説明

脳水排水装置

【課題】本発明では、スイッチ又はバルブ脳水排水を必要としている患者の治療における、数個の経路(1,2)及び排水オプション部品を提供し、手術後及び非侵入的排水路の切り替えを必要とする、個別の排水調節を提供する。
【解決手段】供給パイプが頭蓋空間内のある箇所で脳水を取得してバルブに供給し、該バルブが悩水を流出パイプに供給する、供給パイプと流出パイプからなる脳水排出用装置。少なくとも第2の供給パイプ及び/又は少なくとも第2の流出パイプが配され、供給パイプと流出パイプとの間に切り替え可能な脳水分配器が配されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高い評価に値する、経皮的に調節可能な脳水に対する排水装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
脳水排水装置は、例えば、頭蓋膜外傷による出血又は動脈瘤の結果生じた脳内出血に対して必要となる。脳水排水装置は、水頭症患者における圧力の均衡化又は減圧のために、頻繁に使用される。
【0003】
脳水排水装置は、患者の頭蓋内の圧力状況に影響を及ぼし、過剰な頭蓋内圧力から脳の損傷を防止する。
【0004】
圧力の均衡/減圧のために、内部排水装置及び外部排水装置が使用される。脳水は制御されながら流出しなければならない。制御されずに流出した場合には、過剰圧の場合と同様に危険である。脳水の流出はバルブ手段によって制御される。
【0005】
内部排水装置のために、頭の中における脳の悩室と、今日ではほとんどの場合腹腔である排水区画との間に、人工的な接続が作られる。外部排水装置のために、脳水は体外のカテーテルを通される。
適切な水頭症バルブは例えば下記の文献に記載されている(特許文献1〜16)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE102004015500A1
【特許文献2】DE102004001635A1
【特許文献3】DE69808558T2
【特許文献4】DE19643782C1
【特許文献5】DE19535637C2
【特許文献6】DE10358145A1
【特許文献7】DE10258071A1
【特許文献8】DE10105315A1
【特許文献9】DE4401422B4
【特許文献10】DE4307387C2
【特許文献11】DE4130601A1
【特許文献12】DE26202A1
【特許文献13】EP1575654A1
【特許文献14】EP134355781
【特許文献15】EP888595B1
【特許文献16】EP614673A3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
外部排水装置は、処置時間に伴って、感染のリスクが急速に増大し、7〜10日後には異常に高い感染リスクを有するので、それ以上は使用できない。シャントシステムを有する内部排水装置は、脳水内の血液成分が通るので、詰まるリスクが高い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
詰まりの問題を解決するために、本発明においては、脳水用排水装置バルブに、少なくとも第2の排水パイプ及び/又は第2の供給パイプを設置する。第2の排水パイプ及び/又は供給パイプに加え、更に追加の排水パイプ及び/又は供給パイプを設けてもよい。本発明における排水パイプは、排出された脳水を収容する、異なる、又は同じ身体部位に連通することができる。異なる供給パイプは、頭蓋空間の同じ又は別の位置に取り付けることができる。
【0009】
特に、脳水を収容する身体部位は、従来は上部大静脈及び/又は腹腔であった。他の身体部位を、脳水を収容する身体部位とすることもできる。必要に応じて内部排水装置が外部排水装置と接続される。本発明においては、バルブから複数のラインを、脳水を集める身体部位又は体外の場所へ導く。
【0010】
排水を始める頭蓋空間内の各地点には、上記の方法が、脳水を収容するための身体の部位又は体外の地点に適用される。脳水を収容するために、そこからパイプでバルブに導く場所を選ぶことができる。本発明における流出パイプは、バルブで複数の供給パイプと組み合わせられても良い。しかしながら、複数の流出パイプを1本の通常の供給パイプと、又は、複数の供給パイプを1本の通常の流出手段と組み合わせても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、圧力統制手段だけでなく、スイッチもバルブ内に設けることが好ましい。圧力上昇が排水パイプの詰まる危険を示した場合には、別の排水パイプに自動的に切り替えが行われることが好ましい。選択的に、多数の供給パイプ又は排水パイプが並列作動するように、多数のパイプが部分的に開き、又は、部分的に閉じても良い。
【0012】
しかしながら、本発明はまた、患者が安定するまで、外部排水装置を用いて脳水中の初期出血を抑え、更に、出血が止まったときに、内部排水装置に切り替ええるために使用することができる。
【0013】
スイッチ及び圧力計は、通常の構成部品として適宜実装される。これは、例えば、所定圧力に到達すると開き、若しくは閉じ、又は、部分的に開く、若しくは、部分的に閉じる、スプリング装着バルブにより実現することができる。このようなバルブ部品は、弾性被膜又はスプリング装着ボール若しくはスプリング装着バルブフラップであってよい。
【0014】
上記スプリング装着ボール又はバルブフラップにより機械的に圧力が測定されるとき、又は、圧力測定によって切り替え用の刺激が与えられる場合にも、個々の機械的フラップ又はスライダー若しくはボールが適宜配される。結合操作は、純機械的又は純電気的若しくは機械/電気的であってもよい。電気的な作動に対しては、電源としてバルブ中にバッテリーが備えられる。
【0015】
