説明

脳内血流測定デバイス

MCAOモデルを標準化させ、そして、その再現性および信頼性を一層向上させることを課題とする。
プローブ保持デバイス(10)は、血流計プローブ(12)を保持するプローブ保持部材(14)を有して成り、脳内の血流を測定する際に、血流計プローブと共に用いる。プローブ保持部材は、血流計プローブを保持した状態で、側頭骨に隣接してその外側に配置できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脳内の血流、例えば血流量、特に側頭骨に近接して位置する脳部分の血管内の血流を測定するためのデバイスに関する。本発明のデバイスは、ラットまたはマウス等の動物を用いる種々の実験において脳内の血流を測定する場合に特に好適である。
【背景技術】
【0002】
塞栓糸(intraluminal filament、以下、フィラメントともいう)を用いるラットの中大脳動脈閉塞(Middle Cerebral Artery Occlusion, MCAO)モデルがKoizumiおよびZea Longaらによって提案され、脳の虚血性細胞死のメカニズムの解明および治療法開発の研究にそのようなモデルが使用されている(後述の非特許文献1および2参照)。このモデルは、実施するのが比較的容易であり、低侵襲であり、また、脳圧、血液−脳関門透過性および脳組織に影響を与える開頭を必要としない点で優れている。
【0003】
しかしながら、研究に用いるラットにおける外傷のサイズ、血管の穿孔によるクモ膜下出血の割合およびモデル作製後24〜48時間内の早期死亡率は、実験者によって異なる、即ち、再現性に乏しい。このことは、多くの費用と時間を用いて多数の動物を使用して統計的な検討を実施する必要があることを意味する。
【0004】
このように再現性が無いのは、虚血時間の違い、再灌流時刻の違い、フィラメントの品質の違いおよびフィラメントの位置の違い等に起因するものと考えられる。そこで、局所脳血流量(regional cerebral blood flow, rCBF)測定により虚血の確認をすることが必要であるがその目的には、レーザードップラー流量測定法(Laser-Doppler Flowmetory, LDF)を使用することが有用であり、それによってモデルの信頼性が向上すると提唱されている(後述の非特許文献3参照)。しかしながら、LDFを使用する場合、特別な処置が必要となる。
【0005】
具体的には、麻酔をかけたラットに開頭手術を施し、頭蓋骨の頭頂部分を除去して硬膜を露出させ、露出した硬膜にLDFプローブのレーザー放射部を接触させて血流量を測定している。プローブをラットの頭部に固定するために、ラットの頭蓋骨にプローブを生体用セメント留めしている。
【0006】
上述のように開頭してプローブを固定するには非常に繊細な技術と時間が必要で、また、特に、試験するラットの数が多い場合は、時間的にも制約を生じる。
【非特許文献1】Koizumi J, Yoshida Y, Nakazawa T, Ooneda G. Experimental studies of ischemicbrain edema, I: a new experimental model of cerebral embolism in rats in whichrecirculation can be introduced in the ischemic area. Jpn J Stroke. 1986;8:1-8
【非特許文献2】Longa EZ, Weinstein PR, Carlson S, Cummins R. Reversible middle cerebral artery occlusion without craniectomy in rats. Stroke. 1989;20:84-91
【非特許文献3】Schmid-Elsaesser R, Zausinger S, Hungerhuber E, Baethmann A, Reulen HJ. A critical reevaluation of the intraluminal thread model of focal cerebral ischemia: evidence of inadvertent premature reperfusion and subarachnoid hemorrhage in rats by laser-doppler flowmetory. Stroke. 1998;29:2162-70
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が解決しようする課題は、MCAOモデルを標準化させ、そして、その再現性および信頼性を一層向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題について、鋭意検討を重ねた結果、脳血流測定に際して、ドップラー効果を利用する血流計に用いるプローブ(以下、「血流計プローブ」と呼ぶ)を側頭筋と側頭骨との間に配置すると、現在までの技術のように頭蓋骨を損傷させることなしに再現性および信頼性が向上した血流測定が可能であることを見出し、それに基づいて以下に説明する本発明に想到した。
