説明

自動化システムを検証するための方法及び装置

【課題】 車両又はその部品に関する所定の試験は、予め定めされた規格に従って実施され、評価されねばならない。しかし、この種の試験及びこの種の試験の計算処理を実施するための自動化システムを検証することは、高コストで時間を要する工程である。
【解決手段】 自動化システムに変更があった場合、高コストの検証を新たに実施する必要がないように、テストランの正確さを一度だけ検査して、正確であることが確認された場合、そのテストランを定義する基準データを基準規格として保存する。自動化システムに変更が加えられる場合、このテストランを新たに実施して、基準規格の基準データを新たな基準データと比較するだけで十分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ又は測定値を供給する所定のテストランを実施するための、及び/又は、これらのデータ又は測定値に基づいた計算処理を実施するための自動化システムを検証するための方法及びこのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両における所定の試験は、予め定められ、明記された規格に従って実施しなければならない。このような規格は、例えば立法者によって規定されて、例えば車両の排ガスエミッションが決定される。これらの規格には、何をどのように測定すべきか(テストラン)、及び、測定結果がどのようにさらに処理されねばならず、又はどのように解析されねばならないか(計算処理)、といった規定が含まれている。その際、テストラン自体は、予め定められたテストランを実行するための試験台で試料(内燃機関、駆動トレーン、車両など)を用いて行われる。これらの試験台は、自動化システム、例えば本出願人のPUMAファミリー(PUMA-Familie)のような自動化システムによって開ループ制御及び閉ループ制御される。その際、完全自動式のテストランを生成し、実行することが可能である。このようなテストランで困難な点は、当該テストラン、又は測定結果の更なる処理、及びこれから生じる最終結果が、予め定められた規定に準拠していることを証明又は確認することである。しかし、所望の試験を実施するための試験システム(自動化システム、試験台、テストラン)を検証するためには、このような証明は不可避である。従って、このような試験システムの新しい各装置について、このことを保証するために非常に多くの時間が費やされねばならない。
【0003】
自動化システムでは、自動化ソフトウエアが実行されるが、このソフトウエアは、多かれ少なかれ定期的に更新又は更新されねばならない。また、テストランの実施に関する法的な規定が変更されることも考えられる。しかし、既存の(及び既に検証済みの)自動化システムにどんな形であれ手を加えた場合、試験結果の正当性が新たに問題となり、再び、予め定められた規定を順守していることを、全システムによって手間暇をかけて証明しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、簡単かつ確実な方式で、所定のテストランに関して自動化システムの検証及び/又は計算処理の検証を実施するための方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項1及び5に記載の特徴に従って解決される。その際、テストランの正当性をただ一度だけ検査して、その正しさが確認されると、そのテストランを定義する基準データが基準規格として格納される。自動化システムに変更が加えられる場合、このテストランを新たに実施して、基準規格の基準データを新たな基準データと比較するだけで十分である。従って、自動化システムを変更する際に検証を自動化して、容易かつ迅速に実施することができる。一般的に、このようにして、自動化システムの不可欠な新たな検証に関するサイクルを、予め定められている規定に比べて明らかに簡易化し、短縮化することができる。
【発明の効果】
【0006】
好ましくは、基準データとして、実施されたテストランの算定された最終結果、及び/又は、シミュレーション装置の構成、及び/又は、試験台を制御するための手動入力値又は自動入力値の定義、及び/又は、テストランに関してシミュレーション装置により生成されたデータ若しくは測定値、及び/又は、テストランの定義が保存される。
【0007】
自動化装置の適正な機能を検査するために、好ましくは、試験環境の制御の正確さ、及び/又は、データ若しくは測定値の取得及び処理の正確さ、及び/又は、計算処理の評価アルゴリズムが検査される。これは、手動又は自動で行うことができ、また、所定のツールを用いて行うことも可能である。
【0008】
不具合がある場合に基準データを評価することによって当該の問題領域を推定する際、不具合の潜在的な原因を特定又は限定することができ、これによって、不具合の探求が格段に簡易化され、高速化される。これにより、自動化システムを新たに必然的に検証するためのサイクルが、予め定められた規定に比べて、さらに簡易化され、短縮化される。
【0009】
