説明

膜フィルタの製造方法

【課題】金属等からなる強度の高いフィルタ素材に対しても、微細なフィルタ孔を形成することができ、微細な不純物を除去可能な膜フィルタを製造することのできる膜フィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】容器1内には、温水ノズル2からの温水噴流と、冷水ノズル3からの冷水噴流が合流する温度ゆらぎ場12が形成される。この温度ゆらぎ場12に、例えば、ステンレス、インコネル等の金属を主成分とする膜フィルタ素材8をサポート9により設置し、膜フィルタ素材8に高サイクル熱疲労に起因する金属面に生ずる複数の微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。そして、これらの貫通クラックをフィルタ孔とした膜フィルタを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉冷却水浄化処理、洗濯廃液処理、火力貯炭場雨水処理、浄水場浄化処理、あるいは汚れの激しい河川水やリサイクル水の製造分野で用いる除濁性、除菌性に優れた膜フィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉冷却水浄化処理、洗濯廃液処理、火力貯炭場雨水処理、浄水場浄化処理、あるいは汚れの激しい河川水やリサイクル水の製造分野では、膜フィルタの製造方法として金属板に小さな穴(フィルタ孔)を機械加工により形成する製造方法、焼結金属を加工する製造方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。また、膜フィルタとして中空糸膜を使用する方法(例えば、特許文献2,3参照)、セラミック膜を使用する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
以下、図38〜40を参照して膜フィルタの従来例について説明する。図38、図39に示すように、従来の膜フィルタ101は、金属板に機械加工によって小さなフィルタ孔102を多数形成して構成されており、浄化処理液を、フィルタ孔102を通過させて不純物等の除去を行うようになっている。また、図40に示すように、焼結金属粒子104を固めて加工した焼結金属103によって膜フィルタを構成し、粒子間の隙間に浄化処理液を流して不純物等の除去を行うようになっている。また、上記の他、有機膜を利用した中空糸膜、セラミック膜が用いられていた。
【特許文献1】特許第3871567号公報
【特許文献2】特許第3273665号公報
【特許文献3】特許第2511038号公報
【非特許文献1】入江弘光:原子力発電所に於ける膜利用,金属(臨時増刊号)(1991)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
膜フィルタは、原子炉冷却水浄化処理、洗濯廃液処理、火力貯炭場雨水処理、浄水場浄化処理、あるいは汚れの激しい河川水やリサイクル水の製造分野で使われるため、大腸菌等の非常に小さな細菌、粒子、不純物をトラップ(捕捉)する必要があり、かなり細かい(例えば、0.1μm〜数μm程度)フィルタ効果が要求される。また、汚れの激しい河川水等を膜フィルタに流す場合等では、膜フィルタの流出孔が小さく圧損が大きくなるため、強度の高い膜フィルタとする必要がある。このため、強度の高いフィルタ素材に微細なフィルタ孔を形成することのできる膜フィルタの製造方法の開発が望まれていた。
【0005】
さらに、膜フィルタを長期に使用するため、膜フィルタに詰まった小さな細菌、粒子、不純物を逆洗により除去し、再び膜フィルタとして使用することが考えられている。この場合、小さな細菌、粒子、不純物を逆洗する際、振動等を与えて大きな力を加える場合が想定され、さらに、温度ゆらぎ等の温水(熱水)を利用して細菌、不純物等の粘性が高く付着性の強い付着物を除去することも想定される。このため、このような洗浄に耐え得る強度を有する膜フィルタの開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、かかる従来の事情に対処してなされたもので、金属等からなる強度の高いフィルタ素材に対しても、微細なフィルタ孔を形成することができ、微細な不純物を除去可能な膜フィルタを製造することのできる膜フィルタの製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、第1の温度とされた第1温度流体と、前記第1の温度より低い第2の温度とされた第2温度流体とを合流させることによって形成される温度ゆらぎ場に、膜フィルタ素材を設置し、当該膜フィルタ素材に高サイクル熱疲労に起因して生ずる複数の貫通クラックを発生させることによってフィルタ孔を形成する膜フィルタの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属等からなる強度の高いフィルタ素材に対しても、微細なフィルタ孔を形成することができ、微細な不純物を除去可能な膜フィルタを製造することのできる膜フィルタの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明にかかる高サイクル熱疲労を利用した膜フィルタの製造方法の実施形態を図面を参照して説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる膜フィルタの製造方法の構成を模式的に示すものである。