【0009】
尚、血流計プローブとは、医療、医学等に関連する血流測定の分野では既知であり、光または音(特に超音波)のドップラー効果を利用して血流量、血液量および血流速度の少なくとも1つを血流として測定する装置として周知である血流計に使用するプローブであって、血流を測定する対象に対して光または音を照射して当該対象から反射されてくる光または音を受取る機能を有する要素を意味する。血流計プローブは、血流を測定するために電気的信号および/または電流を輸送するための導線を有する。
【0010】
第1の要旨において、本発明は、
血流計プローブを保持するプローブ保持部材を有して成り、脳内の血流を測定する際に、血流計プローブと共に用いるプローブ保持デバイスであって、
プローブ保持部材は、血流計プローブを保持した状態で、側頭骨に隣接してその外側に配置できることを特徴とするプローブ保持デバイスを提供する。
【0011】
本発明のプローブ保持デバイスにおいて、プローブ保持部材は、脳を覆う頭蓋骨の少なくとも一方の側の側頭骨に隣接して配置できると共に、血流計プローブを保持できる。保持される血流計プローブは、側頭骨を介して脳に対して光または音(特に超音波)を照射し、また、反射されてくる光または音(特に超音波)を受取ることができる。プローブ保持部材は、シート状である(即ち、厚さ方向のディメンションが他のディメンションに対して相当小さい)のが好ましく、側頭骨とその隣に位置する側頭筋との間に形成される空間部に配置できる寸法(特に厚さ)を有するのが好ましい。シートの形状はいずれの適当なものであってもよく、例えば矩形、正方形、楕円形、円形等であってよく、そのような空間に入る形状であるのが望ましい。プローブ保持部材がシート状である場合、血流計プローブも薄型であるのが好ましい。そのような空間部は、頭部の皮膚を切開して頭蓋骨を露出させた場合に、側頭骨に隣接状態にある側頭筋を、側頭骨から引き離すと自然に形成されるものであり、「Natural Pocket」とも呼べるものである。
【0012】
尚、「Natural Pocket」内に入る形態であって、血流の測定が可能である限り、シート状以外のプローブ保持部材としてもよい。例えば、血流を測定する実験に用いる、標準的な体重(または体形)の動物(例えばラット)をモデルとして選択し、そのモデルの「Natural Pocket」内にシリコーン樹脂を流し込んで硬化させた後に硬化物を取り出し、それを原型として用いてプラスチック材料を成形してプローブ保持部材を得ることもできる。その場合、「Natural Pocket」に丁度嵌まり込む、即ち、フィットするプローブ保持部材を得ることができるので、精度がより向上した測定が可能となる。実際、血流の測定に用いる動物については、その標準的な体重が決まっているので、一旦原型を得てそれに基づいて成形してプローブ保持部材を製造すると、そのようなプローブ保持部材を同じ動物を使用する他の実験においても汎用的に使用できる。
【0013】
従って、本発明のプローブ保持部材は、血流の測定を実施すべき動物の側頭筋と側頭骨との間に形成される空間に対応する原型を得、次に、得られた原型に基づいてプラスチック材料を成形することによってプローブ保持部材を得ることを特徴とする製造方法によって製造できる。
【0014】
原型は、側頭筋と側頭骨との間に形成される空間に硬化性材料を注入して、その空間内で硬化性材料を硬化させることによって得ることができる。硬化性材料としては、いずれの適当な材料を使用してもよい。例えば、石膏のような無機材料であっても、硬化性樹脂のような有機材料であってもよい。好ましい材料は、光(または紫外線)硬化性樹脂、特にシリコーン樹脂である。この場合、「Natural Pocket」に樹脂を流し込んだ状態で光を照射して硬化させて原型を得ることができる。
【0015】
好ましい態様では、本発明のプローブ保持デバイスは、プローブ保持部材が両側の側頭骨に隣接して配置される構成であるのが好ましく、この態様では、血流計プローブから両側の側頭骨を介して脳に対して光または音が照射され、脳内の血流が測定される。このような態様では、プローブ保持デバイスは、2つの上述のようなプローブ保持部材を有して成り、各プローブ保持部材を各側頭骨に隣接して配置できる。2つのプローブ保持部材は、それぞれ独立していてもよく(即ち、離れていてもよく)、あるいはプローブ保持デバイスはブリッジ部分を有して成り、ブリッジ部分が2つのプローブ保持部材を橋渡し(または接続)して一体の単一デバイスとなるように構成されていてもよい。
【0016】
このような好ましいプローブ保持デバイスは、1つの態様では、ブリッジ部分もシート状であり、ブリッジ部分の両側の各縁部にて各プローブ保持部材の縁部が一体に接続されているのが好ましい。特に、プローブ保持デバイスが全体として断面U字形状であるのが好ましく、ブリッジ部分がU字の底部に対応し、U字の底部の両端からプローブ保持部材が上向きに延在する。ブリッジ部分の縁部の幅(または長さ)とプローブ保持部材の幅(または長さ)と、同じであっても、あるいは異なってもよい。U字の底部は、平坦であっても、そうでなくてもよく、例えば湾曲していてもよい。
【0017】
