説明

自動再構成機能を提供する外科手術用システム

【課題】眼科医などのユーザが眼科の外科処置を施行する際に使用する、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムを提供する。
【解決手段】データ通信バスと、データ通信バスに接続されたユーザインタフェース3とを含む。ユーザインタフェース3は、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置を表す情報をユーザから受信する。このシステムは、顕微手術装置に接続され、動作パラメータのうち少なくとも1つの動作パラメータの機能として顕微手術装置を制御する外科手術用モジュール13も含む。外科手術用モジュール13はデータ通信バスにも接続されている。データ通信バスはユーザインタフェース3と外科手術用モジュール13との間で動作パラメータを表すデータを通信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には顕微手術システムおよび眼科用のシステムに関し、特に、顕微手術装置を動作させるための制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、眼科顕微手術システムには制御コンソールに接続された1つまたは複数の外科手術装置か設けられている。これらの装置は電気または空気によって動作するものであることが多く、装置を動作させるための電気制御信号または流体圧力制御信号が制御コンソールから出力される。制御コンソールは通常、外科手術装置に供給される制御信号を生成するための人間が操作できる異なるタイプのコントローラをいくつか含んでいる。外科医はフットペダル式コントローラを使用して外科手術装置を遠隔制御することが多い。
【0003】
従来のコンソールは、システムの所望の動作特性を設定するための押ボタン式スイッチおよび調節可能なノブを有している。従来の制御システムは通常いくつかの異なる機能を果たす。例えば、一般的な眼科顕微手術システムは前嚢(前区)および/または後嚢(後区)の施術力を有し、洗浄(灌注)/吸引、硝子体摘出、マイクロメス執刀、光ファイバ照明および破砕/乳化などの様々な機能を含むこともある。
【0004】
従来の顕微手術システムおよび眼科用のシステムは、顕微手術および眼科での外科手術を可能にする助けにはなったが、これらのシステムは欠点のないものではない。顕微手術システムおよび眼科用のシステムは比較的費用のかかるものであり、専門の異なる外科医が複数名で共有できるように病院およびクリニックで購入することが多い。眼外科では、例えば前嚢処置を専門にする外科医もいれば後嚢処置を専門にする外科医もいる。これらの処置の違いがゆえに、両方の処置に対して同一の動作特性で制御システムをセットアップすることはない。また、眼外科手術は細心の注意が必要な性質のものであるため、システムの応答特性または「感触」は異なる型およびモデルのものを利用していくつかの異なる病院で業務を行う外科医にとっての関心事となり得るのである。
【0005】
本願と同一の譲受人に譲渡され、開示内容全体を本願明細書に引用したものとする、米国特許第4,933,843号、同第5,157,603号、同第5,417,246号および同第5,455,766号には、改良された顕微手術用制御システムが開示されている。例えば、かかるシステムではパフォーマンス特性の均一性を改善すると同時に、様々な異なる処置に対応するだけのシステムの十分な柔軟さも得ている。これらの特許に示されているシステムは、プログラム可能かつ一般的な顕微手術用制御システムを提供することによって従来技術を改良するものである。このシステムを容易にプログラミングして様々な異なる外科手術処置を施行することができ、特定の外科医がそれぞれ必要とする応答特性が得られるようにプログラミングすることも可能である。制御システムを予めプログラミングし、様々な異なる機能を実行して様々な異なる処置を施行する。これらの予めプログラミングしてある機能については、前面パネルのボタンを押すことで選択可能である。
【0006】
予めプログラミングしてある機能に加え、上記の特許には各外科医にプログラムキーを与えることが開示されている。このプログラムキーには、その外科医が選択した特定の応答特性パラメータおよび特定の外科手術処置パラメータをロードしたデジタルメモリ回路が含まれている。このキーをシステムコンソールジャックに挿入すると、システムは自動的にセットアップされて各外科医が慣れた方法で応答する。
【0007】
最大限に多機能化できるようにコンソールの押ボタンおよびポテンショメータノブはプログラム可能である。機能および応答特性は外科医が必要とするものに合うように変更可能である。コンソールの電子ディスプレイ画面には、プログラム可能な各ボタンやノブの現在の機能だけでなく、他の関連情報も表示される。
【0008】
ディスプレイ画面は自己照明式であるため、暗い手術室でも容易に読むことができる。
【0009】
上述したシステムでは従来技術よりも改良されたものが得られるが、性能を改善し、動作を単純化し、修理および交換を単純化し、修理にかかる時間およびコストを削減するなどの目的で、さらに改良をする必要かある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の複数の目的のうち、そのコンポーネント間でのネットワーク通信を可能にする改善されたシステムの提供、モジュラである上記システムの提供、そのコンポーネントの分散制御を可能にする上記システムの提供、電源投入時に自己を自動的に再構成する上記システムの提供、多数の異なるモードでの動作を可能にする上記システムの提供、予め定義されたシーケンスにおいて異なるモードで動作する上記システムの提供、異なる構成への適合を可能にする上記システムの提供、容易に再プログラミング可能な上記システムの提供および経済的に実現可能かつ商業的に有用な上記システム回路の提供について触れることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
簡単に説明すると、本発明の態様を実施するシステムは、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御する。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、データ通信バスと、データ通信バスに接続されたユーザインタフェースとを含む。ユーザインタフェースは、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信する。このシステムは、第1および第2の外科手術用モジュールも含む。各外科手術用モジュールは、顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてかかる顕微手術装置の1つを制御する。また、外科手術用モジュールは、ユーザインタフェースと第1および第2の外科手術用モジュールとの間で動作パラメータを表すデータを通信するデータ通信バスにも接続されている。特に、外科手術用モジュール間および/またはユーザインタフェースと1つまたは複数の外科手術用モジュールとの間でデータを伝送可能である。
【0012】
本発明の他の実施例は、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムである。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、データ通信バスと、データ通信バスに接続されたユーザインタフェースとを含む。ユーザインタフェースは、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信する。このシステムは、外科手術用モジュールおよびリモートコントロール回路も含む。外科手術用モジュールは、顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてかかる顕微手術装置の1つを制御する。リモートコントロール回路はリモートコントロール装置に接続され、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてリモートコントロール装置を制御する。外科手術処置の施行中、リモートコントロール装置は顕微手術装置の動作パラメータを変化させるように動作する。外科手術用モジュールおよび制御回路はいずれも、ユーザインタフェースと外科手術用モジュールとリモートコントロール回路との間で動作パラメータを表すデータを通信するデータ通信バスに接続されている。特に、外科手術用モジュールと制御回路との問および/またはユーザインタフェースと外科手術用モジュールおよび制御回路のうちの一方または両方との間でデータを伝送可能である。
【0013】
本発明のさらに他の実施例は、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムである。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信するユーザインタフェースを含む。このシステムは複数の動作パラメータを格納するメモリも含む。中央処理装置は顕微手術装置に関する一組の動作パラメータをメモリから読み出す。中央処理装置によって読み出された一組の動作パラメータは、ユーザがユーザインタフェースを介して提供した、外科医が選択した動作パラメータの個別化した一組を近似する。このシステムはさらに、顕微手術装置の1つに接続され、メモリから読み出された一組の動作パラメータの機能としてかかる顕微接続装置を制御する外科手術用モジュールを含む。
【0014】
本発明のさらに他の実施例は、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムである。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信するユーザインタフェースを含む。このシステムは、ユーザが選択したモードの機能としてメモリから読み出し可能な複数の動作パラメータを格納するメモリも含む。各モードは実施される1つ以上の外科手術処置を表し、少なくとも1つの顕微手術装置の動作によって定義される。中央処理装置は、複数のモードのうちの選択されたモードで使用される顕微手術装置に関する一組の動作パラメータをメモリから読み出す。このシステムはさらに、顕微手術装置の1つに接続され、メモリから読み出された一組の動作パラメータの機能としてかかる顕微接続装置を制御する外科手術用モジュールを含む。
【0015】
本発明の他の態様を実施するシステムは、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御する。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、データ通信バスと、データ通信バスに接続されたユーザインタフェースとを含む。ユーザインタフェースは中央処理装置を含み、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信する。このシステムは、顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてかかる顕微手術装置の1つを制御する外科手術用モジュールを含む。外科手術用モジュールは、外科手術処置を行っている間、自モジュールに接続された対応の顕微手術装置を制御するための実行可能なルーチンを格納するフラッシュEEPROMを有し、データ通信バスに接続されている。データ通信バスは、ユーザインタフェースとモジュールとの間で動作パラメータを表すデータの通信を行い、中央処理装置はユーザから提供される情報に応答してデータ通信バスを介してフラッシュEEPROMを再プログラミングする。
【0016】
もう1つの実施例では、本発明は、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御するシステムである。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、データ通信バスと、データ通信バスに接続されたユーザインタフェースとを含む。ユーザインタフェースは中央処理装置を含み、ユーザに情報を提供すると共に顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信する。このシステムは、顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてかかる顕微手術装置の1つを制御する外科手術用モジュールも含む。また、外科手術用モジュールは、ユーザインタフェースと外科手術用モジュールとの間で動作パラメータを表すデータを通信するデータ通信バスにも接続されている。この場合、中央処理装置は、データ通信バスを介して通信しているモジュールを識別および初期化するルーチンを実行する。
【0017】
本発明のさらに他の実施例は、自システムに接続された複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムである。顕微手術装置は外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用するものである。このシステムは、ユーザに情報を提供して表示すると共に、外科医が眼科処置を施行する際に使用する眼科処置の動作パラメータおよび顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザから受信するユーザインタフェースを含む。ユーザはユーザインタフェースを介して各処置を選択する。本システムの吸引モジュールは、各々色の異なる色付インサートを有する様々な顕微手術カセットを収容することができる。それぞれの色は、そのカセットを使用する処置を示している。また、このシステムには、カセットがシステムに収容されている時に色付インサートの色を検知し、システムに収容されたカセットの色付インサートの色が選択された特定の処置に対応しない場合にはユーザインタフェースにその情報を提供するためのセンサも含まれている。
【0018】
あるいは、本発明は様々な他のシステムおよび方法を含んでもよい。
【0019】
その他の目的および特徴はある程度は明らかになろうし、ある程度は以下において説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、全体が1で示される本発明の好ましい実施例による顕微手術用制御システムを示している。図示のように、システム1は、フラットパネルディスプレイ5を有するコンピュータユニット3と、複数のモジュール13を収容している架台部7と、フットコントロールアセンブリ15および電動式静脈(IV)ポールアセンブリ17(それぞれ全体を参照符号で示してある)などの周辺装置とを含む。架台部7に収容されたモジュール13は各々、様々な眼科処置を施行する際に外科医が使用する少なくとも1つの眼科顕微手術装置19を制御する。従来技術において周知のように、眼科顕微手術には異なる機能を果たすための複数の異なる装置19を使用する必要がある。これらの装置19としては、硝子体摘出カッター、水晶体超音波乳化または水晶体超音波破砕用ハンドピース、電気マイクロメス、光ファイバ照明装置、凝固用ハンドピースおよびその他従来技術において周知の顕微手術装置が挙げられる。術中、装置19の性能を最適化するためには、例えば施行する特定の処置や処置の様々な段階、外科医の個人的な好み、処置を患者の眼の眼球前部で施行するか眼球後部であるかなどに応じてその動作パラメータを変化させる。
【0021】
図1に示されるように、全体を21で示す計装カートがシステム1を支持している。好ましくは、カート21は、外科手術用すなわちメイヨートレー25と、自動IVポールアセンブリ17と、フットコントロールアセンブリ15、使い捨てパックおよび他のアイテムを収容するための収納スペース27と、延長用架台部(図1では図示せず)を収容するための開口33と、回転式キャスター35とを含んでいる。架台部7およびコンピュータユニット3は図1に示されるように計装カート21の上面に載置されていると好ましく、メイヨートレー25は、好ましくは計装カート21の上面に取付けられた連結アーム(図示せず)に載置されている。また、計装カート21は、システム1を遠隔制御するために全体を39で示すリモートコントロール送信機を保持している。
【0022】
本発明によれば、架台部7内のモジュール13は、外科医が使用するのに最適なようにシステムのユーザがシステム1を構成可能なように様々な顕微手術装置19用の制御回路を収容している。詳細については後述するが、モジュール13は、1つまたは複数の顕微手術装置19を各モジュール13に接続するための接続部またはポートを含み、接続される1つまたは複数の特定の装置19の動作を制御するのに必要な制御回路群を収容している。このため、ユーザは所望のモジュール13を架台部7に挿入することでシステム1を構成して特定の外科医の好みに合わせたり、特定の外科手術処置に必要な装置19を各々制御したり、あるいは外科医が使用するのに最適なようにシステム1を最適化することができる。
【0023】
詳細については後述するが、フットコントロールアセンブリ15およびIVポールアセンブリ17は、それぞれの動作を制御するための電子制御回路を含んでいる。
【0024】
ユーザによる構成可能な状態を補助するために、コンピュータユニット3、各モジュール13および各周辺装置用の制御回路すなわちフットコントロールアセンブリ15およびIVポールアセンブリ17は、コンピュータネットワーク上のノードを構成する。コンピュータネットワークはノード間での配電およびピアツーピアデータ通信を行う。
【0025】
以下、図2のブロック図を参照すると、架台部7には、眼科外科手術処置を施行する際に一般に用いられる様々な顕微手術装置19を制御する複数のモジュール13が含まれている。好ましい実施例では、各モジュール13が自モジュールに接続された1つまたは複数の外科手術装置19を制御する。各々バックプレーン101に配置された電源バスおよびデータ通信バス(図5および図40乃至42に詳細に示す)はモジュール13同士を接続する。架台部7に収容されると、モジュール13は、各モジュール13の後部にてコネクタ(例えば図10のコネクタ171)を介してバックプレーン101と係合する。係合時、バックプレーン101はモジュール13間の配電を行うと同時に、モジュール13間ならびにモジュール13とコンピュータユニット3との間でデータ通信を行う。本発明によれば、モジュール13は、外部AC電源およびバックプレーン101の両方に接続された架台部7に収容された電源モジュール103を含んでいる。電源モジュール103はバックプレーン101に電源を供給し、システム1に電源を供給する。
【0026】
本発明によれば、制御回路105(図37、図126乃至図136を参照のこと)がフットコントロールアセンブリ15を制御し、制御回路107(図38および図137乃至図146を参照のこと)がIVポールアセンブリ17を制御する。上述したように、コンピュータユニット3、各モジュール13および周辺装置用の制御回路105、107がコンピュータネットワークのノードを構成している。コンピュータネットワークはノード間でのピアツーピアデータ通信を行う。換言すれば、各モジュール13は、他のモジュール13、周辺装置およびコンピュータユニット3と直接通信を行うことができる。それ自体、システム1は様々な異なる装置19のモジュラー制御ならびにユーザによる構成が可能な状態を提供している。
【0027】
以下、図3を参照すると、架台部7は、眼科外科手術処置を施行する際に外科医が使用する外科用手術装置19の動作を電子的に制御する複数のモジュール13を収容するための位置すなわちスロットを有するラックを形成している。好ましくは、架台部7は、シャーシ(全体を109で示す)と、逆溝形を有するトップカバー111と、図4に示されるように着脱自在であってもよく、モジュール13を挿入および抜去するためのフロントカバーまたはベゼル113とを含んでいる。フロントカバー113が適所に固定されている状態で、カバーの後壁115はモジュールを架台部7内の適所にて保持するため、モジュールをラックに保つためのリテナーが形成される。フロントカバー113は、シャーシ119の前に形成されたネジ穴に螺着された2個の固定具(図示せず)によって適所に保持される。あるいは、フロントカバー113を適所にてクリップでとめる。トップカバー111は、コンピュータユニット3の底に設けられた脚を収容するための4つの円形レセプタクル119を含む。これらのレセプタクル119は各々、コンピュータユニットの脚の形状に合い、かつ脚をレセプタクルの中央に配置できるようにテーパリングされている。
【0028】
図5および図6に示されるように、シャーシ109は、底部パネル123と一体に形成された後部パネル121を備えている。底部パネル123は、固定具125を用いて後部パネル121に固定されたバックプレーン101のフロントプレーン(すなわち、前面)に垂直に延在している。バックプレーン101の前面には10個の雌の18ピン電気コネクタ127が設けられている。図5に示されるように左端の3つのコネクタ127は3インチ間隔で配置され、残りのコネクタ127は1.5インチ間隔で配置されている。各コネクタ127の各ソケットは同様に配置された他のコネクタのソケットと並列接続され、これによって上述した電源およびデータ通信バスが形成される。バックプレーン101上の後部パネル121には空気が架台部7(図5)から逃げることができるようにするためのルーバー131が設けられている。略矩形の開口133はバックプレーン101の下で後部パネル121を貫通して延在し、後述するように電源モジュール103の後ろに配置された三又コネクタを利用できるようになっている。同様に、後部パネル121には灌流/吸引/硝子体摘出(IAV)(例えば、図32および図43乃至図60のモジュール321)の背面にある空気式クイックディスコネクトカップリング(図示せず)を収容するための円形の開口135が形成されている。各々全体を137で示す13本の平行レールが固定具139(図6)によって底部パネル123に取付けられている。レール137は1.5インチの等間隔で配置され、バックプレーン101の前部に垂直に延在している。レール137のうち1本または複数本を使用してモジュール13を架台部7内の位置に案内し、バックプレーン101と接続できる正しい位置に配列する。図14に示されるように、レール137は各々断面I形であり、垂直ウェブ145によって接合された上側および下側の水平フランジ(それぞれ141、143)を備えている。
【0029】
再び図5を参照し、4本の脚141は底部パネル123から下方向に延在し、カート21に成形された窪み(図示せず)に収まる大きさをしている。図6に示されるように、底部パネル123には空気が架台部7に入ってモジュール13を冷却できるようにするための吸気用格子部153が設けられている。図7は、後部パネル121の背面に取り付けられた2つの雌の9ピン円形電気コネクタ157を示している。これらのコネクタ157は各々、バックプレーン101のデータ通信バスに並列接続され、カート21(IVポールアセンブリ17を含む)などの周辺装置、コンピュータユニット3またはフットコントロールアセンブリ15と通信している。また、以下において詳細に説明するように、コネクタ157を用いて架台部7と別の延長用架台部とを接続してもよい。他のコネクタも本発明の範囲内に包含されることを前提としてはいるが、好ましい実施例のコネクタはコネチカット州WallingfordのAmphenol Corporationから販売されているシリーズ703の電気コネクタである。
【0030】
図9乃至図11は、眼科外科手術処置を施行する際に外科医が使用する外科用手術装置19の動作を電子的に制御するためのモジュール13の一例を示している。図9に示すモジュール例は、バックプレーン101の電源バスに電源を供給するための電源モジュール103である。モジュール13は各々、アルミニウムシートで形成されたケース161と成形プラスチック製のフロントカバー163とを備えている。図12に示されるように、様々な外科手術装置(図示せず)をモジュールに接続するための1つまたは複数のポートが特定のモジュール13のフロントカバー163に形成されている。図9に示される電源モジュール103は幅3インチである。その他のモジュールは1.5インチの倍数に相当する他の幅である(例えば、1.5インチまたは4.5インチ)。モジュール13は各々、モジュールが動作状態にあることを示すためにフロントカバー163に装着された緑色の発光ダイオード(LED)165またはその他の可視インジケータを有する。
【0031】
再び図10を参照すると、各モジュール13は、バックプレーン101に装着された雌のコネクタ127のいずれに対しても接続できる雄の18ピン電気コネクタ171を含む。コネクタ171はケース161に収容され、コネクタを保護すると共に架台部7内に最大限の空間を形成している。18ピンコネクタ171上のモジュールケース161の冷却ファン173は、後面に設けられた排気ポート175に隣接して配置され、ケース161から空気を排気してモジュール13内のコンポーネントを冷却している。
【0032】