この膜フィルタ製造法は、温度ゆらぎ場による高サイクル熱疲労を利用したものである。図1において、容器1内には、水が収容され水の液面11が形成されている。容器の底部には、ヒータ6、温水ポンプ4を経て所定の温度(第1の温度)に加熱された温水噴流を供給する温水ノズル2と、クーラ7、冷水ポンプ5を経て所定の温度(第1の温度より低い第2の温度)に冷却された冷水噴流を供給する冷水ノズル3とが設けられている。また、容器1の上部開口は上蓋10によって覆われている。
【0011】
容器1内には、温水ノズル2からの温水噴流と、冷水ノズル3からの冷水噴流が合流する温度ゆらぎ場12が形成される。この温度ゆらぎ場12に、例えば、ステンレス、インコネル等の金属を主成分とする膜フィルタ素材8をサポート9により設置し、膜フィルタ素材8に高サイクル熱疲労に起因する金属面に生ずる複数の微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。そして、これらの貫通クラックをフィルタ孔とした膜フィルタを製造する。
【0012】
図2〜図4は、この製造方法により得られた膜フィルタの構成を模式的に示すものである。図2は金属の板状の膜フィルタ13を示すもので、図2(a)は平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面構成を示すものである。また、図3は、金属のパイプ状(円筒状)の膜フィルタ15を示すもので、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図、図3(c)は断面構成を示すものである。これらの図に示すように、膜フィルタ13,15には、高サイクル熱疲労により複数のクラック(ヘアークラック)14が形成されている。これらのクラック14は、図4に示すように膜フィルタ13の膜フィルタ素材を貫通して微小な貫通クラックとなりフィルタ孔となる。
【0013】
図5は、縦軸を温度(℃)、横軸を時間(秒)として温度ゆらぎ場12の温度ゆらぎ波形例105を示すものである。同図に示すように温度ゆらぎ場12における温度差は、例えば40〜80℃程度である。図6は、縦軸を応力振幅(σa)、横軸を破断までの繰返し数(Nf)として、熱疲労曲線106を示すものである。本実施形態では、温度ゆらぎ場12によって、高サイクル熱疲労を生じさせる。そして高サイクル熱疲労に起因して金属面に生ずる複数の微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。
【0014】
上記のように、金属を主成分とする膜フィルタ素材8を使用した場合、高サイクル熱疲労により材料強度が低下する可能性がある。このため、本実施形態には、上記の高サイクル熱疲労により微小な貫通クラックを形成する工程の後、膜フィルタ素材8に焼きなまし等の熱処理を行い金属強度を回復させる製造方法が含まれる。この点は、以降に説明する実施形態においても同様である。
【0015】
なお、上記の実施形態では、金属を主成分とする膜フィルタ素材8を用いた場合について説明したが、プラスチック等の樹脂類からなる膜フィルタ素材8を用い、温度ゆらぎ場12の高サイクル熱疲労を利用して複数の微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させ膜フィルタ孔として利用することもできる。
【0016】
(第2実施形態)
次に、図7を参照して第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、対応する部位には同一の符号を付して重複した説明は省略する。図7に示すように、この第2実施形態は、容器1に複数の温水ノズル2と、複数の冷水ノズル7とを設けこれらによって温度ゆらぎ場12を形成し、容器1内に複数のサポート9によって複数の膜フィルタ素材8を配設して、同時にこれら膜フィルタ素材8に上記した微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させるものである。
【0017】
(第3実施形態)
次に、図8を参照して第3実施形態について説明する。図8に示すように、この第3実施形態は、容器1に、内管16と外管17とからなる同心状の2重管18と、出口配管19とを設け、例えば、内管16から温水噴流を供給し、外管17から冷水噴流を供給して温度ゆらぎ場12を形成するようにし、円筒状の膜フィルタ素材8等に上記した微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させるものである。
