説明

膜エレメント用シール材保持部材および膜エレメント

【課題】中心管の外径寸法にバラツキがあっても、中心管を中央に保持することができ、しかも中心管の挿入を容易に行うことができる膜エレメント用シール材保持部材、及びこれを用いた膜エレメントを提供する。
【解決手段】スパイラル型の膜エレメントの中心管が挿入される中央開口部19と、膜エレメントの膜端部へ原液を流入させるための周辺開口部15aと、環状のシール材を保持する外周部18とを備える膜エレメント用シール材保持部材において、中央開口部19は、挿入される中心管の外径より大きい円筒状の内周面16aを有すると共に、その内周面16aの3箇所以上の位置には、中心管6の挿入側に傾斜面21aを有し、内接円より外径の大きい中心管6を内嵌する際に変形可能な突起21を形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパイラル型の膜エレメントの端部に取付けられて、圧力容器との隙間を遮断するシール材を保持するシール材保持部材、及びこれを用いた膜エレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かん水または海水の脱塩、超純水の製造、排水処理等の幅広い用途にスパイラル型分離膜モジュールが用いられている。スパイラル型分離膜モジュールは、図7に示すように、スパイラル型分離膜エレメントEを圧力容器1内に収容した構造となっており、供給した原液7を効率よくエレメントE内へ流入させるために、圧力容器1とエレメントEの隙間を環状のシール材4にて遮断している。
【0003】
エレメントE内に流入した原液は、エレメントEの供給側流路材に沿って下流側に流動しながら、分離膜で分離され、分離膜を透過した透過液は、透過側流路材に沿って流動し、中心管6に集められる。そして、エレメントEの膜部は、供給側流路材、分離膜、及び透過側流路材が積層された膜積層体2が、中心管6にスパイラル状に巻回された構造になっている。
【0004】
また、エレメントEの端部には、シール材保持部材10を備えており、その外周部で環状のシール材4を保持している。シール材4は、断面がU字型やV字型の形状のゴム等で作製されており、水流を受けた時の圧力により外側に拡がって、その状態で圧力容器1との隙間をシールする(例えば特許文献1参照)。
【0005】
シール材保持部材10の中央には、中心管6が挿入される中央開口部19が設けられており、その内周面は平坦な表面を有する円筒形か、又は軸方向に複数の凸条(リブ)を有する円筒形であった。そして、中央開口部19の内周面又は凸条に、中心管6の外周面が内接する寸法に、凸条の高さ等が設計されていた。
【0006】
しかしながら、中心管6の外径寸法は製造過程でバラツキが生じる場合があり、特に、日本と米国では外径が同一の設計寸法であっても、外径の平均値で約0.8mmもの差が生じることが明らかになった。このようなバラツキを考慮して、クリアランスを大きくすると、シール材保持部材10に対して中心管6が偏心し易くなり、見た目が悪く商品価値が低下する場合がある。また、中心管6が偏心すると、圧力容器1の構造によっては膜エレメントの装着操作が煩雑になり、複数の膜エレメントを連結して使用する場合に、連結操作が煩雑になる等の問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開平11−76757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、中心管の外径寸法にバラツキがあっても、中心管を中央に保持することができ、しかも中心管の挿入を容易に行うことができる膜エレメント用シール材保持部材、及びこれを用いた膜エレメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
【0010】
