説明

膨張可能アクセスアセンブリ

【課題】外科手術手順において使用する圧縮可能アクセスアセンブリを提供すること。
【解決手段】アクセスアセンブリであって、実質的に円筒形の圧縮可能部材を含む基部であって、該圧縮可能部材は該圧縮可能部材を通って延びる少なくとも第1の管腔を規定する、基部と、細長いほぼ円筒形の膨張可能スリーブであって、該膨張可能スリーブは、該基部に接続され、該基部の円周方向のまわりに配置され、該膨張可能スリーブは、該基部がほぼ横切る内部表面を有し、該膨張可能スリーブは、組織の開口部内に該アクセスアセンブリを選択的に保持するように構成されている、膨張可能スリーブとを備えている、アクセスアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2011年1月24日に出願された米国仮出願第61/435,426号の利益および優先権を主張する。この仮出願の全内容が、本明細書において参照により援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、外科手術手順において使用する圧縮可能アクセスアセンブリに関する。より詳細には、本開示は、膨張可能スリーブを含む圧縮可能アクセスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
開口部または切開を通って体腔内で受容されるように構成されるアクセスアセンブリが公知であり、そこを通ってアクセスアセンブリを挿入する方法もまた公知である。伝統的なアクセスアセンブリは、体壁の組織を通って体腔内で受容される硬いカニューレを含む。内視鏡、腹腔鏡および他の適切な器具が、密封態様で体腔にアクセスするように、カニューレの近位端に位置するハウジングを通って方向付けられ得る。
【0004】
体腔にアクセスし、密封態様で体腔を通して器具を受容することを可能にするように構成された圧縮可能アセンブリもまた公知である。このような圧縮可能アセンブリは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、発泡体、ゲルおよび他の圧縮可能な材料から構成され、切開内への挿入を容易にするために圧縮されるように構成される。典型的には、このようなアセンブリは、指を用いて、または、把持デバイス(すなわち、鉗子)の支援により外科医によって変形される。アセンブリの圧縮は、アセンブリの外径を低減することにより、アセンブリの切開内での受容を容易にする。圧縮力が解放されると、圧縮されたアセンブリは、非圧縮の構成に戻る。
【0005】
圧縮アセンブリへの圧縮力の適用は、手によるか、または、挿入デバイスを使用するかにかかわらず、過度に扱うことはアセンブリを損傷し得る。さらに、挿入の間にアクセスアセンブリに対する圧縮力を維持し、アクセスアセンブリの取り外しの間に圧縮力を再適用することは、周りの組織への損傷をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、制限された圧縮力で、開口部を通して受容され、開口部から取り外されることが可能な圧縮可能アクセスアセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に従うと、本発明は、アクセスアセンブリに関し、このアクセスアセンブリは、実質的に円筒形の圧縮可能部材を含む基部であって、圧縮可能部材は圧縮可能部材を通って延びる少なくとも第1の管腔を規定する、基部と、細長いほぼ円筒形の膨張可能スリーブであって、膨張可能スリーブは、基部に接続され、基部の円周方向のまわりに配置され、膨張可能スリーブは、基部がほぼ横切る内部表面を有し、膨張可能スリーブは、組織の開口部内にアクセスアセンブリを選択的に保持するように構成されている、膨張可能スリーブとを備えている。
【0008】
膨張可能スリーブは、上部リムと下部リムとを含み得る。膨張可能スリーブおよび基部の一方または双方が、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、発泡体、ゲルの少なくとも1つで構成され得る。基部は、基部の周りで選択的に固定され得るか、または、基部は、接着剤、溶接、接合もしくは機械的ファスナによって基部に取り付けられ得る。基部は、少なくとも第1の管腔内に少なくとも1つのバルブ部材を含み得る。
【0009】
一実施形態において、組織の開口部は切開である。代替的に、組織の開口部は自然発生のオリフィスであり得る。膨張可能スリーブは、膨張した状態と収縮した状態とを含み得る。また、膨張可能スリーブは、少なくとも第1の膨張可能部分と第2の膨張可能部分とを含み得る。さらに、膨張可能スリーブは、第3の膨張可能部分を含み得る。膨張可能スリーブは、膨張流体の供給源と動作可能に接続するように構成される注入ポートを含み得る。
【0010】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
アクセスアセンブリであって、
実質的に円筒形の圧縮可能部材を含む基部であって、該圧縮可能部材は該圧縮可能部材を通って延びる少なくとも第1の管腔を規定する、基部と、