動作は自動若しくは半自動であっても、又は手動であってもよい。手動の場合、切り替えと圧力測定を手で行なう。本発明による半自動制御の場合、圧力測定は自動的に行われ、大きな圧力変化は、医療従事者に警告が出され、その医療従事者が切り替えを行う。
【0016】
実際に脳水排出装置を必要としていないときは、パイプが閉じられることが本発明において有利である。特に、これはスライダーをバルブとして使用することによって、自動的に、スライダーが供給パイプ及び/又は流出パイプを開放し、他の供給パイプ及び流出パイプを閉じることが好ましい。バルブの他のデザインは、種々の機能を果たすと共にバルブを形成するエレメント又はバルブエレメントの組み合わせを有する。これらには、異なった開閉機能を有するエレメントが含まれても良い。
【0017】
本発明におけるバルブには、バルブハウジング内に回転可能に設置されたスライダーを使用することが好ましい。回転可能に設置されたスライダーを、ロータリースライダーと称する。これを回転させることによりハウジングの開口部が開放され、及び/又は、閉じられる。本発明における「回転」の文言は、あらゆる回転方向、及び回転軸の周りの僅かな角度での回転動作をも含む。このような回転動作は旋回と称してもよい。
【0018】
開放とは、供給パイプ及び/又は流出パイプと接続することと同等である。本発明のバルブは、適宜、標準的に必要とされるよりも多くの開口部を有する。不要な開口部はめくら蓋により閉じられ、必要となった場合に開けられる。
【0019】
多数の開口部間の接続は、2個の開口部の接続時に1個の開口部から他の開口部へ導かれて調整されたとき、位置が変ると少なくとも1個の開口部が再び閉じるように開口部が設けられたスライダーによってもたらされる。これらの開口は、スライダーを横切る、ドリルによって設けられた孔によって形成される。ドリルで設けられた孔は、回転可能なスライダーに、直径方向及び/又は円周方向及び/又は軸方向に通過してもよい。孔は、スライダー外面上にスリットのように配置してもよい。スリットはロータリースライダーの円周方向及び/又は半径方向及び/又は軸方向に配置できる。スリットは、円及び/又は長方形及び/又は平らな断面を有する如何なる形状でもよい。本発明の文脈では、スライダーの外面にある各平坦部がすでにスリットである。開口は、予め作製されたロータリースライダーの組み立て部品に設けてもよく、又は最初からスライダーの製造時に考慮してもよい。
【0020】
バルブハウジングの内側で、ロータリースライダーに関して円周方向及び/又は軸方向に伸びる孔が見られる多数の開口部の間に、接続部が存在する。
孔は、ロータリースライダー内部はもとよりハウジング内部にも適宜設けられる。
【0021】
ロータリースライダーとハウジング内面との間の僅かな隙間から生じる僅かな圧力を考慮すると、ガスケットを省略してもよい。上記の隙間とはロータリースライダーの動くシール面と、バルブハウジングに属する固定されたシール面との間の間隔を意味する。十分なシール効果は、隙間が最大0.5mmであること、好ましくは、最大0.3mmであることによって得ることができる。
【0022】
僅かな隙間に替えて、又は、僅かな隙間に追加して、閉鎖されるべき開口部に、更に1個のバルブボールシールが、適宜配される。この場合、シールとは、上述した印刷公報に記述されたバルブ上のシールのようなものである。それらは、ルビー、サファイア、タンタル、チタン又は同種のものからなるスプリング装着ボールである。残りの部品は、チタン又はタンタル製であることが好ましい。ボールには、スプリングが装着されている。スプリングはロータリースライダー内に埋設されていることが好ましい。即ち、ロータリースライダー内には、スプリングの外径に適合する内径を有する穴があり、押し込まれたときに摩擦によって穴の中で詰まることがないように、スプリングが穴の中に入れられている。
【0023】
シーリングが機能している場合には、バルブハウジングにある対応開口部にボールが押し付けられる。ボールは鋭利なエッジに押し付けられていてもよいが、ボール及びシールの性能のためには、少なくともバルブ座の役割を果たす面取りが、開口部上にあることがより好ましい。
【0024】
ボールが小さいほど、ボールはバルブハウジングの開口部により深く入り込み、そのため、ロータリースライダーの移動に対する抵抗がより大きくなる。ボールの直径は、各開口部に対して少なくとも30%大きいことが好ましく、少なくとも50%大きいことが更に好ましく、少なくとも70%大きいことが最も好ましい。
【0025】
また、流出パイプの開口部にあるバルブボールシールに替えて、供給パイプの開口部にバルブボールシールが、適宜配される。全ての開口部に対してバルブボールシールを配することができる。この場合、異なるシールが相互に組み合わされていてもよい。
脳水の供給パイプのバルブボールシールは、脳水の圧力を目的レベルに維持するように設計される。そうすることによって、流出パイプにあるバルブボールシールと異なり、バルブボールの圧を越えてバルブハウジング内に流れ込む脳水の供給パイプに、適切なフロー断面がもたらされ、脳水が流出パイプの開口を通って流出する。
【0026】
ロータリースライダーの調整は、特にEP03767779.6-2310に記載された態様で、適宜、磁石の助けによって経皮的に行われる。この場合、公報に記載されているような、自動ブレーキを使用してもよい。自動ブレーキは、他の如何なるブレーキ作用もないときに有効である。他のブレーキ作用は、前記ボールシール及びこれによって生じる転がり抵抗又は回転抵抗によって生じる。この場合、自動ブレーキは不要かも知れない。
【0027】
本発明を応用すると、
直接流出パイプ及びシャントシステムを同時に埋め込むことによって、処置が大幅に簡潔になり、
患者の感染リスクが最小となり、
医師が非侵入的な個別の調整を行なうことを可能とすると共に、治療経過によって、反復して調整することを可能とし、
手術の回数が減ることにより、肉体への負担が減少すると共に、処置費用を削減することもでき、
