説明

自動ストランド取り上げ装置

本発明は、金型(2)から少なくとも1つの糸を掴み取るための少なくとも1つの把持部材(12)を備える自動糸取り上げ装置に関し、この把持部材は、単一の搬送ループ(1)によって裁断機(7)の付近に案内される。この把持を動作させるシステムが、この把持部材(2)が裁断機(7)において上記糸を釈放するように開閉することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ストランド取り上げ装置(automatic strand take−up installation)に関する。さらに明確に述べると、本発明は、ブシュ下細断プロセス(below−bushing chopping process)で使用されることが意図されているストランド取り上げ装置に関し、このプロセスでは、熱可塑性ストランド、特にガラスストランドが引き抜かれて細断される。本発明の別の側面によって、本発明は、この自動ストランド取り上げ装置が取り付けられているブシュを用いる直接的な細断のためのプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス強化ストランドの製造が、ブシュ内のオリフィスを通過して外に流れ出る溶融ガラス流からストランドを得ることにある複雑な工業プロセスの結果として生じるということが想起されるだろう。この溶融ガラス流は、少なくとも1つの採糸室(fiberizing cabin)から連続フィラメントの形態に引き抜かれ、その次に、これらのフィラメントは、ベースストランド(base strand)の形に集められ、その次に、これらのストランドが、例えば、複数のガラスストランドを生産するために連続的に細断される。この工業プロセスのこの段階が、一般的に、「ブシュ直下細断(direct below−bushing chopping)」と呼ばれている。
【0003】
従来においては、採糸室は、実質的に、炉から到着する溶融ガラス供給材料から成り、および、この高温のガラスは、白金合金で作られている複数のブシュを送り込み、このガラスは、ブシュ内に形成されているオリフィスを通過して引き抜かれた後に、フィラメントを生じさせる。
【0004】
ブシュ直下細断プロセスでは、このフィラメントは、サイジング構成(sizing composition)を受けてストランドの形に組み合わされた後に、引き抜き作業と、ストランドを細断ガラスストランドに細断する作業との両方を行う細断装置(chopper)に送られる。
【0005】
従来においては、ブシュ下細断プロセスでは、この作業はブシュ操作員によって行われ、および、ブシュ下細断装置の技術と動作の一部分なので、通常の生産サイクル中に多数回にわたって行われる。
【0006】
ブシュ下細断装置は、ブシュの定常状態の生産に正確に対応する一定不変の速度でガラスストランドを引き抜かなければならない。この場合に、この定常状態を得るために、本質的にストランド引抜き速度を漸進的に増大させることにある過渡的段階を経ることが必要である。この過渡的段階は、さらに、例えばストランドが破断する時のような、生産のあらゆる予想外の中断の後にも生じる。中程度の速度でストランドが引き抜かれることを必要とする過渡的な再始動段階を経ることが必要であり、これは、手によって、または、各ブシュのためのサイジング装置(sizing device)の下方に配置されている個別のストランド引張り装置(strand puller)によって、得られることが可能である。
【0007】
原則的に、ブシュ操作員は、ブシュが熱的に安定化されていると判断する時に、このブシュのためのストランド引張り装置から到来するストランドを把持し、および、このストランドを、細断部材の後方に配置されている再始動部材(restart member)上に送り、この再始動部材は、ストランド引抜き速度を数m/秒(1m/秒から5m/秒)から数10m/秒の速度に切り換え、この数10m/秒の速度は、実際には、定常状態に達している公称引抜き速度に一致する。
【0008】
この公称速度に達すると、ストランドは、一般的にアンビルホイール(anvil wheel)とブレードホイール(blade wheel)とから成る実際の細断部材の上に送られ、このアンビルホイールとブレードホイールは、細断されたガラスストランドがこれらの間を通過し終わった後にその細断ガラスストランドを外に出すように設計されている。
【0009】
次に、ブシュと、細断装置の再始動ホイール(restart wheel)との間のこの往復移動が、生産サイクルのプログラムされた段階にしたがって、および、そのプログラムされていない段階にしたがって、生じることが可能であるということが理解されるだろう。
