説明

臨床検査装置、臨床検査情報管理システム、及びコンピュータプログラム

【課題】 従来に比して異常の表示に関してユーザの利便性を向上させた臨床検査装置、臨床検査情報管理システム、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】
臨床検査情報管理サーバは、ユーザにより、エラー毎にエラーの表示方法を設定可能である。エラーの発生が検出されると、そのエラーに設定された表示方法がポップアップ表示である場合には、エラー情報を含むエラーポップアップ画面が表示される。また、表示方法としてテロップ表示が設定されたエラーが検出された場合には、画面中の所定の領域に、エラー情報の文字列が右から左に移動しながら表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査装置及び臨床検査情報管理システム並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査装置として、複数の臨床検体分析装置に接続され、当該臨床検体分析装置から送信される検査情報を受信し、記憶及び表示する、WAM(Work Area Manager)又はLIS(Laboratory Information System)と呼ばれる臨床検査情報管理装置が知られている。
【0003】
かかる装置として、特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1に開示されている装置は、異常が発生すると、検査結果の詳細、検査の進捗状況及び機器のエラー状態を確認できるメイン画面に、エラー発生の旨を通知するポップアップ画面を重畳して表示(ポップアップ表示)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2004−502179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記システムのようにポップアップ画面がメイン画面に重畳して表示されると、ポップアップ画面によってメイン画面の一部又は全部が隠され、メイン画面を見ながら行われる作業が中断してしまうという問題がある。特に、臨床検査の分野においては、画面に検査結果を表示し、ユーザがその検査結果の承認を行う場合があるが、このような承認作業中に異常を通知するポップアップ画面が表示されると、そのポップアップ画面を閉じなければ、承認作業を再開することができない。承認作業が完了しなければ、その検査結果を医師に報告したり、臨床検体の再検を行ったりすることができず、臨床検査全体の処理が滞ることとなる。その一方で、ユーザが即座に処置を施す必要がある緊急の異常等については、ユーザが明確に異常の発生を認識できるような方法により表示されることが望まれる。
【0006】
また、臨床検査が行われている施設には、一日に扱う検体数が数十検体の小規模施設から数千検体の大規模施設まで大小様々な施設があり、異常の表示に関するニーズも施設の規模によって異なる。例えば、小規模施設には、異常の重要性に関わらず、全ての異常をポップアップ画面で通知して欲しいというニーズがあり、一方で、大規模施設には、ポップアップ画面が頻繁に表示されると承認などの作業が妨げられ、検体を処理しきれない可能性があるため、重要な異常のみをポップアップ画面で通知して欲しいというニーズがある。
【0007】
このように、臨床検査の分野においては、異常の表示に関してより一層ユーザの利便性の向上が望まれていた。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、従来に比して異常の表示に関してユーザの利便性を向上させた臨床検査装置、臨床検査情報管理システム、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の臨床検査装置は、検査結果の承認を受け付ける第一画面を表示する表示部と、検査結果と操作者に通知する通知情報とを記憶する記憶部と、通知情報を、第一画面の所定の領域に表示するか第一画面に重畳して表示される第二画面に表示するかを設定するための設定画面を、操作者の指示に基づき前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0010】
この態様においては、前記臨床検査装置が、コンピュータ端末及び臨床検体分析装置を用いて管理対象とする検査に関する情報を受け付け、検査オーダの受付から検査結果の報告に至る業務を管理するための臨床検査情報管理装置であり、前記通知情報が、前記コンピュータ端末及び前記臨床検査分析装置に生じるエラーに関するエラー情報であり、前記制御部が、前記コンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置から受け付けた臨床検査に関する情報を前記記憶部に記憶させることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記制御部が、エラーが発生した場合、前記設定画面での設定に従い、前記エラー情報を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記エラー情報が、発生したエラーの名称を示す文字情報であり、前記制御部が、前記所定の領域に、前記文字情報を時間の経過とともに変化するよう前記表示部に表示させることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記制御部が、前記文字情報を、前記所定の領域内において時間の経過とともに移動するように前記表示部に表示させることが好ましい。
【0014】
また、上記態様においては、膳機臨床検査装置が、操作者からの入力を受け付ける受付部をさらに備え、前記制御部が、前記所定の領域の前記文字情報を選択する入力を前記受付部が受け付けた場合、前記エラーの詳細を示す第三画面を前記第一画面に重畳して前記表示部に表示させることが好ましい。
【0015】
また、上記態様においては、前記記憶部が、発生しても臨床検査を継続可能なエラーに関するエラー情報を前記所定の領域に表示し、発生すると臨床検査が停止するエラーに関するエラー情報を前記第二画面に表示する設定を予め記憶していることが好ましい。
【0016】
また、上記態様においては、前記臨床検査装置が、前記コンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置と臨床検査に関する情報を通信するための通信部をさらに備え、前記記憶部が、前記通信部に関するエラー情報を前記所定の領域に表示し、前記臨床検体分析装置の機構に関するエラー情報を前記第二画面に表示する設定を予め記憶していることが好ましい。
【0017】
また、上記態様においては、前記臨床検査装置が、被験者から採取された検体と試薬とから試料を調製し、調製された試料を測定し、検体に含まれる成分を分析する臨床検体分析装置であり、前記通知情報が、臨床検査分析装置に生じるエラーに関するエラー情報であり、前記制御部が、検体に含まれる成分の分析結果を前記記憶部に記憶させることが好ましい。
【0018】
また、上記態様においては、前記制御部が、エラーが発生した場合、前記設定画面での設定に従い、前記エラー情報を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0019】
また、上記態様においては、前記エラー情報が、発生したエラーの名称を示す文字情報であり、前記制御部が、前記文字情報を、前記所定の領域内において時間の経過とともに移動するように前記表示部に表示させることが好ましい。
【0020】
また、上記態様においては、前記臨床検査装置が、操作者からの入力を受け付ける受付部をさらに備え、前記制御部が、前記所定の領域の前記文字情報を選択する入力を前記受付部が受け付けた場合、前記エラーの詳細を示す第三画面を前記第一画面に重畳して前記表示部に表示させることが好ましい。
【0021】
また、上記態様においては、前記記憶部が、発生しても検体の測定を継続可能なエラーに関するエラー情報を前記所定の領域に表示し、発生すると検体の測定が停止するエラーに関するエラー情報を前記第二画面に表示する設定を予め記憶していることが好ましい。
【0022】