脳水流出装置を交換することによって、処置の可能性が極めてより高くなる。
【0028】
本発明は、医師が非侵入的且つ経皮的に状態を多様に切り替えることによって、治療の状況に適合できるという、日常的な臨床用途のための要請に関するものである。
このように、1つの切り替え位置は流出パイプを完全に閉鎖することができ、1つの切り替え位置は直ぐ近くの排水装置に向かう流出パイプを開くことができ、更に、第2の切り替え位置は、埋め込まれたバルブを通した流出を可能にする。
【0029】
患者に対する影響は、第1に、引き続く切り替え状態の調整、及びこれに伴う流出の調整により、侵入的医療行為を削減できることにある。
本発明の目的は、臨床状況を考慮に入れると共に、患者への負荷を最小限とすることにある。
これは、主張した特許請求の範囲の特徴によって達成される。本発明は、特に調整された流出を可能にするという問題の解決に取組んだものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、第1のスイッチ位置(流出部1は閉、流出部2は開)にある本発明のスイッチの断面図である。
【図2】図2は、図1のスイッチにおけるA‐B断面図を表わす。
【図3】図3は、第2のスイッチ位置(流出部1及び2は共に閉)にある本発明のスイッチの断面図である。
【図4】図4は、図3のスイッチのC‐D断面図である。
【図5】図5は、第3スイッチの位置(流出部1は開、流出部2は閉)にある本発明のスイッチの断面図である。
【図6】図6は、図5のスイッチのE‐F断面図である。
【図7】図7は、本発明のスイッチに係る測定器の断面図である。
【図8】図8は、本発明のスイッチに係る調整器の断面図である。
【図9】図9は、図1〜6の内の一つに対応する、本発明のバルブ9‐1の概念図である。
【図10】図10は、本発明の1態様である、バルブ10‐1の概念図である。
【図11】図11は、本発明の1態様である、バルブ11‐1の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
2経路流出スイッチは、患者の身体の姿勢と無関係に機能する。
切り替え状態は、調整機構を有する本発明により達成される。この原理は種々の方法により実施することができる。
可動閉鎖エレメントは、可動的で調整可能な高精度の戻り止めバルブと組み合わされることが好ましい。これによって、設計の自由が得られる。
【0032】
閉鎖エレメントは高精度戻り止めバルブより若干大きめであることが好ましい。更に、密度が高い材料を選択することによって、閉鎖エレメントの重量が更に影響を受ける。
【0033】
他の実施態様は、閉鎖エレメントに取り入れられた第2のボールユニットのデザインにある。ボールは密度が高い、重い金属材料から製造されることが好ましい(ここで、タンタルの使用が特に有用である)。
本発明によると、高精度戻り止めバルブの1個又は2個のスプリング装着ボールは、閉鎖エレメントのそれらに対応する切り替え位置において、流出パイプの開口部を押圧する。ボールはシリンダー状の穴によって形成されるガイドの中にある。
【0034】
閉鎖エレメントは、ディスク、ロッド、リング、キャップ又はベル型に、適宜形成される。このデザインは、閉鎖エレメントの更なるデザインの可能性に有利となる。ディスク型は、スイッチングハウジングの最大寸法を利用することができる。
【0035】
本発明によれば、ディスク型は、薄いにも関わらず、その大きい寸法によって、容易に所望の重量を有することができる。リング型に設計した場合も同様である。
【0036】
ディスク型とリング型の利点を適宜組み合わせ、キャップ型又はベル型としてもよい。
キャップ型は、シリンダー状ケース、及び、平坦なディスク状カバーがあることが好ましい。ベル型は、円錐状のケースを有してもよい。適した材料はチタンであり、小型に設計する場合、タンタルが理想的な材料である。
【0037】
ディスク型、リング型、キャップ型、ロッド型又はベル型として工夫して設計された閉鎖エレメントは、スイッチングハウジング内で旋回可能に設置されることが好ましい。位置変化により誘発される動作に対して、スイッチの高精度な操作モードに逆らう摩擦が最小限に止められるように、旋回可能な配置は、閉鎖エレメントのために有利なガイドを形成する。旋回軸の位置は、閉鎖エレメントが高精度戻り止めバルブの中心位置を押圧するように選択されていることが好ましい。
【0038】
工夫した閉鎖エレメントの旋回動では、閉鎖エレメントは垂直部から僅かに離れていることが必要である。また旋回軸は、高精度戻り止めバルブに使用されるボールから出る垂直面から、最大限の距離を保つように、配置される。
旋回軸は、閉鎖エレメントと固く結合することができ、旋回可能な状態でバルブハウジング内にマウントされる。本発明の態様によれば、軸上に旋回可能な閉鎖エレメントを正確に固定することが有利である。
【0039】
ボール又はフラップによって構成された高精度戻り止めバルブとの操作上の結び付きは、閉鎖エレメントが、高精度戻り止めバルブに対して滑りながら押圧することによって形成される。
調整機構の操作上の結び付きは、統制機構のデザインに依存する。調整機構としては、滑り面を有する回転装置又は旋回装置を備えていることが好ましい。調整の効果は、閉鎖エレメントのデザインに依存する。
【0040】
閉鎖エレメントは、螺旋状スプリング、ワイヤースプリング又はリーフスプリングを用い、ガイドを介して、選択的に組み合わせることができる。本発明においては、スプリングは如何なる断面形状を有していてもよい。円形及び長方形であることが好ましい。リーフ形状又はワイヤー形状の断面を有するスプリングであることが特に好ましい。固定には溶接又ははんだが適しているが、もちろん他の結合でも良い。更に、クランプ結合や差込結合等の他の機械的結合も考慮することができる。
【0041】
閉鎖エレメントの曲線軌道は、旋回可能又は回転可能部位の周囲を通ることが好ましい。旋回可能又は回転可能部位の角度は少なくとも300°である。
