説明

膜モジュール

【課題】接着剤で中空糸膜モジュールが汚れないように、蓋体と筒状体を接着剤で強固に安定的に固定する。
【解決手段】中空糸膜モジュール1は、中空糸膜が収容される筒状体10と、筒状体10の開口部の外周に嵌め込まれ前記開口を閉鎖する蓋体11と、を有している。蓋体11において筒状体10と嵌合されている蓋体側嵌合部30には、接着剤Cの注入孔70が形成されている。筒状体10において蓋体11と嵌合されている筒状体側嵌合部60、又は蓋体側嵌合部30の少なくともいずれかの嵌合面61、31には、注入孔70から注入された接着剤Cを嵌合面の外端部側から内側に誘導する突条状の接着剤ガイド80が形成されている。接着剤ガイド80は、嵌合面61、31の周方向に沿って形成され、次第に内側にずれるように螺旋状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば血液透析療法や血漿交換療法などの血液浄化や、血液製剤のウィルス除去などで行われる血液処理、水浄化処理分野などにおいて膜モジュールが利用されている。
【0003】
膜モジュールは、例えば、束状の中空糸膜が収容される一方もしくは両端が開口した筒状体と、筒状体の開口部の外周に嵌め込まれ前記開口を閉鎖する蓋体とを有している。例えば、蓋体には、一次側のポートが形成されており、筒状体の端部付近には、二次側のポートが形成されている。
【0004】
ところで、上記膜モジュールの製造、組み立てにおいては、筒状体内の中空糸膜の一方もしくは両端部をポッティング剤で固定し、中空糸膜を所定の長さに切断した後、筒状体の開口部の外周に蓋体を嵌め込んで筒状体の開口を閉鎖している。この際、筒状体に対する蓋体の回り防止のため、筒状体と蓋体を接着剤により固定することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−262869号公報
【特許文献2】特開平10−202070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、搬送時或いは使用時に膜モジュールの蓋体が外れたり、膜モジュールの密閉性が低下するのを防止するため、筒状体と蓋体を強固に固定することを考えている。この際、筒状体と蓋体の嵌合面に従来より多い接着剤を塗布してから蓋体を筒状体に嵌め込むことが考えられる。しかしながら、この場合、蓋体を筒状体の外周に外側から嵌め込むため、接着剤が蓋体と筒状体との隙間で擦れて移動し、嵌合面の面内において接着剤の量に斑ができる。斑ができると、筒状体と蓋体の接着強度が低下し不安定になる。斑ができないように接着剤を増やすと、嵌め込み時に蓋体によって接着剤が押し出され、膜モジュールが汚れる。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、接着剤で膜モジュールが汚れないように、蓋体と筒状体を接着剤で強固に安定的に固定することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、膜が収容される一方もしくは両端が開口した筒状体と、前記筒状体の開口部の外周に嵌め込まれ前記開口を閉鎖する蓋体と、を有する、膜モジュールであって、前記蓋体において前記筒状体と嵌合されている蓋体側嵌合部には、接着剤の注入孔が形成され、前記筒状体において前記蓋体と嵌合されている筒状体側嵌合部、又は前記蓋体側嵌合部の少なくともいずれかの嵌合面には、前記注入孔から注入された接着剤を前記嵌合面の外端部側から内側に誘導する突条状或いは凹条状の接着剤ガイドが形成されている膜モジュールである。
【0009】
本発明によれば、蓋体側嵌合部に接着剤の注入孔が形成され、嵌合面に接着剤ガイドが形成されるので、蓋体を筒状体の開口部に嵌め込んだ後、蓋体側嵌合部の注入孔から接着剤を注入し、当該接着剤を嵌合面の内側に向けて誘導することができる。これにより、蓋体と筒状体の嵌合面に均等かつ確実に接着剤を行き渡らせることができ、蓋体と筒状体を接着剤で強固に安定的に固定することができる。また、接着剤が蓋体により押し出されることがないので、膜モジュールの汚染も防止できる。
【0010】
前記接着剤ガイドは、前記嵌合面の周方向に沿って形成され、次第に前記内側にずれるように螺旋状に形成されていてもよい。
【0011】
前記接着剤ガイドは、連続的な線状に形成されていてもよい。