即ち、本発明の膜エレメント用シール材保持部材は、スパイラル型の膜エレメントの中心管が挿入される中央開口部と、膜エレメントの膜端部へ原液を流入させるための周辺開口部と、環状のシール材を保持する外周部とを備える膜エレメント用シール材保持部材において、前記中央開口部は、挿入される中心管の外径より大きい円筒状の内周面を有すると共に、その内周面の3箇所以上の位置には、中心管の挿入側に傾斜面を有し、内接円より外径の大きい中心管を内嵌する際に変形可能な突起を形成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明のシール材保持部材によると、中心管が挿入される中央開口部の内周面に、内接円より外径の大きい中心管を内嵌する際に変形可能な突起を形成してあるため、中心管の外径寸法にバラツキがあっても、突起の変形によって対応することができる。その際、内周面の3箇所以上の位置に突起を設けているため、中央開口部の中央に保持することができる。また、突起が中心管の挿入側に傾斜面を有しているため、挿入時に中心管が傾斜面で案内されて挿入され、突起を円滑に変形させることができ、また突起の変形後も内周面と比較して接触面積が小さいため、中心管の挿入を容易に行うことができる。
【0012】
上記において、前記突起の軸方向長さは、前記内周面の軸方向長さの半分以下であることが好ましい。このように突起の軸方向長さを小さくすることにより、突起の変形が起こり易くなり、中心管との接触面積も小さくできるため、中心管の挿入をより容易に行うことができる。また、突起の長さを小さくしたことで、組立後、突起が外部から見えにくくなり、外観を悪化させることはない。
【0013】
また、前記内周面には、前記突起より高さの低い補助突起を形成してあることが好ましい。この補助突起によって、前記複数の突起の変形量が大きくなった場合でも、個々の突起の変形量のバラツキを少なくさせることができ、より確実に中心管を中央に保持することができる。
【0014】
また、前記補助突起は、中心管の挿入側に傾斜面を有すると共に、前記突起より底面の幅を大きくしてあることが好ましい。この構造であると、前記補助突起の底面の幅が大きいため、より変形しにくい構造となり、前記複数の突起の変形量が大きくなった場合(中心管の外径が大きい場合)でも、より確実に中心管を中央に保持することができる。しかし、挿入時に中心管が傾斜面で案内されて、中心管の挿入を容易に行うことができる。
【0015】
一方、本発明の膜エレメントは、上記いずれかに記載の膜エレメント用シール材保持部材と、前記突起が変形した状態で挿入された中心管と、その中心管にスパイラル状に巻回された膜積層体とを備えることを特徴とする。本発明の膜エレメントによると、本発明のシール材保持部材を用いるため、上記の作用効果の如く、中心管の外径寸法にバラツキがあっても、中心管をシール材保持部材の中央に保持することができ、しかも中心管の挿入を容易に行うことができる。このため、中心管が偏心せずに見た目の良い商品となり、圧力容器への装着操作や、複数の膜エレメントの連結操作がスムーズに行える膜エレメントを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の膜エレメント用シール材保持部材の一例の取付状態を示す半断面図である。図2は、本発明の膜エレメント用シール材保持部材の一例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)はA−A矢視断面図、(c)は右側面図である。図3(a)〜(d)は、本発明の膜エレメント用シール材保持部材における突起及び補助突起を示す要部拡大図である。
【0017】
本発明のシール材保持部材は、図1に示すように、スパイラル型の膜エレメントEの中心管6が挿入される中央開口部19と、膜エレメントEの膜端部へ原液を流入させるための周辺開口部15aと、環状のシール材4を保持する外周部18とを備える。一方、本発明の膜エレメントは、本発明のシール材保持部材10と、突起21が変形した状態で挿入された中心管6と、その中心管6にスパイラル状に巻回された膜積層体2とを備えるものである。
【0018】
膜エレメントEは、いわゆるスパイラル型膜エレメントと呼ばれるものであれば、何れでもよい。例えば、その膜積層体2は、供給側流路材、分離膜、及び透過側流路材が積層された膜積層体(単数又は複数の膜リーフ)がスパイラル状に中心管6に巻回されたものである。また、供給側流路から透過側流路に直接原液が流れないような封止構造を有する。これにより、膜エレメントE内に流入した原液は、エレメントEの供給側流路材に沿って下流側に流動しながら、分離膜で分離され、分離膜を透過した透過液は、透過側流路材に沿って流動し、中心管6に集められる。
【0019】
