説明

脱臭装置

【課題】脱臭効率を向上させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる脱臭装置を提供する。
【解決手段】脱臭装置10Aは、正六角形の断面形状を有する複数の中空部材から作られたハニカム構造の脱臭カートリッジと、空気をカートリッジの一端部から反対端部に向かって通流させる送風ファンと、カートリッジとファンとを収納する収納ケース11とから形成されている。装置10Aでは、臭気を吸着する活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末が中空部材の周面全域に担持され、中空部材の空気流路を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気に含まれる臭気を取り除く脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の床下に設置された脱臭装置と、建物内の空気を脱臭装置に供給するとともに脱臭した後の空気を建物内に戻す循環路と、循環路に取り付けられた送風ファンとを備え、脱臭装置が、脱臭ケースと、折り曲げられた状態で脱臭ケースに収容された脱臭シートとから形成された脱臭システムがある(特許文献1参照)。この脱臭システムは、送風ファンによって建物内の空気が循環路を通って脱臭装置内に進入し、脱臭装置において脱臭された空気が循環路を通って再び建物内に流入する。この脱臭システムでは、脱臭シートが折り曲げられた状態で脱臭ケースに収納されているから、脱臭シートの脱臭面積を大きくすることができ、脱臭効率を向上させることができる。
【特許文献1】特開2006−122261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許公報に開示の脱臭システムは、脱臭シートが折り曲げられた状態で脱臭ケースに収納されているが、脱臭シートの折り曲げ方によってはシートが空気に対する抵抗となる場合がある。脱臭シートが空気抵抗になると、空気が脱臭装置内を円滑に通流することができないのみならず、脱臭装置内に空気の滞留空間が形成される場合があり、シートの全域を脱臭に利用することができず、シートにおける脱臭効率が低下する。また、この脱臭システムは、送風ファンの回転速度が高いと、空気が脱臭装置内を瞬時に通過してしまうから、空気の脱臭シートに対する接触時間が極端に短くなり、空気に含まれる臭気を脱臭シートに十分に吸着させることができない。
【0004】
本発明の目的は、脱臭効率を向上させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる脱臭装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための第1の発明は、空気が通過可能な空気流路を有して一方向へ延びる複数の中空部材から作られた脱臭カートリッジと、空気を脱臭カートリッジの一端部から反対端部に向かって通流させる送風ファンとから形成された脱臭装置であり、この脱臭装置では、臭気を吸着する吸着式脱臭剤が中空部材の周面全域に担持され、中空部材の空気流路を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲にある。
【0006】
前記課題を解決するための第2の発明は、空気が通過可能な空気流路を有して一方向へ延びる複数の中空部材から作られた脱臭カートリッジと、脱臭カートリッジの下端部に設置されて空気を該脱臭カートリッジの下端部から上端部に向かって対流させる熱源とから形成された脱臭装置であり、この脱臭装置では、臭気を吸着する吸着式脱臭剤が中空部材の内周面全域に担持されている。
【0007】
前記第1および第2の発明の一例としては、中空部材が、和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジが、複数の中空部材の外周面どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている。
【0008】
前記第1の発明の一例としては、脱臭装置が一方向へ延びる収納ケースを含み、脱臭カートリッジが収納ケースの内部に着脱可能に収納され、送風ファンが脱臭カートリッジの端部に隣接して収納ケースの内部に収納され、収納ケースには、脱臭装置を吊り下げる吊り下げ手段が形成されている。
【0009】
前記第1の発明の他の一例としては、脱臭装置が一方向へ延びる収納ケースを含み、脱臭カートリッジが収納ケースの内部に着脱可能に収納され、送風ファンが脱臭カートリッジの端部に隣接して収納ケースの内部に収納され、収納ケースには、脱臭装置を地面から上方へ離間させた状態で該脱臭装置を支持するスタンドが取り付けられている。
【0010】
前記第1の発明の他の一例としては、バッテリーとバッテリーに電気を供給するソーラーパネルとが送風ファンに接続され、送風ファンの回転速度が1〜500r/minの範囲にある。
【0011】
前記第2の発明の他の一例としては、脱臭装置が一方向へ延びる収納ケースを含み、脱臭カートリッジが収納ケースの内部に着脱可能に収納され、熱源が脱臭カートリッジの下端部に隣接して収納ケースの内部に収納され、収納ケースには、脱臭カートリッジの下端部を下にした状態で脱臭装置を吊り下げる吊り下げ手段が形成されている。
【0012】