【0010】
プログラムされた段階に関しては、保守点検作業に相当する段階があり、この保守点検作業は、例えば、その機械の動作が中断されることと、細断部材が交換されることとを必要とする。
【0011】
プログラムされていない段階に関しては、これらの段階は、特に、ブシュ出口と実際の細断装置との間の任意の箇所においてストランドの少なくとも1つで破断が生じる時に、操作員による作業を含むだろう。
【0012】
段階の種類が何であろうと、(特に、幾つかのブシュに故障がある時には)操作員は何度も往復移動しなければならず、このことが大量の時間を要するだろう。これが、最終製品(細断されたガラスストランド)の損失と、廃棄物の発生とを結果的にもたらし、および、最終的には生産ユニットの効率の低下を結果的にもたらす。
【0013】
この問題を部分的に解決するためのブシュ直下細断装置が、特にUS 5,935,289から公知である。この装置は、一方では、少なくとも1つのストランド束を取り上げることと、他方では、ブシュ下細断装置上にそのストランド束を置くこととを可能にするシャトルの形態の機械化された装置を備えている。
【0014】
上記の装置の主な欠点が、その大きなサイズにある。これは、ストランド束を取り上げて下に置く機械化された装置が、実際の細断装置までブシュの下方から垂直方向に延びる、生産設備に面するフレームに沿って移動するからである。この「カーテン(curtain)」構成が、ブシュ操作員によって行われる作業に関する危険性をもたらし、および、このブシュ構成員の安全性が、シャトルの不意の通過によって危険にさらされる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は、並置された複数の採糸室と細断装置との間における操作員の往復移動を低減させることを可能にする安全装置を提案することによって、これらの欠点を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によって、ブシュ下細断プロセスで使用されることが意図されている自動ストランド取り上げ装置であって、このブシュ下細断プロセスは、溶融ガラスから直接的に細断ガラスストランドを形成することにあり、上記溶融ガラスは、複数のフィラメントを形成するように、少なくとも1つのブシュの中に作られているオリフィスを通過させられており、上記フィラメントは少なくとも1つのストランドの形に組み合わされ、上記ストランドはサイジング作業の後に、少なくとも1つのストランドを所望の長さの複数の細断ガラスストランドの形に細断するように設計されている少なくとも1つの細断装置に送られ、および、したがって、このストランドはブシュと細断装置との間の経路を辿る、自動ストランド取り上げ装置が、
− 少なくとも1つのストランドを把持するための少なくとも1つの把持部材であって、ストランドを把持する第1の位置と、そのストランドを釈放する第2の位置とを占めることが可能である把持部材と、
− 上記把持部材が少なくとも1つのストランドを把持することが可能な第1の位置と、上記把持部材が細断装置において上記ストランドを釈放する第2の位置との間で、把持部材を移動させるための搬送ループ
とを備えることを特徴とする。
【0017】
これらの構成によって、および、特に単一の搬送ループの存在によって、その他のブシュの最適な動作とは無関係に、ブシュ出口と細断装置との間の少なくとも1つのストランドの移動を安全に自動化することが可能である。
【0018】
本発明の好ましい実施態様では、次の構成の1つまたは複数も、採用随意に使用されるだろう。
− 搬送ループが、その自動ストランド取り上げ装置の両側にそれぞれに配置されている少なくとも2つの案内プーリの間を延び、すなわち、一方では、採糸室の1つに沿って、かつ、他方では、ストランドの経路に平行な平面に対して少なくとも部分的に概ね垂直である方向に延びる。
− この搬送ループは、制御された速度で上記ループを連続的に動かすように設計されているアクチュエータによって、そのプーリの少なくとも1つにおいて動作させられる。
− このモータ駆動プーリは、ブシュの少なくとも1つに対して実質的に垂直に配置されている。
− この自動ストランド取り上げ装置は、さらに、第1の位置と第2の位置との間で上記把持部材の状態を変化させるように設計されている少なくとも1つの制御部材を含む。
− この制御部材は、レバーによって駆動される少なくとも1つの可動カムを備え、上記カムはストランド束に沿って配置されており、および、上記カムは、上記把持部材に締め付け固定されている作動部材を有する案内表面を備えている。
