説明

膨張管分離デバイス

シームに沿って部品を分離する分離デバイスは、壊れ易い構造と、壊れ易い構造内の圧力管アセンブリとを含んでいる。圧力管アセンブリは、圧力管を含んでいる。圧力管は、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる。爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させて、圧力管を膨張させて、衝撃力で壊れ易い構造を壊すことができる。更に、圧力管アセンブリは、爆薬マニホルドを含んでいる。爆薬マニホルドは、壊れ易い構造の中の窪みに置かれていて、壊れ易い構造の外側表面から突き出ていない。爆薬マニホルドは、圧力管の端部を受け取る。爆薬マニホルドは、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを爆発させる爆発装置を含んでいる。爆薬マニホルドは、圧力管の円形の端部を受け入れるための円形の断面の継ぎ手を有している。圧力管アセンブリのどの部分も壊れ易い構造から突き出ないようにすることによって、改善された性能を得ることができる。更に、円形の継ぎ手を有すると、圧力管と爆薬マニホルドとの間におけるシールが改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の権利
本発明は、海軍省との契約番号HQ0276−08−C−0001のもとで米国政府の支援を伴って作成された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
本発明の技術分野
本発明は、構造又は構造の部分を物理的に分離するデバイスの分野に含まれる。
【背景技術】
【0003】
ロケット又はミサイルのステージのような部品を物理的に分離する分離デバイスは、壊れ易いコンポーネント(frangible component)を含んでいる。壊れ易いコンポーネントは、起爆させられる、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード(explosive detonation assembly/cord)を含んでいる圧力管によって破砕される。このようなデバイスには、改善/修正の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様によると、分離デバイスの圧力管アセンブリは、分離デバイスの壊れ易い構造内の窪みに置かれていて、圧力管アセンブリの実質的な部分は、壊れ易い構造の外側表面を越えて突き出ていない。
【0005】
本発明の別の態様によると、圧力管アセンブリの実質的な部分は、壊れ易い構造の分離表面又は面を越えて突き出ていない。
【0006】
本発明の別の態様によると、分離デバイスの圧力管は、楕円形の断面の中央部と、円形の断面の端部とを有する。
【0007】
本発明の更に別の態様によると、分離デバイスは、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる圧力管と、円形の断面の端部とを有している。端部は、爆薬マニホルドの丸いボス又は継ぎ手に係合している。端部をボスに固定するために、クランプが使用され得る。このような固定は、丸い端部の材料を変形させて、例えば、変形させた材料をボスの保持溝に入れることを含み得る。
【0008】
本発明の更に別の態様によると、分離デバイスは、分離される部品間のシームに沿って配置された外側表面を有する壊れ易い構造と、壊れ易い構造に嵌め込まれた圧力管アセンブリと、を含んでいる。圧力管アセンブリは、起爆させたときに外側表面に沿って壊れ易い構造を破砕する、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる圧力管と、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させる爆発装置と、を含んでいる。全体的な爆薬アセンブリは、ドナーポートのような、爆発装置(雷管)をスクリュで留めている爆薬マニホルドから構成されていて、圧力管の端部である残りの2つの追加のアクセプタポートに、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを固定して、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを爆発装置によって起爆させることができる。圧力管と、爆発装置と、爆薬マニホルドは全て、実質的に完全に、壊れ易い構造の外側表面の内側にある。
【0009】