図11を参照すると、モジュール13を把持して架台部に対して出入りする形で摺動させる逃げ177がフロントカバー163の底部に形成されている。開口179はモジュールケース161の底部に設けられ、ファン173を作動させてモジュール13内に収容されたコンポーネントを冷却する際に空気がモジュール内に流入できるようにしている。1つまたは複数のスロット181が各モジュールケース161の底壁183に形成されている。これらのスロット181は各々、ケース161の後壁185から延在し、架台部シャーシ109の底部パネル123のガイドレール139のうちの1つを収容してモジュール13を案内し、かつそのコネクタ171とバックプレーン101の対応するコネクタ127とを整列配置させるように構成されている。このように、レール137およびスロット181は、それぞれのモジュールコネクタ127がバスとの接続用に整列配置されるように各モジュール13をラック内に案内するためのガイドを形成している。
【0033】
図14に示されるように、チャネル187は各スロット181上でモジュールケース161の底壁183に仮付溶接され、組織片がスロット181を介してケース内に混入するのを防止すると共にケース内に収容された電子コンポーネントを電子干渉から遮蔽している。モジュール13が架台部7内に誘導されると、架台部のレール137は、図14に示すような形すなわち上側の水平フランジ141がチャネル187内で摺動可能かつウェブ145がその下のスロット181内で摺動可能な状態で、各々対応するスロット181およびチャネル187に収容される。ウェブ145とスロット181との間および上側のフランジ141とケースの底壁183との間の相互係合によって、モジュール13が架台部7内の適所に保持され、モジュールが垂直または水平のいずれかの方向でレール137に対して垂直な方向に運動するのは実質的に防止される。
【0034】
しかしながら、レール137およびスロット161は、モジュールコネクタ171のピンがバックプレーンコネクタ127のソケットと適宜整列配置されるようにモジュール13と架台部7との間でいくらか(例えば1/16インチ)運動が可能な大きさに形成されている。コネクタが最初はいくらか(例えば、0.1インチ)ずれていた場合でもコネクタ127、171はピンをソケット内に案内するようにテーパリングされている。レールおよびスロットがいくらか運動可能な寸法に形成されていたとしても、コネクタの公差を外れるほどずれることはできない。したがって、レール137およびスロット181はピース部分の公差を適宜提供するが、各モジュール13をラックに案内し、それぞれのモジュールコネクタ127がバスと接続できる位置に整列配置されるようにする。
【0035】
モジュールケース161の底壁の183の各スロットと隣接した部分は、それぞれのレール137の下側フランジ143の上面と係合し、ケース161を架台部シャーシ109から離してモジュール13と架台部7との金属同士の接触を最小限に抑えることができる。図11に示すモジュール13の例では2本のスロット181が設けられているが、他のモジュールにその幅に応じて1本または複数本のスロットを設けてもよい。例えば、幅1.5インチのモジュール13は1本のスロット181を有し、幅4.5インチのモジュールは3本のスロットを有する。
【0036】
モジュール13を架台部7に取り付けると、図13に示されるように排気ポート175およびファン173が架台部の後部パネル121においてルーバー131と整列配置され、冷却ファンを作動させた際にモジュールから空気を自由に排気させる。同様にモジュールの吸気開口179と格子部153とが架台部の底部パネル123において整列配置され、空気は架台部7の外からモジュール13に流入することができる。
【0037】
また、各モジュール13は過電流保護を行い、1つのモジュールの故障がシステム1の他の部分に被害を及ぼすことがないようにしている。
【0038】
図9および図12に示されるように、各モジュール13のフロントカバー163は、前面の対向する側に沿って前面193から後方に延在している斜面191を含む。斜面191は前面193に向かって互いに収束し、1つのモジュールの斜面が他のモジュールの斜面に隣接した状態でモジュール13が架台部7において他のモジュール脇の適所に配置されると、隣接したモジュールの略平坦な前面は距離Dだけ互いに横方向に離隔する。モジュール前面同士が横方向に離隔しているため、隣接するモジュールの前面193間のずれの「目に付きやすさ」は少なくなる。このように、システム1の見た目を悪くすることなくピース部分の公差を大きくすることができる。
【0039】
上述したように、モジュールコネクタ171は、モジュール13を架台部7に取り付けるとバックプレーン101のコネクタ127に接続される。雄と雌のコネクタを接続すると、モジュール13内の適切な回路がバックプレーン101の電源およびデータ通信バスに接続される。架台部7内でのモジュール13の位置とは無関係に、同一のモジュール回路が同一の電源およびデータ通信バスに接続される。このように、モジュール13は通常は相互に入れ替え可能であり、架台部7内でどのような順番になっていてもよい。さらに、各モジュール13は別々に制御されるため、架台部7に取り付ける必要があるのは特定の外科手術処置に必要な装置を制御するモジュールだけである。したがって、上述したラックは、電源およびデータ通信バスに沿って複数の異なる位置でモジュール13を収容し、これがラック内で複数のシーケンスに編成されるように構成される。
【0040】
しかしながら、電源モジュール103には架台部7内に専用の位置があるため、架台部の後部パネル121に形成された矩形の開口133を介して外部の電源に適宜接続することができる。電源モジュール103は幅3インチであるため、図5に示すような左端2つのコネクタ127同士の間隔は3インチになる。図5に示すような左から2番目と3番目のコネクタの間の距離は、電源モジュール103の隣に幅3インチまたは4.5インチのモジュールを挿入できるような距離である。IAV(例えば図32および図43乃至図60のモジュール321)を使用する場合、図5に示されるように右端の3本のレール137を越えて取り付けなければならない。上述したように、空気式のクイックディスコネクトカップリングがIAVモジュール321の背面から突出している。カップリングは架台部7の後部パネル121に形成された円形の開口135を介して延在しなければならないため、IAVモジュール321は一番右端の位置でしか取り付けることができない。IAVモジュールを使用していない時には、他の任意のモジュール(電源モジュール以外)を一番右側の位置に取り付けても良い。上述した例外を除き、モジュール13は完全に相互に入れ替えが可能であり必要に応じてどのような順番で配列されてもよい。このように、ラック内でモジュール13が複数の異なる位置に収容されるように、かつこれらをラック内で複数の異なるシーケンスに選択的に編成可能なように架台部7を構成する。全てのモジュール13は、モジュラー構造であってバックプレーン101と着脱自在に係合しているため、何ら工具を用いることなく架台部7に対して前からすみやかに取り付けまたは取り外しが可能である。このように取り付けおよび取り外しがすみやかに行われることで、モジュールを適宜保守または交換しやすくなる。例えば、特定のモジュール13の修理が必要な場合に、簡単にこれを取り外して修理施設に輸送することができる。修理時、その場所に他のモジュールを使用してもよいし、あるいは特定のモジュール13を欠いた状態でシステム1を動作させることも可能である。
【0041】
さらに、図8において示されるように、架台部7のフロントカバー113の後面から支柱195が延在している。支柱195は、モジュール13を設置してカバーを架台部に取り付けた際に電源モジュール103に形成された開口197(図9)と係合するようにフロントカバーに位置決めされる。電源モジュール103に形成された開口197の背後に位置した相互係止(インターロック)スイッチ(例えば図39の相互係止スイッチ783)は、架台部のフロントカバー113を取り外す際には電源を遮断する。このため、作動時にユーザがバックプレーン101に触れることはあり得ない。さらに、ラック内のモジュールの特定の構成はセットアップ時にチェックされ(図31を参照して後述)、フロントカバー113を取り外すことなくこれを変更することはできない。カバー113が取り外されている時は電源を遮断することで、検出されずにモジュール13の構成を変更することはできなくなる。
【0042】
図2を参照すると、システム1は、架台部7を任意の延長用架台部207に接続し、これによってネットワークを拡張するための延長コネクタ203(図16を参照のこと)をさらに含んでもよい。物理的および機能的に、延長用架台部207は実質的に架台部7と同一である。本発明の好ましい実施例では、延長コネクタ203を用いて架台部7の後部パネル121の9ピンコネクタ157を延長用架台部207の同様のコネクタに接続することによってユーザはネットワークを拡張でき、よって、システム1の操作性を拡張できる。好ましい実施例の延長用架台部207は、独自の電源モジュール211を有する。したがって、延長コネクタ203はユニットのデータ通信バスと接続されるが、電源バスとは接続されない。しかしながら、本発明の範囲を逸脱することなく単一の電源モジュールを用いて両方のユニットに電源を供給可能であることも想定できる。単一の電源モジュールを使用する場合、架台部7のバックプレーン101の電源バスを延長用架台部207のバックプレーン209の電源バスに接続することによって延長コネクタ203を介して延長用架台部207に電源を供給する。
【0043】
以下、図15を参照すると、データ通信バスは第1のワイヤ217と第2のワイヤ219とを有するツイストペアケーブル215を備えていると好ましい。好ましい一実施例において、システム1の各コンポーネントを連結しているコンピュータネットワークは、RS485通信プロトコルを利用した、Echelon Corporationによって商標名LONTALK(R)で販売されているようなタイプのものである。RS485規格では、平衡型ツイストペア送信線を介して多点データ送信を行うためのプラットフォームを提供している。各モジュール13は、送受信機223に連結されたデータ通信バスおよびプロセッサ225からのデータを受信し、データ通信バスおよびプロセッサにデータを送信するためのRS485送受信機223を含む。Motoloraは適したプロセッサ225すなわち指定NEURON(R)チップモデルNo.MC143150を製造しており、National Semiconductorは適した送受信機223すなわち指定チップモデルNo.75156を製造している。
【0044】
データ通信バス、送受信機223およびプロセッサ225は協働して通信ネットワークを形成し、このネットワークによって、モジュール13、コンピュータユニット3、フットコントロールアセンブリ15の制御回路105およびIVポールアセンブリ17の制御回路107が互いに通信を行う。ネットワークを使用することで、システム1はそのコンポーネントとの間でピアツーピア通信を行う。
【0045】
このようなネットワークにおいて、本願明細書ではプロセッサ225を「ニューロン」または「ニューロンプロセッサ」(NEURON(R)はEchelon Corporationの登録商標である)とも呼ぶ。各ニューロンプロセッサ225は3つの8ビットオンボードプロセッサを備えていると好ましい。3つのオンボードプロセッサのうち2つは通信サブシステムをなし、ネットワーク上のノードから他のノードへの情報の転送を可能にする。第3のオンボードプロセッサは組み込まれたアプリケーションプログラムを実行する。このように、通信プロセッサとして機能することに加え、ニューロンプロセッサ225は自プロセッサに接続された顕微手術装置19を制御する。好ましくは、モジュール13のニューロンプロセッサ225がデータ通信バスを介して通信されるデータを受信し、このデータに応答して制御信号を生成して顕微手術装置19を制御する。
【0046】
図示のように、送受信機223はツイストペアケーブル215の第1および第2のワイヤ217、219に挿入される。本発明の好ましい一実施例では、ツイストペアケーブル215はバックプレーン101に(すなわち、バックプレーン101の一部として)配置されている。このため、モジュール13後部のコネクタ171とバックプレーン101とが係合する際に、これらはツイストペアケーブル215に挿入される。図5を参照して上述したように、バックプレーン101は、データケーブルをバックプレーン101に接続するための別の一対のデータケーブルコネクタ157も含む。データケーブルはツイストペアケーブルを含み、データ通信バスをバックプレーン101からコンピュータユニット3および周辺装置まで延在させている。例えば、1本のデータケーブルが1つのデータケーブルコネクタ157からコンピュータユニット3まで走り、もう1本のデータケーブルが他のデータケーブルコネクタ157からフットコントロールアセンブリ15に直接またはIVポールアセンブリ17およびフットコントロールアセンブリ17に計装カート21を介して走っている。
【0047】
RS485プロトコルによれば、ツイストペアケーブル215の端をそれぞれ120オームの抵抗器などの抵抗で終端しておかなければならない。しかしながら、終端が必要なことでネットワークの拡張が困難になる。有利なことに、本発明では、ツイストペアケーブル215の一端に配置され、120オームの抵抗器によってネットワークを選択的に終端させてネットワークの拡張を容易にする、図16に示す終端回路229を提供する。
【0048】
図16は、データ通信バスを選択的に終端させる終端回路229を示す。図示のように、データ通信バス(すなわち、ツイストペアケーブル215)はRS485−HIおよびRS485−LQラインで示される。好ましくは、終端回路229は延長コネクタ203の一部であり、第1のツイストペアケーブル215の第1および第2のワイヤ217、219の端の間に直列に接続されている。一実施例では、終端回路229は、120オームの抵抗に直列に接続されてデータ通信バスを終端させる常閉(ノーマリクローズ)スイッチ231を備えている。ネットワークを拡張するために、ユーザは、延長用架台部207に接続された第2のツイストペアケーブル235を有する延長ケーブル233を延長コネクタ203に接続する。第1のツイストペアケーブル215を用いる場合と同様に、第2のツイストペアケーブル235も終端回路229との接続用に設けられた第1のワイヤ237および第2のワイヤ239を有する。本発明によれば、第2のツイストペア235はバックプレーン209に配置され、延長用ユニット207用のデータ通信バスを構成している。
【0049】
また、終端回路229は正の電源に接続されたコイル243も含んでいる。ユーザが延長用架台部207に接続された延長ケーブル233を延長コネクタ203に接続すると、コイル243が接地される。この結果、正電圧がコイル243を作動させ、これによって常閉スイッチ231が開く。このように、第1のツイストペアケーブル215の第1および第2のワイヤ217、219の端が、それぞれ第2のツイストペアケーブル235の第1および第2のワイヤ237、239の端に接続されると、スイッチ231が開いて終端状態ではなくなる。次いで延長用架台部207の他の端が終端される。好ましい実施例では、延長ケーブル233または延長用架台部207のバックプレーン209のいずれかにも終端回路229が含まれる。
【0050】
図16にもRESET−HIおよびRESET−LOが付された線が示されている。好ましくは、コンピュータユニット3は、バックプレーン101を介して架台部7に取り付けられたモジュール13と、バックプレーン209を介して延長用架台部207に取り付けられたモジュール13とに、データ通信バス経由でリセット信号を通信する。
【0051】
本発明の好ましい実施例によれば、延長用架台部207は独自の電源モジュール211を含む。それ自体、架台部7と延長用架台部207との間では配電はなされない。あるいは、電源モジュール103から架台部7または延長用架台部207に位置するシステム1の各モジュール13に配電を行うために、バックプレーン101、209に電源バスを配置してもよい。
【0052】
以下、図17乃至図18のブロック図を参照すると、コンピュータユニット3は、内蔵型中央処理コンピュータ(CPU)245と、少なくとも1つのディスクドライブ247と、内蔵ハードドライブ249とを備えている。本発明の好ましい実施例では、コンピュータユニット3の中央処理装置245は、例えばIntel486(R)またはPentium(R)プロセッサをはじめとする、工業規格ATマザーボードを有するIBM互換マイクロプロセッサベースのボードである。ディスクドライブ247は、従来の3.5インチ、1.44MBフロッピードライブであり、ハードドライブ249は少なくとも250MBのメモリを有する従来のIDE3.5インチ内蔵ハードドライブである。他の実施例では、コンピュータユニット3は、フロッピードライブ247に加えてCD−ROMドライブ251を含む。また、コンピュータユニット3は、フラットパネルディスプレイ5と、フラットパネルディスプレイ5で使用するタッチスクリーン255と、ビデオボードまたはディスプレイドライバ259、サウンドボード261およびスピーカ262などの様々なマルチメディアハードウェアアクセサリとを含む。有利なことに、コンピュータユニット3の様々な拡張ボードは各々標準的なPCアーキテクチャとの互換性がある。
【0053】
コンピュータユニット3はユーザインタフェースを構成し、これによってユーザ(外科医、医療技術者または助手など)は、外科手術処置を施行するのに必要な異なる機能を提供する顕微手術装置19および周辺装置の様々な動作パラメータを表す情報を受信する。また、ユーザは、コンピュータユニット3によって提供されるグラフィカルユーザインタフェースを介してシステム1に情報を提供する。有利なことに、コンピュータユニット3のハードドライブ249は、顕微手術装置19および周辺装置の各々についてのプログラム可能な動作パラメータを格納する。ユーザインタフェースを介して中央処理装置245に情報を提供することで、ユーザはハードドライブ249に格納された動作パラメータを再プログラミングまたは選択をすることができる。次にコンピュータユニット3は、モジュール13ならびにフットアセンブリ15およびIVポールアセンブリ17に、バックプレーン101および外部データケーブルおよびそのネットワークを介して動作パラメータを通信する。このように、ユーザは外科手術の術中に装置19の性能を最適化することができる。
【0054】
一実施例では、ユーザは複数の動作パラメータを表すデータをフロッピーディスクなどのリムーバブルメモリに格納し、コンピュータユニット3のディスクドライブ247で使用できるようにする。この実施例では、コンピュータユニット3の中央処理装置245が、リムーバブルメモリに格納されたデータに基づいて顕微手術装置19および周辺装置に対する一組の動作パラメータを定義する。例えば、中央処理装置245によって定義された一組の動作パラメータは、外科医が選択した動作パラメータの個別化した一組を含む。同様に、コンピュータユニット3のハードドライブ249は、ユーザが提供した個別化した一組のパラメータを近似するのに適合できるデフォルトの動作パラメータを格納する。
【0055】
一例として、動作パラメータは、様々な装置19を制御するのに用いられる以下のもの、すなわち、リニア可変メス執刀速度、固定メス執刀速度、単回作動式メス執刀、比例作動式メス閉レベル、空気/流体圧力、空気/流体流速、リニア可変バイポーラパワーレベル、固定バイポーラパワーレベル、照明強度レベル、吸引加圧レベル、吸引流速、リニア可変硝子体摘出執刀速度、固定硝子体摘出執刀速度、シングル作動式硝子体摘出執刀、水晶体超音波乳化パワーレベル、水晶体超音波破砕パワーレベル、水晶体超音波乳化パルス繰返し数および水晶体超音波破砕パルス繰返し数のうち1つまたは複数を定義する。
【0056】
周辺装置の制御回路105、107もコンピュータネットワーク上のノードを形成し、少なくとも1つの動作パラメータの機能として動作する。上記の例では、動作パラメータは、周辺装置について以下のもの、すなわち複数の足踏み制御ピッチ移動止めレベル(foot control pitch detent level)および静脈ポール高のうち1つまたは複数のものも定義する。
【0057】
図17乃至図18をさらに参照すると、コンピュータユニット3は、手持ち式(ハンドヘルド)リモートコントロール装置39からIR信号を受信するための赤外線(IR)受信機回路267も含む。IR信号は、システム1の動作を制御するためのコマンドを表すものであると好ましい。一例として、リモートコントロール装置39は、大きさおよび外観が標準的なテレビまたはビデオカセットレコーダーリモートと類似した無線赤外線送信機である。このユニットは、サイトオペレーション用のラインを提供し、好ましくは他の赤外線送信機および/または受信機からの干渉によるリスクを最小限に抑えるためのスキームをエンコードする送信機/受信機を利用する。機能に関して言えば、リモートコントロール装置39のキーパッドは、吸引レベル、バイポーラ凝固パワーおよび超音波パワー(水晶体超音波乳化および水晶体超音波破砕用)を変化させるため、ならびにIVポール高を変化させ、照明装置のオンオフを切り換え、照明装置によって提供される光の強度レベルを変化させるための制御ボタンを含むと好ましい。好ましい一実施例では、リモートコントロール装置39は、予め規定された動作モードシーケンスで次のモードに移ったり前のモードに戻ったりするための制御ボタンも含んでいる。
【0058】
さらに、コンピュータユニット3は、顕微手術システム1で用いるために専用設計されたネットワークボード271を含む。この特定用途向けのネットワークボード271は、送受信機223と、コンピュータユニット3をネットワークに接続するためのニューロンプロセッサ225とを含む。好ましくは、ネットワークボード271を用いて中央処理装置245とタッチスクリーン255およびIR受信機267ならびに外科手術用モジュール13、足踏み制御器(フットコントロールアセンブリ)15およびIVポールアセンブリ17をインタフェースする。
【0059】
好ましい一実施例では、コンピュータユニット3の中央処理装置245は、モジュール13、フットコントロールアセンブリ15および/またはIVポールアセンブリ17の個々の制御回路の各ニューロンプロセッサ225と協働し、2層のソフトウェア階層におけるソフトウェアを実行する。ソフトウェア階層の最初の層は、ユーザ(すなわち外科手術チーム)と本発明の顕微手術システム1との間のインタフェースを提供するユーザインタフェースである。本願明細書において、「ユーザインタフェース」という用語は広義にはコンピュータユニット3を示し、具体的には、ユーザがシステム1とインタフェースできるように一連の機能的画面表示を生成するコンピュータユニット3によって実行されるルーチンを示す。
【0060】
ユーザインタフェースは、動作パラメータおよびその設定ならびにその他の状態をフラットパネルディスプレイ5に表示する。ユーザインタフェースはまた、タッチスクリーン255、フットコントロールアセンブリ15またはIRリモートコントロール装置39からの入力を受信し、外科医の現在の外科手術処置に合うようにシステム1の動作をセットアップする。好ましくは、ユーザインタフェースは、アイコン、シンボルなどを生成するグラフィック性の高いユーザフレンドリーなオペレーティング環境を提供するMicrosoft(R)Windows95ベースの環境である。この結果、ユーザインタフェースはシステム1を一層簡単に使用できるものとし、特にタッチスクリーン255で使用するのに適したものである。
【0061】
システムソフトウェアの第2の層は、モジュール13、制御回路105および制御回路107によって使用される内蔵型制御環境である。上述したように、システム1の各コンポーネントは、ユーザインタフェースが通信アーキテクチャEchelon LONTALK(R)などの予め定められた通信アーキテクチャを介して内蔵されたソフトウェアと通信するようにコンピュータネットワークの一部を形成する。
【0062】
モジュール13および周辺装置によって内蔵されたソフトウェアプログラムを使用することで、システム1の分散制御が達成される。換言すれば、各モジュール13および周辺装置が、それぞれネットワークとのリンクは維持したまま他のモジュール13および周辺装置とは独立に動作する。このため、1つのコンポーネントに障害が発生してもシステム1の他のコンポーネントの機能に影響がおよぶことはない。内蔵型制御ソフトウェアに加えて、各モジュール13および周辺装置はビルトインテストを取り入れ、具体的な障害を識別してコンピュータユニット3に報告し、よってユーザに報告することができる。動作中はソフトウェアウォッチドッグタイマ(例えば、図32のウォッチドッグタイマ475を参照のこと)を使用して各モジュール13および周辺装置の動作状態が連続的にチェックされる。
【0063】
