説明

脱臭制御システム

【課題】専用ダクト、送風機、ダンパ等の機器を極力減らし、設備投資を少なくする。
【解決手段】建物6内部の臭気発生源B1の臭気ガスの濃度を検出する臭気センサS1、建物6の外部に設置され、臭気ガスを脱臭する脱臭装置M1、建物6内外の空気を吸排する吸排気口7、一端が建物6内部と連通し他端に開口部1を有する第一ダクト2、第一ダクト2と脱臭装置M1とをつなぐ第二ダクト3、第一ダクト2の一端側に設置され、正転及び逆転により排気及び吸気する送風機F1、第一ダクト2の他端側に設置され、第一ダクト2の通風量を制御する第一ダンパD1、第一ダクト2と第二ダクト3との合流部に設置され第一ダクト2から第二ダクト3への通風量を制御する第二ダンパD2、脱臭装置M1の起動及び停止を制御し、送風機F1正転、逆転及び停止を制御し、第一ダンパD1及び第二ダンパD2の開閉を制御する動力制御回路K1を備えたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理場などの建物内にある臭気発生源から発生した臭気ガスを、脱臭装置で脱臭する脱臭制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
悪臭の処置義務については悪臭防止法により定められているところであるが、特に下水処理場においては、処理場周辺の住宅化の進行や、住宅に隣接した場所へ新設される集中豪雨対策のための雨水合流改善用ポンプ場の増加等により、住民の住居環境維持のために、臭気対策を行う設備である脱臭設備は必要不可欠な設備となってきている。
【0003】
特に、日本の梅雨時期のように湿度が上昇して風がなく、どんよりした雲の多い季節においては、湿気を有する大気中に溶け込んだアンモニア等の臭気ガスが拡散しやすくなる。
【0004】
しかしながら、臭気が強いというイメージがある下水処理場といえども、設備の種類や、建物の場所、季節、時間帯、さらには流入してくる汚水の水質により臭気ガスの発生状況は異なり、設備の種類や場所、時間帯によっては、専用の脱臭設備を必要とせず、通常換気で十分である場合も多い。
【0005】
そのような場合、下水処理場内と言えども一般的に使用される建物内空間全体の空気を入れ替えるいわゆる全体換気方式を用いるのが望ましい。また、対象となる臭気成分が、熱気流、水蒸気、臭気、タバコ煙、油煙、塵埃空気等のような人体に影響しないような種類の場合には排気方式とし、対象となる臭気成分が、例えば、硫化水素等のような人体に影響し得る種類の場合には外気を建屋内空間に吸気して建物内全体に拡散させて硫化水素濃度を希釈する吸気方式とするのが望ましい。そのため、排気用のダクト及び排気用の送風機と吸気用のダクト及び吸気用の送風機とを設けている。
【0006】
また、臭気ガスの主成分であるアンモニア、硫化水素、メルカプタン等の混合ガスを除去するための対策として、活性炭吸着法、生物脱臭法、化学薬品中和法、燃焼法などにあげられる各種脱臭技術を用いた脱臭設備を設ける。この脱臭装置本体において、ランニングコストが高いものが多いため、より効率のよい運用を行うことで、ランニングコストを低減する方法が求められている。
【0007】
この脱臭設備のランニングコストを低減するために、例えば、特許文献1においては、対象となる汚染空気中の臭気ガス濃度を臭気センサで検出し、検出した臭気ガス濃度が、設定値以下の場合はそのまま大気に放出し、設定値を超えた場合には活性炭吸着法で処理した後大気に放出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−115019号公報(第2頁−第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、臭気ガスの人体に対する影響に応じて吸気方式としたり排気方式とする場合、吸気用の送風機と排気用の送風機、それぞれの送風機が取り付けられる専用のダクト及びダンパ等を設置する等のため設備投資にコストがかかり、また、ランニングコストが高くなるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、専用ダクト等の設備、送風機、ダンパ等の構成機器を極力減らし、設備投資を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る第1の脱臭制御システムは、建物内部にある臭気発生源の臭気ガスの濃度及び種類を検出する臭気センサ、
上記建物の外部に設置され、上記臭気ガスを脱臭する脱臭装置、
上記建物外及び建物内の空気を吸排するための吸排気口、
一端が上記建物内部と連通し他端に上記建物外への開口部を有する第一ダクト、
上記第一ダクトと上記脱臭装置とをつなぐ第二ダクト、
上記第一ダクトの上記一端側に設置され、排気ファン及び吸気ファンとして機能する送風機、
上記第一ダクトの上記他端側に設置され、上記第一ダクトの通風量を制御する第一ダンパ、
上記第一ダクトと上記第二ダクトとの合流部に設置され上記第一ダクトから上記第二ダクトへの通気量を制御する第二ダンパ、
上記脱臭装置の起動及び停止を制御し、上記送風機の排気、吸気及び停止を制御し、上記第一ダンパ及び第二ダンパの開閉を制御する動力制御回路を備えたものである。
【0012】
本発明に係る第2の脱臭制御システムは、建物内部にある複数の臭気発生源それぞれの臭気ガスの濃度及び種類を検出する複数の臭気センサ、
