説明

自動印刷用投票カード発行装置

【課題】投票カード情報読取り領域と、その内容を容易にファンが確認できるファン記入内容確認領域を区別した投票カードを発行する発行装置を提供すること。
【解決手段】このため、本発明では、ファンが投票券を購入する投票情報を入力する情報端末と、この情報端末から入力された投票情報により投票券を購入する投票カードを発行する投票カード自動印刷手段を具備する自動印刷用投票カード発行装置において、前記投票カード自動印刷手段は、ファンの入力に応じて投票内容の記入されたマーク情報を投票券発売機が読取る情報領域1−0と、ファンがマーク情報を認識する投票カード記入内容確認領域1−1に分離されて印刷された投票カードを印刷することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は勝馬投票券、競輪投票券等トータリゼータシステムにおける投票券購入時に使用する投票カードをファンがマークすることなしに発行するとともに、組番や金額等ファンが購入する投票データが読み易く印刷された投票カードを発行する投票カード発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、競輪投票券を購入するとき、図11(A)に示す如き、投票カードを使用して、図11(B)に示す如く、購入内容を、競輪の場合は、開催場、レース番号、式別、組番と金額等をマークにより塗り潰し、これを売場に持参して所望の投票券を購入していた。
【0003】
図11(B)は、図11(C)に示す購入内容を投票カードにマークした例を示し、開催場が他場で、第5レースにおいて式別として3連単を選択し、組番と金額として、組番、1−2−3を500円、1−2−4を500円、1−2−5を500円、1−2−6を500円、1−2−7を500円、1−2−8を500円、1−2−9を500円、1−3−2を10000円購入した例を示す。
【0004】
ファンは、投票券を購入するとき、図12に示す如く、場内におけるオッズ表示を見たり、予想紙を読んだり、競馬の場合は、パドックをみたり、競輪や競艇の場合は試走を見たりして情報収集し、ファンが購入内容を投票カードの指定の情報領域にマークし、このマークされた投票カードを購入用現金とともに有人発売機、自動発売機に持参し、投票カードを挿入していた。
【0005】
このときマーク誤りが有れば、この自動発売機等の端末で修正操作かマーク直しを行い、マークエラー無しの状態で投票券発売機のホスト装置に発券要求データを送信し、ホスト装置により発券許可の応答を受信したとき、投票券をファンに発行する。
【0006】
従来の投票カードは、ファン(人)がマークするため、マーク情報がわかるようにガイドを機械で認識しないドロップアウトカラーで印刷していた。またマークのガイドのために、投票カードも通常投票と、ボックス・ながし投票で別のものが必要であった。
【0007】
またファンが携帯電話や個人情報端末を使用する場合は、図13に示す如く、携帯電話100や個人情報端末101の情報端末を使用して、センターの情報サーバ102のホームページにアクセスし、オッズ情報や好配当金順位等の人気情報等を参照し、式別、組番、金額等の投票券情報を検討する。
【0008】
ファンはこのように情報端末で検討した結果を元に投票カード103に購入内容を手書きでマークする。このマークした投票カード13を有人発売機あるいは自動発売機の如き発売機端末104の窓口に購入用現金とともに持参し、投票カードを端末に挿入する。
【0009】
このときマーク誤りがあれば、端末で修正操作を行うか、あるいは投票カードを書き直す。そしてマークエラー無しのとき、発売機端末104は、ホストシステム106に投票カードによる発券要求データを送信する。そしてホストシステムより、発券「可」の応答信号を受信したとき、投票券107を発行し、ユーザがこれを受け取る。
【0010】
このようにいずれにせよファンは投票券購入時には指定の投票カードの指定の情報領域にマークをしていた。投票カードは、通常投票、ながし投票、ボックス投票等の投票形式によりマークの仕方が異なるため、それぞれに専用の投票カードが必要であり、以下のような問題点がある。
【0011】
(1)投票形式等によりマーク方法が異なるため、投票カードの種類が多い。
【0012】
(2)投票カードによりマーク方法が異なるため、マークしずらくマークミスをし易い。
