説明

自動券売機

【課題】操作性と利便性を向上した自動券売機を提供する。
【解決手段】本発明の自動券売機100は、複数の大分類アイテム(商品)に係る情報を表示する大分類アイテム表示・選択部3と、複数の小分類アイテムに係る情報を表示する小分類アイテム表示・選択部2と、大分類アイテムの操作が可能であることを表示する大分類アイテム許可ランプ15と、小分類アイテムの操作が可能であることを表示する小分類アイテム許可ランプ16と、購入したアイテムを決済するために押す決定ボタン14と、金銭処理部12と、決済された特定の小分類アイテムに係る情報を記録した券を取り出す券取出口9と、制御ボードや電源装置等を収納する収納部10と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動券売機に関し、特に、アイテムを選択するときの操作性と顧客に対する利便性を改善した自動券売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省力化の観点から、従来人間が行っていた券の発行を自動的に行う自動券売機が駅舎、或いは食堂、レストラン等で多く実用化されている。この種の自動券売機は、商品名(アイテム名)、価格等を表示したアイテムシートを備えたアイテム表示部を備え、利用者が希望するアイテム表示部自体、或いはアイテム表示部に近接配置されたスイッチをオンすることにより、希望する商品に係る券を発行してもらうことができる。しかし、自動券売機によってはアイテムの種類が多く、選択するときに操作に手間取るといった問題が発生する。
このような自動券売機において、顧客の選択操作を容易にする従来技術として、特許文献1には、予め、多数のアイテムを種類別にグループ分けしておき、種類選択ボタンを押すと、当該種類に該当するアイテムに対応したアイテム選択ボタンの販売可ランプを点灯し、その他のボタンの販売可ボタンを消灯する自動販売機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−4743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数のアイテムが用意されている場合、利用者が当初希望していたアイテムボタンを押した後で別のアイテム名に目移りして気が変わることはしばしば起こる。しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術では、希望の種類選択ボタンを押すと、該当するアイテム以外のアイテム選択ボタンの販売可ランプは消灯してしまうため、操作のし直しができなくなり、別のアイテムの購入をあきらめるといったことになる。その結果、利用者の満足感が低下することはもちろんのこと、販売者側も新たなアイテムの拡販がしにくいといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、顧客が希望するアイテムを容易に選択させることができると共に、操作した後でも他のアイテムを選択できるようにして、操作性と利便性を向上した自動券売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、大分類に係るアイテムを表示する複数の大分類アイテム表示部、該各大分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の大分類アイテムの選択、決定がなされる大分類アイテム選択スイッチ、前記各大分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記大分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記大分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する大分類アイテム許可表示手段を有した大分類アイテム表示・選択部と、個々の前記大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを表示する小分類アイテム表示部、該小分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の小分類アイテムの選択、決定がなされる小分類アイテム選択スイッチ、前記各小分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記小分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記小分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する小分類アイテム許可表示手段を有した小分類アイテム表示・選択部と、選択された特定の小分類アイテムとの引き替え券を発行する発券部と、特定の前記小分類アイテムの販売価格に相当する金額を入金する入金部と、これらを制御する制御手段と、を備えた自動券売機であって、前記制御手段は、前記入金部に前記金額が入金されたことを検知した場合、購入可能な全ての前記小分類アイテム表示・選択部、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態にすると共に選択可能な状態とし、利用者によって特定の前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、当該大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示・選択部の照明手段を点灯又は点滅し、他の小分類アイテム表示部の照明手段を消灯する一方、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態を維持するよう制御すると共に、利用者によって特定の小分類アイテム表示・選択部が操作されたことを検知すると、前記発券部から当該小分類アイテムに係る引換券を発行するよう制御することを特徴とする。