また、本発明の一の態様の臨床検査情報管理システムは、検査オーダの受付から検査結果の報告に至る業務を管理するための臨床検査情報管理システムであって、臨床検体を分析し、分析結果を含む臨床検査に関する情報を取得する臨床検体分析装置と、ユーザが管理対象とする臨床検査に関する情報を入力するためのコンピュータ端末と、検査結果の承認を受け付ける第一画面を表示する表示部と、前記臨床検体分析装置及び前記コンピュータ端末により取得された臨床検査に関する情報と、前記コンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置に生じるエラーに関するエラー情報とを記憶する記憶部と、エラー情報を、第一画面の所定の領域に表示するか、第一画面に重畳して表示される第二画面に表示するかを設定するための設定画面を、操作者の指示に基づき前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0023】
また、本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、表示部と、記憶部とを備えるコンピュータ端末を臨床検査装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶部は、検査結果と操作者に通知する通知情報とを記憶しており、前記通知情報を、検査結果の承認を受け付ける第一画面の所定の領域に表示するか第一画面に重畳して表示される第二画面に表示するかを設定するための設定画面を操作者の指示に基づき前記表示部に表示させるステップと、第一画面を前記表示部に表示させるステップと、第一画面が表示されているときに通知情報を表示する場合に、前記設定画面において行われた設定に従って前記通知情報を前記表示部に表示させるステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【0024】
この態様においては、前記臨床検査装置が、他のコンピュータ端末及び臨床検体分析装置から管理対象とする検査に関する情報を受け付け、検査オーダの受付から検査結果の報告に至る業務を管理するための臨床検査情報管理装置であり、前記通知情報が、前記他のコンピュータ端末及び前記臨床検査分析装置に生じるエラーに関するエラー情報であり、前記コンピュータプログラムが、前記他のコンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置から受け付けた検査に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップを、前記コンピュータにさらに実行させることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る臨床検査装置、臨床検査情報管理システム、及びコンピュータプログラムによれば、従来に比して臨床検査に係る作業を円滑に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係る臨床検査情報管理装置を含む院内臨床検査装置群を示す図。
【図2】実施の形態に係る臨床検査情報管理システムの一部構成を示す模式図。
【図3】実施の形態に係る血球分析装置が備える測定ユニットの概略構成を示すブロック図。
【図4】実施の形態に係る血球分析装置が備える情報処理ユニットの構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態に係る臨床検査情報管理サーバの構成を示すブロック図。
【図6】エラーマスタデータの構造を示す模式図。
【図7】実施の形態に係るクライアント装置の構成を示すブロック図。
【図8】臨床検査全体の流れを示すフローチャート。
【図9】実施の形態に係る臨床検査情報管理サーバのエラー表示設定処理の手順を示すフローチャート。
【図10】初期画面の一例を示す図。
【図11】エラー表示設定画面の一例を示す図。
【図12】実施の形態に係る臨床検査情報管理サーバのエラー表示処理の手順を示すフローチャート。
【図13】エラーポップアップ画面の一例を示す図。
【図14】エラー情報のテロップ表示の一例を示す図。
【図15】エラー情報の詳細画面の構成を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、本発明に係る臨床検査装置の一実施形態である臨床検査情報管理装置を具体例として、図面を参照しながら説明する。
【0028】
[臨床検査情報管理システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る臨床検査情報管理装置を含む院内臨床検査装置群を示す図である。病院内には、LAN(Local Area Network)で構成される通信ネットワークNWを介して、ホストコンピュータ100と、臨床検査情報管理装置である臨床検査情報管理サーバ9と、クライアント装置10と、血液分析システム200と、血球分析装置300と、血液凝固測定装置400と、尿分析装置500と、が互いに接続されている。ホストコンピュータ100は、臨床検査情報管理サーバ9の上位のサーバであり、病院内の検査部門全体の業務を管理する。また、ホストコンピュータ100は、臨床検査情報管理サーバ9に対し、測定オーダを送信する。臨床検査情報管理サーバ9は、特定の検査分野に属する臨床検体分析装置による検体の測定進捗及び測定結果等を管理する。本実施の形態では、臨床検査情報管理サーバ9は、血液分析システム200と、血球計数装置300と、血液凝固測定装置400と、尿分析装置500と、による検体の測定進捗及び測定結果等を管理する。クライアント装置10は、臨床検査情報管理サーバ9へのデータ入力及び表示画面の閲覧に使用されるコンピュータである。本実施例では、臨床検査情報管理サーバ9と、2台のクライアント装置10と、血液分析システム200と、血球計数装置300と、血液凝固測定装置400と、尿分析装置500とにより、臨床検査情報管理システムが構成される。
【0029】
図2は、本実施の形態に係る臨床検査情報管理システムの一部構成を示す模式図である。すなわち、図2は、臨床検査情報管理サーバ9と、2台のクライアント装置10と、血液分析システム200のみの構成を示している。説明を簡単にするため、以下では、臨床検査情報管理サーバ9と、2台のクライアント装置10と、血液分析システム200についてのみ説明する。
【0030】
<血液分析システム200の構成>
血液分析システム200は、検体投入装置2と、検体搬送装置3と、検体収容装置4と、臨床検体分析装置である血球分析装置5と、塗抹標本作製装置6と、血球画像表示装置7と、システム制御装置8と、から主として構成されている。検体投入装置2は、バーコード読取ユニット22を備えており、検体ラックに保持された複数の検体容器から検体IDを読み取るとともに、検体IDの読取が終了した検体ラックを検体搬送装置3に搬出する。検体搬送装置3は、検体ラックを、血球分析装置5、塗抹標本作製装置6、及び血球画像表示装置7に選択的に搬送する。検体収容装置4は、検体搬送装置3による搬送が終了した検体ラックを受け取り、収容する。血液塗抹標本作製装置は、スライドガラス上に自動的に血液塗抹標本を作製する。血液画像表示装置7は、血液塗抹標本を撮像し、得られた標本画像を自動的に解析し、白血球のサブクラスを分類する。
【0031】
<血球分析装置5の構成>
血球分析装置5は、光学式フローサイトメトリー方式の多項目血球分析装置であり、血液検体に含まれる血球に関して側方散乱光強度、蛍光強度等を取得し、これらに基づいて検体中に含まれる血球を分類し、且つ、種類毎に血球数を計数し、このように分類された血球が種類毎に色分けされたスキャッタグラムを作成し、これを表示する。かかる血球分析装置5は、血液検体を測定する測定ユニット51と、測定ユニット51から出力された測定データを処理し、血液検体の分析結果を表示する情報処理ユニット52とを備えている。
【0032】
図3は、測定ユニット51の概略構成を示すブロック図である。測定ユニット51は、検体分注部511と、測定検体調製部512と、光学検出部513と、信号処理回路514と、制御部515とを備えている。
【0033】
検体分注部511は、吸引管(図示せず)を備えており、この吸引管を検体搬送装置3の測定ライン31a上を搬送された検体ラックの検体容器の蓋部に突き刺して、この検体容器から血液検体を吸引する。測定検体調製部512は、混合容器(図示せず)を備えており、検体分注部511により分注された血液検体、試薬及び希釈液を混合撹拌し、測定検体を調製する。
