自動取引装置及び自動取引装置の制御方法
【課題】複数の金種別収納カセットのうちの紙幣が集積されない収納カセットの収納機構に対し、準備動作及び後動作を行なうことは、無駄な動力を使うことになる。
【解決手段】顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する鑑別部2と、前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させて前記入金紙幣を金種毎に収納する複数の金種別収納カセット4と、鑑別部2による鑑別結果を記憶し、紙幣収納の収納機構の準備動作が必要な金種別収納カセット4を記憶する記憶部31を有し、収納機構の準備動作が必要な金種別収納カセット4に対してのみ、収納機構を動作させる。
【解決手段】顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する鑑別部2と、前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させて前記入金紙幣を金種毎に収納する複数の金種別収納カセット4と、鑑別部2による鑑別結果を記憶し、紙幣収納の収納機構の準備動作が必要な金種別収納カセット4を記憶する記憶部31を有し、収納機構の準備動作が必要な金種別収納カセット4に対してのみ、収納機構を動作させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の営業店等に設置され顧客の操作により各種の取引を行なう自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置の入金取引時において、顧客が接客口に投入した紙幣を接客口から繰り出し、鑑別部に搬送した後、正常と鑑別された紙幣を一時保留部に搬送していた。その後、顧客による取引金額確認入力の後、一時保留部から紙幣を繰り出し、再度鑑別部に搬送して、鑑別部により鑑別した金種に対応した金種別収納カセットに搬送して集積していた。
【0003】
ここで、前記金種別収納カセットにおいては、一時保留部から繰り出された紙幣を集積する前の準備動作として、紙幣を集積する空間を確保するために金種別収納カセット内の昇降ステージを下降し、更に紙幣を集積するために集積用の舌片ローラを集積位置に移動する必要がある。また、紙幣を集積した後は、次取引のための後動作として、昇降ステージ及び集積用舌片ローラを元に戻し、かわりにピックアップローラを分離位置に移動して待機状態とする必要がある。
【0004】
なお、自動取引装置については、特開平7−93644(特許文献1)において、入金取引の信頼性を目的とした技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−93644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の自動取引装置において、複数の金種別収納カセットのうち、紙幣が集積される収納カセットは前記準備動作及び後動作を行なう必要があるが、紙幣が集積されない収納カセットは準備動作及び後動作を行なう必要がない。本来動作が必要でない収納カセットも、紙幣が集積される収納カセットと同様に準備動作及び後動作を行なっていた。即ち、紙幣が集積されない収納カセットについて、無駄な動力を使っていたため、装置としての省エネに寄与せず、構成部品の磨耗を発生させるため、装置の寿命が短くなるという問題があった。更に、メカ部品の駆動による振動が、集積した紙幣を振動させるので、安定位置にあった紙幣が不安定な位置になる可能性が存在し、その結果、装置の障害を誘発する可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、無駄な動力を使用しないで、装置としての省エネに寄与し、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することにある。更に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する鑑別部と、前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させることにより、前記入金紙幣を金種毎に収納する複数の金種別収納カセットを有し、更に、前記鑑別部の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させる制御部を有することを特徴とする自動取引装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前記鑑別部の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させるようにしたので、無駄な動力を使用することがなく、装置としての省エネに寄与し、更に、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することができる。同時に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に関するATMの紙幣処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図2】第1の実施の形態に関するATMの外観図である。
【図3】第1の実施の形態に関するATMの構成図である。
【図4】紙幣処理装置の内部構造を示す側断面図である。
【図5】紙幣処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】金種別収納カセットの収納機構を示す側面図である。
【図7】同じく金種別収納カセットの収納機構を示す側面図である。
【図8】入金時の紙幣処理装置内の紙幣の流れを示す側断面図である。
【図9】金種別入金計数結果記憶部の内容を示す説明図である。
【図10】収納時の紙幣処理装置内の紙幣の流れを示す側断面図である。
【図11】第2の実施の形態に関するATMの紙幣処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に関するATMの紙幣処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】カセット状況・計数結果記憶部の内容を示す説明図である。
【図14】収納時の紙幣処理装置内の紙幣の流れを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態を図面に従って説明する。図2は第1の実施の形態に関する自動取引装置(以下ATMという)1の外観図である。ATM1は銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置され、入出金取引等が可能である。ATM1は入出金取引において、顧客に対して紙幣を投入又は返却するための紙幣投入返却口としての接客口22を有する。入金取引等の紙幣を投入する取引においては、顧客が当該接客口22に紙幣をセットすると、これをATM1が自動計数し、装置内部に取込む。支払取引等の紙幣を顧客に払出す取引においては、ATM1が紙幣を自動計数し、当該接客口22に集積することにより、顧客が取り出し可能とする。前記接客口22にはシャッタ25が設けられ、顧客が紙幣を投入又は取り出すときに開き、それ以外は閉じている。
【0012】
また、ATM1は同じく、硬貨を投入又は返却するための硬貨投入返却口23を有する。入金取引等の硬貨をATM1に投入する取引において、顧客が当該硬貨投入返却口23に硬貨をセットすると、これをATM1が自動計数し、装置内部に取込む。支払取引等の硬貨を顧客に払出す取引においては、ATM1が硬貨を自動計数し、当該硬貨投入返却口23に集積することにより、顧客が取り出し可能とする。更に、ATM1はキャッシュカードのカード挿入口24と、通帳の通帳挿入口26と、顧客が操作するための入力機能と表示機能を備えたタッチパネル式の顧客操作表示画面27を有する。
【0013】
図3は第1の実施の形態に関するATM1の構成図である。10はATM1の各部と接続され、各部を制御する装置制御部である。当該装置制御部10は、RAMやROM又はハードディスク等で構成された装置記憶部11と接続され、装置記憶部11に記憶された制御プログラムにより動作する。また、装置制御部10は各処理に必要なデータを装置記憶部11に書き込むことができ、必要に応じて装置記憶部11から読み出すことができる。また、装置制御部10は、ホストコンピュータ100と図示しない通信部を介して接続され、入出金取引に関する情報を交換する。
【0014】
12は紙幣を処理するための紙幣処理装置であり、顧客により前記接客口22から投入される入金紙幣を真偽鑑別し、計数し、搬送して後述する金種別収納カセット4に収納する。更に、顧客に支払われる出金紙幣を金種別収納カセット4より繰り出し、接客口22に集積するものである。42は前記顧客操作表示画面27を制御する顧客操作表示部である。43は硬貨を処理するための硬貨処理装置であり、顧客により前記硬貨投入返却口23から投入される硬貨を真偽鑑別し、計数し、搬送して図示しない硬貨収納部に収納し、又は顧客に支払われる硬貨を硬貨収納部より繰り出し硬貨投入返却口23に集積するものである。
【0015】
44はカード処理部であり、顧客が前記カード挿入口24から挿入したキャッシュカードの情報を読取る。46は前記通帳挿入口26から挿入された通帳に取引記録を印字する通帳記帳部であり、47はレシートの印刷処理を行なうレシート処理部であり、取引終了時にレシートを前記カード挿入口24から排出する。
【0016】
図4は紙幣処理装置12の内部構造を示す側断面図である。同図において、接客口22は顧客により操作可能な位置に設けられ、シャッタ25が開閉することにより、顧客が取り出し可能に出金紙幣を集積するとともに、顧客から投入される入金紙幣を受け入れる。接客口22は内部に接客口分離集積機構16を備え、接客口分離集積機構16により顧客が投入した入金紙幣を後述する搬送路6に1枚毎に繰り出し、出金紙幣を搬送路6から一枚毎に受け取って接客口22に集積する。
【0017】
