説明

膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置

【課題】膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験において、作業者の事前教育は不要とし、失敗を無くし、労力の低減化を図り、試験を連続して行えるようにし、フローセルの洗浄をも簡単に行えるようにする。
【解決手段】金コロイドをウイルスの代替粒子として使用し、原液の入口と出口及び濾液出口を有する膜型ウイルス除去フィルターで金コロイド溶液を濾過し、水と濾過前後の金コロイド溶液の吸光度を測定して膜型ウイルス除去フィルターのウイルス除去性能を評価する膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置であって、該装置はフローセルを備えた分光光度計を有し、該フローセル入口は前記膜型ウイルス除去フィルターの濾液出口と配管により接続され、フローセル出口には廃液用配管が接続されており、膜型ウイルス除去フィルター内の濾液の液面が濾液出口より高くなるようにフローセルの廃液用配管に圧力絞り弁を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置に関する。更に詳しくは、製薬業界での血漿分画製剤、生物製剤等の製造工程において、ウイルスの混入を防止するために使用される膜型ウイルス除去フィルターの使用後のウイルス除去性能を評価するために行われる、完全性試験の自動測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製薬業界での血漿分画製剤や生物製剤等の製造では、エイズウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)等のウイルスの混入を防止するために、ウイルスを除去する工程が必要である。ウイルスの不活化方法として、加熱処理、化学薬品による処理等の方法も用いられるが、有用物質(例えば、酵素、抗体、血液凝固因子、インターロイキンやエリスロポエチン等のサイトカイン等)は変性のおそれがあることや、ウイルスの不活化が充分でない可能性があることから、より有用物質の変性のおそれが少ないウイルス除去方法として、多孔質膜を用いた膜型ウイルス除去フィルターが主に利用されている。膜型ウイルス除去フィルターは、使用後に、該フィルターのウイルス除去性能がウイルスを除去する工程で変化しなかったかどうかを評価する完全性試験が必要であり、その完全性試験の方法がこれまでに提案されている(特許文献1、特許文献2)。また、0〜15℃の低温でウイルス除去と完全性試験を行うシステムも提案されている(特許文献3)。
【0003】
従来の方法で製剤からのウイルス除去に用いた膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験を行う場合、先ず該フィルターの前処理として、内部に残留する蛋白質や細胞の破片等を水、アルカリ、酸等で洗浄除去を行う。前処理を行った後の該フィルターについて完全性試験を行う。次に該フィルターの原液入口側(1次側)と濾液出口側(2次側)の間に水を充填させ、その後1次側と2次側の間に空気が混入しないように注意を払いながら、金コロイド溶液の一定量を該フィルターに送液し、該フィルターの1次側と2次側の圧力差である膜間差圧を予め定められた範囲に調整しながら金コロイド溶液を濾過し、濾過開始一定時間後の濾液をサンプリングし、別途、純水を用いて零点(ベースライン)を調製しておいた分光光度計で、純水と金コロイド溶液と濾液の吸光度を測定し、それらの測定値の常用対数比率(log10((金コロイド溶液の吸光度)/((濾液の吸光度)−(純水の吸光度)))を計算することで、該フィルターの完全性を評価していた。また測定毎に、純水と金コロイド溶液と濾液を送液する配管を取り外して充分に洗浄する必要があり、かつ分光光度計の被検液を入れるセルも被検液を変える毎に十分に洗浄する必要があった。これら一連の操作は、全て人手作業と目視による判断により行われており、それ故に、作業者の事前教育と熟練が必要となり、これらの作業の全工程に作業者が常駐して完全性試験を行う必要があった。
【0004】
以上の作業を自動化しようとして、該フィルター内部と純水、金コロイド、濾液を送液する配管と吸光度を測定するセルを単純に接続しても、配管どうしの接続部分にデッドスペースが出来てしまい、この部分の空気が容易に送液内に混入してしまう上、この部分の洗浄や洗浄できたかどうかの判断も簡単に行うことが難しくなり、その結果、正確な吸光度測定が出来なくなってしまう。更に金コロイド濾過圧の安定性にも影響する等の解決しなければならない問題が多々存在していた。
【0005】
【特許文献1】特開平7−132215号公報
【特許文献2】特開平10−235169号公報