【0042】
閉鎖エレメントとしてロッドを使用する場合、閉鎖エレメントと高精度戻り止めバルブとの間の接触には、大きな面を利用することが利用できれば好都合である。この大きい面接触が提供されない場合には、該当するロッド端部に金属プレートを固定してもよい。金属プレートは、溶接又ははんだ付け若しくはその他の方法により、適宜固定される。
【0043】
閉鎖エレメントは、適切な回転位置に固定される。種々のシステムが、これに利用できる。純粋に自動ブレーキを使用してもよい。閉鎖エレメントが、各調整動作の後に、スイッチングハウジング内で摩擦によって締め付けられて形成される、自動ブレーキを使用することが好ましい。
その他の調整を行なうには、摩擦面を有するスイッチングハウジングが、閉鎖エレメントの対応する摩擦面から浮いた形となるように、スイッチングハウジングを変形させる。必要な変形は、圧迫によって生じる。
【0044】
先行技術の提案によると、摩擦面はスイッチングハウジング側にあってもよい。より以前の提案では、摩擦面が別の箇所、即ち、スイッチングハウジングの基体若しくは蓋に、あるいは、基体又は蓋と共同作用する調整装置のエレメントに、直接設置される。基体又は蓋を押すと、調整装置が調整可能になる。押された基体又は蓋が解放されると、これらが元の形に戻り、蓋又は基体と閉鎖エレメントとの間における摩擦結合が再度確立される。
【0045】
閉鎖エレメントは、磁石の助けを借りた、他の公知のコンセプトによって、各旋回位置に固定される。このために、磁石/永久磁石を、調整装置上及び/又はハウジング内側に設置することができる。磁石は、ロッキング装置のエレメントを構成する。ロッキング装置は、磁界によってロッキングホール又はノッチにはまる、他の可動部材を有してもよい。しかしながら、より強力な磁石を使用することにより、ロッキングが外される。
例えばスチール又は磁性材料等の磁石に反応する材料を使用することが有用である。
【0046】
更に、特に大きい自己固定作用がもたらされるような摩擦面を選択することが、都合がよい。そのため本発明では、摩擦面から回転可能又は旋回可能エレメントの回転軸又は旋回軸まで、最小距離が保たれる。摩擦面は、閉鎖エレメントの旋回可能又は回転可能エレメントの外側端部上のスイッチングハウジング中央部から、可能な限り離れた位置にあることが好ましい。
【0047】
本件特許請求の範囲では、小型のピン型磁石が磁石として使用されることが好ましい。小型磁石は、本発明の請求項の対象であるように、スイッチングハウジングの小さい寸法にも寄与する。
【0048】
調整装置:
2方向流出スイッチは、治療上の立場から要求される、変更された条件に合うように、極めて簡単に調整される。
スイッチの調整は、極めて確実である。本発明によるこの確実性は、ハウジングに内蔵されており、閉鎖エレメントをしかるべき場所にロックして、意図しない如何なる調整をも防止する、磁石作動式ディスクスプリングによって実現される。
【0049】
本発明による流出スイッチ用調整装置は、同様に極めて小型に設計することができる。本発明においては、調整装置の直径を小さくしたり、特殊な形状、即ち、ボールペンに類似するペン型のデザインとしたりして使用する。このことが、調整装置を、ペンやボールペンのように扱うことを可能にする。このような装置は、実際には胸ポケットに入れて持ち運びすることができる。それと同時に、予めセットされた切り替え状態を測定するため、又は、切り替え状態を設定するために、機器の頂部に配した磁石を利用するためにボールペン機構が利用される。ボールペンの芯の出し入れと類似する機構が使用される。それは、ここでは調整装置を有する磁性ドラムを、摩擦ロック又は解放するために利用される。
【0050】
本発明におけるペン型調整装置は、調整装置が固定されたキャップを、適宜前端に有する。調整装置を流出スイッチ上に緩く設置することにより、磁石は自動的にそれらの中心を決める。
調整装置の中心が決まった後は、流出スイッチが弾力的に変形することが好ましい。変形は、埋め込まれた流出スイッチ上の調整装置のコントロールされた押圧によってなされるべきである。本発明によれば、変形によって、スイッチングハウジングの旋回可能部又は回転可能部が浮き上がる。その結果、摩擦が減少する。摩擦は最小限まで減少する;これを摩擦解消と称する。
摩擦解消後は、スイッチ側の旋回可能部又は回転可能部は、調整装置に予め導入された磁石の磁石位置に容易に移動することができ、又は、その位置をとる。
【0051】
図1〜6は、同じ流出スイッチの異なる切り替え状態を表す。
図1は、第1のスイッチ位置(流出部1は閉、流出部2は開)にある本発明の場合の態様を示す。
図2は、図1のスイッチのA‐B断面図を表わす。
【0052】
2方向流出スイッチは、流入口1‐2及び流出口1‐3に加えて、1個の頑丈な金属製のハウジング1‐1、一個の蓋1‐2及び1個の基体2‐2からなる。更にこの態様では、2方向流出スイッチは、軸1−5/2‐4に設置された、1個の閉鎖エレメント1‐4/2‐3、高精度戻り止めバルブ用ボール1‐7/2‐6を有するスプリングシステム1‐6/2‐5、並びに、固定装置2−7を含む。2方向流出スイッチは、患者の脳水流出用に埋め込まれたパイプに設置される。2方向流出スイッチには、3つの切り替え状態がある。切り替え状態1は流出部1を閉じ且つ流出部2を開き、切り替え状態2は両流出部1及び2を閉じ、切り替え状態3は流出部2を閉じ且つ流出部1を開く。切り替え状態1と3では、脳水が2方向流出スイッチを通る。
【0053】
2方向流出スイッチは、頑丈なチタンハウジング1‐1から構成されることが好ましい。このハウジングはリング状であり、蓋2‐1により閉じられる。
高精度戻り止めバルブのボール1‐7/2‐6は、サファイア、ルビー、セラミック材料、又は、チタン製である。原則として、可能な限り高い密度を有する、全ての生体適合性材料が適している。
【0054】