【0018】
(第4実施形態)
次に、図9〜11を参照して第4実施形態について説明する。図9に示すように、この第4実施形態は、容器1内に水平方向に向けて温水噴流を供給する複数の温水ノズル2と、容器1内に水平方向に向けて冷水噴流を供給する複数の冷水ノズル3とによって両噴流の合流する温度ゆらぎ場12を形成するものである。温水ノズル2は、容器1の対向する側壁部に高さ方向位置が異なるように設けられており、冷水ノズル3も、同様に容器1の対向する側壁部に高さ方向位置が異なるように設けられている。また、図9において、20は温水分岐管、21は冷水分岐管であり、これらの温水分岐管20、冷水分岐管21、によって、1つの配管を通って送られてきた温水、冷水を複数の温水ノズル2、冷水ノズル3に分岐して供給するようになっている。
【0019】
図10,11は、上記の第4実施形態の製造方法により得られた膜フィルタの構成を模式的に示すものである。図10は金属の板状の膜フィルタ13を示すもので、図10(a)は平面図、図10(b)は、図10(a)のA−A断面構成を示すものである。これらの図に示すように、膜フィルタ13には、高サイクル熱疲労により複数のクラック(ヘアークラック)14が形成されている。これらのクラック14は、図11に示すように、膜フィルタ13の膜フィルタ素材の両面から進展し交点で貫通するようにして微小な貫通クラックとなりフィルタ孔となる。
【0020】
(第5実施形態)
次に、図12を参照して第5実施形態について説明する。図12に示すように、この第5実施形態は、前述した第4実施形態に、温冷水切替バルブ22、冷温水切替バルブ23及び温冷水切替コントローラ21aを設け、温冷水切替コントローラ21aによって、温冷水切替バルブ22、冷温水切替バルブ23を切り替え、温水の供給部位と冷水の供給部位を周期的に切り替えて、温度ゆらぎ場12の状態を周期的に大きく変化させるようにしたものである。
【0021】
(第6実施形態)
次に、図13を参照して第6実施形態について説明する。図13に示すように、この第6実施形態は、前述した第4実施形態に、回転モータ24を設け、サポート9を回転させてこのサポート9に支持された温度ゆらぎ場12中の膜フィルタ素材8を回転させるようにしたものである。このように、第6実施形態では、回転モータ24により膜フィルタ素材8を回転させ、過大な高サイクル熱疲労を温度ゆらぎに加え周期的に与える。これによって、貫通クラック(ヘアークラック)の生成を促進させることができる。
【0022】
(第7実施形態)
次に、図14を参照して第7実施形態について説明する。図14に示すように、この第7実施形態は、前述した第1実施形態に加えて、ガスバブル発生器25を設け、温度ゆらぎ場12にガスバブル発生器25からガスバブル26を供給するようにしたものである。このように、温度ゆらぎ場12にガスバブル26を供給することによって、過大な高サイクル熱疲労を温度ゆらぎに加え与える。これによって、貫通クラック(ヘアークラック)の生成を促進させることができる。
【0023】
(第8実施形態)
次に、図15を参照して第8実施形態について説明する。図15に示すように、この第8実施形態は、衝突合流管27を用いたものである。衝突合流管27の一方の温水配管28に温水を供給し、他方の冷水配管29に冷水を供給する。そして温冷水の衝突後の合流管27に生ずる温度ゆらぎ場12に、膜フィルタ素材8をサポート9により設置し、高サイクル熱疲労に起因する複数の微小な貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。なお、図15において、30は上部サポートである。
【0024】
なお、図15では、衝突合流管27を用いた場合について説明したが、図16(a)に示す衝突合流管27の他に、図16(b)に示す合流管27b、図16(c)に示す異径合流管27cも使用することができる。なお、これらの図16において、D1,D2は配管径、U1,U2は流体の流速、T1,T2は流体の温度を示している。これらのパラメータを適宜変更することによって、温度ゆらぎ場12の状態を調節することができる。
【0025】
(第9実施形態)
次に、図17を参照して第9実施形態について説明する。図17に示すように、この第9実施形態は、前述した第8実施形態に加えて、回転モータ24を設け、サポート9を回転させてこのサポート9に支持された温度ゆらぎ場12中の膜フィルタ素材8を回転させるようにしたものである。このように、第9実施形態では、回転モータ24により膜フィルタ素材8を回転させ、過大な高サイクル熱疲労を温度ゆらぎに加え周期的に与える。これによって、貫通クラック(ヘアークラック)の生成を促進させることができる。
【0026】
(第10実施形態)