【特許文献3】特開2005−40756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の使用後の膜型ウイルス除去フィルター完全性試験における従来技術の問題点、およびその自動化における問題点に鑑み、本発明の課題は、使用後の膜型ウイルス除去フィルター完全性試験を行う場合に、作業者の事前教育ならびに熟練を不要とし、試験に要する労力の低減を図り、手作業による試験の失敗ならびに試験条件の逸脱により完全性試験が無駄になる事を防ぐことにある。更に、吸光度を測定するフローセルに空気が混入しないようにすることで正確に吸光度を測定できるようにし、吸光度を測定するフローセル内部の洗浄も容易に行え、洗浄出来たかどうかの判断も客観的に判定出来るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記(1)の構成を有する膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置とすることにより、自動的に、かつ安定して、正確に膜型ウイルス除去フィルターの完全性を評価できることを見出し、さらには、(2)から(7)に記載の様々な工夫により、更に安定した試験成績が得られることを見出し、本発明に係る膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置を完成するに至った。即ち本発明は、以下を含む。
【0008】
(1)金コロイドをウイルスの代替粒子として使用し、原液の入口と出口及び濾液出口を有する膜型ウイルス除去フィルターで金コロイド溶液を濾過し、水と濾過前後の金コロイド溶液の吸光度を測定して膜型ウイルス除去フィルターのウイルス除去性能を評価する膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置であって、該装置はフローセルを備えた分光光度計を有し、該フローセル入口は前記膜型ウイルス除去フィルターの濾液出口と配管により接続され、フローセル出口には廃液用配管が接続されており、膜型ウイルス除去フィルター内の濾液の液面が濾液出口より高くなるようにフローセルの廃液用配管に圧力絞り弁を設けたことを特徴とする膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【0009】
(2)前記金コロイド溶液を貯留するための金コロイドタンクを有し、該金コロイドタンクの内側容器の底部が重力方向下向きに凸の錘構造である(1)記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【0010】
(3)前記水、金コロイド溶液、濾液が重力方向上向きまたは下向きに傾斜して送液されるように、前記配管が傾斜配置を取っている(1)または(2)記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【0011】
(4)前記金コロイド溶液を膜型ウイルス除去フィルターで濾過するに際し、膜型ウイルス除去フィルターの原液入口側の圧力と濾液出口側の圧力を測定する圧力計を有し、該原液入口側と濾液出口側の圧力の差である膜間差圧が予め定められた範囲になるように、金コロイドタンクへ供給される圧縮気体の圧力を調整する圧力調整弁を有する(1)乃至(3)の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【0012】
(5)前記分光光度計が、フローセルの側面に吸光度測定センサーを配置した構造を有する(1)乃至(4)の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【0013】
(6)膜型ウイルス除去フィルターを装着するフィルター装着部、水を貯蔵する水タンク、金コロイド溶液を貯蔵する金コロイドタンク、該金コロイド溶液の濾液を貯蔵する濾液タンク、フローセルを有する分光光度計、圧縮気体を供給する圧縮気体源、前記水タンクと前記膜型ウイルス除去フィルターの原液入口を結ぶ配管、前記金コロイドタンクと膜型ウイルス除去フィルターの原液入口を結ぶ配管、膜型ウイルス除去フィルターの濾液出口と前記フローセル入口を結ぶ配管、水タンクと金コロイドタンクの各々とフローセル入口を結ぶ配管、フローセル出口と膜型ウイルス除去フィルターの原液出口に連結された廃液用配管、フローセル出口と前記濾液タンクを結ぶ配管、水タンクと金コロイドタンクの各々と圧縮気体源を結ぶ圧縮気体配管を有し、更に次の動作(a)〜(g)の制御器、前記分光光度計の測定値を演算する演算器、該演算器での結果を表示する表示器、該演算器での結果を外部に出力する出力器を有して、圧縮気体を用いて、
(a)水タンク内の水を分光光度計のフローセルに予め定められた量だけ送液して、この間に分光光度計の零点調整を行った後、水の吸光度(C)を測定し、