【0034】
光学検出部513は、フローセル(図示せず)を備え、このフローセルに測定検体を供給することにより測定検体の細い流れを形成し、その測定検体に対して光を照射して、光学センサにより側方散乱光信号、前方散乱光信号、及び蛍光信号を取得する。これらの信号は、信号処理回路514へ出力される。信号処理回路514は、光学検出部513から出力される電気信号を処理する回路である。かかる信号処理回路514は、側方散乱光信号、前方散乱光信号、蛍光信号のピーク及びパルス幅等のパラメータを取得する。
【0035】
制御部515は、CPU及びメモリを備えており、検体搬送装置3とデータ通信可能に接続されている。かかる制御部515は、検体搬送装置3から与えられた分析項目にしたがって、検体分注部511、測定検体調製部512、光学検出部513、及び信号処理回路514を制御し、上記分析項目に対応する測定動作を実行させる。また、信号処理回路514によって得られた上記パラメータを含む測定データを情報処理ユニット52へ送信するように構成されている。
【0036】
次に、情報処理ユニット52の構成について説明する。情報処理ユニット52は、コンピュータにより構成されている。図4は、情報処理ユニット52の構成を示すブロック図である。情報処理ユニット52は、コンピュータ52aによって実現される。図4に示すように、コンピュータ52aは、本体521と、画像表示部522と、入力部523とを備えている。本体521は、CPU521a、ROM521b、RAM521c、ハードディスク521d、読出装置521e、入出力インタフェース521f、通信インタフェース521g、及び画像出力インタフェース521hを備えており、CPU521a、ROM521b、RAM521c、ハードディスク521d、読出装置521e、入出力インタフェース521f、通信インタフェース521g、及び画像出力インタフェース521hは、バス521jによって接続されている。
【0037】
読出装置521eは、コンピュータを情報処理ユニット52として機能させるためのコンピュータプログラム524aを可搬型記録媒体524から読み出し、当該コンピュータプログラム524aをハードディスク521dにインストールすることが可能である。
【0038】
<システム制御装置8の構成>
システム制御装置8は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等を備えるコンピュータによって実現される。ハードディスクにインストールされたシステム制御用プログラムをCPUが実行することで、当該コンピュータがシステム制御装置8として機能する。このシステム制御装置8は、検体投入装置2から検体IDを受け付け、検体IDをキーにして臨床検査情報管理サーバ9から測定オーダを取得する。また、システム制御装置8は、測定オーダを検体搬送装置3へ送信する。
【0039】
<臨床検査情報管理サーバ9の構成>
次に、臨床検査情報管理サーバ9の構成について説明する。図5は、本実施の形態に係る臨床検査情報管理サーバ9の構成を示すブロック図である。臨床検査情報管理サーバ9は、コンピュータ90によって実現される。図5に示すように、コンピュータ90は、本体91と、画像表示部92と、入力部93とを備えている。本体91は、CPU91a、ROM91b、RAM91c、ハードディスク91d、読出装置91e、入出力インタフェース91f、通信インタフェース91g、91h、91i、及び画像出力インタフェース91jを備えており、CPU91a、ROM91b、RAM91c、ハードディスク91d、読出装置91e、入出力インタフェース91f、通信インタフェース91g、通信インタフェース91h、通信インタフェース91i、及び画像出力インタフェース91jは、バス91kによって接続されている。
【0040】
読出装置91eは、コンピュータを臨床検査情報管理サーバ9として機能させるためのコンピュータプログラム94aを可搬型記録媒体94から読み出し、当該コンピュータプログラム94aをハードディスク91dにインストールすることが可能である。
【0041】
ハードディスク91dには、エラー情報の表示方法の設定データであるエラーマスタデータSDが記憶されている。図6は、エラーマスタデータSDの構造を示す模式図である。エラーマスタデータSDは、テーブル形式のデータであり、各行がエラーに1つずつ対応している。かかるエラーマスタデータSDには、エラーを識別するためのエラーコードを格納するためのフィールドF1と、エラーの名称であるエラータイトルを格納するためのフィールドF2と、エラー内容を格納するためのフィールドF3と、エラー原因を格納するためのフィールドF4と、エラーの対処方法を格納するためのフィールドF5と、エラーに関するイメージデータの格納先を示すアドレス(パス)を格納するためのフィールドF6と、エラーの表示方法を格納するためのフィールドF7と、エラーの表示対象の端末を示す端末情報を格納するためのフィールドF8とが設けられている。このエラーマスタデータSDの各エラーの設定値は、後述するように設定及び変更することができる。このエラーマスタデータSDには、エラー情報の表示方法の設定データが予め記憶されている。図6に示すように、発生しても臨床検査を継続可能な異常、例えばホストコンピュータ100と臨床検査情報管理サーバ9との間での通信異常の表示方法はテロップ表示に設定され、発生すると臨床検査が停止する異常、例えば血球分析装置5の吸引管のつまりの表示方法はポップアップ表示に設定されている。テロップ表示とポップアップ表示の詳細については後述する。
【0042】
また、ハードディスク91dには、測定オーダ及び検査結果等の検査情報を格納するための検査情報データベースDBが設けられている。
【0043】
かかる臨床検査情報管理サーバ9は、クライアント装置10と通信を行い、クライアント装置10からの要求に応じて、種々の機能をクライアント装置10へ提供する。例えば、ユーザがクライアント装置10を操作して、臨床検査情報管理システムにログインを指示した場合に、このログイン要求を受け付け、ログイン処理を行う。ログインが成功した後には、クライアント装置10に後述するメニュー画面を表示させ、その後はユーザからの指示に応じて処理を実行し、その結果をクライアント装置10へ送信する。例えば、クライアント装置10から血球分析装置5による検体の測定結果のリスト画面の表示要求を受け付けた場合には、該当する検体の測定結果の情報を検査情報データベースDBから抽出し、その情報をクライアント装置10へと送信する。クライアント装置10は、この情報を受信して、検体の測定結果のリスト画面を表示する。
【0044】
<クライアント装置10の構成>
次に、クライアント装置10の構成について説明する。図7は、クライアント装置10の構成を示すブロック図である。クライアント装置10は、コンピュータ110によって実現される。図7に示すように、コンピュータ110は、本体111と、画像表示部112と、入力部113とを備えている。本体111は、CPU111a、ROM111b、RAM111c、ハードディスク111d、読出装置111e、入出力インタフェース111f、通信インタフェース111g、111h、111i、及び画像出力インタフェース111jを備えており、CPU111a、ROM111b、RAM111c、ハードディスク111d、読出装置111e、入出力インタフェース111f、通信インタフェース111g、通信インタフェース111h、通信インタフェース111i、及び画像出力インタフェース111jは、バス111kによって接続されている。
【0045】
読出装置111eは、コンピュータをクライアント装置10として機能させるためのコンピュータプログラム114aを可搬型記録媒体114から読み出し、当該コンピュータプログラム114aをハードディスク111dにインストールすることが可能である。
【0046】
また、通信ネットワークNWには、検体容器に貼布するバーコードラベルを印刷するラベルプリンタ12、及び医師への検査結果の報告書を印刷するためのプリンタ13が接続されている。ユーザは、クライアント装置10を操作することで、臨床検査情報管理サーバ9にアクセスし、検体IDを示すバーコードをラベルプリンタ12に印刷させ、また検査結果の報告書をプリンタ13に印刷させることができる。