上記建物の外部に設置され、上記臭気ガスを脱臭する脱臭装置、
上記建物外及び建物内の空気を吸排するための吸排気口、
上記臭気発生源それぞれに近い位置に配置され、排気ファン及び吸気ファンとして機能する複数の送風機、
一端に上記送風機それぞれが設置され上記建物内部と連通し他端に上記建物外への開口部を有する第一ダクト、
上記第一ダクトそれぞれと上記脱臭装置とをつなぐ第二ダクト、
上記第一ダクトそれぞれの上記他端側に設置され、上記第一ダクトの通風量を制御する第一ダンパ、
上記第一ダクトそれぞれと上記第二ダクトとの合流部に設置され上記第一ダクトから上記第二ダクトへの通風量を制御する第二ダンパ、
上記脱臭装置の起動及び停止を制御し、上記送風機それぞれを排気ファン、吸気ファンまたは停止とし、上記第一ダンパそれぞれ及び第二ダンパそれぞれの開閉を制御する動力制御回路を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る第1の脱臭制御システムによれば、第一ダクトに排気ファン及び吸気ファンの切り替え制御ができる送風機を設置することによって、第一ダクトを排気用及び吸気用に共用することができ、また、1台の送風機の設置ですむので設備投資を低減することができる。
【0014】
本発明に係る第2の脱臭制御システムによれば、建物内部にある複数の臭気発生源それぞれに近い位置に排気ファン及び吸気ファンの切り替え制御ができる送風機を設置し、第一ダクトに上記送風機を設置することによって、第一ダクトそれぞれを排気用及び吸気用に共用することができるので設備投資を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る脱臭制御システムの実施の形態1を示す構成図である。
【図2】図1に示した動力制御回路の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る脱臭制御システムの実施の形態2を示す構成図である。
【図4】図3に示した動力制御回路の内部構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2の臭気発生源の状態と各機器の動作状態の遷移をまとめた図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る脱臭制御システムの実施の形態1を示す構成図であり、例えば、下水処理場内の建物内にある臭気発生源からの臭気ガスを脱臭する脱臭装置を備えた脱臭制御システムの構成図である。
【0017】
図1において、本実施の形態1の脱臭制御システムは、建物6外部に配設されて臭気ガスを脱臭する脱臭装置M1、建物6内にあり臭気ガス等強い臭気を発生させる臭気発生源B1、臭気発生源B1の近くに設置された臭気ガスの濃度及び種類を検知する臭気センサS1、一端が建物6内部と連通し他端に開口部1を有する第一ダクト2、第一ダクト2の一端側に設置された排気ファン及び吸気ファンとして機能する送風機F1、第一ダクト2の他端側に設置され、第一ダクト2の通気量を制御するための第一ダンパD1、脱臭装置M1と第一ダクト2とをつなぐ第二ダクト3、第一ダクト2と第二ダクト3の合流部に設置され、第一ダクト2から第二ダクト3内への通気量を制御するための第二ダンパD2、送風機F1の正転及び逆転を制御し、第一ダンパD1及び第二ダンパD2の開閉を制御し、脱臭装置M1の起動及び停止を制御をする機能並びに臭気センサS1からの信号を基に検出された信号が設定値以上か否か判断する機能を有する動力制御回路K1を備えている。送風機F1が正転及び逆転することにより、第一ダクト2は排気及び吸気に共用される。設定値は、悪臭防止法に規定された臭気ガス濃度に基づき、脱臭が必要な所定の値に設定される。
【0018】
図2は、図1に示した動力制御回路K1の内部構成を示すブロック図である。
図2に示したように、動力制御回路K1は、臭気センサS1の検出信号が入力される第一インタフェース部10と、第一インタフェース部10を介して入力される臭気センサS1の検出信号に基づき各種制御を担うコントローラ部12と、電源A1と、送風機F1、第一ダンパD1、第二ダンパD2及び脱臭装置M1と接続され、コントローラ部12の指令により送風機F1を駆動または停止させ、第一ダンパD1及び第二ダンパD2を開閉させ、脱臭装置M1を起動または停止させる機能を持つ駆動回路部13と、臭気制御システムにおける「手動」11aあるいは「自動」11bといったモード切替信号や、「起動」11c、「停止」11d、「開」11e、「閉」11f、「正転」11g、「逆転」11hといった状態制御信号を取り込む第二インタフェース部11と、臭気制御システムのモード切替信号や状態制御信号の状態を表示する表示部14を備える。各機器毎にそれぞれに対応する状態制御信号を設ける。具体的には、送風機F1に対する状態制御信号は、「正転」「逆転」「停止」とし、脱臭装置M1に対する状態制御信号は、「起動」「停止」とし、第一ダンパD1及び第二ダンパD2に対する状態制御信号は、「開」「閉」とする。
【0019】
図1に示した脱臭制御システムの動作内容を図2を参照して説明する。
図2において、電源A1が供給されると、コントローラ部12が起動される。第二インタフェース部11より「手動」11aモードが入力され、臭気制御システムのモードが「手動」11aモードになっている場合は、第二インタフェース部11より入力される各個別機器の制御指令「起動」11c、「停止」11d、「開」11e、「閉」11fに基づき、コントローラ部12から駆動回路部13に指令を出し、送風機F1、第一ダンパD1、第二ダンパD2、脱臭装置M1を個別に制御することができる。
