説明

膜濾過装置

【課題】一度に複数本の筒状膜エレメントを仕切板ごと取り外す必要なく容易に交換でき、筒状膜エレメントそれぞれの仕切板に対する水密状態を簡単に確保できる膜濾過装置を提供すること。
【解決手段】濾過槽内を原水室と処理水室に区画する仕切板2の膜挿入口21に、処理水室側に開口51bを有し上端に係止用鍔部53を有する筒状膜エレメント5が挿入設置され、原水が処理水として処理水室内に集水される膜濾過装置において、仕切板2の上面に膜挿入口21に対応する膜支持孔61を備えた膜支持板6が載置され、筒状膜エレメント5は膜支持孔61を通して膜挿入口21に挿入設置されることにより係止用鍔部53が該膜支持板6の上面に係止され、膜挿入口21に対応する開口部71を備えた押さえ板7によって係止用鍔部53と膜支持板6とが仕切板2との間で挟着されており、膜支持板6はそれぞれ複数本の筒状膜エレメント5を含む複数枚に分割されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜濾過装置に関し、詳しくは、濾過槽内を区画する仕切板に設置された筒状膜エレメントを、仕切板ごと取り外す必要なく一度に複数本容易に交換できると共に、各筒状膜エレメントの仕切板に対する水密状態を簡単に確保することのできる膜濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、濾過槽内が多数の膜挿入口を備えた仕切板によって下部の原水室と上部の処理水室とに区画され、仕切板の膜挿入口に、処理水室側に開口を有する筒状膜エレメントが挿入設置され、原水室に入った原水を膜により濾過して処理水として処理水室内に集水するようになした膜濾過装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
このような膜濾過装置における膜は消耗品であり、3〜5年に一度交換しなくてはならないため、交換可能な構造とされている。
【0004】
特許文献1では、各筒状膜エレメントの取り付け構造を、ボール受け部を有してワンタッチで仕切板に対して着脱可能な構造とすることで、交換作業の簡便化を図るようにしている。しかし、通常、膜濾過装置には、一基当り百数十本以上もの多数の筒状膜エレメントが設置されるため、その場で1本ずつ交換することは現実的には極めて煩雑な作業となる。特に、汲み上げた海水を処理してバラスト水とするために船舶内に設置される膜濾過装置の場合、狭い船舶内で筒状膜エレメントを1本ずつ交換することは大変な作業が強いられることになる。
【0005】
また、特許文献1の図11には、従来技術として、多数の筒状膜エレメントを固定した仕切板ごと濾過槽本体から取り外して交換することが開示されているが、多数の筒状膜エレメントを備えたままの大径且つ重量のある仕切板ごと交換するには、仕切板を吊り上げるための大きな吊り具が必要であり、吊り具の設置スペースの確保を要するばかりでなく、重量のある仕切板が吊り上げ時にふらついて筒状膜エレメントを濾過槽本体等にぶつけたりすると、膜を損傷する危険すらある。
【0006】
更に、筒状膜エレメントは、原水が処理水室側に漏出しないように、仕切板に対して水密状態を確実に維持して取り付けられなくてはならないが、特許文献1記載のように1本ずつ交換する方法では、いずれか1本でも取り付け状態に不具合があると、その箇所から原水が処理水室側に漏出するおそれがある。これを防ぐには、1本ずつ水密状態を確認しながら取り付け作業しなくてはならず、極めて作業性が悪いものであった。
【特許文献1】特開平5−245312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、一度に複数本の筒状膜エレメントを仕切板ごと取り外す必要なく容易に交換できると共に、筒状膜エレメントそれぞれの仕切板に対する水密状態を簡単に確保することのできる膜濾過装置を提供することを課題とする。
【0008】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0010】
(請求項1)