本発明の別の態様によると、分離デバイスは、分離される部品間のシームに沿って配置された外側表面を有する壊れ易い構造と、壊れ易い構造に嵌め込まれた圧力管アセンブリと、を含んでいる。圧力管アセンブリは、起爆させたときに外側表面に沿って壊れ易い構造を破砕する、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる圧力管と、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させる爆発装置と、爆発装置によって爆薬を爆発させるアセンブリ/コードの起爆を可能にするように、全ての爆薬コンポーネントを含んでいる爆薬マニホルドと、を含んでいる。圧力管は、外被(ケーシング)を含み、外被は、実質的に円形の断面の端部を有しており、実質的に円形の断面の端部は、爆薬マニホルドの丸いボスに係合している。
【0010】
本発明の更に別の態様によると、分離デバイスの圧力管を作る方法は、実質的に円形の断面の端部と楕円形の断面の中央部分とを含んでいる外被を提供するステップと、間隔空けコードを、円形の断面の端部のうちの一方に通して、外被の楕円形の断面の中央部分の中に送るステップと、外被の楕円形の断面の中央部分の中の間隔空けコード間に、弾薬ホルダが存在するように、弾薬ホルダを外被の中に挿入して、挿入の結果、弾薬ホルダによって囲まれている爆薬を爆発させるアセンブリ/コードの一部分が、端部の少なくとも一方から外部に達するようにするステップと、を含んでいる。
【0011】
上述の目的及び関連する目的の達成のために、以下の説明と添付の図面は、本発明の特定の例示的な実施形態を詳しく示している。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原理が用いられ得る様々なやり方のうちのほんの幾つかを示しているだけである。添付の図面と併せて検討したときに、本発明の以下の詳細な説明から、本発明の他の目的と、長所と、新規な特徴が、明らかになるであろう。
【0012】
添付の図面は、本発明の様々な特徴を示している。添付の図面は、必ずしも等倍ではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に基づく、分離デバイスの分解組み立て図である。
【図2】ロケット又はミサイルの一部分として図1の分離デバイスを示す図である。
【図3】図1の分離デバイスの一部分を含む、図2のロケット又はミサイルの一部分の詳細な切り取り図である。
【図4A】図1の分離デバイスの別の部分を含む、図2のロケット又はミサイルの別の部分の詳細を示す断面図である。
【図4B】図1の分離デバイスの一部分として使用可能な代わりの実施形態の弾薬ホルダを示している。
【図5】図1の分離デバイスの壊れ易い構造の一部分の部分図である。
【図6】図1の分離デバイスの圧力管の平面図である。
【図7】図1の圧力管の外被の端部を示す詳細な図である。
【図8】図1の圧力管の外被の端部を示す別の詳細な図である。
【図9】図1の分離デバイスの爆薬マニホルドの斜視図である。
【図10】図9の爆薬マニホルドの別の斜視図である。
【図11】図1の分離デバイスの一部分として使用可能な第1の実施形態のクランプの斜視図である。
【図12】図1の分離デバイスの一部分として使用可能な第2の実施形態のクランプの斜視図である。
【図13】図11のクランプを使用した、図9の爆薬マニホルドへの図6の圧力管の接続を示す断面図である。
【図14】図13の接続を示す別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
シームに沿って部品を分離する分離デバイスは、壊れ易い構造と、壊れ易い構造内の圧力管アセンブリとを含んでいる。圧力管アセンブリは、圧力管を含んでいる。圧力管は、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる。爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させて、圧力管を膨張させて、衝撃力又はエネルギで壊れ易い構造を壊すことができる。更に、圧力管アセンブリは、爆薬(爆発)マニホルドを含んでいる。爆薬マニホルドは、壊れ易い構造の中の窪みに置かれていて、壊れ易い構造の外側表面から突き出ておらず、且つ壊れ易い構造の分離表面又は面を越えて突き出ていない。爆薬マニホルドは、圧力管の端部を受け入れる。爆薬マニホルドは、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させる爆発装置を含んでいる。爆発装置はドナーポートにスクリュで留められている。爆薬マニホルドは、圧力管の円形の両端部を受け入れるために、円形の断面のボス又は継ぎ手を有している。性能を向上させるために、且つ壊れ易い構造に嵌め易くするために、圧力管の他の部分は、楕円形の断面を有している。圧力管アセンブリのどの部分も、壊れ易い構造から(径方向に)突き出ないようにすることによって、例えば、ロケット又はミサイルにおけるステージの分離に、この分離デバイスを使用すると、改善された空気力学が達成され得る。更に、圧力管アセンブリのどの部分も、分離表面又は面を越えて(軸方向に)突き出ていないので、チップオフ(tip off)のリスクが軽減又は回避され得る。更に、円形の継ぎ手を有すると、圧力管と爆薬マニホルドとの間におけるシールが改善される。