【0006】
本発明の自動券売機は、大分類アイテム表示・選択部の照明手段が待機表示状態(例えば、点滅状態)のとき、金額が入金部に入金されると、全ての表示・選択部及びアイテム許可表示手段の照明を点灯する。これにより利用者は、全ての表示・選択部からアイテムを選択することができる。また、特定の大分類アイテム表示・選択部が操作されたとき、この大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを目立つように表示する必要がある。そこで本発明では、このようなときには、選択された大分類アイテムに含まれる小分類アイテムの照明手段のみを点灯又は点滅して、他の小分類アイテムの照明手段を消灯する。ただし、消灯した小分類アイテムの小分類アイテム許可表示手段は点灯しておく。これにより、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを明示すると共に、他の小分類アイテムも操作可能であることを報知することができる。
【0007】
請求項2は、大分類に係るアイテムを表示する複数の大分類アイテム表示部、該各大分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の大分類アイテムの選択、決定がなされる大分類アイテム選択スイッチ、前記各大分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記大分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記大分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する大分類アイテム許可表示手段を有した大分類アイテム表示・選択部と、個々の前記大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを表示する小分類アイテム表示部、該小分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の小分類アイテムの選択、決定がなされる小分類アイテム選択スイッチ、前記各小分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記小分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記小分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する小分類アイテム許可表示手段を有した小分類アイテム表示・選択部と、選択された特定の小分類アイテムとの引き替え券を発行する発券部と、特定の前記小分類アイテムの販売価格に相当する金額を入金する入金部と、これらを制御する制御手段と、を備えた自動券売機であって、前記制御手段は、前記入金部に前記金額が入金されたことを検知した場合、購入可能な全ての前記小分類アイテム表示・選択部、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態にすると共に選択可能な状態とし、利用者によって特定の前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、当該大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示部の表示色と他の小分類アイテム表示部の表示色とを異なる色で表示する一方、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態を維持するよう制御すると共に、利用者によって特定の小分類アイテム表示・選択部が操作されたことを検知すると、前記発券部から当該小分類アイテムに係る引換券を発行するよう制御することを特徴とする。
【0008】
特定の大分類アイテム表示・選択部が操作されたとき、この大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを目立つように表示する必要がある。そこで本発明では、このようなときは、選択された大分類アイテムに含まれる小分類アイテムの照明手段の表示色と他の小分類アイテムの表示色を異なる色で表示する。例えば、他の小分類アイテムより大分類アイテムに含まれる小分類アイテムの方が目立つような色で表示することが考えられる。ただし、全ての小分類アイテムの小分類アイテム許可表示手段は点灯しておく。これにより、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムをより引き立たせる共に、他の小分類アイテムも操作可能であることを報知することができる。
【0009】
請求項3は、前記制御手段は、特定の前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、前記他の小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示部の表示色を統一した色で表示することを特徴とする。
特定の大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、他の小分類アイテムに係る小分類アイテム表示部の表示色がばらばらであると、選択された小分類アイテムが目立ちにくくなる。そこで本発明では、他の小分類アイテムに係る小分類アイテム表示部の表示色を統一した色で表示する。これにより、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムをより引き立たせることができる。