濾過槽内が多数の膜挿入口を備えた仕切板によって下部の原水室と上部の処理水室とに区画され、前記仕切板の膜挿入口には、前記処理水室側に開口を有すると共に上端に係止用鍔部を有する筒状膜エレメントが、前記処理水室側から前記原水室側に向けて挿入設置されてなり、前記原水室に入った原水が前記筒状膜エレメントにより濾過され、該筒状膜エレメント内を上向流しながら処理水として前記処理水室内に集水される構造を有する膜濾過装置において、
前記仕切板の上面には、該仕切板の膜挿入口に対応する膜支持孔を備えた膜支持板が載置され、前記筒状膜エレメントは、前記膜支持板の膜支持孔を通して前記仕切板の膜挿入口に挿入設置されることにより、前記係止用鍔部が該膜支持板の上面に係止されると共に、前記仕切板の膜挿入口に対応する開口部を備えた押さえ板によって、前記係止用鍔部と前記膜支持板とが前記仕切板との間で挟着されており、
前記膜支持板は、それぞれ複数本の前記筒状膜エレメントを含む複数枚に分割されていることを特徴とする膜濾過装置。
【0011】
(請求項2)
前記分割された各膜支持板の上面に、該膜支持板を前記仕切板から吊り上げる際に用いられる吊り上げ部が突設されていると共に、前記押さえ板には、前記吊り上げ部に対応する位置に、該吊り上げ部と係合する係合孔が形成されており、前記吊り上げ部と前記係合孔との係合によって前記押さえ板が位置決めされていることを特徴とする請求項1記載の膜濾過装置。
【0012】
(請求項3)
前記分割された各膜支持板は、それぞれ同一形状であり、各膜支持板は同数で同一配置の前記筒状膜エレメントを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の膜濾過装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一度に複数本の筒状膜エレメントを仕切板ごと取り外す必要なく容易に交換できると共に、各筒状膜エレメントの仕切板に対する水密状態を簡単に確保することのできる膜濾過装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は本発明に係る膜濾過装置の一例を示す概略断面図である。
【0016】
図中、1は濾過槽であり、円筒竪型に形成されることが好ましく、上端にフランジ11aを有する原水槽11と、下端にフランジ12aを有する処理水槽12とに上下に分割されている。原水槽11には原水の供給口11bが設けられ、処理水槽12には処理水の排出口12bが設けられている。
【0017】
原水槽11と処理水槽12との間には仕切板2が設けられている。仕切板2は、原水槽11と処理水槽12の各フランジ11a、12aと同程度の外径を有する円板状であり、各フランジ11a、12aの間に挟持されている。濾過槽1は、フランジ11a、仕切板2及びフランジ12aとが一体にボルト止めされることによって構築され、これにより、濾過槽1の内部は、仕切板2によって下部の原水室3と上部の処理水室4とに区画される。
【0018】
仕切板2には多数の膜挿入口21が開設されており、各膜挿入口21にそれぞれ筒状膜エレメント5が挿入され、原水室3の内部に向けて吊り下げ状に設置されている。6は膜支持板、7は押さえ板である。
【0019】
次に、図2〜図5を用いて、筒状膜エレメント5の取り付け部の構造について説明する。
【0020】
図2は一つの筒状膜エレメント5の取り付け部を拡大した断面図、図3は仕切板2の平面図、図4は膜支持板6の平面図、図5は押さえ板7の平面図である。
【0021】
筒状膜エレメント5は、例えばポリエチレン等の樹脂によって形成された多孔製の円筒形の支持体51と、該支持体51の外周に被覆され袋状に形成された、例えば精密濾過膜等からなる濾過膜52によって構成されている。支持体51の上部は処理水室4に処理水を送液可能なように、該処理水室4側に向けて開口する上部開口51aを有している。
【0022】
支持体51の上端には係止用鍔部53が周設されており、この係止用鍔部53によって原水室3内に吊り下げ状に支持されている。
【0023】