細長いほぼ円筒形の膨張可能スリーブであって、該膨張可能スリーブは、該基部に接続され、該基部の円周方向のまわりに配置され、該膨張可能スリーブは、該基部がほぼ横切る内部表面を有し、該膨張可能スリーブは、組織の開口部内に該アクセスアセンブリを選択的に保持するように構成されている、膨張可能スリーブと
を備えている、アクセスアセンブリ。
(項目2)
上記膨張可能スリーブが上部リムと下部リムとを含む、上記項目に記載のアクセスアセンブリ。
(項目3)
上記膨張可能スリーブおよび上記基部のうちの少なくとも1つが、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、発泡体、ゲルのうちの少なくとも1つで構成されている、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目4)
上記基部は、該基部の周りで選択的に固定される、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目5)
上記基部は、接着剤、溶接、接合、または機械的ファスナによって該基部にしっかりと取り付けられる、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目6)
上記基部は、上記少なくとも第1の管腔内に少なくとも1つのバルブ部材を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目7)
上記組織の開口部は、切開である、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目8)
上記組織の開口部は、自然発生のオリフィスである、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目9)
上記膨張可能なスリーブは、膨張した状態と、収縮した状態とを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目10)
上記膨張可能スリーブは、少なくとも、第1の膨張可能部分と第2の膨張可能部分とを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目11)
上記膨張可能スリーブは、第3の膨張可能部分をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目12)
上記膨張可能スリーブは、膨張流体の供給源と動作可能に接続するように構成されている注入ポートを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
【0011】
摘要
組織の開口部を通って体腔にアクセスするアセンブリが提供される。このアクセスアセンブリは、実質的に円筒形の圧縮部材を有する基部を含み、この圧縮部材は、外科手術器具を受容するように構成される少なくとも第1の管腔を規定する。このアクセスアセンブリは、基部のまわりで固定された膨張可能スリーブをさらに含む。膨張可能スリーブは、組織の開口部によりアクセスアセンブリを選択的に保持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
可撓性アクセスアセンブリの実施形態が、図面を参照して本明細書に開示される。
【図1】図1は、膨張流体の供給源に動作可能に接続された、本開示に従うアクセスアセンブリの実施形態の透視図である。
【図2】図2は、収縮した状態における、図1のアクセスアセンブリの側面断面図である。
【図3】図3は、膨張した状態における、図1のアクセスアセンブリの側面断面図である。
【図4】図4は、組織の切開を通して挿入する前の、収縮した構成における図1のアクセスアセンブリの側面断面図である。
【図5】図5は、収縮し、圧縮された状態における図1のアクセスアセンブリの側面断面図である。
【図6】図6は、組織の切開を通して挿入した際の収縮した状態における図5のアクセスアセンブリの側面断面図である。
【図7】図7は、膨張した状態で、組織の切開内にしっかりと受容されている、図6のアクセスアセンブリの側面断面図である。
【図8】図8は、図7のアクセスアセンブリの側面断面図であり、アクセスアセンブリを通して受容された外科手術デバイスを含む。
【図9】図9は、本開示に従うアクセスアセンブリの代替的な実施形態の側面断面図である。
【図10】図10は、本開示に従うアクセスアセンブリの別の実施形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示される膨張可能アクセスアセンブリの実施形態がここで図面を参照して詳細に説明され、図面において、同様の数字は、いくつかの図面の各々において同一の要素または対応する要素を指定する。当該分野で一般的であるように、用語「近位」は、ユーザまたはオペレータ(すなわち外科医または内科医)に近い側の部分またはコンポーネントをいい、一方、用語「遠位」は、ユーザから離れている部分またはコンポーネントをいう。本開示のアクセスアセンブリは、腹壁の切開を通して腹腔にアクセスすることに関連するように記載されているが、本開示のアクセスアセンブリは、他の閉鎖手順(すなわち、腹腔鏡、関節鏡、内視鏡)において使用するように改変され得る。さらに本開示のアクセスアセンブリは、自然発生のオリフィス(例えば、肛門、膣)を通して内腔または管腔にアクセスすることに使用するように改変され得る。