− この把持部材は、搬送ループから分離させられることが可能である。
− 搬送ループの少なくとも一部分が、細断装置に連結されている構造に締め付け固定されており、および、上記構造は少なくとも1つのカバーによって保護されている。
【0019】
本発明の別の側面では、本発明は、さらに、溶融ガラスから直接的に細断ガラスストランドを形成することにあるブシュ下細断プロセスにも関し、このブシュ下細断プロセスでは、上記溶融ガラスは、複数のフィラメントを形成するように、少なくとも1つのブシュの中に作られているオリフィスを通過させられており、上記フィラメントは少なくとも1つのストランドの形に組み合わされ、上記ストランドは、サイジング作業の後に、少なくとも1つのストランドを所望の長さの複数の細断ガラスストランドの形に細断するように設計されている少なくとも1つの細断装置に送られ、および、したがって、上記ストランドはブシュと細断装置との間の経路を辿り、このブシュ下細断プロセスは、
− 少なくとも1つの把持部材が少なくとも1つのストランドを把持し、上記把持部材は、ストランドを把持する第1の位置と、そのストランドを釈放する第2の位置とを占めることが可能であり、
− 搬送ループ(1)が、上記把持部材が少なくとも1つのストランドを把持する第1の位置と、上記把持部材が細断装置において上記ストランドを釈放する第2の位置との間で、上記把持部材を移動させる
を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の特徴と利点とが、添付図面に関連付けて、非限定的な具体例として示されている、本発明の実施形態の1つに関する以下の説明の中で明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1と図2は、「ブシュ直下細断」プロセスと呼ばれてものを実施するための生産ユニットを非常に概略的に示す。このプロセスは当業者には公知であり、および、多数の公開の主題、特にEP 0 849 381 B1の主題を形成し、および、本出願人はこのプロセスの作業をさらに詳細には説明しない。
【0022】
概略的に述べると、この生産ユニットは1組の並置されたブシュ2を備え、これらのブシュの各々は溶融ガラスからガラスストランドを生産することが可能であり、上記溶融ガラスは、引き抜き後に複数のフィラメントを形成するように、少なくとも1つのこれらのブシュの中に作られているオリフィスを通過させられており、上記フィラメントは少なくとも1つのストランドの形に組み合わされ、上記ストランドは、サイジング作業の後に、同様にこの図に示されている少なくとも1つの細断装置に送られ、この細断装置は、フィラメントを所望の長さの複数の細断ガラスストランドの形に組み合わせることによって形成されている少なくとも1つのストランドを細断するように設計されている。
【0023】
図2に詳細に示されているように、搬送ループ1が、ブシュの各々から到来するフィラメントの生産品に概ね平行である平面内において、ブシュ2の垂直方向に下方に配置されている。この搬送ループ1は、アクチュエータ5によって少なくとも1つがモータ駆動されている少なくとも2つのプーリ3、4(図3と図1にそれぞれ示されている)の間に形成されており、これらのプーリの各々はそれぞれに1組のブシュ2の末端と細断装置7の末端とに配置されている。
【0024】
油圧タイプまたは電気モータタイプのアクチュエータ5が、減速歯車によって、制御された速度で搬送ループ1を恒久的に動かすことを可能にし、この搬送ループ1は、少なくともブシュ2の付近の1つの区域内で概ね直線状の輪郭を有する。
【0025】
図1に詳細に見てとれるように、この搬送ループ1は、細断装置7の前面に対して平行な平面内を概ね延びる。この搬送ループ1は、細断装置7の前面に可能な限り接近して延びるように曲がりくねった輪郭を有し、この曲がりくねった輪郭は、複数の駆動/案内プーリ8、9を適切な場所に配置することによって得られ、これらの駆動/案内プーリ8、9は、その幾つかの場合に、アングルリターン(angle return)を形成する。
【0026】
図3と図4に見てとれる搬送ループ1は、金属ケーブル、滑らかなベルトまたはコグドベルト、チェーン、ラム、または、同様の運動力学的移動を生じさせる他の任意の装置、すなわち、上記ループによって支持されている部材が2つの箇所の間を滑りなしに移動することを可能にする他の任意の装置を使用して形成される。
【0027】