シール材4は、膜エレメントEの端部に取り付けられたシール材保持部材10で保持される。また、シール材4は、断面が円形、楕円形、四角形などでもよいが、本発明では、断面がU字型、V字型、コの字型、C字型などの開放部を持つ形状を有するシール材4が好ましく使用される。シール材4の材質は、好ましくはゴム、エラストマー、樹脂等の弾性体で作製されており、U字型、V字型などの形状のシール材4は、水流を受けた時の圧力により外側に拡がって、その状態で圧力容器との隙間をシールすることができる。
【0020】
外装部材5としては、例えば、繊維補強樹脂のロービング、テープ、シートなどを直接膜エレメントEに巻き付けた構造などが使用できる。外装部材5の端部は、シール材保持部材10の第1環状部11に、接着等しているのが好ましい。
【0021】
中心管6は、適当な間隔で複数の孔を有しており、樹脂等で形成されている。中心管6の上流側端は、原液の流入を防止するために、プラグ等で塞がれて使用されたり、他の膜エレメントEと、適当な連結部材を介して連結される。
【0022】
シール材保持部材10の外周部18は、例えば、図2に示すように、膜エレメントEの上流側膜端部に対向する側壁11aを有し、膜エレメントEの外装部材5の端部が外挿される第1環状部11と、その第1環状部11の上流側に形成され、外装部材5の端面およびシール材4の下流側端面を両側壁に係止可能な環状凸部12と、その環状凸部12の上流側に形成され、シール材4が外挿される第2環状部13と、その第2環状部13の上流側に形成され、前記シール材の上流側端面を係止可能な第3環状部14とを備えるものである。
【0023】
上記の各部の寸法(膜エレメントEの軸方向に平行な方向の幅)については、環状凸部12の幅が第2環状部13の幅より小さいのが好ましい。また、第3環状部14の幅が第2環状部13の幅より小さいのが好ましい。
【0024】
具体的には、第1環状部11の幅が5〜8mm、環状凸部12の幅が3〜5mm、第2環状部13の幅が7〜9mm、第3環状部14の幅が3〜5mmであることが好ましい。このような各部の寸法により、シール材4を装着する溝と外装部材5の接着代を確保しながら、シール材保持部材の全体の幅(厚み)を15〜30mmとすることができる。
【0025】
本発明では、第3環状部14の外径が、環状凸部12の外径より小さいことが好ましく、これによってシール材4の保持溝の上流側が低くなり、シール材4が水流を受け易い構造となる。
【0026】
本実施形態では、膜エレメントEの膜端部へ原液を流入させる構造として、複数の周辺開口部15aを有する開口板15を備える例を示す。開口板15を採用する場合、周辺開口部15aの大きさ、配置、密度などにより、膜エレメントEの膜部に流入する原液の流量分布をコントロールし易くなる。但し、本発明ではこれに限定されず、開口板15の代わりに放射状のスポークを備えるなど、何れの構造でもよい。
【0027】
上記の開口板15の中央には、好ましくは円筒部16が設けられ、この円筒部16の中央開口部19に中心管6が挿入された状態で、シール材保持部材10が配置される。図示した例では、突起21の軸方向の形成位置と、開口板15の軸方向の形成位置とが重複した位置となっている。これにより、円筒部16に中心管6を有する際に、開口板15が中心管6を補強して、中心管6を変形させずに突起21を円滑に変形させることができる。また、シール材保持部材10の軸方向の中心位置より、開口板15が膜側(下流側)に設けられることによって、外周部18の上流側内周面の軸方向長さが大きくなり、指を引っかけて搬送するのが容易になる。このような観点から、シール材保持部材10の軸方向の中心位置より、突起21を膜側に設けるのが好ましい。
【0028】
本発明では、図1に示すように、中央開口部19は、挿入される中心管6の外径より大きい円筒状の内周面16aを有する。中心管6と内周面16aのクリアランスは、中心管6の外径のバラツキを考慮して、例えば0.3〜2mm程度に設定することができる。
【0029】
本発明では、図2〜図3に示すように、中央開口部19の内周面16aの3箇所以上の位置には、中心管6の挿入側に傾斜面21aを有し、内接円より外径の大きい中心管6を内嵌する際に変形可能な突起21を形成してある。突起21は、内周面16aを形成する材料と異なる材料であってもよいが、内周面16aと同じ材料で一体成型されているのが好ましい。なお、突起21の変形は、塑性変形でも弾性変形でもよい。
【0030】
