腸内状態測定装置
【課題】便の状態を加味して的確な健康判断ができる腸内状態測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】排便時に非接触で腸内の状態を推測するための健康状態測定装置であって、この健康状態測定装置は、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【解決手段】排便時に非接触で腸内の状態を推測するための健康状態測定装置であって、この健康状態測定装置は、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸内の健康状態を非接触で推定することのできる腸内状態測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の腸内の健康状態を知るために非接触で排泄物中の成分を測定あるいは推定することが行われている。
【0003】
非接触で排泄物中の成分を推定する技術としては、たとえば特許文献1がある。特許文献1は、臭いセンサを用いて定性的に便の状態を推定するもので、定量的に計測するものではない。
【0004】
一方、排泄物とともに排出されるガス成分(以下排泄ガスと呼ぶ)を利用して、腸内状態を知る技術としては特許文献2がある。特許文献2は、腸内状態報知装置およびその方法に関する本出願人の発明である。この装置では、排泄ガス中の水素ガスをガスセンサで測定し、ガスセンサから出力された信号値に対応した腸内状態情報を腸内健康度判定用付属情報から抽出してユーザに報知するものである。腸内状態情報としては、腸内に存在する種々の菌の総数、ビフィズス菌の数、悪玉菌の数、腸内菌の総数のうちのビフィズス菌数の割合、又は、腸内菌の総数のうちの悪玉菌数の割合等を採用している。
【0005】
特許文献3に開示される排泄ガス測定装置及び方法も本出願人の発明であり、排泄ガス中の水素ガスあるいはメタンガスをガスセンサで検出し、ビフィズス菌数を推定して腸内健康度を判定するものである。
【0006】
【特許文献1】特許3582172号公報。
【特許文献2】特開2005−315836号公報。
【特許文献3】特開2005−292049号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、腸内状態を表す指標として便pHがある。一般に便のpHは酸性に傾いているほうが良いといわれており、pHが低い方が腸内の健康状態が良いとされている。本発明者らは排泄ガスの成分のうち二酸化炭素に注目し、二酸化炭素ガスの濃度と便のpHとの間に相関関係があり、すなわち二酸化炭素ガスの濃度が高いほうが便のpHが低いことを発見し、排泄ガスの二酸化炭素濃度が高いほうが腸内の健康状態が良いと判断できることを見出した。
そこで、本発明は便の状態を加味して的確な健康判断ができる腸内状態測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る腸内状態測定装置は、排便時に併
発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る腸内状態測定装置は、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便の水分推定値を演算し、前記便の水分推定値が所定値以上である場合に使用者に報知することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の腸内状態測定装置によれば、非接触で排便ガスにもとづく腸内の健康状態を推測すると同時に、排泄ガスにもとづいて推測される便の状態も加味して健康状態を判断するようにしたので、今まで以上に的確な健康判断ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を説明するに先立って、本発明の作用効果について説明する。
【0012】
本発明に係る腸内状態測定装置は、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【0013】
下痢便の場合には、便のpHが非常に低下しているケースが多い。本発明によれば、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度から便のpH値を推定し、その便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知するので、ガス中の所定成分の濃度から便のpH値を推測して腸内状態指標推定値としての健康状態指標を推定する際に生じる健康状態の判定において、便そのものの状態に関してもガス濃度を利用して推測するので、今まで以上に的確な健康判断ができる。
【0014】
また、本発明に係る腸内状態測定装置は、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便の水分推定値を演算する第三演算部と、前記便の水分推定値から腸内状態指標推定値を演算する第四演算部とを備え、前記便の水分推定値が所定値以上である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【0015】