前記第2の発明の他の一例としては、脱臭装置が一方向へ延びる収納ケースを含み、脱臭カートリッジが収納ケースの内部に着脱可能に収納され、熱源が脱臭カートリッジの下端部に隣接して収納ケースの内部に収納され、収納ケースには、脱臭カートリッジの下端部を下にした状態で脱臭装置を起立させるスタンドが取り付けられている。
【0013】
前記第2の発明の他の一例としては、バッテリーとバッテリーに電気を供給するソーラーパネルとが熱源に接続されている。
【0014】
前記第1および第2の発明の一例として、吸着式脱臭剤には、活性炭と人工ゼオライトと炭とのうちの少なくとも1つが使用されている。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明にかかる脱臭装置によれば、脱臭カートリッジが空気流路を有して一方向へ延びる複数の中空部材から作られ、中空部材がその空気流路を通る空気の抵抗となることはなく、中空部材の空気流路に空気の滞留空間が形成されることもないから、空気が中空部材の内部を円滑に流動することができ、中空部材の表面全域を臭気の脱臭に利用することができる。この脱臭装置は、送風ファンによって脱臭カートリッジの一端部から反対端部に向かって空気を流動させ、脱臭カートリッジを形成する中空部材の周面に空気を確実に接触させることができるから、脱臭カートリッジの脱臭機能を最大限に利用することができ、脱臭装置における脱臭効率を向上させることができる。この脱臭装置は、中空部材の空気流路を流れる空気の流速が0.1〜0.7m/secの範囲にあるから、中空部材の周面に対する空気の接触時間が長く、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。
【0016】
第2の発明にかかる脱臭装置によれば、脱臭カートリッジが空気流路を有して一方向へ延びる複数の中空部材から作られ、中空部材がその空気流路を通る空気の抵抗となることはなく、中空部材の空気流路に空気の滞留空間が形成されることもないから、空気が中空部材の内部を円滑に流動することができ、中空部材の表面全域を臭気の脱臭に利用することができる。この脱臭装置は、熱源によって空気を熱することで、脱臭カートリッジの下端部から上端部に向かって空気を対流させ、脱臭カートリッジを形成する中空部材の周面に空気を確実に接触させることができるから、脱臭カートリッジの脱臭機能を最大限に利用することができ、脱臭装置における脱臭効率を向上させることができる。この脱臭装置は、熱源によって熱せられた空気が脱臭カートリッジの下端部から上端部に向かって流動し、空気が中空部材の内部をゆっくりと流れるから、中空部材の周面に対する空気の接触時間が長く、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。
【0017】
中空部材が和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジがハニカム構造に形成された脱臭装置は、脱臭カートリッジをハニカム構造にすることで、カートリッジの座屈強度や圧縮強度が向上し、カートリッジが破損し難く、カートリッジが破損することによる脱臭機能の低下を防ぐことができる。この脱臭装置は、中空部材が六角形に形成されることで、中空部材の周面の面積を最大にすることができ、それら中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に臭気を十分に吸着させることができる。この脱臭装置は、和紙から作られた中空部材が通気性と吸湿性とを有するから、隣接する中空部材間において空気が流通し、それら中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を確実に吸着させることができるとともに、それら中空部材に空気中の湿気を吸着させることができる。
【0018】
脱臭カートリッジと送風ファンとが収納ケースに収納され、脱臭装置を吊り下げる吊り下げ手段がケースに形成された脱臭装置は、送風ファンによって脱臭カートリッジの一端部から反対端部に向かって空気を流動させ、脱臭カートリッジを形成する中空部材の周面に空気を確実に接触させることができるから、脱臭カートリッジの脱臭機能を最大限に利用することができ、脱臭装置における脱臭効率を向上させることができる。この脱臭装置は、所定期間使用した脱臭カートリッジをケースから取り出して交換することができるから、脱臭機能の低下したカートリッジを新しいそれと取り換えることで、脱臭装置における脱臭効率の低下を防ぐことができる。この脱臭装置は、吊り下げ手段によって脱臭装置を吊り下げることができるから、脱臭装置を他の物の邪魔にならない高所に設置することができる。
【0019】
脱臭カートリッジと送風ファンとが収納ケースに収納され、脱臭装置を地面から上方へ離間させた状態で該脱臭装置を支持するスタンドがケースに取り付けられた脱臭装置は、送風ファンによって脱臭カートリッジの一端部から反対端部に向かって空気を流動させ、脱臭カートリッジを形成する中空部材の周面に空気を確実に接触させることができるから、脱臭カートリッジの脱臭機能を最大限に利用することができ、脱臭装置における脱臭効率を向上させることができる。この脱臭装置は、所定期間使用した脱臭カートリッジをケースから取り出して交換することができるから、脱臭機能の低下したカートリッジを新しいそれと取り換えることで、脱臭装置における脱臭効率の低下を防ぐことができる。この脱臭装置は、スタンドによって脱臭装置が地面から上方へ離間するから、脱臭装置における空気の流入口が塞がれることはなく、空気をカートリッジの内部に確実に通流させることができ、それら中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を確実に吸着させることができる。
