説明

自動便器洗浄装置

【課題】 自動洗浄入切スイッチがオフの状態で、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされ且つ着座から離座までの間に自動洗浄入切スイッチがオンとなった場合に便器の自動洗浄を行う。
【解決手段】 自動洗浄入切スイッチ3がオフの状態において、着座から自動便器洗浄確定タイマ4によりカウントを開始して自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチ3がオンとなった場合、自動洗浄入切スイッチ3がオンになった時点から離座までの時間に関係なく離座後所定時間経過後に便器の自動洗浄を行うように制御する制御部1を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器の自動洗浄を行うための自動便器洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から便器の自動洗浄を行うに当たって、使用者が便座に最低着座時間以上着座した後、離座し、離座後所定時間後に洗浄水を便器内に自動的に供給して洗浄するようにした自動便器洗浄装置が例えば特許文献1により知られている。
【0003】
この特許文献1に示されるような従来例にあっては、例えば、図2に示すように、着座後最低着座時間T(例えば10秒)以上経過して離座すると、離座から所定時間T(例えば10秒)後に便器洗浄がオンとなって便器洗浄が自動的に実施され、便器洗浄オン後に所定時間経過した後、便器洗浄オフとなって便器洗浄が自動的に終了するように制御されるようになっている。
【0004】
ところが、上記のような従来例における自動便器洗浄を行うものにおいては、自動便器洗浄を行わないで手動で洗浄水の供給をして洗浄することを可能にしたものとなっていない。つまり、自動便器洗浄と手動操作による洗浄水の供給による便器洗浄とを切り換えるようになっていない。
【0005】
このため、自動便器洗浄装置においては、子供に小便や大便をしたのち、手動操作で洗浄水の供給をして便器洗浄をするという躾を行おうとしてもこのような躾ができないという問題がある。また、健康管理や体調管理のために用便後に便を観察し、便の状態により体調を知るようにしている人がいるが、特に、病人や高齢者においては、便の状態を観察して体調を知るようにしているが、このように便の状態を観察して体調管理をする人にとって、離座後所定時間が経過すると自動便器洗浄が行われると便の観察が確実に行えないという事態が生じてしまう。
【0006】
そこで、本発明者は、自動便器洗浄装置に便器の自動洗浄が可能な状態にするか自動洗浄が行われない状態にするかを切り換えるための自動洗浄入切スイッチを設けることを考えた。これだと、自動洗浄入切スイッチをオンにした場合には便器の自動洗浄が可能な状態にし、自動洗浄入切スイッチをオフにすると便器の自動洗浄ができない状態となって手動操作による洗浄水の供給による便器洗浄で便器を洗浄する形態にすることができ、これにより、自動便器洗浄を選択したり、あるいは、上記のような子供の躾のためや便を観察して体調管理するために手動による便器洗浄を選択したりできるものである。
【0007】
ところが、上記のように自動便器洗浄装置に便器の自動洗浄が可能な状態にするか自動洗浄が行われない状態にするかを切り換えるための自動洗浄入切スイッチを設ける場合、次のような新たな問題点が発生することが判明した。
【0008】
つまり、自動洗浄入切スイッチがオンの場合には、図2に示すように着座後自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T以上カウントされることで自動便器洗浄が確定されて離座後所定時間T経過後に便器の自動洗浄を行うようになっている。
【0009】
ところが、自動洗浄入切スイッチがオフの場合には、図5に示すように着座後離座までの間に自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T以上カウントされ、更に、着座から離座までの間に、使用者が自動洗浄入切スイッチがオンになっていないことに気づいて自動洗浄入切スイッチをオンとなるように操作し、この自動洗浄入切スイッチのオンから離座までの時間Tが自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T未満の場合には、自動洗浄入切スイッチがオンとなって自動便器洗浄が可能な状態となって着座後自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T以上カウントされていないため、図5に示すように自動便器便器洗浄がなされないことになる。ところが、使用者は自動洗浄入切スイッチをオンにしたことで、離座後所定時間T経過後に自動便器洗浄が行われると勘違いしてトイレを出てしまい、便器洗浄が行われないで放置された状態となるという不都合が生じるという問題がある。