膜支持板6は、仕切板2の各膜挿入口21に対応する位置にそれぞれ膜支持孔61を有しており、各膜支持孔61の位置を仕切板2の各膜挿入口21に一致させて、仕切板2の上面に載置されている。筒状膜エレメント5は、この膜支持板6の側から、膜支持孔61及び膜挿入口21を通って原水室3に向けて挿入されることで、その係止用鍔部53が膜支持板6の上面に係止されている。従って、原水室3に入った原水は、筒状膜エレメント5により濾過され、該筒状膜エレメント5内を上向流しながら、処理水として上部開口51aから処理水室4内に集水される。
【0024】
膜支持板6は、全体として仕切板2と同様の円板状に形成されているが、複数枚に分割されていることが特徴であり、ここではそれぞれ平面視扇型をした4枚の膜支持板6A〜6Dに分割され、この4枚が組み合わさって全体として仕切板2と同様の円形状をなしている。各膜支持板6A〜6Dは、それぞれ複数本の筒状膜エレメント5を含むように形成されている。
【0025】
押さえ板7は、仕切板2の各膜挿入口21に対応する位置にそれぞれ処理水流路となる開口部71を有しており、各開口部71の位置を各筒状膜エレメント5の上部開口51aに一致させて、膜支持板6の上面に係止された筒状膜エレメント5の係止用鍔部53の上面に載置されている。開口部71の大きさは、筒状膜エレメント5の係止用鍔部53の外径よりも小さく形成され、好ましくは筒状膜エレメント5の上部開口51aと同一径とされる。
【0026】
なお、押さえ板7の取り外し作業の便宜のため、その上面には、図示しないが、濾過槽1から上方に吊り上げるための吊り輪等を形成しておくことが好ましい。
【0027】
これら仕切板2、膜支持板6及び押さえ板7には、それぞれ適宜数のボルト孔22、62、72が形成されており、ボルト8によって一体に締付け固定されている。これにより、各筒状膜エレメント5は、その係止用鍔部53が、押さえ板7によって上面から押し付けられ、仕切板2に対して固定される。仕切板2のボルト孔22は、図示したように貫通させないでおくと、該部から原水が漏出するおそれがなく、水密を考慮する必要がないために好ましい。
【0028】
また、膜支持板6及び押さえ板7も、仕切板2と同時にフランジ11aと12aとの間に一体に挟着する構成としてもよい。
【0029】
図2において、9はOリングであり、仕切板2の膜挿入口21の内周面に設けられ、仕切板2と筒状膜エレメント5との間を水密状にシールしている。Oリング9は、上下に2つ設けられているが、その数及び配置構成は特に問わない。また、膜支持板6の膜支持孔61の内周面及びその周囲にゴムライニング等を施すことにより、押さえ板7によって締付けられた際に、この膜支持孔61の周辺を水密状に保持できるようにすることも好ましい。
【0030】
かかる膜濾過装置によれば、筒状膜エレメント5を交換する必要がある場合、処理水槽12を取り外し、ボルト8を外して押さえ板7を取り外せば、各筒状膜エレメント5は、複数分割された膜支持板6の上面に係止用鍔部53が載置されて係止されているだけの状態となる。従って、図6に示すように、分割された膜支持板6A〜6D単位で、該膜支持板6A〜6Dごと仕切板2から離脱させることができる。分割された各膜支持板6A〜6Dには、それぞれ複数本の筒状膜エレメント5が吊り下げ支持されているため、仕切板2ごと交換する必要なく、一度に複数本の筒状膜エレメント5を取り外して交換作業を行うことができる。しかも、交換は各膜支持板6A〜6D単位で行え、仕切板2ごと交換する必要がないので、船舶内等の狭いスペースであっても作業が可能である。
【0031】
また、全ての筒状膜エレメント5は、1枚の押さえ板7によって上面から押さえつけられ、仕切板2との間で同時に挟着されるため、各筒状エレメント5の取り付け状態を均一にすることができる。従って、各筒状膜エレメント5の取り付け状態を個々に厳密に管理する必要がなく、各筒状膜エレメント5の仕切板2に対する水密状態を簡単に確保することができる。
【0032】
更に、膜支持板6及び押さえ板7は、濾過時に原水室3側に発生する圧力を受ける必要がなく、仕切板2に比べて高い強度を有する必要はないため、例えばステンレス板等の比較的軽い材質によって形成することができる。従って、筒状膜エレメント5の交換作業も比較的軽作業で済み、重労働とはならない。