【0020】
バッテリーとバッテリーに電気を供給するソーラーパネルとが送風ファンに接続され、送風ファンの回転速度が1〜500r/minの範囲にある脱臭装置は、ソーラーパネルの発電機能を利用して送風ファンを駆動させるから、光エネルギーのみを利用した省エネルギータイプの脱臭装置にすることができ、省エネを図ることができるとともに、環境に負荷をかけることもない。この脱臭装置は、送風ファンの回転速度が1〜500r/minの範囲にあり、空気が中空部材の内部をゆっくりと流れるから、中空部材の周面に対する空気の接触時間が長く、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。
【0021】
脱臭カートリッジと熱源とが収納ケースに納められ、脱臭カートリッジの下端部を下にした状態で脱臭装置を吊り下げる吊り下げ手段がケースに形成された脱臭装置は、脱臭カートリッジの下端部に隣接する熱源によって熱せられた空気がケースに収納されたカートリッジの下端部から上端部に向かって流動し、空気が中空部材の内部をゆっくりと流れるから、中空部材の周面に対する空気の接触時間が長く、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。この脱臭装置は、所定期間使用した脱臭カートリッジをケースから取り出して交換することができるから、脱臭機能の低下したカートリッジを新しいそれと取り換えることで、脱臭装置における脱臭効率の低下を防ぐことができる。この脱臭装置は、吊り下げ手段によって脱臭装置を吊り下げることができるから、脱臭装置を他の物の邪魔にならない高所に設置することができる。
【0022】
脱臭カートリッジと熱源とが収納ケースに納められ、脱臭カートリッジの下端部を下にした状態で脱臭装置を起立させるスタンドがケースに取り付けられた脱臭装置は、脱臭カートリッジの下端部に隣接する熱源によって熱せられた空気がケースに収納されたカートリッジの下端部から上端部に向かって流動し、空気が中空部材の内部をゆっくりと流れるから、中空部材の周面に対する空気の接触時間が長く、中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。この脱臭装置は、所定期間使用した脱臭カートリッジをケースから取り出して交換することができるから、脱臭機能の低下したカートリッジを新しいそれと取り換えることで、脱臭装置における脱臭効率の低下を防ぐことができる。この脱臭装置は、スタンドによって脱臭装置が地面から上方へ離間するから、脱臭装置における空気の流入口が塞がれることはなく、空気をカートリッジの内部に確実に通流させることができ、それら中空部材の周面に担持された吸着式脱臭剤に空気に含まれる臭気を確実に吸着させることができる。
【0023】
バッテリーとバッテリーに電気を供給するソーラーパネルとが熱源に接続された脱臭装置は、ソーラーパネルの発電機能を利用して熱源を稼動させることができるから、光エネルギーのみを利用した省エネルギータイプの脱臭装置にすることができ、省エネを図ることができるとともに、環境に負荷をかけることもない。
【0024】
吸着式脱臭剤として活性炭と人工ゼオライトと炭とのうちの少なくとも1つが使用された脱臭装置は、活性炭や人工ゼオライト、炭の優れた脱臭機能を利用することで、中空部材の周面に担持された活性炭や人工ゼオライト、炭に空気に含まれる臭気を十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。人工ゼオライトを使用した脱臭装置は、人工ゼオライトが優れた吸湿機能を有するから、それら人工ゼオライトに空気中の湿気を吸着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
添付の図面を参照し、本発明に係る脱臭装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、上端部の側から見た一例として示す脱臭装置10Aの斜視図であり、図2は、下端部の側から見た脱臭装置10Aの斜視図である。図3は、脱臭装置10Aの上面図であり、図4は、脱臭装置10Aの底面図である。図5は、図1の5−5線矢視断面図であり、図6は、図3の6−6線矢視断面図である。図1,2では、上下方向を矢印Aで示し、横方向を矢印Bで示す。図1,2では、吊り下げ紐23やバッテリー39、ソーラーパネル40の図示を省略している。図6では、脱臭カートリッジ12やフック22の図示を省略している。脱臭装置10Aは、上下方向(一方向)へ延びる収納ケース11および脱臭カートリッジ12と、送風ファン13(ファンモータ)とから形成されている。
【0026】