【0047】
[臨床検査情報管理システムの動作]
まず、臨床検査全体の流れについて説明する。図8は、臨床検査全体の流れを示すフローチャートである。医師によって患者に必要な臨床検査の測定項目が決定され、その測定項目を含む臨床検査オーダ(測定オーダ)がホストコンピュータ100に登録される。ホストコンピュータ100は、登録された測定オーダを臨床検査情報管理サーバ9へ送信する。臨床検査情報管理サーバ9は、測定オーダを受信し(ステップS101)、当該測定オーダを検査情報データベースDBに登録する(ステップS102)。
【0048】
上記の患者から採取された血液検体が検体容器に収容され、検査室へ搬送される。検査室に到着すると、検体到着確認の入力が行われる。検体到着確認は、ユーザがクライアント装置10を操作することで行われ、検体が検査室に到着したことが検査情報データベースDBに登録される。検体到着確認が行なれた後、その検体容器に貼布するためのバーコードラベルが印刷される。当該バーコードラベルには、その検体に割り当てられた検体IDを示すバーコードが含まれている。検体容器にバーコードラベルが貼布され、当該検体容器が他の検体容器とともに検体ラックにセットされる。複数の検体容器を保持した検体ラックは検体投入装置2に載置される。検体投入装置2に載置された検体ラックは、バーコード読取ユニット22に移送され、バーコード読取ユニット22により検体容器のバーコードから検体IDが読み出される(ステップS103)。読み出された検体IDはシステム制御装置8へ送信され、システム制御装置8が当該検体IDを含む測定オーダ送信要求データを生成し、臨床検査情報管理サーバ9に送信する(ステップS104)。バーコード読取結果による検体IDを受信した臨床検査情報管理サーバ9は、受信した送信要求データに含まれる検体IDと検査情報データベースDBに登録されている検体IDとを照合し、送信要求データに含まれる検体IDに一致する検体IDが検査情報データベースDBから見つかると、その検体IDに対応する測定項目を含む測定オーダをシステム制御装置8へ送信する(ステップS105)。
【0049】
システム制御装置8は、測定オーダを受信すると、当該測定オーダに基づいて搬送先を決定し、検体ラックを前記搬送先へ搬送するように検体搬送装置3へ指示データを送信する。この指示データには測定オーダが含まれており、当該測定オーダは搬送先の血球分析装置5へと送信される。検体ラックは、検体搬送装置3によって搬送先の血球分析装置5へと搬送され、血球分析装置5によって前記測定オーダにしたがって検体の測定が行われる(ステップS106)。
【0050】
臨床検査情報管理サーバ9の検査情報データベースDBには、検体の測定の進捗状況(測定済み項目及び未測定項目などに関する情報)が随時記録される。ユーザは、クライアント装置10を操作して臨床検査情報管理サーバ9の検査情報データベースDBの内容を確認することで、検体の測定の進捗を確認することができる。
【0051】
測定が終了すると、測定結果が血球分析装置5から臨床検査情報管理サーバ9へと送信される。臨床検査情報管理サーバ9は、ハードディスク91dに測定結果を格納し、また測定結果に基づいて再検の要否を判定する。再検には、血球分析装置5による再測定と、血球画像表示装置7による白血球自動分類(以下、「自動分類」という)と、顕微鏡による検査(以下、「顕微鏡検査」という。)とがある。つまり、臨床検査情報管理サーバ9は、検体の測定結果を解析することで、その検体について血球分析装置5による再測定が必要か、血球画像表示装置7による白血球自動分類が必要か、顕微鏡検査が必要か、又は再検が必要でないかを判断する(ステップS107)。また、血球分析装置5による再測定が必要と判断された場合には、その再測定の測定項目を決定する。
【0052】
再検が不要と判断された場合には(ステップS107においてNO)、処理をステップS112に進める。再検が必要と判断された場合には(ステップS107においてYES)、臨床検査情報管理サーバ9は、検査情報データベースDBに再検オーダを登録する。
【0053】
測定が完了した検体を収容する検体ラックは、検体搬送装置3によって搬送され、検体収容装置4に収容される。ユーザは、クライアント装置10を操作して臨床検査情報管理サーバ9にアクセスする等して、測定が終了した検体の中に再検が必要と判断されたものがないかを確認することができる。ユーザは、再検の要否を確認した後、再検が必要と判断された検体を保持する検体ラックを再度検体投入装置2に載置する。この後、上記のステップS103及びS104と同様に検体バーコードの読み取り(ステップS108)及び臨床検査情報管理サーバ9への測定オーダ送信要求が行われる(ステップS109)。バーコード読取結果による検体IDを受信した臨床検査情報管理サーバ9は、受信した送信要求データに含まれる検体IDと検査情報データベースDBに登録されている検体IDとを照合し、送信要求データに含まれる検体IDに一致する検体IDが検査情報データベースDBから見つかると、その検体IDに対応する再検項目を含む再検オーダをシステム制御装置8へ送信する(ステップS110)。
【0054】
システム制御装置8は、再検オーダを受信すると、当該再検オーダに基づいて搬送先を決定し、検体ラックを前記搬送先へ搬送するように検体搬送装置3へ指示データを送信する。検体ラックは指示された搬送先へと搬送され、再検が行われる(ステップS111)。
【0055】
再検が終了すると、再検結果が血球分析装置5又は血球画像表示装置7から臨床検査情報管理サーバ9へと送信される。臨床検査情報管理サーバ9は、ハードディスク91d内の検査情報データベースDBに再検結果を格納する。ユーザは、クライアント装置10を操作して、臨床検査情報管理サーバ9にアクセスし、測定結果を表示し、その承認の入力をすることができる(ステップS112)。臨床検査情報管理サーバ9において、検査結果の承認の入力を受け付けた場合には(ステップS112においてYES)、ハードディスク91d内の検査情報データベースDBに再検結果の承認情報を格納する。その後、承認された検査結果は医師へと報告される。以上で一検体の臨床検査が終了する。
【0056】
上記の臨床検査において、異常が発生した場合には、その異常を示す異常データが臨床検査情報管理サーバ9へと送信される。例えば、バーコード読取ユニット22によるバーコード読取が正常に行われなかった場合、バーコード読取異常を示すエラーコードを含む異常データが検体投入装置2からシステム制御装置8へと送信され、システム制御装置8が当該異常データを臨床検査情報管理サーバ9へと送信する。検体搬送装置3による検体ラックの搬送不良が生じた場合には、検体ラック搬送不良を示すエラーコードを含む異常データが検体搬送装置3からシステム制御装置8へと送信され、システム制御装置8が当該異常データを臨床検査情報管理サーバ9へと送信する。測定ユニット51の検体分注部511の吸引管つまりが発生した場合には、吸引管つまりを示すエラーコードを含む異常データが血球分析装置5からシステム制御装置8へと送信され、システム制御装置8が当該異常データを臨床検査情報管理サーバ9へと送信する。システム制御装置8と臨床検査情報管理サーバ9との間で通信異常が発生した場合には、臨床検査情報管理サーバ9が当該通信異常を検出し、通信異常を示すエラーコードを含む異常データを生成する。臨床検査情報管理サーバ9は、このようにして各種の異常データを取得する。
【0057】
<エラー表示設定動作>
次に、臨床検査情報管理システム1におけるエラー表示設定動作について説明する。図9は、臨床検査情報管理サーバ9によるエラー表示設定処理の手順を示すフローチャートである。ユーザは臨床検査情報管理サーバ9を操作して、臨床検査情報管理サーバ9にログインしておく。これは臨床検査情報管理サーバ9に予め登録されているユーザ名とパスワードとを入力することで行われる。図10は、画像表示部92に表示される初期画面の一例を示す図である。ユーザ認証が完了し、ユーザがログインすると、画像表示部92には、図10に示すような画面W30が表示される。次いで、ユーザは、エラー表示の設定画面の表示指示を入力する。表示指示は、例えば画面W30のメニューバー領域A31の「設定」メニューをマウス操作によって選択することでプルダウン表示される「エラーマスタ設定」メニューをマウス操作によって選択することで実行される。臨床検査情報管理サーバ9のCPU91aは、この表示指示の入力を待機し(ステップS201においてNO)、エラー表示設定画面の表示指示を受け付けた場合に(ステップS201においてYES)、エラー表示設定画面を画像表示部92に表示させる(ステップS202)。
