説明

膨張タービンの遮断板

【課題】冷熱を生成する膨張タービンに備えて断熱を行うための大径の遮断板の製造を可能にする。
【解決手段】膨張室側ハウジングと軸受部ハウジングとの間に遮断板を備えて断熱を行うようにしている膨張タービンの遮断板50が、フェノール樹脂板から円板状に形成された中心板51と、中心板51の外周に配置されフェノール樹脂板から円弧状に形成された複数の円弧板52とを有し、且つ、中心板51と円弧板52との間及び隣接する円弧板52の端部相互の間に、互いに重なり合って組み合わされる段部53,54を有し、各段部53,54の組み合わせ時に当接する対向面53a,53b、54a,54bが接着剤により固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷熱を生成する膨張タービンに備えて断熱を行うようにした膨張タービンの遮断板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、気体が断熱膨張する際の温度低下を利用して、主に空気分離装置、メタン分離装置等に供給する冷熱(例えば−50℃以下の寒冷)を発生するようにした冷熱発生装置としての膨張タービンが知られている。この膨張タービンは、図7に示す如く、軸受部ハウジング1内に備えた軸受(図示せず)によって回転自在に支持された回転軸2の一端にはタービンインペラ3が固定され、又、前記回転軸2の他端には圧縮機インペラ4が固定されている。前記タービンインペラ3の外周には軸方向に開放された開口6aを有して囲繞する膨張室側ハウジング7が配置されて、前記軸受部ハウジング1に一体に組み付けられている。前記膨張室側ハウジング7内部のスクロール5aには、周方向外部に設けた圧縮気体入口5から圧縮気体aが供給されており、スクロール5aの圧縮気体aは圧縮気体吐出口12から前記タービンインペラ3に吐出されて該タービンインペラ3を回転させると共に膨張室6に圧力が開放されるようになっている。又、前記圧縮機インペラ4の外周には軸方向に開放された開口8を有して囲繞する圧縮室側ハウジング10が配置されて、前記軸受部ハウジング1に一体に組み付けられている。前記開口8から圧縮室側ハウジング10内に取り入れた被加圧気体bは、圧縮機インペラ4の回転により流速を高めて外周の圧縮室9に吐出され、圧力に変換された加圧気体となって導出口11から排出されるようになっている。
【0003】
上記膨張タービンの圧縮気体入口5に、例えば圧縮空等の圧縮気体aを供給すると、圧縮気体aはスクロール5aを介して圧縮気体吐出口12から膨張室6に吐出され、これによりタービンインペラ3を回転駆動する。この時、圧縮気体aは膨張によって圧力降下し且つ極低温の膨張後気体となって開口6aから導出される。一方、前記タービンインペラ3の回転によって回転される圧縮機インペラ4は、開口8から取り入れた被加圧気体bの流速を高めて、圧縮室9に導くことにより圧縮を行い、生成した加圧気体を導出口11から導出するようになっており、前記タービンインペラ3の回転による動力が前記圧縮機インペラ4で回収されるようになっている。
【0004】
前記膨張タービンにおいて、例えば4.6kg/cmgの圧力で−130℃の低温の圧縮気体aが圧縮気体吐出口12から膨張室6に吐出され、タービンインペラ3を回転して膨張を行うと、例えば0.4kg/cmgの圧力で−170℃の極低温の膨張後気体を得ることができる。従って、このようにして得られた冷熱は前記空気液化分離装置等に用いることができる。
【0005】
前記膨張タービンでは、タービンインペラ3及び膨張室側ハウジング7が−130℃〜−170℃のような極低温に晒されることになるため、この冷熱が軸受部ハウジング1側へ伝熱等によって放散する問題があり、この冷熱の放散が大きいと、膨張タービンの効率が低下して目的の冷熱が得られなくなる。
【0006】
このため、前記膨張タービンの膨張室側ハウジング7と軸受部ハウジング1との間には、伝熱を遮断するための遮断板13が配置されている。又、膨張室側ハウジング7側への潤滑油の混入を防止するため、遮断板13と軸2との間にはラビリンスシール、カーボンパッキン(3つ割れ)等のシール装置18が備えられている。更に、遮断板13の軸受部ハウジング1側にはシールガス導入板14が配置されている。前記シールガス導入板14には外部からシールガスが導入されており、前記遮断板13及びシールガス導入板14の内周に備えたシール装置18にシールガスを供給することにより、軸受部ハウジング1側から膨張室側ハウジング7側へ潤滑油が漏洩するのを防止している。