収納ケース11は、上下方向(一方向)へ長い円筒状の胴部材14と、胴部材14の下部15に位置する円環状の第1端部材16と、胴部材14の上部17に位置する円環状の第2端部材18とから形成されている。胴部材14は、透明なプラスチックから作られている。胴部材14の内部には、脱臭カートリッジ12や送風ファン13の収納スペース19が画成されている。第1および第2端部材16,18は、着色されたプラスチックから作られている。第1端部材16は、その直径が胴部材14のそれよりもわずかに大きく、胴部材14の下部15周縁に着脱可能に嵌め込まれている。収納ケース11の下端部20には、第1端部材16に囲繞された空気流入口21が形成されている。
【0027】
第2端部材18は、その直径が胴部材14のそれよりもわずかに大きく、胴部材14の上部17周縁に固定手段(接着剤による接着、ビス止め等)によって固定されている。第2端部材18には、その周り方向へ並ぶフック22(吊り下げ手段)が取り付けられている。収納ケース11では、フック22に吊り下げ紐23(吊り下げ手段)が通される(図8参照)。収納ケース11の上端部24には、第2端部材18に囲繞された空気流出口25が形成されている。吊り下げ紐23を天井や壁、柱に掛けることで、下端部20が下となり、上端部24が上となるように、脱臭装置10Aを上下方向に直立させた状態で高所に吊り下げることができる。なお、胴部材14や第1および第2端部材16,18は、金属から作ることもできる。また、胴部材14の形状を円筒状に限定するものではなく、部材14が角筒状であってもよい。第1および第2端部材16,18の形状を円環状に限定するものではなく、それら部材16,18が角環状であってもよい。
【0028】
図7は、一例として示す脱臭カートリッジ12の斜視図である。脱臭カートリッジ12は、上下方向(一方向)へ延びる複数の中空部材26の集合物から作られている。カートリッジ12は、収納ケース11の収納スペース19に取り外し可能に収納され、ケース11の下端部20(空気流入口21)に位置する一端部27と、ケース11の上端部24(空気流出口25)に位置する反対端部28とを有する。カートリッジ12は、図3に示すように、中空部材26の外周面29どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている。中空部材26は、和紙から作られ、正六角形の断面形状を有する。中空部材26の内部には、空気が通過可能な直状に延びる空気流路30が画成されている。中空部材26の内周面31全域には、空気に含まれる臭気を吸着する吸着式脱臭剤(図示せず)が担持されている。
【0029】
脱臭カートリッジ12をケース11に収納するには、第1端部材16を胴部材14の下部15周縁から取り外してケース11の下端部20を開け、カートリッジ12をケース11の下端部20から収納スペース19に挿入した後、第1端部材16を胴部材14の下部15周縁に嵌め込む。ケース11に収納されたカートリッジ12は、その一端部27の周縁32が第1端部材16の内周縁部33の内側に位置することで、ケース11からの抜け落ちが防止される。カートリッジ12をケース11から取り外すには、第1端部材16を胴部材14の下部15周縁から取り外してケース11の下端部20を開け、カートリッジ12を収納スペース19から抜き取る。
【0030】
中空部材26を作る和紙には、蛍光物質や重金属、インク成分を含まず、吸湿性および通気性に優れた楮紙や三椏紙、雁皮紙のいずれかを使用することができる。和紙には、それらの他に、イネ、竹、笹、カジノキ、アサ、麦、クワ、スギ、ヒノキ、クズ、パルプから作られた和紙を使用することもできる。パルプには、木材パルプ、ぼろパルプ、茎かんパルプ、靭皮パルプのうちの少なくとも1つを使用することができる。なお、中空部材26は、和紙の他に、他の種類の紙から作られていてもよい。
【0031】
中空部材26の内周面31に担持された吸着式脱臭剤には、活性炭、人工ゼオライト粉末、粉状や粒状に粉砕した炭粉末、のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物が使用されている。活性炭は、ヤシガラ系の破砕状活性炭や石炭系の球状活性炭が使用され、その細孔径が5〜300Åにあり、優れた臭気吸着機能を有する。活性炭には、ヨウ素酸や無機酸を付着させて臭気のうちの塩基性成分、酸性成分、中性成分を同時に吸着する活性炭を使用することもできる。人工ゼオライトは、無水物である石炭灰をアルカリ水熱処理することから作られる。人工ゼオライト粉末は、その細孔径が5〜19Åの範囲、比表面積が100〜150m/grの範囲にあり、吸湿能力が20〜50%の範囲、吸油能力が1.3〜1.5倍の範囲にある。人工ゼオライト粉末は、細孔径や比表面積が前記範囲にあるから、優れた臭気吸着機能を有し、さらに、吸湿能力や吸油能力が前記範囲にあるから、優れた吸湿機能および吸油機能を有する。活性炭や人工ゼオライト粉末は、中空部材26の内周面31に接着剤(図示せず)を介して固着されている。
【0032】
炭粉末には、広葉樹から作られた中温炭粉末、広葉樹から作られた高温炭粉末、針葉樹から作られた中温炭粉末(活性化炭素)、針葉樹から作られた高温炭粉末(活性化炭素)、竹から作られた中低温炭粉末のいずれか1つまたはそれらの混合物を使用することができる。なお、炭粉末としては竹から作られた中低温炭粉末を使用することが好ましい。炭粉末は、高い臭気吸着機能を有する。炭粉末は、中空部材26の内周面31に接着剤を介して固着される。
【0033】