【0058】
図11は、エラー表示設定画面の一例を示す図である。エラー表示設定画面W10は、エラーに関する各種情報をエラーマスタデータSDに登録したり、エラーマスタデータSDに登録されているエラーに関する各種情報を変更したりするための画面である。エラー表示設定画面は、画面W30に重畳して表示される。エラー表示設定画面W10には、エラーコードを入力するための入力エリアA11と、エラータイトルを入力するための入力エリアA12と、エラー内容を入力するための入力エリアA13と、エラー原因を入力するための入力エリアA14と、エラー対処方法を入力するための入力エリアA15と、エラーに関するイメージデータの格納先を示すパスを入力するための入力エリアA16と、エラーの表示方法を入力するための入力エリアA17と、エラーの表示対象の端末を示す端末情報を入力するための入力エリアA18とが設けられている。また、エラー表示設定画面W10には、入力したエラー情報をエラーマスタデータSDに登録するための登録ボタンB11と、エラー情報をエラーマスタデータSDに登録せずにエラー表示設定画面を閉じ、エラー表示設定処理を終了するための終了ボタンB12とが設けられている。
【0059】
ユーザは、かかるエラー表示設定画面W10において、エラー情報を入力する。具体的には、入力エリアA11には、エラーを識別するためのエラーコードが入力される。入力されたエラーコードが既にエラーマスタデータSDに登録されている場合には、CPU91aはエラーマスタデータSDからそのエラーコードに対応するエラータイトル、エラー内容、エラー原因、エラー対処方法、イメージデータへのパス、表示方法、及び表示対象の端末情報を抽出し、エラー表示設定画面W10に表示する。ユーザは、入力部93を操作して、入力エリアA11〜A18にエラー情報を入力するか、入力エリアA11〜A18に表示されているエラー情報を変更する。
【0060】
ここで、入力エリアA16にパスが指定されるイメージデータは、そのエラーの内容の説明に用いられる図若しくは写真、又はエラーを解消するための対処方法を説明するための図若しくは写真等の画像データである。また、入力エリア17には、エラーの表示方法として、ポップアップ表示、テロップ表示、ステータスバー表示の何れかを入力することができる。ポップアップ表示は、臨床検査情報管理サーバ9の表示画面に重畳させて、エラーポップアップ画面を表示するエラー情報の表示方法である。テロップ表示は、表示画面の所定の領域(インフォメーションバー領域)に、エラータイトルの文字列を移動させながら表示するエラー情報の表示方法である。またステータスバー表示は、メイン画面の所定の領域(ステータスバー領域)に、エラータイトルの文字列を固定的に表示するエラー情報の表示方法である。これらのエラー情報の表示方法については、その詳細を後述する。入力エリア18には、エラー情報の表示対象の端末を示す端末情報として、表示対象の端末の識別情報が入力される。ここで、表示対象の端末として、臨床検査情報管理サーバ9及び全てのクライアント装置10を指定することも、離昇検査情報管理サーバ9だけを指定することも、全てのクライアント装置10だけを指定することも、特定の1又は複数のクライアント装置10を指定することもできる。
【0061】
エラー情報の入力を完了した後、そのエラー情報を登録する場合には、ユーザは登録ボタンB11を選択する。CPU91aは、ユーザからの入力を待機し、登録ボタンS11の選択を受け付けた場合には(ステップS203において「登録指示」)、CPU91aは、エラー表示設定画面W10の入力エリアA11〜A18に表示されているエラー情報をエラーマスタデータSDに登録し(ステップS204)、エラー表示設定画面を閉じ(ステップS205)、エラー表示設定処理を終了する。
【0062】
一方、終了ボタンB12の選択を受け付けた場合には(ステップS203において「終了指示」)、CPU91aは、ステップS205へ処理を進め、エラー情報をエラーマスタデータSDに登録せずにエラー表示設定画面を閉じ(ステップS205)、エラー表示設定処理を終了する。
【0063】
なお、エラー表示の設定は、上記のように臨床検査情報管理サーバ9のみによって行う場合の他、クライアント装置10を用いて行うこともできる。この場合、ユーザはクライアント装置10を操作することにより、臨床検査情報管理サーバ9にログインし、クライアント装置10の画像表示部112に表示される画面を操作することにより、エラー表示設定画面W10を画像表示部112に表示させる。クライアント装置10の画像表示部112に表示されたエラー表示設定画面W10にエラー情報が入力され、登録ボタンB11が選択された場合には、当該エラー情報が臨床検査情報管理サーバ9へと送信され、臨床検査情報管理サーバ9がエラーマスタデータSDに受信したエラー情報を登録する。
【0064】
<エラー表示動作>
次に、臨床検査情報管理システム1におけるエラー表示動作について説明する。図12は、臨床検査情報管理サーバ9によるエラー表示処理の手順を示すフローチャートである。臨床検査情報管理サーバ9を起動し、ユーザがログイン画面においてユーザ名及びパスワードを入力してログイン指示を与えると、臨床検査情報管理サーバ9のCPU91aはログイン処理を実行する(ステップS301)。ユーザ認証が成功すると、CPU91aはエラーマスタデータSDをハードディスク91dから読み出し(ステップS302)、画像表示部92に臨床検査情報管理システムの画面を表示させる(ステップS303)。
【0065】
次に、CPU91aは、イベントの発生を確認する(ステップS304)。ここでいうイベントとは、臨床検査情報管理用のコンピュータプログラム94aが実行されている状態において、ユーザからの入力、外部の装置からのデータの受信、又はコンピュータプログラム94aによるアクションが生じたときに発生される信号をいい、異常データの取得、エラーの復旧、シャットダウン指示の受け付け等が含まれる。例えば、ログイン直後に表示される初期画面から他の画面へと変更する指示をユーザが与えると、このイベントが検出され、指示された画面へと表示が遷移される。臨床検査情報管理サーバ9では、血球分析装置5の測定結果を一覧表示する測定結果リスト画面、特定の検体の検査結果の承認するために、当該検査結果を表示する検査結果承認画面、登録されている測定オーダを一覧表示する測定オーダリスト画面等を表示することができる。
【0066】
ステップS304においてイベントが検出されると、CPU91aは当該イベントがエラーの発生であるか否かを判定する(ステップS305)。この処理では、上述したように臨床検査情報管理サーバ9が、システム制御装置8又は血球分析装置5等から異常データを受信したり、通信異常を検出することによって異常データを生成したりすることにより、ステップS304において検出されたイベントが、異常データの取得イベントであるか否かを判断することにより行われる。
【0067】
ステップS305において、エラー発生のイベントである場合には(ステップS305においてYES)、CPU91aは、当該異常データに含まれるエラーコードからエラーマスタデータSDに登録されている表示方法及び表示端末を特定する(ステップS306)。以下の説明においては、表示端末に臨床検査情報管理サーバ9が含まれている場合について説明する。CPU91aは、当該エラーの表示方法がポップアップ表示であるか否かを判定し(ステップS307)、ポップアップ表示である場合には(ステップS307においてYES)、画像表示部92に表示中の画面に重畳してエラーポップアップ画面を表示させる(ステップS308)。
【0068】
図13は、エラーポップアップ画面の一例を示す図である。図に示すように、エラーポップアップ画面W20には、「エラーが発生しました」というメッセージEMが含まれる。また、メッセージEMの下方には、エラータイトルが表示される領域A21が設けられており、さらにその下方には、当該エラーのさらに詳細な情報を含む詳細画面を表示するためのボタンB21及び当該エラーを除去(クリア)し、エラーポップアップ画面W20の表示を終了するためのボタンB22が設けられている。上記のエラーポップアップ画面W20の表示領域A21には、エラーマスタデータSDにおいて登録されている当該エラーのエラータイトルが表示される。