【0033】
なお、ここでは円形の膜支持板6を放射状の分割線によって扇型に分割形成したものを示したが、分割形態は特に問わず、様々な形状に分割することができる。例えば、図7に示すように、円形の膜支持板6を縦横の分割線よって分割形成するようにしてもよい。縦又は横のみの分割線によって膜支持板6を短冊状に分割形成することもできる。
【0034】
また、膜支持板6は、全体として仕切板2と同様の円板状とするものに限らない。従って、膜支持板6をそれぞれ多角形状に複数枚に分割することもできる。図8はそれぞれ六角形状に複数分割した膜支持板6の態様を示している。
【0035】
図4や図8のような態様では、複数枚に分割された各膜支持板6は全て同一形状に形成されている。この場合、各膜支持板6がそれぞれ同数で同一配置の筒状膜エレメント5を含むものとすれば、膜支持板6は仕切板2に対する取り付け位置を問わず、交換作業をより簡易にできると共に、1種類の形状の膜支持板6を用意するだけでよいため、メンテナンス及び製造コストの面でも好ましい。この態様では、各膜支持板6は、全ての筒状膜エレメント5の数を分割数で割った数の筒状膜エレメント5をそれぞれ含むことになる。
【0036】
図9、図10は、膜支持板6及び押さえ板7の他の好ましい態様を示している。図9は分割された1枚の膜支持板6と押さえ板7の部分斜視図であり、仕切板2は図示省略している。図10は取り付け状態の断面図である。ここでは、膜支持板6は図4及び図6に示したものと同様の扇型に4分割した態様を示しているが、他の形状でも構わない。
【0037】
この態様に示す膜支持板6の上面には、膜支持板6を筒状膜エレメント5を取り付けたまま仕切板2から吊り上げて取り出す際に、図示しない取り出し用治具等のフックを引っ掛けるために利用される吊り上げ部63を有している。吊り上げ部63は、フックを引っ掛けるための輪状の吊り輪部63aと、膜支持板6の上面に所定高さで突設された円錐台形状の基部63bとを有しており、この基部63bの上面に吊り輪部63aが突設されている。
【0038】
一方、押さえ板7には、吊り上げ部63に対応する位置に、この吊り上げ部63と係合するための係合孔73が形成されている。係合孔73の大きさは、膜支持板6の上面から突出する基部63bが嵌合し得るように、該基部63bの外径とほぼ同一径に形成されている。
【0039】
基部63bの突出高さは、膜支持板6の上面に支持された筒状膜エレメント5の係止用鍔部53の膜支持板6上面からの突出高さよりも高く、従って、筒状膜エレメント5を支持している膜支持板6の上面に押さえ板7が載置された際に、その押さえ板7の係合孔73に嵌まって係合し得る程度の高さを有している。
【0040】
この態様によれば、押さえ板7を取り外すと、各膜支持板6の上面にそれぞれ吊り輪部63aが突出しているので、図示しない取り出し用治具等のフックを引っ掛けて、分割された各膜支持板6単位で上方に引き抜けば、各膜支持板6の取り外しが容易に行える。
【0041】
しかも、押さえ板7は、膜支持板6の上面に載置して水平方向に回転させれば、係合孔73が吊り上げ部63と係合することにより、膜支持板6に対して位置決めされる。これにより、押さえ板7の各開口部71と各筒状膜エレメント5の上部開口51aとの間、各ボルト孔62、72の間もそれぞれ同時に位置決めされるようになるので、膜支持板6の吊り上げ部63と押さえ板7の係合孔73との係合構造は、押さえ板7の各開口部71と各筒状膜エレメント5の上部開口51aとの間の位置決めを兼用することができる。従って、押さえ板7を取り付ける際の位置決め作業も簡易に行えるようになる。
【0042】
この態様に示す吊り上げ部63は、係合孔73と係合する平面視円形の基部63bを有しているが、吊り上げ部63及びこれに対応する係合孔73は、平面視で開口部71と異なる大きさ、異なる形状に形成することで、構造的に吊り上げ部63が開口部71と間違って係合することがないようにすることが好ましい。
【0043】
また、吊り上げ部63は基部63bを設けず、吊り輪部63a自体の突出高さを高く形成することで、膜支持板6の表面に吊り輪部63a部分だけが突設されるようにしてもよく、この場合は、押さえ板7の係合孔73の形状は、吊り輪部63aを挿通可能な長孔形状とされ、開口部71とは異なる形状となる。