鑑別部2は搬送路6上に設けられ、入出金時に搬送路6を搬送される紙幣の真偽、金種、正損の鑑別を行なうとともに、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知、及び金種が確定した紙幣の計数を行なう。
【0018】
一時保留部3は、鑑別部2に対し入金時の紙幣の搬送方向下流側に設けられ、鑑別部2で入金可能と判定された紙幣を顧客による取引金額確認入力の操作が行なわれるまで一時保留する。一時保留部3は、紙幣を取り込むためのゲートローラと紙幣を1枚毎に分離して繰り出すためのピックアップローラからなる一時保留部分離集積機構13を内部に有する。
【0019】
金種別収納カセット4x、4y、4zは複数のカセットが金種別に設けられ、4xは万券を収納する万券カセット、4yは二千券を収納する二千券カセット、4zは千券を収納する千券カセットであり、以下、万券カセット4x、二千券カセット4y、千券カセット4zと説明する場合がある。金種別収納カセット4x、4y、4zはそれぞれ後述する収納カセット分離集積機構14x、14y、14zにより出金時は収納している紙幣を1枚毎に搬送路6に繰り出し、かつ入金時は搬送路6から紙幣を集積する。同図では金種別収納カセット4x、4y、4zを3個のみ図示しているが、これに限られるものではなく運用形態に応じて2以上備えるものであればよい。
【0020】
リジェクトカセット5は搬送路6の末端に設けられ、出金時に鑑別部2で出金不可又は金種不明と判定された紙幣をリジェクト紙幣として収納する。リジェクトカセット5はリジェクトカセット集積機構15によって搬送路6からのリジェクト紙幣を集積する。
【0021】
更に、搬送路6は上記各部を接続して設けられ、上記各部間に紙幣を搬送する機能を有する。前記搬送路6における搬送手段は、図示しない搬送ローラ又は搬送ベルトであり、これらの駆動は後述する搬送ローラモータ6−1によって行なわれる。そして、搬送路6の分岐部や合流部には、図示しないブレードが設けられ、紙幣の搬送方向を切り替えるようになっている。
【0022】
入金時は、顧客が入金取引を選択した後、紙幣を接客口22に投入すると、シャッタ25が閉じられ、投入された紙幣は接客口22から搬送路6を搬送されて鑑別部2へ送られる。ここで出金に使用可能と判定されると、紙幣は一旦前記一時保留部3へ搬送される。即ち、入金時の紙幣の経路は、接客口22の接客口分離集積機構16から搬送路6aと6bを経て、鑑別部2を通り、鑑別結果に従って正常券は搬送路6cと6dを経て前記一時保留部3へ集積され、一方、異常券は搬送路6cと6fを経て接客口22に返却される。
【0023】
収納時は、顧客による取引金額確認入力が行なわれると、一時保留部3の紙幣は該当する金種の金種別収納カセット4x、4y、4zへ搬送され、収納される。即ち、収納時の紙幣の経路は、一時保留部3の一時保留部分離集積機構13から搬送路6e、6cと6bを経て鑑別部2を通り、鑑別結果に従って搬送路6g〜6mを経て、対応した金種別収納カセット4x、4y、4zに集積される。
【0024】
更に、出金時は、顧客が出金金額を入力すると、その金額に相当する紙幣が金種別収納カセット4x、4y、4zから繰り出され、鑑別部2へ送られる。鑑別部2で出金に問題ないと判定されると、搬送路6を搬送されて接客口22へ送られる。出金金額に相当する紙幣が接客口22に集積されると、前記シャッタ25が開けられ、顧客は紙幣を取り出すことができる。即ち、出金時の紙幣の経路は、金種別収納カセット4x、4y、4zの収納カセット分離集積機構14x、14y、14zから搬送路6h、6i、6j、6kと6g、6bを経て、鑑別部2を通り、鑑別結果により正常券は搬送路6c、6fを経由して接客口22へ集積される。一方、リジェクト券は搬送路6b、6mを経てリジェクトカセット5に集積される。
【0025】
図5は紙幣処理装置12の制御系を示すブロック図である。紙幣処理制御部30は紙幣処理装置12の各部と接続され、紙幣処理装置12の各部を制御する。当該紙幣処理制御部30は、RAMやROM又はハードディスク等で構成された記憶部31と接続され、記憶部31に記憶された制御プログラムにより動作する。また、紙幣処理制御部30は各処理に必要なデータを記憶部31に書き込むことができ、必要に応じて記憶部31から読み出すことができる。記憶部31は、後述する金種別入金計数結果記憶部40(図9)を有する。また、紙幣処理制御部30は前記装置制御部10と接続され、紙幣処理に関する情報を交換する。
【0026】
センサ32は、紙幣の投入、紙幣の搬送位置、各ローラの回転位置、紙幣の集積量等を検出し、その出力を紙幣処理制御部30へ送る。接客口ドライバ33は接客口22内の機構系を駆動する。即ち、接客口ドライバ33は紙幣処理制御部30からの制御によって、前記シャッタ25の開閉、前記接客口分離集積機構16のローラモータ16−1の駆動を行なう。搬送ローラモータ6−1は、紙幣処理制御部30の制御によって搬送路6に設けられた搬送ローラ又は搬送ベルトを駆動する。鑑別部2は紙幣処理制御部30からの制御によって紙幣の鑑別を行い、鑑別結果を紙幣処理制御部30へ送る。
【0027】
カセット用モータドライバ34x、34y、34zは、紙幣処理制御部30の制御によって金種別収納カセット4x、4y、4z内のステージ昇降用モータ37x、37y、37z、ピックアップローラモータ38x、38y、38z及び舌片・ゲートローラモータ39x、39y、39zをそれぞれ駆動する。更にカセット用モータドライバ34−5は、紙幣処理制御部30の制御によってリジェクトカセット5内の舌片・ゲートローラモータ39−5を駆動する。一時保留用モータドライバ35は、紙幣処理制御部30の制御によって、一時保留部3内の一時保留部分離集積機構13のピックアップローラモータ13−1、ゲートローラモータ13−2を駆動する。
【0028】
図6は金種別収納カセット4の収納機構を示す側面図である。金種別収納カセット4の収納機構は収納カセット分離集積機構14とステージ昇降機構36からなる。同図は後述するステージ9を上昇させて、分離動作がすぐ行なえるようにした待機状態を示す。ステージ昇降機構36は、ステージ9と、垂直に設けられたシャフト20と、前記シャフト20を挿通する孔を有するスライダ19と、無端状ベルト21と、前記無端状ベルト21が架け渡されるプーリ21−1、21−2とから構成される。これらは図中矢印Eで示す紙幣Pの繰出方向に対して、ステージ9の左右に設けられる。
【0029】
前記スライダ19は前記ステージ9と一体に設けられ、更に、無端状ベルト21の所定の位置に固定されている。従って、前記紙幣処理制御部30の制御により、前記カセット用モータドライバ34が駆動されると、前記ステージ昇降用モータ37が駆動され、これによりプーリ21−1、21−2が正逆回転する。そうすると、無端状ベルト21を介して、スライダ19がシャフト20に沿って昇降する。スライダ19の昇降によって、ステージ9が昇降する。ステージ9上には、金種別収納カセット4に収納された紙幣Pが載置されているので、このステージ9の上昇により最上位の紙幣Pをピックアップローラ7に圧接し、これにより分離動作がすぐ行なえるようにした待機状態となる。
【0030】
一方、収納カセット分離集積機構14のうちの分離機構は、ピックアップローラ7と繰出ローラ17及び分離ローラ18よりなる。ピックアップローラ7は、その外周の一部に紙幣Pの繰出及び給送を行なうのに十分な摩擦力を有するピッカゴム7−1が設けられており、紙幣Pの最上位に圧接するよう図示しないシャフトに固定されている。ピックアップローラ7の繰出方向下流には繰出ローラ17と分離ローラ18が設けられ、ピックアップローラ7と連動して駆動される。従って、前記カセット用モータドライバ34により、前記ピックアップローラモータ38が駆動され、ピックアップローラ7が図中反時計方向へ回転し、繰出ローラ17及び分離ローラ18が回転することにより、紙幣Pを矢印E方向に1枚毎に分離して繰り出し、搬送路6へと搬送する。
【0031】
図7は同じく金種別収納カセット4の収納機構を示す側面図である。紙幣Pが載置されたステージ9は、集積時、紙幣Pの集積スペース確保のため、前記図6に示す待機状態から同図に示す位置に下降する。この位置を集積位置という。従って、同図は収納前の準備動作である集積位置への移動した状態を示す。収納カセット分離集積機構14のうちの集積機構は、搬送路6から搬送される紙幣Pを集積する舌片ローラ28と、一対のゲートローラ29−1、29−2とからなる。舌片ローラ28は周囲に複数の可撓性の舌片8が設けられ、図中反時計方向に回転することにより、収納時に一枚毎に送り込まれた紙幣Pを整列させながら矢印F方向に収納する。ゲートローラ29−1及び29−2は、前記繰出ローラ17及び分離ローラ18と同軸に設けられ、集積時に紙幣Pの集積に作用する。
【0032】
これらは、前記紙幣処理制御部30の制御により、前記カセット用モータドライバ34が駆動されると、前記舌片・ゲートローラモータ39が駆動され、これにより舌片ローラ28及び一対のゲートローラ29−1、29−2が回転する。なお、舌片ローラ28は移動可能な図示しないアームにより支持され、前記待機状態のときは、図6に示すように退避しているが、収納前の準備動作では図7に示すように集積位置に移動可能となっている。このときの図示しないアームの駆動は前記紙幣処理制御部30の制御により前記カセット用モータドライバ34の駆動による。更にまた、紙幣Pの集積が終わると、図6に示すように収納後の後動作である分離位置への移動が行なわれ、分離動作がすぐ行なえるようにした待機状態となる。
【0033】
次に、第1の実施の形態に関するATM1の動作について説明する。ここで、第1の実施の形態の説明においては、前述の通り万券カセット4x、二千券カセット4y、千券カセット4zが設けられる。また、五千円紙幣はリジェクトカセット5に収納するものとする。更に、前記金種別収納カセット4x、4y、4zの待機状態は、前述の通り、ステージ9が上昇し、最上位の紙幣Pがピックアップローラ7によって圧接されている状態である。
【0034】