送風ファン13は、ケーシング34と、ケーシング34の内部に固定されたモータ35と、モータ35の軸に取り付けられたロータ36とから形成されている。送風ファン13は、脱臭カートリッジ12の反対端部28に隣接し、収納ケース11の上端部24における収納スペース19に配置されている。送風ファン13では、そのケーシング34が第2端部材18の内周縁部37に固定手段(接着剤による接着、ビス止め等)によって固定されている。送風ファン13では、ロータ36の直径が第2端部材18の内周縁部37の直径よりもわずかに小さく、ロータ36がカートリッジ12の反対端部38の略全域に跨っている。
【0034】
送風ファン13には、バッテリー39と、バッテリー39に電気を供給するソーラーパネル40とが配線41を介して接続される(図8参照)。ソーラーパネル40は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーをバッテリー39に供給する。バッテリー38は、ソーラーパネル40から供給された電気エネルギーを蓄える。送風ファン13に対して電気が導通状態になると、バッテリー39からモータ35に電気が供給される。
【0035】
送風ファン13では、モータ35の回転によってロータ36が回転し、脱臭装置10Aの内部に空気の流れが作られる。なお、送風ファン13の回転速度は1〜500r/minの範囲にあり、中空部材26の空気流路30を流れる空気の流速は0.1〜0.7m/secの範囲にある。中空部材26の空気流路30を流れる空気の流速が0.7m/secを超過すると、空気が中空部材26の空気流路30を短時間に通過してしまうから、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間が短くなり、空気に含まれる臭気を活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に十分に吸着させることができない。この脱臭装置10Aは、中空部材26の空気流路30を流れる空気の流速が前記範囲にあり、空気が中空部材26の空気流路30をゆっくりと流れるから、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間を長くすることができる。
【0036】
図8は、使用状態で示す脱臭装置10Aの側面図である。この脱臭装置10Aは、吊り下げ紐23を天井42に掛けることで、天井42から吊り下げられている。送風ファン13には配線41を介してバッテリー39が接続され、バッテリー39には配線41を介してソーラーパネル40が接続されている。なお、図示はしていないが、配線41にはスイッチが取り付けられ、スイッチをONにすることで、電気が送風ファン13に供給され、スイッチをOFFにすることで、送風ファン13に対する電気の供給が遮断される。
【0037】
スイッチをONにすると、モータ35が駆動し、それによってロータ36が回転する。ロータ36が回転すると、図8に矢印L1で示すように、空気が脱臭装置10Aの下端部20(空気流入口21)から装置10Aの内部に進入する。空気は、各中空部材26の空気流路30を通り、脱臭カートリッジ12の一端部27から反対端部28に向かってゆっくりと通流する。脱臭装置10Aでは、送風ファン13のロータ36がカートリッジ12の反対端部38の略全域に跨り、ロータ36が反対端部38の略全域をカバーしているから、ロータ36の回転によってすべての中空部材26の空気流路30に空気の流れが生じ、すべての中空部材26の空気流路30を空気が流動する。
【0038】
空気に含まれる臭気は、中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に吸着される。臭いが取り除かれた空気は、図8に矢印L2で示すように、脱臭装置10Aの上端部24(空気流出口25)から排出される。この脱臭装置10Aは、すべての中空部材26の空気流路30を空気が流動するから、一部の中空部材26において空気が対流することはなく、それらすべての中空部材26を臭気の脱臭に利用することができる。なお、脱臭カートリッジ12を所定期間使用した後は、そのカートリッジ12をケース11から取り外し、新しいカートリッジ12をケース11に収納する。
【0039】
脱臭装置10Aは、脱臭カートリッジ12が直状に延びる空気流路30を有する複数の中空部材26から作られ、中空部材26がその空気流路30を通る空気の抵抗となることはなく、中空部材26の空気流路30に空気の滞留空間が形成されることもないから、空気が中空部材26の内部を円滑に流動することができ、中空部材26の内周面31全域を臭気の脱臭に利用することができる。脱臭装置10Aは、送風ファン13によって空気を脱臭カートリッジ12の一端部27から反対端部28に向かってゆっくりと流動させ、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間が長く、内周面31に空気を確実に接触させることができるから、カートリッジ12の脱臭機能を最大限に利用することができ、装置10Aにおける脱臭効率を向上させることができる。脱臭装置10Aは、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間が長いから、空気に含まれる臭気を中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。
【0040】