【0020】
例えば、臭気制御システムのモードが「手動」モードになっている時、第二インタフェース部11より送風機F1の制御指令「正転」11gが入力されると、コントローラ部12より駆動回路部13へ送風機F1のモータを正転駆動させるように制御指令が出される。
【0021】
次に、図2の第二インタフェース部11より「自動」11bモードが入力され、臭気制御システムのモードが「自動」モードになっている場合について説明する。臭気制御システムのモードが「自動」モードになっている場合は、第一インタフェース部10を介してコントローラ部12に入力される臭気センサS1の検出信号に基づいて制御が行われる。
【0022】
図2において、コントローラ部12は、臭気センサS1によって検出された臭気ガスの濃度が脱臭を必要とする所定の設定値以下で臭気ガスが人体に影響しない種類である場合、駆動回路部13に対して、脱臭装置M1を停止し、第一ダンパD1を全開、第二ダンパD2を全閉とする指令を出す。
【0023】
さらに、コントローラ部12は、駆動回路部13に対して、送風機F1を排気ファンとして機能させるため、建物6内部から開口部1方向に送風するように送風機F1を回転させる(本例では、正転方向とする)指令を出し、空気が吸排気口7から建物6内部に流入し、建物6内部の空気は、第一ダクト2を通って開口部1から排出される。
【0024】
図2において、コントローラ部12は、臭気センサS1によって検出された臭気ガスの濃度が上記設定値以下で臭気ガスが、例えば、硫化水素のような人体に影響し得る種類のものである場合、駆動回路部13に対して、脱臭装置M1を停止し、第二ダンパD2を全閉、第一ダンパD1を全開とする指令を出す。
【0025】
さらに、コントローラ部12は、駆動回路部13に対して、送風機F1を吸気ファンとして機能させるため、開口部1から建物6内部方向に送風するように送風機F1を回転させる(本例では、逆転方向とする)指令を出し、外部の空気を開口部1から建物6内部の方向に送風し、空気を建物6内部に拡散させて臭気ガス濃度を希釈し吸排気口7から排出する。
【0026】
図2において、コントローラ部12は、臭気センサS1が検出する臭気ガスの濃度が設定値を超える場合、駆動回路部13に対して、停止している脱臭装置M1を起動し、第二ダンパD2を全開、第一ダンパD1を全閉とする指令を出す。また、コントローラ部12は、駆動回路部13に対して、第一送風機F2を正転させ、臭気センサS2で検知された臭気ガスを建物6内部から第一ダクト2及び第二ダクト3を通過させ、起動された脱臭装置M1に誘導する。脱臭装置M1で処理された後の空気は大気に放出される。
【0027】
脱臭装置M1による処理の結果、臭気センサS1の検出信号のレベルが、上記設定値以下となった場合、脱臭装置M1を停止、第二ダンパD2を全閉、第一ダンパD1を全開とし、臭気ガスが人体に影響しない種類である場合は、開口部1から外部へ排気するように、送風機F1を正転させ、臭気ガスが人体に対して悪影響を与える種類のものである場合は、開口部1から建物6内部へ吸気するように、送風機F1を逆転させる。
【0028】
送風機F1の制御としては、逆転運転から停止、正転運転に移行する際に、送風機F1の容量が大きく、直ぐに停止しない場合においては、停止指令を出した後、瞬時(0.5秒程度)の正転指令を数回にわけて断続的に出力し、停止後、または一定時間経過後に正転起動することにより、正転起動するまでの時間を短縮することができる。
【0029】
以上、臭気発生源B1が1つの場合について説明したが臭気発生源が複数の場合でも本実施の形態1の脱臭制御システムは適用できる。その場合、各臭気発生源それぞれの近くに臭気センサを設置するのが好ましい。
【0030】
なお、本実施の形態1では、送風機F1が正転する場合を排気ファン、逆転する場合を吸気ファンとしたが、送風機F1が正転する場合を吸気ファン、逆転する場合を排気ファンとしてもよい。
【0031】
本実施の形態1の脱臭制御システムによれば、第一ダクト2に正転及び逆転の制御ができる送風機F1を設置することによって、第一ダクト2を排気用及び吸気用に共用することができ、また、1台の送風機F1の設置ですむので設備投資を低減することができる。また、送風機F1を排気及び吸気に共用できるので、ランニングコストを低減することができる。
【0032】
また、動力制御回路K1により、臭気センサS1が検出した臭気ガスの濃度が設定値を超えた場合に、脱臭装置M1を起動し、第一ダンパD1を全閉とし、第二ダンパD2を全開とし、送風機F1を正転させ、臭気センサS1が検出した臭気ガスの濃度が設定値以下の場合で、臭気ガスが人体に影響がない種類の場合に、脱臭装置M1を停止し、第二ダンパD2を全閉とし、第一ダンパD1を全開とし、送風機F1を正転させ、臭気センサS1が検出した臭気ガス濃度が設定値以下の場合で、臭気ガスが人体に影響し得る種類である場合に、脱臭装置M1を停止し、第二ダンパD2を全閉とし、第一ダンパD1を全開とし、送風機F1を逆転させることにより、臭気ガスの濃度及び種類に応じた処理を行うことができるとともに、脱臭装置M1を起動することが必要な場合以外は脱臭装置M1を停止することによってランニングコストを低減することができる。
【0033】
実施の形態2.