(b)金コロイドタンク内の金コロイド溶液を分光光度計のフローセルに予め定められた量だけ送液して、この間に金コロイド溶液の吸光度(A)を測定し、
(c)水タンク内の水を、金コロイド溶液が送液された配管全てに送液し、
(d)水タンク内の水を膜型ウイルス除去フィルターに送液して濾過を行い、
(e)金コロイドタンク内の金コロイド溶液を膜型ウイルス除去フィルターに送液して濾過を行い、濾液を分光光度計のフローセルに送液して、予め定められた量だけ濾過した後の濾液の吸光度(B)を測定するとともに濾液を濾液タンクに収集し、
(f)水タンク内の水を金コロイド溶液が流れた膜型ウイルス除去フィルター内部ならびに配管内部に送液した後、
(g)前記演算器で、測定値(A)(B)(C)を使い常用対数比率(=log10(A/(B−C))を演算して、この値が予め定められた範囲内であれば、ウイルス除去性能は合格、該範囲外であれば不合格と判定して、その結果を前記表示器に表示するとともに前記出力器で外部に出力する、
という一連の動作をこの順番で行うことを特徴とする(1)乃至(5)の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【0014】
(7)膜型ウイルス除去フィルターを装着するフィルター装着部と濾液タンクを複数有し、複数の該フィルターの完全性試験と前記濾液の収集をフィルター毎に各々独立に行うことができるように、配管及び流体制御弁が配置されていることを特徴とする(1)乃至(6)の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置を使用することにより、使用後の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験は、水、金コロイド溶液、膜型ウイルス除去フィルターを装置に装着して、測定開始のスイッチを押すだけで測定が開始され、自動的に終了し、結果がアウトプットされるので、作業者の事前教育ならびに熟練が不要となる上、手作業の失敗ならびに試験条件の逸脱によって完全性試験が無駄になる事がなく、更に試験に要する労力の低減を図ることが出来る。また、膜型ウイルス除去フィルター内部と水、金コロイド、濾液を送液する配管内に空気が混入することが防止され、正確な吸光度を連続して測定出来るようになり、金コロイド溶液の濾過圧も安定化し、更に送液配管内部ならびに分光光度計のフローセル内部の洗浄をも容易に行え、洗浄できたかどうかは吸光度測定によって客観的に判断できるようになった。更に、自動測定装置内の分光光度計の突発的な不調、異常が起きた際の金コロイド溶液の濾液も保存できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1を用いながら、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明における膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置の構成を示す模式図である。
【0017】
膜型ウイルス除去フィルター1は、血漿分画製剤、生物製剤等からウイルスを除去するためのフィルターであり、筒状容器に充填された中空糸束の端部外表面がポッティング剤によって容器と接着されて、中空糸内側室と、中空糸外側と容器内壁とポッティング剤によって囲まれた中空糸外側室が形成され、該中空糸内側室(または中空糸外側室)に通じる原液入口および原液出口、更に該中空糸外側室(または中空糸内側室)に通じる濾液出口が設けられた濾過モジュール、または平膜をフィルターホルダーに収納したウイルス除去用の濾過モジュール等を例示できる。
【0018】
フィルター装着部2は、膜型ウイルス除去フィルターが試験中に動かないように固定する機能を有する。フィルター本体を固定する方式でも良いし、配管との接続部でフィルターを固定する方式でも良く、両者を併用しても良い。
【0019】
水タンク3は、測定に使用する水を貯蔵する容器であり、圧縮気体の圧力を掛けることで、該タンク内の水を外部に押し出す機能を有する。該水は、分光光度計の零点調整を行った後、吸光度の基準値を確認し、送液した配管内部の洗浄を行う等のために使用するものであり、水の純度は高ければ高いほど好ましく、最も好ましくは純水である。
【0020】
水タンク3は、圧縮気体の圧力に耐えられるものであり、該タンクからの溶出物によって吸光度に影響を及ぼさない材質である事が必要である。該タンクの底部の形状は、該タンク内の水の液面が低下した時に、圧縮気体が送液内に混入することを防止するために、重力方向下向きに凸の錘形状であることが好ましい。材質としてはステンレスまたは溶出物がでない圧縮気体の圧力に耐えられる樹脂が好ましい。
【0021】