本発明によれば、コンピュータユニット3はシステム1などのモジュラシステムで使用するのに特に適している。ハードドライブ249は、モジュール13に常駐しているプログラムをはじめとしてシステム1を動作させるための様々なプログラムを格納する。モジュール13のうちの1つに常駐しているプログラムにエラーが生じた場合やアップデートが必要になった場合など、ユーザはネットワークを介して適当な常駐プログラムをハードドライブ249からモジュール13にダウンロードし、再プログラミングを容易にすることができる。また、フロッピードライブ247もユーザがソフトウェアのアップデート版や特定用途向けのソフトウェアをインストールして、この製品を主体とする新しいモジュールを使用できるようにする。このように、システム1のソフトウェアはハードウェアのモジュラ設計に匹敵するモジュラアプローチに従っている。さらに、ユーザは、フロッピードライブ247を利用することで他の位置にある他の同様の顕微手術システムにシステム1からユーザ設定を保存、読み込みおよび輸送することができる。
【0064】
コンピュータユニット3はサウンドボード261およびスピーカー263を利用して、メッセージの警告、アラーム発信またはその他の可聴指示用のオーディオ信号を生成する。また、サウンドボード261およびスピーカー263はビデオボード259およびCD−ROMドライブ251と協働して、動画オンラインサービスおよび取扱説明書、操作のデモンストレーションなどのオーディオ/ビジュアルすなわちマルチメディア表示を多数の異なる言語で提供する。
【0065】
フラットパネルディスプレイ5およびタッチスクリーン255は、システム1とユーザとの間のインタフェースの主要な手段である。一実施例において、フラットパネルディスプレイ5は、タッチスクリーン255をかぶせたアクティブマトリクス液晶表示装置(LCD)(対角10.4インチ、VGA解像度、アクティブマトリクスLCD、256色)である。好ましくは、タッチスクリーン255は、一般的な滅菌液に対して化学的に耐性のあるアナログ抵抗タッチスクリーンであって、防水性ベゼル内に収容されている。
【0066】
好ましくは、コンピュータユニット3は別の電源275も含む。あるいは、架台部7の電源モジュール103がコンピュータユニット3に電源を供給する。
【0067】
図19は、コンピュータユニット3の特定用途向けのネットワークボード271を示す。図示のように、ネットワークボード271は、RS485ネットワークコネクタ回路277ならびにネットワークマネジャー/コントローラ回路279およびRS485終端回路281を含む。有利なことに、回路277、279、281は、コンピュータユニット3がデータ通信バスを介して通信するためのネットワークインタフェースとなる。ネットワークボード271はさらに、ISAバスコネクタ283と、ISAバス送受信機285と、電子的にプログラム可能な論理デバイス(EPLD)などのISAバスインタフェース回路287とを含む。回路283、285、287は、ネットワークボード271と中央処理装置245との間のインタフェースとなる。
【0068】
さらに、ネットワークボード271は、タッチスクリーン255、フラットパネルディスプレイ5およびIRリモートコントロール装置39用の回路接続およびインタフェースを提供する。この例では、ネットワークボード271は、シリアルコネクタ291を介して中央処理装置245に接続されると共にフレックス回路コネクタ293を介してフラットパネルディスプレイ5に接続されたタッチスクリーンコントローラ/エンコーダ289を含む。フレックス回路コネクタ293は、バックライト輝度制御装置295とフラットパネルディスプレイ5とを接続し、かつIR受信機267とIRリモートデコーダ回路297とを接続する。ネットワークボード271は、コンピュータユニット3でエンコーダノブ(図示せず)と一緒に使用される輝度制御コネクタ299も含む。これによってユーザはフラットパネルディスプレイ5の強度を制御する。この例では、リモートコントロール装置39はディスプレイ強度を変化させるための手段にもなるため、輝度制御コネクタで受信した入力はIRリモートデコーダ297経由でバスインタフェース回路287に送られる。次に、バスインタフェース回路287は、フラットパネルディスプレイ5の強度を変化させるのに必要な制御信号を輝度制御装置295に供給する。
【0069】
図19に示されるように、ネットワークボード271はさらに、本発明の好ましい実施例におけるウォッチドッグタイマおよびリセット回路301を含む。
【0070】
以下、図20を参照すると、終端回路281が概略図の形で示されている。架台部7の延長コネクタ203に接続された終端回路229に加え、ネットワークボード271はデータ通信バスのコンピュータユニット側の端を選択的に終端させるための終端回路281を提供する。この例では、終端回路281は、約120オームの抵抗と直列に接続された常閉スイッチ303を備えている。この端部(延長コネクタ203とは反対側の端)でネットワークを拡張するためには、ユーザは延長ケーブル(図示せず)を周辺装置から第1のジャンパ305または第2のジャンパ307まで接続する。ジャンパ303、305は、別の周辺装置をシステム1のネットワークに接続するための手段となると好ましい。例えば、ユーザは、コネクタ157を介するのではなくジャンパ305、307に接続されたコネクタ(図示せず)を介してフットコントロールアセンブリ15または他のいくつかの周辺装置をネットワークに接続することができる。
【0071】
本発明の好ましい実施例によれば、ネットワークに接続される周辺装置からの延長ケーブルは、ジャンパ305、307の一対の終端スイッチピンを短絡させる。この例では、ジャンパ305に接続された周辺延長ケーブルがTERMスイッチ1AとTERMスイッチ1Bとの間を短絡させる。同様に、ジャンパ307に接続された周辺延長ケーブルがTERMスイッチ2AとTERMスイッチ2Bとの間を短絡させる。図20に示されるように、終端回路281は正電圧源に接続されたコイル309も含む。好ましい実施例では、コイル309は接地され、TERMスイッチ1Aおよび1BおよびTERMスイッチ2Aおよび2Bのいずれもが短絡した際に励起される。コイル309が励起されると、常閉スイッチ303が開いて終端状態ではなくなる。次にデータベースの周辺装置側の端が終端される。
【0072】
図21は、本発明の好ましい一実施例によるシステム1におけるデータフローを示している。好ましくは、架台部7に取り付けられた各モジュール13が1つまたは複数の顕微手術装置19を制御して複数の異なる外科手術機能を提供する。例えば、眼内圧(IOP)、メス執刀、鉗子制御、超音波(例えば水晶体超音波乳化または水晶体超音波破砕用)、灌流、吸引、硝子体摘出執刀、バイポーラ凝固および/または照明を装置19が提供する。システム1のセットアップ例において、モジュール13はベンチュリIAVモジュール321およびスクロールIAVモジュール323を含み、いずれもシステム1の灌流、吸引および硝子体摘出機能を制御する。ベンチュリIAVモジュール321はベンチュリポンプと一緒に用いられ、一方スクロールIAVモジュール323はスクロールポンプと一緒に用いられる。また、モジュール13は、水晶体超音波乳化および水晶体超音波破砕機能を制御する超音波乳化吸引モジュール325と、メス執刀機能を制御するメスモジュール327とを含む。さらに、メスモジュール327は鉗子機能も制御し、IOP機能を制御するための空気流体交換制御回路を含む。図21に示されるように、モジュール13は、バイポーラ凝固機能を制御する凝固モジュール329と、照明機能を制御する照明モジュール331とをさらに含む。
【0073】
また、この本発明の実施例は、フットコントロール回路105およびIVポール制御回路107をシステム1のネットワークに接続された周辺装置として含む。有利なことに、ベンチュリIAVモジュール321、スクロールIAVモジュール323、超音波乳化吸引モジュール325、メスモジュール327、凝固モジュール329および照明モジュール331ならびにそれぞれフットコントロールアセンブリ15およびIVポールアセンブリ17用の制御回路105、107は各々、ネットワーク上のノードを構成する。
【0074】
上述したように、ユーザは、動作パラメータをプログラミングするか、これを一組のデフォルト動作パラメータから選択するか、またはユーザインタフェースから直接入力して外科手術の性能を最適化する。図21のシステムセットアップ例に示されるように、コンピュータユニット3はライン335を介して順に動作パラメータをモジュール13に通信する。次に、アクティブモジュール13が各々ユーザ入力による動作パラメータまたはデフォルトの動作パラメータの少なくとも1つの機能として制御信号を供給し、これに接続された装置19または顕微手術装置を制御する。さらに、コンピュータユニット3は、ライン337を介して多数の装置19およびIVポールアセンブリ17のオン/オフ制御を行い、その動作状態に関するフィードバックをライン339経由で受信する。フットコントロールアセンブリ15の制御回路105は、様々なモジュール13について、ライン341を介したリニア制御(例えばフットペダルによる)とライン343を介した離散制御(例えば押ボタンによる)の両方を提供する。さらに、プログラム可能なファンクションボタンを用いて、フットコントロールアセンブリ15はコンピュータユニット3からの指示に基づいてシステム1を制御する。本発明のデータ通信バスは、ライン335、337、339、341および343によって通信されるデータを搬送することは理解できよう。好ましくは、データ通信バスは、あらゆる種類の信号を搬送する双方向シリアルバスである。このため、ライン335、337、339、341、343はシステム1におけるデータフローを表すが、データ通信バスを示すものではない。
【0075】
また、システム1のネットワークはそのノードとの間でピアツーピア通信を行う。例えば、フットコントロールアセンブリ15が係合している間はユーザインタフェースを使用不能状態(ディスエーブル)にすると望ましい場合がある。換言すると、外科医がフットコントロールアセンブリ15を使用して装置19を遠隔制御している間はユーザが装置19の動作パラメータを変更することはできない。この例では、フットコントロールアセンブリ15はネットワークを介してユーザインタフェースおよび他のモジュール13と直接通信し、ピアツーピア通信を行う。同様に、安全上の理由から、特定の装置19が同時に動作するのを防止すると望ましい場合がある。例えば、バイポーラ凝固装置を使用している間は水晶体超音波乳化装置がバイポーラ凝固装置によってディスエーブルになり、水晶体超音波乳化装置を使用している間はバイポーラ凝固装置がディスエーブルになる。これとは対照的に、吸引機能は水晶体超音波乳化または水晶体超音波破砕の際に必要とされる。このため、両方の機能に関する情報をネットワーク経由で超音波乳化吸引モジュール325とベンチュリIAVモジュール321またはスクロールIAVモジュール323のいずれかとの間で通信する。
【0076】
以下、ユーザインタフェースの動作例を参照すると、スタートアップ時のオープニング画面表示によって、ユーザは患者の眼球前部または眼球後部のいずれかで利用できる様々な外科手術機能を選択したり、あるいはシステム1をプログラミングするためまたはその他のセットアップ機能を実行するためのユーティリティプログラムを選択したりすることができる。ユーザが眼球前部または眼球後部を選択した場合には、コンピュータユニット3はフラットパネルディスプレイ5に外科医選択メニューを表示すると好ましい。本発明によれば、ハードドライブ249はメニューに列挙される各外科医についての初期動作パラメータの個別化した一組を格納する。ユーザの選択に応答して、コンピュータユニット3は、ユーザの選択に応じて初期動作パラメータの適当な組を用いて手術部位を眼球前部または後部に設定する。特定の外科医がメニューに列挙されていない場合には、コンピュータユニット3はデフォルトの動作パラメータを用いて手術部位を眼球前部または後部に設定する。必要があれば、外科医は後にこの動作パラメータをデフォルト値から変更することもできる。
【0077】
上記の例に加えて、ユーザがオープニング画面からユーティリティオプションを選択すると、コンピュータユニット3はフラットパネルディスプレイ5にユーティリティ画面を表示する。この例では、コンピュータユニット3は動作モードを「なし」に設定する。ユーティリティプログラムによって、ユーザは様々なシステム設定を変更することができる(例えば、外科医選択メニューを変更したり新たな外科医を外科医選択メニューに追加したりする、前に保存した初期動作パラメータを変更する、または新たな初期動作パラメータを追加する、ユーザヘルプ情報にアクセスするなど)。
【0078】
本発明の好ましい実施例では、ユーザインタフェースは、異なる選択内容または情報ウィンドウ用のタッチスクリーン255の専用部分を構築する。例えば、主ウィンドウは、吸引、水晶体超音波乳化、水晶体超音波破砕、硝子体摘出、メスおよびリニア凝固機能を表示するよう生成される。次に、二次ウィンドウがユーザ利用可能になり、非リニア凝固、IOP、照明、IVポールおよびフットコントロール構成機能が表示される。好ましくは、ユーザインタフェースは、ユーザがシステム1の現在の動作モードを選択したり、外科手術(例えば凝固)を使用中または使用停止にしたり、オンラインヘルプを表示させたり、システム1を終了したりできるようにする一連の選択タブ(図27を参照のこと)も使用する。必要があれば、1つまたは複数の選択に対する複数の選択肢をユーザ選択タブに持たせておいたり、これらの別の選択肢を表示させるよう拡張したりしてもよい。
【0079】
動作時、ユーザは、ユーザインタフェースの外科手術機能インタフェースを用いて異なる動作パラメータをカスタマイズし、外科医の特定の好みに合わせることができる。通常、外科手術機能インタフェースは多数のディスプレイを用いてアクティブ状態にある様々な顕微手術システム機能(例えば、ベンチュリ減圧、スクロール減圧、硝子体摘出、超音波、凝固、メス執刀、照明など)を表す。好ましい実施例では、外科手術インタフェースは現在の動作パラメータを数値またはグラフィックで表示し、動作設定点を表示および/または様々な機能のオンまたはオフ状態を表示する。コンピュータユニット3の中央処理装置245は、ルーチンを実行して異なる動作パラメータの調節および/または機能のオンまたはオフの機能を切り換えるのに使用する様々な制御アイコンを生成する。例えば、ベンチュリ減圧機能の実行時、インタフェースは現在の減圧動作パラメータをインクリメントまたはデクリメントするスピンボタンを提供、すなわち上下の制御を行う。また、インタフェースは多数の機能を指令する際に押ボタン制御も利用する。例えば、吸引機能の実行時、外科医は一般にラインの空気を最初に抜く前に吸引ラインを準備する。準備機能は、押ボタンによって画面に表示されると好ましい。スピンボタンおよび押ボタン制御に加え、インタフェースはプログレスバーを利用して予め設定した最小値および最大値に対する現在の動作パラメータを表示する。例えば、水晶体超音波破砕時に超音波パワーレベルが最大パワーレベルの20%である場合には、プログレスバーは左端に0%で右端に100%の表示が付いたウィンドウの20%をカバーする。
【0080】
以下、図22を参照すると、中央処理装置245は、ユーザがタッチスクリーン255の動作パラメータ値のうちの1つの数字表示に対応する部分に触れたのに応答して計算機機能インタフェースを実行すると好ましい。計算機機能インタフェースは、スピンボタン制御によって値をインクリメントまたはデクリメントするのではなく、選択した動作パラメータについての所望の値の入力に利用される、全体を347で示すテンキーをタッチスクリーン255の一部としてフラットパネルディスプレイ5に表示させると好ましい。それ自体で、ユーザはスピンボタン制御の上または下の矢印を繰り返しまたは連続して押すことなく数値による外科手術設定を迅速かつ容易に変更することができる。
【0081】
図22に示されるように、インタフェースはキーパッド347を介してウィンドウ349に入力された特定の値を、変更対象となっている動作パラメータ(例えば最大減圧設定)を示す説明文と一緒に表示する。キーパッド347はさらに、デフォルトまたはプログラミングした最大値を入力するための押ボタン351と、デフォルトまたはプログラミングした最小値を入力するための押ボタン353と、それぞれ値をインクリメントまたはデクリメントするための押ボタン355、357とを含む。好ましくは、アクティブ動作を行っている際にフットコントロールアセンブリ15を動作させる時には計算機機能インタフェースはディスエーブルになる。
【0082】
外科手術インタフェースに加え、ユーザインタフェースは、プログラミングモード設定において使用される顕微手術システム機能を示すためのプログラミング機能インタフェースとなる。本実施例では、ユーザは上述したユーティリティメニューを介してプログラミング機能インタフェースにアクセスする。プログラミングインタフェースは、動作設定点を表示し、特定の動作モードに対する動作設定点を変更し、機能をリニアから固定に変更したりその逆を行ったり、特定の動作モードについての機能のオン/オフを切り換えたりといったことをするための手段となる。
【0083】
本発明によれば、システム1はモードベースの外科手術システムである。このモードは、指定された初期動作パラメータを有する1つまたは複数の外科手術装置19を使用することをはじめとする、外科手術セットアップとなるように定義される。特定のモードでアクティブな各外科手術装置19は、1種または複数の外科手術を実行する。「モード」および「機能」という用語は、例えば米国特許第4,933,843号、同第5,157,603号、同第5,417,246号および同第5,455,766号など本願と同一の譲受人に譲渡された特許においては相互に置き換え可能な意味で用いられていることもあるが、これらの用語は本願明細書においては別個のものであると理解されたい。例えば、1つの水晶体超音波乳化モードは、吸引装置が減圧機能を提供するように、かつ水晶体超音波乳化ハンドピースが超音波すなわち水晶体超音波乳化機能を提供するように定義され、これらの装置はいずれも特別な初期動作パラメータを有する。
【0084】
上述したように、コンピュータユニット3のフラットパネルディスプレイ5は、ユーザに対して情報を表示する。好ましい実施例では、フラットパネルディスプレイ5はこの情報をユーザが利用できるオプションの様々なオンスクリーンメニューの形で表示する。メニューは、リスト、文字付き押ボタン、ユーザが選択可能なタブなどの形であってもよい。ユーザは、タッチスクリーン255の対応する部分に触れることによって、オンスクリーンメニューから利用できるオプションのうち1つまたは複数を選択する。このような表示の1つとして、選択可能なモードのメニューが挙げられる。好ましくは、コンピュータユニット3のハードドライブ249は、予め定義された外科手術動作モードに従って、セットアップファイルの集合の形で動作パラメータを格納する。上述したように、各モードは、顕微手術装置19のうち少なくとも1つの動作によって定義され、実行される1種または複数の外科手術処置を表している。各モードは、どの装置19が特定のモードで使用されるかを判断すると共に、これらの装置に関連した動作パラメータを判断する。有利なことに、ユーザはユーザインタフェースを介してモードを変更または定義することができる。
【0085】
図23は、コンピュータユニット3が本発明による動作モードを提供する動作を示す流れ図である。ステップ361から開始して、システム1はまず電源投入時(パワーアップ時)に架台部7に取り付けられている各モジュール13を識別して初期化する。ステップ363でユーザが最初の外科医を選択すると、中央処理装置245はステップ365で選択された外科医に対応する特定のセットアップファイルを読み出す。本発明の一実施例によれば、読み出されたセットアップファイルは、多数のモードレコードを有するモードデータベースを含む。これらのレコードは各々、そのモードで動作しているシステム1によって実施される様々な外科手術についての異なるモードおよび動作パラメータを表している。セットアップファイルは、上記のモードレコードの一部ではないオーディオレベルなどの他の動作パラメータまたはモード識別設定などについての初期値を含んでもよい。また、読み出されたセットアップファイルは、特定のモードが提供されるシーケンスを定義するモードシーケンスデータベースを含む。ステップ367では、コンピュータユニット3は、識別情報と読み出されたセットアップファイルとを比較し、モードデータベースのモードレコードによって指定された所望の外科手術を施行するために必要なモジュール13がシステム1に存在することを確認する。このモジュールが存在しない場合には、ステップ369において、コンピュータユニット3はこの動作パラメータを翻訳、すなわちこの動作パラメータと読み出されたセットアップファイルにおける動作パラメータとを置換することによって翻訳セットアップファイルを生成し、これが架台部7における実際のモジュール13に対応するようにする。必要なモジュール13がシステム1に存在するか、またはコンピュータユニット3が翻訳セットアップファイルを生成したら、ステップ371においてコンピュータユニット3はセットアップファイルが利用可能であると判断する。
【0086】
このように、中央処理装置245は、選択されたモードで使用される1つまたは複数の顕微手術装置19についての一組の動作パラメータをハードドライブ249から読み出し、外科手術用モジュール13はメモリから読み出された動作パラメータの機能として自モジュールに接続された顕微手術装置19を制御する。
【0087】
本発明によれば、モードインタフェースは、このモードがアクティブになるシーケンスを定義する。モードシーケンス動作を簡略化するために、オンスクリーンメニューは、モードシーケンスデータベースによって定義されたシーケンスにおける次のモードに進むかまたはこのシーケンスにおける前のモードに戻るかについてのオプションも含む。これによって、外科医はタッチスクリーン255の1つの押ボタンに触れるだけでモードからモードへ移行することができる。あるいは、外科医はフットコントロールアセンブリの特定のボタンを押下することによって、あるいはハンドヘルド式リモートコントロール装置39の特定のボタンを押下することによって、モードからモードへ移行することができる。ユーザの指示に応答して、中央処理装置245は、選択されたモードで使用される顕微手術装置19についての一組の動作パラメータをそのシーケンスでハードドライブ249から読み出した後、ユーザの指示に応じて予め定義されたシーケンスで次または前のモードで使用される顕微手術装置19についてのハードドライブ249から別の動作パラメータの組を読み出す。
【0088】
例えば、特定の外科医のセットアップファイルのモードデータベースがいくつかのモードについてのレコードを有する場合、モードシーケンスデータベースはこれらのモードのうちのいくつかについてのみシーケンスを定義してもよい。特に、モードシーケンスデータベースは、モードデータベースに定義された第1のモードの後に第3のモードが続き、その後で第9のモードで次が第7のモードになるようにシーケンスを定義してもよい。換言すれば、モードデータベースにおけるモードレコードとモードシーケンスデータベースに列挙されたモードとの間には必ずしも1対1の対応がなくてもよい。
【0089】
図24は、コンピュータユニット3のモード順序付け動作を流れ図の形で示している。ステップ375から開始して、ユーザはユーザインタフェースを介してモードシーケンスコマンドを入力する。一例として、モードシーケンスコマンドは、そのシーケンスで次のモードに進むコマンド、そのシーケンスで前のモードに戻るコマンド、または最後に実行したモードに戻るコマンドなどであってもよい。このコマンドに応答して、ステップ377でコンピュータユニット3はモードデータベースから予め定義されたシーケンスでモードに対応するモードレコードを識別する。ステップ377に続いて、コンピュータユニット3はステップ379に進んでシステム1の各モジュール13および周辺装置にユーザの所望のモード変更を指示する。また、ステップ379では、コンピュータユニット3は特定の安全ルーチンを実行する。例えば、外科医はフットコントロールアセンブリ15のフットペダルが非動作状態の時に限ってモードからモードへの変更をすることが可能である。灌流機能を実施して連続灌流を行っている場合には、フットアセンブリ15のフットペダルが動作状態の時でも選択可能な水晶体超音波破砕、メスおよびその他のモードは例外となる。
【0090】
図24をさらに参照すると、コンピュータユニットはステップ381で新たなモード選択コマンドを受信した後にもステップ379に進む。ステップ379に続いて、コンピュータユニット3は、選択された動作モードで使用される顕微手術装置19の動作パラメータをステップ383で再プログラミングする。ステップ385では、コンピュータユニット3は、フラットパネルディスプレイ5上の表示がその選択されたモードで利用できる外科手術に対応するように様々なディスプレイコンポーネントを使用可能状態(イネーブル)または使用不可能状態(ディスエーブル)にする。ステップ385に続いて、コンピュータユニット3は、選択された動作モードで使用される各モジュール13または周辺装置をステップ387でイネーブルにする。
【0091】
一例として、以下の表Iは、各モードで使用される装置19に関連したモードおよび動作パラメータの例の一覧である。換言すれば、表Iはモードデータベース例のモードレコードの一覧である。