【0007】
前記遮断板13は固定ネジ15によって膨張室側ハウジング7に固定されており、又、シールガス導入板14は固定ネジ16によって軸受部ハウジング1に固定されており、更に、前記遮断板13は固定ネジ17によって前記シールガス導入板14に固定されている。
【0008】
又、前記膨張室側ハウジング7より下流の低温側は断熱用の保冷箱19内によって包囲されており、保冷箱19と前記遮断板13の外周部との間には、熱変形を吸収するための蛇腹20が配されて固定ネジ20'により接続されている。
【0009】
前記遮断板13は、製造・設置時における20℃前後の常温から、使用時における−130℃〜−170℃の極低温までの極めて幅広い温度変化を受ける厳しい環境で使用されるものであり、このような温度変化を受けても所要の強度と高い断熱性を発揮できる必要があり、このため、従来より使用されている遮断板13には、ベークライト(フェノールとホルムアルデヒドを縮合させて作られるフェノール樹脂の商標名)と称されるフェノール樹脂が用いられている。
【0010】
従来の膨張タービンは出力の増大を図るために大型化が促進され、そのために遮断板13も直径が1100mmを超えるような大径のものが多く製造され、現在も稼働している。
【0011】
従来のフェノール樹脂による前記遮断板13は、以下のようにして製造されていた。
【0012】
図8は前記遮断板13を製造するためのフェノール樹脂板31を製造する工程図であり、フェノールとホルマリンと触媒を混和機21に供給して混和することによりワニス22を調合してそのワニス22を塗布装置23に供給し、一方、ガラス布、紙、布等からなる例えば幅1300mm前後の基材24が巻かれたロール25から基材24を巻き出して前記塗布装置23に通すことにより基材24の両面にワニス22を含浸塗布した後、乾燥機26に導いて乾燥させることによりシート材27を製造する。続いて、このシート材27を裁断機28aにより所定長さに裁断し、裁断したシート材27を所定枚数積層することにより積層体28を形成し、この積層体28を当て板29(caul)で挟んでプレス装置30にセットして加圧し、成形されたブロックを裁断形成することにより矩形形状(正方形)のフェノール樹脂板31を製造する。
【0013】
従来のフェノール樹脂板31は、種々の大きさのものが形成されており、一辺が最大1200mmの正方形で厚さが最大100mm前後のものが製造されていた。そして、前記フェノール樹脂板31を用いて円板状に裁断加工することによって大型の膨張タービンに用いられる1枚板の前記遮断板13が製造されていた。
【0014】
フェノール樹脂による遮断板13は、優れた断熱性能と強度を有するものであるが、膨張タービンの運転が長期間に亘ると、遮断板13にクラックが発生する、或いは経年劣化による変形(熱ひずみ)が起こる等の損傷を生じる問題があり、又、遮断板13の中心側に備えられるシール装置18との取合い部に不具合を生じることがあり、このような問題のために、定期的に保守点検を行って、遮断板13に損傷等が発現した場合には新しい遮断板13と交換している。
【0015】
前記遮断板は備えていないが、従来から知られる一般的な膨張タービンとしては特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2000−120402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、近年では、前記したような大型の膨張タービンは製造されておらず、従って前記したような直径が1000mmを超えるような大型の遮断板13も製造されていない。即ち、前記フェノール樹脂板31の製造は非常に大変で高価であり、しかも、前記大径の遮断板13等の需要が無くなったために、近年製造されているフェノール樹脂板は、現在も需要がある一辺の大きさが1000mm程度の正方形で厚さ寸法が最大で100mm前後のものが上限となっている。
【0018】
このため、現在稼働している大型の膨張タービンに備えられる直径が1000mmを超える例えば直径1200mmの遮断板13を、現在製造されている一辺の大きさが1000mmのフェノール樹脂板で製造することはできず、このために、稼働中の遮断板13が損傷した場合にも、新しいものと交換することができないために、膨張タービンの運転を継続できないという問題が生じていた。
【0019】
しかし、このような大型の膨張タービンにおいても運転を継続する必要があり、このために、フェノール樹脂により製造された直径が1000mmを超えるような大径の遮断板が要求されている。
【0020】
本発明は、上記課題に鑑みてなしたもので、冷熱を生成する膨張タービンに備えて断熱を行うための大径の遮断板の製造を可能にした膨張タービンの遮断板を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1に係る発明は、軸受部ハウジングに支持された回転軸の一端にタービンインペラが固定され、前記回転軸の他端に圧縮機インペラが固定され、前記タービンインペラを囲繞する膨張室側ハウジングが前記軸受部ハウジングの一側に固定され、前記圧縮機インペラを囲繞する圧縮室側ハウジングが前記軸受部ハウジングの他側に固定されており、前記膨張室側ハウジングと前記軸受部ハウジングとの間に遮断板を備えて断熱を行うようにしている膨張タービンの前記遮断板が、フェノール樹脂板から円板状に形成された中心板と、該中心板の外周に配置されフェノール樹脂板から円弧状に形成された複数の円弧板とを有し、且つ、前記中心板と円弧板との間及び隣接する円弧板の端部相互の間に、互いに重なり合って組み合わされる段部を有し、各段部の組み合わせ時に当接する対向面を接着剤により固定したことを特徴とする膨張タービンの遮断板である。
【0022】
請求項2に係る発明は、前記中心板及び円弧板が矩形のフェノール樹脂板から加工形成されることを特徴とする請求項1に記載の膨張タービンの遮断板である。
【0023】
請求項3に係る発明は、前記中心板と円弧板との間の段部における厚さ方向の対向面と、隣接する円弧板の端部相互の間の段部における厚さ方向の対向面とがフェノール樹脂板の厚さ方向に変位していることを特徴とする請求項1又は2に記載の膨張タービンの遮断板である。
【0024】
請求項4に係る発明は、前記接着剤がエポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の膨張タービンの遮断板である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の膨張タービンの遮断板によれば、フェノール樹脂板から形成した中心板と該中心板の外周に配置される円弧板との間、及び隣接する円弧板の端部相互の間に、互いに重なり合って組み合わされる段部を有し、各段部の組み合わせ時に当接する対向面に接着剤を配して固定することにより遮断板としたので、限られた大きさのフェノール樹脂板から大径の遮断板を容易に製造して提供できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例である膨張タービンの遮断板の一例を示す斜視図である。
【図2】図1をII方向から見た斜視図である。
【図3】図2の段部をIII方向から見た断面図である。
【図4】フェノール樹脂板を用いて中心板を製造する状態を示す平面図である。
【図5】フェノール樹脂板を用いて円弧板を製造する状態を示す平面図である。
【図6】フェノール樹脂板を用いて別の円弧板を製造する状態を示す平面図である。
【図7】従来の遮断板を備えた膨張タービンの一例を示す断面図である。
【図8】従来のフェノール樹脂板を製造する工程を示す行程図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。
【0028】
図1は本発明の膨張タービンの遮断板の一実施例を示す斜視図、図2は図1をII方向から見た斜視図である。図1、図2に示す遮断板50は、フェノール樹脂によって円板状に形成した中心板51と、フェノール樹脂から円弧状に形成して前記中心板51の外周に配置するようにした複数の円弧板52とにより構成されている。図2の円弧板52は、中心板51の外周を包囲するように90゜の角度を有して4個備えた場合を示している。前記中心板51の外周縁と円弧板52の内周縁との間には、図1〜図3に示すように、半径方向に重なり合って組み合わされる周方向に延びた内側の周方向段部53が形成してあり、又、前記各円弧板52の隣接する端部相互の間には、周方向に重なり合って組み合わされる半径方向に延びた半径方向段部54が形成されている。そして、前記中心板51と円弧板52との間に形成される内側の周方向段部53における厚さ方向の対向面53aと、半径方向に突き当たる対向面53b、及び、前記円弧板52の隣接する端部相互間に形成される半径方向段部54における厚さ方向の対向面54aと、周方向に突き当たる対向面54bには、接着剤Pが配されて、中心板51と円弧板52との間、及び円弧板52の端縁同士が一体に固定されている。又、前記円弧板52の外周縁には、図7に示した蛇腹20を取り付けるための外側の周方向段部55が形成されている。