【0015】
図1は、シームに沿って部品を分離する分離デバイス10を示している。分離デバイス10は、壊れ易い構造12と、圧力管アセンブリ14とを含んでいる。図示されている実施形態において、壊れ易い構造12は、リング状の壊れ易い構造である。壊れ易い構造12は、シームの両側における構造部品に取り付けられている。圧力管アセンブリ14は、圧力管20と爆薬マニホルド22とを含んでいる。後述でより詳しく説明されるように、圧力管20は、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを金属の外被内に含んでいる。爆薬を爆発させるアセンブリ/コードの爆発(デトネーション)は、金属の外被を外方向に膨張させる。これは、事前に処理された破砕線26に沿って壊れ易い構造12を破砕する衝撃を発生させる。破砕線26は、壊れ易い構造12上の、材料が薄くなっている場所にあり得る。例えば、壊れ易い構造12の片側又は両側に溝を備えることによって、材料を薄くする。壊れ易い構造12は、押し出しアルミニウム又は別の適切な材料で作られ得る。後述で更に詳しく説明されるように、爆薬マニホルド22の中に配置されている起爆薬と他のデバイスとによって、爆発プロセスが開始される。
【0016】
図2を参照すると、分離デバイス10がロケット又はミサイル36の一対のステージ30と32にリンクしていることが示されている。ステージ30と32の外被40と42は、壊れ易い構造12の両側に機械的に接続されている。壊れ易い構造12は、ステージを分離する前のステージ30と32との間における主要な物理的な接続と、ステージ30と32との間における恐らく実質的に唯一の物理的な接続とを備えている。
【0017】
壊れ易い構造12の外側表面46は、ロケット又はミサイル36の外側表面の一部分を提供している。圧力管アセンブリ14(図1)のどの部分も、壊れ易い構造の外側表面46を超えて突き出ない。特に、爆薬マニホルド22は、分離デバイス10内の窪みに置かれており、外側表面46を越えて突き出ていない。圧力管アセンブリ14を実質的に全て壊れ易い構造12内に配置することによって、壊れ易い構造の外側表面を越えて突き出ている爆薬マニホルド又は他の部分を有する分離デバイスを利用するロケット又はミサイルよりも、ミサイル又はロケット36は、より良い空気力学的特性を有する。この長所は、先行技術の構成と対照的である。先行技術の構成では、爆薬マニホルドの実質的な部分は、壊れ易い構造の外側表面から突き出ている。
【0018】
外被40と42は、様々な方法のうちの何れかによって、壊れ易い構造12の両端部に物理的に接合され得る。ここで図3と4Aとを更に参照すると、壊れ易い構造12の上部と下部の叉状端部54と56におけるそれぞれのスロット又は切欠き50と52に、外被40と42が嵌り得る。外被40と42を構造の端部50と52に固定するために、締結具58、例えば、リベット、或いは適切なねじ山を切られた締結具、例としてスクリュ又はボルトが使用され得る。ここでは、分離デバイス10は、外被40、42と別々であるように記載されているが、壊れ易い構造12は、外被40と42とのうちの何れかと結合されて、その一部分になり得ることが分かるであろう。
【0019】
図3と4Aとにおいて、圧力管20と爆薬マニホルド22は、破砕線26よりも下に実質的に全部配置されていることが分かる。破砕線26は、ステージ30と32が分離する場所にあるので、ステージ30からステージ32を分離した後に、例えば圧力管アセンブリ14の実質的に全ての質量を含む、分離デバイス10の質量のほとんどが、ステージ32と共に残ることが分かるであろう。この構成は、重要な長所を提供し得ることが分かるであろう。例えば、この構成の1つの長所は、分離する際のチップオフの可能性及び/又は深刻さを軽減することである。ミサイル又はロケットのステージを分離する際に、爆薬マニホルドの部分が分離線よりも上にあると、分離したときに傾いて、ロケット又はミサイルの長手方向(中心)軸に対して垂直な成分を有するモーメントを、ロケット又はミサイルの残りの部分に加えることになり得る。分離線よりも下であって、且つ壊れ易い構造12の外側表面46の内側に、爆薬マニホルド22の実質的に全てを配置すると、チップオフ問題の潜在性が下がる又は無くなる。
【0020】