【0013】
(3)年々売上げ向上のために追加される新賭式等の投票カードは、情報量が増える傾向にあるが、投票カードのサイズの最大は固定であり、マーク領域とマーク領域の間隔が狭まり、マークがしずらく、記入ミスが発生し易いものとなっている。
【0014】
このような問題点を解決するためには、個人投票端末等を導入し、投票カードの使用を無しにすることが考えられるが、個人投票端末の価格が高くコスト面の問題で不可と考えられる。
【0015】
代案として、個人投票端末までの機能は持たなく、投票カードの印刷のみプリンタで行うことにより、ホストシステムとオンライン接続が不要で、低価格な投票カード印刷端末を低コストで導入することが考えられる。
【0016】
ただし、現状の投票カードに印刷することは、投票カードの種類が多いため印刷ソフトの開発費が増える、マーク情報を印刷した投票カードで確認が必要なため、投票カードのドロップカラー印刷の情報も印刷するか、カード種類分のスタッカを用意し、印刷投票カード種類別に自動変更する必要があり、価格も高くなってしまうという欠点がある。
【0017】
また所望の申し込み内容を自動的にマーキングした投票カードを発行できる投票カード発行機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−269394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記従来技術では、開催場、レース番号、賭式、枠番、金額等の申し込み内容に基づいて投票カードの所定の位置にマーキングした投票カード発行機であって、ファンが自分の投票内容を見る領域がなく、また合計金額も印刷されていないので、自分の投票した内容がわかり難いのみならず、新しい賭式が親設されて情報量が増大したとき、これに柔軟に対応しにくいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本発明では、ファンが投票カードを購入する投票情報を入力する情報端末と、この情報端末から入力された投票情報により投票券を購入するための投票カードを発行する投票カード自動印刷手段を具備する自動印刷用投票カード発行装置において、投票カードを、ファンの入力に応じて投票内容の記入されたマーク情報を投票券発売機が読み取る情報領域と、ファンがマーク情報を認識する投票カード記入内容確認領域に分け、これらの情報をファンの入力した投票内容にもとづき投票カード自動発売手段が印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明により下記の効果を奏する。
【0021】
(1)本発明では投票券発売機の読み取る情報領域と、ファンがマーク情報を確認する領域を分けたので、投票カードのマークを印刷機で行うことができマークの間隔を必要最小限にすることができるので、投票カードのサイズを現状のままにしてその情報量を大きく増加することができる。
【0022】
(2)ファンが記入内容を確認する領域における表示は、投票券発売機が読み取る領域ではないためビット符号でない算用数字の如き判り易いフォーマットで自由に印刷でき、タイミングマークの間隔にも左右されることはない。
【0023】
(3)機械印刷、機械読み取りのため、ビット間隔を短縮することが容易にできるので、自動印刷用投票カードの大きさを変更することなく情報量を大きくすることが可能となり、将来新賭式等が追加された場合でも、自動印刷用投票カードを変更することなく、つまり、新賭式の投票カードを新規作成する必要なく、データ領域の自動カード内識別番号の追加等で対処することができるので、新賭式ができても投票カードへの新規記入方法を考慮して記入ミスの少ない投票カードデザインの検討などの作業が不要になるのみならず、ファンに対する詳細な記入案内等が不要になる。
【0024】
(4)さらに1枚の投票カードで購入した投票項目に対する合計金額も簡単にファンに提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明では、投票カードを、ファンの入力に応じて投票内容の記入されたマーク情報を投票券発売機が読み取る情報領域と、ファンがマーク情報を確認する投票カード記入内容確認領域に分け、これらの情報をファンの入力した投票内容にもとづき投票カード自動印刷手段が印刷するものである。
【実施例1】