次に、図18を参照して第10実施形態について説明する。図18(b)に示すように、この第10実施形態は、円筒状の膜フィルタ素材8に応力(張力)を加える厚肉内管31を使用したものである。すなわち、この厚肉内管31に焼きばめ等によって膜フィルタ素材8を設け、その内部応力の高い状態とし、この状態で図18(a)に示すように、衝突合流管27によって形成される温度ゆらぎ場12に配置する。これによって、膜フィルタ素材8に応力腐食割れが生じ易い状態とし、高サイクル熱疲労との相乗効果によって、貫通クラック(ヘアークラック)を効率良く発生させる。
【0027】
(第11実施形態)
次に、図19を参照して第11実施形態について説明する。図19(b)に示すように、この第11実施形態では、膜フィルタ素材8に鋭利な刃物等により予め複数の初期欠陥32を与えておく。そして、初期欠陥32が形成された膜フィルタ素材8を、図18(a)に示すように、衝突合流管27内によって形成される温度ゆらぎ場12に配置する。これによって、膜フィルタ素材8に高サイクル熱疲労による貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進させることができる。
【0028】
(第12実施形態)
次に、図20を参照して第12実施形態について説明する。図20に示すように、この第12実施形態では、低温流体に冷海洋深層水を用い、高温流体に温海水を用い両者の温度ゆらぎ場12による高サイクル熱疲労を利用する。すなわち、衝突合流管27の一方に温海水配管33を接続し、ヒータ(図示せず)、温海水ポンプ(図示せず)を経た温海水を供給し、衝突合流管27の他方に、冷海洋深層水配管34を接続し、クーラ(図示せず)、冷海洋深層水ポンプ(図示せず)を経た冷海洋深層水を供給する。この温冷海水の衝突後の衝突合流管27に生ずる温度ゆらぎ場12に、膜フィルタ素材8を配置する。このように、温度ゆらぎ場の作動流体にナトリウムイオン価の高い低温安定の海洋深層水(海水)を使用することにより高サイクル熱疲労に起因する貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進することができる。
【0029】
(第13実施形態)
次に、図21を参照して第13実施形態について説明する。図21に示すように、この第13実施形態では、高・低温流体に酸性液を用い、両者の温度ゆらぎ場による高サイクル熱疲労を利用する。すなわち、衝突合流管27の一方に、温酸性液配管35を接続し、ヒータ(図示せず)、温酸性液ポンプ(図示せず)を経た温酸性液を供給し、衝突合流管27の他方に、冷酸性液配管36を接続し、クーラ(図示せず)、冷酸性液ポンプ(図示せず)を経た冷酸性液を供給して、温冷酸性液の衝突後の衝突合流管27に生ずる温度ゆらぎ場12に、膜フィルタ素材8を設置する。このように、温度ゆらぎ場12の作動流体に温冷酸性液を使用することにより、高サイクル熱疲労による貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進させることができる。
【0030】
(第14実施形態)
次に、図22を参照して第14実施形態について説明する。図22に示すように、この第14実施形態では、膜フィルタ素材として、高線膨張材の金属を主成分とする高線膨張材膜フィルタ素材37を用いたものである。このように、高線膨張材膜フィルタ素材37を用いることによって、高サイクル熱疲労による貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進させることができる。
【0031】
(第15実施形態)
次に、図23を参照して第15実施形態について説明する。図23に示すように、この第15実施形態は、温度ゆらぎ場12の膜フィルタ素材37に超音波を印加するものである。すなわち、図23において、38は超音波発生器、39は超音波コントローラ、40はこれらを接続するケーブルであり、温度ゆらぎ場12の膜フィルタ素材8に、超音波発生器38から超音波コントローラ39でコントロールされた超音波を印加する。これにより、温度ゆらぎ場12に超音波の外乱を加えることにより、高サイクル熱疲労による貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進することができる。
【0032】
(第16実施形態)
次に、図24,25を参照して第16実施形態について説明する。図24に示すように、この第16実施形態では、温度ゆらぎ場12の膜フィルタ素材8に、レーザ光源41からレーザファイバ43、レーザレンズ42を経てパルス状(あるいは連続)レーザを照射する。これにより、温度ゆらぎ場12にレーザの外乱を加えて高サイクル熱疲労による貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進することができる。
【0033】
この場合、図25に示すように、回転モータ24を設け、膜フィルタ素材8を回転させるようにしても良い。これによって、レーザを膜フィルタ素材8に均一に照射することができる。