【表I】

表Iの例に加えて、外科医は9つのモードのうちいくつかしか含まないユーザインタフェースを介してモードシーケンスデータベースを定義することができる。例えば、モードシーケンスデータベースは、モード1(開)で開始し、続いてモード3(乳化−中)、次にモード9(デュアル)と続き、最後はモード7(洗浄II)で終了するシーケンスを定義する。
【0092】
図23を参照して上述したように、コンピュータユニット3は、ハードウェアデータベースの形で電源投入時に生成されたシステム識別情報と読み出したセットアップファイルとを比較する。このようにすることで、コンピュータユニット3は、モードデータベースにおける上記のモードの所望の外科手術を施行するために必要なモジュール13がシステム1に存在することを確認できる。このモジュールが存在しない場合には、コンピュータユニット3はこの動作パラメータを翻訳、すなわちこの動作パラメータと読み出されたセットアップファイルにおける動作パラメータとを置換することによって翻訳セットアップファイルを生成し、これが架台部7における実際のモジュール13に対応するようにする。図25および図26は、本発明によるセットアップファイルを適合化するのに好ましい手段を示している。
【0093】
図25に示されるように、コンピュータユニット3はまずステップ391においてモードデータベースの各モードレコードを調べる。後述するシステム1の初期化時、コンピュータユニット3はネットワーク上のハードウェア(すなわち異なるモジュール13および制御回路105、107)に対応した一組の通信パラメータを読み込む。上述したように、ネットワーク上の様々なノードの各ニューロンプロセッサ225は、内蔵されたプログラムを実行して異なる顕微手術装置19および周辺装置を制御する。通信パラメータは、制御対象となるデバイス(例えば、硝子体摘出ハンドピースまたは超音波デバイス)のタイプおよびプロセッサ225が位置するモジュール13または周辺装置のバージョンに関連した情報をはじめとする、各プロセッサ225に特異な固有の識別レベルを表す。識別レベルは、特定のモジュール13または制御回路105、107に固有の特定の識別子(例えばシリアル番号)も含む。一例として、ハードウェアまたはソフトウェアのアップデート時に特定のモジュール13のバージョンを変更することができる。本発明によれば、モードデータベースのモードレコードは各々、そのモードで動作しているシステム1によって提供される様々な外科手術についての異なる動作モードおよび動作パラメータを示す。それ自体で、動作パラメータは機能およびバージョンの両方がネットワーク上の特定のノードに対応する。
【0094】
ステップ393では、コンピュータユニット3は、モードレコードによって定義された動作モードにおいて用いられる各装置または周辺装置に必要なハードウェアのタイプがシステム1に存在するか否か判断する。存在する場合、ステップ395において、コンピュータユニット3は各モジュール13および周辺装置の制御回路105、107のバージョン情報がモードレコードによって指定されたバージョン情報と一致するか否か判断する。バージョン情報が正しければ、コンピュータユニット3はステップ391に戻ってモードデータベースの次のモードレコードを調べる。一方、バージョン情報が正しくない場合には、コンピュータユニット3は、取り付けたハードウェアについてのバージョン情報がモードレコードによって指定されたバージョン情報と適合するか否かをステップ397で判断する。適合する場合には、コンピュータユニットはステップ399に進み、モードレコードに規定された動作パラメータをシステム1の実際のハードウェアに関連した動作パラメータで置き換える。バージョンが適合しない場合には、コンピュータユニット3はステップ401で特定のモードを拒否する。ステップ399またはステップ401のいずれかの後は、コンピュータユニット3はステップ391に戻ってモードデータベースにおける次のモードレコードを調べる。
【0095】
ステップ393では、コンピュータユニット3は、モードレコードによって定義された動作モードで使用される各装置または周辺装置用のハードウェアがシステム1に存在するか否かを判断する。存在しない場合、コンピュータユニット3は図26の流れ図に示されるステップ403に進む。ステップ403では、コンピュータユニット3は欠けているハードウェアが特定のモードでのシステム1の動作に必要なものであるのか否かを判断する。欠けているハードウェアが必要でない場合には、コンピュータユニット3は欠けているハードウェアへのモードレコードからのリファレンスをステップ405において削除した後、図25のステップ391に戻って次のモードレコードに進む。一方、欠けているハードウェアが必要である場合には、コンピュータユニット3はステップ407において代わりのハードウェアが利用できるか否かを判断する。代わりのハードウェアが利用できない場合には、コンピュータユニット3はステップ409においてモードレコードをモードデータベースから削除した後、ステップ391に戻って次のモードレコードに進む。代わりのハードウェアが利用できる場合には、コンピュータユニット3はステップ411に進む。ステップ411では、コンピュータユニット3はモードレコードにおける動作パラメータを翻訳し、代わりのハードウェアに対応させる。一例として、システム1の特定のセットアップにベンチュリIAVモジュール321を含むがスクロールIAVモジュール323は含まないようにすることができる。この例では、モードレコードがフロー吸引機能を提供している動作モードを指定すると、これはベンチュリIAVモジュール321では利用できないものであるため、コンピュータユニット3はフロー吸引応答に近い真空動作パラメータをフロー吸引動作パラメータに置き換える。
【0096】
ステップ411に続いて、コンピュータユニット3はステップ391に戻る。セットアップファイルのモードレコードを適合化した後、コンピュータユニット3は読み出したセットアップファイルのモードシーケンスデータベースを調べる。モードシーケンスのモードがもう利用できない(すなわち、ステップ409で削除された)場合には、コンピュータユニット3はこのモードもモードシーケンスデータベースから削除する。このように、コンピュータユニット3は、システム1の特定の構成で使用できるように読み出したセットアップファイルを適合化する。換言すれば、コンピュータユニット3は翻訳セットアップファイルを生成する。
【0097】
上記の表Iにおいて示したモードレコードは、外科医が行う様々な処置に対する特定のモードを定義する。例えば、患者の眼を切開する処置を施行する時に外科医は「開」モードを選択する。また、これらの処置の施行中に異なる外科手術に対するシステム1の動作モードを定義することも考えられる。以下の表IIおよび表IIIは、異なる外科手術に対する眼球前部および眼球後部におけるモードの例を挙げたものである。