別の例では、ステージ32は、燃焼後に捨てられる第1のステージであり、ステージ30は、第1のステージ32を分離した後にロケット又はミサイル36と共に残る第2のステージであり得る。圧力管アセンブリ14の実質的に全てが第1のステージ32と共に残るように、圧力管アセンブリ14の実質的に全てを配置することによって、第1のステージ32を分離した後に、ロケット又はミサイル36と共に運ばれる質量がより小さくなる。分離後の質量が減ると、ロケット又はミサイル36を駆動し続けるために必要な燃料の量と、要求されるスラストの量が減る。
【0021】
圧力管アセンブリ14は、起爆薬60と爆発装置の伝爆薬アセンブリ62とを含んでいる。これらは、爆薬マニホルド22に接続されている。起爆薬60と爆発装置62とを使用して、圧力管20内の爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64を起爆させる。爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64は、爆薬マニホルド22の中のチャンバ68に突き出ている。爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64の例示的な材料は、アルミニウム製の外装中の、リニアフット当たりに24粒のヘキサニトロスチルベン(hexanitrostilbene, HNS)のコア、又は爆薬伝達線に一般的な複合材料であるシクロテトラメチレン テトラニトラミン(cyclotetramehylene tetranitramine, HMX)を含む。起爆薬60は、電気入力を爆薬の爆発/衝撃波に変換する。爆発装置の伝爆薬62がこの爆発を増幅させて、爆発/衝撃波を発生させて、次に、爆発/衝撃波が爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64を爆発させるようにする。
【0022】
爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64は、圧力管20の中央に配置される。(後述される)圧力管20の端部を除いて、圧力管20は、楕円形の断面形状を有する。圧力管20の外側には、ステンレス鋼又は他の金属の外被(カップ)70があり、ステンレス鋼又は他の金属の外被(カップ)70が、内部にある内容物を囲んでいる。弾薬ホルダ72と、一対の弾薬ホルダ間隔空けコード(charge holder spacing cord)74、76とによって、鋼製の外被70内の適切な場所に、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64が保持される。弾薬ホルダ72は、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64を取り囲んでおり、且つ外被70の側面に接触している。これにより、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64が外被70内の水平方向の中央に置かれた状態が保たれる。弾薬ホルダ72は、エラストマ材料、例えばシリコーン重合体で作られ得る。爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64の爆発の結果として、弾薬ホルダ72は燃焼又はさもなければ気化し得る。爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64は、弾薬ホルダ72の実質的に中央に配置され得る。
【0023】
間隔空けコード74と76は、弾薬ホルダ72の上部と下部とに置かれ、弾薬ホルダ72と同じ材料で作られ得る。間隔空けコード74と76を使用して、外被70内における弾薬ホルダ72(及び、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64)の垂直方向の間隔を保つ。間隔空けコード74と76は、丸い断面形状を有していて、外被70の内側表面の下部と上部の丸みのある端部に嵌り得る。
【0024】
弾薬ホルダ72は、楕円形の形状を有していて、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64を受け取るために、中央の円形の窪みを備え得る。その代わりに、図4Bの弾薬ホルダ72’において示されているように、間隔空けコード74と76をより安全に係合させるために、弾薬ホルダは、上部と下部に窪みを備えた形状を有していてもよい。この構成は、弾薬ホルダの材料によって埋められた外被70の内部の容量の割合をより大きくし得る。
【0025】
弾薬ホルダ72から離す構成要素として、間隔空けコード74と76を使用すると、圧力管20の組み立てが容易になり得る。特に、後述で更に説明されるように、圧力管20は、円形の端部を有し得る。外被70によって囲まれている内部のエリアを完全に埋めている弾薬ホルダを変形することなく、弾薬ホルダが端部を通ることはできないであろう。間隔空け材料を複数の部分に分割することによって、組み立てが容易になる一方で、更に、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64が外被70内の垂直方向及び水平方向の中央に安全に置かれた状態を維持するという目標を達成し、更に、十分な可燃物材料の量を提供することができる。