金コロイドタンク4は、膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験に使用する金コロイド溶液を貯蔵する容器であり、圧縮気体の圧力を掛けることで、該タンク内の金コロイド溶液を外部に押し出す機能を有する。金コロイドタンク4は、容器内壁に樹脂またはガラスコーティングしたもの、または内側容器と外側容器の2重構造とし、外側容器から内側容器が取り外し可能な構造とすると、金コロイド溶液が内壁に吸着した場合に、容易に、必要ならば取り外して該内側容器内壁を洗浄することができ、該内側容器の内壁が清浄なものかどうかを容易に判断することも可能となるので好ましい。金コロイドタンク4の外側容器の材質及び構造は、圧縮気体の圧力に耐えられるものである必要があり、該外側容器の材質はステンレスを選択することが好ましい。金コロイドタンク4の内側容器の材質及び構造は、耐圧性である必要はないが、透明ガラスまたは吸光度測定に影響する溶出物がでない樹脂であることがより好ましい。更に、該内側容器の底部の形状は、該内側容器内の金コロイド溶液の液面が低下した時に、圧縮気体が送液内に混入することを防止するために、重力方向下向きに凸の錘形状であることが好ましい。
【0022】
濾液タンク5は、膜型ウイルス除去フィルターで金コロイド溶液を濾過した後の濾液を貯蔵する容器である。該タンクの材質からの溶出物によって吸光度に影響を及ぼさない事が好ましい。該タンク内部が清浄なものかどうかを判断するために、透明ガラスまたは溶出物が出ない樹脂が好ましい。
【0023】
フローセル6は、分光光度計の構成部品であり、吸光度測定時に被検液を送液するセルである。分光光度計にはバッチ測定用のセルもあるが、本発明では、水、金コロイド溶液、濾液を送液する同一配管部分に吸光度測定センサー22を直に取り付けた構造をとり、水、金コロイド溶液、濾液を該フローセルに順番に送液することで、各々の被検液の吸光度測定を連続的に行なうことを可能としている。なお、吸光度測定センサー22の取り付けは、被検液に対して接触式、非接触式のどちらを採用しても良い。更に、該フローセルに各被検液を送液する前に水を流すことで、該フローセル内部の洗浄を行わせ、該フローセル内部が洗浄出来たかどうかは、該フローセル内部の水の吸光度を測定することで判断する。これによって、該フローセル内部は、常に清浄な状態に保つことが出来る上、洗浄されているかどうかは吸光度によって判断できるため、各々の被検液の吸光度測定を安定かつ正確に、更に連続的に行う事が可能となる。材質としては、透明ガラスまたは溶出物が出ない透明樹脂であることが好ましい。
【0024】
分光光度計7は、フローセルを装着出来るものであれば特に限定されず、膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験に求められる測定精度と感度によりシングルビーム方式、ダブルビーム方式等自由に選択することが出来るが、測定の安定性からダブルビーム方式を選択するのが好ましい。
【0025】
配管8は、水、金コロイド溶液、濾液を送液する配管であり、配管の材質は吸光度測定に影響を及ぼす溶出物が出ない材質である事が好ましく、配管内部が清浄であるかどうかを判断するために、透明または半透明樹脂配管、具体的にはアクリル、シリコン、塩化ビニル、フッ素樹脂配管等が好ましい。配管は、水等の液体が重力方向上向きまたは下向きに傾斜して送液されるように傾斜配置を取っていることが好ましく、該傾斜配置により配管内部の空気溜り、液溜り部等のデッドスペースを最小化することができる。すなわち、送液前の配管内部には空気が存在しており、送液によって配管内部は、空気から液に置換される。また、異なる液の送液によって配管内部は、異なる液から液に置換される。この時、送液することで容易に空気ならびに液を配管から排出し、配管内部の空気溜り部、液溜り部等が存在しないようにすることで、特にフローセル6への送液配管においては、常に清浄な状態に保つことで、各々の被検液の吸光度測定を安定かつ正確に、更に連続的に行う事が可能となる。
【0026】
配管8の傾斜は、少なくとも1/100以上の勾配を有することが好ましく、9/100以上の勾配を有することがより好ましい。
【0027】
圧縮気体配管9は、清浄な圧縮気体を水タンク3と金コロイドタンク4に供給するものである。圧縮気体源23から供給される圧縮気体の圧力に耐えられるものであればよく、塵埃の発生しない材質、形状であれば、自由に選択できる。
【0028】
圧縮気体源23は、清浄でかつ安定した圧力の圧縮気体を供給するものである。塵埃、水分、油分が充分に除去された圧縮気体を供給でき、圧縮気体の圧力変動を防止できる機能を有する圧縮気体発生装置であれば、自由に選択できる。
【0029】
制御器10は、主に本発明に係る膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験装置のシーケンス制御を行わせるための制御装置である。汎用のシーケンサー(PLC)またはパーソナルコンピュータでよい。主要な動作と順番は以下の(a)〜(g)である。
【0030】
即ち、圧縮気体を用いて