有利には、メモリユニットが、本自動化システム内に設けられていて、様々な基準規格が、このユニット内に格納されていて、迅速に所定の基準規格にアクセスすることができる。
【0010】
有利には、ホストシステムを備えておくことができ、ホストシステムは、自動化システムに接続され、これにより、ホストシステムを通じて、適切な操作インタフェースを介してテストランを生成して管理すること、及び/又は、試験データ又はテストランを保存又は評価すること、及び/又は、予め定められたテストラン又は構成データを自動化システムに呼び出して実行すること、及び/又は、複数の自動化システムを相互に接続することが可能となっている。その際、特に有利には、データメモリが、ホストシステム内に設けられていて、これにより、容易に既存のテストラン及び構成にアクセスすることができる。
【0011】
全ての試験モデルと機器モデルとを備えたシミュレーション装置の所定の構成は、シミュレーション構成部を利用して非常に容易に実現することが可能である。これにより、シミュレーション環境の構成及びパラメータ化が簡易化される。試験モデルデータバンク及び/又は機器モデルデータバンクが、シミュレーション構成部内に設けられている場合、更なる簡易化が実現され得る。何故なら、あらかじめ製作された部分が組み立てられ、必要に応じてパラメータ化されるだけで済むからである。
【0012】
以下において、本発明について、好ましい実施例を示す模式的な図1を参照しながら説明する。ただし、この図によって、実施例が本例に限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】自動化装置とシミュレートされた試験台環境とを備えた自動化システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示されているように、自動化システムの自動化装置1は、用途に応じて、例えば車両又は内燃機関(試料)の排ガスエミッションの試験のために、相異なるコンポーネントを極めて多様な組み合わせで具備することができる。これらのコンポーネントは、例えばこの例では、負荷機械(動力計)及び/又は試料を制御するための制御装置2、試験台11との、又は試験台11上の諸装置との通信を行うためのインタフェース3、接続されたデータ収集機器用、例えば測定装置用の機器ドライバ4などである。また、自動化装置1には、評価ユニット7を備えることもでき、この評価ユニットによって、試験台11が取得したデータ又は測定値が処理される。制御ユニット2と評価ユニット7とは、1つのユニットに組み合わせておくことも可能である。自動化装置1では、自動化ソフトウエア5が、例えば評価ユニット7で実行される。自動化ソフトウエアは、とりわけ個々のコンポーネントの内部制御を司るが、しかしHMIインタフェースの提供、例えば測定値又はシステム変数の入力又は表示も司る。自動化装置1のコンポーネントが有する多くの機能が、自動化ソフトウエア5で実行可能なプログラムとして実現されている。
【0015】
自動化装置1と試験台11の制御とを試験又は検査できるように、試料及び必要な全てのコンポーネントを備えた試験台11が、実際に構築される代わりにシミュレートされる。このため、自動化システムには、シミュレーション装置10、例えば、PCやdSpace(R)などの適切なシミュレーションハードウエアが備えられており、このシミュレーション装置で、試験台11のコンポーネント及び試料、例えば内燃機関、ガソリン、ディーゼル及びその他の燃料用の排ガス経路(触媒コンバータ、定容量採取装置(CVS)、希釈トンネル、排ガス採取部)、測定機器などが、適切な試験モデルの形でシミュレーションされる。同様に、試験台11又は試料が具備する所定のコンポーネントの挙動(例えば内燃機関のエミッション特性)を、試験モデル12によってシミュレーションすることができる。試験モデル12としては、例えば数理的、物理的なモデルが可能であり、また、例えばMatlab/Simulink(R)に実装することができる。その際、試験モデル12は、通例、実行可能なプログラムであって、シミュレーションハードウエアで実行され、シミュレーションデータを供給する。しかし、試験モデル12及びシミュレーションハードウエアの潜在的な実装可能性については、いかなる制限も存在しない。
【0016】
法則に則った排気サイクルを試験するためのエンジン試験台の例として、又は、車両検証用のローラ式試験台の例として、試験モデル12は、例えば、理想気体の状態方程式に従って排ガスを物理的にシミュレートするために用いられる。試験モデル12のシミュレーションの質は、コンポーネントベースのアプローチによって精密化することができる。要望及び必要性がある場合、所定の試験モデル12又は試験モデル12の部材を、利用者独自の顧客モデルに取り替えることも可能である。用いられるシミュレーションの質は、少なくとも、当該の試験の基礎となっている規定又は法規、例えばEPA1065に照らして十分なものである必要がある。
【0017】