閉鎖エレメント内には、極性が逆の2個の磁石1‐8/1‐9が実装されている。閉鎖エレメント1‐4は軸1−5の上部に保持されている。軸1−5は、蓋2‐2の上に設置される。ハウジングに対して、蓋は外側へ凸状になっている。閉鎖エレメント1‐4は、蓋に対向する軸1−5上に、ネジにより締め付けられており、その結果、蓋の上にある閉鎖エレメントの接触圧が、閉鎖エレメントと蓋との接続部を摩擦係止すると共に、閉鎖エレメントが意図しない回転2‐8(摩擦面)をしないようになっている。摩擦係止は、調整(以下に言及する。)が行われるまで持続する。摩擦係止のレベルは、予測することのできない磁場によってすら、閉鎖エレメントの意図しない位置変化が生じないように選択される。
【0055】
摩擦係止は、閉鎖エレメントの外側端部で発生する。これは、蓋が外へ向かって湾曲している結果であり、対応する閉鎖エレメントの面が平坦であると言う事実に起因する。蓋2‐2を押圧することが、蓋の弾力的な変形を引き起こす。そして、蓋はより平坦となるか、又は、逆向きの曲面の形態となる。
このようにして、摩擦面2‐8にある閉鎖エレメントの外側端部が蓋から外れ、閉鎖エレメントが磁力によって回転させられる。蓋は、厚みが0.1〜0.2mmであること、及び、他の態様では、厚みが0.5mmであることが好ましい。弾力的なたわみを伴った変形は、0.01mm〜約0.1mmであること、及び、他の態様では、蓋の厚みの2倍までであることが好ましい。蓋に、より強い初期応力が与えられている場合には、閉鎖エレメントを蓋から浮き上がらせて、閉鎖エレメントの蓋への固定を解除するために、外部からより強く押さなければならなくなる。
【0056】
図2は、皮膚側が図の下側であり、体内側が図の上側である。ここで、蓋2‐2に外側から経皮的に機械的な圧力が印加されると、力に応じて、蓋2‐2は内側へ変形/湾曲されると共に、軸2‐4は、蓋2‐1に向けて押し付けられる。その結果、摩擦面2‐8に隙間が開き、閉鎖エレメント全体が蓋から浮き上がる。蓋2‐2の弾力的事前締付と部位2‐8における摩擦力がこれにより解消される。蓋2‐2の弾力的初期応力及び部位2‐8における摩擦力がこれにより解除される。ここで部位2‐8には隙間が生じ、閉鎖エレメントが自由に回転することが可能になる。外側からの負荷が再び取り去られると、外側の蓋2‐2は、再び初期の位置に戻り、摩擦面2‐8にある接触点には、弾力的初期応力が生じる。閉鎖エレメントは再びハウジングにはさまれ、旋回が不可能となる。
【0057】
図3には、第2のスイッチ位置(流出部1及び2は共に閉)にある場合の本発明の態様が示されている。
図4には、図3のスイッチのC‐D断面図が示されている。
図3では、閉鎖エレメントが中心位置に示されている。約±90°回転させることにより、閉鎖エレメントが、それぞれ最大位置に移動する。
【0058】
2個の磁石3‐1と3‐2は、外側からかけられる磁場が、最大の回転トルクを発生させることができるように配置されている。
即ち、この態様においては、両磁石間の距離は7mmであり、もう一つの態様では8mmであり、更にもう一つの態様では20mmまで可能である。実際には、ハウジングの外側寸法に基づいてこの差が決定される。円形ハウジングは、直径が14mmであり、もう一つの態様では、直径が19mmまで、更にもう一つの態様では、直径が31mmまでであることが好ましく、更に、一方では、2方向流出スイッチの位置が、外側から触って簡単に分かるように、もう一方では、2方向流出スイッチの上部にある組織が損傷を受けないように、人間工学的に成形されている。このため鋭利な端部は避けられている。
【0059】
軸3‐3は直径0.3mmであることが好ましく、軸受けにかかる力を最小限にするため、必要に応じて上下に頂点を有してもよい。上記の構造の結果、閉鎖エレメントは、蓋が押されて閉鎖エレメントがそれにより自由に回転できる場合にのみ、回転可能である。この位置で確実に回転を開始させるために、特定の磁場が外部からかかっていなければならない。次に、蓋から負荷が除かれると、弾力的なクランプによって、閉鎖エレメントの位置が固定される。
【0060】
磁石3‐1と3‐2を可能な限り相互に離して配置することは、最低限の磁力により、最大の調整モーメントが得られるという点で有効である。
ハウジング3‐4及び閉鎖エレメント3‐5、並びに、その他の部品をチタンから加工することは、正確にフィットした、理想的な軸受け動作が得られ、意図しない動作及び好ましくない高い摩擦を、システム的に回避することができるという点で有利である。
【0061】
2方向流出スイッチの高さは、約4.5mmである。著しく低い高さは、たとえそれが可能であっても、触診によってバルブの位置を探すことが困難となるので、必ずしも好ましくない。
ハウジング3‐4は、1個の接続片と、2個の流出片3‐7を有している。
接続片の外側端部は、可撓性があるホースの接続部として成形されている。内側では、接続片は、ハウジング壁を通してハウジング内部に突き抜ける。流出片は、接続片と同様にして取り付けられる。
上部の流出片3‐6に入った脳水は、流出開口部3‐7に流れ下りて、次の部位である可撓性ホース(図示されていない)内に流れ込む。
【0062】
図5は、第3スイッチの位置(流出部1は開、流出部2は閉)にある本発明の態様を示す。図6には、図5のスイッチのE‐F断面が示されている。
【0063】
ハウジング5‐1は、X線による検出用に、図示されていないストッパーでシールされ、実施されない付加的な穴5‐2がある。
使用される磁石6‐1は、直径約1mm、高さ約1.2mmの円柱形状であることが好ましい。
【0064】
2方向流出スイッチを調整するために、特別な測定ピン及び調整ピンが開発された。このようなピンの態様は図7と図8に示される。図は、実物より拡大してあるが、図1〜6程拡大していない。2方向流出スイッチの寸法と、調整装置としてのピンの寸法との間の、正しい関連を知るために、適切に拡大して、2方向流出スイッチと共にピンを観察することを推奨する。
