説明

自動券売機

【課題】発券装置において、定期券購入申込書、学割証等を読み取る機能実現に当たっては、通常の自動券売機に加えて当該イメージリーダを収納可能で且つ学割証などが置けるためのスペースの確保が必要であり、装置が大型化するといった課題があるため、通常の自動券売機と同等のスペースの中で当該の機能を実現すること。
【解決手段】自動券売機において、顧客が定期券等を購入する際に、定期券購入申込書、学割証等を読み取って確認を行う為の書類用カメラを表示部兼タッチ操作部付近に備え、表示部兼タッチ操作部2近傍に定期券購入申込書、学割証等をかざす等の行為により表示部兼タッチ操作部2を置き台代わりとして使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動券売機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平8−50616号公報(特許文献1)がある。
【0003】
この公報は、「発券装置とセンタ装置を伝送回線で結んだシステムからなり、発券装置は、カメラ、イメージリーダ、表示部、音声入出力部、データ制御部、合成部、クレジットカード読み取り部、定期券読み取り、発行部、貨幣硬貨読み取り、釣り銭排出機構、発券装置等を備え、乗車券の購入者は発券装置の前で遠隔地にあるセンタ装置の駅員と画像と音声により対話しながら乗車券等を購入するようにしたことを特徴とする発券装置」に関するものであり、顧客が定期券等を購入する際に、定期券購入申込書、学割証等を読み取って確認を行う為のイメージリーダを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−50616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の自動券売機において、定期券購入申込書、学割証等を読み取る機能実現に当たっては、通常の自動券売機に加え、当該イメージリーダ(書類用カメラ)を収納でき、かつ、学割証などが置けるためのスペースの確保が必要であり、装置が大型化するといった課題があった。
【0006】
そこで、本発明は当該自動券売機の表示部にタッチ入力が出来るようタッチ操作部を実装した、表示部兼タッチ操作部近傍に書類用カメラを実装し、表示部兼タッチ操作部を定期券購入申込書、学割証等の置き台代わりに使用することで、通常の自動券売機と同等のスペースの中で当該の機能を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0008】
本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば当該自動券売機1とオペレーションセンタ11を、上位伝送回線10で結んだシステムからなり、自動券売機1は、少なくとも人物用カメラ7、書類用カメラ9、表示部兼タッチ操作部2、音声入出力部8、制御部3、発券処理部6、硬貨処理部4、紙幣処理部5等を備え、乗車券の購入者は自動券売機から上位伝送回線10を経由して遠隔地にあるオペレーションセンタ11の係員と、映像と音声を介して対話しながら乗車券等を購入することができる自動券売機において、顧客が定期券等を購入する際に、定期券購入申込書、学割証等を読み取って確認を行う為の書類用カメラ9を表示部兼タッチ操作部2付近に備え、表示部兼タッチ操作部2近傍に定期券購入申込書、学割証等をかざす等の行為により表示部兼タッチ操作部2を置き台代わりとして使用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、当該自動券売機の表示部兼タッチ操作部2近傍に書類用カメラ9を実装し、表示部兼タッチ操作部2を定期券購入申込書、学割証等の置き台代わりに使用することで、通常の自動券売機と同等のスペースの中で当該の機能を実現することができ、スペース効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】自動券売機の構成図の例である。
【図2】自動券売機における顧客操作の例である。
【図3】自動券売機における顧客操作の詳細例である。
【図4】自動券売機における顧客操作の詳細例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施例を、図面を用いて説明する。
【0012】
本実施例では、自動券売機1の例を説明する。
【0013】
図1は、本実施例における自動券売機の構成図の例である。
【0014】
自動券売機1は、オペレーションセンタ11、上位端末12、上位ホスト13を伝送回線10及び上位伝送回線14で結んだシステムで構成される。
【0015】
自動券売機1は、少なくとも表示部兼タッチ操作部2、制御部3、硬貨処理部4、紙幣処理部5、発券処理部6、人物用カメラ7、音声入出力部8、書類用カメラ9を備え、乗車券等の購入者は、自動券売機1から伝送回線10を経由して遠隔地にあるオペレーションセンタ11の係員と、映像/音声等を介して対話しながら乗車券等を購入することができる。
【0016】
図2に顧客操作の一例を示す。
【0017】
待機状態にある自動券売機1の表示部兼タッチ操作部2が購入者の操作を検知すると、制御部3は人物用カメラ7で撮影した購入者の映像と、音声入出力部8から入力された購入者の発した音声を、伝送回線10を経由して遠隔地にあるオペレーションセンタ11に伝送する。通知を受けたオペレーションセンタ11の上位端末12は、係員の応答音声を、伝送回線10を介して伝送し、自動券売機1とオペレーションセンタ11の相互間で、購入者と係員の対話が実現する。
【0018】