下痢便の場合には、便の水分量が非常に多く90%以上であるケースが多い。本発明によれば、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度から便の水分量を推定し、その水分量推定値が所定値以上である場合に、使用者に報知するので、ガス中の所定成分の濃度から便の水分量を推測して腸内状態指標推定値としての健康状態指標を推定する際に生じる健康状態の判定において、便そのものの状態に関してもガス濃度を利用して推測するので、便の状態を加味したトータルの健康判断ができるので今まで以上に的確な健康判断ができる。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に好適な実施形態について詳細に説明する。尚、図面の説明において同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
本発明の腸内状態測定装置は、例えば洋式便器に付設された衛生洗浄便座装置に内蔵したり、洋式便器の便座に内蔵したり、あるいは、既設の洋式便器に後付けすることができる。
【0018】
図1は、本発明の腸内状態測定装置Mを内蔵した洋式便器に付設された衛生洗浄便座装置の一例を示す(部分透視)外観図である。便器1に付設された腸内状態測定装置Mを内蔵した衛生洗浄便座装置2と便鉢3周縁の頂部との間に設けたスペースを利用して脱臭ファン用排気通路4が設置されている。脱臭ファン用排気通路4内に二酸化炭素センサ5が取り付けられている。また、センサ出力を記憶する記憶部、第一演算部、第二演算部、判断部、センサを制御する制御部は一体化して衛生洗浄便座装置2の後部内に組み込まれ、さらに、判断結果を報知する伝達部および腸内状態指標を表示する腸内状態指標表示部は、衛生洗浄便座装置の操作部11に組み込まれている。
【0019】
すなわち、腸内状態測定装置Mの構成は、二酸化炭素センサ5、記憶部、第一演算部、第二演算部、制御部、判断部、伝達部および腸内状態指標表示部からなる。なお、二酸化炭素センサ5と制御部とのデータ交換は結線により、また制御部と伝達部および腸内状態指標表示部とのデータ交換は赤外線により行っている。
【0020】
図2は本発明の腸内状態測定装置Mの一例を示す構成の概略図である。脱臭ファン用排気通路4内では、風上側から、脱臭ファン12、脱臭カートリッジ13、二酸化炭素センサ5の順に並べられている。二酸化炭素センサ5や脱臭ファン12は制御部9によって動きを制御される。記憶部6は二酸化炭素センサ5の出力や演算結果および判断部14での判断結果を記憶する。第一演算部7はセンサ出力から便のpH値を推定し、第二演算部8は便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する。ここで報知部20は記憶部6と、判断部14と制御部9と、伝達部10を備えている。判断部14は第一演算部7より推定された便のpH値が記憶部6に記憶されている閾値と比べ高いか低いかを判断する。制御部9は判断結果を伝達部10に伝え、伝達部10は判断部14により判断された判断結果をユーザに報知する。腸内状態指標表示部22は第二演算部で推定された腸内状態指標をユーザに報知する。
【0021】
図3は、本発明の腸内状態測定装置M(衛生洗浄便座装置に搭載)を使用し、健康状態を報知する方法の手順を示す一例である。
【0022】
以下、本図を説明する。ユーザはトイレ内に入室し排便をして退室するのであるが、このトイレには本発明の腸内状態測定装置Mが取り付けてあるため、退室する前にはその日の体調を知り、あるいは継続的に測定していた場合は経時的な体調の変化を知ることができる。
【0023】
ユーザの入出を検知すると二酸化炭素センサ5のスイッチが入り、ユーザが着座すると着座センサが着座を検知し、二酸化炭素センサ5の記録および記憶が開始される。ユーザが排便を終了するまで、二酸化炭素センサ5は一定時間ごとにデータを検出し、それらは記憶部6に書き込まれる。排便終了後、ユーザがおしり洗浄を開始するときにセンサの記録は終了する。
【0024】
記憶の終了後、制御部9は記憶された時間の範囲で二酸化炭素濃度の最大値Vmaxを検索しその値を測定値(ピーク値Vp)として記憶部6に記録する。第一演算部7は第1の対応データであるセンサ信号値−酢酸、第2の対応データである酢酸−pHの対応に基づいて、記憶部6に記憶された測定値から便のpH値を推測する。
【0025】
次いで判断部14は第一演算部7で推測されたpH推定値が記憶部6に記憶されているpH推定値の閾値よりも低いかどうか判断する。pH推定値が閾値よりも低い場合、判断部14は便の状態が「下痢便である」と判断し、伝達部10は判断部14で判断された結果をうけて、判断結果をユーザに報知する。pH推定値が記憶部6に記憶されているpH推定値の閾値よりも高い場合、判断部14は便の状態が「普通便である」と判断し、第二演算部8はその結果を受けて、第3の対応データであるpH―腸内年齢の対応に基づいて、pH推定値に対応する腸内状態指標推定値を同定する。ここで腸内状態指標推定値とは腸内年齢である。同定結果は制御部9を通じて腸内状態指標表示部22に伝えられ、腸内状態指標表示部22は同定結果をユーザに報知する。
【0026】
以下、詳細な動作を説明する。
第一演算部7は図4に示したような第1の対応データに基づいて、記憶部6に記憶されているピーク値Vpに対応する酢酸濃度Brを同定し、次いで図5に示したような第2の対応データに基づいて、酢酸濃度Brに対応するpH推定値を同定する。、制御部9は同定したpH推定値(pH1)を記憶部6に書き込む。
【0027】