図3に示されている非限定的な例では、搬送ループは、2つのプーリの間に張られている金属ケーブル(特に鋼鉄ケーブル)から形成されており、このプーリの少なくとも1つはモータ駆動されており、プーリの溝の輪郭は、ケーブルの周囲表面に対するあらゆる滑りを制限またはさらには排除するように設計されている(この溝の概ね円錐形の輪郭が特に適している)。
【0028】
図5は、図1に見てとれる並置ブシュの前面を拡大して示す。搬送ループ1はU字形の横断面を有する金属ストリップの内側において保護および案内され、このストリップは、ガラスフィラメントの通過を妨害しないようにブシュの下部に形成されている大火災(conflagration)内に取り付けられている。
【0029】
(図2に見てとれる)ペダルまたはレバーの形態の操作部材11が各々のブシュ凹みの中に配置されており、この操作部材は、搬送ループ1と協働する把持部材12が少なくとも1つのガラスストランドを把持することが可能である第1の位置と、ガラスストランドの付近を通過するこの同じ把持部材が、図4にさらに詳細に示されているように、ガラスストランドを把持することが不可能である第2の位置との間で、カムを操作することを可能にする。
【0030】
図4は、第1の代替案の実施形態による把持部材12を詳細に示す。ペンチ(pincer)の形状であり、かつ、ガラスストランドの案内を改善するように湾曲した輪郭の顎を有するこの把持部材12は、恒久的な仕方(締め付け、または、挟み付け)で、または、非恒久的な仕方で、搬送ループ1と協働し、および、この非恒久的な仕方の場合には、この把持部材12は搬送ループ1から分離させられることが可能である。ペンチは、カム従動子13を支持するヒールを備えており、これによって上記ペンチの顎が開閉することを可能にする。
【0031】
この顎の開閉動作は、次の運動力学にしたがって上記カム14の端縁上に形成されている案内表面を通過するカム従動子13によって生じさせられ、すなわち、
− カム従動子13は、傾斜案内表面に接触している時には、顎を開かせ、および、
− カム従動子13と、搬送ループに平行なカム14の案内表面との間に接触がない時には、顎がストランドの周囲で閉じ、および、把持部材12を支持する搬送ループ1の平行移動によってそのストランドを搬送する。
【0032】
この状況は、(上述したように)ブシュ操作員がレバー11を操作し終わった後にカム14が所定位置に移動させられた後だけに生じる。
【0033】
図6と図7とに示されている把持部材12の別の実施形態では、この把持部材12はペンチの形態である。このペンチ(図7を参照されたい)は、カムを下降させることによって開かれる。この下降移動は、ストランド引張り装置内のストランド束を熱的な定常状態にする)ブッシュ操作員の準備の後に、当該のストランド束が把持部材12によって把持されることが可能であるとみなすブシュ操作員によって操作される。例えば、ブシュ操作員は、当該のブシュに特に面しているコントラクタ(contractor)を押して、カムが下降させられることを生じさせ、および、このカムが把持部材12の経路に干渉するだろう。
【0034】
図6と図7とに見てとれるように、そのペンチは固定部分19と可動部分18とを備え、この可動部分18は第1の部分に連結されている。可動部分18は、カムの運動力学的経路に交差するカム従動子13を有する。ペンチはカムと接触する時に開き、および、搬送ループ7に締め付け固定されている把持部材12は束(ストランド)を把持するだろう。その次に、(ばねタイプまたは類似の装置である)弾性部材の作用によって、ペンチが閉じてその束を締め付ける。その次に、搬送ループ7はその束を(図1に見てとれる)細断装置の再始動ホイール17に搬送し、その束が釈放される。この搬送ループは、例えば水の噴流によってペンチがクリーニングされる待機位置に把持部材12を搬送し、および、別のブシュに関する操作員による別の作業が再始動されるのを待機する。
【0035】
自動的にブシュを再始動するこの動作が、その他の隣接したブシュの公称動作とは無関係に行われる。この再始動動作は、その装置の生産条件に干渉せずかつ妨害しない。
【0036】
図1は、さらに、ブッシュ下細断装置7の前面における搬送ループ1の経路を示す。この経路は、細断装置の輪郭により適切に適合するように、第1の搬送ループによって形成されている経路よりも曲がりくねっているだろう。戻り/案内プーリ8、9が適切に配置されているので、この搬送ループを既存の生産設備の中に一体化することが可能である。さらに、この搬送ループ1が(細断装置に可能な限り接近して位置しているこの搬送ループ1の領域内において)、細断装置のフレームに連結されている複数のカバー15によって保護されているということが指摘されなければならない(図5を参照されたい)。