【0034】
(第17実施形態)
次に、図26,27を参照して第17実施形態について説明する。この第17実施形態は、管温度ゆらぎ場12の膜フィルタ素材8に周期的な応力を加えるものである。すなわち、図26では、膜フィルタ素材8に接続されたサポート9と下部サポート46にモータ44とカム45(クランクでもよい)から繰り返し引張り圧縮応力を印加する。このように、繰り返し引張り圧縮応力を印加し外乱を加えることにより、高サイクル熱疲労に起因する貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進することができる。
【0035】
図26の場合、水平方向の回転軸の周りに回転するカム45によって、上下方向に引張り圧縮応力を印加するものであるが、図27に示すように、垂直方向の回転軸の周りに回転するカム47(クランクでもよい)によって、水平方向に引張り圧縮応力を印加してもよい。
【0036】
(第18実施形態)
次に、図28,29を参照して第18実施形態について説明する。この第18実施形態は、温冷水の衝突合流管27の出口配管50から容器1内に温度ゆらぎ場12を形成するものである。図28に示す場合は、衝突合流管27を容器1内に収め、一方の温水配管28に、ヒータ(図示せず)、温水ポンプ(図示せず)を含む温水供給源48からの温水を供給し、他方の冷水配管29に、クーラ(図示せず)、冷水ポンプ(図示せず)を含む冷水供給源49からの冷水を供給する。図29に示す場合は、衝突合流管27を容器1外に配置し、合流出口配管50を容器1の底部に接続して容器1内に出口配管50から温冷水の衝突による温度ゆらぎ場12を形成する。
【0037】
(第19実施形態)
次に、図30,31を参照して第19実施形態について説明する。この第19実施形態は、容器1内に温冷水配管28,29より噴流を膜フィルタ素材8に流し、温度ゆらぎ場12を形成するものである。図30に示すように、容器1の側壁部に温水配管28を接続するとともに、この温水配管28に対向する位置の容器1側壁部に冷水配管29を接続する。また、出口配管19を容器1の底部付近に設ける。そして、温水供給源48からの温水を温水配管28から供給するとともに、冷水供給源49からの冷水を冷水配管29から供給し、容器1内に設けられた膜フィルタ素材8に上部から温水噴流と冷水噴流を連続的に流す。これにより、温水噴流と冷水噴流の衝突後に生ずる温度ゆらぎ場12により、膜フィルタ素材8に、高サイクル熱疲労に起因する貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。この場合、図31に示すように、膜フィルタ素材8を、回転モータ24によって回転させながら、温冷水噴流を供給してもよい。このように、膜フィルタ素材8を回転させることにより、繰り返し外乱を加えることにより高サイクル熱疲労に起因する貫通クラック(ヘアークラック)の発生を促進することができる。
【0038】
(第20実施形態)
次に、図32を参照して第20実施形態について説明する。この第20実施形態は、容器1内の膜フィルタ素材8に高低温蒸気噴射を行い、温度ゆらぎ場12を形成するものである。図32に示すように、容器1の側壁部に高温蒸気配管53、高温蒸気噴射オリフィス55を設けるとともに、この高温蒸気噴射オリフィス55に対向する位置の容器1側壁部に低温蒸気配管54、低温蒸気噴射オリフィス56を設ける。そして、ヒータ(図示せず)、高温蒸気ポンプ(図示せず)を含む高温蒸気供給源51からの高温蒸気を、高温蒸気噴射オリフィス55から供給し、クーラ(図示せず)、低温蒸気ポンプ(図示せず)を含む低温蒸気源52からの低温蒸気を低温蒸気噴射オリフィス56から供給することにより連続的に高低温蒸気噴流を膜フィルタ素材8に吹き付け、高低温蒸気噴流衝突後に生ずる温度ゆらぎ場12による高サイクル熱疲労により貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。
【0039】
(第21実施形態)
次に、図33を参照して第21実施形態について説明する。この第21実施形態は、容器1内の膜フィルタ素材8に高温水及び冷水を噴射し、温度ゆらぎ場12を形成するものである。図33に示すように、容器1内に、高温水噴射オリフィス57と、低温水噴射オリフィス58とを対向するように設け、温水供給源48からの温水を高温水噴射オリフィス57から膜フィルタ素材8に向けて供給するとともに、冷水供給源49からの冷水を低温水噴射オリフィス58から膜フィルタ素材8に向けて供給する。この時、回転モータ24により、膜フィルタ素材8を回転させつつ高低温水噴流を供給する。このように、連続的に高低温水噴流を膜フィルタ素材8に吹き付け、高温水と冷水の衝突後に生ずる温度ゆらぎ場12による高サイクル熱疲労により貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。