【表II】

【表III】

以下の表IV〜IXは、表IIおよびIIIに示す様々なモードについての初期動作パラメータの例を挙げたものである。

【表IVa】

【表IVb】

以下のフットコントロール動作パラメータは、各灌流/吸引モードに適用される。
【0098】
凝固スイッチ 凝固オン/オフを制御
プログラム可能な機能スイッチ 機能なし
ピッチ ペダル移動1〜100%で灌流制御
左にヨー 還流
右にヨー なし
以下の機能についての動作パラメータ(各灌流/吸引モードの初期状態ではディスエーブル)は、
凝固パワー 12%
IVポール高 60cm(カプセルポリッシュモードで40cm、粘弾性除去モードで50cm)
IOP 40mmHg
ランプ1 オフ
ランプ2 オフ
である。


【表Va】


【表Vb】

以下のフットコントロール動作パラメータは、各水晶体超音波乳化モードに適用される。
【0099】
凝固スイッチ 凝固オン/オフを制御
プログラム可能な機能スイッチ 機能なし
ピッチ ペダル移動1〜100%で灌流制御
左にヨー 還流
以下の機能についての動作パラメータ(各水晶体超音波乳化モードの初期状態ではディスエーブル)は、
凝固パワー 12%
IVポール高 75cm(モード2およびモード4で80cm)
IOP 40mmHg
ランプ1 オフ
ランプ2 オフ
である。

【表VIa】

【表VIb】

以下の動作パラメータは、各水晶体超音波破砕モードに適用される。
【0100】
超音波パワー リニア
最小超音波パワーレベル 0%
最大超音波パワーレベル 25%
以下のフットコントロール動作パラメータは、各水晶体超音波破砕モードに適用される。
【0101】
凝固スイッチ 凝固オン/オフを制御
プログラム可能な機能スイッチ 機能なし
左にヨー 還流
以下の機能についての動作パラメータ(各水晶体超音波破砕モードの初期状態ではディスエーブル)は、
凝固パワー 12%
IVポール高 75cm
IOP 30mmHg
ランプ1 オフ
ランプ2 オフ
である。

【表VIIa】

【表VIIb】

以下のフットコントロール動作パラメータは、各硝子体摘出(前側)モードに適用される。
【0102】
凝固スイッチ 凝固オン/オフを制御
プログラム可能な機能スイッチ 機能なし
ピッチ ペダル移動1〜100%で灌流制御
左にヨー 還流
である。
【0103】
以下の機能についての動作パラメータ(各硝子体摘出(前側)モードの初期状態ではディスエーブル)は、
凝固パワー 12%
IVポール高 40cm
IOP 40mmHg
ランプ1 オフ
ランプ2 オフ
である。

【表VIIIa】


【表VIIIb】

以下のフットコントロール動作パラメータは、各硝子体摘出(後ろ側)に適用される。
【0104】
凝固スイッチ 凝固オン/オフを制御
プログラム可能な機能スイッチ 機能なし
左にヨー 還流
以下の機能についての動作パラメータ(各硝子体摘出(後側)モードの初期状態ではディスエーブル)は、
凝固パワー 12%
IVポール高 75cm(単回執刀では40cm)
IOP 30mmHg(単回執刀では40mmHg)
ランプ1 オフ
ランプ2 オフ
である。
【表IXa】