【0010】
請求項4は、前記制御手段は、前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、該大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示部の表示色の照度より前記他の小分類アイテムに係る表示色の照度を低くして表示することを特徴とする。
他の小分類アイテムの照明手段を消灯した場合、選択された小分類アイテムは引き立たせることができるが、他の小分類アイテムの表示部が視認しにくくなる。そこで本発明では、完全に消灯するのではなく、照度を低下させるものである。これにより、選択された小分類アイテムを引き立たせながら、他の小分類アイテムの視認性を損なうことを低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小分類アイテム許可表示手段を設け、小分類を操作した後で、それ以外の小分類アイテムを自由に選択することができるので、利用者の満足感を高めると同時に、販売者側も新たなアイテムの拡販を行なうことができる。
また、選択された大分類アイテムに含まれる小分類アイテムの照明手段のみを点灯して、他の小分類アイテムの照明手段を消灯し、消灯した小分類アイテムの小分類アイテム許可表示手段は点灯しておくので、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを明示すると共に、他の小分類アイテムも操作可能であることを報知することができる。
また、選択された大分類アイテムに含まれる小分類アイテムの照明手段の表示色と他の小分類アイテムの表示色を異なる色で表示し、全ての小分類アイテムの小分類アイテム許可表示手段は点灯しておくので、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムをより引き立たせる共に、他の小分類アイテムも操作可能であることを報知することができる。
また、他の小分類アイテムに係る小分類アイテム表示部の表示色を統一した色で表示するので、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムをより引き立たせることができる。
また、完全に消灯するのではなく、照度を低下させるので、選択された小分類アイテムを引き立たせながら、他の小分類アイテムの視認性を損なうことを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る自動券売機の外観を示す図である。
【図2】本発明の自動券売機の機能を示すブロック図である。
【図3】(a)はデフォルト状態の図、(b)は金銭が投入されたときの図、(c)は特定の大分類アイテム表示・選択部が押されたときの一例を示す図、(d)は特定の大分類アイテム表示・選択部が押されたときの他の一例を示す図である。
【図4】本発明の自動券売機の動作を説明するフローチャートである。
【図5】(a)は、大分類アイテム表示・選択部の1つの断面図であり、(b)は小分類アイテム表示・選択部の1つの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0014】
図1は本発明の実施形態に係る自動券売機の外観を示す図である。本発明の自動券売機100は、複数の大分類アイテム(商品)に係る情報を表示して選択する大分類アイテム表示・選択部3と、複数の小分類アイテムに係る情報を表示して選択する小分類アイテム表示・選択部2と、大分類アイテムの操作が可能であることを表示する大分類アイテム許可ランプ(大分類アイテム許可表示手段)15と、小分類アイテムの操作が可能であることを表示する小分類アイテム許可ランプ(小分類アイテム許可表示手段)16と、購入したアイテムを決済するために押す決定ボタン14と、選択された特定の小分類アイテムの価格に相当する金銭を投入するコイン投入口8及び紙幣挿入口5と、コイン投入と紙幣の挿入を解除するリジェクトボタン4と、つり銭がある場合に押すつり銭ボタン6と、つり銭を払出すつり銭口7と、決済された特定の小分類アイテムに係る情報を記録した券を取り出す券取出口9と、制御ボードや電源装置等を収納する収納部10と、を備えて構成されている。
尚、本実施形態では、コイン投入口8、リジェクトボタン4、紙幣挿入口5、つり銭ボタン6、及びつり銭口7を含めて金銭処理部12(図2参照)と呼ぶ。また、本実施形態では、金銭処理部12を現金により処理する場合について説明しているが、非接触ICカード、磁気カード等に記録された情報を処理するように構成しても構わない。また、大分類アイテム許可ランプ15は大分類アイテム表示・選択部3の全てに備えられている。また、小分類アイテム許可ランプ16は小分類アイテム表示・選択部2の全てに備えられている。
【0015】