【0026】
分離デバイス10の動作の際に、電流を起爆薬60に供給して、爆薬の爆発/衝撃波を発生させる。この爆発は、爆発装置の伝爆薬62によって伝達されて増幅される。次に、伝爆された爆薬の衝撃波は、爆薬マニホルドアセンブリ68内に含まれている爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64の端部を起爆させる。この爆薬の衝撃波のこの速度により、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64の全体が爆発して、熱と加圧ガスとを発生させる。爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64と弾薬ホルダ72の全て又は一部分の、結果として生じた気化により、更なる加圧ガスが発生し得る。外被70内の加圧ガスは、外方向の衝撃波を外被70の側壁に与えて、外被70の形状を楕円形から円形に変えるのに役立つ。この爆薬の衝撃波は、外被70から壊れ易い構造12に外方向に伝わる。壊れ易い構造12に対する衝撃は、事前に処理された破砕線26に沿って、構造12を破砕させる。事前に処理された破砕線26は、分離される部品のシームに沿って配置されている。
【0027】
図5を参照すると、壊れ易い構造12は、破砕線26と同じ高さに、予め分離した領域、即ちH型スロット84を含んでおり、H型スロット84において、壊れ易い構造の上部分86は、壊れ易い構造の下部分88に接続されていない。圧力管アセンブリ14(図1)を壊れ易い構造12に設置するときに、爆薬マニホルド22(図3)の近くに、スロット84を配置する。圧力管20(図1)が楕円形から円形の断面に遷移する場所であって、爆発装置のコア64が爆薬マニホルド22に入る場所に、スロット84を配置する。スロット84は、幅の広い水平方向の中央部分90を有し、両端部に垂直方向部分92と94を備えている。スロットの垂直方向部分92と94は、丸みのあるコーナを有しており、応力の集中を回避している。
【0028】
ここで図6乃至8について検討すると、圧力管20の外被70は、丸みのある端部100と102を有している。丸みのある端部100と102は、円形の断面を有している。圧力管20の長さのほとんどを形成している楕円形の中央部分108と、丸い端部100と102との間に、それぞれの遷移部分又は領域104と106が配置されている。遷移領域104と106は、「コーナ」(カーブの急なエリア)114、116を備えた急な内側部分と、自然に遷移している外側部分とを有している。コーナ114と116は、壊れ易い構造12(図1)への圧力管20の組み立てを容易にする。
【0029】
円形の断面の管を取り入れて、次に、管の真ん中の部分を平らにして、楕円形の中央部分108を形成することによって、外被70が形成され得る。その代わりに、最初から楕円形の断面の管の端部を加工して、円形の断面の端部100、102と、遷移領域104、106とを生成してもよい。例えば、雌型を使用して、外被70の全体的な形状を定めて、一連のカム(内部)マンドレルを使用して、端部100と102を形成し直してもよい(再び丸くしてもよい)。この加工は高温で行われても、又はその代わりに、冷間加工であってもよい。外被70を形成するために、適切な成形工程が使用され得る。
【0030】
圧力管20を組み立てる際に、最初に、外被70の上部と下部とに沿って、外被70の中に、間隔空けコード74と76(図4A)を挿入する。外被70の楕円形の中央部分108の中の望ましい場所に、間隔空けコード74と76を保持するために、シーラントを使用してもよい。間隔空けコード74、76を、円形の端部100、102と遷移領域104、106とに、個々に又は同時に容易に通して供給できることが分かるであろう。間隔空けコード74と76は、一旦取り付けられると、中央部分108に配置されるだけであって、遷移領域104と106に達しない。
【0031】
間隔空けコード74と76を取り付けた後で、弾薬ホルダ72と、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64が、外被70の中に挿入され得る。弾薬ホルダ72を、円形の端部100と102とのうちの一方に通して供給する。弾薬ホルダ72の一部分が端部100と102とのうちの他方に達するまで、且つ、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64が端部100と102とのうちの他方の外部に達するまで、弾薬ホルダ72は、外被の中央部分108を通される。