【表IXb】

以下のフットコントロール動作パラメータは、各メスモードに適用される。
【0105】
凝固スイッチ 凝固オン/オフを制御
プログラム可能な機能スイッチ 機能なし
左にヨー なし
右にヨー なし
以下の機能についての動作パラメータ(各メスモードの初期状態ではディスエーブル)は、
凝固パワー 12%
IVポール高 75cm
IOP 30mmHg
ランプ1 オフ
ランプ2 オフ
である。
【0106】
表II〜IXに示す機能ベースのモードに鑑みて、通常ユーザは、眼球前部手術の場合についての一例を図27に示すトップレベルのユーザ選択タブ415から、上述した様々な予め定義されたモードのうちの1つを選択する。好ましくは、タブ415はタッチスクリーン255の底部に位置している。1回につき1つのモードのみアクティブになるようにし、ユーザがユーザ選択タブのうちの1つを選択した時にコンピュータユニット3によって自動的に現在の動作モードが非選択状態になるようにしてもよい。モード選択の一例において、ユーザは利用できる水晶体超音波乳化モードについて超音波乳化吸引モードのタブ417に触れる。以下、図28および図29を参照すると、フラットパネルディスプレイ5は、ユーザが超音波乳化吸引モードのユーザ選択タブ417に触れる初期の時点では第1の4つのモード(すなわち、開、嚢除去、開(デュアル)および嚢除去(デュアル))のみ表示している。矢印記号を含むタブ419にユーザが触れたのに応答して、コンピュータユニット3は利用できる超音波乳化吸引モード(すなわち、固定減圧、リニア減圧、固定フローおよびリニアフロー)の別のメニューを生成してフラットパネルディスプレイ5に表示させる。例えば、ユーザはタブ421に触れてメニューからリニア減圧超音波乳化吸引モードを選択する。図30は、リニア減圧超音波乳化吸引モードの画面表示の例を示している。図示のように、このモードでは減圧、超音波(すなわち水晶体超音波乳化)および凝固機能が利用でき、アクティブである。
【0107】
上述したように、顕微手術システムの様々な動作モードにしたがって動作するために、コンピュータユニット3はまずネットワーク上の各ノード(すなわち、架台部7に取り付けられたモジュール13、それぞれフットコントロールアセンブリ15およびIVポールアセンブリ17用の制御回路105、107)を識別して初期化する。好ましい実施例では、コンピュータユニット3の中央処理装置245が、3つの動作コンポーネントすなわち電源投入初期化、ネットワークマネジメントおよびネットワーク連絡を有するシステムエンジンを構成しているソフトウェアを実行する。システムエンジンの初期化コンポーネントはネットワークを生成してこれを開始する。ネットワークマネジメントコンポーネントは、ネットワーク上のモジュール13に対するネットワーク結合/非結合変数を提供してユーザが選択したモードを実施し、モジュール13の機能性を監視し、ネットワークから送られてくるメッセージを処理する。ネットワーク連絡コンポーネントは、コンフィギュレーションファイルおよびモード変更を処理し、ユーザインタフェースに表示変更とエラーの発生を通知する。
【0108】
図31は、システム1の電源投入時にシステムエンジンの初期化コンポーネントを実行しているコンピュータユニット3の動作を示す。通常、システムエンジンはネットワーク上の各ノードを識別し、ローカルネットワーク変数を含む各ノードのニューロンプロセッサ225についてプログラミングオブジェクトを生成する。ユーザインタフェースはこの変数によってノードにアクセスする。ステップ427から開始して、システムエンジンはコンピュータユニット3のハードドライブ249に格納されたネットワークデータベースを初期化する。上述したように、ネットワーク上の様々なノードの各ニューロンプロセッサ225が、異なる顕微手術装置19および周辺装置を制御するための内蔵されたプログラムを実行する。通信パラメータは、制御対象となるデバイス(例えば硝子体摘出ハンドピースまたは超音波デバイス)のタイプに関する情報ならびにプロセッサ225が位置しているモジュール13または周辺装置のバージョンに関する情報を含む各プロセッサ225ごとの固有の識別ラベルを表している。識別ラベルは、特定のモジュール13または制御回路105、107に固有の具体的な識別子(例えばシリアル番号)も含む。一例として、特定のモジュール13のバージョンはハードウェアまたはソフトウェアのアップデート時に変更可能である。ネットワークデータベースは、具体的なモジュール13または制御回路105、107識別子、異なるタイプのデバイスに対応するノード名およびこれらのノードに対応する異なるプログラムの名前の形で、予め組み込まれたノードを含む。換言すれば、ネットワークデータベースは、すでにネットワークに組み込まれて利用できる異なるタイプのモジュール13および周辺装置の各々を有するシステムに関する情報を含んでもよい。
【0109】
ステップ429では、システムエンジンは、ネットワーク上に実際に存在するハードウェア(すなわち、異なるモジュール13および制御回路105、107)に対応した一組の通信パラメータを読み込み、ソフトウェアにおいてノードオブジェクトを生成し、特定のモジュール13または周辺装置にアクセスできるようにする。ステップ431に進み、システムエンジンは、ネットワークデータベースではすでにノードを取り入れてある第1のモジュール13または周辺装置制御回路105、107から開始し、ステップ433でソフトウェアにデバイスオブジェクトを形成して上記のノードを表す。好ましくは、システムエンジンは、ハードウェアにアクセスできるノードオブジェクトからデバイスオブジェクトを駆動する。システムエンジンがステップ435で他のモジュール13または周辺装置制御回路105、107がすでにネットワークデータベースのノードに取り込まれていると判断すると、ステップ431に戻って次のモジュール13または周辺装置制御回路105、107に進む。このように、システムエンジンはすでにネットワークデータベースに取り込まれているハードウェアについてのデバイスオブジェクトを生成する。システムエンジンによって生成されたデバイスオブジェクトはローカルネットワーク変数を含み、ユーザインタフェースはこれによってノードにアクセスする。
【0110】
デバイスオブジェクトを生成し、ネットワークデータベースにすでに取り込まれているノードを示した後、システムエンジンは、前に取り込まれたノードと比較してステップ437に進んでネットワーク上に存在するモジュール13または周辺装置制御回路105、107を調べる。ステップ439に進み、システムエンジンは、調べる対象となる同一タイプのモジュール13または周辺装置制御回路105、107に対応するネットワークデータベース(ネットワーク上にはすでに存在しない)に取り込まれているノードが存在するか否かを判断する。存在する場合、システムエンジンはステップ441において前に取り込まれたノードの通信パラメータを特定のモジュール13または周辺装置制御回路105、107についての通信パラメータに置き換える。置き換え動作を行っている間、ネットワーク変数の結合はすべて新たなノードに伝達される。さらに、ネットワークデータベースならびにネットワーク変数の結合に関与する他のノードを変更する必要はない。一方、調べる対象となる同一タイプのモジュール13または周辺装置制御回路105、107に対応するノードがネットワークデータベースに取り込まれていない場合には、システムエンジンはステップ443に進む。ステップ443では、システムエンジンは新たなモジュール13または周辺装置制御回路105、107用の通信パラメータを用いて新たなノードを取り込み、デバイスオブジェクトを生成してこの新たなノードを示す。ステップ441または443の後は、システムエンジンはステップ445に進み、ネットワークデータベースに取り込まれたノードを持たない他のモジュール13または周辺装置制御回路105、107がネットワーク上に存在するか否かを判断する。存在する場合には、システムエンジンはステップ437に戻る。それ以外の場合には、システムエンジンはステップ447に進む。
【0111】
ステップ447では、システムエンジンは、ネットワークデータベースに取り込まれたがハードウェアがネットワーク上に存在しない残りのノードを全て除去する。ステップ449に進み、同一タイプの2つ以上のモジュール13または周辺装置制御回路105、107がネットワーク上に存在する場合には、システムエンジンは各タイプについての第1のデバイスオブジェクトをアクティブにする。換言すれば、システムエンジンは複数または重複したモジュール13または周辺装置制御回路105、107のうちの1つに優先度を持たせる。
【0112】
このため、前回の電源投入シーケンス以降に新たなモジュール13を構成に追加してあった場合には、これが前に取り込まれたモジュール13と比べて同一タイプのモジュールであろうと異なるタイプのモジュール13であろうとシステム1は自動的に新たなモジュール13を検出および初期化し、通信パラメータおよびユーザインタフェースの両方を再構成する。このようにすることで、ユーザはこの新たなモジュール13に対してアクセスし、これに接続された全ての外科手術装置19を制御することができる。同様に、前回の電源投入シーケンス後に特定のモジュール13をネットワークから外した場合、システム1はモジュール13が欠けていることを自動的に検知し、関連した通信パラメータおよびユーザインタフェース機能を全て除去する。さらに、コンピュータユニット3は、自動ネットワーク再構成を実行する際に、2つ以上の同一タイプのモジュール13をシステム1に取り込むことを許す。コンピュータユニット3は、必要に応じて識別用の最優先および二番目に優先を判断し、ユーザインタフェースを介して制御を行う。コンピュータユニット3は拒否されたシステム構成も判断し、ユーザインタフェースを介してユーザに適切なアクションを取るよう指示をする。
【0113】
このように、コンピュータユニット3は、ニューロンプロセッサ225を構成してユーザインタフェースが利用する必要なローカルネットワーク変数を生成することによって電源投入時にシステム1を初期化し、ネットワークにアクセスし、システム1が特定の最低動作要件を満たして全ての一定ネットワーク結合を行っていることを確認する。コンピュータユニット3は、モジュール13または周辺装置のシステム1に対する追加/削除をはじめとして、最後の構成から見て構成面でなされたあらゆる変更をユーザインタフェースにも伝える。電源投入初期化後、システム1の制御はユーザインタフェースに移る。他の実施例では、コンピュータユニット3はさらに、電源投入時に架台部7内における特定のモジュール13の位置を識別する。
【0114】
以下、図21のシステム構成例に概略的に示す各コンポーネントを参照すると、架台部7に取り付けられた各モジュール13は1つまたは複数の顕微手術装置19を制御して複数の異なる外科手術機能を提供する。例えば、モジュール13は、ベンチュリIAVモジュール321と、スクロールIAVモジュール323と、超音波乳化吸引モジュール325と、メスモジュール327と、凝固モジュール329と、照明モジュール331(図4A乃至図4Dに鑑みて照明モジュール13Aとも言う)とを含む。システム1は、システム1のネットワークに接続された周辺装置としてフットコントロールアセンブリ15およびIVポールアセンブリ17も含む。
【0115】
図32は、ベンチュリIAVモジュール321をブロック図の形で示す(詳細については図43乃至図60に示す)。図32に示されるように、モジュール321は、バックプレーン101に接続されるモジュール321の後部においてネットワークコネクタ171を介してネットワークに接続されたニューロン回路455を有する。ニューロン回路455は、データ通信バスを介してデータを受信および送信するためのRS485送受信機223を含む。送受信機223に結合されたニューロンプロセッサ225は、モジュール321のネットワーク通信制御を行う。また、ニューロンプロセッサ225は、システム1の灌流、吸引および硝子体摘出機能を制御するための内蔵されたアプリケーションプログラムも実行する。この例では、ニューロン回路455は、IAVモジュール321用のアプリケーションプログラムを格納するためのメモリ457(例えば、フラッシュEEPROM)を含む。さらに、メモリ457は、ネットワーク上のモジュール321の初期化に用いられる構成および識別データを格納する。有利なことに、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ457を再プログラミングすることができる。ニューロン回路455は、ニューロン225が動作するための時間ベースを提供しているクロック回路459(例えば水晶発振子)も含む。ベンチュリIAVモジュール321はさらに、モジュールがアクティブであることを示す、モジュール321のフロントパネル表面の緑色のLEDなどのステータスLED461と、回路で使用する−5ボルトの電力を発生させる電力調整回路463とを含む。図32には図示していないが、ニューロン回路455はコンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのもう1つのRS485送受信機も含んでいる。
【0116】
通常、プロセッサ225によって得られるものよりも高い処理能力が必要な場合には、ニューロンプロセッサ225とコプロセッサとを一緒に用いることができる。この場合、ニューロンプロセッサ225によって生成される制御信号を受信してこれに応答し、別の制御信号を生成するコプロセッサを特定のモジュール13に持たせ、外科手術処置の施行中にクローズドループ制御をする。本発明の好ましい実施例では、IAVモジュール321は電子的にプログラム可能な論理デバイス(EPLD)467などのプログラム可能な論理回路と協働するコプロセッサ回路465を含む。コプロセッサ回路465は、コプロセッサ469(例えばIntel 386EXプロセッサ)および関連のメモリ471(例えばフラッシュEEPROMおよびスタティックRAM)と、コプロセッサ回路465が使用するクロック信号を供給するためのクロック回路473(例えば水晶発振子)と、ウォッチドッグタイマ475とを含むと好ましい。
【0117】
図32をさらに参照すると、コプロセッサ回路465のコプロセッサ469が吸引レベル動作パラメータの機能として吸引制御信号を生成し、これをデジタルアナログ(D/A)変換器483に供給する。図示の実施例では、D/A変換器483は並列インタフェースを提供し、コプロセッサ469はモジュールのベンチュリポンプを通る空気流を上記のインタフェースによって制御する。吸引ドライブ485はD/A変換器483のアナログ入力を受信し、これに応答して吸引サーボ弁487を駆動する。吸引サーボ弁487はベンチュリを通る空気流を左右し、よって減圧レベルを左右する。ベンチュリIAVモジュール321は、モジュール内に位置するベンチュリポンプから駆動されるシングル吸引ポートの動作を支持すると好ましい。ベンチュリポンプは、圧力が例えば80〜100ポンド/平方インチのゲージの外部のガス/空気入力を必要とする。モジュール321はさらに、過圧状態を防止するための圧力逃がし弁(図示せず)を含む。有利なことに、モジュール321の制御回路は吸引減圧レベルを固定制御とリニア制御の両方で制御できる。例えば、吸引減圧レベルは0mmHg〜550mmHgの範囲にすることができ、1mmHgずつ変化させることができる。ユーザは、全ての吸引パラメータを、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して設定し、吸引機能をフットコントロールアセンブリ15経由で制御する。
【0118】
ベンチュリIAVモジュール321の灌流部分は、重力供給による灌流を支持する。例えば、IVポールアセンブリ17は、外科手術の間に患者の眼に灌流を行うのに外科医が使用する滅菌生理食塩水溶液のバッグを支持する。モジュール321は一組のソレノイド弁493を含み、このうち1つは閉じた時にシステム1へのあらゆる流体の進入を防止するピンチ弁495である。タッチスクリーン255またはフットコントロールアセンブリ15のいずれかによってユーザはベンチュリIAVモジュール321の灌流機能を固定でオン/オフ(開/閉)制御する。ニューロンプロセッサ225はコプロセッサ469およびEPLD467のコントロールレジスタ496と協働し、一組のソレノイドドライバ497にコマンドを送るためのドライブ信号を生成する。これによって、ソレノイドドライバ497がソレノイド弁493を所望の量だけ開閉する。
【0119】
好ましくは、IAVモジュール321は、実際の吸引または灌流圧力に関するフィードバックを行う一組の空気圧トランスデューサ501を含む。例えば、吸引トランスデューサ503は吸引圧レベルを検知し、ライン圧力トランスデューサ505は灌流圧レベルを検知する。ライン圧力ランスデューサ505に接続された計装用増幅器回路507は、その圧力信号を処理前に増幅する。好ましくは、吸引トランスデューサは内部の増幅器を含む。アナログデジタル(A/D)変換器511は増幅された圧力信号を受信し、アナログ圧力信号をコプロセッサ回路465で処理するためにデジタル値に変換する。このようにして、IAVモジュール321は吸引および灌流機能のクローズドループ制御を行う。
【0120】
顕微手術用眼科システムは一般に、本願と同一の譲受人が所有している米国特許第4,773,897号に図示および記載してあるような着脱自在の流体回収カセットを有する減圧動作式吸引システムを利用している。減圧または負圧下にある吸引装置をカセットに接続することによって、吸引流体はカセットに引き込まれる。顕微手術眼科処置を行っている外科医は例えばフットコントロールアセンブリ15を用いて吸引システムを制御する。これによって、外科医は上述した特許において参照符号182で示すものなどのウェッジ形ソレノイドプランジャ、あるいは図32に示すような吸引サーボ弁487を作動させて吸引を正確に制御し、カセットから顕微手術装置への吸引を遮断または開放することができる。
【0121】
モジュール321のソレノイド493は、カセットキャプチャ弁515およびカセットピンチ弁517も含んでいる。カセットキャプチャ弁515のプランジャ(図示せず)は、カセットをモジュール321内の正しい位置に固定する。カセットピンチ弁517は、吸引機能がアクティブではない時に吸引ラインを閉じ、カセットまたは吸引ラインから患者の眼への流体の逆流を防止する。
【0122】
さらに、ベンチュリIAVモジュール321におけるソレノイド493のうちの一方は、上述した特許において184で示すもののような還流プランジャを駆動するための還流ソレノイド弁519である。作動時、還流プランジャはカセットに接続された還流チャンバを圧搾し、吸引チューブ内の少量の流体を通路から外に追い出し、チューブが開放かつ非遮断状態に維持されるようにする。例えば前側または後側の処置を実施する場合など、実施する処置に応じて様々な量の還流が必要になる。後側の処置に使用されるカセットには、前側の処置に使用されるカセットの場合よりも還流量のかなり少ないカセットを使用することが重要である。システム1の有利な特徴は、自動的に検出して後側すなわちマイクロ還流カセットと前側のカセットとを区別することである。この特徴によって、ユーザが不注意で特定の処置に対して誤った還流カセットを取り付けて使用してしまうことが防止される。
【0123】
本発明によれば、前側の処置を施行中に使用するように設計されたカセットを後側の処置に使用されるIAVモジュール321に挿入すると、ユーザインタフェースがこのエラーを可視的および/または可聴的にに示し、間違ったカセットが取り付けられた状態でシステム1が作動されるのを防止している。
【0124】
使用される処置に対応するカセットを識別するために、各カセットには特定の色が付けられている。好ましくは、各カセットに付けられた色付手段は、上述した特許において150で示されるもののようなカプラ部材またはインサートである。これは通常I形であり、上述した特許において130で示されるようにカセットに形成された逃げに摩擦によって嵌合される。例えば一方が黄で他方が青の上記のような着脱自在の色付手段は、この手段を施さなければ全く同一であるカセットに対して容易に貼り付けおよび取り外しが可能である。カセットをモジュール321に挿入し、カセットの存在を示す信号を生成するカセット存在センサ525に隣接して色付手段を位置決めする。好ましくは、カセット存在センサ525は、例えばフロリダ州TampaのTri−Tronics Co.,Inc.によって型番F4で販売されているもののような光電回路の赤外線光源などの光電カラーセンサによって実現される。黄色は赤外線光を反射し、青はこれを吸収するため、1つの特定の処置に対するカセットと異なる処置に対する別のカセットとが区別される。このため、カセット存在センサはカセットの存在を色付手段の色の機能として検出する。図61は、カセット存在センサ525によって生成された信号を受信し、コンピュータユニット3と通信する好ましい回路を示す。カセットの色が外科医によって選択された特定の処置に対応しない場合には、可聴および/または可視信号によってユーザインタフェースを介してユーザにその旨が示される。また、コンピュータユニット3は、この情報に応答して、ユーザが正しいカセットを取り付けるまでの間、あらゆる眼科処置が実施されるのを防止する。図32の実施例では、カセット存在センサ525は、まずEPLD467のステータスレジスタ527に信号を供給し、コンピュータユニット3に信号を供給してカセットが誤っていることをユーザに通知する。次いで、EPLD467およびコプロセッサ回路465がこの信号をニューロン回路455に供給し、コンピュータユニット3と返信の通信を行う。
【0125】
特定の吸引および灌流レベルに関するフィードバックに加え、モジュール321は、ユーザインタフェースを介してカセットを交換しなければならないことをユーザに通知するための概全(almost full)および全信号を生成するカセットレベルセンサ529も含む。
【0126】
ユーザがユーザインタフェースを介して利用できる呼び水機能によって、ユーザは開口を利用し、灌流ピンチ弁495を閉じて吸引ラインから空気を除去することによって外科手術用ハンドピースに呼び水をする。この機能によって、ユーザは取り出しのオプションを選んで吸引回収カセットを取り出すこともできる。
【0127】
上述したように、ベンチュリIAVモジュール321は、システム1の硝子体摘出機能もサポートしている。好ましい実施例では、ベンチュリIAVモジュール321は硝子体摘出ポートを含み、このポートに硝子体摘出カッターが接続される。好ましくは、モジュール321は硝子体摘出カッターで3タイプの執刀動作すなわちリニア執刀速度、固定執刀速度および単回執刀が利用できるようにこのカッターを制御する。好ましくは、リニア執刀速度は30〜750cuts/分の範囲にすることができ、1cut/分ずつ増やすことができる。ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して執刀速度を設定し、フット制御アセンブリ15によって執刀速度を制御する。また、ユーザは固定執刀速度をプログラミングし、1分あたり30〜750cuts/分で、1cut/分ずつ増やすようにすることができる。この例では、ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して固定執刀速度を設定し、フットコントロールアセンブリ15を介して固定執刀速度を変更する。単回執刀は固定のオン/オフ制御で用いられる。単回執刀がイネーブル(オン)の時には、硝子体摘出カッターは1回の作動で1回ずつ閉/開を行う。ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して単回執刀を選択し、フットコントロールアセンブリ15を介して執刀を施行する。ベンチュリIAVモジュール321に取り付けられた硝子体摘出カッターは、ベンチュリポンプを駆動するためにも使用される外部の空気/ガス入力から駆動される。
【0128】
図32に示されるように、EPLD467は、硝子体摘出カッターの執刀速度を設定するのに必要なタイミング機能を実施するための硝子体摘出タイマ533を含むと好ましい。ソレノイドドライバ497は、硝子体摘出タイマ533からのタイミング信号の機能として硝子体摘出ソレノイド535を駆動し、硝子体摘出執刀を制御する。
【0129】
好ましくは、システム1はIAVモジュール321に加えて、またはこれの代わりにスクロールIAVモジュール323を含む。ベンチュリIAVモジュール321と同様ではあるが、スクロールIAVモジュール323はベンチュリポンプではなくスクロールポンプ(図示せず)を用いて灌流および吸引機能を提供する。本発明によれば、スクロールIAVモジュール323のスクロールポンプはベンチュリ吸引システム(すなわち減圧制御)またはスクロール吸引システム(すなわちフロー制御)として機能することができる。
【0130】
この例では、モジュール323は、スクロールポンプと、灌流、吸引、通気および較正を制御するピンチ弁開口と、トランスデューサダイアフラムと、回収用リザーバとを含む使い捨てスクロールカセットと協働して動作する。スクロールカセットは、灌流ラインと、吸引ラインと、回収用リザーバとをカセット筐体の前部に含む。ユーザはモジュール323の前部に位置する格納式引き出しにスクロールカセットを装着する。一度装着すると、スクロールカセットはタッチスクリーン255を介してモジュール323の制御システムおよびドライブに対して係合および離脱される。換言すれば、スクロールIAVモジュール323は、タッチスクリーン255への入力を介してコマンドを受けるとカセットを引っ張るすなわち係合したり、あるいはカセットを延在させるすなわち離脱させたりする。
【0131】
スクロールIAVモジュール323の吸引部分は、吸引の減圧またはフロー制御のいずれかを提供する1つの吸引ポートを駆動する。好ましくは、減圧吸引機能によって減圧レベルを0mmHg〜550mmHgの範囲で1mmHgずつ高め、フロー吸引機能によって流速を1cc/分〜60cc/分の範囲で1cc/分ずつ増やす。ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して吸引動作パラメータを設定し、フットコントロールアセンブリ15を介してこれを変更する。
【0132】
スクロールIAVモジュール323の灌流部分は、ベンチュリIAVモジュール321と同様に重力によって供給される灌流もサポートしている。しかしながら、ベンチュリIAVモジュール321とは対照的に、モジュール323にはピンチ弁495は含まれていない。ピンチ弁ではなく、スクロールIAVモジュール323は、モジュール323内のソレノイドプランジャと使い捨てスクロールカセットとの組み合わせを介して灌流制御を行う。モジュール321を用いる場合と同様に、ユーザは、タッチスクリーン255またはフットコントロールアセンブリ15をスクロールIAVモジュール323の灌流機能の固定のオン/オフ(開/閉)制御を行う。
【0133】
ベンチュリIAVモジュール321と同様に、スクロールIAVモジュール323はシステム1の硝子体摘出機能もサポートしている。しかしながら、モジュール323内に位置する空気ポンプは、ベンチュリIAVモジュール321への外部の空気/ガス入力ではなくスクロールIAVモジュール323に取り付けられた硝子体摘出カッターを駆動する。
【0134】
図147および図148は、スクロールIAVモジュール323と一緒に用いるのに好ましい圧力検知回路を概略図の形で示している。
【0135】
図33に戻り、水晶体超音波乳化および水晶体超音波破砕モジュール(超音波乳化)325(図26A乃至図26Tに詳細に示す)は、水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕用ハンドピース539が接続されている超音波乳化吸引出力ポート537に対し、例えば最大35ワットの超音波乳化吸引パワーを周波数29±2kHzで5000オームにして供給する内蔵モジュールである。好ましい一実施例では、超音波乳化吸引モジュール325はリニア動作およびパルス動作の両方をサポートしている。リニア超音波乳化吸引機能では、ユーザが1%ずつインクリメントして最大0%〜100%の範囲でプログラムできる連続超音波乳化吸引パワーが得られる。外科医は、フットコントロールアセンブリ15のセンターフットペダルを押すことによってリニア超音波乳化吸引出力をプログラミングした最小超音波乳化吸引パワーレベルで作動させ、次いでリニアフットペダル移動の機能としてこれをプログラミングした最大出力レベルまで増加させる。この例では、リニア超音波乳化吸引パワーはゼロから固定リニア速度で立ち上がる。好ましくは、ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して出力レベルを設定し、フットコントロールアセンブリ15を介してリニア超音波乳化吸引機能を制御する。リニア動作とは対照的に、パルス超音波乳化吸引機能では、プログラミングした、限られた時間(例えば周期的)だけ超音波乳化吸引パワーが得られる。モジュール325によって、ユーザは固定のオン/オフパワー制御を行うことができる。この制御は、ユーザが1%ずつインクリメントして最大1%〜100%で設定できるものである。次に、ユーザはパルス出力制御をプログラミングして、1秒あたり1パルスずつインクリメントして1秒あたり1〜20回のパルスを得ることができる。ユーザは、出力パワーレベルおよびパルス繰返し数をタッチスクリーン255経由で設定し、これをフットコントロールアセンブリ15経由で制御する。