突起21を形成する位置は、内周面16aに偏りなく配置されるのが好ましく、内周面16aをほぼ等分割する位置がより好ましく、等分割する位置が最も好ましい。また、形成する突起21の数は、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。本実施形態では、内周面16aを3等分する位置に、突起21が形成されている例を示す。
【0031】
突起21は、図3(a)及び(c)に示すように、中心管6の挿入側に傾斜面21aを有するが、傾斜面21aの傾斜角度θ1は、中心管6の挿入と突起21の変形とを円滑に行う観点から、10〜45°が好ましく、15〜35°がより好ましく、20〜30°が更に好ましい。
【0032】
突起21の傾斜面21aは、中心管6の挿入側ほど高さが低くなる形状であればよく、正面視形状が直線または略直線の傾斜面21aが好ましい。傾斜面21aは、平面でもよいが、側面視形状が円弧状であるのが好ましい。
【0033】
突起21を変形可能とするには、シール材保持部材10の成型材料として、ABS樹脂、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂、変性PPE樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂などの比較的柔軟な樹脂を使用するのが好ましい。また、突起21の形状として、底面で最も厚みが大きくなる形状にし、かつ側面視における底面幅W1を小さくすることが有効であり、例えば突起21の底面の幅W1は0.3〜1mmとするのが好ましい。更に突起21の本体部21bの正面視における長さL1を小さくするのも有効であり、長さL1を1〜10mmとするのが好ましく、2〜7mmとするのがより好ましい。
【0034】
また、突起21の全体の軸方向長さは、突起の変形が起こり易く、中心管との接触面積も小さくする観点から、内周面16aの軸方向長さより短くするのが好ましく、内周面16aの軸方向長さの半分以下であることがより好ましい。
【0035】
突起21の本体部21bの上面は、中心管との接触面積も小さくする観点から、曲面であることが好ましく、円弧状の曲面(例えば曲率半径0.2mm)がより好ましい。
【0036】
本発明では、図2に示すように、内周面16aに、突起21より高さの低い補助突起22を形成してあることが好ましい。補助突起22を形成する位置は、いずれの位置でもよいが、デザイン的には、突起21と共に内周面16aを等分割する位置が好ましい。図示した例では、突起21の形成位置の中間を2等分割する位置に、補助突起22が合計3個形成されている。
【0037】
突起21と補助突起22との高さの差は、中心管6の外径のバラツキを考慮すると、0.2〜0.8mmが好ましく、0.3〜0.6mmがより好ましい。なお、補助突起22の高さは、0.2〜1.2mmが好ましい。
【0038】
補助突起22には、図3(b)及び(d)に示すように、中心管6の挿入側に傾斜面22aを有するのが好ましい。また、補助突起22は、突起21と同程度の変形のし易さであってもよいが、補助突起22をより変形しにくくするために、突起21の底面の幅W1より底面の幅W2を大きくしてあるのが好ましい。底面の幅W2と底面の幅W1との比(W2/W1)は、1.1〜3が好ましい。
【0039】
補助突起22の全体の軸方向長さ、本体部22bの正面視における長さL2、傾斜面22aの傾斜角度θ2などは、それぞれ突起21と同様に設定することができる。
【0040】
開口板15の両側には、半径方向から傾斜して伸びたリブ17が複数形成されており、このリブ17が開口板15を補強している。上流側のリブ17は、円筒部16の上流側端面と同じ高さであるが、下流側のリブ17は、その内周側の端部が低く形成されており、その部分は円筒部16の下流側端面と同じ高さになっている。
【0041】
第3環状部14の端面には、内周から外周まで延びる端面溝部14eを複数設けている。端面溝部14eは、膜エレメント内外の原水の行き来をスムーズにするために、放射状に均等間隔で4箇所以上設けるのが好ましく、6〜16箇所設けるのがより好ましい。
【0042】
シール材保持部材10は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂などを用いて、射出成型などの公知の方法で形成することができる。
【0043】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施形態について説明する。