【0032】
図9と10は、爆薬マニホルド22の様々な態様を示している。爆薬マニホルド22は、一対の継ぎ手120と122を有している。一対の継ぎ手120と122は、圧力管20(図2)の端部100と102を受け取るための丸いボスである。継ぎ手又はボス120と122は、円形の断面を有しており、弾薬ホルダ72の部分を受け入れるためのそれぞれの窪み124と126を備えている。窪み124と126とのうちの少なくとも一方は、穴を有している。この穴によって、爆薬マニホルド22の爆発チャンバ68の中に、爆薬を爆発させるアセンブリ/コード64の少なくとも一部分を通すことが可能になる。更に、継ぎ手120と122は、円筒型の外側表面において、窪んだ周囲表面(保持溝)130と132を有している。端部100と102を継ぎ手120と122に留めるのを助けるために、窪んだ表面又はセクション(溝)130と132が使用される。窪んだ周囲セクション又は溝130と132は、実質的に長方形の断面形状を有し得る。更に、爆薬マニホルド22は、起爆薬60(図3)と爆発装置62(図3)とを受け入れるためのドナーポート134を有している。継ぎ手120、122とポート134は、爆薬マニホルドの本体136に接合されるか、又は爆薬マニホルドの本体136の部分であり得る。爆薬マニホルドの本体136は、重量を減らすために、切り込み(hogout)又は窪み137を有し得る。フランジ又はタブ138が、爆薬マニホルドの本体136から下方に突き出ているかもしれない。フランジ又はタブ138は、爆薬マニホルド22を、デバイス構造、例えば外被42(図2)に固定するために使用され得る。
【0033】
図11と12は、圧力管の端部100と102(図6)を爆薬マニホルドの継ぎ手120と122(図9)に留めるための2つの考えられるクランプを示している。丸いスクリュクランプ140(図11)は、管の端部100と102の上に嵌めるのに十分に大きい丸い開口部142を有している。クランプ140は、半径方向内側の突出部144を有している。半径方向内側の突出部144は、継ぎ手120と122の窪んだセクション又は溝130と132(図9)に、形状と位置が一致し得る。クランプ140は、締め付けスクリュ又はボルト146を有する。締め付けスクリュ又はボルト146を締めて、開口部142を絞る。使用の際に、緩められたクランプ140を、管の端部100又は102の上で摺動させる。次に、爆薬マニホルドの継ぎ手120と122とのうちの一方の上に、管の端部100又は102を置く。次に、スクリュ146を締めて、外被の端部100又は102の材料を継ぎ手120と122に留める。このクランプ留めは、例えば、管の端部と継ぎ手との接続部から加圧ガスが出て行くのを防ぐように、シールすることも含み得る。このクランプ留めは、管の端部100又は102の材料のうちの幾らかを変形させることを含み得る。特に、締めている間、内側の突出部144は、外被材料を押して、外被の端部の材料を変形させて、外被材料の幾らかを、窪んだ周囲のセクション130又は132の少なくとも一部分に押し込み得る。材料を変形させると、接続の強度及び/又はシールの効果を高める。
【0034】
図12は、代わりのクランプ構成を示しており、加締めクランプ150は、リング型であり、丸い開口部152を備えている。更に、(取り付けられる又は加締められる)クランプ150は、開口部152に突き出た半径方向内側の突出部154を有する。継ぎ手120又は122(図9)の上に、管の端部100又は102(図6)を置いて、管の端部100又は102(図6)の上に、クランプ150を置く。次に、リングクランプ150を加締めて(適切なツールを使って絞って)、クランプ150の材料を変形させて、管の端部100又は102を継ぎ手120又は122に固定する。内側の突出部154は、管の端部の材料を変形させて、その管の端部の材料を、窪んだセクション130又は132(図9)に打ち込み得る。これは、固定及び/又はシールに関して上述で説明した効果を提供し得る。
【0035】
図13と14は、一対のクランプ140を使用して、ボス120と122(図9)に固定された圧力管の端部100と102(図6)を示している。
【0036】
分離デバイス10の部品は、様々な適切な材料のうちの何れかから作られ得る。適切な材料は、例えば、外被70と爆薬マニホルド22に対して、鋼(或いは、ステンレス鋼、チタン、又は銅)であり、壊れ易い構造12に対して、押し出しアルミニウム(或いは、鋳造アルミニウム、チタン、又は鋳造マグネシウム)である。分離デバイスの部品を形成する際に、様々な方法、例えば、押し出し、切断、圧延、鋳造、粉末冶金、及び/又は機械加工が使用され得る。
【0037】