【0026】
本発明の一実施例を図1〜図5にもとづき説明する。図1は本発明に係る投票カードの概略説明図、図2は本発明に係る投票カードマーク例、図3は本発明に係る投票カードの自動印刷データの定義例、図4は本発明の運用システム構成図、図5は本発明における投票カード印刷プリンタの構成図である。
【0027】
図中、1は本発明に係る投票カード、1−0は投票カード読み取りユニットデータ読み取り領域(以下投票カード情報読取領域という)、1−1は投票カード記入内容印刷領域(以下ファン記入内容確認領域という)、1−1−1、1−1−2は組番データ確認領域、1−1−3は場・レース・式別等確認領域、1−1−4は合計金額確認領域、2はタイミングマーク、3は識別マーク、10は携帯電話等移動情報端末(以下携帯電話という)、11は個人情報端末、12は情報サーバ、13は投票カード印刷場内プリンタ、14は投票カード印刷プリンタ、15は有人発売機、自動発売機等の投票券発売機(以下投票券発売機という)、16は購入用現金、17はホストシステム交信手段、18は投票券、20はプロセッサ、21は記憶部、22は印刷制御部、23は投票カード印刷機構部、24は通信制御部、25は電源である。
【0028】
投票カード1は、ファンが投票券を購入するとき投票するレース番号、式別、組番、金額等の投票情報が記入されたもので、これを現金と共に投票券発売機に挿入することにより投票券を購入するものであり、図1に示す如く、投票券発売機の投票カード読み取りユニットが読み取るデータの記入された領域である投票カード情報読取領域1−0と、投票カードの記入内容をファンが確認できるように、2進符号ではない、算用数字の如きわかり易い文字で投票内容が記入されたファン記入内容確認領域1−1と、タイミングマーク2と、識別マーク3が記入されている。
【0029】
投票カード情報読取領域1−0は、例えば図11(B)に示す如き、従来の投票カードの内容と同内容のマークのデータが本発明に係る自動印刷用投票カード発行装置で印刷される。図2の投票カード情報読取領域1−0には、組番と投票金額等が算用数字で記入されているが、これは説明をわかり易くするためであり、例えば図11(B)に示すマーク符号のみが自動印刷されている。
【0030】
自動印刷データの定義としては、図3に示す如く、自場・他場・前日発行等の情報、レース番号情報、式別情報、自動用カード番号情報、組番1情報、組番2情報、組番3情報、金額情報、単位金額情報等が記入される。組番情報は金額情報と共に、7回繰返すことができる。自動用カード番号は自動印刷用投票カード発行装置で読み取られ、この番号を投票形式に合わせて定義することにより、新賭式が今後追加されても新たに投票カード自体を増やす必要なく、対応できる。
【0031】
ファン記入内容確認領域1−1は、例えば図2に示す如く、算用数字の如きわかり易い文字で投票内容が本発明に係る自動印刷用投票カード発行装置で印刷されるもので、図2の例では、選択した組番と、投票金額が印刷された組番データ確認領域1−1−1、1−1−2と、場情報・レース名・式別等が印刷された場・レース・式別確認領域1−1−3と、合計金額が印刷された合計金額確認領域1−1−4が区分されている。
【0032】
タイミングマーク2は、前記投票カード情報読取領域1−0に印刷されたデータを読み取るときのタイミングを示すものである。自動印刷用投票カード発行装置で印刷するため、投票券発行機で読み取るデータ部の間隔(タイミングマーク幅)を最小限にすることにより、投票カードのデータ情報量を現状より拡大できる。
【0033】
識別マーク3は、この投票カード1がどのような種類のカードであるのか、例えば本発明に係る機械読取用投票カードか、通常投票用の投票カードか、ボックス・ながし投票カードであるか等を識別するものである。
【0034】
個人情報端末11は、例えば競輪場や競馬場等の指定席に取付けられた個人端末であり、例えばインターネットにより情報サーバ12にアクセスしてオッズ情報等の人気情報を入手したり、投票カード印刷プリンタ14にレース番号、式別・組番・金額等のファンが選択した投票データを入力するものである。
【0035】
情報サーバ12は、ファンが必要とするオッズ情報や配当金情報、賞金情報等の人気情報を保持し、例えばインターネットにより携帯電話等の移動情報端末10や個人情報端末11等よりアクセスされたとき、これらの情報を知らせるものである。