図1は第1の実施の形態に関するATM1の紙幣処理装置12の動作を示すフローチャートである。顧客が顧客操作表示画面27を操作し、入金取引を指定すると、装置制御部10は顧客操作表示部42を介してこれを検知し、紙幣処理装置12の紙幣処理制御部30に知らせる。紙幣処理制御部30は入金取引の指定を受信すると(S101)、接客口ドライバ33を制御して、接客口22のシャッタ25を開き、顧客が紙幣Pを投入可能な状態にする。ここで、顧客が仮に万券1枚を接客口22に投入する。紙幣処理制御部30は接客口22への紙幣投入をセンサ32からの検知信号で検出すると、接客口ドライバ33を制御して、シャッタ25を閉じるとともに、ローラモータ16−1を駆動して、紙幣Pを搬送路6へ繰り出す(S102)。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動する。
【0035】
図8は入金時の紙幣の流れを示す側断面図である。図8に示すように、紙幣Pは接客口分離集積機構16から、搬送路6aと6bを経て鑑別部2にて鑑別される。紙幣処理制御部30は鑑別部2を制御することにより、入金紙幣が万券1枚であることを認識する。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動して、紙幣Pを搬送路6cと6dを経て、一時保留部3へと搬送する(S103)。そして、紙幣処理制御部30は一時保留用モータドライバ35を制御して、ゲートローラモータ13−2を駆動し、紙幣Pを一時保留部3へ集積する(S104)。
【0036】
次に、紙幣処理制御部30は鑑別部2による鑑別結果が入金紙幣が万券1枚であることを装置制御部10へ知らせるとともに、この鑑別結果を記憶部31の金種別入金計数結果記憶部40に記憶する(S105)。
【0037】
図9は金種別入金計数結果記憶部40の内容を示す説明図である。金種別入金計数結果記憶部40は記憶部31内に設けられ、鑑別部2での鑑別結果が記憶される。金種別入金計数結果記憶部40には、金種に対応するカセット番号(図4の符号と同じとする)が予め格納されており、更に、鑑別結果の枚数は、同図に示すように万券=1枚、五千券=0枚、二千券=0枚、千券=0枚であることが記憶される。
【0038】
装置制御部10は紙幣処理制御部30からの鑑別結果を前記顧客操作表示部42を介して顧客操作表示画面27に表示する。顧客操作表示画面27は投入額一万円を表示し、顧客による取引金額確認入力を促す。紙幣処理制御部30は装置制御部10からの顧客確認の受信がない場合は(S106)、搬送ローラ6−1を制御し、紙幣Pを接客口22へ搬送し(S107)、接客口ドライバ33を制御してシャッタ25を開き、紙幣Pを顧客へ返却する(S108)。
【0039】
ステップ106において、顧客確認の受信があった場合、紙幣処理制御部30は記憶部31の金種別入金計数結果記憶部40から鑑別結果を呼び出し、収納を行なう金種別収納カセット4x、4y、4zを特定する。特定された金種別収納カセット4x、4y、4zは、収納前の準備動作として紙幣Pを集積するための空間を確保するために、紙幣Pが載置されたステージ9及び舌片ローラ28を図6に示す待機状態から、図7に示す集積位置に移動させる必要がある。収納を行なわない金種別収納カセット4x、4y、4zは待機状態のままでよい。図9に示す金種別入金計数結果記憶部40から、収納を行なう必要があるのは万券カセット4xである(S109)。
【0040】
紙幣処理制御部30は万券カセット4xのみのカセット用モータドライバ34xを制御し、収納前の準備動作である集積位置への移動を行なう。即ち、ステージ昇降用モータ37xを駆動してステージ9を下降させ、図7に示す集積位置に移動させて、紙幣Pを集積するための空間を確保する。同時に、万券カセット4xのみの舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図7に示す集積位置に移動させる。更に、舌片・ゲートローラモータ39xを駆動し、舌片ローラ28及び一対のゲートローラ29−1、29−2を回転させる(S110)。このようにして、万券カセット4xにおける紙幣収納前の準備動作を行なう。なお、他の金種別収納カセット4yと4zについては、紙幣収納前の準備動作を行なう必要はなく、図6に示す待機状態のままとする。
【0041】
その後、紙幣処理制御部30は一時保留用モータドライバ35を駆動して、一時保留部分離集積機構13のピックアップローラモータ13−1を駆動する。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動する。
【0042】
図10は収納時の紙幣処理装置12内の紙幣の流れを示す側断面図である。図10に示すように、紙幣Pは一時保留部3の一時保留部分離集積機構13から、搬送路6e、6cと6bを経て鑑別部2にて鑑別される。紙幣処理制御部30は鑑別部2を制御することにより、入金紙幣が万券1枚であることを認識する。更に、紙幣処理制御部30は搬送ローラモータ6−1を駆動して、紙幣Pを搬送路6gと6hを経て、万券カセット4xへと搬送する。そして、ゲートローラ29−1、29−2及び舌片ローラ28の回転によって、矢印F方向に搬送され、万券カセット4xに集積させる(S111)。このようにして、紙幣処理制御部30は万券カセット4xのみに収納動作を行なう。他の金種別収納カセット4yと4zについては、当然収納動作は行なわない。
【0043】
紙幣Pが万券カセット4xに集積されると、紙幣処理制御部30は、次の処理に備えて収納後の後動作である分離位置への移動が行われる。即ち、紙幣処理制御部30は万券カセット4xの収納カセット分離集積機構14xを図6に示す待機状態にするため、前記カセット用モータドライバ34xを制御し、ステージ昇降用モータ37xを駆動してステージ9を上昇させ、集積された紙幣Pの最上位の紙幣Pをピックアップローラ7によって圧接し、待機状態とする。同時に、舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図6に示す待機位置に移動させる(S112)。
【0044】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、前記金種別入金計数結果記憶部40を設け、紙幣処理制御部30の制御によって、入金紙幣の鑑別結果の枚数を記憶し、紙幣収納の準備動作が必要な金種別収納カセット4x、4y、4zを特定し、特定された金種別収納カセット4x、4y、4zのみについての収納機構のステージ9の下降や舌片ローラ28のアームの移動等の収納前の準備動作、舌片ローラ28やゲートローラ29の回転動作等の収納動作及びステージ9の上昇や舌片ローラ28のアームの移動等収納後の後動作を行ない、特定されなかった金種別収納カセット4x、4y、4zについては収納機構を待機状態としたので、無駄な動力を使用することがなく、装置としての省エネに寄与し、更に、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することができる。同時に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することができる。
【0045】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態において前記第1の実施の形態と異なる点は、前記第1の実施の形態が紙幣処理装置12の記憶部31に金種別入金計数結果記憶部40を設け、入金紙幣について鑑別部2による鑑別結果を記憶するものであるが、第2の実施の形態においては、記憶部31に金種別入金計数結果記憶部40を設けない点である。他の構成については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0046】
図11は第2の実施の形態に関するATM1の紙幣処理装置12の動作を示すフローチャートである。同図においてステップ201〜204は第1の実施の形態の説明における前記ステップ101〜104と同じであり、ステップ210〜212は前記ステップ110〜ステップ112と同じである。
【0047】
ステップ205において、紙幣処理制御部30は、鑑別部2による鑑別結果が入金紙幣が万券1枚であることを装置制御部10へ送信する。装置制御部10は紙幣処理制御部30からの鑑別結果を前記装置記憶部11に記憶する。同時に、装置制御部10は紙幣処理制御部30からの鑑別結果を前記顧客操作表示部42を介して前記顧客操作表示画面27に表示する。顧客操作表示画面27は投入額一万円を表示し、顧客による取引金額確認入力を促す。紙幣処理制御部30は装置制御部10からの顧客確認の受信がない場合は(S206)、搬送ローラ6−1を制御し、紙幣Pを接客口22へ搬送し(S207)、接客口ドライバ33を制御してシャッタ25を開き、紙幣Pを顧客へ返却する(S208)。ステップ206において、顧客確認の受信があった場合、更に、紙幣処理制御部30は、装置制御部10から、収納を行なう金種別収納カセット4は万券カセット4xであることを受信する(S209)。これにより、紙幣処理制御部30は、紙幣Pの収納を行なう万券カセット4xを特定することができる。
【0048】
以上、第2の実施の形態のように、紙幣処理制御部30は装置制御部10から、収納を行なう金種別収納カセット4x、4y、4zのカセット番号を受信することによりカセット番号を特定することができるので、紙幣処理装置12の前記記憶部31に前記金種別入金計数結果記憶部40を設けない構成としても、本発明は適用可能である。
【0049】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、前記第1の実施の形態の金種別収納カセット4x、4y、4zのうちいずれかが満杯、即ち収納可能なスペースがない状態のとき、入金紙幣を前記リジェクトカセット5に収納する場合に関する。第3の実施の形態に関するATM1の構成については、リジェクトカセット5と記憶部31を除き、前記第1の実施の形態と同じである。なお、リジェクトカセット5は、出金時に鑑別部2で出金不可又は金種不明と判定された紙幣Pと、満杯となった金種別収納カセット4x、4y、4zがある場合の入金紙幣を収納する。
【0050】