上述の分離デバイスに対して、多くの構成が可能であることが分かるであろう。分離デバイスは、多様なサイズ及び形状のシームの何れかの上に配置されて、シームの両側の部品、構成要素、又は物体を物理的に接続して、その後で、それらを物理的に分離するように構成され得る。例えば、異なる時間に異なる領域を分離するために、冗長の爆発を与えるために、並びに/或いは、組み立て及び/又は製造を容易にするために、シームに沿って2つ以上の分離デバイスを置いてもよいことが分かるであろう。例えば、冗長の爆発を与えるために、一対の半円型の圧力管を使用して、この圧力管の両者の端部に、爆発装置を備えた一対の爆薬マニホルドを接続して、ロケット又はミサイルのステージを分離してもよい。
【0038】
特定の好ましい1又は複数の実施形態に関して、本発明を示して説明したが、当業者が、添付の図面と共にこの明細書を読んで理解すると、同等の変更及び修正を思い付くのは明らかである。特に、上述の要素(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、構成、等)によって行なわれる様々な機能に関して、このような要素を説明するために使用されている用語(「手段」に対する参照を含む)は、この中で説明されている本発明の例示的な1又は複数の実施形態において機能を果たす開示された構造に構造上同等でなくても、特に指定のない限り、記載されている要素の特定の機能を行なう任意の要素(即ち、同等の機能を有するもの)に相当することを意図している。更に、上述では、幾つかの例示的な実施形態のうちの1つのみ又はそれ以上に関して、本発明の特定の特徴を説明したが、このような特徴を、任意の所定の又は特定の応用にとって望ましく効果的であり得る他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10・・・分離デバイス、12・・・壊れ易い構造、14・・・圧力管アセンブリ、20・・・圧力管、22・・・爆薬マニホルド、26・・・破砕線、30,32・・・ステージ、36・・・ロケット又はミサイル、40,42,70・・・外被、46・・・外側表面、50,52・・・スロット又は切欠き、54,56・・・叉状端部、58・・・締結具、60・・・起爆薬、62・・・爆発装置、64・・・爆薬を爆発させるアセンブリ/コード、68・・・チャンバ、72,72'・・・弾薬ホルダ、74,76・・・間隔空けコード、84・・・スロット、86・・・壊れ易い構造の上部分、88・・・壊れ易い構造の下部分、90・・・スロットの水平方向の中央部分、92,94・・・スロットの垂直方向部分、100,102・・・圧力管の端部、104,106・・・圧力管の遷移領域、108・・・圧力管の中央部分、114,116・・・コーナ、120,122・・・継ぎ手、124,126,137・・・窪み、130,132・・・溝、134・・・ポート、136・・・爆薬マニホルドの本体、138・・・フランジ又はタブ、140,150・・・クランプ、142,152・・・開口部、144,154・・・突出部、146・・・スクリュ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離される部品間のシームに沿って配置された外側表面を有する壊れ易い構造と、
前記壊れ易い構造に嵌め込まれた圧力管アセンブリと、
を具備する、分離デバイスであって、
前記圧力管アセンブリは、
起爆させたときに前記外側表面に沿って前記壊れ易い構造を破砕する、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる圧力管と、
前記爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを爆発させる爆発装置と、
前記爆発装置によって前記爆薬を爆発させるアセンブリ/コードの爆発を可能にするように、前記爆発装置と前記圧力管の端部とを一緒に結合する爆薬マニホルドと、
含み、
前記圧力管と、前記爆発装置と、前記爆薬マニホルドは全て、実質的に完全に、前記壊れ易い構造の外側表面の内側にある、分離デバイス。
【請求項2】
前記壊れ易い構造は、リング型構造である、請求項1の分離デバイス。
【請求項3】
前記爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させたときに前記壊れ易い構造が破砕する前記壊れ易い構造の事前に処理された破砕線の片側に、前記爆薬マニホルドが実質的に全て存在する、請求項1又は2の分離デバイス。
【請求項4】
前記壊れ易い構造の前記事前に処理された破砕線の前記片側に、前記圧力管の実質的に全てが存在する、請求項3の分離デバイス。
【請求項5】
前記壊れ易い構造の前記事前に処理された破砕線の前記片側に、前記壊れ易い構造の質量のほとんどが存在する、請求項3又は4の分離デバイス。
【請求項6】