図3は、本発明に係る脱臭制御システムの実施の形態2を示す構成図であり、例えば、下水処理場内の建物にある臭気発生源からの臭気ガスを脱臭する脱臭装置を備えた脱臭制御システムの構成図である。
【0034】
図3において、本実施の形態2の脱臭制御システムは、建物6の外部に配設されて臭気ガスを脱臭する脱臭装置M1、建物6内にあり臭気ガス等強い臭気を発生させる複数の臭気発生源B1,B2、臭気発生源B1,B2それぞれの近くに設置された臭気ガスの濃度及び種類を検知する臭気センサS1,S2、臭気発生源B1,B2それぞれの近くに配置された送風機F1,F2、一端が建物6内部と連通し他端に開口部1を有し、一端側に送風機F1,F2が設置された第一ダクト2、脱臭装置M1と第一ダクト2それぞれとをつなぐ第二ダクト3、第一ダクト2それぞれの他端側に設置され、第一ダクト2の通気量を制御するための第一ダンパD1,D3、第一ダクト2それぞれと第二ダクト3との合流部に設置され第一ダクト2から第二ダクト3への通気量を制御するための第二ダンパD2,D4、送風機F1,F2の正転及び逆転を制御し、第一ダンパD1,D3及び第二ダンパD2,D4の開閉を制御する機能並びに臭気センサS1,S2からの検出信号が設定値以上か否かを判断する機能を有する動力制御回路K1を備える。送風機F1,F2が正転及び逆転することにより、第一ダクト2は排気及び吸気に共用される。
【0035】
図4は、図3に示した動力制御回路K1の内部構成を示すブロック図である。
図4に示したように、動力制御回路K1は、電源A1と、各種制御を担うコントローラ部12と、送風機F1,F2、第一ダンパD1,D3、第二ダンパD2,D4及び脱臭装置M1と接続され、コントローラ部12の指令により、送風機F1,F2を駆動し、第一ダンパD1,D3及び第二ダンパD2,D4を開閉し、脱臭装置M1を起動または停止させる機能を持つ駆動回路部13と、臭気センサS1,S2の検出信号が入力される第一インタフェース部10と、「手動」11a、「自動」11bといった臭気制御システムのモード切替信号や、「起動」11c、「停止」11d、「開」11e、「閉」11f、「正転」11g、「逆転」11hといった状態制御信号を取り込む第二インタフェース部11と、臭気制御システムのモード切替信号や状態制御信号の状態を表示する表示部14を備えている。各機器毎にそれぞれに対応した状態制御信号を設ける。具体的には、送風機F1,F2は、「正転」「逆転」「停止」とし、脱臭装置M1は、「起動」「停止」とし、第一ダンパD1,D3及び第二ダンパD2,D4は、「開」「閉」とする。
【0036】
図3に示した脱臭制御システムの動作内容を図4を参照して説明する。
図4において、電源A1が供給されると、動力制御回路K1のコントローラ部12が起動される。第二インタフェース部11より「手動」11aモードが入力され、臭気制御システムのモードが「手動」11aモードになっている場合は、第二インタフェース部11より入力される各個別機器の制御指令「起動」11c、「停止」11d、「開」11e、「閉」11fに基づき、コントローラ部12から駆動回路部13に指令を出し、送風機F1,F2、第一ダンパD1,D3、第二ダンパD2,D4及び脱臭装置M1を個別に制御することができる。
【0037】
具体的には、臭気制御システムのモードが「手動」モードになっている時、第二インタフェース部11より、送風機F1の制御指令「正転」11gが入力されると、コントローラ部12より駆動回路部13へ送風機F1のモータを正転駆動させるように制御指令が出され、送風機F2の制御指令「正転」11hが入力されると、コントローラ部12より駆動回路部13へ送風機F2のモータを正転駆動させるように制御指令が出される。
【0038】
次に、第二インタフェース部11より「自動」11bモードが入力され、臭気制御システムのモードが「自動」モードになっている場合について説明する。臭気制御システムのモードが「自動」モードになっている場合は、コントローラ部12に第一インタフェース部10を介して入力される臭気センサS1,S2の検出信号に基づいて制御が行われる。
【0039】
図4において、コントローラ部12は、複数の臭気センサS1,S2の両方が検出した臭気ガスの濃度が設定値以下であり、臭気ガスが人体に影響しない種類の場合においては、駆動回路部13に対して、脱臭装置M1を停止、第二ダンパD2,D4を全閉、第一ダンパD1,D3を全開、送風機F1,F2を正転、排気ファンとして機能させる制御指令を出し、建物6内部の空気を第一ダクト2を通して開口部1から排出する。
【0040】
図4において、コントローラ部12は、第一インタフェース部10に入力された複数の臭気センサS1,S2の両方が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下であり、両方の臭気ガスが人体に対して影響し得る種類である場合においては、駆動回路部13に対して、脱臭装置M1を停止し、また、第二ダンパD2,D4を全閉とし、第一ダンパD1,D3を全開とし、送風機F1,F2は逆転、吸気ファンとして機能させる指令を出し、外部の空気を開口部1から建物6内部へ第一ダクト2を通して吸気し、拡散させて臭気ガス濃度を希釈する。
【0041】