【特許文献1】実開平7−29074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、自動洗浄入切スイッチがオフの状態において、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチがオンとなった場合、自動洗浄入切スイッチがオンになった時点から離座までの時間に関係なく便器の自動洗浄を行うことができる自動便器洗浄装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明に係る自動便器洗浄装置は、便器の自動洗浄が可能な状態にするか自動洗浄が行われない状態にするかを切り換えるための自動洗浄入切スイッチ3を設け、自動洗浄入切スイッチ3のオンによる便器の自動洗浄が可能な状態において、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされることで自動便器洗浄が確定されて離座後所定時間経過後に便器の自動洗浄を行うようにすると共に、着座時間が最低着座時間未満の場合には離座後所定時間経過しても自動洗浄を行わないようにした自動便器洗浄装置であって、自動洗浄入切スイッチ3がオフの状態において、着座から自動便器洗浄確定タイマ4によりカウントを開始して自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチ3がオンとなった場合、自動洗浄入切スイッチ3がオンになった時点から離座までの時間に関係なく離座後所定時間経過後に便器の自動洗浄を行うように制御する制御部1を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることで、自動洗浄入切スイッチ3をオンにした場合には便器の自動洗浄が可能な状態にし、自動洗浄入切スイッチ3をオフにすると便器の自動洗浄ができない状態となって手動操作による洗浄水の供給による便器洗浄で便器を洗浄する形態にすることができ、これにより、手動で操作するという必要ながなくい便利な自動便器洗浄を選択したり、あるいは、子供の躾のためや便を観察して体調管理するために手動による便器洗浄を選択したりできるものであり、しかも、自動洗浄入切スイッチ3がオフの状態で、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチがオンとなった場合であっても、自動洗浄入切スイッチがオンになった時点から離座までの時間に関係なく、つまり、自動洗浄入切スイッチがオンになって自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントする場合はもちろん、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントしない場合であっても、便器の自動洗浄を行うことができるものであり、これにより、便器洗浄が行われないで放置された状態となるという不都合が生じないものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、手動で操作するという必要ながない便利な自動便器洗浄を選択したり、あるいは、子供の躾のためや便を観察して体調管理するために手動による便器洗浄を選択したりでき、しかも、自動洗浄入切スイッチがオフの状態で、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチがオンとなった際に、自動洗浄入切スイッチがオンになって自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントする場合はもちろん、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントしない場合であっても、便器の自動洗浄を行うことができるものであり、これにより、便器洗浄が行われないで放置された状態となるという不都合が生じないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
図1には本発明の制御ブロック図が示してある。図中2は着座センサ、3は自動洗浄入切スイッチ、4は制御部1に設けた自動便器洗浄確定タイマ、5は制御部1に設けた便器洗浄確定・供給手段である。
【0016】
本発明において、自動洗浄入切スイッチ3がオンの場合にのみ洗浄水を便器に供給して自動便器洗浄が可能となる状態となっている。
【0017】
また、自動洗浄入切スイッチ3がオフの場合には自動便器洗浄はできず、この場合には手動スイッチや手動レバー等の手動操作部(図示せず)を手で操作することで便器内に洗浄水を供給して便器洗浄を行うようになっている。つまり、子供に小便や大便をしたのち、手動操作で洗浄水の供給をして便器洗浄をするという躾を行ったり、あるいは、健康管理や体調管理のために用便後に便を観察して便の状態により体調を知る場合などは、自動洗浄入切スイッチ3をオフにして手動スイッチや手動レバー等の手動操作部(図示せず)を手で操作することで便器内に洗浄水を供給して便器洗浄を行うことができるようになっている。
【0018】
着座センサ2は便座に使用者が着座すると信号(着座信号)を制御部1に入力し、また、使用者が便座から離座すると離座信号を制御部1に入力するようになっている。
【0019】