脱臭装置10Aでは、中空部材26が和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジ12がハニカム構造に形成されているから、カートリッジ12の座屈強度や圧縮強度が向上し、カートリッジ12が破損し難く、カートリッジ12が破損することによる脱臭機能の低下を防ぐことができる。脱臭装置10Aは、中空部材26が六角形に形成されることで、中空部材26の内周面31の面積を最大にすることができ、それら中空部材26の面を臭気の脱臭に有効に利用することができる。脱臭装置10Aは、和紙から作られた中空部材26が通気性と吸湿性とを有するから、隣接する中空部材26間において空気が流通し、空気に含まれる臭気をそれら中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末の全域に確実に吸着させることができるとともに、それら中空部材26に空気中の湿気を吸着させることができる。
【0041】
脱臭装置10Aは、所定期間使用して脱臭機能の低下した脱臭カートリッジ12をケース11から取り出して交換することができるから、古いカートリッジ12を新しいそれと取り換えることで、脱臭装置10Aにおける脱臭効率の低下を防ぐことができる。脱臭装置10Aは、吊り下げ紐23によって装置10Aを吊り下げることができるから、装置10Aを他の物の邪魔にならない高所に設置することができる。脱臭装置10Aは、ソーラーパネル40の発電機能を利用して送風ファン13を駆動させるから、光エネルギーのみを利用した省エネルギータイプの装置10Aにすることができ、省エネを図ることができるとともに、環境に負荷をかけることもない。
【0042】
図9は、上端部24の側から見た他の一例として示す脱臭装置10Bの斜視図であり、図10は、下端部20の側から見た脱臭装置10Bの斜視図である。図11は、脱臭装置10Bの底面図であり、図12は、脱臭装置10Bの上面図である。図13は、図11の13−13線矢視断面図である。図9,10では、上下方向を矢印Aで示し、横方向を矢印Bで示す。図9,10では、バッテリー39やソーラーパネル40、スタンド44の図示を省略している。図11,13では、脱臭カートリッジ12(図13のみ)やスタンド44の図示を省略している。この脱臭装置10Bは、上下方向(一方向)へ延びる収納ケース11および脱臭カートリッジ12と、光源43(熱源)とから形成されている。
【0043】
図9の脱臭装置10Bが図1のそれと異なるところは、送風ファン13に換えて光源43が取り付けられ、さらに、吊り下げ手段に換えて装置10Bを支持するスタンド44が取り付けられている点にある。前記異なる点を除き、この脱臭装置10Bにおけるその他の構成は図1の脱臭装置10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すことで、この装置10Bにおけるその他の構成の説明は省略する。
【0044】
第1端部材16は、その直径が胴部材14のそれよりもわずかに大きく、胴部材14の下部15周縁に固定手段(接着剤による接着、ビス止め等)によって固定されている。第1端部材16には、その周り方向へ並ぶスタンド44が取り付けられている。収納ケース11の下端部20には、第1端部材16に囲繞された空気流入口21が形成されている。第2端部材18は、その直径が胴部材14のそれよりもわずかに大きく、胴部材14の上部17周縁に着脱可能に嵌め込まれている。収納ケース11の上端部24には、第2端部材18に囲繞された空気流出口25が形成されている。スタンド44は、第1端部材16の外周面45に取り付けられている。スタンド44は、第1端部材16から斜め下方へ延びる脚部材46と、脚部材46の下端から横方向へ延びる接地部材47とから形成されている。接地部材47を床48(地面)に接地させることで、脱臭装置10Bを床48から上方へ離間かつ上下方向に起立させた状態で、装置10Bを床48に置くことができる(図14参照)。
【0045】
脱臭カートリッジ12をケース11に収納するには、第2端部材18を胴部材14の上部17周縁から取り外してケース11の上端部24を開け、カートリッジ12をケース11の上端部24から収納スペース19に挿入した後、第2端部材18を胴部材14の上部17周縁に嵌め込む。ケース11に収納されたカートリッジ12は、その反対端部28の周縁51が第2端部材18の内周縁部52の内側に位置することで、ケース11からの抜け落ちが防止される。カートリッジ12をケース11から取り外すには、第2端部材18を胴部材14の上部17周縁から取り外してケース11の上端部24を開け、カートリッジ12を収納スペース19から抜き取る。
【0046】
光源43は、ケーシング49と、ケーシング49の内部に固定された白熱電球50とから形成されている。光源43は、脱臭カートリッジ12の一端部27に隣接し、収納ケース11の下端部20における収納スペース19に配置されている。光源43は、そのケーシング49が第1端部材16の内周縁部33に固定手段(接着剤による接着、ビス止め等)によって固定されている。光源43(白熱電球50)には、バッテリー39と、バッテリー39に電気を供給するソーラーパネル40とが配線41を介して接続されている(図13参照)。なお、図示はしていないが、配線41にはスイッチが取り付けられている。スイッチをONにすると、白熱電球50に電気が供給され、スイッチをOFFにすると、電球50に対する電気の供給が遮断される。