また、コントローラ部12は、第一インタフェース部10に入力された複数の臭気センサS1,S2が検出する臭気ガスの濃度が両方とも設定値以下であり、臭気センサS1,S2の一方、例えば、臭気センサS1が検出する臭気ガスが人体に影響し得る種類であり、他方の臭気センサS2が検出する臭気ガスが人体に影響しない種類の場合には、駆動回路部13に対して、脱臭装置M1を停止とし、また、第二ダンパD2,D4を全閉とし、第一ダンパD1,D3を全開とし、送風機F1は逆転、吸気ファンとして機能させ、送風機F2は正転、排気ファンとして機能させる指令を出し、外部の空気を開口部1から建物6内部へ送風機F1を通して吸気し、拡散させて臭気ガス濃度を希釈し、建物6内の空気を送風機F2を通して開口部1から排気する。
【0042】
コントローラ部12は、逆に、臭気センサS2が検出する臭気ガスが人体に影響し得る種類であり、臭気センサS1が検出する臭気ガスが人体に影響しない種類の場合には、脱臭装置M1を停止とし、また、第二ダンパD2,D4を全閉とし、第一ダンパD1,D3を全開とし、送風機F2は逆転、吸気ファンとして機能させ、送風機F1は正転、排気ファンとして機能させる。
【0043】
図4において、コントローラ部12は、第一インタフェース部10に入力された複数の臭気センサS1,S2の一方の臭気センサS1が検出する臭気ガスの濃度が設定値を超え、他方の臭気センサS2が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下である場合においては、駆動回路部13に対して、停止している脱臭装置M1を起動させ、且つ、臭気センサS1に近い送風機F1から脱臭装置M1に臭気ガスを誘導するため、第二ダンパD2,第一ダンパD3を全開とすると同時に、第一ダンパD1,第二ダンパD4を全閉とし、且つ送風機F1が臭気ガスの濃度が設定値を超える直前に、正転、排気ファンとして機能していた場合には、そのままの運転を継続し、逆転、吸気ファンとして機能していた場合には、一度運転を停止し、停止後、または一定時間経過後に、正転、排気ファンとして機能するように切り替え、送風機F2は、臭気ガスの濃度設定値を超える直前に正転、排気ファンとして機能していた場合には、逆転、吸気ファンとして機能するように切り替える指令を出し、臭気センサS1で検知された臭気ガスを起動された脱臭装置M1に誘導し、建物6外部の空気を開口部1から送風機2を通って建物6内部に誘導し、さらに、臭気発生源B2及び臭気発生源B1を通って送風機F1によって脱臭装置M1に誘導する。
【0044】
コントローラ部12は、逆に、第一インタフェース部10に入力された臭気センサS2が検出する臭気ガスの濃度が設定値を超え、臭気センサS1が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下である場合においては、臭気センサS2に近い送風機F2から脱臭装置M1に臭気ガスを誘導するため、第二ダンパD4,第一ダンパD1を全開とすると同時に、第一ダンパD3、第二ダンパD2を全閉とし、且つ送風機F2が臭気ガスの濃度が設定値を超える直前に、正転、排気ファンとして機能していた場合には、そのままの運転を継続し、逆転、吸気ファンとして機能していた場合には、一度運転を停止し、停止後、または一定時間経過後に、正転、排気ファンとして機能するように切り替え、送風機F1は、臭気ガスの濃度が設定値を超える直前に、正転、排気ファンとして機能していた場合には、逆転、吸気ファンとして機能するように切り替え、臭気センサS2で検知された臭気ガスを起動された脱臭装置M1に誘導し、建物6の外部の空気を送風機F1から建物6内部に誘導し、さらに、臭気発生源B1及び臭気発生源B2を通って送風機F2によって脱臭装置M1に誘導する。
【0045】
これにより、送風機F1、F2による臭気ガスの排気送風との双方の効果で、または、送風機F1による臭気ガスの送風と送風機F2による臭気ガスの排気との双方の効果で、効率よく臭気ガスを脱臭装置M1に誘導することができる。
【0046】
また、臭気発生源B1,B2それぞれの近くに送風機F1,F2を設置することによって、効率よく臭気ガスを脱臭装置M1に誘導することができる。
【0047】
図4において、コントローラ部12は、第二インタフェース部11に入力された複数の臭気センサS,S2の両方が検出する臭気ガスの濃度が設定値を超える場合には、駆動回路部13に対して、脱臭装置M1を起動させ、且つ、送風機F1,F2両方から脱臭装置M1に臭気ガスを誘導するため、第二ダンパD2,D4を全開とすると同時に、第一ダンパD1,D3を全閉にし、且つ送風機F1,F2が臭気ガスのレベルが設定値を超える直前に、正転、排気ファンとして機能していた場合には、そのままの運転を継続し、逆転、吸気ファンとして機能していた場合には、一度運転を停止し、停止後、または一定時間経過後に正転起動する指令を出し、脱臭装置M1に臭気ガスを誘導する。
【0048】