【0037】
好ましい実施形態では、搬送ループ1は細断装置7のフレームに連結されているフレームと一体状である。このことが、従来通りの仕方で、すなわち、搬送ループ1を使用せずに、細断装置を使用することを可能にする。
【0038】
把持部材12は、搬送ループによって、ストランド束を細断装置7の再始動ホイール17に搬送する。
【0039】
再始動ホイールが、細断装置の過渡的な動作段階中にストランドが引き抜かれることを可能にする部材であるということが想起されるだろう。
【0040】
明確に述べると、細断装置上での保守点検段階(従来的には、細断部材の交換)を行うことが必要である時に、または、ブシュの故障の結果としてストランドが破断してしまった時に、ストランドを引き抜き続けると同時にストランドを取り除くことが必要である。再始動ホイールは、ストランドをその再始動ホイール上に巻き付けることによって、こうした過渡的な段階中にこのプロセスに関与する。
【0041】
したがって、図1に示されている再始動ホイール17は、把持手段12において搬送ループ1によって搬送されるストランドを自動的に把持するための装置を備えている。
【0042】
再始動ホイールは、この把持装置が把持部材12の経路に交差するように配置されている。
【0043】
図示されている具体例では、再始動ホイールは溝を備えている。この溝は、ストランドの経路に交差する時に、および、回転運動の作用によって、ストランドに噛み合って、再始動ホイールの周囲表面上にそのストランドを巻き付ける。
【0044】
制御された顎を有するペンチを把持部材が持たない場合には、再始動ホイールが回転運動されられる前にナイフまたは他の任意の類似の部材が把持部材12からストランドを釈放することが可能であるように、ナイフまたは他の任意の類似の部材を配置することが必要だろう。
【0045】
上述した本発明は、多くの利点を有し、すなわち、
− 把持部材を有する搬送ループは、保護されている生産ユニットの領域内に配置されており、したがってユーザの安全性を確実なものにし、特に、この搬送ループは、ユーザが上を移動する床の高さのかなり下方に配置されており、ユーザの脚部が動作部材に接触することを防止し、これによって安全性を向上させ、
− この自動ストランド取り上げ装置はコンパクトであり、かつ、ブシュ直下細断装置の手動操作と適合性があり、および、ブシュ操作員が問題発生時に細断装置に手動でストランドを供給することが可能であり、
− この自動ストランド取り上げ装置は、その他のブシュの動作に干渉しない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、一方の末端において示されている、搬送ループを備えている細断装置の拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されている搬送ループの他方の末端の詳細図である。
【図3】図3は、第1の代替案の実施形態による、把持部材を備えている、図2に示されている搬送ループの詳細図である。
【図4】図4は、図3に示されている把持部材の拡大斜視図である。
【図5】図5は、保護カバーを示すこの装置の詳細な斜視図である。
【図6】図6は、ペンチが開位置で示されている、把持部材の第2の代替案の実施形態の平面図である。
【図7】図7は、ペンチが閉位置で示されている、把持部材の第2の代替案の実施形態の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融ガラスから直接的に細断ガラスストランドを形成することにあるブシュ下細断プロセスで使用されることが意図されている自動ストランド取り上げ装置であって、前記溶融ガラスは、複数のフィラメントを形成するように、少なくとも1つのブシュの中に作られているオリフィスを通過させられており、前記フィラメントは引き抜かれて少なくとも1つのストランドの形に組み合わされ、前記ストランドは、サイジング作業の後に、少なくとも1つのストランドを所望の長さの複数の細断ガラスストランドの形に細断するように設計されている少なくとも1つの細断装置(7)に送られ、および、したがって、前記ストランドは前記ブシュと前記細断装置との間の経路を辿る自動ストランド取り上げ装置において、
− 少なくとも1つのストランドを把持するための少なくとも1つの把持部材(12)であって、前記ストランドを把持する第1の位置と、前記ストランドを釈放する第2の位置とを占めることが可能である把持部材と、