【0012】
前記接着剤ガイドは、前記嵌合面に沿って複数周していてもよい。
【0013】
前記注入孔は、前記嵌合面の外端部側から内側に向かってみたときに前記接着剤ガイドの突条状或いは凹条状が複数重なっている位置に形成されていてもよい。
【0014】
前記接着剤ガイドは、前記嵌合面に沿って複数本形成されていてもよい。
【0015】
前記注入孔は、前記蓋体側嵌合部の外端部に形成されていてもよい。
【0016】
前記注入孔は、前記接着剤ガイドの外端部に対応する位置に形成されていてもよい。
【0017】
前記筒状体には、膜モジュールのポートが形成されており、前記注入孔は、前記ポートに対し30〜330度回転した角度に形成されていてもよい。
【0018】
前記接着剤には、注入前に予め脱泡されたものが用いられてもよい。
【0019】
前記接着剤には、粘度が500〜3000mPa・sのものが用いられもよい。
【0020】
別の観点による本発明は、膜モジュールの製造方法であって、膜が収容された一方もしくは両端が開口した筒状体の開口部の外周に蓋体を嵌め込んで、前記開口を閉鎖する工程と、前記蓋体の蓋体側嵌合部に形成された注入孔に接着剤を注入し、当該接着剤を前記蓋体と前記筒状体の嵌合部の外端部側から内側に流して充填する工程と、を有する、膜モジュールの製造方法である。
【0021】
前記接着剤を充填する工程において、突条状或いは凹条状の接着剤ガイドにより前記接着剤を前記嵌合部の外側端部側から内側に誘導するようにしてもよい。
【0022】
別の観点による本発明は、上記いずれかに記載の膜モジュールの製造方法によって製造された膜モジュールである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、接着剤で膜モジュールが汚れないように、蓋体と筒状体を接着剤で強固に安定的に固定することができるので、膜モジュールの運搬性、信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】中空糸膜モジュールの構成の概略を示す断面図である。
【図2】注入孔の位置を示す中空糸膜モジュールの蓋体の外観図である。
【図3】蓋体の縦断面図である。
【図4】筒状体の端部の外観図である。
【図5】接着剤ガイドの構成を示す蓋体と筒状体の嵌合部の拡大断面図である。
【図6】突条体を2本設けた場合の筒状体の端部の外観図である。
【図7】途切れ部のある突条体のある筒状体の端部の外観図である。
【図8】蓋体側の突条体と筒状体側の突条体の突条部同士、凹条部同士が対向する場合を示す説明図である。
【図9】接着剤ガイドを蓋体側或いは筒状体側のいずれかの嵌合面にのみ設けた場合を示す説明図である。
【図10】接着剤ガイドの他の構成を示す蓋体と筒状体の嵌合部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる膜モジュールとしての中空糸膜モジュール1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
中空糸膜モジュール1は、例えば図1に示すように多数本の中空糸膜Aが長手方向(軸方向)に収容される筒状体10と、筒状体10の両端部に嵌め込まれ当該両端部の開口を閉鎖する蓋体11を有している。
【0027】
蓋体11は、一方の端面が閉鎖された略円筒形状を有し、閉鎖面の中央には、モジュール1の内部空間と外部を連通する第1のポート20が設けられている。蓋体11の円筒状の側壁は、筒状体10の外周面に嵌め込む蓋体側嵌合部30になっており、蓋体側嵌合部30の内周面がその嵌合面31になっている。蓋体11の側壁の内面は、例えば第1のポート20側の小径面40と、筒状体10側の内径が大きい大径面41が形成され段部が形成されており、大径面41が嵌合面31になっている。
【0028】
筒状体10は、略円筒状に形成され、両端部の径が中央部側の径より大きくなっている。筒状体10の両端部の壁面には、第2のポート50がそれぞれ設けられている。筒状体10の第2のポート50より外側の壁面は、蓋体11と嵌合する筒状体側嵌合部60になっており、筒状体側嵌合部60の外周面が嵌合面61になっている。
【0029】
図2に示すように蓋体11の蓋体側嵌合部30には、蓋体11の側壁を貫通する、接着剤の注入孔70が形成されている。注入孔70は、蓋体側嵌合部30の外端部に形成されている。注入孔70は、第2のポート50に対しモジュールの周方向に30〜330度回転した位置、より好ましくは60度〜120度、或いは240度〜300度回転した角度に形成されている。