図6は便の状態すなわち下痢便の場合の判断を示すグラフのモデルである。判断部14は第一演算部7で同定されたpH推定値(pH1)が、記憶されている閾値(pHL)よりも低いかどうか比較する。pH1≦pHLであった場合は、便の状態が「下痢便である」と判断する。判断した結果は記憶部6に書き込まれ、制御部9経由で伝達部10に伝えられる。伝達部10は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに測定不能であることを告げる。 便の状態は下痢便、普通便、便秘便というように区別され、下痢便、便秘便は腸内の健康状態が悪い便である。便秘便は便のpHが高くかつ併発される二酸化炭素ガス濃度も低いので、ガスの濃度から腸内の状態を判断できる。しかしながら下痢便の場合には、腸内の異常発酵により便のpHが異常に低下し、排便時に高濃度の二酸化炭素ガスが排出されることがある。すなわち排泄ガスのガス濃度からのみ腸内健康度を判断しようとすると、下痢便の場合でも腸内の状態が良いと判断される可能性があるが、便の状態も加味することでより的確に腸内状態を判断できる。
【0028】
一方で、pH1>pHLであった場合は、判断部14は便の状態が「普通便」であると判断する。その結果をうけ、第二演算部8は図7に示すような第三の対応表に基づいてpH1に対応する腸内状態推定値である腸内年齢Agを同定する。同定した腸内年齢は記憶部6に書き込まれ、制御部9経由で腸内状態指標表示部22に伝えられる。腸内状態指標表示部22は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに腸内状態指標推定値である腸内年齢を告げる。
ここで、腸内状態指標推定値である腸内年齢とは腸内の状態により決定された年齢であり、例えば腸内のpH(ここでは便のpH推定値から推測)に基づいて決定される年齢である。例えばある腸内年齢に対応した腸内の状態(ここでは腸内pH)は、その腸内年齢と実際の年齢とが同じである複数の使用者の平均的な腸内状態(ここでは腸内pH)である。使用者は腸内pHという科学的な数値ではその意味がわかりずらいこともあるが、年齢との対応をさせることで自分の年齢とのずれを実感できるので、より健康状態がわかりやすくなる。
【0029】
図8はユーザが測定結果を知るために操作する操作パネルを示しているが、判断結果をユーザに報知する伝達部10の実施例である。操作パネル21は個人認識が出きるボタン15、表示開始のボタン16および液晶パネル17がついている。尚、この液晶パネルは判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpH値が低いと判断した場合には、判断結果を報知する伝達部10として機能する。一方、判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpH値が高いと判断した場合には、腸内状態指標推定値を表示する腸内状態指標表示部22として機能する。ユーザは排便終了後に表示ボタン16を押して、結果を見ることができる。判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpH値が高いと判断した場合、液晶パネル17は腸内状態指標表示部22として機能し、第二演算部8で推定された「腸内年齢」を表示する。判断部14が閾値よりも低いと判断した場合には、液晶パネル17は伝達部10として機能し、液晶パネル17示すような「ソクテイハンイガイ デス」などの判断結果を表示する。
【0030】
図9はユーザが測定結果を知るために操作する操作パネルを示しているが、判断結果をユーザに報知する伝達部10の別の実施例である。操作パネル21には個人認識が出来るボタン16、表示開始のボタン17および判断結果を示す、本発明の伝達部である赤色(異常値を示す)LED18および腸内状態指標表示部である青色(正常値を示す)LED19が搭載されている。ユーザは排便終了後に表示ボタン16を押して、結果を見ることができる。判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpHが高いと判断した場合には、第二演算部8で推定された推定された「腸内年齢」が示す年代、例えば「腸内年齢が35歳」と推定された場合は、腸内状態指標表示部である「30代」の青色のLED19が点灯し、腸内の状態を報知する。一方で、判断部14がpHが閾値よりも低いと判断した場合には、伝達部10である赤色LED18が点灯し、測定範囲外であったことを報知する。本実施例の伝達部10は衛生洗浄便座装置の操作部と別体であるが衛生洗浄便座装置の操作部に組み込まれていても良い。また音声によって測定結果を報知しても良い。
【0031】
本実施例では、便の状態すなわち下痢便の場合の判断を示すグラフとして閾値としての所定値以下の値も記憶しているグラフを利用したが、下限として所定値としての閾値までを記憶しているグラフを利用しても良い。この場合、所定値よりも小さい値はグラフに記憶されていないので、第二演算部8での演算が出来ないので、伝達部に測定値を表示しない。すなわち、それが報知ということになる。
【0032】
本発明の腸内状態測定装置Mを使用し、健康状態を報知する方法の手順を示す別の実施例を示す。装置の動きはほぼ実施例1と同様であり、ここでは実施例1と異なる便の状態の判断方法についてのみ記載する。尚、第一演算部のかわりにセンサ出力から便の水分量を推定する第三演算部と、第二演算部のかわりに便の水分量推定値から腸内状態指標推定値を演算する第四演算部を備えている。