断面U字形状のプローブ保持デバイスは、所定寸法の矩形シート、好ましくはストリップ形態のシートを「U」字形状に屈曲することによって形成できる。この場合、ブリッジ部分の縁部の幅とプローブ保持部材の幅とが実質的に同じとすることができる。このような屈曲に好ましいシートとしては、例えばプラスチックシート(例えばポリプロピレンシート、ソフトセルロイドシート、シリコーン樹脂等)、金属シート(ステンレススチールシート等)を例示できる。本発明の効果を奏する限り、いずれの適当な材料のシートを使用してもよい。シート材料の屈曲の代わりに、プローブ保持部材とブリッジ部分とをいずれかの適当な手段(例えばネジ、接着剤、溶接等)によって接着してもよい。
【0018】
プローブ保持部材は、血流計プローブを保持する。保持部材がプローブを保持する方式は、プローブが側頭骨に隣接した状態を確保できる限り、特に限定されるものではない。プローブの隣接状態は、プローブ(特にプローブの光または音を発射する部分および光または音を受け取る部分)が側頭骨に直接接触した状態、あるいは、微小な空間部を隔てて側頭骨に対向する状態のいずれであってもよいが、前者の状態が好ましい。具体的には、1つの形態では、プローブ保持部材を構成するシートにプローブの形に対応する(または相補的な)凹部を設けて、その凹部にプローブを配置した場合に、プローブの表面とプローブ保持部材の表面が実質的に面一の面を構成し、保持部材からプローブが突出しないようになっている。別の形態では、プローブ(特にプローブの光または音を発射する部分および光または音を受け取る部分)の表面がプローブ保持部材の表面から突出してもよい。また、同様の凹部をプローブに接続されている導線用にプローブ保持部材に設けてもよい。
【0019】
1つの好ましい形態では、本発明のプローブ保持デバイスは、温度センサーをも保持できる。この温度センサーは、側頭骨、好ましくは血流を測定する脳の箇所の温度を測定できるのが好ましく、血流測定時の温度を同時に測定できるので好都合である。具体的には棒状あるいは平型の形状(全体としての形状)をした温度センサーを保持できる構造とするのが好ましい。温度センサーの保持については、上述の血流計プローブの保持と同様であってよい。尚、温度センサーの温度検知部分は、通常微小であり、例えば点状である。
【0020】
本発明のプローブ保持デバイスは、1つの態様では、医学的な種々の研究で使用されるラット、マウス等の動物に使用できるように構成されている。即ち、プローブ保持部材の寸法がそのような動物の側頭筋と側頭骨との間の空間に挿入できるような寸法を有する。特に好ましい態様では、上述のように「Natural Pocket」の型取りをして原型を得、それに基づいてプラスチック材料を成形することによってプローブ保持部材を得る。本発明のプローブ保持デバイスは、他の動物(例えばイヌ、ウサギ、サルなどの実験動物等)にも適用可能であり、その場合、そのような動物の側頭筋と側頭骨との間の空間に挿入できるようなプローブ保持部材および要すれば存在するブリッジ部分の寸法とすればよい。
【0021】
また、保持デバイスが2つのプローブ保持部材を使用する態様では、2つのプローブ保持部材が両側の側頭骨に隣接するように容易に配置できるように、ブリッジ部分がプローブ保持部材を一体に接続するのが好ましい。この場合、2つのプローブ保持部材を側頭骨の両側に配置した場合、プローブ保持部材が相互に近づくように力が作用するようになっているのが好ましい。具体的には、2つのプローブ保持部材が頭蓋骨を内向きに押圧しながら挟むようになっているのが好ましい。例えば、断面U字形プローブ保持デバイスの場合、U字の幅、即ち、プローブ保持部材同士の間隔が目的とする動物の頭蓋骨の平均的な幅と同等である、若干大きいか、あるいは若干小さくなるように構成する。若干小さい場合は、デバイスを構成する材料の弾性によって若干押し広げた状態で側頭骨の横にプローブ保持部材が位置するように配置できるのが好ましい。
【0022】
第2の要旨において、本発明は、血流計プローブを有する上述の本発明のプローブ保持デバイスを有して成る血流測定デバイスを提供する。この血流測定デバイスは、上述のプローブ保持デバイスに血流計プローブが配置された状態にあるデバイスであり、プローブから導線が延び出ている。この導線は、光または音を照射するために、また、プローブが光または音を受け取り、受け取った光または音を信号として処理するために必要であり、周知のものである。従って、これ以上の特別な説明は不要である。本発明の血流測定デバイスは、プローブ保持部材が上述の温度センサーを更に有するのが好ましい。尚、血流計プローブおよび導線は、LDF等において周知であり、常套のものを使用できる。
【0023】
第3の要旨において、本発明は、上述の血流測定デバイスを用いて動物の脳の血流を測定する方法を提供する。この方法では、本発明の血流測定デバイスを用いてプローブ保持部材を動物の側頭骨と側頭筋との間に配置すること、血流計プローブから脳に向かって光または音を照射すること、脳によって反射された音または光を血流計プローブで受け取ることを含んで成る。この方法において、本発明の血流測定デバイスを使用してプローブ保持部材を側頭骨と側頭筋との間に配置することを除いて、一般的に血流計を用いて血流測定を実施する場合と同じようにして血流を測定できる。