【0030】
図3、図4及び図5に示すように蓋体11の嵌合面31と筒状体10の嵌合面61には、注入孔70から注入された接着剤を嵌合面31、61の外端部側から内側(モジュールの中心側)に誘導する接着剤ガイド80が形成されている。例えば図3に示すように蓋体11の嵌合面31には、当該嵌合面31の周方向に沿って延び、次第にモジュールの中心側にずれる螺旋状の突条体81が形成されている。図4に示すように筒状体10の嵌合面61には、当該嵌合面61の周方向に沿って延び、次第にモジュールの中心側にずれる螺旋状の突条体82が形成されている。図5に示すように突条体81と突条体82は、交互に位置し噛み合っている。突条体81と突条体82は、途中で途切れないような連続的な線状に形成され、嵌合面31、61に沿って複数周している。なお、突条体81は、突条体82よりも長く形成されていてもよい。
【0031】
注入孔70は、図3に示すように突条体81の外端部(始点)81aに対応する位置、例えば突条体81の延長線上の外端部81a近くに形成されている。また、注入孔70は、嵌合面31の外端部側から内側に向かってみたときに突条体81が複数重なっている位置に形成されている。
【0032】
図1に示すように筒状体10内の中空糸膜Aは、その両端部がポッティング剤Bにより封止されている。ポッティング剤Bは、円柱状に硬化しており、中空糸膜A同士の間と、中空糸膜Aと筒状体10の内周面と間に充填され、中空糸膜Aの両端部を封止している。なお、中空糸膜Aの両端は、ポッティング剤Bの外側端面に開口している。
【0033】
次に、以上のように構成された中空糸膜モジュール1の製造方法について説明する。先ず、中空糸膜Aが筒状体10内に収容され、当該中空糸膜Aの両端部がポッティング剤Bにより筒状体10に固定された状態で、蓋体11が筒状体10の両端部の外周に嵌め込まれ、筒状体10の両端部の開口が閉鎖される。このとき、例えば蓋体11が回されながら、筒状体10に嵌め込まれ、蓋体11の嵌合面31の突条体81と筒状体10の嵌合面61の凹条体82がネジ機構として機能し、互いに噛み合って嵌合する。蓋体11が筒状体10に最後まで嵌め込まれたとき、蓋体11の注入孔70は、第2のポート50に対し例えば90度程度回転した位置に配置される。
【0034】
次に、図5に示すように蓋体11の注入孔70から接着剤Cが注入される。このとき、接着剤Cには、予め脱泡されたものが用いられ、例えば粘度が500〜3000mPa・sのもの、好ましくは1000〜2000mPa・sのものが用いられる。なお、接着剤Cの注入は、例えばシリンジ等を用いて手動で行ってもよいし、ディスペンサ等の装置を使って行ってもよい。
【0035】
注入された接着剤Cは、嵌合面31、61の間で突条体81、突条体82によって誘導され、突条体81、突条体82に沿って流れて、嵌合面31、61の外側端部側からモジュールの中心側に向かって流れる。特に嵌合面31、61のモジュール中心側は、圧力が開放されているため、接着剤Cが流れやすい。こうして、嵌合面31と嵌合面61の間に接着剤Cが充填される。その後、接着剤Cが乾燥すると、蓋体11と筒状体10が互いに固定される。
【0036】
上記実施の形態によれば、蓋体側嵌合部30に接着剤Cの注入孔70が形成され、嵌合面31、61に接着剤ガイド80が形成されるので、蓋体11を筒状体10の両端部に嵌め込んだ後、蓋体側嵌合部30の注入孔70から接着剤Cを注入し、当該接着剤Cを嵌合面31、61の内側(モジュール中心側)に向けて誘導することができる。これにより、蓋体11と筒状体10の嵌合面31、61に均等かつ確実に接着剤を行き渡らせることができ、蓋体11と筒状体10を接着剤Cで強固に安定的に固定することができる。また、接着剤Cが蓋体11により押し出されることがないので、接着剤Cによる中空糸膜ジュール1の汚染を防止できる。
【0037】
接着剤ガイド80の突条体81、82は、嵌合面31、61の周方向に沿って形成され、次第にモジュールの中心側にずれるように螺旋状に形成されているので、当該螺旋に沿って接着剤Cを適正に誘導及び拡散することができる。
【0038】
接着剤ガイド80の突条体81、82が途切れることなく連続的に形成されているので、接着剤Cをより安定して嵌合面31、61の全体に誘導できる。