【0040】
(第22実施形態)
次に、図34を参照して第22実施形態について説明する。この第22実施形態は、液体金属を作動流体とするものであり、ナトリウムの場合を例にして説明する。図34に示すように、ナトリウムの液面11を有する容器1内に、ヒータ6、高温ナトリウムポンプ61を経た高温ナトリウム59を高温ナトリウムノズル64から供給するとともに、クーラ7、低温ナトリウムポンプ62を経た低温ナトリウム60を低温ナトリウムノズル65から供給し、両噴流の合流する温度ゆらぎ場12に膜フィルタ素材8を設置し、高サイクル熱疲労による貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。なお、図34において、63は容器1内のナトリウムの液面11を覆うカバーガスである。ナトリウムは約90℃で液体となり500℃程度でも流動的には変化はなく、温度差が大きくとれる特長があるため高サイクル熱疲労の効果を高めることができる。本実施形態では、液体金属としてナトリウムを用いた場合について説明したが、他の液体金属、例えば、鉛、ビスマス、カリウム等及び合金液体金属を作動流体としてもよい。
【0041】
(第23実施形態)
次に、図35を参照して第23実施形態について説明する。この第23実施形態は、窒素、アルゴン、空気等の不活性ガスを作動流体としたものである。図35において、容器1内に、ヒータ6、高温ガスブロア74を経た高温ガス72を、高温ガスノズル76から供給するとともに、クーラ7、低温ガスブロア75を経た低温ガス73を、低温ガスノズル77から供給し、両噴流の合流する温度ゆらぎ場12に、膜フィルタ素材8を設置し高サイクル熱疲労により貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。
【0042】
(第24実施形態)
次に、図36を参照して第24実施形態について説明する。この第24実施形態は、容器1内の膜フィルタ素材8を回転モータ24によって回転させつつ、膜フィルタ素材8の側方から高温ガスオリフィス80により、高温ガス供給部78から高温化ガス配管82を経た高温ガスを供給するとともに、低温ガスオリフィス81により、低温ガス供給部79から低温ガス配管83を経た高温ガスを供給する。そして、両噴流の合流する温度ゆらぎ場12により、膜フィルタ素材8に高サイクル熱疲労により貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。
【0043】
(第25実施形態)
次に、図37を参照して第25実施形態について説明する。この第25実施形態は、原子炉のミキシングティ(合流管)の冷却材を高低温作動流体としたものである。図37において、原子炉容器85内の炉心84によって加熱されバイパス配管を経由し、ミキシングティ89に流入した高温冷却材87と、熱交換器91を経由し、ミキシングティ89に流入した低温冷却材88のミキシングティ89の出口合流管の合流する温度ゆらぎ場12を利用する。すなわち、このミキシングティ89の出口合流管内に、図15に示したように、膜フィルタ素材8を配置し、高サイクル熱疲労により貫通クラック(ヘアークラック)を発生させる。なお、図37において、92は原子炉容器85内の冷却材、86はこの冷却材92の液面を示している。
【0044】
以上の各実施形態で説明したようにして、フィルタ孔となる貫通クラック(ヘアークラック)を形成した膜フィルタ素材8は、必要に応じてメッシュ状等とされた補強材により、補強する構成としても良い。
【0045】
以上説明した本発明にかかる膜フィルタの製造方法では、プラスチック等の樹脂、焼結合金、金属加工により製作された金属膜フィルタに比べ、大腸菌等の非常に小さな細菌、粒子、不純物をトラップ(捕捉)することができ、かなり細かい(例えば、0.1μm〜数μm程度)フィルタ効果のある膜フィルタを製造することができる。また、汚れの激しい河川水等を膜フィルタに流す時、膜フィルタの流出孔が小さく圧損が大きくなるためプラスチック等の樹脂、焼結合金では強度が不足する場合があるが、本発明方法では、金属製の膜フィルタを構成することができ、強度を確保することが可能となる。さらに、金属製の膜フィルタの場合、膜フィルタを長期に使用するため膜フィルタに詰まった小さな細菌、粒子、不純物を逆洗により除去し、再び膜フィルタとして使用する際に、振動等を与えて大きな力を加えても、強度的に耐えられる。さらに、温度ゆらぎ等の温水(熱水)を利用して、細菌、不純物等の粘性が高く付着性の強い付着物を、温度ゆらぎ熱で除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図2】第1実施形態にかかる板状膜フィルタの構造を模式的に示す図。
【図3】第1実施形態にかかるパイプ状膜フィルタの構造を模式的に示す図。
【図4】第1実施形態にかかる膜フィルタのクラック構成を模式的に示す図。
【図5】第1実施形態にかかる温度ゆらぎ波形例を示す図。