(a)水タンク3内の水を分光光度計7のフローセル6に予め定められた量だけ送液して、この間に分光光度計7の零点調整を行った後、水の吸光度(C)を測定し、
(b)金コロイドタンク4内の金コロイド溶液を分光光度計7のフローセル6に予め定められた量だけ送液して、この間に金コロイド溶液の吸光度(A)を測定し、
(c)水タンク3内の水を、金コロイド溶液が送液された配管8全てに送液し、
(d)水タンク3内の水を膜型ウイルス除去フィルター1に送液して濾過を行い、
(e)金コロイドタンク4内の金コロイド溶液を膜型ウイルス除去フィルター1に送液して濾過を行い、濾液を分光光度計7のフローセル6に送液して、予め定められた量だけ濾過した後の濾液の吸光度(B)を測定するとともに濾液を濾液タンク5に収集し、
(f)水タンク3内の水を金コロイド溶液が流れた膜型ウイルス除去フィルター1内部ならびに配管8内部に送液し、
最後に
(g)演算器11で、測定値(A)(B)(C)を使い常用対数比率(=log10(A/(B−C))を演算して、この値が予め定められた範囲内であれば、ウイルス除去性能は合格、該範囲外であれば不合格と判定して、その結果を表示器12に表示するとともに出力器13で外部に出力する。
ここで、(a)〜(f)で使用する圧縮気体は、圧縮空気、圧縮酸素、圧縮窒素等であり、使いやすいものを選択して、適切な圧力で使用する。
【0031】
上記の(a)〜(g)において、
(a)では、後述する表示器12に配置されている自動測定のスタートスイッチを押すことにより、流体制御弁19−1を開けて予め定められた量(自動測定1回当りに使用する水の容積であり、フィルター1の膜面積により設定され、好ましくは20リットル以上に設定する)だけの水を水タンク3に供給する。次に流体制御弁19−1を閉じて圧縮気体弁14を開放して、水タンク3に圧縮気体を送る。次に、流体制御弁19−3、19−5、19−7、19−11、19−12、19−14を閉じて、流体制御弁19−2、19−4、19−13を開けて、該タンク内の水が分光光度計7のフローセル6に予め定められた量(水の送液配管とフローセル6内部の合計容積により設定される)だけ送液して、フローセル6の中が水で充分に置換された時点で分光光度計の零点調整を行い、引き続き、水の吸光度(C)を測定する。
【0032】
(b)における金コロイド溶液は、膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験に使用するために予め濃度調整されたものである。(b)では、上記(a)の動作が完了したら、圧縮気体弁15を開放して、金コロイドタンク4に圧縮気体を送る。次に、流体制御弁19−4、19−6、19−7、19−11、19−12、19−14を閉じて、流体制御弁19−5、19−13を開けて、該タンク内の金コロイドが分光光度計7のフローセル6に予め定められた量(金コロイド溶液の送液配管とフローセル6内部の合計容積により設定される)だけ送液して、フローセル6の中が金コロイド溶液で充分に置換された時点で、金コロイド溶液の吸光度(A)を測定する。この時、金コロイド溶液の吸光度が予め設定された範囲(設定した金コロイド溶液の濃度により決定される)を外れている場合には、警報を発し、測定を中断するようにしておくこともできる。
【0033】
(c)では、上記(b)の動作が完了したら、圧縮気体弁14を開放して、水タンク3に圧縮気体を送る。次に、流体制御弁19−3、19−5、19−7、19−11、19−12、19−14を閉じて、流体制御弁19−2、19−4、19−13を開けて、該タンク内の水を、フローセル6を含む金コロイド溶液が送液された配管全てに予め定められた量(金コロイド溶液の送液配管とフローセル6内部との合計容積の3倍以上の量により設定される)だけ液送することで、充分に洗浄を行い、吸光度を水の吸光度に戻しておく。この時、吸光度が水の吸光度に戻らない場合は洗浄が未完了として洗浄を継続し、戻る場合は洗浄が完了したとして、次の工程に進むようにすることができる。
【0034】
(d)では、上記(c)の動作完了を踏まえて、圧縮気体弁14を開放して、水タンク3内に圧縮気体を送る。次に、流体制御弁19−4、19−6、19−7、19−10、19−13、19−14を閉じて、流体制御弁19−2、19−3、19−8、19−9、19−11を開けて、該タンク内の水を膜型ウイルス除去フィルター1に予め定められた量(水を送液する配管容積と該フィルターの種類やプライミングボリュームによって設定される)だけ送液して内部に存在する空気を水に置換する。次に、流体制御弁19−4、19−5、19−8、19−11、19−12、19−14を閉じて、流体制御弁19−2、19−3、19−7、19−13を開けて、水を該フィルター1で濾過して、予め定められた量(該フィルター1の種類や濾液送液配管の容積によって設定される)だけ濾過することで内部に存在する空気を水に置換する。
【0035】