【0039】
また、接着剤ガイド80の突条体81、82は、嵌合面31、61に沿って複数周しているので、突条体81、82が堰の役割を果たし、接着剤Cが突条体81、82を乗り越えて嵌合面31の内側端から流出することを防止できる。
【0040】
また、注入孔70は、嵌合面の外端部側から内側に向かってみたときに接着剤ガイド80の突条体81が複数重なっている位置に形成されている。これによっても、突条体81、82の堰としての機能が高くなり、接着剤Cが嵌合面31の内側端から流出することを防止できる。
【0041】
注入孔70は、嵌合面31、61の外端部に形成されているので、接着剤Cを、嵌合面31、61の外端部側から、圧力開放されている内側に向かって一方向に移動させ、嵌合面31、61全体に接着剤Cを容易に行き渡らせることができる。
【0042】
注入孔70は、接着剤ガイド80の突条体81の外端部81aに対応する位置に形成されているので、注入孔70から注入された接着剤Cを突条体81によって好適に誘導することができる。
【0043】
注入孔70は、第2のポート50に対し30〜330度回転した角度に形成されているので、第2のポート50が邪魔になることなく、例えばシリンジやディスペンサ等により接着剤Cを注入孔70から注入することができる。
【0044】
接着剤Cには、注入前に予め脱泡されたものが用いられるので、嵌合面31、61内に気泡が混入することを防止できる。これによって、嵌合面31、61の接着剤Cによる接着強度が向上し、また外観も良くなる。
【0045】
接着剤Cには、粘度が500〜3000mPa・sのものが用いられている。粘度が3000mPa・s以下であることにより、小さな隙間にも接着剤Cが供給される。また、粘度が500mPa・s以上であることにより、嵌合面31、61の隙間から洩れることを防止できる。なお、粘度は、B型粘度計を用い、ローターにNo.4ローターを用い、ローター回転速度は30rpmで測定した値である。
【0046】
以上の実施の形態では、接着剤ガイド80の突条体81、82がそれぞれ一本ずつ形成されていたが、それぞれが複数本形成されていてもよい。図6には、一続きの突条体82が2本形成されている例を示す。
【0047】
また、突条体81、82は、一続きの連続的なものだったが、途中に途切れ部があるような断続的なものであってもよい。図7は、突条体82に途切れ部82aのある例を示す。
【0048】
さらに、以上の実施の形態では、接着剤ガイド80の突条体81、82は、突条体81の突条部と突条体82の凹条部、突条体81の凹条部と突条体82の突条部が互いに噛み合っているものであったが、これに限られず、例えば図8に示すように突条体81の突条部90と突条体82の突条部91、突条体81の凹条部92と突条体82の凹条部93が互いに対向していてもよい。また、図9に示すように接着剤ガイド80の突条体が嵌合面31と嵌合面61のいずれか一方にのみ設けられ(図では嵌合面61)、もう片方が平坦であってもよい。
【0049】
また、例えば図10に示すように突条体81の突条部と突条体82の凹条部、突条体81の凹条部と突条体82の突条部が互いに噛み合っている場合に、凹条部の幅が突条部の幅よりも十分に大きく形成されていてもよい。この場合、例えば凹条部底面の幅と突条部の頂点の幅の比は、1.5倍から5倍であることが好ましい。より好ましくは、2倍から4倍である。こうすることにより、接着剤Cがより流れやすくなり、蓋体11と筒状体10の嵌合面31、61に、より均等かつ確実に接着剤Cを行き渡らせることができる。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0051】
例えば以上の実施の形態では、中空糸膜モジュール1の長手方向の両側の蓋体11と筒状体10との嵌合部に接着剤ガイド80が形成されていたが、長手方向の片側のみに接着剤ガイド80が形成されていてもよい。また、接着剤ガイド80は、突条体81、82という形で実現されていたが、凹条体という形で実現されていてもよい。また、上記実施の形態は、本発明を中空糸膜モジュール1に適用した例であったが、中空糸膜以外の他の膜、例えば、平膜型、スパイラル型、プリーツ型、管状型の膜などを収容した膜モジュールにも本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、接着剤で膜モジュールが汚れないように、膜モジュールの蓋体と筒状体を接着剤で強固に安定的に固定する際に有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 中空糸膜モジュール