自動券売機1の表示部兼タッチ操作部2付近には、定期券購入申込書、学割証等を読み取って確認を行う為の書類用カメラ9を備えており、購入者が例えば、定期券等を購入する場合に、オペレーションセンタ11の係員の指示に従って定期券購入申込書、学割証等を表示部兼タッチ操作部2の上にかざす等の行為を行う。
【0019】
なお、書類用カメラ9は書類をかざす等の操作の邪魔になりにくく、また悪戯に対しての耐性を考慮して、表示部兼タッチ操作部2の左上近傍等に設けられることが好ましいが、もちろん取り付け位置に関して自由度があることは明白である。
【0020】
その際、定期券購入申込書、学割証等をかざす範囲を画面上に表示する、裏写りしないよう表示部の照度を下げるもしくは黒画面表示にするなどの工夫も考えられる。また、証明書を置くにあたり、表示される範囲は、オペレーションセンタ11の係員からの指示にて表示を行う、購入内容により端末側の制御部で判断して自動で行うと言った選択肢が考えられる。また、かざすという手段で手で保持したままにする以外にも、表示部兼タッチ操作部2の表面に段差を設ける等して、手を離した状態でも保持されるようにする等の選択肢があることは言うまでもない。
【0021】
また、定期券購入申込書、学割証等が保持される角度によっては、情報を読み取る際に歪みが生じる恐れがあるため、読み取った情報に対し、例えば制御部3において歪み補正を行う工夫も必要となりうる。
【0022】
さらに、図3に示すように、例えば、申込書の提示を要求する際に、係員が表示部兼タッチ操作部2の入力を停止させる処理を実施し、発売情報が確定し、購入者の確認入力を要求する等の時点で入力再開する制御を入れることで、表示部兼タッチ操作部2からの誤入力操作を防止することも一考の余地がある。なお、表示部兼タッチ操作部2表面に照度センサを設けるなどして表面の一定範囲が何かで覆われたことを検知した場合や、タッチ検出部にて一定範囲が何かで覆われたことを検知した場合に、端末側で表示部兼タッチ操作部2の入力を停止させる方式も考えられる。
【0023】
書類用カメラ9で読取った画像は、音声と同様に伝送回線10を経由して遠隔地にあるオペレーションセンタ11に伝送され、係員が情報を確認する。
【0024】
係員は、得られた情報を元に上位端末12を操作し、上位伝送回線14を介して上位ホスト13に対し発売情報を確定させたうえで、伝送回線10を通じて自動券売機1に発売情報を発信する。
【0025】
制御部3は表示部兼タッチ操作部2に受信した発売情報を表示し、購入者に表示内容の確認を促す。購入者によって表示部兼タッチ操作部2からの確認入力がなされた場合、硬貨処理部4、紙幣処理部5は、購入代金の投入を受付ける。制御部3は投入された金額を精査し、投入された金額が発売金額を上回ったところで、硬貨処理部4、紙幣処理部5の入金を停止させ、伝送回線10を経由してオペレーションセンタ11に金額情報を伝送する。上位端末12は係員の操作を受け、自動券売機1に発売指示を発信し、情報を受信した制御部3は、発券処理部6で定期券を印刷し、あわせて硬貨処理部4、紙幣処理部5にて投入された現金の収納及び、釣銭準備を行う。そのあと、硬貨処理部4、紙幣処理部5、発券処理部6より定期券及び釣銭を放出することで1件の取引を成立させる。
【0026】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。 例えば、現金以外にも、クレジットカード、電子マネーといった決算手段を追加、もしくは置き換えることが可能である。
【0027】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1…自動券売機、2…表示部兼タッチ操作部、3…制御部、4…硬貨処理部、5…紙幣処理部、6…発券処理部、7…人物用カメラ、8…音声入出力部、9…書類用カメラ、10…伝送回線、11…オペレーションセンタ、12…上位端末、13…上位ホスト、14…上位伝送回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該自動券売機1とオペレーションセンタ11を上位伝送回線10で結んだシステムからなり、自動券売機1は、少なくとも人物用カメラ7、書類用カメラ9、表示部兼タッチ操作部2、音声入出力部8、制御部3、発券処理部6、硬貨処理部4、紙幣処理部5等を備え、乗車券の購入者は自動券売機から伝送回線10を経由して遠隔地にあるオペレーションセンタ11の係員と、映像と音声を介して対話しながら乗車券等を購入することができる自動券売機において、顧客が定期券等を購入する際に、定期券購入申込書、学割証等を読み取って確認を行う為の書類用カメラ9を表示部兼タッチ操作部2付近に備え、表示部兼タッチ操作部2を定期券購入申込書、学割証等の置き台として使用することを特徴とする自動券売機。
【請求項2】
請求項1に記載の自動券売機1であって、表示部兼タッチ操作部2を定期券購入申込書、学割証等の置き台として使用するにあたり、たとえば光学的なセンサのオン/オフを無効にすることで定期券購入申込書、学割証等を置いた際に誤入力しないよう制御し、購入者の確認入力時にセンサのオン/オフを再度有効にする機能を有することを特徴とする自動券売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−103997(P2012−103997A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253381(P2010−253381)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】