(e)では、上記(d)の動作が完了したら、圧縮気体弁15を開放して、金コロイドタンク4内に圧縮気体を送る。次に、流体制御弁19−5、19−8、19−10、19−13、19−14を閉じて、流体制御弁19−6、19−9、19−11を開けて、該タンク内の金コロイド溶液が膜型ウイルス除去フィルター1に送液される配管に予め定められた量(金コロイド溶液を送液する配管容積によって設定される)だけ送液して、金コロイド溶液で置換する。次に、流体制御弁19−3、19−4、19−5、19−9、19−11、19−12、19−14を閉じて、流体制御弁19−6、19−7、19−8、19−13を開けて、金コロイド溶液を該フィルター1で濾過して、濾液は、分光光度計7のフローセル6に流す。この時、該フィルター1から排出される濾液のフィルター1内に於ける高さを予め定められた値(該フィルターの種類によって設定される)になるように圧力絞り弁20で調整しておく。こうすることによって、フィルター1内の空気が流れ出すことを防止でき、フローセル6に空気を巻き込むことがなくなるので、安定して正確な吸光度測定が可能となる。また好ましくは該フィルター1の1次側圧力P1を圧力計16で計測し、2次側圧力P2を圧力計17で計測し、各々の計測値をもとに膜間差圧ΔP(=P1−P2)を演算器11で演算し、これが予め定められた範囲(該フィルターの膜面積によって設定される)になるように圧力調整弁18で金コロイド溶液の送液圧力を調整しながら濾過を進行させる。濾過は、例えばフローセル6の2次側にある流量計21を使って濾液量を測定し、予め定められた(該フィルターの種類によって設定される)濾液量に達したら、流体制御弁19−3、19−4、19−5、19−9、19−13を閉じて、流体制御弁19−6、19−7、19−8、19−12を開けて、それ以降の濾液の吸光度(B)を分光光度計7のフローセル6で連続して測定しながら、濾液は濾液タンク5に収集する。
【0036】
(f)では、上記(e)の動作が完了したら、圧縮気体弁14を開放して、水タンク3内に圧縮気体を送る。次に、流体制御弁19−5、19−6、19−7、19−10、19−12、19−14を閉じて、流体制御弁19−2、19−3、19−4、19−8、19−9、19−11、19−13を開けて、該タンク内の水を、金コロイド溶液、濾液が流れた膜型ウイルス除去フィルター1内部とフローセル6を含む配管内部に予め定められた量(該フィルターの種類やプライミングボリューム、金コロイド溶液と濾液の送液配管とフローセル6内部との合計容積の3倍以上の量により設定される)を送液することで、充分に洗浄を行い、吸光度を水の吸光度に戻しておく。この時、吸光度が水の吸光度(C)に戻らない場合は洗浄が未完了として洗浄を継続し、戻る場合は洗浄が完了したとして、次の工程に進むようにすることができる。
【0037】
(g)では、上記(f)の動作が完了して、後述する演算器11で、得られた吸光度の測定値(A)(B)(C)を使って、常用対数比(=log10(A/(B−C))を算出して、この値が予め定められた範囲内(フィルター種およびフィルター膜面積により設定される)であれば、ウイルス除去性能は合格、範囲外であれば不合格と判定して、その結果を後述する表示部12に表示するとともに後述する出力器13で外部に出力する。
【0038】
本発明の膜型ウイルス除去フィルター完全性試験の自動測定装置は、以上の操作を自動的に行わせることにより、該フィルターの完全試験を行う。
【0039】
演算器11は、分光光度計で計測される水、金コロイド溶液、濾液の吸光度を記憶し、常用対数比率(=log10(A/(B−C))を演算して、この値が予め定められた範囲内であれば合格、範囲外であれば不合格の判定を行い、その結果を表示部12に出力するものである。汎用のシーケンサー(PLC)またはパーソナルコンピュータを用いることができ、上述の制御器10と共用してもよい。
【0040】
表示器12は、演算器11からの出力を表示させるものである。表示器12には、自動測定装置としての起動と停止の操作スイッチを配置し、完全性試験の状態を表示させることもできる。操作性等を考慮すると液晶パネルが好ましい。
【0041】
出力器13は、演算器11の出力をさらに外部へ出力するものであり、プリントアウトするプリンターやパーソナルコンピュータ、サーバ等に接続できる。
【0042】
圧縮気体弁14は、適切な圧力に調整された圧縮気体を、圧縮気体源23から水タンク3に供給・停止させる機能を有する。更に、圧縮気体弁14よりも2次側の配管内部の残圧解放機能を有するものが好ましい。圧縮気体の圧力に耐えられる構造、形状であり、清浄な気体を汚染させる塵埃を発生させない材質であれば、自由に選択できる。
【0043】
圧縮気体弁15は、適切な圧力に調整された圧縮気体を、圧縮気体源23から金コロイドタンク4に供給・停止させる機能を有する。更に、圧縮気体弁15よりも2次側の配管内部の残圧解放機能を有するものが好ましい。圧縮気体の圧力に耐えられる構造、形状であり、清浄な気体を汚染させる塵埃を発生させない材質であれば、自由に選択できる。