図12は第3の実施の形態に関するATM1の紙幣処理装置12の動作を示すフローチャートである。同図においてステップ301〜309は第1の実施の形態の前記ステップ101〜109と同じである。なお、第3の実施の形態の説明においては、顧客が投入した紙幣Pは、万券1枚、二千券1枚で合計12000円であるとする。
【0051】
図13はカセット状況・計数結果記憶部50の内容を示す説明図である。カセット状況・計数結果記憶部50は、記憶部31内に設けられ、鑑別部2での鑑別結果が記憶される。カセット状況・計数結果記憶部50には、金種に対応するカセット番号(図4の符号と同じとする)が予め記憶され、また、鑑別結果の枚数は万券=1枚、五千券=0枚、二千券=1枚、千券=0枚であることが記憶される。更に、金種別収納カセット4x、4y、4z及びリジェクトカセット5の満杯状況が記憶され、万券カセット4xは現在満杯であることが記憶されている。
【0052】
図13に示すように、紙幣処理制御部30は、カセット状況・計数結果記憶部50から収納を行なう必要があるのは万券カセット4x及び二千券カセット4yであることを特定する(S309)。しかしながら、万券カセット4xは満杯であるのでリジェクトカセット5を利用するため、紙幣処理制御部30はリジェクトカセット5のカセット用モータドライバ34−5を制御して、舌片・ゲートローラモータ39−5を駆動する(S311)。このようにして、リジェクトカセット5における紙幣収納前の準備動作を行なう。
【0053】
更に、紙幣処理制御部30は二千券カセット4yのカセット用モータドライバ34yを制御し、収納前の準備動作である集積位置への移動を行なう。即ち、ステージ昇降用モータ37yを駆動してステージ9を下降させ、紙幣Pを集積するための空間を確保する。同時に、舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図7に示す集積位置に移動させ、更に、舌片・ゲートローラモータ39yを駆動し、舌片ローラ28及び一対のゲートローラ29−1、29−2を回転させる(S312)。このようにして、二千券カセット4yにおける紙幣収納前の準備動作を行なう。なおこのとき、万券カセット4xと千券カセット4zについては、紙幣収納前の準備動作を行なう必要はなく、図6に示す待機状態のままとする。
【0054】
その後、紙幣処理制御部30は一時保留用モータドライバ35を駆動して、一時保留部分離集積機構13のピックアップローラモータ13−1を駆動する。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動する。図14は収納時の紙幣処理装置12内の紙幣の流れを示す側断面図である。図14に示すように、紙幣Pは一時保留部3の一時保留部分離集積機構13から、搬送路6e、6cと6bを経て鑑別部2にて鑑別される。紙幣処理制御部30は鑑別部2を制御することにより、万券1枚、二千券1枚であることを認識する。
【0055】
更に、紙幣処理制御部30は搬送ローラモータ6−1を駆動して、万券を搬送路6g、6i、6mを経て、リジェクトカセット5に集積する。二千券は搬送路6g、6i、6jを経て二千券カセット4yに集積する(S313)。このようにして、紙幣処理制御部30は二千券カセット4yとリジェクトカセット5のみに収納動作を行なう。他の金種別収納カセット4xと4zについては、当然収納動作は行なわない。
【0056】
紙幣Pが二千券カセット4y、リジェクトカセット5に集積されると、紙幣処理制御部30は、次の処理に備えて収納後の後動作である分離位置への移動を行なう。即ち、二千券カセット4yの収納カセット分離集積機構14yを図6に示す待機状態にするため、前記カセット用モータドライバ34yを制御し、ステージ昇降用モータ37yを駆動してステージ9を上昇させる。同時に、舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図6に示す待機位置に移動させる(S314)。
【0057】
ここで、リジェクトカセット5は、金種別収納カセット4x、4y、4zのうちいずれかに収納可能なスペースがないとき、入金紙幣を収納するものであるため、集積専用のカセットであることを説明したが、これに限らない。即ち、リジェクトカセット5に収納した紙幣は再利用可能であるので、リジェクトカセット5に分離機構を設けて、分離繰出機能を設けてもよい。そのために、リジェクトカセット5に図示しないピックアップローラとピックアップローラモータを設け、前記紙幣処理制御部30が前記カセット用モータドライバ34−5を制御して、前記ピックアップローラモータを駆動するようにすればよい。
【0058】
以上第3の実施の形態によれば、金種別収納カセット4x、4y、4zの満杯状況と、鑑別部2による鑑別結果を格納するカセット状況・計数結果記憶部50を設け、紙幣処理制御部30の制御によって、金種別収納カセット4x、4y、4zのうちいずれかが満杯、即ち収納可能なスペースがない状態のとき、入金紙幣を前記リジェクトカセット5に収納することとしたので、リジェクトカセット5や金種別収納カセット4x、4y、4zのうち、収納する紙幣のあるカセットの分離集積機構のみ紙幣収納の準備動作を行ない、収納する紙幣のないカセットや満杯となったカセットについては紙幣収納の準備動作を行なわないので、無駄な動力を使用することがなく、装置としての省エネに寄与し、更に、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することができる。同時に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することができる。
【0059】
本実施の形態の説明において、収納前の準備動作である集積位置への移動及び収納後の後動作である分離位置への移動について、移動の対象機構部分をステージ9及び舌片ローラ28の図示しないアームとしたがこれに限らず、金種別収納カセット4の構成により、収納前の準備動作、収納動作及び収納後の後動作に必要な機構部品が対象となる。
【符号の説明】
【0060】
1 自動取引装置
2 鑑別部
3 一時保留部
4 金種別収納カセット
5 リジェクトカセット
6 搬送路
7 ピックアップローラ
9 ステージ
10 装置制御部
11 装置記憶部
12 紙幣処理装置
13 一時保留部分離集積機構
14 収納カセット分離集積機構
15 リジェクトカセット集積機構
28 舌片ローラ
30 紙幣処理制御部
31 記憶部
40 金種別入金計数結果記憶部
P 紙幣
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の営業店等に設置され顧客の操作により各種の取引を行なう自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置の入金取引時において、顧客が接客口に投入した紙幣を接客口から繰り出し、鑑別部に搬送した後、正常と鑑別された紙幣を一時保留部に搬送していた。その後、顧客による取引金額確認入力の後、一時保留部から紙幣を繰り出し、再度鑑別部に搬送して、鑑別部により鑑別した金種に対応した金種別収納カセットに搬送して集積していた。
【0003】
ここで、前記金種別収納カセットにおいては、一時保留部から繰り出された紙幣を集積する前の準備動作として、紙幣を集積する空間を確保するために金種別収納カセット内の昇降ステージを下降し、更に紙幣を集積するために集積用の舌片ローラを集積位置に移動する必要がある。また、紙幣を集積した後は、次取引のための後動作として、昇降ステージ及び集積用舌片ローラを元に戻し、かわりにピックアップローラを分離位置に移動して待機状態とする必要がある。
【0004】
なお、自動取引装置については、特開平7−93644(特許文献1)において、入金取引の信頼性を目的とした技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−93644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の自動取引装置において、複数の金種別収納カセットのうち、紙幣が集積される収納カセットは前記準備動作及び後動作を行なう必要があるが、紙幣が集積されない収納カセットは準備動作及び後動作を行なう必要がない。本来動作が必要でない収納カセットも、紙幣が集積される収納カセットと同様に準備動作及び後動作を行なっていた。即ち、紙幣が集積されない収納カセットについて、無駄な動力を使っていたため、装置としての省エネに寄与せず、構成部品の磨耗を発生させるため、装置の寿命が短くなるという問題があった。更に、メカ部品の駆動による振動が、集積した紙幣を振動させるので、安定位置にあった紙幣が不安定な位置になる可能性が存在し、その結果、装置の障害を誘発する可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、無駄な動力を使用しないで、装置としての省エネに寄与し、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することにある。更に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する鑑別部と、前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させることにより、前記入金紙幣を金種毎に収納する複数の金種別収納カセットを有し、更に、前記鑑別部の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させる制御部を有することを特徴とする自動取引装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前記鑑別部の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させるようにしたので、無駄な動力を使用することがなく、装置としての省エネに寄与し、更に、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することができる。同時に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に関するATMの紙幣処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図2】第1の実施の形態に関するATMの外観図である。