図2は本発明の自動券売機の機能を示すブロック図である。本発明の自動券売機100は、図5(a)に示すように、大分類に係るアイテムを表示する複数の大分類アイテム表示部21a、各大分類アイテム表示部21aに対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の大分類アイテムの選択、決定がなされる大分類アイテム選択スイッチ23a、各大分類アイテム表示部21aを個別に照明する多色LED(照明手段)25、及び、全ての大分類アイテム表示部21aに個別に配置され大分類アイテム選択スイッチ23aが操作可能であることを表示する大分類アイテム許可ランプ(大分類アイテム許可表示手段)15を有した大分類アイテム表示・選択部3と、図5(b)に示すように、個々の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを表示する小分類アイテム表示部21b、小分類アイテム表示部21bに対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の小分類アイテムの選択、決定がなされる小分類アイテム選択スイッチ23b、各小分類アイテム表示部21bを個別に照明する多色LED(照明手段)25、及び、全ての小分類アイテム表示部21bに個別に配置され小分類アイテム選択スイッチ23bが操作可能であることを表示する小分類アイテム許可ランプ(小分類アイテム許可表示手段)16を有した小分類アイテム表示・選択部2と、特定の小分類アイテム価格についての決済を行なう金銭処理部12と、金銭処理部12により決済された特定の小分類アイテムに係る情報を記録した券を発行する券発行部13と、商品購入の決済を行なう決定ボタン14と、コイン投入口8及び紙幣挿入口5から金銭が投入されたことを検知して、全ての小分類アイテム表示・選択部2、大分類アイテム許可ランプ15、及び小分類アイテム許可ランプ16を本表示状態(ランプを点灯状態とする)にすると共に選択可能な状態とし、特定の大分類アイテム表示・選択部3が操作されたときに、小分類アイテム表示・選択部2の表示方法を制御すると共に、特定の小分類アイテム表示・選択部2が操作されたときに、券発行部13を制御して小分類アイテムに係る引換券を発行する制御部(制御手段)11と、を備えている。尚、多色LED(照明手段)25は、3色のLED(R、G、B)を1パッケージにして、各LEDの輝度を調節することで多色発光を実現することができる。
【0016】
本実施形態の自動券売機100は、金銭が投入されると、全ての大分類及び小分類の表示・選択部の照明を点灯する。これにより利用者は、全ての大分類及び小分類の表示・選択部からアイテムを選択することができる。また、選択の利便性を高めるために、大分類アイテム表示・選択部3を設け、特定の大分類アイテム表示・選択部3を選択すると、それに含まれる小分類アイテム表示・選択部2を表示する。利用者は表示された小分類アイテム表示・選択部2を選択することにより小分類アイテムに係る引換券を購入することができる。また、本実施形態では、小分類アイテム許可ランプ16を設け、小分類を操作した後で、それ以外の小分類アイテムを自由に選択することができる。これにより、利用者の満足感を高めると同時に、販売者側も新たなアイテムの拡販を行なうことができる。
【0017】
図3は本発明の自動券売機の表示・選択部を模式化して表す図であり、(a)はデフォルト状態(待機状態)を表す図、(b)は金銭が投入されたときの図、(c)は特定の大分類アイテム表示・選択部が選択されたときの一例を示す図、(d)は特定の大分類アイテム表示・選択部が選択されたときの他の一例を示す図である。尚、図で矩形の周囲に「ハ」の字のように示している場合はアイテム表示・選択部が点滅している状態を表し、矩形の内部に斜線が記されている場合はアイテム表示・選択部が消灯している場合を表し、矩形の内部が白抜きの場合はアイテム表示・選択部が点灯している場合を表し、小丸はアイテム許可ランプを表し、白丸は消灯、黒丸は点灯を表している。図4は本発明の自動券売機の動作を説明するフローチャートである。
図3と図4を参照して本実施形態の自動券売機100の動作について説明する。本実施形態の自動券売機100は、デフォルト状態(待機状態、又は省エネモード)では、大分類アイテム表示・選択部3のみが待機表示状態(点滅又は点灯状態)表示している(S1)。本実施形態では、図3(a)に示すように、例えば、大分類アイテムとして、「ラーメン」「そば」「丼」「カレー」等のアイテムが点滅表示され、大分類アイテムを選択するように指示する。そのとき、他の小分類アイテム表示・選択部2とアイテム許可ランプ15、16は全て消灯している。
【0018】
次に利用者がコイン投入口8、又は紙幣挿入口5に金銭を投入または挿入すると(S2でY)、制御部11がそれを検知して全ての大分類アイテム許可ランプ15、及び小分類アイテム許可ランプ16を点灯し(S3)、それと同時に予め決められた表示色で全ての小分類アイテム表示・選択部2を点灯する(S4)。本実施形態では、図3(b)に示すように、大分類アイテム表示・選択部3は点滅表示のままで、全ての小分類アイテム表示・選択部2とアイテム許可ランプ15、16が点灯している。この状態では、利用者は、全ての大分類アイテムと小分類アイテムを操作することが可能な状態である。
次に、利用者が大分類アイテム表示・選択部3の中から、例えば「ラーメン」3aを選択すると(S5でY)、「ラーメン」3aの照明が点滅から点灯に変わり、大分類アイテム「ラーメン」3aに含まれる小分類アイテムを点灯(点滅でも可)して、他の小分類アイテムは消灯する(S6)。図3(c)の例では、大分類アイテムで「ラーメン」3aが選択されると、その大分類アイテムに含まれる小分類アイテムが例えば、「みそラーメン」2a、「正油ラーメン」2b、「タンタンメン」2c、「チャーシューメン」2d等の小分類アイテム表示・選択部が点灯(点滅でも可)し、他の小分類アイテム表示・選択部は消灯する。利用者はこの表示から自分の好みのアイテムを選択すると(S7でY)、それに対応する引換券を券発行部13から発行する(S8)。利用者はこのとき、全てのアイテム許可ランプ15、16が点灯しているので、点灯している小分類アイテム以外のアイテムも選択することができる。利用者が小分類アイテムの選択が完了すると、決定ボタン14を押すことにより(S9でY)、料金が精算されてつり銭がある場合は、つり銭ボタン6を押してつり銭口7からつり銭を受け取りステップS1に戻って動作を繰り返す。
【0019】