また、試験台11で用いられるデータ収集機器、例えば測定機器のシミュレーションを分割することも有利である。好ましくは、機器シミュレーションは、物理的な機器特性のモデルベースのシミュレーション(例えば、自動化装置1による制御の際にCVSバッグの内容物について時間経過の観点から行われるシミュレーション、排ガス成分の時間的経過に従ったシミュレーションなど)、較正における特性のシミュレーション、及び、自動化装置1との通信のシミュレーションに分割される。このため、シミュレーション装置10には、機器モデル14と機器通信モデル15とを備えることができ、その際、機器モデル14は物理特性及び/又は較正における特性をシミュレートし、機器通信モデル15は自動化装置1の機器ドライバ4との通信(例えばTCP/IP又はV24のAKプロトコル)をシミュレートする。これは図1に示されている。しかし、必ずしも通信を別個にシミュレートする必要はなく、通信用及び物理特性用の機器モデル13で十分であり、このモデルが、自動化装置1の機器ドライバ4と直接通信を行う。
【0018】
その際、シミュレーション装置10でのシミュレーションは、シミュレートされた機器特性が、測定データを正しく利用するために必要な質という点で、実際の機器特性に一致するように実施される。このため、機器モデル13、14は、試験モデル12による試験台11及び/又は試料のシミュレーションに依存して、データ又は測定値を生成する。ここで言う依存とは、試験台又は試料の所定の状態が、当然、機器モデルの所定のデータを前提としている、ということを意味する。また、機器モデル13、14及び試験モデル12は、そのためにデータを交換することも可能である。シミュレーション装置10と実際の自動化装置1との間のインタフェースでは、現実世界との相違は確認できない。このことは、通信にも関連し、また、シミュレーション装置10によって供給されるデータ又は測定値にも(シミュレーションの質という点で)関連する。
【0019】
自動化装置1がシミュレーション装置10と通信を行うために、シミュレーション装置10には、I/Oインタフェース16を備えることも可能であり、このI/Oインタフェースが、自動化装置1のインタフェース3と通信を行うことで、自動化装置1と試験モデル12との間の直接的な通信を可能にする。
【0020】
自動化システムの上位にホストシステム40を置くことができ、ホストシステムは、例えば、適切な操作インタフェースを介してテストランを生成して管理すること、試験データ又はテストランをデータメモリ41に保存して評価すること、保存されたテストラン又は較正データを自動化装置1へ呼び出して実行すること、試験施設において複数の自動化装置1又は試験台を相互に接続することなどのために用いられる。
【0021】
シミュレーション装置10は、簡単な構成にすることによって、相異なる試験台タイプ、例えばエンジン試験台、ローラ式試験台などに適合させることができる。従って、相異なる試験台コンポーネント及び相異なる試料を、試験モデル12及び機器モデル13、14の形で組み合わせて、要件に応じてパラメータ化することが可能である。従って、現実の自動化装置1を、相異なる試験用途又はテストラン及び相異なる試験台タイプに対して用いることができる。このため、例えば、適当なI/Oユニット又はI/Oインタフェースを有するシミュレーション構成部30、例えばPCを備えておくこともできる。シミュレーション構成部では、試験モデル及び機器モデルデータバンク31に、所定の試験台タイプ、試料及び/又はそのコンポーネント、及び/又は所定のデータ収集機器のモデルを格納しておくことができ、これらのモデルは、呼び出し、組み合わせ、パラメータ化することが可能である。その際、シミュレーション構成部30は、自明ながら、ホストシステム40に組み入れておくことも可能である。
【0022】
シミュレーション装置10における試験環境(試験台、試料、コンポーネント、測定機器など)のシミュレーションは、自動化装置1によって同じ制御を行った際に、再現性良く同じ結果を提供するので、このシミュレーションは、シミュレーションによって提供されたデータあるいは測定値に基づいて自動化システム、従って例えば自動化装置1及び/又は計算処理を検証するために援用することができる。
【0023】
このため、第1のステップで、所定のテストランとして、試験環境のシミュレーションを伴うテストランが実施される。その際、シミュレーション装置10の機能が適正であることが、好ましくは、事前に試験され、保証されている。このステップでは、自動化装置1の機能を検査することができ、従って、例えば、試験環境(試験台、試料、コンポーネント、測定機器など)の制御が適正であるかどうか、データ又は測定値が適正に取得及び処理されるかどうか、などが検査可能である。これ以外に、データ又は測定値から試験の最終結果を算定するための、計算処理の評価アルゴリズムを検査することができる。この検査は、通例、手動式又は半手動式の工程であって、多大の時間を要する恐れがあり、また誤りが生じやすい。自動化装置1は、この検査を支援するために、I/O機器8とのHMIインタフェースを提供することができ、このHMIインタフェースを介して、自動化装置とシミュレーション装置10との間を送信されるデータ及び測定値に対してアクセスすることができる。同様に、このようなHMIインタフェースを介して、シミュレーション装置10の構成及びパラメータにアクセスすることも可能である。さらに、所定のツール、例えばデータ評価、データ編集、計算などのためのツールをこの検査に利用することも考えられる。