【0047】
図14は、使用状態で示す脱臭装置10Bの側面図である。図14では、脱臭装置10Bがスタンド44を介して床48に置かれている。スイッチをONにすると、白熱電球50が点灯し、それによって脱臭装置10Bの下端部20(空気流入口21)において空気が熱せられる。電球50によって熱せられた空気は装置10Bの下端部20から上端部24に向かって上昇し、脱臭装置10Bの内部に空気の流れが作られる。この脱臭装置10Bでは、図14に矢印L1で示すように、空気が脱臭装置10Bの下端部20(空気流入口21)から装置10Bの内部に進入する。空気は、各中空部材26の空気流路30を通り、脱臭カートリッジ12の一端部27から反対端部28に向かってゆっくりと対流する。空気に含まれる臭気は、中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に吸着される。臭気が取り除かれた空気は、図14に矢印L2で示すように、脱臭装置10Bの上端部25(空気流出口25)から排出される。
【0048】
脱臭装置10Bは、脱臭カートリッジ12が直状に延びる空気流路30を有する複数の中空部材26から作られ、中空部材26がその空気流路30を通る空気の抵抗となることはなく、中空部材26の空気流路30に空気の滞留空間が形成されることもないから、空気が中空部材26の内部を円滑に対流することができ、中空部材26の内周面31全域を臭気の脱臭に利用することができる。脱臭装置10Bは、光源43(熱源)によって空気を熱することで、空気を脱臭カートリッジ12の下端部20から上端部24に向かってゆっくりと対流させ、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間が長く、内周面31に空気を確実に接触させることができるから、カートリッジ12の脱臭機能を最大限に利用することができ、装置10Bにおける脱臭効率を向上させることができる。脱臭装置10Bは、中空部材26の内周面31に対する空気の接触時間が長いから、空気に含まれる臭気を中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末に十分に吸着させることができ、空気に含まれる臭気を確実に取り除くことができる。
【0049】
脱臭装置10Bでは、中空部材26が和紙から作られて六角形の断面形状を有し、脱臭カートリッジ12がハニカム構造に形成されているから、カートリッジ12の座屈強度や圧縮強度が向上し、カートリッジ12が破損し難く、カートリッジ12が破損することによる脱臭機能の低下を防ぐことができる。脱臭装置10Bは、中空部材26が六角形に形成されることで、中空部材26の内周面31の面積を最大にすることができ、それら中空部材26の面を臭気の脱臭に有効に利用することができる。脱臭装置10Bは、和紙から作られた中空部材26が通気性と吸湿性とを有するから、隣接する中空部材26間において空気が流通し、空気に含まれる臭気をそれら中空部材26の内周面31に固着された活性炭や人工ゼオライト粉末、炭粉末の全域に確実に吸着させることができるとともに、それら中空部材26に空気中の湿気を吸着させることができる。
【0050】
脱臭装置10Bは、所定期間使用して脱臭機能の低下した脱臭カートリッジ12をケース11から取り出して交換することができるから、古いカートリッジ12を新しいそれと取り換えることで、脱臭装置10Bにおける脱臭効率の低下を防ぐことができる。脱臭装置10Bは、スタンド44によって装置10Bが床48から上方へ離間するから、装置10Bにおける空気の流入口21が塞がれることはなく、光源43を利用して空気をカートリッジ12の内部に確実に対流させることができる。脱臭装置10Bは、ソーラーパネル40の発電機能を利用して白熱電球50を点灯させるから、光エネルギーのみを利用した省エネルギータイプの装置にすることができ、省エネを図ることができるとともに、環境に負荷をかけることもない。
【0051】
図1に示す脱臭装置10Aは、フック22(吊り下げ手段)と吊り下げ紐23(吊り下げ手段)とによって天井42に吊り下げられているが、図9に示す装置10Bと同様に、第1端部材16にスタンド44が取り付けられていてもよく、スタンド44を介して装置10Aを床48に置くようにしてもよい。図9に示す脱臭装置10Bは、スタンド44によってそれが床48に置かれるが、図1に示す装置10Aと同様に、第2端部材18にフック22と吊り下げ紐23とが取り付けられ、それらを介して装置10Bを高所に吊り下げるようにしてもよい。
【0052】
図1および図9に示す装置10A,10Bでは、脱臭カートリッジ12を形成する中空部材26の断面形状が正六角形であるが、中空部材26の断面形状を正六角形に限定するものではなく、図15〜図17に示すように、中空部材26の断面形状を正三角形(図14参照)、正四角形(図15参照)、正円形(図16参照)にすることもできる。また、図9に示す装置10Bは、光源43(白熱電球50)を使用しているが、光源43に換えてヒータ(熱源)を利用することもできる。ヒータを稼動させることで、空気がヒータによって熱せられ、空気が各中空部材26の空気流路30を通り、脱臭カートリッジ12の一端部27から反対端部28に向かってゆっくりと対流する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】上端部の側から見た一例として示す脱臭装置の斜視図。