10 筒状体
11 蓋体
20 第1のポート
30 蓋体側嵌合部
31 嵌合面
50 第2のポート
60 筒状体側嵌合部
61 嵌合面
70 注入孔
80 接着剤ガイド
81 突条体
82 突条体
A 中空糸膜
B ポッティング剤
C 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜が収容される一方もしくは両端が開口した筒状体と、前記筒状体の開口部の外周に嵌め込まれ前記開口を閉鎖する蓋体と、を有する、膜モジュールであって、
前記蓋体において前記筒状体と嵌合されている蓋体側嵌合部には、接着剤の注入孔が形成され、
前記筒状体において前記蓋体と嵌合されている筒状体側嵌合部、又は前記蓋体側嵌合部の少なくともいずれかの嵌合面には、前記注入孔から注入された接着剤を前記嵌合面の外端部側から内側に誘導する突条状或いは凹条状の接着剤ガイドが形成されている、膜モジュール。
【請求項2】
前記接着剤ガイドは、前記嵌合面の周方向に沿って形成され、次第に前記内側にずれるように螺旋状に形成されている、請求項1に記載の膜モジュール。
【請求項3】
前記接着剤ガイドは、連続的な線状に形成されている、請求項2に記載の膜モジュール。
【請求項4】
前記接着剤ガイドは、前記嵌合面に沿って複数周している、請求項2又は3に記載の膜モジュール。
【請求項5】
前記注入孔は、前記嵌合面の外端部側から内側に向かってみたときに前記接着剤ガイドの突条状或いは凹条状が複数重なっている位置に形成されている、請求項2〜4のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項6】
前記接着剤ガイドは、前記嵌合面に沿って複数本形成されている、請求項2〜5のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項7】
前記注入孔は、前記蓋体側嵌合部の外端部に形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項8】
前記注入孔は、前記接着剤ガイドの外端部に対応する位置に形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項9】
前記筒状体には、膜モジュールのポートが形成されており
前記注入孔は、前記ポートに対し30〜330度回転した角度に形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項10】
前記接着剤には、注入前に予め脱泡されたものが用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項11】
前記接着剤には、粘度が500〜3000mPa・sのものが用いられる、請求項1〜10のいずれかに記載の膜モジュール。
【請求項12】
膜モジュールの製造方法であって、
膜が収容された一方もしくは両端が開口した筒状体の開口部の外周に蓋体を嵌め込んで、前記開口を閉鎖する工程と、
前記蓋体の蓋体側嵌合部に形成された注入孔に接着剤を注入し、当該接着剤を前記蓋体と前記筒状体の嵌合部の外端部側から内側に流して充填する工程と、を有する、膜モジュールの製造方法。
【請求項13】
前記接着剤を充填する工程において、突条状或いは凹条状の接着剤ガイドにより前記接着剤を前記嵌合部の外側端部側から内側に誘導する、請求項12に記載の膜モジュールの製造方法。
【請求項14】
請求項12又は13のいずれかに記載の膜モジュールの製造方法によって製造された膜モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−22579(P2013−22579A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163267(P2011−163267)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(507365204)旭化成メディカル株式会社 (65)
【Fターム(参考)】