【0014】
最初に、図1を参照すると、本開示の実施形態に従う膨張可能アクセスアセンブリが、概して、アクセスアセンブリ100として示されている。アクセスアセンブリ100は、組織の開口部(すなわち、切開)を通した挿入のために構成され、その結果、挿入後、アクセスアセンブリ100は、開口部内に密封を作製し、この開口部を通して、外科医が1つ以上の外科手術器具を挿入および操作して手順を完了し得る。
【0015】
図1〜3を参照すると、アクセスアセンブリ100は、基部110と、膨張可能スリーブまたはフランジ120とを含む。基部110およびスリーブ120は、様々な材料(例えば、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、発泡体、ゲルなど)で形成され得る。基部110およびスリーブ120は、同一の材料または異なる材料で構築され得る。一実施形態において、基部110は、発泡体構造物を形成するために、不活性ガス(例えば、COまたは窒素)を注入されたTPE材料を含み、一方、スリーブ120は、膨張時にスリーブ120の拡張を可能にする弾性材料で形成される。基部110およびスリーブ120は、一体的に形成され得る。代替的に、スリーブ120は、接着剤、溶接、接合、ファスナまたは他の任意の適切な方法で基部110に固定される。スリーブ120は、滑らかな表面を作製するために、潤滑剤(例えば、パリレンNまたはC)でコーティングされ得る。様々な他のコーティング(例えば、親水性、疎水性、生体因子(bio−agent)、抗炎症剤、鎮痛剤)もまた、アクセスアセンブリ100の特徴を向上させるため、または、特定の手順にアクセスアセンブリ100を適合するために採用され得る。
【0016】
ここで、特に図2および3を参照すると、アクセスアセンブリ100の基部110は、実質的に円筒形の本体112を含み、この実質的に円筒形の本体が、この本体を通って延びる1つ以上の管腔114、116を規定する。示されるように、基部110は、実質的に同様の直径の器具を受容するために実質的に同様の大きさおよび形状を有する2つの管腔114、116を含む。代替的に、管腔114、116は、異なる構成の器具を受容するための異なる大きさおよび/または形状を有し得る。一実施形態において、基部110は、単一の大きな器具を受容するための単一の管腔を規定する。管腔114、116は、基部110を通って延び、それぞれ、長手方向軸「x1」、「x2」を規定し、外科手術器具、カニューレアセンブリ、バルブアセンブリおよび/または注入装置を密封態様で受容するように構成されている。一実施形態(図10)において、第1および第2の管腔114、116は、各々角度をつけられて提供され、その結果、器具は管腔を通って、管腔の遠位端から所定の距離にある点「P」で交差するように方向付けられる。管腔114、116の一方または双方が、それぞれ、1つ以上のバルブ部材114a、114b、116a、116b(図2に想像線で示される)を含み、管腔を通して、外科手術デバイス「D1」、「D2」の密封された受容を可能にし得る。管腔114、116は、少なくとも管腔の長さに沿って延びる保護ライニング(図示せず)を含み、外科手術デバイス「D1」、「D2」が管腔を通って受容および操作される際に、基部110を引っ掻くことを防ぐ。管腔114、116は、また、管腔を通る外科手術デバイス「D1」、「D2」の挿入を支援するために潤滑剤でコーティングされ得る。
【0017】
なお、図2および3を参照すると、アクセスアセンブリ100は、基部110の周りでしっかりと受容されるように構成された膨張可能スリーブ120をさらに含む。上述されたように、スリーブ120は、基部110と一体的に形成され得るか、または、代わりに、接着剤、溶接、接合、ファスナまたは任意の他の適切な方法で基部110にしっかりと取り付けられ得る。スリーブ120は、中央部分122を含み、中央部分122は、その近位端122aに位置する上部リム124と、その遠位端122bに位置する下部リム126とを有する。中央部分122は、膨張流体を受容するための空洞123を規定する。使用中、中央部分122は、組織T(図6)の厚さにわたるように構成されるが、収縮状態においては、中央部分122は、基部110と同程度の長さであり得る。以下にさらに詳細に論じられるように、膨張状態において、スリーブ120の上部リム124および下部リム126は、切開「I」(図6)を通って長手方向にアクセスアセンブリを動かすことを防ぐことを助ける。組織の厚さは、患者の体組成および下にある組織にアクセスされる位置に依存しているので、概して、アクセスアセンブリ100の長さおよび大きさは、そして、具体的には、膨張可能スリーブ120の長さおよび大きさは、所与の手順に合うように改変され得る。このようにして、脂肪の多い腹部組織を有する大人の患者は、子供に寸法を合わせたアクセスアセンブリより長い中央部分122を有するアクセスアセンブリを必要とし得る。
【0018】