【0044】
圧力計16は、膜型ウイルス除去フィルター1の1次側の圧力を計測するものである。圧力計内部の接液部からの溶出物によって吸光度に影響を及ぼさない材質である事が好ましく、ステンレス、フッ素樹脂が好ましい。
【0045】
圧力計17は、膜型ウイルス除去フィルター1の2次側の圧力を計測するものである。圧力計内部の接液部からの溶出物によって吸光度に影響を及ぼさない材質である事が好ましく、ステンレス、フッ素樹脂が好ましい。
【0046】
圧力調整弁18は、膜型ウイルス除去フィルターの1次側圧力計16の計測値(P1)と2次側圧力計17の計測値(P2)を用いて、これを演算器11で、両者の差である膜間差圧△P(=P1−P2)を演算し、これが予め定められた範囲(該当フィルターの種類により設定される)になるように、金コロイド溶液タンク4へ供給される圧縮気体の圧力を調整するものである。圧力調整弁18は、圧縮気体の圧力に耐えられる構造、形状であり、清浄な気体を汚染させる塵埃を発生させない材質であれば、自由に選択できる。
【0047】
流体制御弁19は、水、金コロイド溶液、濾液の送液方向を制御する弁であり、吸光度測定に影響を及ぼす溶出物を出さない材質であり、弁内部に液溜りが出来にくい構造である事が好ましく、具体的には接液部材質はシリコンまたはフッ素樹脂、構造はボール弁またはダイアフラム弁等が望ましい。
【0048】
圧力絞り弁20は、膜型ウイルス除去フィルター1の濾液出口配管に背圧を掛けることで、該フィルター1から排出される濾液のフィルター内に於ける液面を濾液出口配管より高くなるようにすることで、該フィルター1から排出される濾液内に空気が混入する事を防止するものである。溶出物によって吸光度に影響を及ぼさない材質であり、弁内部に液溜りが出来にくい構造である事が好ましく、具体的には接液部材質はシリコンまたはフッ素樹脂、構造はボール弁またはダイアフラム弁等が望ましい。
【0049】
流量計21は、金コロイド溶液を膜型ウイルス除去フィルター1で濾過する場合、フローセル6を通過した濾液量を測定し、予め定められた濾液量(該フィルターの種類によって設定される)に達したら、濾液の吸光度の測定を開始するためのものである。接液方式と非接液方式どちらでもよいが、接液方式の場合の材質は、溶出物によって吸光度に影響を及ぼさないものが望ましい。
【0050】
更に、膜型ウイルス除去フィルター1を装着するフィルター装着部2と濾液タンク5を複数有し、複数の該フィルターの完全性試験とその濾液の収集をフィルター毎に各々独立に行うことができるように、配管8及び流体制御弁19が配置された膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置を用いれば、自動測定装置を1回稼動させることで、複数のフィルターの完全性試験を行えるために好ましい。製薬業界での血漿分画製剤や生物製剤等の製造では、1回のウイルスを除去する工程で複数本のウイルス除去フィルターを使用する場合も多々ある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置は、血漿分画製剤、生物製剤、等の製造過程で実施されるウイルス除去工程に使用された膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験を自動的に行わせる事が可能であり、製薬工業で有用に用いられる。血漿分画製剤、生物製剤、等の製造の省力化に寄与するところ大であり、作業者の教育、熟練が不要となる上、人的な作業の失敗ならびに試験条件の逸脱により完全性試験が無駄になる事が無く、測定結果の再現性もよくなることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置の基本構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0053】
1 :膜型ウイルス除去フィルター
2 :フィルター装着部
3 :水タンク
4 :金コロイドタンク
5 :濾液タンク
6 :フローセル
7 :分光光度計
8 :配管
9 :圧縮気体配管
10:制御器
11:演算器
12:表示器
13:出力器
14:圧縮気体弁
15:圧縮気体弁
16:膜型ウイルス除去フィルターの1次側圧力計
17:膜型ウイルス除去フィルターの2次側圧力計
18:圧力調整弁
19−1〜19−14:流体制御弁
20:圧力絞り弁
21:流量計
22:吸光度測定センサー