【0069】
このようなエラーポップアップ画面W20は、臨床検査システムの画面に重畳して表示される。このようなポップアップ表示では、エラー情報が他の情報よりも強調されるため、ユーザがエラーの発生を認識しやすい。
【0070】
上記のようなポップアップ表示を表示方法とするエラーは、エラーが発生すると臨床検査が中断されるものが好ましい。このようなエラーの例としては、血球分析装置5の吸引管のつまり、試薬切れ、検体ラックの搬送不良等が挙げられる。これらのエラーが発生すると、血球分析装置5が測定動作又は検体搬送装置3の搬送動作等が中止され、エラーが解除されない限り、これらの動作を再開することはできない。このため、これらのエラーが発生すると、臨床検査全体の動作が中断される。このようなエラーは、臨床検査を再開するために即座に対処する必要がある。
【0071】
上記のようなエラーポップアップ画面W20を表示すると、CPU91aは、処理をステップS304へと戻し、再度イベントの発生を確認する。
【0072】
一方、ステップS307において、エラーの表示方法がポップアップ表示ではない場合(ステップS307においてNO)、CPU91aは、エラーの表示方法がテロップ表示であるか否かを判定する(ステップS309)。ステップS309において、エラーの表示方法がテロップ表示である場合には(ステップS309においてYES)、CPU91aは臨床検査情報管理システムの表示画面においてエラータイトルのテロップ表示を実行する(ステップS310)。
【0073】
図14は、エラー情報のテロップ表示の一例を示す図である。図に示すように、臨床検査情報管理システムの画面W30は、画面上部のメニューバー領域A31と、その下側のツールバー領域A32と、当該ツールバー領域A32の下側に設けられたインフォメーションバー領域A33と、インフォメーションバー領域A33の下側に設けられ、画面W30の大部分を占めるワーク領域A34と、画面W30の最も下側に設けられたステータスバー領域A35とを有する。ワーク領域A34は、左側のメニューツリーウインドウ領域A341と、右側のメイン領域A342とにさらに分けられる。これらの領域A31〜A35は、臨床検査情報管理システムの画面の全てにおいて共通して設けられており、表示画面が切り替わると、ワーク領域A34の表示内容だけが変更される。例えば、初期画面においては、メイン領域A342に各画面へ表示を切り替えるための複数のアイコンが並べて表示され、測定結果リスト画面においては、メイン領域A342に検体毎の測定結果の一部又は全部が一覧表示される。図14に示す例は、承認画面である。この承認画面においては、メイン領域A342に患者ID、患者氏名、性別等の患者情報、患者の担当診療科、担当医師等の関連情報、及び検体の検査結果が表示されている。この画面においてユーザは検査結果を確認し、検査結果に異常がなければ承認する。ユーザが検査結果を承認する際には、特定のキー(F12キー)を押下する。これにより承認が実行され、検査情報データベースDBにおいて当該検査結果が承認されたことを示すデータが登録され、医師に検査結果が報告される。
【0074】
ワーク領域A34のメニューツリーウインドウ領域A341には、メニューがツリー状に表示される。かかるメニューツリーの各メニューはマウスによる選択操作によって実行可能である。メニューツリーウインドウの下側には、エラーリスト表示ボタンB31が表示される。このエラーリスト表示ボタンB31は、エラーの有無によりボタンの絵柄が変化するようになっており、エラーが存在するときにエラーリスト表示ボタンB31が選択されると、クリアされていないエラーが一覧表示される。
【0075】
メニューバー領域A31には、「ファイル」、「検体」、「設定」等のメニューが並んでおり、それぞれのメニューはマウスの操作によって選択されることで、プルダウンメニューを表示するようになっている。各プルダウンメニューには、複数のメニューが並んでおり、これらのうちの1つをマウス操作によって選択することで、当該メニューを実行することができる。ツールバー領域A32には、複数のアイコンが並んでいる。各アイコンの下側には、「閉じる」、「ログオフ」、「メニュー」等のアイコンの名称が表示されている。
【0076】
インフォメーションバー領域A33は、左右方向に3つの領域に分けられている。左側の領域A331には、臨床検査情報管理システム1が運用されている日付、つまりその当日の日付が表示される。中央の領域A332は、エラータイトルがテロップ表示される領域である。また、右側の領域A333は、臨床検査システムがその時点で動作している動作モードが表示される。エラータイトルが表示されるとき、そのエラータイトルの文字列が時間の経過に伴って領域A332の右端から左端へと移動して表示される。文字列が領域A332の左端に到達して表示されなくなると、再度文字列が右端から表示され、左側へ移動する。この表示動作が繰り返し行われる。このようにエラータイトルが時間の経過と共に移動して表示されることにより、エラータイトルが強調され、ユーザがエラーの発生を認識しやすくなる。また、表示すべき文字列が領域A332に表示可能な範囲を超える場合でも、当該文字列が右から左へ流れるようにその全体が表示されることとなる。したがって、表示文字列数が限られた領域A332でも、エラー情報の全てを表示することが可能である。
【0077】
さらに、かかるテロップ表示では、エラーの表示によってワーク領域A34が隠されることがないので、ユーザの臨床検査に関する作業が妨げられることがない。例えば、図14に示す例のように承認画面が表示されている場合においては、エラーが表示されても検査結果が隠されることがなく、検査結果の承認を継続して行うことができる。かかる検査結果の承認作業は、複数の検体の検査結果を連続して承認することが一般的に行われており、検査結果を少しでも早く承認し、医師に報告することが望まれている。このため、エラーの表示によって検査結果の表示が妨げられると、ユーザはエラーを解除する処理を先に行わなければならず、検査結果の承認を迅速に行えなくなる。本実施の形態のように、エラー情報をテロップ表示した場合には、エラーの解除を行わなくとも複数の検体の検査結果を連続して承認することが可能となり、承認作業を効率的に行うことができる。また、承認作業が終わった後に、ユーザはエラーの解除を行えばよい。
【0078】
上記のようなテロップ表示を表示方法とするエラーは、エラーが発生しても臨床検査が中断されないものが好ましい。このようなエラーの例としては、ホストコンピュータ100と臨床検査情報管理サーバ9との間での通信異常、検体量不足等が挙げられる。これらのエラーは、通信異常が発生するまでに離昇検査情報管理サーバ9に受信された測定オーダを用いて測定を行ったり、検体量が不足した検体の測定を行わずに次の検体を測定したりすれば、エラーが発生したとしても臨床検査全体の動作が中断されることはない。またバーコードの読取異常の場合でも、バーコードが読み取れなかった検体の測定を行わずに次の検体を測定するようにすれば、当該エラーが発生したとしても臨床検査全体の動作が中断されることはないため、テロップ表示の対象として適している。これらのエラーにより測定できなかった検体については、後に通信状態を復旧したり、バーコードを付け替えたり、検体を稀釈したりして改めて測定することができる。
【0079】
またエラー情報のテロップ表示がされている領域A332がユーザの操作により選択(例えば、マウスの右クリックなど)されると、当該エラーのさらに詳細な情報を含む詳細画面が表示される。
【0080】
ステータスバー領域A35には、臨床検査情報管理システムの状態が表示される。また、当該ステータスバー領域A35は、エラー情報を表示する領域でもある。ステータスバー領域A35に表示されるエラーは、エラーマスタデータSDにおいて表示方法をステータスバー表示とされたエラーであり、テロップ表示又はポップアップ表示が指定されたエラーはステータスバー領域A35に表示されない。
【0081】
上記のようなエラー情報のテロップ表示を開始すると、CPU91aは、処理をステップS304へと戻し、再度イベントの発生を確認する。
【0082】