ここで、第二インタフェース部11に入力された臭気センサS1,S2の検出信号の一方が設定値以下に低くなった場合においては、低くなった方の臭気センサに近い方の運用を通常換気方式に切り替える。すなわち、例えば、臭気センサS2が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下となった場合においては、第一ダンパD3を全開、第二ダンパD4を全閉とし、送風機F2は逆転、吸気に切り替え、臭気センサS1が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下となった場合においては、第一ダンパD1を全開、第二ダンパD2を全閉とし、送風機F1は逆転、吸気に切り替える。これにより、送風機F1による臭気ガスの排気と送風機F2による臭気ガスの送風との双方の効果で、または、送風機F1による臭気ガスの送風と送風機F2による臭気ガスの排気との双方の効果で、効率よく臭気ガスを脱臭装置M1に誘導することができる。
【0049】
また、臭気センサS1,S2の両方が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下となった場合においては、第二ダンパD2,D4を全閉とし、第一ダンパD1,D3を全開とし、送風機F1,F2を臭気ガスの種類に応じて排気または吸気の通常換気方式に戻す。
【0050】
図5は、上記本実施の形態2の臭気発生源の状態と各機器の動作状態の遷移をまとめた図である。
図5において、臭気センサS1,S2のONとは、臭気センサS1,S2が検出する臭気ガスの濃度が設定値を超えた場合であり、臭気センサS1,S2のOFFとは、臭気センサS1,S2が検出する臭気ガスの濃度が設定値以下の場合である。
【0051】
また、送風機F1,F2の正転とは、建物6内部から開口部1方向に送風する排気ファンとして機能させる場合であり、送風機F1,F2の逆転とは、開口部1から建物6内部方向へ送風する吸気ファンとして機能させる場合である。
【0052】
また、ON,OFFの矢印は、臭気センサS1,S2の検出値が設定値を超える変化があった場合(ONの矢印)、臭気センサS1,S2の検出値が設定値以下になる変化があった場合(OFFの矢印)を表している。
【0053】
図5において、脱臭制御システムは、図5(a)に示すように臭気センサS1及び臭気センサS2ともにOFFの状態で運用中に、臭気センサS1がONとなった場合には、図5(b)の状態での運用に遷移する。また、図5(b)の状態での運用中において臭気センサS1がOFFとなった場合には、図5(a)の状態での運用に遷移する。
【0054】
図5において、図5(a)に示すように臭気センサS1及び臭気センサS2ともにOFFの状態で運用中に、臭気センサS2がONとなった場合には、図5(c)の状態での運用に遷移する。また、図5(c)の状態での運用中において臭気センサS2がOFFとなった場合には、図5(a)の状態での運用に遷移する。
【0055】
図5において、図5(b)に示すように臭気センサS1がONで臭気センサS2がOFFの状態で運用中に、臭気センサS2がONとなった場合には、図5(d)の状態での運用に遷移する。また、図5(d)の状態での運用中において臭気センサS2がOFFとなった場合には、図5(b)の状態での運用に遷移する。
【0056】
図5において、図5(c)に示すように臭気センサS1がOFFで臭気センサS2がONの状態で運用中に、臭気センサS1がONとなった場合には、図5(d)の状態での運用に遷移する。また、図5(d)の状態での運用中において臭気センサS1がOFFとなった場合には、図5(c)の状態での運用に遷移する。
【0057】
図5において、図5(b)に示すように臭気センサS1がONで臭気センサS2がOFFの状態で運用中に、臭気センサS1がOFFとなり、臭気センサS2がONとなった場合には、図5(c)の状態での運用に遷移する。また、図5(c)の状態での運用中において臭気センサS1がONとなり、臭気センサS2がOFFとなった場合には、図5(b)の状態での運用に遷移する。
【0058】
図5において、図5(a)に示すように臭気センサS1がOFFで臭気センサS2がOFFの状態で運用中に、臭気センサS1,S2が共にONとなった場合には、図5(c)の状態での運用に遷移する。また、図5(c)の状態での運用中において臭気センサS1,Sが共にOFFとなった場合には、図5(a)の状態での運用に遷移する。
【0059】
上記のように、本実施の形態2に記載の脱臭制御システムによれば、第一ダクト2に正転及び逆転の制御ができる送風機F1,F2を設置することによって、第一ダクト2それぞれを排気用及び吸気用に共用することができ、また、送風機F1,F2の設置ですむので設備投資を低減することができるとともに、送風機F1,F2を排気用と吸気用に共用するのでランニングコストを抑制することができる。
【0060】
本実施の形態2では、臭気発生源が2つの場合を示したが、本実施の形態2は、臭気発生源が3つ以上の場合にも適用することができる。すなわち、建物6内部にある複数の臭気発生源B1・・Bnそれぞれの臭気ガスの濃度及び種類を検出する複数の臭気センサS1・・Sn、建物6の外部に設置され、臭気ガスを脱臭する脱臭装置M1、建物6外及び建物6内の空気を吸排するための吸排気口7、臭気発生源B1・・Bnそれぞれに近い位置に配置され、排気ファン及び吸気ファンとして機能する複数の送風機F1・・Fn、一端に送風機F1・・Fnそれぞれが設置され建物6内部と連通し他端に建物6外への開口部1を有する第一ダクト2、第一ダクト2それぞれと脱臭装置M1とをつなぐ第二ダクト3、第一ダクト2それぞれの他端側に設置され、第一ダクト2の通風量を制御する第一ダンパ、第一ダクト2それぞれと第二ダクト3との合流部に設置され第一ダクト2から第二ダクト3への通風量を制御する第二ダンパ、脱臭装置M1の起動及び停止を制御し、送風機F1・・Fnそれぞれを排気ファン、吸気ファンまたは停止とし、第一ダンパそれぞれ及び第二ダンパそれぞれの開閉を制御する動力制御回路K1を備えたものとする。