− 前記把持部材(12)が少なくとも1つのストランドを把持することが可能な第1の位置と、前記把持部材(12)が前記細断装置において前記ストランドを釈放する第2の位置との間で、前記把持部材(12)を移動させるための搬送ループ(1)と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記搬送ループ(1)は、前記自動ストランド取り上げ装置の両側にそれぞれに配置されている2つの駆動プーリ(3、4)の間を延び、すなわち、一方では、1つの室に沿って、かつ、他方では、前記細断装置(7)の付近において、前記ストランドの経路に平行な平面に対して少なくとも部分的に概ね垂直である方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記搬送ループ(1)は、制御された速度で前記ループを連続的に動かすように設計されているアクチュエータ(5)によって、前記プーリの少なくとも1つ(3)において動作させられることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記モータ駆動プーリ(3)は、前記ブシュ(2)の少なくとも1つに対して実質的に垂直に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記自動ストランド取り上げ装置は、さらに、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記把持部材(12)の状態を変化させるように設計されている少なくとも1つの制御部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御部材は、レバー(11)によって駆動される少なくとも1つの可動カム(14)を備え、前記カム(14)はストランド束に沿って配置されており、および、前記カムは、前記把持部材(12)に締め付け固定されている作動部材を有する案内表面を備えていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記把持部材(12)は、前記搬送ループ(1)から分離させられることが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項8】
前記搬送ループの少なくとも一部分は、前記細断装置に連結されている構造に締め付け固定されており、および、前記構造は少なくとも1つのカバー(15)によって保護されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
溶融ガラスから直接的に細断ガラスストランドを形成することにあるブシュ下細断プロセスであって、前記溶融ガラスは、複数のフィラメントを形成するように、少なくとも1つのブシュの中に作られているオリフィスを通過させられており、前記フィラメントは少なくとも1つのストランドの形に組み合わされ、前記ストランドは、サイジング作業の後に、少なくとも1つのストランドを所望の長さの複数の細断ガラスストランドの形に細断するように設計されている少なくとも1つの細断装置(7)に送られ、および、したがって前記ストランドは前記ブシュと前記細断装置との間の経路を辿るブシュ下細断プロセスにおいて、
少なくとも1つの把持部材(12)が少なくとも1つのストランドを把持し、前記把持部材(12)は、前記ストランドを把持する第1の位置と、前記ストランドを釈放する第2の位置とを占めることが可能であり、
搬送ループ(1)が、前記把持部材(12)が少なくとも1つのストランドを把持する第1の位置と、前記把持部材(12)が前記細断装置において前記ストランドを釈放する第2の位置との間で、前記把持部材(12)を移動させるようになっている
ことを特徴とするブシュ下細断プロセス。
【請求項10】
前記把持部材(12)は、その他のブシュの動作とは無関係に、少なくとも1つのブシュにおいて少なくとも1つのストランドを把持することを特徴とする請求項9に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−502701(P2009−502701A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522031(P2008−522031)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050728
【国際公開番号】WO2007/010168
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(501399290)サン−ゴバン ベトロテックス フランス (33)
【Fターム(参考)】