ステップS309において、エラーの表示方法がテロップ表示でない場合には(ステップS309においてNO)、CPU91aは臨床検査情報管理システムの表示画面においてエラータイトルのステータスバー表示を実行する(ステップS311)。この処理では、当該エラーのエラータイトルがステータスバー領域A35に固定的に表示される。
【0083】
上記のようなステータスバー表示を表示方法とするエラーは、エラーが発生したとしても臨床検査に影響が殆んどないようなものが好ましい。このようなエラーの例としては、バーコード読取異常が挙げられる。バーコード読取異常が発生した検体については、所定の測定項目について測定を行うようにすれば、当該検体についても測定が行われることになるため、臨床検査全体に殆んど影響を与えない。したがって、このような場合には、バーコード読取異常はステータスバー表示に適している。
【0084】
ステップS305において、検出されたイベントがエラー発生イベントでない場合には(ステップS305においてNO)、CPU91aは、当該イベントがエラー情報の詳細画面の表示指示の受け付けであるか否かを判定する(ステップS312)。詳細画面の表示指示は、ユーザのマウス操作によって、エラーポップアップ画面W20(図13)のボタンB21が選択されたり、画面W30(図14)のインフォメーションバーA33の領域A332に表示されているエラータイトルが選択されたりすることで受け付けられる。検出されたイベントがエラー情報の詳細画面の表示指示の受け付けである場合(ステップS312においてYES)、CPU91aは、エラー情報の詳細画面を画像表示部92に表示させる(ステップS313)。
【0085】
図15は、エラー情報の詳細画面の構成を説明するための図である。図に示すように、詳細画面W40には、エラーの発生日時、エラーコード、エラー表示対象の端末情報を表示するための領域A41、エラー原因を表示するための領域A42、エラー内容を表示するための領域A43、及びエラー対処方法を表示するための領域A44が設けられている。さらに詳細画面W40には、当該エラーをクリア(解除)するためのボタンB41も設けられている。ユーザは、この詳細画面40により、エラーの発生日時、エラーコード、エラー表示対象の端末情報、エラー原因、エラー内容、エラー対処方法等を確認することができ、ボタンB41を選択する操作を行うことで、エラーの解除が可能である。
【0086】
上記のようなエラー情報の詳細画面W40を表示すると、CPU91aは、処理をステップS304へと戻し、再度イベントの発生を確認する。
【0087】
一方、ステップS312において、検出されたイベントがエラー情報の詳細画面の表示指示の受け付けでない場合(ステップS312においてYES)、CPU91aは、当該イベントがエラーのクリアであるか否かを判定する(ステップS314)。検出されたイベントがエラーのクリアである場合には(ステップS314においてYES)、CPU91aは、エラー表示を終了する(ステップS315)。この処理において、CPU91aは、エラー表示方法がポップアップ表示である場合には、エラーポップアップ画面を閉じ、エラー表示方法がテロップ表示である場合には、インフォメーションバー領域A33にテロップ表示されているエラータイトルを削除し、エラー表示方法がステータスバー表示である場合には、ステータスバー領域A35に表示されているエラータイトルを削除する。また、エラー情報の詳細画面が表示されている場合には、CPU91aは当該詳細画面を閉じる。
【0088】
上記のようなエラー情報の表示終了を実行すると、CPU91aは、処理をステップS304へと戻し、再度イベントの発生を確認する。
【0089】
一方、ステップS314において、検出されたイベントがエラーのクリアでない場合(ステップS312においてYES)、CPU91aは、当該イベントがシャットダウンの指示受け付けであるか否かを判定する(ステップS316)。検出されたイベントがシャットダウンの指示受け付けである場合には(ステップS316においてYES)、CPU91aは、シャットダウン処理を実行し(ステップS317)、処理を終了する。ステップS316において、検出されたイベントがシャットダウンの指示受付でない場合、CPU91aは、処理をステップS304へと戻し、再度イベントの発生を確認する。
【0090】
なお、エラー表示は、上記のように臨床検査情報管理サーバ9のみによって行う場合の他、エラーの表示対象の端末にクライアント装置10が指定されている場合には、クライアント装置10においても行われる。この場合は、ユーザがクライアント装置10を用いて臨床検査管理情報サーバ9にログインし、クライアント装置10に臨床検査システムの画面が表示された状態において、臨床検査情報管理サーバ9においてエラーの発生イベントが検出されると、表示すべきエラー情報(本実施の形態の場合にはエラータイトル)、及びエラーの表示方法(ポップアップ表示、テロップ表示、及びステータスバー表示の何れか)を示すデータが臨床検査情報管理サーバ9から表示対象のクライアント装置10に送信され、当該データを受信したクライアント装置10が、指定された表示方法により、画像表示部112にエラー情報を表示することとなる。
【0091】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態においては、テロップ表示するエラー情報をエラータイトルとした構成について述べたが、これに限定されるものではない。エラータイトルではなく、エラー内容としてもよいし、エラータイトル、エラー内容、エラー対処方法等を続けて領域A332に移動させながら表示する構成としてもよい。
【0092】
また、上述した実施の形態においては、表示される情報として、システムにおいて発生するエラーに関するメッセージを挙げている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、システムにおける臨床検査の進捗に関するメッセージでもよく、例えば検査が正常に完了したときに、「検査が正常に完了しました」というメッセージをテロップ表示させるようにしてもよい。また、システムが設置された施設における連絡事項に関するメッセージでもよく、例えば「○○時△△分に××システムを停止させます」などのメッセージをテロップ表示させるようにしてもよい。また、検査結果に関するメッセージでもよく、例えば検査結果の所定の項目の値が異常であった場合には、「即刻医師に報告してください」というようなメッセージをポップアップ表示させるようにしてもよい。
【0093】
また、上述した実施の形態においては、表示方法がテロップ表示のエラー情報を、領域A332の右端から左端へ移動させながら表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、エラー情報の文字列を点滅させて表示する等、時間の経過と共に変化する表示方法であれば、他の表示方法としてもよい。文字列の長さが領域A332の表示範囲を超える場合には、文字列の一部分を表示した後、他の部分を表示するように、時間経過と共に文字列の表示部分を変化させる構成としてもよい。
【0094】
また、上述した実施の形態においては、臨床検査情報管理サーバ9が、血液分析システム200と、血球計数装置300と、血液凝固測定装置400と、尿分析装置500と、に接続された例を示したが、これら以外の臨床検体分析装置と接続されていてもよいし、血液分析システム200等、1つの臨床検体分析装置とのみ接続されていてもよい。
【0095】
また、上述した実施の形態においては、本発明に係る臨床検査装置の一例である臨床検査情報管理装置をその具体例として挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る臨床検査装置は、被験者から採取された血液や尿などの検体と試薬とから測定試料を調製し、測定試料を測定することで検体の成分を分析し、当該分析結果のバリデーションなどを実行し、結果を報告することができる臨床検体分析装置であってもよい。具体的には、血球計数装置、血液凝固測定装置、尿分析装置、免疫測定装置及び生化学測定装置などであってよい。
【0096】