【0061】
これにより、建物6内部にある複数の臭気発生源B1・・Bnそれぞれに近い位置に排気ファン及び吸気ファンの切り替え制御ができる送風機F1・・Fnを設置し、第一ダクト2に送風機F1・・Fnを設置することによって、第一ダクト2それぞれを排気用及び吸気用に共用することができるので設備投資を低減することができる。
【0062】
また、動力制御回路K1により、複数の臭気センサS1・・Sn全てが検出した臭気ガスの濃度が脱臭処理を必要とする所定の設定値を超えた場合に、脱臭装置M1を起動し、第一ダンパ全てを全閉とし、第二ダンパ全てを全開とし、送風機F1・・Fn全てを排気ファンとし、複数の臭気センサS1・・Snの一部が検出した臭気ガスの濃度が上記設定値を超え、複数の臭気センサS1・・Snの他部が検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下である場合に、脱臭装置M1を起動し、臭気センサS1・・Snの一部が検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した第一ダクト2の第一ダンパを全閉、第二ダンパを全開とし送風機を排気ファンとし、臭気センサS1・・Snの他部が検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した第一ダクト2の第一ダンパを全開、第二ダンパを全閉とし送風機を吸気ファンとし、複数の臭気センサS1・・Sn全てが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下の場合で、上記臭気ガスが人体に影響しない種類である場合に、脱臭装置M1を停止し、第一ダンパ全てを全開とし、第二ダンパ全てを全閉とし、送風機全てを排気ファンとし、複数の臭気センサS1・・Sn全てが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下の場合で、臭気センサS1・・Snの一部が検出した臭気ガスが人体に影響し得る種類であり、臭気センサS1・・Snの他部が検出した臭気ガスが人体に影響しない種類である場合に、脱臭装置M1を停止し、臭気センサS1・・Snの一部が検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した第一ダクト2の第一ダンパを全開、第二ダンパを全閉とし送風機を吸気ファンとし、他部の臭気センサが検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した第一ダクト2の第一ダンパを全開、第二ダンパを全閉とし送風機を排気ファンとし、複数の臭気センサS1・・Sn全てが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下である場合で、複数の臭気センサS1・・Sn全てが検出した臭気ガスが人体に影響しない種類である場合に、脱臭装置M1を停止し、第一ダンパ全てを全開、第二ダンパ全てを全閉とし、送風機F1・・Fn全てを排気ファンとすることにより、臭気ガスの濃度及び種類に応じた処理を行うことができるとともに、脱臭装置M1を起動することが必要な場合以外は脱臭装置M1を停止することによってランニングコストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る脱臭制御システムは、下水処理場などの建物内において発生した臭気ガスの、脱臭に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 開口部、2 第一ダクト、3 第二ダクト、6 建物、7 吸排気口、
10 第一インタフェース部、11 第二インタフェース部、12 コントローラ部、
13 駆動回路部、14 表示部、A1 電源、B1,B2 臭気発生源、
D1,D3 第一ダンパ、D2,D4 第二ダンパ、F1,F2 送風機、
M1 脱臭装置、S1,S2 臭気センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内部にある臭気発生源の臭気ガスの濃度及び種類を検出する臭気センサ、
上記建物の外部に設置され、上記臭気ガスを脱臭する脱臭装置、
上記建物外及び建物内の空気を吸排するための吸排気口、
一端が上記建物内部と連通し他端に上記建物外への開口部を有する第一ダクト、
上記第一ダクトと上記脱臭装置とをつなぐ第二ダクト、
上記第一ダクトの上記一端側に設置され、排気ファン及び吸気ファンとして機能する送風機、
上記第一ダクトの上記他端側に設置され、上記第一ダクトの通風量を制御する第一ダンパ、
上記第一ダクトと上記第二ダクトとの合流部に設置され上記第一ダクトから上記第二ダクトへの通気量を制御する第二ダンパ、