【0044】
膜支持板6の吊り上げ部63の数は、膜支持板6を安定して吊り上げ可能となるように適宜複数設けることもでき、押さえ板7の係合孔73の数もそれに対応して設けられる。
【0045】
なお、吊り上げ部63の構造は、輪状の吊り輪部63aを利用するものに限らず、複数の筒状膜エレメント5を支持した状態の膜支持板6を仕切板2から上方に吊り上げて取り外すことができれば任意の構造を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る膜濾過装置の一例を示す概略断面図
【図2】一つの筒状膜エレメントの取り付け部を拡大した断面図
【図3】仕切板の平面図
【図4】膜支持板の平面図
【図5】押さえ板の平面図
【図6】筒状膜エレメントの交換作業を説明する斜視図
【図7】膜支持板の他の分割態様を示す平面図
【図8】膜支持板の更に他の分割態様を示す平面図
【図9】膜支持板及び押さえ板の他の好ましい態様を示す分割された1枚の膜支持板と押さえ板の部分斜視図
【図10】膜支持板及び押さえ板の他の好ましい態様を示す取り付け状態の断面図
【符号の説明】
【0047】
1:濾過槽
11:原水槽
11a:フランジ
11b:原水供給口
12:処理水槽
12a:フランジ
12b:処理水排出口
2:仕切板
21:膜挿入口
22:ボルト孔
3:原水室
4:処理水室
5:筒状膜エレメント
51:支持体
51a:上部開口
52:濾過膜
53:係止用鍔部
6、6A〜6D:膜支持板
61:膜支持孔
62:ボルト孔
63:吊り上げ部
63a:吊り輪部
63b:基部
7:押さえ板
71:開口部
72:ボルト孔
73:係合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過槽内が多数の膜挿入口を備えた仕切板によって下部の原水室と上部の処理水室とに区画され、前記仕切板の膜挿入口には、前記処理水室側に開口を有すると共に上端に係止用鍔部を有する筒状膜エレメントが、前記処理水室側から前記原水室側に向けて挿入設置されてなり、前記原水室に入った原水が前記筒状膜エレメントにより濾過され、該筒状膜エレメント内を上向流しながら処理水として前記処理水室内に集水される構造を有する膜濾過装置において、
前記仕切板の上面には、該仕切板の膜挿入口に対応する膜支持孔を備えた膜支持板が載置され、前記筒状膜エレメントは、前記膜支持板の膜支持孔を通して前記仕切板の膜挿入口に挿入設置されることにより、前記係止用鍔部が該膜支持板の上面に係止されると共に、前記仕切板の膜挿入口に対応する開口部を備えた押さえ板によって、前記係止用鍔部と前記膜支持板とが前記仕切板との間で挟着されており、
前記膜支持板は、それぞれ複数本の前記筒状膜エレメントを含む複数枚に分割されていることを特徴とする膜濾過装置。
【請求項2】
前記分割された各膜支持板の上面に、該膜支持板を前記仕切板から吊り上げる際に用いられる吊り上げ部が突設されていると共に、前記押さえ板には、前記吊り上げ部に対応する位置に、該吊り上げ部と係合する係合孔が形成されており、前記吊り上げ部と前記係合孔との係合によって前記押さえ板が位置決めされていることを特徴とする請求項1記載の膜濾過装置。
【請求項3】
前記分割された各膜支持板は、それぞれ同一形状であり、各膜支持板は同数で同一配置の前記筒状膜エレメントを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の膜濾過装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−241041(P2009−241041A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94227(P2008−94227)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(503442592)株式会社ユアサメンブレンシステム (28)
【Fターム(参考)】