図1に戻り、簡単に参照すると、膨張可能スリーブ120は、チュービング121aを介して膨張流体50の供給源に動作可能に接続された膨張可能スリーブ120の近位端に注入ポート121を含む。チュービング121aは、ポート121に選択的にまたは恒久的に固定され得る。膨張流体50の供給源は、ハンドポンプ、携帯型ガス供給源(すなわち、ガスカートリッジおよびディスペンサー)、エアコンプレッサーまたは流体を膨張可能スリーブ120に提供する任意の他の方法を含み得る。膨張可能スリーブ120を充填するために使用される膨張流体は典型的には気体であるが、スリーブ120が、CO、窒素、食塩水またはこれらの組み合わせを含む、任意の適切な流体を注入され得ることが想定される。注入ポート121は、バルブ(図示せず)を含み、手順の完了時に、膨張ガスを放出することを可能にし得る。
【0019】
ここで、図2を参照すると、収縮した状態において、アクセスアセンブリ100の膨張可能スリーブ120は、組織「T」(図6)の切開「I」(図6)を通って挿入されるように構成される。収縮した状態において、中央部分122の近位端122aおよび遠位端122bに形成された上部リム124および下部リム126は、より目立たない状態になることにより、切開「I」を通るアクセスアセンブリ100の挿入を容易にする。図5を参照して論じられるように、基部110は、切開「I」を通るアクセスアセンブリ100の挿入を容易にするためにさらに圧縮され得る。
【0020】
ここで、図3を参照すると、膨張した状態において、アクセスアセンブリ100の膨張可能スリーブ120は、組織「T」(図6)の切開「I」(図6)内で固定されるように構成される。膨張可能スリーブ120の膨張は、中央部分122を拡張および/または伸張させる。このようにして、上部リム124および下部リム126は、目立つようになる。膨張可能スリーブ120は、組織「T」との密封を確実にするために必要に応じて、より大きくまたはより小さく膨張され得る。
【0021】
アクセスアセンブリ100の使用が、ここで、図4〜8を参照して説明される。以下の議論は、切開「I」を通り体腔「C」にアクセスするためにアクセスアセンブリ100を使用することを含む。上述されたように、アクセスアセンブリ100は、自然発生のオリフィス(例えば、肛門)を含む体の他の開口部を通って他の空洞または管腔にアクセスするために使用され得る。
【0022】
最初に図4を参照すると、収縮した状態で提供されていない場合には、アクセスアセンブリ100の膨張可能スリーブ120が収縮される。切開「I」(図6)が、その後、体腔「C」にアクセスするために組織「T」(図6)を通して作製される。膨張可能スリーブ120が収縮されているときに、切開「I」を通る受容は可能であるが、アクセスアセンブリ100は、切開「I」を通るアクセスアセンブリ100の挿入をさらに容易にするように圧縮され得る。
【0023】
ここで、図5を参照すると、基部110の圧縮可能な性質は、アクセスアセンブリ100の圧縮を可能にし、切開「I」を通るアクセスアセンブリ100の挿入をさらに容易にする。示されるように、アクセスアセンブリ100の遠位端は、矢印「A」で示されるように内側に押され、基部110を圧縮して、切開「I」を通る挿入のためにアクセスアセンブリ100をさらに細くする。膨張可能スリーブ120が、切開「I」へのアクセスアセンブリ100の挿入の間に収縮するように示されているが、膨張可能スリーブ120が挿入の間に膨張したまままたは部分的に膨張したままであり得ることが想定される。このようにして、膨張可能スリーブ120が、切開「I」を通るアクセスアセンブリ100の受容を可能にするために収縮される必要がないように、基部110は十分に圧縮され得る。
【0024】
図7を参照すると、切開「I」を通して受容されると、基部110は、初期の未圧縮の状態に戻ることを可能にされる。膨張可能スリーブ120は、その後、切開「I」内にアクセスアセンブリ100を固定するように膨張され、それにより体腔「C」を密封する。膨張可能スリーブ120は、切開「I」内でアクセスアセンブリ100を固定および密封するために必要に応じて、より大きくまたはより小さく膨張され得る。
【0025】
ここで、図8を参照すると、アクセスアセンブリ100は、従来の態様で動作し得る。上述されたように、管腔114、116は、それぞれ、管腔を通る1つ以上外科手術デバイス「D1」、「D2」を受容するように構成されている。切開「I」内からのアクセスアセンブリ100の取り外しは、挿入とは逆の順序で起こる。膨張可能スリーブ120は最初に収縮される。その後、基部110は、アクセスアセンブリ100が切開「I」から引き出される前に圧縮され得る。代替的に、基部110が切開「I」からのアクセスアセンブリ100の引き出しを可能にするように圧縮されたとき、膨張可能スリーブ120は膨張されたままであり得る。いったんアクセスアセンブリ100が切開「I」から取り除かれると、切開「I」は従来の態様で閉鎖される。
【0026】
ここで、図9を参照すると、本開示の代替的な実施形態に従うアクセスアセンブリが、概して、アクセスアセンブリ200として示される。アクセスアセンブリ200は実質的にアクセスアセンブリ100と類似しているので、これらの差に関してのみ説明される。アクセスアセンブリ200は基部210とスリーブ220とを含む。基部210は、矢印「B」によって示されるように、膨張可能スリーブ220に対する回転運動のために構成される。一実施形態において、基部210は、膨張可能スリーブ220の中央部分222内に選択的に受容されるように構成される。