【0044】
(1)前述の実施形態では、中央開口部の内周面を3等分する位置に突起が形成され、突起の形成位置の中間を2等分割する位置に補助突起が3個形成されている例を示したが、図4(a)〜(c)に示すように、突起と補助突起とを軸方向の前後の位置に形成してもよい。また、補助突起の形成を省略することも可能であり、更に、3種以上の高さの突起を各々3箇所以上形成することも可能である(例えば高い突起3箇所+やや低い突起3箇所+低い突起3箇所)。
【0045】
図示した例では、突起21と補助突起22とが、中央開口部19の内周面16aを4等分する位置に、各々4個づつ形成されている。また、この例では、リブ17の形状や周辺開口部15aの形状などが前述の実施形態と異なっている。このように、突起21と補助突起22以外の他の構成については、従来公知のものが何れも採用可能である。
【0046】
(2)前述の実施形態では、図3に示す形状の突起等を設ける例を示したが、本発明における突起は、中心管の挿入側に傾斜面を有し、内接円より外径の大きい中心管を内嵌する際に変形可能であれば、何れの材料、形状でもよい。
【0047】
例えば、図5(a)〜(d)に示すように、正面視における突起21の形状は、円弧状、三角形、台形、斜辺が円弧状の台形などでもよい。また、図6(a)〜(c)に示すように、側面視における突起21の形状は、四角形、台形、三角形などでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の膜エレメント用シール材保持部材の一例の取付状態を示す半断面図
【図2】本発明の膜エレメント用シール材保持部材の一例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)はA−A矢視断面図、(c)は右側面図
【図3】本発明の膜エレメント用シール材保持部材における突起及び補助突起を示す要部拡大図
【図4】本発明の膜エレメント用シール材保持部材の他の例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)はI−I矢視断面図、(c)は右側面図
【図5】本発明の膜エレメント用シール材保持部材の他の例を示す要部図
【図6】本発明の膜エレメント用シール材保持部材の他の例を示す要部図
【図7】従来の膜エレメント用シール材保持部材の取付状態の例を示す部分断面図
【符号の説明】
【0049】
2 膜エレメントの膜部(膜積層体)
4 シール材
5 外装部材
6 中心管
10 シール材保持部材
15a 周辺開口部
16a 内周面
18 外周部
19 中央開口部
21 突起
21a 傾斜面
22 補助突起
22a 傾斜面
E 膜エレメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパイラル型の膜エレメントの中心管が挿入される中央開口部と、膜エレメントの膜端部へ原液を流入させるための周辺開口部と、環状のシール材を保持する外周部とを備える膜エレメント用シール材保持部材において、
前記中央開口部は、挿入される中心管の外径より大きい円筒状の内周面を有すると共に、その内周面の3箇所以上の位置には、中心管の挿入側に傾斜面を有し、内接円より外径の大きい中心管を内嵌する際に変形可能な突起を形成してあることを特徴とする膜エレメント用シール材保持部材。
【請求項2】
前記突起の軸方向長さは、前記内周面の軸方向長さの半分以下である請求項1記載の膜エレメント用シール材保持部材。
【請求項3】
前記内周面には、前記突起より高さの低い補助突起を形成してある請求項1又は2に記載の膜エレメント用シール材保持部材。
【請求項4】
前記補助突起は、中心管の挿入側に傾斜面を有すると共に、前記突起より底面の幅を大きくしてある請求項3に記載の膜エレメント用シール材保持部材。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の膜エレメント用シール材保持部材と、前記突起が変形した状態で挿入された中心管と、その中心管にスパイラル状に巻回された膜積層体とを備える膜エレメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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