実際の寸法の通りに図示すると、全ての細部はいかにも小さくて、もはや見分けることはできない。
【0065】
測定器 図7:
2個の、ハウジングのパーツ7‐3及び7‐4からなる直径約12mmの肉薄のパイプは、ストッパー7‐6によって一方の端部が閉じられている。反対側には、測定機構が取り付けられ、針状ベアリング上にマウントされる。その機構は以下の通りである。表面に目盛が付された測定ドラム7‐10を有し、該測定ドラムは、ベアリング点7‐11でベアリングブッシング7‐13にマウントされた軸7‐18に接続される。ベアリングブッシング7‐13は、ブレーキ7−2や7−26によって、ずれたり回転したりすることができないように、小型パイプ7−4内に導入される。該小型パイプの閉鎖されていない側には、可動ピン7−7が、小型パイプ内に挿入されると共に、スプリング7−8の弾力によって外側へ押される。スプリング7−8は、ベアリングブッシング上のロッキングプレート7‐12上に支持され、リング7−14をベアリングブッシング7‐13の方に引き付ける。磁石7‐20がシリンダー7‐19内に導入されている。外側の極は、1方の磁石についてはS、他方についてはNである。直径の場合と同様に、両磁石間の距離は、2方向流出スイッチ内の両磁石間の距離とほぼ等しい。
【0066】
ピン7‐7を動かすことにより、ベアリングブッシング7‐13がロッキングプレート7‐12から解放され、磁石7‐20が流出スイッチ測の磁界に従う。流出スイッチの磁石の上方にある測定ピンを位置合わせした後、測定ドラム7‐10の目盛からスイッチ位置が、覗き窓7‐9を通じて読み取られる。対応する2方向流出スイッチの設定圧力が、覗き窓7‐9から直ちに容易に読み取れる。この構造は、常に信頼性と測定が再現可能であることを保証する。頭から僅か数10分の1ミリメートル離して参照値を固定することにより、ピンを回転させたり、患者の頭から移動させたりすることは、もはや不可能となる。調整は直ちにロックされる。
【0067】
調整器 図8:
図8は、もう一つの調整ピンの態様を示す。その外寸は、市販ボールペンの寸法とほぼ同等、即ち、小型パイプは、外径12mm、長さ約10cmであることが好ましい。調整ハンドル8‐2は、軸8‐25に外れないように固定される。このハンドルを回すと軸が回る。軸8‐25の下端には、軸の中に2個の円柱型磁石8‐4が取り付けられている。
2方向流出スイッチと同様、これらの磁石は異なる極性を有している。一方の磁石はS極が下、もう一方の磁石はN極が下である。軸上にある両磁石の位置は、覗き窓8‐13を通して読み取れる目盛の位置と対応する。この目盛も軸8‐25に外れないように固定されている。
【0068】
複数のブッシング8‐26は、軸8‐25用のベアリングとして作用する。調整ピンは、強いスプリング8‐27と極めて弱いスプリング8‐28の、2本の異なるスプリングを有する。ボタン8‐5を押圧すると、下部にピストン状に拡張された部位を有する軸8‐8がスプリング8‐28の弾力に抗して下方へ移動する。これにより、軸8‐8は、更に極めて弱いスプリング8‐27の弾力に抗して下へ押し下げられる。これにより、スプリング8‐27が僅かに圧縮するのに対して、スプリング8‐28は著しく圧縮される。軸の力が軸の下端に伝達されることを利用して、解除すべき2方向流出スイッチに力を及ぼすように設計される。先端での軸の直径は約3mmであり、下端は半球状に丸められていることが好ましい。ピンの下端に取り付けられたキャップ8‐1は、軸8‐8に取り付けられた磁石8‐24のみならず、ベアリングを保護する。磁石の位置は、窓8‐13を通して目盛ドラム上の目盛により読み取ることができる。提案されたこの構造により、調整の安全性や信頼性に悪影響を及ぼすことなく、調整ユニットを小型に構成することが可能となる。よって、このような調整ピンを実現することが始めて可能になる。この構造は、可能な限り患者の皮膚の近くに磁石を設置することを可能にする。2方向流出スイッチングハウジングを同時に押すことにより、正確で精密な調整をすることができる。
【0069】
図9は、図1〜6の内の一つに対応する本発明のバルブ9‐1を示す。2本の供給パイプ9‐2が、バルブ9‐1に達する。2本の流出パイプ9‐3が、バルブ9‐1から出る。切り替えにより、脳水は、1つの流出パイプ9‐3又はもう1つの流出パイプ9‐3から搬送される。複数の供給パイプが、複数の流出パイプと結合することが重要である。
もう1つの態様では、更に多くの供給パイプ及び/又は流出パイプが装着される。また、他の態様では、脳水が複数の流出パイプに配分され、切り替えることにより配分を変更することができる。また、他の態様では、脳水の供給が切り替えにより変更される。
【0070】
図10は、1本の流出パイプ10‐3のみが、2本の供給パイプ10‐2に対して装着されている点で、図9とは異なる。スイッチングバルブ10‐1は、1つの供給パイプから、他の経路又は逆方向に方向を変えることに役立つ。他の態様では、両供給パイプは1本の流出パイプに作用し、供給パイプに流入する脳水量の分配は、切り替えにより変更できる。他の態様では、供給パイプの数が更に多い。
【0071】
図11は、1本の供給パイプ11‐2のみが、2本の流出パイプ11‐3に対して装着されている点で、図9とは異なる。バルブ11‐1の切り替えは、1つの流出パイプから、もう1つの経路及び逆方向に方向を変えることに役立つ。他の態様では、両流出パイプが共に作動し、流出パイプへ流入する脳水量の配分が切り替えにより変更される。他の態様では流出パイプの数が更に多い。
【符号の説明】
【0072】
1‐1 ハウジング
1‐2 流入口
1‐3 流出口
1‐4 閉鎖エレメント
1−5 軸
1‐6 スプリングシステム
1‐7 高精度戻り止めバルブ用ボール
1‐8 磁石
1‐9 磁石
2‐1 蓋及
2‐2 基体
2‐3 閉鎖エレメント
2‐4 軸
2‐5 スプリングシステム
2‐6 高精度戻り止めバルブ用ボール
2−7 固定装置