自動洗浄入切スイッチ3がオンとなっている状態で、使用者が便座に着座すると、図2に示すように、着座センサ2により着座信号が制御部に入力し、この着座信号が制御部1に入力されると、上記自動便器洗浄確定タイマ4により着座時間のカウントが開始されるようになっており、該自動便器洗浄確定タイマ4により着座時間があらかじめ設定された自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T(例えば10秒)以上カウントされると制御部1に設けた便器洗浄確定・供給手段5により便器洗浄が確定され、該便器洗浄の確定後に着座センサ2により離座の検知信号が制御部1に入力されると離座後所定時間T(例えば10秒)経過後に、制御部1からの制御信号により洗浄水供給管路に設けた電磁弁のような洗浄水供給弁を開いて洗浄水を便器内に自動的に供給し、洗浄水の供給開始から一定時間経過後または一定量の洗浄水の供給がなされて便器洗浄が行われると上記洗浄水供給弁7を閉じて洗浄水の供給が自動的に停止されるようになっている。
【0020】
また、自動洗浄入切スイッチ3がオンとなっている状態で、着座してから自動便器洗浄確定タイマ4により着座時間のカウントが開始し、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T未満の時に離座した場合には、便器洗浄確定・供給手段5により便器洗浄が確定されず、したがって、離座後所定時間T経過しても便器の自動洗浄は行われない。
【0021】
ここで、本発明において、自動洗浄入切スイッチ3がオフの状態において、着座から自動便器洗浄確定タイマ4によりカウントを開始して自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチ3がオンとなった場合、自動洗浄入切スイッチ3がオンになった時点から離座までの時間Tの長さに関係なく離座後所定時間経過後に便器の自動洗浄を行うように制御部1により制御されるようになっている。
【0022】
図3には本発明において、自動洗浄入切スイッチ3がオフの状態において着座をして離座までの間に自動洗浄入切スイッチ3をオンにした場合におけるタイムチャートが示してあり、図4にはその制御フロー図が示してある。
【0023】
すなわち、本発明にあっては、図3、図4に示すように、自動洗浄入切スイッチ3がオンとなると着座信号が制御部1に入力され、離座すると着座センサ2がオフになる。この着座から離座までの間に自動洗浄入切スイッチ3がオフからオンになると(つまり、使用者が自動洗浄入切スイッチ3がオフであることに気づいて着座のまま自動洗浄入切スイッチ3をオンにすると)、自動洗浄入切スイッチ3がオンになってから離座までの時間Tの長さに関係なく(つまり、自動洗浄入切スイッチ3がオンになってから離座までの時間Tが自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T以上であるか、否かに関係なく)、図3に示すように着座から自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間T経過して自動便器洗浄確定フラグがオンとなって自動便器洗浄が確定されている場合には、離座から所定時間T経過後に自動便器洗浄が行われように制御部1により制御される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の制御ブロック図である。
【図2】同上の自動洗浄入切スイッチのオンの場合における自動便器洗浄時のタイムチャートである。
【図3】同上の自動洗浄入切スイッチがオフの状態において着座をして離座までの間に自動洗浄入切スイッチをオンにした場合におけるタイムチャートである。
【図4】同上の制御フロー図である。
【図5】従来例における自動洗浄入切スイッチがオフの状態において着座をして離座までの間に自動洗浄入切スイッチをオンにした場合におけるタイムチャートである。
【符号の説明】
【0025】
1 制御部
3 自動洗浄入切スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の自動洗浄が可能な状態にするか自動洗浄が行われない状態にするかを切り換えるための自動洗浄入切スイッチを設け、自動洗浄入切スイッチのオンによる便器の自動洗浄が可能な状態において、自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされることで自動便器洗浄が確定されて離座後所定時間経過後に便器の自動洗浄を行うようにすると共に、着座時間が最低着座時間未満の場合には離座後所定時間経過しても自動洗浄を行わないようにした自動便器洗浄装置であって、自動洗浄入切スイッチがオフの状態において、着座から自動便器洗浄確定タイマによりカウントを開始して自動便器洗浄確定に必要な最低着座時間以上カウントされた場合で且つ着座から離座までの間において自動洗浄入切スイッチがオンとなった場合、自動洗浄入切スイッチがオンになった時点から離座までの時間に関係なく離座後所定時間経過後に便器の自動洗浄を行うように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする自動便器洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−2486(P2006−2486A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181637(P2004−181637)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】