【0024】
上述の本発明の方法において、血流測定デバイスを側頭骨に隣接して配置する前に、動物の側頭骨と側頭筋の上側にて頭皮を切開して側頭骨および側頭筋を露出させてNatural Pocketを形成する。また、必要に応じて、プローブを配置した後、プローブ保持部材を側頭筋と側頭骨との間に挟んだ状態で側頭筋を側頭骨側に寄せると共に、プローブの導線が外に向かって延在する状態で頭皮を縫合してよい。
【0025】
このように血流測定デバイスを配置した後、動物に対して種々の実験および/または処置を実施する。例えば、動物を更に処置してMCAOモデルなどを形成し、非侵襲に脳血流を測定しながら、MCAO実験を実施することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のプローブ保持デバイスを用いると、側頭骨と側頭筋との間に血流計プローブを配置することができる。そのようにプローブを配置すると、再現性および信頼性をもって脳の血流を測定することができる。このような血流の測定を実施するに際して、従来から実施されている、頭蓋骨の頭頂部分を除去して硬膜を露出させる方法と比べて、測定のための準備が非常に簡単である。その結果、ドップラー血流計を脳の血流測定に容易に適用することができる。
【0027】
よって、ドップラー血流計を用いて脳の血流状態をオンライン的に確認できるので、経験の少ない検査員であっても、向上した再現性および信頼性をもってより完全な閉塞状態を達成したMCAOモデル実験を実施できる。その結果、実験時の不適切または不慣れな処置によるクモ膜下出血の発生が激減し、少数の動物数で有意な実験を安価かつ短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明のプローブ保持デバイスを斜視図にて模式的に示す。
【図2】図2は、図1の矢印Aの方向で、本発明のプローブ保持デバイスを見た様子を模式的に示す。
【図3】図3は、図1の矢印Bの方向で、本発明のプローブ保持デバイスを見た様子を模式的に示す。
【図4】図4は、図1のプローブ保持デバイスをその上方から見た様子を模式的に図4に示す。
【図5】図5は、実施例においてLDFによって測定したrCBFの代表的な記録を示す。
【図6】図6は、実施例の第2グループについてLDFによって測定されたrCBFの動的変化を示す。
【図7】図7は、実施例における皮質および皮質下に関する障害体積の算出結果を示す。
【図8】図8は、ブリッジ部分に加熱要素を更に有する図1と同様の本発明のデバイスを斜視図にて模式的に示す。
【符号の説明】
【0029】
10…プローブ保持デバイス、12,12’…血流計プローブ、
14,14’…プローブ保持部材、16…ブリッジ部分、
18,18’,20,20’…縁部、24,24’…導線、
26,26’…温度センサー、28,28’…導線、
30…光または音の照射および受容部、
32,32’,34,34’…開口部、
40…加熱要素配置領域(斜線部)、44…温度センサー。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明のデバイスをLDFを用いる場合を例として説明するが、プローブおよび血流計の種類を変更すると、超音波ドップラー流量測定法も同様に適用できる。
【0031】
図1に、本発明のプローブ保持デバイス10を斜視図にて模式的に示す。図示した態様では、保持デバイス10に血流計プローブ12および12’が配置された状態で、即ち、本発明の血流測定デバイスの形態で示している。
【0032】
図示したプローブ保持デバイス10は、2つのプローブ保持部材14および14’を有し、これらがブリッジ部分16によって一体に接続されている。図から判るように、ブリッジ部分16の幅に対応する縁部18および18’が各保持部材の幅に対応する縁部20および20’に沿って(詳しくはその全長に沿って)一体に接続されている。図1の左側から見た場合(矢印A参照)のプローブ保持デバイス10の形状に対応する、プローブ保持部材の断面は上下が逆のU字形状となっている。プローブ保持部材14と14’との間の距離は、頭蓋骨の両側の側頭骨間の距離に実質的に対応する、即ち、プローブ保持部材間の距離は、側頭骨間の距離に等しいか、側頭骨間の距離より若干小さいが、保持デバイスの材料の性質に応じて少し広げることができるか、あるいは、側頭骨間の距離より若干大きいが、保持デバイスの材料の性質に応じて少し小さくすることができる。
【0033】
尚、図1に示した態様では、プローブ保持部材10の厚さを省略して図示している。図示するように、プローブ保持部材14および14’は、それぞれ血流計プローブ12および12’を有する。各プローブは、導線24および24’を有する。図示した態様では、プローブ保持部材が2つ存在するが、本発明のプローブ保持デバイスは、単一のプローブ保持部材から成ってもよい。
【0034】