【図3】第1の実施の形態に関するATMの構成図である。
【図4】紙幣処理装置の内部構造を示す側断面図である。
【図5】紙幣処理装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】金種別収納カセットの収納機構を示す側面図である。
【図7】同じく金種別収納カセットの収納機構を示す側面図である。
【図8】入金時の紙幣処理装置内の紙幣の流れを示す側断面図である。
【図9】金種別入金計数結果記憶部の内容を示す説明図である。
【図10】収納時の紙幣処理装置内の紙幣の流れを示す側断面図である。
【図11】第2の実施の形態に関するATMの紙幣処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に関するATMの紙幣処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】カセット状況・計数結果記憶部の内容を示す説明図である。
【図14】収納時の紙幣処理装置内の紙幣の流れを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態を図面に従って説明する。図2は第1の実施の形態に関する自動取引装置(以下ATMという)1の外観図である。ATM1は銀行等の金融機関やコンビニエンスストア等に設置され、入出金取引等が可能である。ATM1は入出金取引において、顧客に対して紙幣を投入又は返却するための紙幣投入返却口としての接客口22を有する。入金取引等の紙幣を投入する取引においては、顧客が当該接客口22に紙幣をセットすると、これをATM1が自動計数し、装置内部に取込む。支払取引等の紙幣を顧客に払出す取引においては、ATM1が紙幣を自動計数し、当該接客口22に集積することにより、顧客が取り出し可能とする。前記接客口22にはシャッタ25が設けられ、顧客が紙幣を投入又は取り出すときに開き、それ以外は閉じている。
【0012】
また、ATM1は同じく、硬貨を投入又は返却するための硬貨投入返却口23を有する。入金取引等の硬貨をATM1に投入する取引において、顧客が当該硬貨投入返却口23に硬貨をセットすると、これをATM1が自動計数し、装置内部に取込む。支払取引等の硬貨を顧客に払出す取引においては、ATM1が硬貨を自動計数し、当該硬貨投入返却口23に集積することにより、顧客が取り出し可能とする。更に、ATM1はキャッシュカードのカード挿入口24と、通帳の通帳挿入口26と、顧客が操作するための入力機能と表示機能を備えたタッチパネル式の顧客操作表示画面27を有する。
【0013】
図3は第1の実施の形態に関するATM1の構成図である。10はATM1の各部と接続され、各部を制御する装置制御部である。当該装置制御部10は、RAMやROM又はハードディスク等で構成された装置記憶部11と接続され、装置記憶部11に記憶された制御プログラムにより動作する。また、装置制御部10は各処理に必要なデータを装置記憶部11に書き込むことができ、必要に応じて装置記憶部11から読み出すことができる。また、装置制御部10は、ホストコンピュータ100と図示しない通信部を介して接続され、入出金取引に関する情報を交換する。
【0014】
12は紙幣を処理するための紙幣処理装置であり、顧客により前記接客口22から投入される入金紙幣を真偽鑑別し、計数し、搬送して後述する金種別収納カセット4に収納する。更に、顧客に支払われる出金紙幣を金種別収納カセット4より繰り出し、接客口22に集積するものである。42は前記顧客操作表示画面27を制御する顧客操作表示部である。43は硬貨を処理するための硬貨処理装置であり、顧客により前記硬貨投入返却口23から投入される硬貨を真偽鑑別し、計数し、搬送して図示しない硬貨収納部に収納し、又は顧客に支払われる硬貨を硬貨収納部より繰り出し硬貨投入返却口23に集積するものである。
【0015】
44はカード処理部であり、顧客が前記カード挿入口24から挿入したキャッシュカードの情報を読取る。46は前記通帳挿入口26から挿入された通帳に取引記録を印字する通帳記帳部であり、47はレシートの印刷処理を行なうレシート処理部であり、取引終了時にレシートを前記カード挿入口24から排出する。
【0016】
図4は紙幣処理装置12の内部構造を示す側断面図である。同図において、接客口22は顧客により操作可能な位置に設けられ、シャッタ25が開閉することにより、顧客が取り出し可能に出金紙幣を集積するとともに、顧客から投入される入金紙幣を受け入れる。接客口22は内部に接客口分離集積機構16を備え、接客口分離集積機構16により顧客が投入した入金紙幣を後述する搬送路6に1枚毎に繰り出し、出金紙幣を搬送路6から一枚毎に受け取って接客口22に集積する。
【0017】
鑑別部2は搬送路6上に設けられ、入出金時に搬送路6を搬送される紙幣の真偽、金種、正損の鑑別を行なうとともに、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知、及び金種が確定した紙幣の計数を行なう。
【0018】
一時保留部3は、鑑別部2に対し入金時の紙幣の搬送方向下流側に設けられ、鑑別部2で入金可能と判定された紙幣を顧客による取引金額確認入力の操作が行なわれるまで一時保留する。一時保留部3は、紙幣を取り込むためのゲートローラと紙幣を1枚毎に分離して繰り出すためのピックアップローラからなる一時保留部分離集積機構13を内部に有する。
【0019】
金種別収納カセット4x、4y、4zは複数のカセットが金種別に設けられ、4xは万券を収納する万券カセット、4yは二千券を収納する二千券カセット、4zは千券を収納する千券カセットであり、以下、万券カセット4x、二千券カセット4y、千券カセット4zと説明する場合がある。金種別収納カセット4x、4y、4zはそれぞれ後述する収納カセット分離集積機構14x、14y、14zにより出金時は収納している紙幣を1枚毎に搬送路6に繰り出し、かつ入金時は搬送路6から紙幣を集積する。同図では金種別収納カセット4x、4y、4zを3個のみ図示しているが、これに限られるものではなく運用形態に応じて2以上備えるものであればよい。
【0020】
リジェクトカセット5は搬送路6の末端に設けられ、出金時に鑑別部2で出金不可又は金種不明と判定された紙幣をリジェクト紙幣として収納する。リジェクトカセット5はリジェクトカセット集積機構15によって搬送路6からのリジェクト紙幣を集積する。
【0021】
更に、搬送路6は上記各部を接続して設けられ、上記各部間に紙幣を搬送する機能を有する。前記搬送路6における搬送手段は、図示しない搬送ローラ又は搬送ベルトであり、これらの駆動は後述する搬送ローラモータ6−1によって行なわれる。そして、搬送路6の分岐部や合流部には、図示しないブレードが設けられ、紙幣の搬送方向を切り替えるようになっている。
【0022】
入金時は、顧客が入金取引を選択した後、紙幣を接客口22に投入すると、シャッタ25が閉じられ、投入された紙幣は接客口22から搬送路6を搬送されて鑑別部2へ送られる。ここで出金に使用可能と判定されると、紙幣は一旦前記一時保留部3へ搬送される。即ち、入金時の紙幣の経路は、接客口22の接客口分離集積機構16から搬送路6aと6bを経て、鑑別部2を通り、鑑別結果に従って正常券は搬送路6cと6dを経て前記一時保留部3へ集積され、一方、異常券は搬送路6cと6fを経て接客口22に返却される。
【0023】
収納時は、顧客による取引金額確認入力が行なわれると、一時保留部3の紙幣は該当する金種の金種別収納カセット4x、4y、4zへ搬送され、収納される。即ち、収納時の紙幣の経路は、一時保留部3の一時保留部分離集積機構13から搬送路6e、6cと6bを経て鑑別部2を通り、鑑別結果に従って搬送路6g〜6mを経て、対応した金種別収納カセット4x、4y、4zに集積される。
【0024】
更に、出金時は、顧客が出金金額を入力すると、その金額に相当する紙幣が金種別収納カセット4x、4y、4zから繰り出され、鑑別部2へ送られる。鑑別部2で出金に問題ないと判定されると、搬送路6を搬送されて接客口22へ送られる。出金金額に相当する紙幣が接客口22に集積されると、前記シャッタ25が開けられ、顧客は紙幣を取り出すことができる。即ち、出金時の紙幣の経路は、金種別収納カセット4x、4y、4zの収納カセット分離集積機構14x、14y、14zから搬送路6h、6i、6j、6kと6g、6bを経て、鑑別部2を通り、鑑別結果により正常券は搬送路6c、6fを経由して接客口22へ集積される。一方、リジェクト券は搬送路6b、6mを経てリジェクトカセット5に集積される。
【0025】
図5は紙幣処理装置12の制御系を示すブロック図である。紙幣処理制御部30は紙幣処理装置12の各部と接続され、紙幣処理装置12の各部を制御する。当該紙幣処理制御部30は、RAMやROM又はハードディスク等で構成された記憶部31と接続され、記憶部31に記憶された制御プログラムにより動作する。また、紙幣処理制御部30は各処理に必要なデータを記憶部31に書き込むことができ、必要に応じて記憶部31から読み出すことができる。記憶部31は、後述する金種別入金計数結果記憶部40(図9)を有する。また、紙幣処理制御部30は前記装置制御部10と接続され、紙幣処理に関する情報を交換する。
【0026】
センサ32は、紙幣の投入、紙幣の搬送位置、各ローラの回転位置、紙幣の集積量等を検出し、その出力を紙幣処理制御部30へ送る。接客口ドライバ33は接客口22内の機構系を駆動する。即ち、接客口ドライバ33は紙幣処理制御部30からの制御によって、前記シャッタ25の開閉、前記接客口分離集積機構16のローラモータ16−1の駆動を行なう。搬送ローラモータ6−1は、紙幣処理制御部30の制御によって搬送路6に設けられた搬送ローラ又は搬送ベルトを駆動する。鑑別部2は紙幣処理制御部30からの制御によって紙幣の鑑別を行い、鑑別結果を紙幣処理制御部30へ送る。
【0027】