【0136】
好ましい実施例では、超音波乳化吸引モジュール325は、バックプレーン101に接続されるモジュール325の後部においてネットワークコネクタ171を介してネットワークに接続されたニューロン回路541を有する。ニューロン回路541は、データ通信バスを介してデータを受信および送信するためのRS485送受信機223を含む。送受信機223に結合されたニューロンプロセッサ225は、モジュール325のネットワーク通信制御を行う。また、ニューロンプロセッサ225は、システム1の水晶体超音波乳化および水晶体超音波破砕機能を制御するための、メモリ543(例えばフラッシュEEPROM)に格納された内蔵されたアプリケーションプログラムも実行する。メモリ543は、ネットワーク上のモジュール325を初期化するための構成および識別データも格納している。有利なことに、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ543を再プログラミングすることができる。ニューロン回路541は、ニューロン225が動作するための時間ベースを提供しているクロック回路545(例えば水晶発振子)も含む。超音波乳化吸引モジュール325は、IAVモジュール321と同様に、回路で使用する±5ボルトおよび4ボルトの電力を生成するための電力調整または基準電圧回路546を含む。図33には図示していないが、ニューロン回路541は、コンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのもう1つのRS485送受信機と、モジュール325がアクティブであることを示すステータスLEDとを含む。
【0137】
図33に示されるように、超音波乳化吸引モジュール325は、EPLD549と協働するコプロセッサ回路547を含む。コプロセッサ回路547は、コプロセッサ551(例えばIntel 386EXプロセッサ)および関連のメモリ553(例えばフラッシュEEPROMおよびスタティックRAM)と、クロック回路555(例えば水晶発振子)と、ウォッチドッグ557とを含むと好ましい。EPLD549は、周波数発生器561(例えば正弦波生成器)に対して使用されるクロック信号を供給するためのパルスタイマ559を有する。コプロセッサ回路545のコプロセッサ551は、EPLD547と協働して周波数発生器561に制御信号を供給し、パルス超音波乳化吸引出力用のプログラム可能な周波数を生成する。超音波乳化吸引ドライブ回路563は、周波数発生器561によって生成されたプログラム可能な周波数を利用し、超音波乳化吸引出力537を駆動する。有利なことに、超音波乳化吸引モジュール325は、超音波乳化吸引ドライブ563に供給されるレール電圧を例えばコマンドによって指定された超音波乳化吸引電圧レベルよりも高い3ボルトに維持するためのブーストレギュレータ565を含む。これによって、過剰な電力散逸が超音波乳化吸引ドライブ563にて発生するのが防止される。超音波乳化吸引モジュール325は、ブースト電圧だけでなく、超音波乳化吸引パワーの位相も監視するためのモニタ回路567も含む。最適な超音波乳化吸引機能を得るために、電流および電圧の位相は、負荷が変わった場合でもハンドピース539の共振周波数上に維持されると望ましい。モニタ回路567は、超音波乳化吸引モジュール325における過電流状態を防止するための過電流検出器も提供する。
【0138】
本発明によれば、超音波乳化吸引モジュール325は、超音波乳化吸引出力537に接続されたハンドピース539の存在を検出するためのプローブ存在回路571も含む。コプロセッサ回路547およびEPLD549は、プローブ存在回路の出力とモニタ回路567によって生成されるシャットダウン信号とを組み合わせ、リレー制御装置575を駆動する。これによって、望ましくない動作状態にある場合にはリレー制御装置575が超音波乳化吸引ドライブ563をディスエーブルにする。
【0139】
図34に鑑みると、メスモジュール327(図89乃至図103に詳細に示す)は、システム1にメス機能だけでなく空気流体交換および鉗子機能も提供すると好ましい。好ましい実施例では、モジュール327は、ポート579に接続されるメス/鉗子ハンドピースのユーザが選択した動作モードおよび動作パラメータに鑑みてモジュール327が制御する、電気的に駆動されるポート579を支持する。
【0140】
メスモジュール327は、リニア執刀速度、固定執刀速度、単回作動および比例式作動を含むメス/鉗子機能を提供すると好ましい。例えば、ユーザは、メスモジュール327をプログラミングして、タッチスクリーン255またはフットコントロールアセンブリ15を介して1cut/分ずつインクリメントして30〜300cuts/分を行うリニア執刀速度を得ることができる。この例では、外科医はフットコントロールアセンブリ15を介して実際のカッター速度を制御する。ユーザは、モジュール327をプログラミングして、タッチスクリーン255またはフットコントロールアセンブリ15を介して、フットコントロールアセンブリ15でオン/オフ制御を行って1cut/分ずつインクリメントして30〜300cuts/分を行う固定執刀速度を得ることができる。他の動作パラメータを用いる場合と同様に、ユーザはモジュール327をプログラミングして単回執刀または個々のデュアルメス/鉗子サイクルを得ることもできる。外科医は、フットコントロールアセンブリ15を介して単回執刀を作動させると好ましい。比例式作動機能では、メスハンドピースを特定の比率だけ閉じる。例えば、ユーザはメスモジュール327をプログラミングして、タッチスクリーン255およびフットコントロールアセンブリ15によってユーザがリニア制御を行う、25%ずつ閉じて0%〜100%閉じる比例式作動を得ることができる。
【0141】
他のモジュール13を用いる場合と同様に、メスモジュール327は、バックプレーン101と接続するモジュール327の後部でネットワークコネクタ171を介してネットワークに接続されたニューロン回路583を有する。ニューロン回路583は、ニューロンプロセッサ225に結合されたデータ通信バスを介してデータを受信および送信するためのRS485送受信機223を含む。ネットワーク通信制御に加え、ニューロンプロセッサ225は、システム1のメス/鉗子および空気/流体交換機能を制御するための、メモリ585(例えばフラッシュEEPROM)に格納された内蔵されたアプリケーションプログラムも実行する。メモリ585は、ネットワーク上のモジュール327を初期化するための構成および識別データも格納している。有利なことに、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ585を再プログラミングすることができる。ニューロン回路583は、ウォッチドッグタイマ回路587およびクロック回路589も含む。図34には図示していないが、ニューロン回路585は、コンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのもう1つのRS485送受信機を含む。
【0142】
他のモジュール13のうちのいくつかと同様に、メスモジュール327は、ニューロン回路585のニューロンプロセッサ225と一緒に用いられ、ユーザが入力した動作パラメータの機能としてメス/鉗子ハンドピースを制御するEPLD595を含む。特に、EPLD595は、ソレノイドドライブ597またはDCモータドライブ599のいずれかを選択してハンドピースポート579を駆動するためのドライブセレクタである。このように、メスモジュール327は2タイプのメス装置を駆動することができる。
【0143】
図34に示されるように、メスモジュール327は、空気流体交換機能を提供するための空気制御装置605も含む。例えば、空気制御装置は3つのソレノイド弁を駆動して、IOPの加圧、解放および保持を制御する。好ましくは、モジュール327の空気流体交換部分は、空気制御装置605の一部である空気ポンプによって駆動される1つの空気ポート(図示せず)をサポートする。一例として、このポンプは、最大5立方フィート毎時までの流速で、1mmHgずつインクリメントして最大100mmHgまでの空気圧をサポートする。ユーザは、タッチスクリーン255またはフットコントロールアセンブリ15を介して空気流体交換ポートを制御する。図34は、ニューロン回路583にフィードバックを行うためのIOP検出器607(例えば圧力トランスデューサ)も示している。IOP検出器607が過圧状態または圧力不足(under pressure)状態を検出したのに応答して、ユーザインタフェースは可聴警告を発する。メスモジュール327はさらに、モジュールがアクティブであることを示す、モジュール327のフロントパネル表面の緑色のLEDなどのステータスLED611と、ポート579に接続されたメスハンドピースの存在を検出するハンドピース検出器回路613とを含む。図34には図示していないが、ニューロン回路はコンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのもう1つのRS485送受信機も含んでいる。
【0144】
電力損失またはモジュール故障が発生した場合に備えて、モジュール327には空気レシーバおよび遮断弁が設けられ、故障状態に応えるだけの適当な時間をユーザに与える。
【0145】
図35に示されるように、バイポーラ凝固モジュール329(図104乃至図113に詳細に示す)は、単一のバイポーラ出力625をサポートする内蔵モジュールである。好ましい実施例では、バイポーラ出力は、最大7.5ワットのバイポーラパワーを100オームにして供給する。好ましくは、モジュール329はポートを制御して固定バイポーラ機能またはリニアバイポーラ機能を提供する。ユーザは、バイポーラ凝固モジュール329をプログラミングして、1%ずつインクリメントする最大2%〜100%の固定バイポーラパワーを得ることができる。バイポーラ出力は、フットコントロールアセンブリ15の瞬間接触(押ボタン)スイッチを介して、プログラミングされた出力パワーレベルで作動されると好ましい。バイポーラ出力は、押ボタンが押されている限りは作動状態に維持される。ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して出力レベルを設定し、フットコントロールアセンブリ15の押ボタンを介して上記の設定値を変更する。ユーザは、モジュール329をプログラミングして、最大2%〜100%のリニアバイポーラパワーを得ることができ、パワーレベルを1%ずつインクリメントして変更することができる。バイポーラ出力は、外科医がフットコントロールアセンブリ15のセンターフットペダルを押した時にリニア超音波乳化吸引出力をプログラミングした最小超音波乳化吸引パワーレベルで作動され、次いでリニアフットペダル移動の機能としてこれをプログラミングした最大出力パワーレベルまで増加すると好ましい。ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介して出力レベルを設定し、フットコントロールアセンブリ15を介してこのレベルを制御する。
【0146】
他のモジュール13を用いる場合と同様に、凝固モジュール329は、バックプレーン101と接続するモジュール329の後部でネットワークコネクタ171を介してネットワークに接続されたニューロン回路627を有する。ニューロン回路627は、データ通信バスを介してデータを受信および送信するためのRS485送受信機223を含む。ニューロンプロセッサ225は送受信機223に結合され、モジュール329に対するネットワーク通信制御を行う。ニューロンプロセッサ225は、システム1のバイポーラ凝固機能を制御するための内蔵されたアプリケーションプログラムも実行する。この例では、ニューロン回路627は、凝固モジュール329用のアプリケーションプログラムを格納するためのメモリ629(例えばフラッシュEEPROM)を含む。さらに、メモリ629は、ネットワーク上のモジュール329を初期化するための構成および識別データを格納している。有利なことに、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ629を再プログラミングすることができる。ニューロン回路627は、ニューロン225が動作するための時間ベースを提供しているクロック回路631(例えば水晶発振子)も含む。図35には図示していないが、ニューロン回路627は、コンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのもう1つのRS485送受信機を含む。
【0147】
凝固モジュール329は、ニューロン回路627のニューロンプロセッサ225と一緒に用いられ、ユーザが入力した動作パラメータの機能としてバイポーラ凝固デバイスを制御するEPLD635を含む。特に、EPLD635は、イネーブル信号を生成して凝固をイネーブルにする制御論理回路637と、バイポーラ出力電圧および出力アクティビティ(固定またはリニア出力)を監視するアクティビティモニタ639と、パルス幅変調周波数を生成するためのバイポーラタイマ641とを含む。
【0148】
バイポーラ凝固モジュール329はさらに、過剰出力状態または望ましくない出力状態が発生した場合にバイポーラ出力625へのパワーを遮断するための過電圧検出器645を含む。好ましくは、過電圧検出器645はニューロンプロセッサ225および送受信機223を介してネットワークとも通信し、ユーザに対して望ましくない出力状態にあることをアラームで警告する。
【0149】
本発明によれば、ニューロン回路627のニューロンプロセッサ225は、EPLD635との組み合わせで、正しい位相順序で一組のプリドライバ649をイネーブルにする。これによって、一組のパワードライバ651がバイポーラ出力625にパワーを供給する。一実施例では、凝固モジュール329はパワードライバ651の出力を調節するためのアイソレーション・インピーダンスマッチングネットワーク653も含む。
【0150】
図35は、上述したように、モジュール329のフロントパネルに配置されて凝固モジュール329がアクティブであることをユーザに示す緑色のLEDであるステータスLED657を示している。モジュール329は、過電流状態を防止してノイズを抑えるためのパワーヒューズ・フィルタリング回路659も含む。
【0151】
以下、図36を参照すると、照明モジュール331(図114乃至図125に詳細に示す)は、モジュール331の前部における照明ポートに対応する光を提供するための第1のランプ665および第2のランプ667などの少なくとも2つのランプを有する内蔵モジュールである。本発明によれば、ユーザは、外科医が外科手術の術中に患者の眼球後部を照らす際に用いる眼内照明などの光ファイバ照明装置をこれらのポートのうち一方または両方に接続する。モジュール331はランプ665、667によって各ポートに照射される光を個別制御するが、必要であればこれらを同時に使用することもできる。さらに、モジュール331はポートで得られる光の強度を独立に制御する。ユーザは、タッチスクリーン255またはリモートコントロール装置39を介して高(100%)、中(75%)または低(50%)出力照明レベルを選択することができる。
【0152】
好ましい実施例では、バックプレーン101に接続されるモジュール331の後部においてネットワークコネクタ171を介してネットワークに接続されたニューロン回路671を有する。ニューロン回路671は、RS485送受信機223およびニューロンプロセッサ225を含む。ニューロンプロセッサ225は、ネットワーク通信制御ならびにアプリケーションプログラムを実行し、システム1の照明機能を制御する。この例では、ニューロン回路671は、照明モジュール331用のアプリケーションプログラムを格納するためのメモリ673(例えばフラッシュEEPROM)を含む。さらに、メモリ673は、ネットワーク上のモジュール331を初期化するための構成および識別データも格納している。有利なことに、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ673を再プログラミングすることができる。ニューロン回路671は、ニューロン回路671によって使用されるクロック信号を供給するクロック回路675(例えば水晶発振子)およびウォッチドッグタイマ676も含む。図33には図示していないが、ニューロン回路671は、コンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのもう1つのRS485送受信機を含む。
【0153】
図36に示されるように、ニューロン回路671のニューロンプロセッサ225は、第1のパワーリレー677にランプ665用のオン/オフ信号を供給し、第2のパワーリレー679にランプ667用のオン/オフ信号を供給する。これによって、リレー677、679のうちの一方または両方が12ボルト電源681(電源モジュール103からバックプレーン101経由で供給される)を第1のランプドライバ回路683および/または第2のランプドライバ回路685にそれぞれ接続し、ランプ665およびランプ667のうちの一方または両方を点灯させる。好ましい実施例では、ランプドライバ683、685がニューロン回路671に対してランプ665、667の状態に関するフィードバックを行う。
【0154】
ランプ665によって得られる光の強度を変化させるために、照明モジュール331のニューロン回路671はまず、所望の強度を表すシリアルデータをデジタルアナログ(D/A)変換器689に供給する。D/A変換器689の出力に応答して、調光装置ドライバ回路691が調光装置回路693を駆動する。本発明によれば、調光装置回路693はランプ665の強度を調節する。このように、調光装置ドライバ691は調光装置回路693をD/A変換器689へのシリアルデータ入力の機能として制御し、ランプ665の強度を所望のレベルに設定する。同様に、ニューロン回路671は、所望の強度を表すシリアルデータをデジタルアナログ(D/A)変換器697に供給し、ランプ667によって得られる光の強度を変化させる。次にD/A変換器697がアナログ強度信号を調光装置ドライバ回路699に供給し、これによってD/A変換器697へのシリアルデータ入力の機能として調光装置回路701が制御され、ランプ667の強度レベルが変化する。
【0155】
図36をさらに参照すると、照明モジュール331は、モジュール331の前部に設けられてモジュール331がアクティブであることをユーザに示す緑色のLEDなどのステータスLED705も含む。モジュール331は、コンポーネントを破損する可能性があるモジュール331内の過剰な熱を散逸させるための、ニューロン回路671のニューロンプロセッサ225に応答するファンなどの冷却システム707も提供する。
【0156】
本発明の好ましい実施例では、システム1は、リモートフットコントロールアセンブリ15、自動IVポールアセンブリ17を有する装置カート21、延長用架台部207およびハンドヘルド式IRリモートコントロール装置39の中から選択される周辺装置もサポートしている。
【0157】
これらの周辺装置のうちの1つ、すなわちフットコントロールアセンブリ15によって、外科手術処置の施行時に外科医は少なくとも1つの顕微手術装置19を遠隔制御することができる。ユーザは外科医のこともあるが、手術室にいる看護婦またはその他の人間がシステム1のユーザインタフェースに直接入力を行うことも多い。それ自体で、フットコントロールアセンブリ15は外科医と顕微手術システム1との間の主要なインタフェースとなる。有利なことに、外科医はフットコントロールアセンブリ15からシステム1によって提供される多数の機能を制御すると共に動作モードを変更することができる。
【0158】
図37は、フットコントロールアセンブリ15を制御するための、本発明の好ましい一実施例による制御回路105を示している。好ましくは、フットコントロール回路105(図126乃至図136において詳細に示す)はネットワーク通信を行い、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてフットコントロールアセンブリ15の動作を制御する。
【0159】
架台部7には図示していないが、フットコントロール回路105は、データ通信バス経由でデータを受信および送信するためのRS485送受信機223を含むニューロン回路717を有する。ニューロンプロセッサ225は、送受信機223に結合され、フットコントロール回路105のネットワーク通信制御を行う。このように、コンピュータネットワークに鑑みると、フットコントロールアセンブリ15は、フットコントロール回路105で制御されると機能的にモジュール13と等価である。換言すれば、フットコントロール回路105は、ユーザインタフェースとフットコントロール回路105との間で動作パラメータを表すデータを通信するデータ通信バスにも接続されている。このように、データ通信バスはフットコントロール回路105と外科手術用モジュール13との間のピアツーピア通信も可能にする。さらに、フットコントロール回路105はフットコントロールアセンブリ15を介してなされる外科医の指示に応答して、ネットワーク経由で顕微手術装置19の動作パラメータを変更する。
【0160】
この例では、ニューロン回路717の送受信機223は、バックプレーン101の背面にてコネクタ157に接続されるデータケーブル(図示せず)を介してデータ通信バスに接続されている。あるいは、IVポールアセンブリ17がジャンパを提供し、これにフットコントロール回路105を接続する。電源入力721はフットコントロール回路105に電力を供給し、VCC生成器723などの電圧調整器が回路に必要な論理電圧を供給する。図37はさらに、フットペダル移動の際に移動止めを提供するために磁粉ブレーキ727に接続されたブレーキドライブ回路725を示している。
【0161】
ニューロン回路717は、フットコントロール回路105用のアプリケーションプログラムを格納するためのメモリ731(例えばフラッシュEEPROM)も含む。この例では、ニューロンプロセッサ225はEPLD735と協働して内蔵されたアプリケーションプログラムを実行し、フットコントロールアセンブリ15を制御する。また、メモリ731は、ネットワーク上のフットコントロール回路105の初期化に用いられる構成および識別データを格納する。さらに、モジュール13を用いる場合と同様に、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ731を再プログラミングすることができる。図37に示されるように、ニューロン回路717は、コンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのRS485送受信機739も含む。
【0162】
好ましい一実施例において、フットコントロールアセンブリ15は、センターフットペダルと、1つのロッカースイッチと、2つの別々の押ボタン式スイッチ(図231を参照のこと)とを備えている。センターペダルの縦揺れ(ピッチ)運動および横揺れ(ヨー)運動によって、システム1がデュアルリニアおよびオン/オフ制御されると好ましい。これらの制御は各々、機能および制御パラメータ(すなわちレンジ、モードなど)に鑑みて完全にプログラム可能である。本発明によれば、EPLD735は様々なスイッチ743から情報を受信し、ピッチエンコーダ745およびヨーエンコーダ747を介してセンターペダルの移動に関する情報を受信する。本発明によれば、EPLD735は、スイッチ復号化、直交復号化/積算およびブレーキ強度符号化を行う。ニューロン225で利用できる入力の数が限られているため、EPLD735はスイッチ743によって供給されるスイッチ信号を復号化する。さらに、ピッチおよびヨーエンコーダ745、747は各々、フットペダルの運動量および運動方向を示す2つの直交信号を供給する。EPLD735は、ニューロン回路717のニューロン225が使用できるようにこれらの信号を復号化する。さらに、EPLD735は、ニューロン225によって生成されるブレーキ強度信号を、ブレーキドライブ回路725が使用できるように符号化する。
【0163】
一例として、フットコントロールアセンブリ15のセンターペダルは、ピッチすなわち垂直方向に約15°上下運動する。この運動範囲内で、ユーザは2ヶ所の移動止め位置をプログラミングすることができる。さらに、センターペダルがこれらの移動止め位置のうちいずれかを通って移動すると、ペダルによって生じる抵抗が変化して外科医に触覚フィードバックが与えられる。この抵抗は、センターペダルがプログラミングした移動止め(ディテント)範囲内で移動している限りは同一のままであると好ましい。解放されると、ペダルはホーム(上)位置に戻る。機能的には、ユーザはピッチ運動もプログラミングして、適用可能な全ての外科手術に対するリニアまたはオン/オフ制御を行うことができる。例えば、フットコントロールアセンブリ15によって、相対フットペダル変位(例えば、0°〜15°下が0%〜100%出力に相当)の機能としてリニア制御を行い、絶対フットペダル変位(例えば、0°〜10°下がオフに相当し、10°〜15°がオンに相当する)の機能として固定制御を行うことができる。
【0164】
水平すなわちヨー方向では、センターフットペダルはほぼ±10°の左/右運動をする。この例では、ペダルは中央移動止めを有し、解放されるとホーム(センター)位置に戻る。機能的には、ユーザはヨー運動をプログラミングして、適用可能な全ての外科手術に対するリニアまたはオン/オフ制御を行うことができる。例えば、ペダルはによって、相対フットペダル変位(例えば、0°〜10°左が0%〜100%出力に相当)の機能としてリニア制御を行い、絶対フットペダル変位(例えば、中央移動止めの左(右)に運動することがオン(オフ)に相当する)の機能として固定オン/オフ制御を行う。
【0165】
好ましくは、ロッカースイッチはフットコントロールアセンブリ15のセンターフットペダルの右側に位置する位置スイッチである。解放されると、ロッカースイッチはオフ(センター)位置に戻る。機能的には、ユーザはロッカースイッチをプログラミングして、適用可能な全ての外科手術(例えば、水晶体超音波乳化および水晶体超音波破砕パワーレベル、バイポーラパワーレベル、吸引レベルなど)に対する上/下、インクリメント/デクリメントまたはオン/オフ制御を行うことができる。フットコントロールアセンブリのこれら2つの押ボタン式スイッチは、ロッカースイッチに対向してセンターフットペダルからみて左側に位置していると好ましい。好ましい実施例では、一方のスイッチをバイポーラ出力制御専用にし、ユーザは他方のスイッチをプログラミングして外科手術のうちの1つを制御することができる。解放されると、押ボタン式スイッチはオフ(上)位置に戻る。
【0166】
以下、図38を参照すると、システム1は、モータ753を制御してIVポールアセンブリ17のIVポールを上下させるための制御回路107(図137乃至図146に詳細に示す)を有するIVポールアセンブリ17も含む。好ましくは、IVポール制御回路107はネットワーク通信を行い、少なくとも1つの動作パラメータの機能としてIVポールアセンブリ17の動作を制御する。架台部7には取り付けられていないが、IVポール制御回路107は、RS485送受信機223と送受信機223に結合されたニューロンプロセッサ225とを含むニューロン回路755を有する。それ自体で、ニューロン回路755はIVポール制御回路107をネットワーク通信制御する。このように、コンピュータネットワークに鑑みると、IVポールアセンブリ17は、IVポール制御回路107で制御されると機能的にモジュール13と等価である。換言すれば、IVポール制御回路107は、ユーザインタフェースとIVポール制御回路107との間で動作パラメータを表すデータを通信するデータ通信バスにも接続されている。ニューロン回路755は、ニューロン225が動作するための時間ベースを提供しているクロック回路757(例えば水晶発振子)も含む。電源入力759は、好ましくは架台部7から、IVポール制御回路107に電力を供給する。
【0167】
フットコントロール回路105と同様に、IVポール制御回路107の送受信機223は、バックプレーン101背面にてコネクタ157に接続されるデータケーブル(図示せず)を介してデータ通信バスに接続されている。ニューロン回路755は、IVポール制御回路107用のアプリケーションプログラムを格納するためのメモリ763(例えばフラッシュEEPROM)も含む。この例では、ニューロンプロセッサ225は、内蔵されたアプリケーションプログラムを実行し、IVポールアセンブリ17の動作パラメータの機能としてモータドライブ回路765を制御する。また、メモリ731は、ネットワーク上のIVポール制御回路107の初期化に用いられる構成および識別データを格納する。さらに、モジュール13を用いる場合と同様に、中央処理装置245は、ユーザが提供する情報に応答してデータ通信バスを介してメモリ763を再プログラミングすることができる。図38には図示していないが、ニューロン回路755は、ウォッチドッグタイマおよび他のコンピュータユニット3からリセット信号を受信するためのRS485送受信機739も含む。
【0168】