23:圧縮気体源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金コロイドをウイルスの代替粒子として使用し、原液の入口と出口及び濾液出口を有する膜型ウイルス除去フィルターで金コロイド溶液を濾過し、水と濾過前後の金コロイド溶液の吸光度を測定して膜型ウイルス除去フィルターのウイルス除去性能を評価する膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置であって、該装置はフローセルを備えた分光光度計を有し、該フローセル入口は前記膜型ウイルス除去フィルターの濾液出口と配管により接続され、フローセル出口には廃液用配管が接続されており、膜型ウイルス除去フィルター内の濾液の液面が濾液出口より高くなるようにフローセルの廃液用配管に圧力絞り弁を設けたことを特徴とする膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【請求項2】
前記金コロイド溶液を貯留するための金コロイドタンクを有し、該金コロイドタンクの内側容器の底部が重力方向下向きに凸の錘構造である請求項1記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【請求項3】
前記水、金コロイド溶液、濾液が重力方向上向きまたは下向きに傾斜して送液されるように、前記配管が傾斜配置を取っている請求項1または2記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【請求項4】
前記金コロイド溶液を膜型ウイルス除去フィルターで濾過するに際し、膜型ウイルス除去フィルターの原液入口側の圧力と濾液出口側の圧力を測定する圧力計を有し、該原液入口側と濾液出口側の圧力の差である膜間差圧が予め定められた範囲になるように、金コロイドタンクへ供給される圧縮気体の圧力を調整する圧力調整弁を有する請求項1乃至3の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【請求項5】
前記分光光度計が、フローセルの側面に吸光度測定センサーを配置した構造を有する請求項1乃至4の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【請求項6】
膜型ウイルス除去フィルターを装着するフィルター装着部、水を貯蔵する水タンク、金コロイド溶液を貯蔵する金コロイドタンク、該金コロイド溶液の濾液を貯蔵する濾液タンク、フローセルを有する分光光度計、圧縮気体を供給する圧縮気体源、前記水タンクと前記膜型ウイルス除去フィルターの原液入口を結ぶ配管、前記金コロイドタンクと膜型ウイルス除去フィルターの原液入口を結ぶ配管、膜型ウイルス除去フィルターの濾液出口と前記フローセル入口を結ぶ配管、水タンクと金コロイドタンクの各々とフローセル入口を結ぶ配管、フローセル出口と膜型ウイルス除去フィルターの原液出口に連結された廃液用配管、フローセル出口と前記濾液タンクを結ぶ配管、水タンクと金コロイドタンクの各々と圧縮気体源を結ぶ圧縮気体配管を有し、更に次の動作(a)〜(g)の制御器、前記分光光度計の測定値を演算する演算器、該演算器での結果を表示する表示器、該演算器での結果を外部に出力する出力器を有して、圧縮気体を用いて、
(a)水タンク内の水を分光光度計のフローセルに予め定められた量だけ送液して、この間に分光光度計の零点調整を行った後、水の吸光度(C)を測定し、
(b)金コロイドタンク内の金コロイド溶液を分光光度計のフローセルに予め定められた量だけ送液して、この間に金コロイド溶液の吸光度(A)を測定し、
(c)水タンク内の水を、金コロイド溶液が送液された配管全てに送液し、
(d)水タンク内の水を膜型ウイルス除去フィルターに送液して濾過を行い、
(e)金コロイドタンク内の金コロイド溶液を膜型ウイルス除去フィルターに送液して濾過を行い、濾液を分光光度計のフローセルに送液して、予め定められた量だけ濾過した後の濾液の吸光度(B)を測定するとともに濾液を濾液タンクに収集し、
(f)水タンク内の水を金コロイド溶液が流れた膜型ウイルス除去フィルター内部ならびに配管内部に送液した後、
(g)前記演算器で、測定値(A)(B)(C)を使い常用対数比率(=log10(A/(B−C))を演算して、この値が予め定められた範囲内であれば、ウイルス除去性能は合格、該範囲外であれば不合格と判定して、その結果を前記表示器に表示するとともに前記出力器で外部に出力する、
という一連の動作をこの順番で行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。
【請求項7】
膜型ウイルス除去フィルターを装着するフィルター装着部と濾液タンクを複数有し、複数の該フィルターの完全性試験と前記濾液の収集をフィルター毎に各々独立に行うことができるように、配管及び流体制御弁が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の膜型ウイルス除去フィルターの完全性試験自動測定装置。

【図1】
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