【図6】熱疲労曲線例を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図9】本発明の第4実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図10】第4実施形態にかかる板状膜フィルタの構造を模式的に示す図。
【図11】第4実施形態にかかる膜フィルタのクラック構成を模式的に示す図。
【図12】本発明の第5実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図13】本発明の第6実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図14】本発明の第7実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図15】本発明の第8実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図16】第8実施形態にかかる膜フィルタの製造方法に使用する合流管の例を示す図。
【図17】本発明の第9実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図18】本発明の第10実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図19】本発明の第11実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図20】本発明の第12実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図21】本発明の第13実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図22】本発明の第14実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図23】本発明の第15実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図24】本発明の第16実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図25】第16実施形態の変形例を模式的に示す図。
【図26】本発明の第17実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図27】第17実施形態の変形例を模式的に示す図。
【図28】本発明の第18実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図29】第18実施形態の変形例を模式的に示す図。
【図30】本発明の第19実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図31】第19実施形態の変形例を模式的に示す図。
【図32】本発明の第20実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図33】本発明の第21実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図34】本発明の第22実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図35】本発明の第23実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図36】本発明の第24実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図37】本発明の第25実施形態にかかる膜フィルタの製造方法を模式的に示す図。
【図38】従来の機械加工製造による(金属)膜フィルタの平面構成を示す図。
【図39】図38の膜フィルタの断面構成を示す図。
【図40】従来の焼結金属製造による(金属)膜フィルタの断面構成を示す図。
【符号の説明】
【0047】
1…容器、2…温水ノズル、3…冷水ノズル、4…温水ポンプ、5…冷水ポンプ、6…ヒータ、7…クーラ、8…膜フィルタ素材、9…サポート、10…上蓋、11…液面、12…温度ゆらぎ場、13…板状の膜フィルタ、14…クラック、15…パイプ状の膜フィルタ、16…内管、17…外管、18…2重管、19…出口配管、20…温水分岐管、21…冷水分岐管、22…温冷水切替バルブ、23…冷温水切替バルブ、24…回転モータ、25…ガスバブル発生器、26…ガスバブル、27…衝突合流管、27b…合流管、27c…異径合流管、28…温水配管、29…冷水配管、30…上部サポート、31…厚肉内管、32…初期欠陥、33…温海水配管、34…冷海洋深層水配管、35…温酸性液配管、36…冷酸性液配管、37…高線膨張材膜フィルタ素材、38…超音波発生器、39…超音波コントローラ、40…ケーブル、41…レーザ光源、42…レーザレンズ、43…レーザファイバ、44…モータ、45…カム(クランク)、46…下部サポート、47…カム(クランク)、48…温水供給源、49…冷水供給源、50…合流出口配管、51…高温蒸気供給源、52…低温蒸気供給源、53…高温蒸気配管、54…低温蒸気配管、55…高温蒸気噴射オリフィス、56…低温蒸気噴射オリフィス、57…高温水噴射オリフィス、58…低温水噴射オリフィス、59…高温ナトリウム、60…低温ナトリウム、61…高温ナトリウムポンプ、62…低温ナトリウムポンプ、63…カバーガス、64…高温ナトリウムノズル、65…低温ナトリウムノズル、72…高温ガス、73…低温ガス、74…高温ガスブロア、75…低温ガスブロア、76…高温ガスノズル、77…低温ガスノズル、78…高温ガス供給源、79…低温ガス供給源、80…高温ガスオリフィス、81…低温ガスオリフィス、82…高温ガス配管、83…低温ガス配管、84…炉心、85…原子炉容器、86…冷却材液面、87…高温冷却材、88…低温冷却材、89…ミキシングティ、90…冷却材ポンプ、91…熱交換器、92…冷却材、105…温度揺らぎ波形例、106…熱疲労曲線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の温度とされた第1温度流体と、前記第1の温度より低い第2の温度とされた第2温度流体とを合流させることによって形成される温度ゆらぎ場に、膜フィルタ素材を設置し、当該膜フィルタ素材に高サイクル熱疲労に起因して生ずる複数の貫通クラックを発生させることによってフィルタ孔を形成することを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の膜フィルタの製造方法であって、
金属を主成分とする前記膜フィルタ素材を使用し、前記フィルタ孔を形成した後、前記膜フィルタ素材に熱処理を施して金属強度を回復させることを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記膜フィルタ素材を、前記温度ゆらぎ場の中で回転させることを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記膜フィルタ素材に応力を印加した状態で前記温度ゆらぎ場に設置することを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記膜フィルタ素材を前記温度ゆらぎ場に設置する前に、前記膜フィルタ素材の表面に、貫通クラックの発生を促進させるための初期欠陥を予め形成しておくことを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記温度ゆらぎ場に設置した前記膜フィルタ素材に、超音波を作用させることを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記温度ゆらぎ場に設置した前記膜フィルタ素材に、レーザ光を照射することを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記温度ゆらぎ場に設置した前記膜フィルタ素材に、駆動機構によって時間的に変化する応力を機械的に印加することを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記第1温度流体及び前記第2温度流体が水からなることを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項10】
請求項1〜8いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記第1温度流体及び前記第2温度流体が液体金属からなることを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項11】
請求項〜8いずれか1項記載の膜フィルタの製造方法であって、
前記第1温度流体及び前記第2温度流体がガスからなることを特徴とする膜フィルタの製造方法。
【請求項12】
原子炉容器の炉心からバイパスラインを経由した第1の温度の冷却材と、原子炉容器の炉心から熱交換器ラインを経由した前記第1の温度より低い第2の温度の冷却材とが合流することによって形成される温度ゆらぎ場に、膜フィルタ素材を設置し、当該膜フィルタ素材に高サイクル熱疲労に起因して生ずる複数の貫通クラックを発生させることによってフィルタ孔を形成することを特徴とする膜フィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2009−28606(P2009−28606A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193798(P2007−193798)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】