【0024】
自動化装置1の機能及び/又は計算処理の機能が適正であることが証明されている場合、基準規格が作成され、シミュレーション装置10及び/又は実施されたテストランを定義する基準データが、この基準規格で保存される。この基準規格には、例えば、テストランから得られたデータ又は測定値に基づいて算定された、実施されたテストランに関する最終結果を、例えば結果レポートの形で保存することができる。さらに、シミュレーション装置10の構成、すなわち、試料、その上に配置されたコンポーネント、機器及び測定機器などを具備する試験台を実質的に模擬したもの、及び/又は、試験台を制御するための入力値の定義、例えば試験台オペレータの手動入力値(例えばテストランの3相又は4相の運転)又は自動式制御装置(例えば切り替えロボット又は運転ロボット)の自動入力値を基準規格で保存できる。また、シミュレーション装置10によってテストランに関して得られたデータ又は測定値を基準規格で保存しておくこともでき、その際、当然ながら、これらのデータ又は測定値の一部分だけを保存することも可能である。さらに、テストランの定義、従って例えば、試料を具備する試験台11が、テストランを実施するために自動化装置1によってどのように制御されるのか、といったことも基準規格で保存することができる。
【0025】
このようにして、自動化ソフトウエアの更新時又は計算処理の変更時(例えば法的な規定の変更時)に自動化システム、例えば自動化装置1に加えられた変更を検査するため、この基準規格を容易に用いることが可能となる。このために、変更された自動化システムを用いて、例えば自動化装置1が変更された際に、基準規格の基礎となるテストランだけを再び実施して、基準規格の基準データと新たに生成された基準データとを、例えば自動装置1の評価ユニット7で比較するだけでよい。この比較は、例えば、算定された基準規格の(例えば結果レポートの形での)最終結果を相互に比較することによって行われて、一致していれば、自動化システムの検証は完了したことになる。結果レポートが異なっている場合、相違点を評価することによって、不具合の原因を絞り込んで、早急にその原因を突き止めることが図られる。また、このシミュレーションによって、様々な製造業者の自動化システムを検証することも可能である。
【0026】
不具合がある場合、基準データ、例えば最終結果を評価することによって、当該の問題領域を推定することが可能である。これは、ある一定の原因による不具合に関するある種のパターンは、関連付けが可能だからである。従って、シミュレーション装置10は、一方では不具合の分析に、また一方では品質保証に利用できる。その際、さらに、機器の不具合に対する自動化装置1の応答及び評価、並びに、操作の誤りに対する自動化装置1の応答及び評価についても試験することが可能である。
【0027】
また、実際の試験台において、自動化ソフトウエア及び/又は評価ソフトウエアの更新前又は更新後に、シミュレーション環境に対するテストランを実行することも可能であろう。これにより、試験台が更新後にも同じ結果を提供することを確認することができる。
【0028】
さらに、自動化システム、例えば自動化装置1には、例えばデータバンクのようなメモリユニット6を備えることもでき、様々なテストランに関する様々な基準規格をこのメモリユニット内に保存しておくことが可能である。これにより、必要に応じて、非常に迅速に所定の基準規格を呼び出して、最新の試験データと比較することが可能となる。しかしもちろん、このメモリユニット6及び/又は評価ユニット7は、他の場所、例えば上位に置かれたホストシステム40のような外部ユニットなどに配置しておくことも可能である。これにより、(例えば試験施設の)それぞれ異なった自動化装置1から、格納された基準規格にアクセスすること、及び/又は、自動化システムを検証することが可能となるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ又は測定値を供給する所定のテストランを実施するための、及び/又は、これらのデータ又は測定値に基づいた計算処理を実施するための自動化システムを検証するための方法であって、試験台及びその上で試験されるべき試料が、シミュレーション装置内で試験モデルと機器モデルによりデータ又は測定値を収集するための試験台に配置されたデータ収集機器とによってシミュレーションされ、かつ、前記シミュレーション装置が、実施されるべきテストランに従って自動化装置によって制御され、前記シミュレーション装置の試験モデル及び機器モデルが、データ又は測定値を生成し、これらのデータ又は測定値を自動化装置に送信する方法において、