【0029】
前記中心板51と円弧板52との間に備える周方向段部53の厚さ方向の対向面53aは、相互に厚さの1/2の位置に設けられており、一方、隣接する円弧板52の端部相互の間に備える半径方向段部54の厚さ方向の対向面54aは、前記周方向段部53の厚さ方向の対向面53aから厚さ方向に変位した(ずれた)位置に設けられている。
【0030】
前記中心板51には、図7に示した固定ネジ15によって遮断板50を膨張室側ハウジング7に固定し、又、固定ネジ16によって遮断板50を軸受部ハウジング1に固定するための固定孔56が形成されている。又、前記円弧板52には、図7に示した固定ネジ17によって遮断板50をシールガス導入板14に固定するための固定孔57が形成されていると共に、固定ネジ20'によって蛇腹20を取り付けるための固定孔58が前記外側の周方向段部55に形成されている。
【0031】
前記段部53,54を接着する接着剤Pには、エポキシ系接着剤を用いることが好ましい。エポキシ系接着剤としては、2液性エポキシ−ポリアミド系接着剤を用いることができる。
【0032】
図8に示した方法によって現在製造されている一辺が1000mmの矩形のフェノール樹脂板を用いて、大型の膨張タービンに備えられる直径が1200mm(半径600mm)のような大径の遮断板50を製造するには、以下のような方法を用いて製造することができる。
【0033】
図4は現在製造されている一辺が1000mmの矩形のフェノール樹脂板31を示しており、このフェノール樹脂板31を円板状に裁断加工することによって例えば直径が840mm(半径420mm)の中心板51を製造することができる。中心板51の外周には周方向段部53を形成する。
【0034】
又、図5に示すように、一辺が1000mmの矩形の前記フェノール樹脂板31を用いて、円弧状を有し内側の周方向段部53が前記中心板51の外形に合致する半径420mmで、外側の周方向段部53の半径が600mmである直角(90゜)の円弧板52を製造することができる。円弧板52の隣接する端部相互の間には、半径方向に延びる半径方向段部54を形成する。図5では、1枚のフェノール樹脂板31を用いて2個の円弧板52を製造した場合を示している。
【0035】
尚、図5のフェノール樹脂板31を用いて1枚の円弧板を製造する場合には、外側の円弧の半径が例えば900mm(遮断板としての直径は1800mm)のような大型の円弧板52を製造することも可能である。
【0036】
又、図6に示すようにフェノール樹脂板を用いて、1枚の円弧板を製造する場合には、例えば120゜の円弧板52'を製造することができ、この場合には、前記中心板51の外周に3個の円弧板52'を配置することで遮断板50を製造することができる。
【0037】
次に、上記実施例の作動を説明する。
【0038】
図8に示した方法によって現在製造されている一辺が1000mmの矩形で厚さが100mmのフェノール樹脂板を用いて、図1、図2に示す直径が1200mmの遮断板50を製造する場合について説明する。
【0039】
図4に示すように、一辺が1000mmの矩形のフェノール樹脂板31を円板状に裁断加工することにより、直径が960mm(半径480mm)の中心板51を製造する。
【0040】
又、図5に示すように、一辺が1000mmの矩形の前記フェノール樹脂板31を裁断することにより、内側の円弧が前記中心板51の外形に合致する420mmの半径で、外側の円弧の半径が600mmとなる直角の円弧板52を製造する。
【0041】
更に、前記中心板51の外周縁と円弧板52の内周縁との間には、図3に示すように、半径方向に重なり合って組み合わされる周方向に延びた内側の周方向段部53を形成する。又、前記各円弧板52の隣接する端部相互の間には、周方向に重なり合って組み合わされる半径方向に延びた半径方向段部54を形成する。