【0033】
ユーザが排便を開始して終了するまで二酸化炭素センサ5により検出されたデータは記憶部6に記憶される。記憶の終了後、制御部9は記憶された時間の範囲で二酸化炭素濃度の最大値Vmaxを検索しその値を測定値(ピーク値Vp)として記憶部6に記録する。第三演算部は図10に示したような第一の対応データに基づいて、記憶部6に記憶されているピーク値Vpに対応する水分推定値Ms1を同定する。、制御部9は同定した水分推定値(Ms1)を記憶部6に書き込む。図11は便の状態すなわち下痢便の場合の判断を示すグラフのモデルである。判断部14は第三演算部で同定された水分推定値(Ms1)が、記憶されている閾値(MsL)よりも高いかどうか(この場合、MsL=90%)を比較する。MsL≦Ms1であった場合は、便の状態が「下痢便である」と判断する。判断した結果は記憶部6に書き込まれ、制御部経由で伝達部10に伝えられる。伝達部10は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに測定不能であることを告げる。一方で、MsL>Ms1であった場合は、判断部14は便の状態が「普通便」であると判断する。その結果をうけ、第四演算部は図12に示すような第三の対応表に基づいてMs1に対応するpH推定値を同定し、次いで図7に示すような第三の対応表に基づいてpH1に対応する腸内状態推定値である腸内年齢Agを同定する。同定した腸内年齢は記憶部6に書き込まれ、制御部9経由で腸内状態指標表示部22に伝えられる。腸内状態指標表示部22は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに腸内状態推定値である腸内年齢を告げる。
【0034】
本実施例では、ガスセンサとして二酸化炭素センサを用いたが、二酸化炭素センサの代わりにアンモニアセンサを用いても良い。以上の実施例によれば排泄ガスのガス濃度からのみ腸内健康度を判断しようとすると、下痢便の場合でも腸内の状態が良いと判断される可能性があるが、便の状態を加味することで的確に腸内状態を判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の腸内状態測定装置(衛生洗浄便座装置に搭載)の一例を示す(部分透視)外観図
【図2】本発明の腸内状態測定装置に係る脱臭ファン用の排気通路内の構成の一例を示す配置図。
【図3】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順を示す図。
【図4】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図5】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図6】本発明に係る推定されたpH値の閾値の一例を示す換算グラフ。
【図7】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図8】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための判断結果をユーザに報知するための表示部の一例を示す正面図
【図9】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための判断結果をユーザに報知するための表示部の一例を示す正面図
【図10】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図11】本発明に係る推定された水分量の閾値の一例を示す換算グラフ。
【図12】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【符号の説明】
【0036】
1…便器、2…衛生洗浄便座装置、3…便鉢、4…脱臭ファン用排気通路、5…二酸化炭素センサ、6…記憶部、7…第一演算部、8…第二演算部、9…制御部、10…伝達部、11…衛生洗浄便座装置操作部、12…脱臭ファン、13…脱臭カートリッジ、14…判断部、15…個人認識ボタン、16…表示ボタン、17…液晶画面、18…伝達部(LED)、19…腸内状態指標表示部(LED)、20…報知部、21…操作パネル、22…腸内状態指標表示部、M…腸内状態測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、腸内の健康状態を非接触で推定することのできる腸内状態測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の腸内の健康状態を知るために非接触で排泄物中の成分を測定あるいは推定することが行われている。
【0003】
非接触で排泄物中の成分を推定する技術としては、たとえば特許文献1がある。特許文献1は、臭いセンサを用いて定性的に便の状態を推定するもので、定量的に計測するものではない。
【0004】
一方、排泄物とともに排出されるガス成分(以下排泄ガスと呼ぶ)を利用して、腸内状態を知る技術としては特許文献2がある。特許文献2は、腸内状態報知装置およびその方法に関する本出願人の発明である。この装置では、排泄ガス中の水素ガスをガスセンサで測定し、ガスセンサから出力された信号値に対応した腸内状態情報を腸内健康度判定用付属情報から抽出してユーザに報知するものである。腸内状態情報としては、腸内に存在する種々の菌の総数、ビフィズス菌の数、悪玉菌の数、腸内菌の総数のうちのビフィズス菌数の割合、又は、腸内菌の総数のうちの悪玉菌数の割合等を採用している。