第1のステップで、実施されたテストランに対して自動化装置の機能及び/又は計算処理の機能が検査され、かつ、自動化装置の機能及び/又は計算処理の機能が適正であることが確認された後、第2のステップで、前記テストランに関する基準規格が作成されて、前記シミュレーション装置及び/又は実施されたテストランを定義する基準データが、前記基準規格で保存され、自動化システムの変更時に、第3のステップで前記テストランが再び実施されて、これから得られた基準データが、当該基準規格の基準データと比較され、これらの基準データが一致するときに、変更された自動化システムが検証される方法。
【請求項2】
実施された前記テストランの算定された最終結果、及び/又は、シミュレーション装置の構成、及び/又は、前記試験台を制御するための手動入力値又は自動入力値、及び/又は、前記シミュレーション装置によって前記テストランに関して生成されたデータ若しくは測定値、及び/又は、前記テストランの定義が、基準データとして保存されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自動化装置の適正な機能を検査するため、試験環境の適正な制御、及び/又は、前記データ若しくは測定値の適正な取得及び処理、及び/又は、前記計算の結果の評価アルゴリズムが検査されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
不具合時には、該当する問題領域が、前記基準データを評価することによって推定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
データ又は測定値を供給する所定のテストランを実施するための、及び/又は、これらのデータ又は測定値に基づいた計算処理を実施するための自動化システムを検証するための装置であって、シミュレーション装置と自動化装置とが、自動化システム内に設けられていて、これらの装置は、インタフェースを介して相互に接続されていて、かつ、試験台及びその上で試験されるべき試料が、シミュレーション装置内で試験モデルと機器モデルによりデータ又は測定値を収集するための試験台に配置されたデータ収集機器とによってシミュレーションされていて、かつ、前記シミュレーション装置が、実施されるべきテストランに従って前記自動化装置によって制御可能であり、かつ、前記シミュレーション装置の試験モデル及び機器モデルが、データ又は測定値を生成し、これらのデータ又は測定値を、前記インタフェースを介して前記自動化装置に送信する装置において、
前記自動化システム内で、実施されたテストランに対して、前記自動化装置の機能及び/又は計算処理の機能を検査することが可能であること、及び、メモリユニットが設けられていて、前記自動化装置の機能及び/又は計算処理の機能が適正であることを確認した後に、前記テストランに関する基準規格を前記メモリユニット内に保存することができ、前記シミュレーション装置及び/又は実施されたテストランを定義する基準データが、この基準規格で保存されていること、及び、評価ユニットが、前記自動化システム内に設けられていて、この評価ユニットは、前記基準規格に保存された前記基準データを、前記自動化システムの変更に基づいて前記テストランを再び実施することで得られた基準データと比較し、これらの比較された基準データが一致するときに、変更された自動化システムを検証することを特徴とする装置。
【請求項6】
メモリユニットが、前記自動化システム内に設けられていて、様々な基準規格が、このメモリユニット内に格納されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ホストシステムが設けられていて、このホストシステムは、前記自動化装置及び/又はシミュレーション装置に接続されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
データメモリが、前記ホストシステム内に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
シミュレーション構成部が設けられていて、このシミュレーション構成部は、前記自動化装置及び/又はシミュレーション装置に接続されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
試験モデルデータバンク及び/又は機器モデルデータバンクが、前記シミュレーション構成部内に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−256354(P2010−256354A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98866(P2010−98866)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(398055255)アー・ファウ・エル・リスト・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (30)