前記爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを起爆させたときに前記壊れ易い構造が破砕する前記壊れ易い構造の前記事前に処理された破砕線において、前記壊れ易い構造は、スロット、即ちギャップを有しており、
前記スロットは、前記壊れ易い構造が前記爆薬マニホルドをカバーしている位置にある、請求項1乃至5の何れか1項の分離デバイス。
【請求項7】
前記スロットは、H型スロットである、請求項6の分離デバイス。
【請求項8】
前記圧力管は、外被を含み、
前記外被は、実質的に円形の断面の端部を有しており、
前記実質的に円形の断面の端部は、前記爆薬マニホルドの丸いボスに係合しており、
前記外被は、前記端部間に、楕円形の断面の中央部分を有している、請求項1乃至7の何れか1項の分離デバイス。
【請求項9】
分離される部品間のシームに沿って配置された外側表面を有する壊れ易い構造と、
前記壊れ易い構造に嵌め込まれた圧力管アセンブリと、
を具備する、分離デバイスであって、
前記圧力管アセンブリは、
起爆させたときに前記外側表面に沿って前記壊れ易い構造を破砕する、爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを含んでいる圧力管と、
前記爆薬を爆発させるアセンブリ/コードを爆発させる爆発装置と、
前記爆発装置によって前記爆薬を爆発させるアセンブリ/コードの爆発を可能にするように、前記爆発装置と圧力管の端部とを一緒に結合する前記爆薬マニホルドと、
含み、
前記圧力管は、外被を含み、
前記外被は、実質的に円形の断面の端部を有しており、
前記実質的に円形の断面の端部は、前記爆薬マニホルドの丸いボスに係合している、分離デバイス。
【請求項10】
前記外被は、前記端部間に、楕円形の断面の中央部分を有している、請求項9の分離デバイス。
【請求項11】
前記外被は、前記楕円形の断面の中央部分と前記実質的に円形の断面の端部との間に、遷移領域を含んでいる、請求項10の分離デバイス。
【請求項12】
前記外被は、湾曲していて、
前記遷移領域の各々は、外側面よりも内側面においてより急なコーナを有している、請求項11の分離デバイス。
【請求項13】
前記圧力管アセンブリは、前記圧力管の端部を前記ボスに固定するクランプを更に含んでいる、請求項9乃至12の何れか1項の分離デバイス。
【請求項14】
前記クランプは、内側の突出部を有しており、
前記内側の突出部は、
前記ボスの溝に位置が一致しており、
前記外被の端部の材料を前記溝に押し付ける、請求項13の分離デバイス。
【請求項15】
前記クランプは、ねじ山を切られた締結具を含み、
前記ねじ山を切られた締結具を締めて、前記外被の端部を前記ボスに留める、請求項14の分離デバイス。
【請求項16】
前記クランプを加締めて、前記外被の端部を前記ボスに留める、請求項14の分離デバイス。
【請求項17】
前記圧力管と、前記爆発装置と、前記爆薬マニホルドは全て、実質的に完全に、前記壊れ易い構造の前記外側表面の内側にある、請求項14の分離デバイス。
【請求項18】
分離デバイスの圧力管を作る方法であって、
実質的に円形の断面の端部と楕円形の断面の中央部分とを含んでいる外被を提供するステップと、
間隔空けコードを、前記円形の断面の端部のうちの一方に通して、前記外被の楕円形の断面の中央部分の中に送るステップと、
前記外被の前記楕円形の断面の中央部分の中の間隔空けコード間に、弾薬ホルダが存在するように、前記弾薬ホルダを前記外被の中に挿入して、前記挿入の結果、前記弾薬ホルダによって囲まれている爆薬を爆発させるアセンブリ/コードの一部分が、前記端部の少なくとも一方の外部に達するようにするステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記送るステップは、
前記外被の前記楕円形の断面の中央部分内の、前記外被の内側表面の上部と下部とに、前記間隔空けコードを固定するサブステップ、
を含む、請求項18の方法。
【請求項20】
前記提供するステップは、
最初は円形の管を平らにして、前記外被の前記中央部分の前記楕円形の形状を生成するサブステップと、
前記管の端部を加工して、前記外被の前記円形の断面の端部を生成するサブステップと、
を含む、請求項18又は19の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−502556(P2013−502556A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525538(P2012−525538)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/031678
【国際公開番号】WO2011/022097
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)