【0005】
特許文献3に開示される排泄ガス測定装置及び方法も本出願人の発明であり、排泄ガス中の水素ガスあるいはメタンガスをガスセンサで検出し、ビフィズス菌数を推定して腸内健康度を判定するものである。
【0006】
【特許文献1】特許3582172号公報。
【特許文献2】特開2005−315836号公報。
【特許文献3】特開2005−292049号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、腸内状態を表す指標として便pHがある。一般に便のpHは酸性に傾いているほうが良いといわれており、pHが低い方が腸内の健康状態が良いとされている。本発明者らは排泄ガスの成分のうち二酸化炭素に注目し、二酸化炭素ガスの濃度と便のpHとの間に相関関係があり、すなわち二酸化炭素ガスの濃度が高いほうが便のpHが低いことを発見し、排泄ガスの二酸化炭素濃度が高いほうが腸内の健康状態が良いと判断できることを見出した。
そこで、本発明は便の状態を加味して的確な健康判断ができる腸内状態測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る腸内状態測定装置は、排便時に併
発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る腸内状態測定装置は、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便の水分推定値を演算し、前記便の水分推定値が所定値以上である場合に使用者に報知することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の腸内状態測定装置によれば、非接触で排便ガスにもとづく腸内の健康状態を推測すると同時に、排泄ガスにもとづいて推測される便の状態も加味して健康状態を判断するようにしたので、今まで以上に的確な健康判断ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を説明するに先立って、本発明の作用効果について説明する。
【0012】
本発明に係る腸内状態測定装置は、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【0013】
下痢便の場合には、便のpHが非常に低下しているケースが多い。本発明によれば、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度から便のpH値を推定し、その便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知するので、ガス中の所定成分の濃度から便のpH値を推測して腸内状態指標推定値としての健康状態指標を推定する際に生じる健康状態の判定において、便そのものの状態に関してもガス濃度を利用して推測するので、今まで以上に的確な健康判断ができる。
【0014】
また、本発明に係る腸内状態測定装置は、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便の水分推定値を演算する第三演算部と、前記便の水分推定値から腸内状態指標推定値を演算する第四演算部とを備え、前記便の水分推定値が所定値以上である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする。
【0015】
下痢便の場合には、便の水分量が非常に多く90%以上であるケースが多い。本発明によれば、排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度から便の水分量を推定し、その水分量推定値が所定値以上である場合に、使用者に報知するので、ガス中の所定成分の濃度から便の水分量を推測して腸内状態指標推定値としての健康状態指標を推定する際に生じる健康状態の判定において、便そのものの状態に関してもガス濃度を利用して推測するので、便の状態を加味したトータルの健康判断ができるので今まで以上に的確な健康判断ができる。
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に好適な実施形態について詳細に説明する。尚、図面の説明において同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
本発明の腸内状態測定装置は、例えば洋式便器に付設された衛生洗浄便座装置に内蔵したり、洋式便器の便座に内蔵したり、あるいは、既設の洋式便器に後付けすることができる。
【0018】
図1は、本発明の腸内状態測定装置Mを内蔵した洋式便器に付設された衛生洗浄便座装置の一例を示す(部分透視)外観図である。便器1に付設された腸内状態測定装置Mを内蔵した衛生洗浄便座装置2と便鉢3周縁の頂部との間に設けたスペースを利用して脱臭ファン用排気通路4が設置されている。脱臭ファン用排気通路4内に二酸化炭素センサ5が取り付けられている。また、センサ出力を記憶する記憶部、第一演算部、第二演算部、判断部、センサを制御する制御部は一体化して衛生洗浄便座装置2の後部内に組み込まれ、さらに、判断結果を報知する伝達部および腸内状態指標を表示する腸内状態指標表示部は、衛生洗浄便座装置の操作部11に組み込まれている。
【0019】