【0036】
投票カード印刷場内プリンタ13は、ファンが携帯電話等の移動情報端末10より投票データを入力したときこれにもとづき、図2に示す如き投票カード1を印刷するものであり、図5に示す如く、プロセッサ20、記憶部21、印刷制御部22、投票カード印刷機構部23、通信制御部24、電源25等を具備している。
【0037】
プロセッサ20は携帯電話等移動情報端末10より入力された投票データにもとずき、図2に示す如き投票カードを印刷するための制御を行うものであり、例えばマイクロプロセッサで構成されている。
【0038】
記憶部21は、プロセッサ20と制御するためのプログラムを保持したり、携帯電話等移動情報端末10から通信制御部24を経由して入力された投票データを一時保持するものである。
【0039】
印刷制御部22は、プロセッサ20の指示に基づき、投票カード印刷機構部23を制御し、例えば図2に示す如き投票カード1を印刷制御するものである。
【0040】
投票カード印刷機構部23は、印刷制御部22の制御にもとづき、例えば図2に示す如き、投票カード情報読取領域1−0には符号化された投票データ(図2では内容説明のため符号化されたデータではない。)を印刷し、ファン記入内容確認領域1−1には、算用数字等のファンがわかり易い文字で投票データの内容と合計金額等を印刷する。
【0041】
通信制御部24は、携帯電話等移動情報端末10から伝達された、例えば投票データを受信したり、投票カード印刷場内プリンタ13から携帯電話等移動情報端末10に電文を送信するものであり、通信インタフェースを構成するもので、例えばUSBインタフェース、パラレルインタフェース、赤外線通信インタフェース、無線通信インタフェース等で構成される。
【0042】
電源25は投票カード印刷場内プリンタ13の各部に電力を供給する電源である。
【0043】
投票カード印刷プリンタ14は、指定席等に取付けられた個人情報端末11から入力された投票データにもとづき、図2に示す如き投票カード1を印刷するものであり、前記投票カード印刷場内プリンタ13と同様に構成されているので、その詳細説明については省略する。
【0044】
図5により、本発明の投票カード印刷場内プリンタ13と、投票カード印刷プリンタ14の動作について、投票カード印刷場内プリンタ13により代表して説明する。
【0045】
A.通信制御部24は携帯電話等の移動情報端末10よりの投票カード印刷指示および投票データを受信する。
【0046】
B.印刷制御部22は、この投票データを自動印刷用に変換処理を行う。
【0047】
C.これにもとづき投票カード印刷機構部23は投票カードを自動印刷し、これを排出する。
【0048】
投票券発売機15は、購入用現金16を投入し、投票カードを挿入したことにより投票券を発行するものであり、係員が取り扱う有人発売機と、係員を必要としない自動発売機がある。
【0049】
ホストシステム交信手段17は、投票券発売機15により読み取られた投票データをホストに送出し、ホストから発券許可を得たとき投票券発売機15により投票券18を発行する。
【0050】
図4により本発明の運用状態を簡単に説明する。
【0051】
A.ファンは、携帯電話等移動情報端末10、個人情報端末11等で情報サーバ12にアクセスし、投票内容を検討する。
【0052】
B.ファンはこれら携帯電話等移動情報端末10、個人情報端末11を投票カード印刷プリンタ14と接続し、投票内容を入力する。これにもとづき、投票カード印刷プリンタ14は、例えば図2に示す如き投票カードを自動印刷する。
【0053】
C.ファンは、この自動印刷された投票カードを発売窓口に持参し、投票カードと購入用現金を投票券発売機15に挿入する。
【0054】
D.投票券発売機15は、投票カードをチェックし、マークエラー無しでホストシステム交信手段17を経由してホストシステムに発券要求データを送信する。
【0055】
E.これによりホストシステムより発券可の応答信号を受信したとき、投票券18を発行する。
【0056】
また投票券発売機15は、図6に示す如く、ホスト接続ユニット28、控券ユニット29、カラー画面タッチパネル30、音声ユニット31、ICカードユニット32、投票券発行ユニット33、投票券読取ユニット34、紙幣還流ユニット35、硬貨還流ユニット36、投票カード読取ユニット37、電源ユニット38等を具備している。なお図6は、自動払戻機兼用の例を示す。