カセット用モータドライバ34x、34y、34zは、紙幣処理制御部30の制御によって金種別収納カセット4x、4y、4z内のステージ昇降用モータ37x、37y、37z、ピックアップローラモータ38x、38y、38z及び舌片・ゲートローラモータ39x、39y、39zをそれぞれ駆動する。更にカセット用モータドライバ34−5は、紙幣処理制御部30の制御によってリジェクトカセット5内の舌片・ゲートローラモータ39−5を駆動する。一時保留用モータドライバ35は、紙幣処理制御部30の制御によって、一時保留部3内の一時保留部分離集積機構13のピックアップローラモータ13−1、ゲートローラモータ13−2を駆動する。
【0028】
図6は金種別収納カセット4の収納機構を示す側面図である。金種別収納カセット4の収納機構は収納カセット分離集積機構14とステージ昇降機構36からなる。同図は後述するステージ9を上昇させて、分離動作がすぐ行なえるようにした待機状態を示す。ステージ昇降機構36は、ステージ9と、垂直に設けられたシャフト20と、前記シャフト20を挿通する孔を有するスライダ19と、無端状ベルト21と、前記無端状ベルト21が架け渡されるプーリ21−1、21−2とから構成される。これらは図中矢印Eで示す紙幣Pの繰出方向に対して、ステージ9の左右に設けられる。
【0029】
前記スライダ19は前記ステージ9と一体に設けられ、更に、無端状ベルト21の所定の位置に固定されている。従って、前記紙幣処理制御部30の制御により、前記カセット用モータドライバ34が駆動されると、前記ステージ昇降用モータ37が駆動され、これによりプーリ21−1、21−2が正逆回転する。そうすると、無端状ベルト21を介して、スライダ19がシャフト20に沿って昇降する。スライダ19の昇降によって、ステージ9が昇降する。ステージ9上には、金種別収納カセット4に収納された紙幣Pが載置されているので、このステージ9の上昇により最上位の紙幣Pをピックアップローラ7に圧接し、これにより分離動作がすぐ行なえるようにした待機状態となる。
【0030】
一方、収納カセット分離集積機構14のうちの分離機構は、ピックアップローラ7と繰出ローラ17及び分離ローラ18よりなる。ピックアップローラ7は、その外周の一部に紙幣Pの繰出及び給送を行なうのに十分な摩擦力を有するピッカゴム7−1が設けられており、紙幣Pの最上位に圧接するよう図示しないシャフトに固定されている。ピックアップローラ7の繰出方向下流には繰出ローラ17と分離ローラ18が設けられ、ピックアップローラ7と連動して駆動される。従って、前記カセット用モータドライバ34により、前記ピックアップローラモータ38が駆動され、ピックアップローラ7が図中反時計方向へ回転し、繰出ローラ17及び分離ローラ18が回転することにより、紙幣Pを矢印E方向に1枚毎に分離して繰り出し、搬送路6へと搬送する。
【0031】
図7は同じく金種別収納カセット4の収納機構を示す側面図である。紙幣Pが載置されたステージ9は、集積時、紙幣Pの集積スペース確保のため、前記図6に示す待機状態から同図に示す位置に下降する。この位置を集積位置という。従って、同図は収納前の準備動作である集積位置への移動した状態を示す。収納カセット分離集積機構14のうちの集積機構は、搬送路6から搬送される紙幣Pを集積する舌片ローラ28と、一対のゲートローラ29−1、29−2とからなる。舌片ローラ28は周囲に複数の可撓性の舌片8が設けられ、図中反時計方向に回転することにより、収納時に一枚毎に送り込まれた紙幣Pを整列させながら矢印F方向に収納する。ゲートローラ29−1及び29−2は、前記繰出ローラ17及び分離ローラ18と同軸に設けられ、集積時に紙幣Pの集積に作用する。
【0032】
これらは、前記紙幣処理制御部30の制御により、前記カセット用モータドライバ34が駆動されると、前記舌片・ゲートローラモータ39が駆動され、これにより舌片ローラ28及び一対のゲートローラ29−1、29−2が回転する。なお、舌片ローラ28は移動可能な図示しないアームにより支持され、前記待機状態のときは、図6に示すように退避しているが、収納前の準備動作では図7に示すように集積位置に移動可能となっている。このときの図示しないアームの駆動は前記紙幣処理制御部30の制御により前記カセット用モータドライバ34の駆動による。更にまた、紙幣Pの集積が終わると、図6に示すように収納後の後動作である分離位置への移動が行なわれ、分離動作がすぐ行なえるようにした待機状態となる。
【0033】
次に、第1の実施の形態に関するATM1の動作について説明する。ここで、第1の実施の形態の説明においては、前述の通り万券カセット4x、二千券カセット4y、千券カセット4zが設けられる。また、五千円紙幣はリジェクトカセット5に収納するものとする。更に、前記金種別収納カセット4x、4y、4zの待機状態は、前述の通り、ステージ9が上昇し、最上位の紙幣Pがピックアップローラ7によって圧接されている状態である。
【0034】
図1は第1の実施の形態に関するATM1の紙幣処理装置12の動作を示すフローチャートである。顧客が顧客操作表示画面27を操作し、入金取引を指定すると、装置制御部10は顧客操作表示部42を介してこれを検知し、紙幣処理装置12の紙幣処理制御部30に知らせる。紙幣処理制御部30は入金取引の指定を受信すると(S101)、接客口ドライバ33を制御して、接客口22のシャッタ25を開き、顧客が紙幣Pを投入可能な状態にする。ここで、顧客が仮に万券1枚を接客口22に投入する。紙幣処理制御部30は接客口22への紙幣投入をセンサ32からの検知信号で検出すると、接客口ドライバ33を制御して、シャッタ25を閉じるとともに、ローラモータ16−1を駆動して、紙幣Pを搬送路6へ繰り出す(S102)。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動する。
【0035】
図8は入金時の紙幣の流れを示す側断面図である。図8に示すように、紙幣Pは接客口分離集積機構16から、搬送路6aと6bを経て鑑別部2にて鑑別される。紙幣処理制御部30は鑑別部2を制御することにより、入金紙幣が万券1枚であることを認識する。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動して、紙幣Pを搬送路6cと6dを経て、一時保留部3へと搬送する(S103)。そして、紙幣処理制御部30は一時保留用モータドライバ35を制御して、ゲートローラモータ13−2を駆動し、紙幣Pを一時保留部3へ集積する(S104)。
【0036】
次に、紙幣処理制御部30は鑑別部2による鑑別結果が入金紙幣が万券1枚であることを装置制御部10へ知らせるとともに、この鑑別結果を記憶部31の金種別入金計数結果記憶部40に記憶する(S105)。
【0037】
図9は金種別入金計数結果記憶部40の内容を示す説明図である。金種別入金計数結果記憶部40は記憶部31内に設けられ、鑑別部2での鑑別結果が記憶される。金種別入金計数結果記憶部40には、金種に対応するカセット番号(図4の符号と同じとする)が予め格納されており、更に、鑑別結果の枚数は、同図に示すように万券=1枚、五千券=0枚、二千券=0枚、千券=0枚であることが記憶される。
【0038】
装置制御部10は紙幣処理制御部30からの鑑別結果を前記顧客操作表示部42を介して顧客操作表示画面27に表示する。顧客操作表示画面27は投入額一万円を表示し、顧客による取引金額確認入力を促す。紙幣処理制御部30は装置制御部10からの顧客確認の受信がない場合は(S106)、搬送ローラ6−1を制御し、紙幣Pを接客口22へ搬送し(S107)、接客口ドライバ33を制御してシャッタ25を開き、紙幣Pを顧客へ返却する(S108)。
【0039】
ステップ106において、顧客確認の受信があった場合、紙幣処理制御部30は記憶部31の金種別入金計数結果記憶部40から鑑別結果を呼び出し、収納を行なう金種別収納カセット4x、4y、4zを特定する。特定された金種別収納カセット4x、4y、4zは、収納前の準備動作として紙幣Pを集積するための空間を確保するために、紙幣Pが載置されたステージ9及び舌片ローラ28を図6に示す待機状態から、図7に示す集積位置に移動させる必要がある。収納を行なわない金種別収納カセット4x、4y、4zは待機状態のままでよい。図9に示す金種別入金計数結果記憶部40から、収納を行なう必要があるのは万券カセット4xである(S109)。
【0040】
紙幣処理制御部30は万券カセット4xのみのカセット用モータドライバ34xを制御し、収納前の準備動作である集積位置への移動を行なう。即ち、ステージ昇降用モータ37xを駆動してステージ9を下降させ、図7に示す集積位置に移動させて、紙幣Pを集積するための空間を確保する。同時に、万券カセット4xのみの舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図7に示す集積位置に移動させる。更に、舌片・ゲートローラモータ39xを駆動し、舌片ローラ28及び一対のゲートローラ29−1、29−2を回転させる(S110)。このようにして、万券カセット4xにおける紙幣収納前の準備動作を行なう。なお、他の金種別収納カセット4yと4zについては、紙幣収納前の準備動作を行なう必要はなく、図6に示す待機状態のままとする。
【0041】
その後、紙幣処理制御部30は一時保留用モータドライバ35を駆動して、一時保留部分離集積機構13のピックアップローラモータ13−1を駆動する。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動する。
【0042】
図10は収納時の紙幣処理装置12内の紙幣の流れを示す側断面図である。図10に示すように、紙幣Pは一時保留部3の一時保留部分離集積機構13から、搬送路6e、6cと6bを経て鑑別部2にて鑑別される。紙幣処理制御部30は鑑別部2を制御することにより、入金紙幣が万券1枚であることを認識する。更に、紙幣処理制御部30は搬送ローラモータ6−1を駆動して、紙幣Pを搬送路6gと6hを経て、万券カセット4xへと搬送する。そして、ゲートローラ29−1、29−2及び舌片ローラ28の回転によって、矢印F方向に搬送され、万券カセット4xに集積させる(S111)。このようにして、紙幣処理制御部30は万券カセット4xのみに収納動作を行なう。他の金種別収納カセット4yと4zについては、当然収納動作は行なわない。
【0043】