【0042】
そして、前記中心板51と円弧板52との間に形成される内側の周方向段部53における厚さ方向の対向面53aと、半径方向に突き当たる対向面53b、及び、前記円弧板52の隣接する端部相互間に形成される半径方向段部54における厚さ方向の対向面54aと、周方向に突き当たる対向面54bには接着剤Pを塗布し、中心板51と円弧板52との間、及び円弧板52の端縁同士を接着することにより一体に固定する。これにより、直径が1200mmの遮断板50を容易に製造することができる。
【0043】
前記段部53,54を接着する接着剤Pには2液性エポキシ−ポリアミド系接着剤のようなエポキシ系接着剤を用いることができ、本発明者は、エポキシ系接着剤を用いて中心板51と円弧板52を一体に組み立てた遮断板によれば、図7の膨張タービンのように常温から−130℃〜−170℃の極低温までの極めて幅広く温度変化する厳しい環境での使用に対しても、所要の強度と高い断熱性が発揮できることを得た。
【0044】
又、前記中心板51は固定孔56を通して図7の固定ネジ15,16により膨張室側ハウジング7と軸受部ハウジング1に固定されるのに対し、円弧板52は固定孔58を通して図7の固定ネジ20'により蛇腹20に固定されていて、円弧板52には大きな応力が作用しないことにより、前記接着剤Pによる段部53,54には応力が作用しない利点を有する。
【0045】
更に、前記中心板51と円弧板52との間に備える周方向段部53の厚さ方向の対向面53aと、隣接する円弧板52の端部相互の間に備える半径方向段部54の厚さ方向の対向面54aを、互いに厚さ方向に変位して(ずれて)設けることにより、段部53,54の全てにおいて重なり部が生じ、これによって、接着強度が高められると共にシール性が向上される利点がある。
【0046】
尚、本発明の膨張タービンの遮断板は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、円弧板の数には限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 軸受部ハウジング
2 回転軸
3 タービンインペラ
4 圧縮機インペラ
7 膨張室側ハウジング
10 圧縮室側ハウジング
31 フェノール樹脂板
50 遮断板
51 中心板
52 円弧板
52' 円弧板
53 周方向段部(段部)
53a 対向面
53b 対向面
54 半径方向段部(段部)
54a 対向面
54b 対向面
P 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受部ハウジングに支持された回転軸の一端にタービンインペラが固定され、前記回転軸の他端に圧縮機インペラが固定され、前記タービンインペラを囲繞する膨張室側ハウジングが前記軸受部ハウジングの一側に固定され、前記圧縮機インペラを囲繞する圧縮室側ハウジングが前記軸受部ハウジングの他側に固定されており、前記膨張室側ハウジングと前記軸受部ハウジングとの間に遮断板を備えて断熱を行うようにしている膨張タービンの前記遮断板が、フェノール樹脂板から円板状に形成された中心板と、該中心板の外周に配置されフェノール樹脂板から円弧状に形成された複数の円弧板とを有し、且つ、前記中心板と円弧板との間及び隣接する円弧板の端部相互の間に、互いに重なり合って組み合わされる段部を有し、各段部の組み合わせ時に当接する対向面を接着剤により固定したことを特徴とする膨張タービンの遮断板。
【請求項2】
前記中心板及び円弧板が矩形のフェノール樹脂板から加工形成されることを特徴とする請求項1に記載の膨張タービンの遮断板。
【請求項3】
前記中心板と円弧板との間の段部における厚さ方向の対向面と、隣接する円弧板の端部相互の間の段部における厚さ方向の対向面とがフェノール樹脂板の厚さ方向に変位していることを特徴とする請求項1又は2に記載の膨張タービンの遮断板。
【請求項4】
前記接着剤はエポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の膨張タービンの遮断板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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