2‐8 摩擦面
3‐1 磁石
3‐2 磁石
3‐3 軸
3‐4 ハウジング
3‐5 閉鎖エレメント
3‐6 流出片
3‐7 流出開口部
5‐1 ハウジング
5‐2 穴
6‐1 磁石
7−2 ブレーキ
7‐3 小型パイプ
7‐4 小型パイプ
7‐6 ストッパー
7−7 可動ピン
7−8 スプリング
7‐9 覗き窓
7‐10 測定ドラム
7‐11 ベアリング点
7‐12 ロッキングプレート
7−14 リング
7‐13 ベアリングブッシング
7‐18 軸
7‐19 シリンダー
7‐20 磁石
7−26 ブレーキ
8‐2 調整ハンドル
8‐4 円柱型磁石
8‐8 軸
8‐13 覗き窓
8‐24 磁石
8‐25 軸
8‐26 ブッシング
8‐27 強いスプリング
8‐28 極めて弱いスプリング
9‐1 バルブ
9‐2 供給パイプ
9‐3 流出パイプ
10‐1 バルブ
10‐2 供給パイプ
10‐3 流出パイプ
11‐1 バルブ
11‐2 供給パイプ
11‐3 流出パイプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給パイプが頭蓋空間内のある箇所で脳水を取得してバルブに供給し、該バルブが悩水を流出パイプに供給する、供給パイプと流出パイプからなる脳水排出用装置であって、少なくとも第2の供給パイプ及び/又は少なくとも第2の流出パイプが配され、供給パイプと流出パイプとの間に切り替え可能な脳水分配器が配されていることを特徴とする脳水排出用装置。
【請求項2】
a)多数の供給パイプが1ケ所以上の箇所で脳水を取得し、及び/又は、
b)多数の排出パイプが悩水を1以上の身体部位に流出させ、及び/又は、外部の排水部に流出させ、及び/又は、
c)その中に配置された閉鎖エレメントを有するスライダーが分配器として使用され、特に、該スライダー内で、外周方向及び/又は半径方向及び/又は軸方向に延び、脳水を制御し及び/又は分配するための開口を有するロータリースライダーが使用され、及び/又は、
d)分配器が同時にバルブとして設計されており、このバルブ又は分配器はハウジングを装備し、ロータリースライダーに関しては、外周方向及び/又は半径方向及び/又は軸方向に延びている、脳水分配用開口がこのハウジング内にあり、これらの開口の全体として又は部分的に閉鎖可能であることを特徴とする、請求項1に記載された脳水排出用装置。
【請求項3】
僅かな間隙又は少なくとも1個のバルブボールシールが閉鎖されるべき開口上にシールを形成するロータリースライダーを特徴とする、請求項2に記載された装置。
【請求項4】
前記ロータリースライダーが、ディスク、リング、ロッド、キャップ又はベル型であり、ハウジング内に旋回可能又は回転可能に配置されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載された装置。
【請求項5】
前記バルブボールシールのバルブボールがハウジングの開口に侵入して、旋回位置又は回転位置それぞれにおけるバルブ又は分配器用停止具を形成することを特徴とする、請求項3又は4に記載された装置。
【請求項6】
前記バルブボールシールが、ロータリースライダーを形成する、リング、ロッド、キャップ、又は、ベルの中空部内の全て又は一部に配置されていることを特徴とする、請求項3〜5の何れかに記載された装置。
【請求項7】
前記バルブボールシールがリング、ロッド、キャップ、又はベルのそばに配置され、スプリングがリング、ロッド、キャップ又は、ベルの開口を貫いてバルブボールシールに達していることを特徴とする、請求項3〜6の何れかに記載された装置。
【請求項8】
ガイドが旋回動可能なベアリングによって形成されているか又は真直ぐなガイドであることを特徴とする、請求項3〜7の何れかに記載された装置。
【請求項9】
バルブボールシールにボールより大きい重量が付加されていることを特徴とする、請求項2〜8の何れかに記載された装置。
【請求項10】
前記バルブ又は分配器が少なくとも部分的にルビー又はサファイア又はタンタル又はチタン製であることを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載された装置。
【請求項11】
ハウジングの形状が盤状であると共に、閉鎖エレメントが、ハウジング内における動作用に、ハウジングウォール又はハウジング基部又はハウジングカバーから十分な距離をとって配され、また動作に十分な、ハウジング内付属品からの距離をとって配されていることを特徴とする、請求項1〜10の何れかに記載された装置。
【請求項12】
バルブハウジング又は分配器ハウジングが少なくとも1個のカバーを有し、閉鎖エレメントを形成するディスク、リング、ロッド、キャップ、又はベルが、カバーに対応するハウジング内の開口の直径より小さな直径を有することを特徴とする、請求項1〜11の何れかに記載された装置。
【請求項13】
前記スプリングが完全に又は部分的に旋回軸に固定されていることを特徴とする、請求項7に記載された装置。
【請求項14】
前記スプリングがスプリングワイヤー又はリーフスプリングとして設計されていることを特徴とする、請求項7又は13に記載された装置。
【請求項15】
前記スプリングが調整装置に装備されていることを特徴とする、請求項7、13又は14に記載された装置。
【請求項16】
前記調整装置が、外側から、旋回又は回転する磁石によって、閉鎖エレメント又はスプリングが締め付けられる若しくは弛緩されるように旋回可能又は回転可能な要素を有していることを特徴とする、請求項15に記載された装置。
【請求項17】
活性化されたときには意図しない調整動作を防ぎ、失活された場合に調整操作を許す活性可能なブレーキを特徴とする、請求項1〜16の何れかに記載された装置。
【請求項18】
スプリング圧を開放することによって失活される、スプリングを装着した自己活性スプリング装着ブレーキを特徴とする請求項17に記載された装置。
【請求項19】