【0027】
さらに図9を参照すると、膨張可能スリーブ220は、上部リム224に位置する第1の膨張空洞223aと、中央部分222に位置する第2の膨張空洞223bと、下部リム226に位置する第3の膨張空洞223cとを規定する。第1の膨張空洞223a、第2の膨張空洞223bおよび第3の膨張空洞223cは、それぞれ、注入ポート221を通して膨張流体50(図1)の供給源に個別に接続されている。従って、スリーブ220の上部リム224、下部リム226および中央部分222は、アクセスされる空洞の構成および位置に依存して選択的に膨張され得る。このようにして、アクセスアセンブリ200は、切開「I」によってよりしっかりと受容され得る。
【0028】
様々な改変が本明細書に開示される実施形態に対してなされ得ることが理解される。従って、上記の記載は、限定として解釈されるべきではなく、単なる特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲および精神内で他の改変を想定する。例えば、基部または膨張可能スリーブのいずれかが、溝またはリップを有し得、基部または膨張可能スリーブのもう一方が対応するリップまたは溝を有し得、一方の溝がもう一方のリップと係合して、基部と膨張可能スリーブに連結するように構成される。
【符号の説明】
【0029】
100 アクセスアセンブリ
110 基部
114、116 管腔
120 膨張可能スリーブまたはフランジ
122 中央部分
124 上部リム
126 下部リム
D1、D2 外科手術デバイス
x1、x2 長手方向軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスアセンブリであって、
実質的に円筒形の圧縮可能部材を含む基部であって、該圧縮可能部材は該圧縮可能部材を通って延びる少なくとも第1の管腔を規定する、基部と、
細長いほぼ円筒形の膨張可能スリーブであって、該膨張可能スリーブは、該基部に接続され、該基部の円周方向のまわりに配置され、該膨張可能スリーブは、該基部がほぼ横切る内部表面を有し、該膨張可能スリーブは、組織の開口部内に該アクセスアセンブリを選択的に保持するように構成されている、膨張可能スリーブと
を備えている、アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記膨張可能スリーブが上部リムと下部リムとを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記膨張可能スリーブおよび前記基部のうちの少なくとも1つが、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、発泡体、ゲルのうちの少なくとも1つで構成されている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記基部は、該基部の周りで選択的に固定される、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記基部は、接着剤、溶接、接合、または機械的ファスナによって該基部にしっかりと取り付けられる、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記基部は、前記少なくとも第1の管腔内に少なくとも1つのバルブ部材を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記組織の開口部は、切開である、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記組織の開口部は、自然発生のオリフィスである、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記膨張可能なスリーブは、膨張した状態と、収縮した状態とを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記膨張可能スリーブは、少なくとも、第1の膨張可能部分と第2の膨張可能部分とを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記膨張可能スリーブは、第3の膨張可能部分をさらに含む、請求項10に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項12】
前記膨張可能スリーブは、膨張流体の供給源と動作可能に接続するように構成されている注入ポートを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−152554(P2012−152554A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−9772(P2012−9772)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】