紙幣Pが万券カセット4xに集積されると、紙幣処理制御部30は、次の処理に備えて収納後の後動作である分離位置への移動が行われる。即ち、紙幣処理制御部30は万券カセット4xの収納カセット分離集積機構14xを図6に示す待機状態にするため、前記カセット用モータドライバ34xを制御し、ステージ昇降用モータ37xを駆動してステージ9を上昇させ、集積された紙幣Pの最上位の紙幣Pをピックアップローラ7によって圧接し、待機状態とする。同時に、舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図6に示す待機位置に移動させる(S112)。
【0044】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、前記金種別入金計数結果記憶部40を設け、紙幣処理制御部30の制御によって、入金紙幣の鑑別結果の枚数を記憶し、紙幣収納の準備動作が必要な金種別収納カセット4x、4y、4zを特定し、特定された金種別収納カセット4x、4y、4zのみについての収納機構のステージ9の下降や舌片ローラ28のアームの移動等の収納前の準備動作、舌片ローラ28やゲートローラ29の回転動作等の収納動作及びステージ9の上昇や舌片ローラ28のアームの移動等収納後の後動作を行ない、特定されなかった金種別収納カセット4x、4y、4zについては収納機構を待機状態としたので、無駄な動力を使用することがなく、装置としての省エネに寄与し、更に、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することができる。同時に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することができる。
【0045】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態において前記第1の実施の形態と異なる点は、前記第1の実施の形態が紙幣処理装置12の記憶部31に金種別入金計数結果記憶部40を設け、入金紙幣について鑑別部2による鑑別結果を記憶するものであるが、第2の実施の形態においては、記憶部31に金種別入金計数結果記憶部40を設けない点である。他の構成については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0046】
図11は第2の実施の形態に関するATM1の紙幣処理装置12の動作を示すフローチャートである。同図においてステップ201〜204は第1の実施の形態の説明における前記ステップ101〜104と同じであり、ステップ210〜212は前記ステップ110〜ステップ112と同じである。
【0047】
ステップ205において、紙幣処理制御部30は、鑑別部2による鑑別結果が入金紙幣が万券1枚であることを装置制御部10へ送信する。装置制御部10は紙幣処理制御部30からの鑑別結果を前記装置記憶部11に記憶する。同時に、装置制御部10は紙幣処理制御部30からの鑑別結果を前記顧客操作表示部42を介して前記顧客操作表示画面27に表示する。顧客操作表示画面27は投入額一万円を表示し、顧客による取引金額確認入力を促す。紙幣処理制御部30は装置制御部10からの顧客確認の受信がない場合は(S206)、搬送ローラ6−1を制御し、紙幣Pを接客口22へ搬送し(S207)、接客口ドライバ33を制御してシャッタ25を開き、紙幣Pを顧客へ返却する(S208)。ステップ206において、顧客確認の受信があった場合、更に、紙幣処理制御部30は、装置制御部10から、収納を行なう金種別収納カセット4は万券カセット4xであることを受信する(S209)。これにより、紙幣処理制御部30は、紙幣Pの収納を行なう万券カセット4xを特定することができる。
【0048】
以上、第2の実施の形態のように、紙幣処理制御部30は装置制御部10から、収納を行なう金種別収納カセット4x、4y、4zのカセット番号を受信することによりカセット番号を特定することができるので、紙幣処理装置12の前記記憶部31に前記金種別入金計数結果記憶部40を設けない構成としても、本発明は適用可能である。
【0049】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、前記第1の実施の形態の金種別収納カセット4x、4y、4zのうちいずれかが満杯、即ち収納可能なスペースがない状態のとき、入金紙幣を前記リジェクトカセット5に収納する場合に関する。第3の実施の形態に関するATM1の構成については、リジェクトカセット5と記憶部31を除き、前記第1の実施の形態と同じである。なお、リジェクトカセット5は、出金時に鑑別部2で出金不可又は金種不明と判定された紙幣Pと、満杯となった金種別収納カセット4x、4y、4zがある場合の入金紙幣を収納する。
【0050】
図12は第3の実施の形態に関するATM1の紙幣処理装置12の動作を示すフローチャートである。同図においてステップ301〜309は第1の実施の形態の前記ステップ101〜109と同じである。なお、第3の実施の形態の説明においては、顧客が投入した紙幣Pは、万券1枚、二千券1枚で合計12000円であるとする。
【0051】
図13はカセット状況・計数結果記憶部50の内容を示す説明図である。カセット状況・計数結果記憶部50は、記憶部31内に設けられ、鑑別部2での鑑別結果が記憶される。カセット状況・計数結果記憶部50には、金種に対応するカセット番号(図4の符号と同じとする)が予め記憶され、また、鑑別結果の枚数は万券=1枚、五千券=0枚、二千券=1枚、千券=0枚であることが記憶される。更に、金種別収納カセット4x、4y、4z及びリジェクトカセット5の満杯状況が記憶され、万券カセット4xは現在満杯であることが記憶されている。
【0052】
図13に示すように、紙幣処理制御部30は、カセット状況・計数結果記憶部50から収納を行なう必要があるのは万券カセット4x及び二千券カセット4yであることを特定する(S309)。しかしながら、万券カセット4xは満杯であるのでリジェクトカセット5を利用するため、紙幣処理制御部30はリジェクトカセット5のカセット用モータドライバ34−5を制御して、舌片・ゲートローラモータ39−5を駆動する(S311)。このようにして、リジェクトカセット5における紙幣収納前の準備動作を行なう。
【0053】
更に、紙幣処理制御部30は二千券カセット4yのカセット用モータドライバ34yを制御し、収納前の準備動作である集積位置への移動を行なう。即ち、ステージ昇降用モータ37yを駆動してステージ9を下降させ、紙幣Pを集積するための空間を確保する。同時に、舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図7に示す集積位置に移動させ、更に、舌片・ゲートローラモータ39yを駆動し、舌片ローラ28及び一対のゲートローラ29−1、29−2を回転させる(S312)。このようにして、二千券カセット4yにおける紙幣収納前の準備動作を行なう。なおこのとき、万券カセット4xと千券カセット4zについては、紙幣収納前の準備動作を行なう必要はなく、図6に示す待機状態のままとする。
【0054】
その後、紙幣処理制御部30は一時保留用モータドライバ35を駆動して、一時保留部分離集積機構13のピックアップローラモータ13−1を駆動する。更に、紙幣処理制御部30は搬送路6の搬送ローラモータ6−1を駆動する。図14は収納時の紙幣処理装置12内の紙幣の流れを示す側断面図である。図14に示すように、紙幣Pは一時保留部3の一時保留部分離集積機構13から、搬送路6e、6cと6bを経て鑑別部2にて鑑別される。紙幣処理制御部30は鑑別部2を制御することにより、万券1枚、二千券1枚であることを認識する。
【0055】
更に、紙幣処理制御部30は搬送ローラモータ6−1を駆動して、万券を搬送路6g、6i、6mを経て、リジェクトカセット5に集積する。二千券は搬送路6g、6i、6jを経て二千券カセット4yに集積する(S313)。このようにして、紙幣処理制御部30は二千券カセット4yとリジェクトカセット5のみに収納動作を行なう。他の金種別収納カセット4xと4zについては、当然収納動作は行なわない。
【0056】
紙幣Pが二千券カセット4y、リジェクトカセット5に集積されると、紙幣処理制御部30は、次の処理に備えて収納後の後動作である分離位置への移動を行なう。即ち、二千券カセット4yの収納カセット分離集積機構14yを図6に示す待機状態にするため、前記カセット用モータドライバ34yを制御し、ステージ昇降用モータ37yを駆動してステージ9を上昇させる。同時に、舌片ローラ28を支持する図示しないアームを駆動して、舌片ローラ28を図6に示す待機位置に移動させる(S314)。
【0057】
ここで、リジェクトカセット5は、金種別収納カセット4x、4y、4zのうちいずれかに収納可能なスペースがないとき、入金紙幣を収納するものであるため、集積専用のカセットであることを説明したが、これに限らない。即ち、リジェクトカセット5に収納した紙幣は再利用可能であるので、リジェクトカセット5に分離機構を設けて、分離繰出機能を設けてもよい。そのために、リジェクトカセット5に図示しないピックアップローラとピックアップローラモータを設け、前記紙幣処理制御部30が前記カセット用モータドライバ34−5を制御して、前記ピックアップローラモータを駆動するようにすればよい。
【0058】
以上第3の実施の形態によれば、金種別収納カセット4x、4y、4zの満杯状況と、鑑別部2による鑑別結果を格納するカセット状況・計数結果記憶部50を設け、紙幣処理制御部30の制御によって、金種別収納カセット4x、4y、4zのうちいずれかが満杯、即ち収納可能なスペースがない状態のとき、入金紙幣を前記リジェクトカセット5に収納することとしたので、リジェクトカセット5や金種別収納カセット4x、4y、4zのうち、収納する紙幣のあるカセットの分離集積機構のみ紙幣収納の準備動作を行ない、収納する紙幣のないカセットや満杯となったカセットについては紙幣収納の準備動作を行なわないので、無駄な動力を使用することがなく、装置としての省エネに寄与し、更に、構成部品の磨耗の発生を少なくすることにより、長寿命な自動取引装置を提供することができる。同時に、障害発生の少ない自動取引装置を提供することができる。