図1の矢印Aの方向で、血流計プローブ12および12’を有するプローブ保持デバイス10を見た様子を模式的に図2に示す。図示した態様では、プローブ保持部材の表面とプローブの表面とが実質的に面一となるように、プローブ12および12’がプローブ保持部材14および14’の凹部に嵌まり込んで配置されている。図示した態様では、U字の脚部が先端部に向かって広がっているが、脚部が実質的に平行であっても、あるいはU字の脚部が先端部に向かって狭まっていてもよい。尚、図1および図2に示した態様では、プローブ保持部材を構成する材料は半透明または不透明であり、従って、直接見えない要素を破線にて示している。
【0035】
図1の矢印Bの方向で、血流計プローブを有するプローブ保持デバイスを見た様子を模式的に図3に示す。尚、図3においては、温度センサー26をも有する状態で示している。温度センサー26およびその導線28、ならびに血流計プローブ12およびその導線24は、矢印Bの方向で見た場合はプローブ保持要素14の裏側に位置するので実際には見えないがこれらも実線にて示している。プローブ12には、光または音の照射および受容部(または受光部もしくは受音部)30も示している。図3では、ラットに用いる場合のプローブ保持部材14およびプローブ12の寸法の一例を示している。尚、プローブ保持部材14および14’の厚さは例えば2.0mmであり、プローブの12および12’の厚さは、例えば1.0mmである。
【0036】
図1のプローブ保持デバイスをその上方から見た様子を模式的に図4に示す。但し、図4の態様においては、ブリッジ部分16は、開口部32および32’ならびに34および34’を有する。プローブ12および12’をプローブ保持部材14および14’の凹部に配置する際にブリッジ部分16に設けた開口部32および32’を経由して配置できるようになっている。同様に、温度センサー26および26’も開口部34および34’を経由してプローブ保持部材14および14’に配置できるようになっている。尚、図4では、導線24および26は図示を省略している。
【0037】
本発明の別の態様では、プローブ保持デバイスのブリッジ部分は、脳を加温する加熱要素を有して成る。この態様を模式的に図8に示す。図示した態様では、図1に示したデバイスにおいて、プローブ保持部材を接続するブリッジ部分16が、斜線部分の領域40に加熱要素(図示せず)を有する。加熱要素は、領域40の少なくとも一部分、必要に応じてより広い領域(全域であってもよい)に延在する電気的に加熱できるものであればよい。より具体的には、加熱要素は、例えば面状または線状の電極または抵抗体であり、従って、ブリッジ部分は電気絶縁性材料、例えばプラスチック材料で構成するのが好ましい。線状の加熱要素の場合、1つの態様では、加熱要素は、領域40においてジグザク状に、渦巻き状に延在してよい。尚、加熱のために必要な電流を導電(図示せず)によって供給する。
【0038】
1つの好ましい態様では、加熱要素は、ブリッジ部分の外側表面に配置されるのが好ましく、それの上を樹脂(例えば硬化性樹脂)によってコーティングして絶縁する。更に、ブリッジ部分に温度センサー44(センサー用の導線は図示せず)を設けるのが好ましく、これで脳温を測定して、その温度に応じて加熱量をコントロールする、例えば加熱要素に供給される電流をコントロールすることによって、所定のように脳温を維持することができる。別の態様では、温度センサー44を設けずに、プローブ保持部材に配置した温度センサー26および/または26’を代用してよい。更に別の態様では、温度センサー26および/または26’に加えて、温度センサー44を設けてもよい。このように温度に応じて加熱量をコントロールする方式は、周知であり、そのための制御手段も周知である。
【0039】
このように加熱要素および温度センサーを設けると、血流を測定するに際して、脳を実質的に直接加熱できるので、脳の温度を所定の温度に維持することが容易になる。
【0040】
尚、従来、麻酔下の小動物の脳温を所定の温度に維持する場合、動物を赤外線ランプ下でヒータ入りのブランケット上に載せて脳を加温する方法が採用されてきた。しかしながら、この方法は、熱源下に全体的に動物を配置することによって、間接的に脳を加温するものであり、温度制御が容易でなく、加熱量をむやみに多くすることができないので、脳の温度が目的とする温度よりも低くなる場合が多かった。
【0041】
これに対して、ブリッジ部分に加熱要素を配置することによって、脳温制御に特化した形で、局所の保温管理が可能である。また、極めて特徴的な事として、これまでの加温法は麻酔下の無動状態の管理しかできなかったが、本発明のプローブ保持デバイスに加熱要素を設ける場合では、ブリッジ部分は頭蓋骨上に位置するが、プローブ保持部材は側頭骨の側方で実質的に固定される。従って、覚醒時、即ち、動き回る動物においても、その飼育ケージ内の範囲の移動であれば、血流に加えて、脳温を連続モニタリングして、加熱量を調節して加温管理することができるので、対象動物の自由度が高くかつ精度の高い実験系に求められる、相反する要求を満たすことが可能である。
【0042】
尚、血流の測定が不要であり、脳温の管理のみが必要である場合には、プローブ保持デバイスに血流プローブを配置する必要はなく、加熱要素および温度センサーのみをブリッジ部分に配置するだけでもよく、この場合は、プローブ保持デバイスは、脳温制御デバイスということができる。
【実施例】
【0043】
実施例1