すなわち、腸内状態測定装置Mの構成は、二酸化炭素センサ5、記憶部、第一演算部、第二演算部、制御部、判断部、伝達部および腸内状態指標表示部からなる。なお、二酸化炭素センサ5と制御部とのデータ交換は結線により、また制御部と伝達部および腸内状態指標表示部とのデータ交換は赤外線により行っている。
【0020】
図2は本発明の腸内状態測定装置Mの一例を示す構成の概略図である。脱臭ファン用排気通路4内では、風上側から、脱臭ファン12、脱臭カートリッジ13、二酸化炭素センサ5の順に並べられている。二酸化炭素センサ5や脱臭ファン12は制御部9によって動きを制御される。記憶部6は二酸化炭素センサ5の出力や演算結果および判断部14での判断結果を記憶する。第一演算部7はセンサ出力から便のpH値を推定し、第二演算部8は便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する。ここで報知部20は記憶部6と、判断部14と制御部9と、伝達部10を備えている。判断部14は第一演算部7より推定された便のpH値が記憶部6に記憶されている閾値と比べ高いか低いかを判断する。制御部9は判断結果を伝達部10に伝え、伝達部10は判断部14により判断された判断結果をユーザに報知する。腸内状態指標表示部22は第二演算部で推定された腸内状態指標をユーザに報知する。
【0021】
図3は、本発明の腸内状態測定装置M(衛生洗浄便座装置に搭載)を使用し、健康状態を報知する方法の手順を示す一例である。
【0022】
以下、本図を説明する。ユーザはトイレ内に入室し排便をして退室するのであるが、このトイレには本発明の腸内状態測定装置Mが取り付けてあるため、退室する前にはその日の体調を知り、あるいは継続的に測定していた場合は経時的な体調の変化を知ることができる。
【0023】
ユーザの入出を検知すると二酸化炭素センサ5のスイッチが入り、ユーザが着座すると着座センサが着座を検知し、二酸化炭素センサ5の記録および記憶が開始される。ユーザが排便を終了するまで、二酸化炭素センサ5は一定時間ごとにデータを検出し、それらは記憶部6に書き込まれる。排便終了後、ユーザがおしり洗浄を開始するときにセンサの記録は終了する。
【0024】
記憶の終了後、制御部9は記憶された時間の範囲で二酸化炭素濃度の最大値Vmaxを検索しその値を測定値(ピーク値Vp)として記憶部6に記録する。第一演算部7は第1の対応データであるセンサ信号値−酢酸、第2の対応データである酢酸−pHの対応に基づいて、記憶部6に記憶された測定値から便のpH値を推測する。
【0025】
次いで判断部14は第一演算部7で推測されたpH推定値が記憶部6に記憶されているpH推定値の閾値よりも低いかどうか判断する。pH推定値が閾値よりも低い場合、判断部14は便の状態が「下痢便である」と判断し、伝達部10は判断部14で判断された結果をうけて、判断結果をユーザに報知する。pH推定値が記憶部6に記憶されているpH推定値の閾値よりも高い場合、判断部14は便の状態が「普通便である」と判断し、第二演算部8はその結果を受けて、第3の対応データであるpH―腸内年齢の対応に基づいて、pH推定値に対応する腸内状態指標推定値を同定する。ここで腸内状態指標推定値とは腸内年齢である。同定結果は制御部9を通じて腸内状態指標表示部22に伝えられ、腸内状態指標表示部22は同定結果をユーザに報知する。
【0026】
以下、詳細な動作を説明する。
第一演算部7は図4に示したような第1の対応データに基づいて、記憶部6に記憶されているピーク値Vpに対応する酢酸濃度Brを同定し、次いで図5に示したような第2の対応データに基づいて、酢酸濃度Brに対応するpH推定値を同定する。、制御部9は同定したpH推定値(pH1)を記憶部6に書き込む。
【0027】
図6は便の状態すなわち下痢便の場合の判断を示すグラフのモデルである。判断部14は第一演算部7で同定されたpH推定値(pH1)が、記憶されている閾値(pHL)よりも低いかどうか比較する。pH1≦pHLであった場合は、便の状態が「下痢便である」と判断する。判断した結果は記憶部6に書き込まれ、制御部9経由で伝達部10に伝えられる。伝達部10は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに測定不能であることを告げる。 便の状態は下痢便、普通便、便秘便というように区別され、下痢便、便秘便は腸内の健康状態が悪い便である。便秘便は便のpHが高くかつ併発される二酸化炭素ガス濃度も低いので、ガスの濃度から腸内の状態を判断できる。しかしながら下痢便の場合には、腸内の異常発酵により便のpHが異常に低下し、排便時に高濃度の二酸化炭素ガスが排出されることがある。すなわち排泄ガスのガス濃度からのみ腸内健康度を判断しようとすると、下痢便の場合でも腸内の状態が良いと判断される可能性があるが、便の状態も加味することでより的確に腸内状態を判断できる。
【0028】
一方で、pH1>pHLであった場合は、判断部14は便の状態が「普通便」であると判断する。その結果をうけ、第二演算部8は図7に示すような第三の対応表に基づいてpH1に対応する腸内状態推定値である腸内年齢Agを同定する。同定した腸内年齢は記憶部6に書き込まれ、制御部9経由で腸内状態指標表示部22に伝えられる。腸内状態指標表示部22は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに腸内状態指標推定値である腸内年齢を告げる。