以上のとおり、特定の大分類アイテム表示・選択部3aが操作されたとき、この大分類アイテムに含まれる小分類アイテム2a〜2dを目立つように表示する必要がある。そこで本実施形態では、このようなときには、選択された大分類アイテム3aに含まれる小分類アイテム2a〜2dの照明手段のみを点灯(点滅でも可)して、他の小分類アイテムの照明手段を消灯する。ただし、全ての大分類アイテム許可ランプ15と小分類アイテム許可ランプ16は点灯しておく。これにより、特定の大分類アイテム3aに含まれる小分類アイテム2a〜2dを明示すると共に、他の小分類アイテムも操作可能であることを報知することができる。
ここで、ステップS5において、特定の大分類アイテム表示・選択部3が押されたとき、ステップS6に代わる他の実施形態として、大分類アイテム「ラーメン」3aに含まれる小分類アイテムを決められた色で点灯(点滅でも可)して、他の小分類アイテムは表示色を異なる色にして表示する(S10)。図3(d)の例では、大分類アイテムで「ラーメン」3aが選択されると、その大分類アイテムに含まれる小分類アイテムが例えば、「みそラーメン」2a、「正油ラーメン」2b、「タンタンメン」2c、「チャーシューメン」2d等の小分類アイテム表示・選択部を他の小分類アイテムとは異なる色で点灯する。
【0020】
以上のとおり、特定の大分類アイテム表示・選択部3aが操作されたとき、この大分類アイテム3aに含まれる小分類アイテム2a〜2dを目立つように表示する必要がある。そこで本実施形態では、このようなときは、選択された大分類アイテム3aに含まれる小分類アイテム2a〜2dの照明手段の表示色と他の小分類アイテムの表示色を異なる色で表示する。例えば、他の小分類アイテムより大分類アイテムに含まれる小分類アイテム2a〜2dの方が引き立つような色で表示することが考えられる。ただし、全ての小分類アイテムの小分類アイテム許可ランプ16は点灯しておく。これにより、特定の大分類アイテムに含まれる小分類アイテムをより引き立たせると共に、他の小分類アイテムも操作可能であることを報知することができる。
【0021】
また、他の実施形態として、図示は省略するが、制御部11は、大分類アイテム表示・選択部3が操作されたときに、大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る小分類アイテム表示部21bの表示色の照度より他の小分類アイテムに係る表示色の照度を低くして表示する。即ち、他の小分類アイテムの照明手段を消灯した場合、選択された小分類アイテムは引き立たせることができるが、他の小分類アイテムの表示部が視認しにくくなる。そこで本実施形態では、完全に消灯するのではなく、照度を低下させるものである。これにより、選択された小分類アイテムを引き立たせながら、他の小分類アイテムの視認性を損なうことを低減することができる。
【0022】
図5(a)は、大分類アイテム表示・選択部の1つの断面図であり、図5(b)は小分類アイテム表示・選択部の1つの断面図である。図5(a)、(b)の構成は同じであるので、図5(a)について説明する。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。大分類アイテム表示・選択部3は、全体を保持する枠体20と、矢印A方向に押すことにより、突起部26で大分類アイテム選択スイッチ23aを押下する可動片22と、可動片22に密着されて大分類アイテム名を表示する大分類アイテム表示部21aと、大分類アイテム表示部21aを背面から照明する多色LED25と、大分類アイテム選択スイッチ23a、多色LED25、及び大分類アイテム表示・選択部3への信号を制御部11から授受するコネクタ24と、を備えている。尚、図には大分類アイテム許可ランプ15は図示していないが、大分類アイテム表示・選択部3の適所に配置されている。また、可動片22は、図示しない付勢部材(バネ、スプリング等)により矢印Aとは反対方向に付勢され、爪22aにより所定位置に止まるように構成されている。
【符号の説明】
【0023】
1 自動券売機、2 小分類アイテム表示・選択部、3 大分類アイテム表示・選択部、4 リジェクトボタン、5 紙幣挿入口、6 つり銭ボタン、7 つり銭口、8 コイン投入口、9 券取出口、10 収納部、11 制御部、12 金銭処理部、13 券発行部、14 決定ボタン、15 大分類アイテム許可ランプ、16 小分類アイテム許可ランプ、20 枠体、21a 大分類アイテム表示部、21b 小分類アイテム表示部、22 可動片、23a 大分類アイテム選択スイッチ、23b 小分類アイテム選択スイッチ、24 コネクタ、25 多色LED、26 突起部、100 自動券売機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大分類に係るアイテムを表示する複数の大分類アイテム表示部、該各大分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の大分類アイテムの選択、決定がなされる大分類アイテム選択スイッチ、前記各大分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記大分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記大分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する大分類アイテム許可表示手段を有した大分類アイテム表示・選択部と、
