の脱臭処理ユニット
24 貯留水送出管
26 マイクロバブル発生器
31a、31b、32 活性炭層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に形成された活性炭層の上方まで貯留水で覆われ、前記活性炭層の下方に臭気ガスがバブル状となって送入され、前記活性炭層により脱臭した脱臭処理ガスを送出する容器が設けられた第1の脱臭処理ユニットと、内部に形成された活性炭層の上方まで貯留水で覆われ、前記第1の脱臭処理ユニットから送出する前記脱臭処理ガスが送入され、前記活性炭層によりさらに脱臭した脱臭ガスを排出する容器が設けられた第2の脱臭処理ユニットとを備え、前記第2の脱臭処理ユニットの上方から送出した前記貯留水にオゾンをバブル状に混入して前記第1の脱臭処理ユニットに送入するとともに前記第2の脱臭処理ユニットにも送入することを特徴とする脱臭処理装置。
【請求項2】
前記第1の脱臭処理ユニットと前記第2の脱臭処理ユニットとの間に設けられ、前記第1の脱臭処理ユニットの前記貯留水が増加したとき前記第2の脱臭処理ユニットに前記貯留水を送出する連通管を備えたことを特徴とする脱臭処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−43171(P2013−43171A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198834(P2011−198834)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(510311838)
【Fターム(参考)】