好ましくは、IVポールアセンブリ17は計装カート21と一体の部分であり、例えば500ccの流体容器2本を最大でカート21の100cm上で位置決めするのに使用される。この点については、IVポールアセンブリ15のIVポールは6cm/秒の速度で上下に移動可能であり、位置決め分解能1cm、位置決め再現性2cmである。機能的に、ユーザは、タッチスクリーン255、リモートコントロール装置39またはフットコントロールアセンブリ15を介してIVポールパラメータを設定する。一対のリミットスイッチ767によって、ニューロン回路755にIVポール高に関するフィードバックがなされる。例えば、IVポールがその最大許容高に達すると、一方のリミットスイッチ767がモータ753によるポールの上への駆動を停止するようニューロン回路755に対して指示を出す。同様に、ポールが最低限まで下がると、他方のリミットスイッチ767がモータ753によるポールの下への駆動を停止するようニューロン回路755に指示を出す。他の実施例では、IVポールが最低限まで下がると1つのリミットスイッチ767がこれを検知する。この実施例ではモータ753はステップモータであり、ニューロン225は歩進数を計数してポールがいつ最大限まで上がるかを判断する。
【0169】
図39は、電源モジュール103をブロック図の形で示している。図示のように、電源モジュール103は、AC電力を受信する電力口771を含む。好ましくは、架台部7に取り付けられる様々なモジュール13によって使用されるDC電圧を切換可能な電源回路775が生成する前に電磁障害(EMI)フィルタ773で電力を調整する。次に切換回路779がバックプレーンコネクタ(コネクタ171など)を介してこれらの電圧をバックプレーン101に供給する。好ましい実施例では、電源モジュール103は、好ましくは図9に示す開口197内に位置する相互係止スイッチ783を含む。このスイッチは常開で電源がバックプレーン101の電源バスに供給されるのを遮断している。フロントカバー113を架台部7の上に取り付けると、支柱195が開口197内まで延在して相互係止スイッチ783を閉じる。このようにして、システム1はモジュール13を交換するたびにリセット状態を生み、起動時にユーザがバックプレーン101と接触してしまうのを防止する。
【0170】
電源モジュール103は、そのアクティブ状態を示すステータスLED787と、モジュール内の過熱を防止するためのファン789とを含む。
【0171】
添付のマイクロフィッシュ付属物はシステム1用のソフトウェアのプログラムリストである。本発明によれば、本願明細書にて開示したように、コンピュータユニット3はマイクロフィッシュ付属物に列挙してあるソフトウェアを実行し、本発明のユーザインタフェースおよびネットワークマネジメント特徴を提供する。さらに、ニューロンプロセッサ225は付属物に列挙してあるソフトウェアを実行し、様々な顕微手術装置19および周辺装置を制御する。
【0172】
上記に鑑みて、本発明の様々な目的が達成され、その他の有利な結果が得られることは明らかであろう。
【0173】
本発明の範囲を逸脱することなく上記の構成および方法に対して様々な変更を施すことができるため、上記の説明に含まれるかまたは添付の図面に示される全ての内容は、一例であって限定する意味のものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】は、眼科顕微手術装置と共に用いられ、複数のモジュールを有する本発明による顕微手術用制御システムの斜視図である。
【図2】は、図1のシステムのブロック図である。
【図3】は、図1のシステムの架台部の斜視図である。
【図4】は、フロントカバーのない状態で示した架台部の斜視図である。
【図5】は、架台部シャーシの前面図である。
【図6】は、架台部シャーシの上面図である。
【図7】は、架台部の後面図である。
【図8】は、架台部フロントカバーの左側面図である。
【図9】は、図1のシステムの一般的なモジュールの斜視図である。
【図10】はモジュールの後面図である。
【図11】はモジュールの部分底面図である。
【図12】は一般的な架台部およびモジュールアセンブリの斜視図である。
【図13】は図7の線5B−5Bで切った平面における部分断面図であるが、モジュールは架台部内にある状態で示されている。
【図14】は図13の線5C−5Cで切った平面における部分断面図である。
【図15】は本発明による通信ネットワークの概略図である。
【図16】は、図15のネットワークを選択的に終端させるための終端回路の概略図である。
【図17】は、図1のシステムの好ましい実施例によるユーザインタフェースコンピュータのブロック図である。
【図18】は、図1のシステムの好ましい実施例によるユーザインタフェースコンピュータのブロック図である。
【図19】は、図17乃至図18のユーザインタフェースコンピュータ用の通信ネットワーク回路のブロック図である。
【図20】は、ネットワークを選択的に終端させるための図19のネットワーク回路の終端回路の概略図である。
【図21】は、本発明によるシステムにおけるデータフローを示す、図1のシステムのブロック図である。
【図22】は本発明によるテンキーの画面表示の一例である。
【図23】は、システムの動作モードおよびモードシーケンスを定義するためのユーザインタフェースコンピュータにおける中央処理装置の動作を示す流れ図の一例である。
【図24】は、システムの動作モードおよびモードシーケンスを定義するためのユーザインタフェースコンピュータにおける中央処理装置の動作を示す流れ図の一例である。
【図25】は、システムのセットアップファイルを適合させるためのユーザインタフェースコンピュータにおける中央処理装置の動作を示す流れ図の一例である。
【図26】は、システムのセットアップファイルを適合させるためのユーザインタフェースコンピュータにおける中央処理装置の動作を示す流れ図の一例である。
【図27】は、本発明による動作モードを選択するためのユーザインタフェースコンピュータによって生成される画面表示の一例である。
【図28】は、本発明による動作モードを選択するためのユーザインタフェースコンピュータによって生成される画面表示の一例である。
【図29】は、本発明による動作モードを選択するためのユーザインタフェースコンピュータによって生成される画面表示の一例である。
【図30】は、本発明による動作モードを選択するためのユーザインタフェースコンピュータによって生成される画面表示の一例である。
【図31】は、システムを自動的に構成するためのユーザインタフェースコンピュータにおける中央処理装置の動作を示す流れ図の一例である。
【図32】は、図1のシステムの好ましい実施例による灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールのブロック図である。
【図33】は、図1のシステムの好ましい実施例による水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールのブロック図である。
【図34】は、図1のシステムの好ましい実施例による空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールのブロック図である。
【図35】は、図1のシステムの好ましい実施例によるバイポーラ凝固モジュールのブロック図である。
【図36】は、図1のシステムの好ましい実施例による照明モジュールのブロック図である。
【図37】は、図1のシステムの好ましい実施例による周辺フットコントロール回路のブロック図である。
【図38】は、図1のシステムの好ましい実施例による周辺静脈ポール制御回路のブロック図である。
【図39】は、図1のシステムの好ましい実施例による電源モジュールのブロック図である。
【図40】は、図3乃至図8の架台部における通信電源バックプレーンを示す概略図である。
【図41】は、図3乃至図8の架台部における通信電源バックプレーンを示す概略図である。
【図42】は、図3乃至図8の架台部における通信電源バックプレーンを示す概略図である。
【図43】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図44】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図45】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図46】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図47】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図48】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図49】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図50】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図51】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図52】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図53】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図54】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図55】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図56】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図57】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図58】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図59】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図60】は、図32の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールを示す概略図である。
【図61】は、図32および図43乃至図60の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールと共に使用されるカセット検出器を示す概略図である。
【図62】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図63】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図64】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図65】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図66】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図67】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図68】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図69】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図70】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図71】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図72】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図73】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図74】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図75】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図76】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図77】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図78】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図79】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図80】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図81】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図82】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図83】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図84】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図85】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図86】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図87】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図88】は、図33の水晶体超音波乳化および/または水晶体超音波破砕モジュールを示す概略図である。
【図89】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図90】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図91】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図92】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図93】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図94】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図95】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図96】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図97】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図98】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図99】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図100】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図101】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図102】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図103】は、図34の空気流体交換、電気メスおよび/または鉗子モジュールを示す概略図である。
【図104】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図105】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図106】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図107】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図108】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図109】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図110】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図111】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図112】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図113】は、図19のバイポーラ凝固モジュールを示す概略図である。
【図114】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図115】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図116】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図117】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図118】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図119】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図120】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図121】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図122】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図123】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図124】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図125】は、図36の照明モジュールを示す概略図である。
【図126】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図127】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図128】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図129】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図130】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図131】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図132】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図133】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図134】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図135】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図136】は、図37のフットコントロール回路を示す概略図である。
【図137】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図138】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図139】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図140】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図141】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図142】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図143】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図144】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図145】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図146】は、図38の静脈ポール制御回路を示す概略図である。
【図147】は、図32および図43乃至図60の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールの他の実施例によるスクロールポンプと共に使用される圧力検知回路を示す概略図である。
【図148】は、図32および図43乃至図60の灌流、吸引および/または硝子体摘出モジュールの他の実施例によるスクロールポンプと共に使用される圧力検知回路を示す概略図である。
【図149】は、図40乃至図42のバックプレーンに電源を供給するための図39の電源モジュールを示す概略図である。
【図150】は、図40乃至図42のバックプレーンに電源を供給するための図39の電源モジュールを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自システムに接続され、外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用する複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムであって、
データ通信バスと、
前記データ通信バスに接続され、前記顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザに提供すると共にユーザからの情報を受信するユーザインタフェースと、
前記顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータに応じて該顕微手術装置を制御し、前記データ通信バスに接続された第1の外科手術用モジュールと、
他の1つの前記顕微手術装置に接続され、少なくとも1つの動作パラメータに応じて該顕微手術装置を制御し、前記データ通信バスに接続された前記第2の外科手術用モジュールと、
複数の異なる位置で前記モジュールを収容可能な架台部と、を備え、
前記データ通信バスは、前記ユーザインタフェースと前記第1および第2の外科手術用モジュールとの間で前記動作パラメータを表すデータの通信を提供し、
前記ユーザインタフェースが、前記データ通信バスを介して通信している各モジュールを識別しおよび初期化するルーチンを実行するための中央処理装置を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
各モジュールが、該モジュールを識別する少なくとも1つの通信パラメータを有し、前記データ通信バスに接続された前記モジュールが通信パラメータに応じて通信を行い、前記データ通信バスに接続された前記モジュールに対応する一組の通信パラメータを格納しているメモリをさらに含み、前記中央処理装置によって実行されるルーチンが、前記データ通信バスに接続された前記モジュールにおける変更を検出し、前記データ通信バスに接続された前記モジュールの当該システムに対する追加/削除を含む変更に応じて前記メモリに格納された通信パラメータの組を再構成するためのルーチンを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
自システムに接続され、外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用する複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムであって、
データ通信バスと、
前記データ通信バスに接続され、動作パラメータを表す情報をユーザに提供すると共にユーサからの情報を受信するユーザインタフェースと、
前記顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータに応じて該顕微手術装置を制御し、前記データ通信バスに接続された外科手術用モジュールと、
複数の異なる位置で前記モジュールを収容可能な架台部と、
リモートコントロール装置に接続され、少なくとも1つの動作パラメータに応じて該リモートコントロール装置を制御するリモートコントロール回路と、を備え、前記リモートコントロール回路は前記データ通信バスに接続され、前記リモートコントロール装置は外科手術処置の施行中に前記顕微手術装置の動作パラメータを変化させるように動作し、
前記データ通信バスは、前記ユーザインタフェースと前記外科手術用モジュールと前記リモートコントロール回路との間で前記動作パラメータを表すデータの通信を提供し、
前記ユーザインタフェースが、前記データ通信バスを介して通信している前記モジュールおよび前記リモートコントロール回路を識別しおよび初期化するルーチンを実行するための中央処理装置を含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記モジュールおよび前記リモートコントロール回路が各々、少なくとも1つの識別用通信パラメータを有し、前記データ通信バスに接続された前記モジュールおよび前記リモートコントロール回路が前記通信パラメータに応じて通信を行い、前記データ通信バスに接続された前記モジュールおよび前記リモートコントロール回路に対応する一組の通信パラメータを格納しているメモリをさらに備え、前記中央処理装置によって実行されるルーチンが、前記データ通信バスに接続された前記モジュールおよび/または前記リモートコントロール回路の当該システムに対する追加/削除を含む変更を検出し、検出された変更に応じて前記メモリに格納された通信パラメータの組を再構成するためのルーチンを含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
自システムに接続され、外科医などのユーザが眼科の外科手術処置を施行する際に使用する複数の眼科顕微手術装置を制御するためのシステムであって、
データ通信バスと、
前記データ通信バスに接続され、前記顕微手術装置の動作パラメータを表す情報をユーザに提供すると共にユーザからの情報を受信するユーザインタフェースであって、該ユーザインタフェースは中央処理装置を含み、
前記顕微手術装置のうちの1つに接続され、少なくとも1つの動作パラメータに応じて該顕微手術装置を制御し、前記データ通信バスに接続された外科手術用モジュールと、複数の異なる位置で前記モジュールを収容可能な架台部と、を備え、
前記データ通信バスは、前記ユーザインタフェースと前記外科手術用モジュールとの問で前記動作パラメータを表すデータの通信を提供し、
前記中央処理装置が、前記データ通信バスを介して通信している前記モジュールを識別しおよび初期化するルーチンを実行することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図62】
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【図66】
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【図70】
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【図71】
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【図74】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図106】
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【図149】
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【図150】
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【公開番号】特開2007−260417(P2007−260417A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127618(P2007−127618)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【分割の表示】特願平10−511949の分割
【原出願日】平成9年8月28日(1997.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.WINDOWS
【出願人】(507124944)ボシュロム インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】