個々の前記大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを表示する小分類アイテム表示部、該小分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の小分類アイテムの選択、決定がなされる小分類アイテム選択スイッチ、前記各小分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記小分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記小分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する小分類アイテム許可表示手段を有した小分類アイテム表示・選択部と、
選択された特定の小分類アイテムとの引き替え券を発行する発券部と、
特定の前記小分類アイテムの販売価格に相当する金額を入金する入金部と、
これらを制御する制御手段と、を備えた自動券売機であって、
前記制御手段は、前記入金部に前記金額が入金されたことを検知した場合、購入可能な全ての前記小分類アイテム表示・選択部、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態にすると共に選択可能な状態とし、利用者によって特定の前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、当該大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示・選択部の照明手段を点灯又は点滅し、他の小分類アイテム表示部の照明手段を消灯する一方、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態を維持するよう制御すると共に、利用者によって特定の小分類アイテム表示・選択部が操作されたことを検知すると、前記発券部から当該小分類アイテムに係る引換券を発行するよう制御することを特徴とする自動券売機。
【請求項2】
大分類に係るアイテムを表示する複数の大分類アイテム表示部、該各大分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の大分類アイテムの選択、決定がなされる大分類アイテム選択スイッチ、前記各大分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記大分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記大分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する大分類アイテム許可表示手段を有した大分類アイテム表示・選択部と、
個々の前記大分類アイテムに含まれる小分類アイテムを表示する小分類アイテム表示部、該小分類アイテム表示部に対応して夫々配置され個別に操作されることにより個々の小分類アイテムの選択、決定がなされる小分類アイテム選択スイッチ、前記各小分類アイテム表示部を個別に照明する照明手段、及び、全ての前記小分類アイテム表示部に個別に配置され個々の前記小分類アイテム選択スイッチが操作可能であることを表示する小分類アイテム許可表示手段を有した小分類アイテム表示・選択部と、
選択された特定の小分類アイテムとの引き替え券を発行する発券部と、
特定の前記小分類アイテムの販売価格に相当する金額を入金する入金部と、
これらを制御する制御手段と、を備えた自動券売機であって、
前記制御手段は、前記入金部に前記金額が入金されたことを検知した場合、購入可能な全ての前記小分類アイテム表示・選択部、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態にすると共に選択可能な状態とし、利用者によって特定の前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、当該大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示部の表示色と他の小分類アイテム表示部の表示色とを異なる色で表示する一方、前記大分類アイテム許可表示手段、及び前記小分類アイテム許可表示手段を操作可能であることを示す表示状態を維持するよう制御すると共に、利用者によって特定の小分類アイテム表示・選択部が操作されたことを検知すると、前記発券部から当該小分類アイテムに係る引換券を発行するよう制御することを特徴とする自動券売機。
【請求項3】
前記制御手段は、特定の前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、前記他の小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示部の表示色を統一した色で表示することを特徴とする請求項2に記載の自動券売機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記大分類アイテム表示・選択部が操作されたときに、該大分類アイテムに含まれる小分類アイテムに係る前記小分類アイテム表示部の表示色の照度より前記他の小分類アイテムに係る表示色の照度を低くして表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の自動券売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−73580(P2013−73580A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214396(P2011−214396)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(305027456)ネッツエスアイ東洋株式会社 (200)
【Fターム(参考)】