【図2】下端部の側から見た脱臭装置の斜視図。
【図3】脱臭装置の上面図。
【図4】脱臭装置の底面図。
【図5】図1の5−5線矢視断面図。
【図6】図3の6−6線矢視断面図。
【図7】一例として示す脱臭カートリッジの斜視図。
【図8】使用状態で示す脱臭装置の側面図。
【図9】上端部の側から見た他の一例として示す脱臭装置の斜視図。
【図10】下端部の側から見た脱臭装置の斜視図。
【図11】脱臭装置の底面図。
【図12】脱臭装置の上面図。
【図13】図11の13−13線矢視断面図。
【図14】使用状態で示す脱臭装置の側面図。
【図15】他の一例として示す脱臭カートリッジの上面図。
【図16】他の一例として示す脱臭カートリッジの上面図。
【図17】他の一例として示す脱臭カートリッジの上面図。
【符号の説明】
【0054】
10A 脱臭装置
10B 脱臭装置
11 収納ケース
12 脱臭カートリッジ
13 送風ファン
19 収納スペース
20 下端部
22 フック(吊り下げ手段)
23 吊り下げ紐(吊り下げ手段)
24 上端部
26 中空部材
27 一端部
28 反対端部
30 空気流路
31 内周面
39 バッテリー
40 ソーラーパネル
43 光源
44 スタンド
50 電球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が通過可能な空気流路を有して一方向へ延びる複数の中空部材から作られた脱臭カートリッジと、前記空気を前記脱臭カートリッジの一端部から反対端部に向かって通流させる送風ファンとから形成され、臭気を吸着する吸着式脱臭剤が、前記中空部材の周面全域に担持され、前記中空部材の空気流路を流れる空気の流速が、0.1〜0.7m/secの範囲にある脱臭装置。
【請求項2】
空気が通過可能な空気流路を有して一方向へ延びる複数の中空部材から作られた脱臭カートリッジと、前記脱臭カートリッジの下端部に設置されて前記空気を該脱臭カートリッジの下端部から上端部に向かって対流させる熱源とから形成され、前記臭気を吸着する吸着式脱臭剤が、前記中空部材の内周面全域に担持されている脱臭装置。
【請求項3】
前記中空部材が、和紙から作られて六角形の断面形状を有し、前記脱臭カートリッジが、前記複数の中空部材の外周面どうしを互いに当接させて作られたハニカム構造に形成されている請求項1または請求項2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記脱臭装置が、前記一方向へ延びる収納ケースを含み、前記脱臭カートリッジが、前記ケースの内部に着脱可能に収納され、前記送風ファンが、前記脱臭カートリッジの端部に隣接して前記ケースの内部に収納され、前記収納ケースには、前記脱臭装置を吊り下げる吊り下げ手段が形成されている請求項1または請求項3に記載の脱臭装置。
【請求項5】
前記脱臭装置が、前記一方向へ延びる収納ケースを含み、前記脱臭カートリッジが、前記ケースの内部に着脱可能に収納され、前記送風ファンが、前記脱臭カートリッジの端部に隣接して前記ケースの内部に収納され、前記収納ケースには、前記脱臭装置を地面から上方へ離間させた状態で該脱臭装置を支持するスタンドが取り付けられている請求項1または請求項3に記載の脱臭装置。
【請求項6】
前記送風ファンには、バッテリーと前記バッテリーに電気を供給するソーラーパネルとが接続され、前記送風ファンは、その回転速度が1〜500r/minの範囲にある請求項1、3、4、5のいずれかに記載の脱臭装置。
【請求項7】
前記脱臭装置が、前記一方向へ延びる収納ケースを含み、前記脱臭カートリッジが、前記ケースの内部に着脱可能に収納され、前記熱源が、前記脱臭カートリッジの下端部に隣接して前記ケースの内部に収納され、前記収納ケースには、前記脱臭カートリッジの下端部を下にした状態で前記脱臭装置を吊り下げる吊り下げ手段が形成されている請求項2または請求項3に記載の脱臭装置。
【請求項8】
前記脱臭装置が、前記一方向へ延びる収納ケースを含み、前記脱臭カートリッジが、前記ケースの内部に着脱可能に収納され、前記熱源が、前記脱臭カートリッジの下端部に隣接して前記ケースの内部に収納され、前記収納ケースには、前記脱臭カートリッジの下端部を下にした状態で前記脱臭装置を起立させるスタンドが取り付けられている請求項2または請求項3に記載の脱臭装置。
【請求項9】
前記熱源には、バッテリーと前記バッテリーに電気を供給するソーラーパネルとが接続されている請求項2、3、7、8のいずれかに記載の脱臭装置。
【請求項10】
前記吸着式脱臭剤が、活性炭と人工ゼオライトと炭とのうちの少なくとも1つである請求項1ないし請求項9いずれかに記載の脱臭装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−11530(P2009−11530A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176002(P2007−176002)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(502228247)株式会社アールデック (8)
【出願人】(507227522)有限会社 塚本電設 (2)
【Fターム(参考)】