【0059】
本実施の形態の説明において、収納前の準備動作である集積位置への移動及び収納後の後動作である分離位置への移動について、移動の対象機構部分をステージ9及び舌片ローラ28の図示しないアームとしたがこれに限らず、金種別収納カセット4の構成により、収納前の準備動作、収納動作及び収納後の後動作に必要な機構部品が対象となる。
【符号の説明】
【0060】
1 自動取引装置
2 鑑別部
3 一時保留部
4 金種別収納カセット
5 リジェクトカセット
6 搬送路
7 ピックアップローラ
9 ステージ
10 装置制御部
11 装置記憶部
12 紙幣処理装置
13 一時保留部分離集積機構
14 収納カセット分離集積機構
15 リジェクトカセット集積機構
28 舌片ローラ
30 紙幣処理制御部
31 記憶部
40 金種別入金計数結果記憶部
P 紙幣
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する鑑別部と、
前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させることにより、前記入金紙幣を金種毎に収納する複数の金種別収納カセットを有し、
更に、前記鑑別部の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させる制御部を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記鑑別部の鑑別結果の金種を記憶する入金計数結果記憶部を有し、
前記制御部は前記入金計数結果記憶部の記憶する金種に基づいて、前記金種別収納カセットの前記収納機構を動作させることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記金種別収納カセットの前記収納機構に対し、紙幣収納のための準備動作及び収納動作をさせることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記紙幣収納のための準備動作とは、紙幣を載置するステージの移動であることを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記収納動作とは、搬送路から搬送される紙幣を集積する舌片ローラの回転であることを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記制御部は、入金紙幣の収納後に、前記金種別収納カセットの前記収納機構を待機状態に動作させることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項7】
出金する紙幣が金種不明であるときに収納するリジェクトカセットを有し、
前記制御部は、いずれかの前記金種別収納カセットが満杯であるときは、前記リジェクトカセットの収納機構を動作させることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項8】
顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する紙幣鑑別工程と、
前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させることにより、金種別収納カセットに前記入金紙幣を金種毎に収納する収納工程と、
更に、前記紙幣鑑別工程の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させる機構制御工程を含むことを特徴とする自動取引装置の制御方法。
【請求項9】
前記紙幣鑑別工程の鑑別結果の金種を記憶する入金計数結果記憶工程を含み、
前記機構制御工程は前記入金計数結果記憶工程において記憶する金種に基づいて、前記金種別収納カセットの前記収納機構の動作を含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項10】
前記機構制御工程は、前記金種別収納カセットの前記収納機構に対し、紙幣収納のための準備動作及び収納動作を含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項11】
前記紙幣収納のための準備動作とは、紙幣を載置するステージを移動することを含むことを特徴とする請求項10記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項12】
前記収納動作とは、搬送路から搬送される紙幣を集積する舌片ローラを回転することを含むことを特徴とする請求項10記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項13】
前記機構制御工程は、入金紙幣の収納後に、前記金種別収納カセットの前記収納機構を待機状態に動作させることを含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項14】
出金する紙幣が金種不明であるときにリジェクトカセットに収納するリジェクト収納工程を含み、
前記機構制御工程は、前記金種別収納カセットが満杯であるときは、前記リジェクトカセットの収納機構を動作させることを含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項1】
顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する鑑別部と、
前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させることにより、前記入金紙幣を金種毎に収納する複数の金種別収納カセットを有し、
更に、前記鑑別部の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させる制御部を有することを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記鑑別部の鑑別結果の金種を記憶する入金計数結果記憶部を有し、
前記制御部は前記入金計数結果記憶部の記憶する金種に基づいて、前記金種別収納カセットの前記収納機構を動作させることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記金種別収納カセットの前記収納機構に対し、紙幣収納のための準備動作及び収納動作をさせることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記紙幣収納のための準備動作とは、紙幣を載置するステージの移動であることを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記収納動作とは、搬送路から搬送される紙幣を集積する舌片ローラの回転であることを特徴とする請求項3記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記制御部は、入金紙幣の収納後に、前記金種別収納カセットの前記収納機構を待機状態に動作させることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項7】
出金する紙幣が金種不明であるときに収納するリジェクトカセットを有し、
前記制御部は、いずれかの前記金種別収納カセットが満杯であるときは、前記リジェクトカセットの収納機構を動作させることを特徴とする請求項1記載の自動取引装置。
【請求項8】
顧客が入金する入金紙幣の金種を鑑別する紙幣鑑別工程と、
前記入金紙幣を収納する収納機構を動作させることにより、金種別収納カセットに前記入金紙幣を金種毎に収納する収納工程と、
更に、前記紙幣鑑別工程の鑑別結果に基づく入金紙幣の金種に対応する金種別収納カセットに対してのみ、当該金種別収納カセットの前記収納機構を動作させる機構制御工程を含むことを特徴とする自動取引装置の制御方法。
【請求項9】
前記紙幣鑑別工程の鑑別結果の金種を記憶する入金計数結果記憶工程を含み、
前記機構制御工程は前記入金計数結果記憶工程において記憶する金種に基づいて、前記金種別収納カセットの前記収納機構の動作を含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項10】
前記機構制御工程は、前記金種別収納カセットの前記収納機構に対し、紙幣収納のための準備動作及び収納動作を含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項11】
前記紙幣収納のための準備動作とは、紙幣を載置するステージを移動することを含むことを特徴とする請求項10記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項12】
前記収納動作とは、搬送路から搬送される紙幣を集積する舌片ローラを回転することを含むことを特徴とする請求項10記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項13】
前記機構制御工程は、入金紙幣の収納後に、前記金種別収納カセットの前記収納機構を待機状態に動作させることを含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【請求項14】
出金する紙幣が金種不明であるときにリジェクトカセットに収納するリジェクト収納工程を含み、
前記機構制御工程は、前記金種別収納カセットが満杯であるときは、前記リジェクトカセットの収納機構を動作させることを含むことを特徴とする請求項8記載の自動取引装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−267189(P2010−267189A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119715(P2009−119715)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
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