ここで、腸内状態指標推定値である腸内年齢とは腸内の状態により決定された年齢であり、例えば腸内のpH(ここでは便のpH推定値から推測)に基づいて決定される年齢である。例えばある腸内年齢に対応した腸内の状態(ここでは腸内pH)は、その腸内年齢と実際の年齢とが同じである複数の使用者の平均的な腸内状態(ここでは腸内pH)である。使用者は腸内pHという科学的な数値ではその意味がわかりずらいこともあるが、年齢との対応をさせることで自分の年齢とのずれを実感できるので、より健康状態がわかりやすくなる。
【0029】
図8はユーザが測定結果を知るために操作する操作パネルを示しているが、判断結果をユーザに報知する伝達部10の実施例である。操作パネル21は個人認識が出きるボタン15、表示開始のボタン16および液晶パネル17がついている。尚、この液晶パネルは判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpH値が低いと判断した場合には、判断結果を報知する伝達部10として機能する。一方、判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpH値が高いと判断した場合には、腸内状態指標推定値を表示する腸内状態指標表示部22として機能する。ユーザは排便終了後に表示ボタン16を押して、結果を見ることができる。判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpH値が高いと判断した場合、液晶パネル17は腸内状態指標表示部22として機能し、第二演算部8で推定された「腸内年齢」を表示する。判断部14が閾値よりも低いと判断した場合には、液晶パネル17は伝達部10として機能し、液晶パネル17示すような「ソクテイハンイガイ デス」などの判断結果を表示する。
【0030】
図9はユーザが測定結果を知るために操作する操作パネルを示しているが、判断結果をユーザに報知する伝達部10の別の実施例である。操作パネル21には個人認識が出来るボタン16、表示開始のボタン17および判断結果を示す、本発明の伝達部である赤色(異常値を示す)LED18および腸内状態指標表示部である青色(正常値を示す)LED19が搭載されている。ユーザは排便終了後に表示ボタン16を押して、結果を見ることができる。判断部14が図6に示す閾値(この場合、pH=5.5)よりもpHが高いと判断した場合には、第二演算部8で推定された推定された「腸内年齢」が示す年代、例えば「腸内年齢が35歳」と推定された場合は、腸内状態指標表示部である「30代」の青色のLED19が点灯し、腸内の状態を報知する。一方で、判断部14がpHが閾値よりも低いと判断した場合には、伝達部10である赤色LED18が点灯し、測定範囲外であったことを報知する。本実施例の伝達部10は衛生洗浄便座装置の操作部と別体であるが衛生洗浄便座装置の操作部に組み込まれていても良い。また音声によって測定結果を報知しても良い。
【0031】
本実施例では、便の状態すなわち下痢便の場合の判断を示すグラフとして閾値としての所定値以下の値も記憶しているグラフを利用したが、下限として所定値としての閾値までを記憶しているグラフを利用しても良い。この場合、所定値よりも小さい値はグラフに記憶されていないので、第二演算部8での演算が出来ないので、伝達部に測定値を表示しない。すなわち、それが報知ということになる。
【0032】
本発明の腸内状態測定装置Mを使用し、健康状態を報知する方法の手順を示す別の実施例を示す。装置の動きはほぼ実施例1と同様であり、ここでは実施例1と異なる便の状態の判断方法についてのみ記載する。尚、第一演算部のかわりにセンサ出力から便の水分量を推定する第三演算部と、第二演算部のかわりに便の水分量推定値から腸内状態指標推定値を演算する第四演算部を備えている。
【0033】
ユーザが排便を開始して終了するまで二酸化炭素センサ5により検出されたデータは記憶部6に記憶される。記憶の終了後、制御部9は記憶された時間の範囲で二酸化炭素濃度の最大値Vmaxを検索しその値を測定値(ピーク値Vp)として記憶部6に記録する。第三演算部は図10に示したような第一の対応データに基づいて、記憶部6に記憶されているピーク値Vpに対応する水分推定値Ms1を同定する。、制御部9は同定した水分推定値(Ms1)を記憶部6に書き込む。図11は便の状態すなわち下痢便の場合の判断を示すグラフのモデルである。判断部14は第三演算部で同定された水分推定値(Ms1)が、記憶されている閾値(MsL)よりも高いかどうか(この場合、MsL=90%)を比較する。MsL≦Ms1であった場合は、便の状態が「下痢便である」と判断する。判断した結果は記憶部6に書き込まれ、制御部経由で伝達部10に伝えられる。伝達部10は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに測定不能であることを告げる。一方で、MsL>Ms1であった場合は、判断部14は便の状態が「普通便」であると判断する。その結果をうけ、第四演算部は図12に示すような第三の対応表に基づいてMs1に対応するpH推定値を同定し、次いで図7に示すような第三の対応表に基づいてpH1に対応する腸内状態推定値である腸内年齢Agを同定する。同定した腸内年齢は記憶部6に書き込まれ、制御部9経由で腸内状態指標表示部22に伝えられる。腸内状態指標表示部22は判断部14での判断結果を受けて、ユーザに腸内状態推定値である腸内年齢を告げる。