上記脱臭装置の起動及び停止を制御し、上記送風機の排気、吸気及び停止を制御し、上記第一ダンパ及び第二ダンパの開閉を制御する動力制御回路を備えたことを特徴とする脱臭制御システム。
【請求項2】
上記動力制御回路は、上記臭気センサが検出した臭気ガスの濃度が脱臭処理を必要とする所定の設定値を超えた場合に、上記脱臭装置を起動し、上記第一ダンパを全閉とし、上記第二ダンパを全開とし、上記送風機を排気ファンとし、
上記臭気センサが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下の場合で、上記臭気ガスが人体に影響しない種類の場合に、上記脱臭装置を停止し、上記第二ダンパを全閉とし、上記第一ダンパを全開とし、上記送風機を排気ファンとし、
上記臭気センサが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下の場合で、上記臭気ガスが人体に影響し得る種類の場合に、上記脱臭装置を停止し、上記第二ダンパを全閉とし、上記第一ダンパを全開とし、上記送風機を吸気ファンとすることを特徴とする請求項1に記載の脱臭制御システム。
【請求項3】
建物内部にある複数の臭気発生源それぞれの臭気ガスの濃度及び種類を検出する複数の臭気センサ、
上記建物の外部に設置され、上記臭気ガスを脱臭する脱臭装置、
上記建物外及び建物内の空気を吸排するための吸排気口、
上記臭気発生源それぞれに近い位置に配置され、排気ファン及び吸気ファンとして機能する複数の送風機、
一端に上記送風機それぞれが設置され上記建物内部と連通し他端に上記建物外への開口部を有する第一ダクト、
上記第一ダクトそれぞれと上記脱臭装置とをつなぐ第二ダクト、
上記第一ダクトそれぞれの上記他端側に設置され、上記第一ダクトの通風量を制御する第一ダンパ、
上記第一ダクトそれぞれと上記第二ダクトとの合流部に設置され上記第一ダクトから上記第二ダクトへの通風量を制御する第二ダンパ、
上記脱臭装置の起動及び停止を制御し、上記送風機それぞれを排気ファン、吸気ファンまたは停止とし、上記第一ダンパそれぞれ及び第二ダンパそれぞれの開閉を制御する動力制御回路を備えたことを特徴とする脱臭制御システム。
【請求項4】
上記動力制御回路は、上記複数の臭気センサ全てが検出した臭気ガスの濃度が脱臭処理を必要とする所定の設定値を超えた場合に、上記脱臭装置を起動し、上記第一ダンパ全てを全閉とし、上記第二ダンパ全てを全開とし、上記送風機全てを排気ファンとし、
上記複数の臭気センサの一部が検出した臭気ガスの濃度が上記設定値を超え、上記複数の臭気センサの他部が検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下である場合に、上記脱臭装置を起動し、上記一部の臭気センサが検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した上記第一ダクトの上記第一ダンパを全閉、第二ダンパを全開とし送風機を排気ファンとし、上記他部の臭気センサが検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した上記第一ダクトの上記第一ダンパを全開、第二ダンパを全閉とし送風機を吸気ファンとし、
上記複数の臭気センサ全てが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下の場合で、上記臭気ガスが人体に影響しない種類である場合に、上記脱臭装置を停止し、上記第一ダンパ全てを全開とし、上記第二ダンパ全てを全閉とし、上記送風機全てを排気ファンとし、
上記複数の臭気センサ全てが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下の場合で、上記臭気センサの一部が検出した臭気ガスが人体に影響し得る種類であり、上記臭気センサの他部が検出した臭気ガスが人体に影響しない種類である場合に、上記脱臭装置を停止し、上記一部の臭気センサが検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した上記第一ダクトの上記第一ダンパを全開、第二ダンパを全閉とし送風機を吸気ファンとし、上記他部の臭気センサが検出した臭気ガスの臭気発生源に近い位置に配置された送風機を設置した上記第一ダクトの上記第一ダンパを全開、第二ダンパを全閉とし送風機を排気ファンとし、
上記複数の臭気センサ全てが検出した臭気ガスの濃度が上記設定値以下である場合で、上記複数の臭気センサ全てが検出した臭気ガスが人体に影響しない種類である場合に、上記脱臭装置を停止し、上記第一ダンパ全てを全開、上記第二ダンパ全てを全閉とし、上記送風機全てを排気ファンとすることを特徴とする請求項3に記載の脱臭制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17976(P2013−17976A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155288(P2011−155288)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】