a)ハウジングが弾力を有すると共に、ハウジングが圧迫されていない状態では調整装置の少なくとも一ヶ所が摩擦によりロックされ、ハウジングを押したときに、対応する調整装置の表面から離れる摩擦面を有する、又は、
b)ハウジングが、圧迫されていない状態では調整装置の少なくとも一ヶ所が摩擦によりロックされ、圧迫されているときには、対応する調整装置の表面から離れる弾力カバーを装備している、
ことを特徴とする請求項16又は17に記載された装置。
【請求項20】
前記弾力ハウジング又は蓋が、
a)ブレーキがかかった位置で、外側に曲がった初期形状を持ち、圧迫された後にはゆるく曲がるか、平面又は内側にまがる、
b)ブレーキがかかった位置で、平面の初期形状を持ち、圧迫された後には内側にまがる、
c)ブレーキがかかった位置で、内側に曲がっており、圧迫された後には更に内側に曲がる、又は、ハウジング壁が内側に曲がった初期形状を有し、変形してさらに内側にまがる、
ことを特徴とする請求項17〜19の何れかに記載された装置。
【請求項21】
外側エッジにロックのための摩擦面を有する、回転又は旋回動可能なロータリースライダーを使用することを特徴とする、請求項17〜20の何れかに記載された装置。
【請求項22】
共に圧迫されるハウジング壁で予め圧迫された、又は、圧縮し得るカバーによって予め圧迫された、回転又は旋回可能なロータリースライダーを使用することを特徴とする、請求項17〜21の何れかに記載された装置。
【請求項23】
ハウジング壁の厚みの2倍に等しい程度、好ましくは0.1mmまで予め圧迫するためのハウジング壁の変形を特徴とする、請求項17〜22の何れかに記載された装置。
【請求項24】
U形状の突き出たエッジ上で摩擦ロックが生じるように、断面がU形状のロータリースライダーが使用されることを特徴とする、請求項17〜23の何れかに記載された装置。
【請求項25】
厚みが最大0.5mm、好ましくは最大厚みが0.2mmである、押圧可能なハウジング壁又は押圧可能な蓋を使用することを特徴とする、請求項17〜24の何れかに記載された装置。
【請求項26】
ハウジング、好ましくは、変形可能ハウジング壁が、金属、好ましくは、チタン又はチタン合金からなることを特徴とする、請求項17〜25の何れかに記載された装置。
【請求項27】
調整デバイスには調整磁石をともなった、経皮的に押圧され得る回転可能な部品を含む調整デバイスが経皮的に装着されていることを特徴とする、請求項1〜26の何れかに記載された装置。
【請求項28】
前記ロータリースライダーを圧力制御することを特徴とする、請求項3〜27の何れかに記載された装置。
【請求項29】
圧力又は限界圧力を表示するためにスプリング要素を使用すること及び/又は圧力測定用に細長い測定細片を使用することを特徴とする、請求項3〜28の何れかに記載された装置。
【請求項30】
最大直径3mm好ましくは最大直径1mmで、最大高さ5mm好ましくは最大高さ2mmの磁石を使用することを特徴とする、請求項3〜29の何れかに記載された装置。
【請求項31】
外部にある調整装置内の磁石が、内部にある調整装置内の磁石から最大3mm、好ましくは最大1mmずれた距離、互いに離れている、及び/又は磁石が最大20mm、好ましくは最大10mm、更に好ましくは最大8mm引き離して置かれることを特徴とする、請求項3〜30の何れかに記載された装置。
【請求項32】
外部調整装置が調整動作用測定装置を装着していることを特徴とする、請求項27〜31の何れかに記載された装置。
【請求項33】
前記測定装置が、圧力測定装置及び/又は回転測定装置であることを特徴とする、請求項27〜32の何れかに記載された装置。
【請求項34】
外部調整装置が閉鎖部の磁石位置に自由に作用すると共に調整可能であり、磁石の回転位置が外部から読み取れることを特徴とする、請求項27〜33の何れかに記載された装置。
【請求項35】
内部調整装置が、好ましくは断面が円又は長方形で、直径又は厚みが最大0.5mm、好ましくは最大0.3mm、更に好ましくは0.2mmである金属ワイヤー又はシート形状のスプリングを有していることを特徴とする、請求項3〜34の何れかに記載された装置。
【請求項36】
スプリングバーが、
a) シングルアームレバーとして設計されている、又は、
b) 1本のレバーアームが調整板を押圧し、もう1本のレバーアームが、連動して、バルブ又は分配器のバルブボール又はバルブキャップを押圧するダブルアームレバーとして設計されている、
ことを特徴とする、請求項3〜35の何れかに記載された装置。
【請求項37】
柔軟にマウントされた前記スプリングバーが、滑接しながら閉鎖エレメントのカムディスクを押し付け、及び/又は滑接しながらバルブボール閉鎖物を押し付けることを特徴とする、請求項3〜36の何れかに記載された装置。
【請求項38】
前記バルブ又は分配器の外径が最大31mm、好ましくは最大20mmであり、及び/又は高さが最大10mm、好ましくは最大6mmであることを特徴とする、請求項1〜37の何れかに記載された装置。
【請求項39】
調整されるべき重りがスプリングエレメントと明確に結合していることを特徴とする、請求項3〜38の何れかに記載された装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−526177(P2011−526177A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515238(P2011−515238)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004751
【国際公開番号】WO2010/000461
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(503211585)クリストフ ミートケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (3)
【Fターム(参考)】