上述の本発明のプローブ保持デバイスに血流計プローブを配置して血流測定デバイスを構成し、これを用いてラットのMCAOモデル実験を以下の要領で実施した。使用したデバイスは、図1および図2に示す保持デバイスであるが、1つのプローブ保持部材のみから成るものであった。即ち、血流計プローブ12およびプローブ保持部材14のみから構成されるものであった。尚、導線24を血流計に接続した。
【0044】
1.手術の準備
イソフラン濃度5%の酸素を用いてラットを麻酔した。その後、気管挿入して30%の酸素および70%の窒素を含む混合ガスを用いて肺を人工呼吸させ、イソフランの呼気終末濃度を2.5%に下げた。表面加熱または冷却によって頭蓋周囲の温度を自動制御して37.0℃とした(モン・ア・サーム(Mon-a-therm)7000(マリンクロット社(Mallinckrodt Inc.)製)を使用)。ポリエチレンカテーテルを用いて尾骨動脈にカニュ−レを挿入した。後述のMCAOの間、動脈圧をモニターし、動脈血を間欠的にサンプリングして血液ガス、血糖値およびヘマトクリットをチェックした。
【0045】
2.MCAOの準備
Zea-Longaらの方法に基づくMCAOのために全てのラットに手術を施した。手術用顕微鏡を使用して、中央線気管前切開(middle pretracheal incision)によって総頚動脈(CCA)を露出させた。そして、動脈から迷走神経および交感神経を注意して離した。総頚動脈の分岐点から脳側2mmの箇所で外頚動脈(ECA)を結紮した。内頚動脈を末梢側に剥離し翼口蓋動脈(PPA)の根部を露出させた。
【0046】
次に、分岐点から心臓側5〜10mmの箇所で総頚動脈(CCA)を永久的に結紮し、翼口蓋動脈を根部に近接して5−0ナイロンモノフィラメント糸で結紮した。動脈血酸素分圧(PaO)および動脈血二酸化炭素分圧(PaCO)、pH、血漿グルコース濃度、ヘマトクリット、収縮期動脈圧、心拍数のベースライン値を測定した。小さい動脈切開部から右総頚動脈にシリコーン被覆した直径0.25mmのナイロンモノフィラメントを挿入した。
【0047】
ラットの第1のグループ(12匹)に関しては、LDFモニターをしないでMCAOを4週間実施した経験を有する検査員によってMCAOを実施した。非特許文献1および2に記載されているように、フィラメントを頚動脈の分岐点から挿入して僅かに抵抗を感じるまで約18〜20mm進めた。他方、ラットの第2のグループ(12匹)については、同じ試験員が以下に説明するように、LDFをモニターしながらMCAOを実施した。
【0048】
3.第2グループのrCBFモニタリング
右MCAの栄養領域であるの右脳の大脳皮質に関するMCAOの準備の前に、LDFの薄いプローブを配置した平坦な矩形シートである本発明の血流測定デバイスを、側頭筋と側頭骨との間に脳側に向かって超音波が照射されるように配置した。
【0049】
矩形シートは、ポリプロピレン製であり、その寸法は7.5mm×3.5mm×1.0mm(厚さ)であった。この矩形シートには、LDFプローブおよびそのための導線の形状と相補的な凹部が形成され、その凹部にプローブおよび導線が押し嵌めまたはスナップフィットによって嵌まり込むように凹部を形成した。
【0050】
使用したプローブは、一般的に脊髄の血流量を測定するためにユニーク・メディカル社(Unique Medical Inc.、東京)から製品名:Type−CSで市販されているものであった。ラットの頭部の皮膚を切開して頭蓋骨を露出させ、側頭骨と側頭筋との間の片側のナチュラル・ポケットに矩形シートを入れてプローブから発射される超音波が脳に照射されるように配置した。その後、側頭筋が矩形シートを介して側頭骨に押された状態で頭皮を縫合した後、ラットを仰向け状態としてMCAOモデルとした。
【0051】
MCAO操作の開始前から再灌流後30分まで1.0秒毎にrCBFを測定した。次に、シリコーン被覆した4−0ナイロンフィラメントを塞栓糸として挿入し、レーザードップラーからの出力がベースライン値の20%減少するまでフィラメントと進めた。レーザードップラーからの出力が急激に増加する場合には、早期の再灌流であると判断されるので、フィラメントの位置を再調整した。
【0052】
双方のグループにおいて、イソフランの呼気終末濃度が1.0%に下がった。45分の虚血時間の後、フィラメントを総頚動脈から抜去した。再灌流後30分に動脈カニューレおよびLDFプローブ(第2グループのみ)を除去して傷口を再縫合した。その後、イソフランの供給を止めた。自発呼吸の回復を確認した後、人工呼吸装置を外し、気管内挿管を取り外した。
【0053】
ラットを加熱・加湿インキュベータに移し、そこに酸素を定常的に供給した。インキュベータ内でラットは麻酔から覚め、その後2日間飼育し、その後、組織学的脳検査に付した。
【0054】
虚血を誘発させてから2日後、神経学的評価を実施した。5%のイソフランを含む酸素によりラットを麻酔して断首した。速やかに脳を取り出してクモ膜下出血の有無を確認した。ティッシュ・チョッパーを用いて1mm間隔で脳を輪切りにして薄いセクションを得、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)の2%溶液中で20分間インキュベートして生体染色した。
【0055】