上記臨床検査装置は、検体を測定するための測定機構と、測定機構を制御するための制御装置を備えている。この制御装置には一般的なパーソナルコンピュータが用いられる。また、制御装置は、発生しても検体の測定を継続可能な異常、例えば検体量不足エラーなどの表示方法はテロップ表示し、発生すると検体の測定が停止する異常、例えば吸引管のつまりエラーなどの表示方法はポップアップ表示するよう記憶している。
【符号の説明】
【0097】
1 臨床検査情報管理システム
2 検体投入装置
3 検体搬送装置
4 検体収容装置
5 血球分析装置
51 測定ユニット
52 情報処理ユニット
6 塗抹標本作製装置
7 血球画像表示装置
8 システム制御装置
9 臨床検査情報管理サーバ
91a CPU
91b ROM
91c RAM
91d ハードディスク
91g 通信インタフェース
94a コンピュータプログラム
10 クライアント装置
111a CPU
111b ROM
111c RAM
111d ハードディスク
111g 通信インタフェース
114a コンピュータプログラム
100 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査結果の承認を受け付ける第一画面を表示する表示部と、
検査結果と操作者に通知する通知情報とを記憶する記憶部と、
通知情報を、第一画面の所定の領域に表示するか第一画面に重畳して表示される第二画面に表示するかを設定するための設定画面を、操作者の指示に基づき前記表示部に表示させる制御部と、
を備える、臨床検査装置。
【請求項2】
前記臨床検査装置が、コンピュータ端末及び臨床検体分析装置を用いて管理対象とする検査に関する情報を受け付け、検査オーダの受付から検査結果の報告に至る業務を管理するための臨床検査情報管理装置であり、
前記通知情報が、前記コンピュータ端末及び前記臨床検査分析装置に生じるエラーに関するエラー情報であり、
前記制御部は、前記コンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置から受け付けた臨床検査に関する情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の臨床検査装置。
【請求項3】
前記制御部は、エラーが発生した場合、前記設定画面での設定に従い、前記エラー情報を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の臨床検査装置。
【請求項4】
前記エラー情報は、発生したエラーの名称を示す文字情報であり、
前記制御部は、前記所定の領域に、前記文字情報を時間の経過とともに変化するように前記表示部に表示させる、
請求項2又は3に記載の臨床検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記文字情報を、前記所定の領域内において時間の経過とともに移動するように前記表示部に表示させる、
請求項4に記載の臨床検査装置。
【請求項6】
操作者からの入力を受け付ける受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記所定の領域の前記文字情報を選択する入力を前記受付部が受け付けた場合、前記エラーの詳細を示す第三画面を前記第一画面に重畳して前記表示部に表示させる、
請求項2乃至5の何れかに記載の臨床検査装置。
【請求項7】
前記記憶部は、発生しても臨床検査を継続可能なエラーに関するエラー情報を前記所定の領域に表示し、発生すると臨床検査が停止するエラーに関するエラー情報を前記第二画面に表示する設定を予め記憶している、
請求項2乃至6の何れかに記載の臨床検査装置。
【請求項8】
前記コンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置と臨床検査に関する情報を通信するための通信部をさらに備え、
前記記憶部は、前記通信部に関するエラー情報を前記所定の領域に表示し、前記臨床検体分析装置の機構に関するエラー情報を前記第二画面に表示する設定を予め記憶している、
請求項2乃至7の何れかに記載の臨床検査装置。
【請求項9】
前記臨床検査装置が、被験者から採取された検体と試薬とから試料を調製し、調製された試料を測定し、検体に含まれる成分を分析する臨床検体分析装置であり、
前記通知情報は、臨床検査分析装置に生じるエラーに関するエラー情報であり、
前記制御部は、検体に含まれる成分の分析結果を前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の臨床検査装置。
【請求項10】
前記制御部は、エラーが発生した場合、前記設定画面での設定に従い、前記エラー情報を前記表示部に表示させる、
請求項9に記載の臨床検査装置。
【請求項11】
前記エラー情報は、発生したエラーの名称を示す文字情報であり、
前記制御部は、前記文字情報を、前記所定の領域内において時間の経過とともに移動するように前記表示部に表示させる、
請求項9又は10に記載の臨床検査装置。
【請求項12】
操作者からの入力を受け付ける受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記所定の領域の前記文字情報を選択する入力を前記受付部が受け付けた場合、前記エラーの詳細を示す第三画面を前記第一画面に重畳して前記表示部に表示させる、
請求項9乃至11の何れかに記載の臨床検査装置。
【請求項13】
前記記憶部は、発生しても検体の測定を継続可能なエラーに関するエラー情報を前記所定の領域に表示し、発生すると検体の測定が停止するエラーに関するエラー情報を前記第二画面に表示する設定を予め記憶している、
請求項9乃至12の何れかに記載の臨床検査装置。
【請求項14】
検査オーダの受付から検査結果の報告に至る業務を管理するための臨床検査情報管理システムであって、
臨床検体を分析し、分析結果を含む臨床検査に関する情報を取得する臨床検体分析装置と、
ユーザが管理対象とする臨床検査に関する情報を入力するためのコンピュータ端末と、
検査結果の承認を受け付ける第一画面を表示する表示部と、
前記臨床検体分析装置及び前記コンピュータ端末により取得された臨床検査に関する情報と、前記コンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置に生じるエラーに関するエラー情報とを記憶する記憶部と、
エラー情報を、第一画面の所定の領域に表示するか、第一画面に重畳して表示される第二画面に表示するかを設定するための設定画面を、操作者の指示に基づき前記表示部に表示させる制御部と、
を備える、臨床検査情報管理システム。
【請求項15】
表示部と、記憶部とを備えるコンピュータ端末を臨床検査装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記記憶部は、検査結果と操作者に通知する通知情報とを記憶しており、
前記通知情報を、検査結果の承認を受け付ける第一画面の所定の領域に表示するか第一画面に重畳して表示される第二画面に表示するかを設定するための設定画面を操作者の指示に基づき前記表示部に表示させるステップと、
第一画面を前記表示部に表示させるステップと、
第一画面が表示されているときに通知情報を表示する場合に、前記設定画面において行われた設定に従って前記通知情報を前記表示部に表示させるステップと、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項16】
前記臨床検査装置が、他のコンピュータ端末及び臨床検体分析装置から管理対象とする検査に関する情報を受け付け、検査オーダの受付から検査結果の報告に至る業務を管理するための臨床検査情報管理装置であり、
前記通知情報は、前記他のコンピュータ端末及び前記臨床検査分析装置に生じるエラーに関するエラー情報であり、
前記他のコンピュータ端末及び前記臨床検体分析装置から受け付けた検査に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップを、前記コンピュータにさらに実行させる、
請求項15に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−191204(P2011−191204A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58229(P2010−58229)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】