【0034】
本実施例では、ガスセンサとして二酸化炭素センサを用いたが、二酸化炭素センサの代わりにアンモニアセンサを用いても良い。以上の実施例によれば排泄ガスのガス濃度からのみ腸内健康度を判断しようとすると、下痢便の場合でも腸内の状態が良いと判断される可能性があるが、便の状態を加味することで的確に腸内状態を判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の腸内状態測定装置(衛生洗浄便座装置に搭載)の一例を示す(部分透視)外観図
【図2】本発明の腸内状態測定装置に係る脱臭ファン用の排気通路内の構成の一例を示す配置図。
【図3】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順を示す図。
【図4】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図5】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図6】本発明に係る推定されたpH値の閾値の一例を示す換算グラフ。
【図7】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図8】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための判断結果をユーザに報知するための表示部の一例を示す正面図
【図9】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための判断結果をユーザに報知するための表示部の一例を示す正面図
【図10】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【図11】本発明に係る推定された水分量の閾値の一例を示す換算グラフ。
【図12】本発明に係る検出されたガス濃度から腸内健康指標を推定するための手順の一例を示す換算グラフ。
【符号の説明】
【0036】
1…便器、2…衛生洗浄便座装置、3…便鉢、4…脱臭ファン用排気通路、5…二酸化炭素センサ、6…記憶部、7…第一演算部、8…第二演算部、9…制御部、10…伝達部、11…衛生洗浄便座装置操作部、12…脱臭ファン、13…脱臭カートリッジ、14…判断部、15…個人認識ボタン、16…表示ボタン、17…液晶画面、18…伝達部(LED)、19…腸内状態指標表示部(LED)、20…報知部、21…操作パネル、22…腸内状態指標表示部、M…腸内状態測定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腸内状態測定装置であって、
排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、
前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、
前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、
前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする腸内状態測定装置。
【請求項2】
腸内状態測定装置であって、
排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、
前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便の水分推定値を演算する第三演算部と、
前記便の水分推定値から腸内状態指標推定値を演算する第四演算部とを備え、前記便の水分推定値が所定値以上である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする腸内状態測定装置。
【請求項1】
腸内状態測定装置であって、
排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、
前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便のpH推定値を演算する第一演算部と、
前記便のpH推定値から腸内状態指標推定値を演算する第二演算部とを備え、
前記便のpH推定値が所定値以下である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする腸内状態測定装置。
【請求項2】
腸内状態測定装置であって、
排便時に併発されるガス中の所定成分の濃度を測定するガスセンサと、
前記ガスセンサで測定された所定成分濃度から便の水分推定値を演算する第三演算部と、
前記便の水分推定値から腸内状態指標推定値を演算する第四演算部とを備え、前記便の水分推定値が所定値以上である場合に使用者に報知する報知部を備えることを特徴とする腸内状態測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−265046(P2009−265046A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117987(P2008−117987)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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