【0057】
ホスト接続ユニット28は、ファンから投票カードや購入用現金が挿入されたとき、ホストシステムと接続するものであり、前記図4に示すホストシステム交信手段17に相当するものである。
【0058】
控券ユニット29は、投票券発売機15で発売した投票券の控を印刷するものであり、操作履歴を印刷したり、動作履歴を印刷し、これを保持する。
【0059】
カラー画面タッチパネル30は、カラー表示パネルであり、ファンに対する操作案内を行ったり、ファンがデータ入力を行うものである。
【0060】
音声ユニット31は、ファンに対する操作案内を音声で行うものである。
【0061】
ICカードユニット32は、ICカードによる現金データの入力、出力を処理するものである。
【0062】
投票券発行ユニット33は、投票カードの投票データにもとづき投票券の発行処理を行ったり、ICカード認証券の発行処理を行うものである。
【0063】
投票券読取ユニット34は、これを自動発払機として使用したとき、払戻し用の投票券を読取り処理を行ったり、ICカード認証券の読取処理を行うものである。
【0064】
紙幣還流ユニット35は、ファンが投入した投入紙幣の識別と計数処理を行ったり、ファンに対する放出紙幣の識別と計数処理を行うものである。
【0065】
硬貨還流ユニット36は、ファンが投入した投入硬貨の識別と計数処理を行ったり、ファンに対する放出硬貨の識別と計数処理を行うものである。
【0066】
投票カード読取ユニット37は、投票用のOMR(光学式マーク読取装置)カードの読取を行うものである。
【0067】
電源ユニット38は、投票券発売機15の各部に電力を供給する電源部である。
【0068】
図6に示す投票券発売機(自動発払機)の動作について、簡単に説明する。
【0069】
A.ファンは投票券発売機15に対し、投票券購入用現金を紙幣還流ユニット35、硬貨還流ユニット36に投入する。この現金投入により投票券発売機15は接客開始となり、投票カードの挿入口が開く。
【0070】
B.投票カードを投票カード読取ユニット37に挿入する。投票カードの識別番号により、投票カードのマーク情報を読取処理し、投票データを作成する。また自動印刷用のデータ処理機能により、他のカードと同様にマーク情報を読取処理し、投票データを作成する。
【0071】
C.ホスト接続ユニット28からホストシステムに投票データを含む発券要求データを送信する。
【0072】
D.これによりホストシステムより、応答電文を受信する。
【0073】
E.ホストシステムより発券可の応答受信を受けたとき、投票券発行ユニット33は投票券を発行する。
【0074】
本発明の動作説明を図7〜図10に基づきさらに詳細に説明する。
【0075】
図7は本発明において、携帯電話等移動情報端末10、個人情報端末11等から投票カード印刷場内プリンタ13、投票カード印刷プリンタ14に送出される送信電文説明図、図8は本発明の動作説明図(その1)、図9は本発明の動作説明図(その2)、図10は本発明の動作説明図(その3)である。
【0076】
なお図7〜図10の説明は、図4における個人情報端末11と投票カード印刷プリンタ14に対するものであるが、携帯電話等移動情報端末10と投票カード印刷場内プリンタ13でも同様の制御が行われるので、これについては説明を省略する。
【0077】
ファンは、例えば個人情報端末11を使用し、投票データ入力用のガイダンスにもとづき、個人情報端末11のID番号と、発売場データ、レース番号、式別、自動用カード番号、組番、金額等の投票データ等を入力する。個人情報端末11は、これにもとづき、図7に示す如く、前記ID番号が含まれるヘッダー領域Hと、前記投票データが含まれる投票券発売機読取り情報データ領域Dと、チェックコードCが記入された送信電文を作成し、これを投票カード印刷プリンタ14に送出する。
【0078】
S1.スタートし、投票カード印刷プリンタ14がこの印刷電文を通信制御部24で受信すると、受信処理が行われる。
【0079】
S2.通信制御部24では、送信電文に記入されたチェックコードCにより送信電文が正確に電送されたか否かをチェックする。
【0080】
S3.送信電文が正常に受信されず、受信エラーがあれば、ホストつまり投票カードの印刷指示元である個人情報端末11に対してエラー応答電文を送信し、この投票カード印刷要求は終了する。