TTCで染色した脳セクションを3−CCDカラービデオ(PDMC Ie、ポラロイド社(Polaroid Co. Inc.)製)で記録して障害面積を計測した。(障害領域であると考えられる)TTCで赤く染まらなかった領域の面積をビデオ画像解析システム(NIH Image, version 1.52)により算出した。ラット1匹当たりの全てのセクションのTTC染色領域とセクションの厚さを用いて、全障害領域の体積(単位:mm)を算出した。
【0056】
グループ間における生理学的変数および障害体積の相違の有意性を評価するために、対応の無いt検定(unpaired t test)を使用した。LDFの変化を評価するために、対応の有るt検定(paired t test)を使用した。後述のグラフ(図7)において示した値は、平均±標準偏差(SD)であり、p<0.05の両側値が有意であると考えられる。
【0057】
4.結果
全ての生理学的変量は、正常範囲内であった。実験を通じて2つのグループ間で血圧、動脈血ガスまたは血漿グルコース濃度に関して統計的に有意な相違は認められなかった。第1グループのラットの内、3匹は、MCAO後の48時間以内に死亡した(死亡率25%)。従って、これらのラットについては、組織病理学的な分析を実施しなかった。第2グループの全てのラットは、MCAO後48時間生存した。生存したラットについては、クモ膜下出血は認められなかったが、第1グループの死亡した3匹の内の2匹についてはクモ膜下出血が認められた。
【0058】
LDFによって測定したrCBFの代表的な記録を図5に示す。図5において、縦軸はrCBF(単位脳重量当たり、また、単位時間当たり)を示し、横軸は、後述の図6と同様に、時間を示す。rCBFは、CCAの牽引によって減少し(図5のb)、また、CCAの結紮によって減少し(図5のc)、更に、挿入したフィラメントによっても減少した(図5のe)。他方、ECAの結紮(図5のa)およびPPAの結紮(図5のd)の場合は、頭蓋外血液流を表すため、LDFの値は低下しなかった。図5は、本発明のプローブ保持デバイスを使用すると、牽引、弛緩、結紮、フィラメントの挿入および抜去に対応して変化する、あるいは変化しないrCBFを測定できることを示す。このことは、本発明のプローブ保持デバイスを使用することによって、rCBFを適切に測定できることを意味する。
【0059】
図6は、第2グループについてLDFによって測定されたrCBFの動的変化(dynamic change)を示す。図6において、縦軸は、図5と同様にrCBF(但し、ベースライン値に対する割合)を示し、横軸は時間を示す。図6において、*はベースラインに対して有意に減少した事を意味し、併せて標準偏差の幅も示している。rCBFは、CCA結紮の後、ベースライン値の22±12%減少し(図6の(4))、フィラメントを進めた後、ベースライン値の80±10%減少した(図6の矢印)が、ECA結紮(図6の(2))またはPPA結紮(図6の(6))の場合、元の値から変化しなかった。図6から、本法により得られる脳血流測定法が再現性が高い事が判る。
【0060】
図7に、皮質および皮質下に関する上述の障害体積の算出結果を示す。縦軸は障害体積を示す。第2グループに関して、皮質の損傷体積は167.21±48.54mm(平均±標準偏差)であり、第1グループの112.77±36.03mm(P=0.026)より相当大きかった。皮質の障害体積の変動係数(coefficient of variation)は、第1グループ(35%)より第2グループ(31%)の方が小さかった。このことは、第1グループより第2グループの方がより再現性が有ることを意味する。
【0061】
脳皮質下の障害体積は、双方のグループでは同様であった(第1グループ:71.90±9.68mm;第2グループ:59.68±21.77mm、P=0.57)が、障害体積の変動係数は、第1グループ(36%)より第2グループ(13%)の方が小さかった。
【0062】
実施例2
図8に示すように、プローブ保持デバイス10のブリッジ部分16の領域40にジグザク状に線状の電気抵抗体を加熱要素として配置し、また、温度センサー44も配置し、これらをシリコーン樹脂で覆ってデバイスを得た。先と同様に、全身麻酔したラットの頭部の皮膚を切開して頭蓋骨を露出させ、側頭骨と側頭筋との間の両側のナチュラル・ポケットにプローブ保持部材を配置することによって、得られたデバイスをラットに取り付けた。
【0063】
温度センサー44の検知温度が37.0℃になるように、加熱要素の加熱量を制御したところ、3時間半の酸素−空気−イソフルレン麻酔の間、ラットの直腸温は当初の37℃から34.5℃に低下したが、側頭筋下温は最低で36.8℃であり、脳温を良好に維持できることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のデバイスは、ラット等の動物を用いて脳内血流を測定する場合に、従来の測定より非常に簡単に装着でき、その結果、MCAOモデルの実験等のドップラー血流計を簡単に用いることができるので、実験の再現性および信頼性が向上する。従って、実験全体を短期間に、また、安価に終了させる事が可能である。
【関連出願の相互参照】
【0065】
尚、本願は、日本国特許出願2003−414819(出願日:2003年12月12日、発明の名称:脳内血流測定デバイス)に基づくパリ条約上の優先権を主張し、この日本国出願に開示された内容は、ここで参照することによって、本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流計プローブを保持するプローブ保持部材を有して成り、脳内の血流を測定する際に、血流計プローブと共に用いるプローブ保持デバイスであって、プローブ保持部材は、血流計プローブを保持した状態で、側頭骨に隣接してその外側に配置できることを特徴とするプローブ保持デバイス。
【請求項2】
2つのプローブ保持部材を有して成り、これらのプローブ保持部材を橋渡しして一体に保持するブリッジ部分を更に有して成る請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
プローブ保持部材およびブリッジ部分はそれぞれシート状形体であり、ブリッジ部分の各縁部に沿って各プローブ保持部材の縁部が一体に接続された状態に形成されている請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
デバイスは断面U字形状を有し、ブリッジ部分がU字の底部に対応し、プローブ保持部材はU字の底部の両端から上向きに延在する脚部に対応する請求項1〜3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
シート材料を屈曲することによって断面U字形状を有するようにした請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
プラスチック材料でできている請求項1〜5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
プローブ保持部材は、プローブを嵌め込むことができる、プローブの形状と相補的な凹部を有する請求項1〜6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
プローブ保持部材は、温度センサーをも保持できる請求項1〜7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
血流計プローブは、レーザードップラー血流計のプローブである請求項1〜8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
血流計プローブは、超音波ドップラー血流計のプローブである請求項1〜8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
プローブ保持部材は、側頭筋と側頭骨との間に配置できる寸法を有する請求項1〜10のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
ラットまたはマウスの側頭筋と側頭骨との間に配置できる寸法を有する請求項1〜11のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
ブリッジ部分は、加熱要素を更に有して成る、請求項2〜12のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
(1)請求項1〜13のいずれかに記載のプローブ保持デバイス、および
(2)血流計プローブ
を有して成る、血流測定デバイス。
【請求項15】
血流計プローブは、レーザードップラー血流計または超音波ドップラー血流計のプローブまたはである請求項14に記載の血流測定デバイス。
【請求項16】
プローブ保持部材は、温度センサーを更に有して成る請求項15に記載の血流測定デバイス。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれかに記載のプローブ保持デバイスに用いるプローブ保持部材の製造方法であって、
血流の測定を実施すべき動物の側頭筋と側頭骨との間に形成される空間に対応する原型を得、
得られた原型に基づいてプラスチック材料を成形することによってプローブ保持部材を得る
ことを特徴とする製造方法。
【請求項18】
原型は、側頭筋と側頭骨との間に形成される空間に硬化性材料を注入して、その空間内で硬化性材料を硬化させることによって得る請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
硬化性材料は、シリコーン樹脂である請求項18に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【国際公開番号】WO2005/055826
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【発行日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516163(P2005−516163)
【国際出願番号】PCT/JP2004/018364
【国際出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(599045903)学校法人 久留米大学 (72)
【Fターム(参考)】