【0081】
S4.送信電文が正常受信されていれば、通信制御部24は、プロセッサ20に対しこれを報告し、プロセッサ20は、OMR印刷電文処理をスタートする。そして通信制御部24で受信した投票券発売機読取り情報データ領域Dに記入されたデータつまり投票カード印刷データを記憶部21に保持する。
【0082】
S5.まずプロセッサ20は自動用カード番号をチェックし、送信電文に記入された自動用カード番号が、あらかじめ投票カード印刷プリンタ14に登録保持されている自動用カード番号の1つと一致するか否かをチェックする。
【0083】
S6.一致しなければどのタイプの電文か識別できないので電文組立てが不可能であるため、正常電文と判定されず、電文異常と判断され、プロセッサ20は個人情報端末11にエラー応答処理を行う。
【0084】
S7.一致して正常電文と判定されると、OMR印刷パターンを決定し、これを印刷制御部22に通知し、自動用カード番号印刷データをセットする。
【0085】
S8.プロセッサ20は、発売場データをチェックする。すなわち、自場、他場、前日をチェックする。
【0086】
S9.正常電文でなければ、つまり登録電文と一致しなければ、電文異常として個人情報端末11にエラー応答処理を行う。
【0087】
S10.電文正常であれば、印刷制御部22に対し、発売場データで自場であることを示すOMR印刷パターンに従い発売場印刷データを示すマークをセットする。同時に、印刷制御部22に対し、図2に示す如く、ファン記入内容確認領域1−1の場・レース・式別確認領域1−1−3に発売場データとして自場を文字で印刷するように制御する。
【0088】
S11.次にプロセッサ20は、レース番号をチェックする。図3の例では、レース番号が1〜12のいずれかをチェックする。
【0089】
S12.正常電文でなければ、つまり登録されているレース番号1〜12のいずれかと一致しなければ、電文異常として個人情報端末11にエラー応答処理を行う。
【0090】
S13.電文正常であれば、印刷制御部22に対し、レース番号を示すOMR印刷パターンを示すマークをセットする。同時に、印刷制御部22に対し、図2に示す如く、ファン記入内容確認領域1−1の場・レース・式別確認領域1−1−3にレース番号データとして例えば05レースを文字で印刷するように制御する。
【0091】
S14.次に式別データをチェックする。図3の例では、式別が2枠複〜ワイドのいずれかをチェックする。
【0092】
S15.正常電文でなければ、つまり図3の例では、登録されている式別を示す2枠複〜ワイドのいずれかと一致しなければ、電文異常として個人情報端末11にエラー応答処理を行う。
【0093】
S16.電文正常であれば、印刷制御部22に対し、式別を示すOMR印刷パターンを示すマークをセットする。同時に、印刷制御部22に対し、図2に示す如く、場・レース・式別確認領域1−1−3に式別として3連単を文字で印刷するように制御する。
【0094】
S17.次に組番データをチェックする。図3の例では、組番−1、組番−2、組番−3が記入されているかチェックする。
【0095】
S18.正常電文でなければ、電文異常として個人情報端末11にエラー応答処理を行う。
【0096】
S19.電文正常であれば、金額データをチェックする。
【0097】
S20.正常電文でなければ、例えば金額、単位金額が記入されていない等の電文異常であれば、電文異常として個人情報端末11にエラー応答処理を行う。
【0098】
S21.電文正常であれば、印刷制御部22に対し、OMR印刷パターンにしたがって、組番印刷データを展開制御し、また金額印刷データを展開制御する。同時に、印刷制御部22に対し、図2に示す如く、ファン記入内容確認領域1−1の組番データ確認領域1−1−1、1−1−2に組番、金額を文字で印刷するように制御する。
【0099】
S22.プロセッサ20は、この組番毎の購入金額を計算し、加算処理を行い、購入金額合計として保持する。
【0100】
S23.プロセッサ20は、次の組番データを読みに行き、組番の最初がスペースのとき、次のデータはないものと判断するが、次のデータが存在するとき、前記S17に戻り、S17〜S22の動作を繰り返す。なお投票全ベットの終了は、電文の中にベット数を記入しておき、これにもとづきチェックするなど他の手法により行うこともできる。
【0101】
S24.全ベットが終了すると、OMR印刷電文処理が終了する。
【0102】
S25.プロセッサ20は、前記S22で保持した購入金額合計データを目視領域フォーマットつまりファン記入内容確認領域フォーマットにしたがい、合計金額確認領域1−1−4にデータ展開するように印刷制御部22を制御する。
【0103】
S26.それから、ホスト(印刷指示元、この例では個人情報端末11)に正常電文受信応答を行う。
【0104】
S27.そして投票カードの印刷を行う。
【0105】
S28.投票カードの印刷が正常に終了すれば、個人情報端末11を使用したファンはこの投票カードを受取り、購入用現金とともに投票券発売機に挿入し投票券を購入することになる。しかし投票カードの印刷が正常に行われず、紙づまり等異常終了したとき、異常エラー表示が行われ、投票カードの印刷制御処理は終了する。
【0106】
本発明によれば、投票券発売機の読む情報領域と、ファンがマーク情報を認識する領域を分けたものである。
【0107】
これにより、マークの印刷はプリンタが機械的に行うためマークの間隔を必要最小限にすることができ、投票カードのサイズを現状のままその情報量を大きく増やすことができる。
【0108】
ファンが記入内容を確認する領域は、判り易いフォーマットで自由に選択でき、投票券発売機が読取る領域でないため、タイミングマークの間隔にも左右されず設定できる。
【0109】
将来、新賭式等が追加された場合でも、自動印刷用投票カードを変更して新規作成する必要がない。例えばデータ領域の自動カード内識別番号(自動用カード番号)を追加すればよく、このため新賭式が追加されても記入方法等を考慮し、記入ミスの少ない投票カードデザインを検討する等の作業が不要となり、ファンに対する記入案内等が不要となる。
【0110】
ファンが認識する領域を投票券発売機が読む情報領域とわけたので合計金額をファンに知らせることが簡単にできる。
【0111】
なお上記実施例は競輪の例について説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、競馬、競艇等他の種類のレースにおいても勿論適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に係る投票カードの概略説明図である。
【図2】本発明に係る投票カードのマーク例である。
【図3】本発明に係る投票カードの自動印刷データの定義例である。
【図4】本発明の運用システム構成図である。
【図5】本発明における投票カード印刷プリンタの構成図である。
【図6】自動払戻機兼用の投票券発売機の構成図である。
【図7】送信電文説明図である。
【図8】本発明の動作説明図(その1)である。
【図9】本発明の動作説明図(その2)である。
【図10】本発明の動作説明図(その3)である。
【図11】従来の投票カード、投票カードの運用例、運用説明図である。
【図12】情報端末を使用しない一般の投票例である。
【図13】情報端末を使用した従来の運用例である。
【符号の説明】
【0113】
1 投票カード
2 タイミングマーク
3 識別マーク
10 携帯電話等移動情報端末
11 個人情報端末
12 情報サーバ
13 投票カード印刷場内プリンタ
14 投票カード印刷プリンタ
15 有人発売機・自動発売機等の発売機
16 購入用現金
17 ホストシステム交信手段
18 投票券
20 プロセッサ
21 記憶部
22 印刷制御部
23 投票カード印刷機構部
24 通信制御部
25 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンが投票券を購入する投票情報を入力する情報端末と、この情報端末から入力された投票情報により投票券を購入する投票カードを発行する投票カード自動印刷手段を具備する自動印刷用投票カード発行装置において、
前記投票カード自動印刷手段は、ファンの入力に応じて投票内容の記入されたマーク情報を投票券発売機が読取る情報領域と、ファンがマーク情報を認識する投票カード記入内容確認領域に分離されて印刷された投票カードを印刷することを特徴とする自動印刷用投票カード発行装置。
【請求項2】
前記情報端末は、携帯電話およびまたは個人情報端末であることを特徴とする請求項1に記載された自動印刷用投票カード発行装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate