説明

自動式の眼内レンズ導入デバイス

眼内レンズ導入デバイス10は、当該筒状ハウジング内に長手方向に配設されたプランジャ32を備える筒状ハウジング15を備えて成る。電気駆動システム38は、上記プランジャの先端部25が挿入カートリッジ20に係合し、内部に配設された眼内レンズを折畳んで排出すると共に、折畳まれたレンズを眼球の水晶体嚢内へと導入する様に、上記プランジャを長手方向に平行移動させる。制御回路100は、ユーザ入力に応じて上記プランジャの平行移動を開始させ、電気モータ42により生成された逆起電力に基づいて少なくとも1つの障害状態を検出し、且つ、検出された障害状態に応じて上記プランジャの平行移動を停止させるべく構成され、上記障害状態は、上記プランジャの前方平行移動若しくは後方平行移動に対する過剰抵抗、又は、上記プランジャの前方平行移動に対する不十分な抵抗から成り得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略的に、眼球内へと眼内レンズを供与するデバイスに関し、より詳細には、斯かるデバイスにおける障害検出法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の眼球は、角膜と称される透明な外側部分を通して光を透過させると共に、水晶体により像を網膜上へと焦点合わせすることにより、視覚を提供すべく機能する。焦点合わせされた像の質は、眼球の寸法及び形状、並びに、角膜及び水晶体の透明性などの多くの要因に依存する。年齢若しくは疾患により水晶体の透明性が低下したとき、網膜へと透過され得る光が減少することにより、視覚は低下する。眼球の水晶体におけるこの欠陥は、医学的には白内障として知られている。この病状に対して一般的に認められた治療は、水晶体の外科的除去、及び、人工的な眼内レンズ(IOL)による水晶体機能の置き換えである。
【0003】
合衆国において、白内障の水晶体の大部分は、超音波水晶体乳化吸引術と称される外科技術により除去される。この処置の間、前嚢には開口が形成されると共に、疾患水晶体内へと超音波水晶体乳化吸引用の小径の切開用先端部が挿入され、超音波により振動される。振動する上記切開用先端部は、水晶体が眼球から吸い出され得る様に該水晶体を液状化若しくは乳化する。疾患水晶体は、一旦除去されたなら、人工レンズにより置き換えられる。
【0004】
上記IOLは、疾患水晶体を除去すべく使用されたのと同一の小寸切開口を通して、眼球内へと導入される。上記IOLはIOL導入器の挿入カートリッジに装填され、該挿入カートリッジの先端は上記切開口内へと挿入され、かつ、上記レンズは眼球内へと供与される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日において製造される多くのIOLは、固有の特性を有するポリマから作成される。これらの特性によれば、上記レンズは折畳まれ得ると共に、眼球内へと供与されたときに該レンズは適切な形状へと展開され得る。これらのレンズを眼球内へと埋め込むために、幾つかの手動式の導入器デバイスが入手可能である。しかし、螺合式(threaded−type)の手動導入器は両手を使用することが必要であり、厄介かつ面倒である。また、注入器型の導入器では、生成される導入の力及び変位が一貫していない。故に、眼球内へとIOLを供与する優れたデバイス及び方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の各実施形態は、眼内レンズ(IOL)を眼球の水晶体嚢内へと埋め込む種々のデバイス、並びに、斯かるデバイスを制御する方法を含んでいる。好適実施形態に依れば、IOL導入デバイスは、当該筒状ハウジング内に長手方向に配設されたプランジャを備える筒状ハウジングを備えて成る。上記プランジャは、上記ハウジング内に配設された電気駆動システムであって電気モータを備えて成る電気駆動システムにより、上記ハウジングの前端部に関して前方及び後方に長手方向に平行移動される。上記デバイスは、上記プランジャが該デバイスの前方に向けて平行移動されるときに、その先端が、上記ハウジングの前端部若しくはその近傍に取付けられた眼内レンズ挿入カートリッジに係合する様に構成される。一定の実施形態においてはプッシュロッドに対して弾性嵌合する着脱式のプラスチック・スリーブとされ得るプランジャ先端部は、上記挿入カートリッジを貫通通過し、内部に配設された眼内レンズを折畳んで排出すると共に、折畳まれたレンズを眼球の水晶体嚢内へと導入する。
【0007】
種々の実施形態において、上記IOL導入デバイスは、上記電気モータに対して電気接続された制御回路であって、ユーザ入力に応じて上記プランジャの平行移動を開始させるべく構成される制御回路を更に備えて成る。該回路は更に、上記電気モータにより生成された逆起電力に基づいて少なくとも1つの障害状態を検出し、且つ、検出された障害状態に応じて上記プランジャ・アセンブリの平行移動を停止させるべく構成される。上記検出された障害状態は、不適切に装填され又は閉塞された挿入カートリッジにより生じ得る如き、所定閾値との比較における、上記プランジャの前方平行移動に対する過剰抵抗から成り得る。一定の実施形態は、第2の所定閾値との比較における、上記プランジャの後方平行移動に対する過剰抵抗、及び/又は、第3の所定閾値との比較における、上記プランジャの前方平行移動に対する不十分な抵抗を検出すべく構成され得る。
【0008】
一定の実施形態において、上記制御回路は、上記逆起電力に基づいて上記電気モータの回転速度を監視すべく、且つ、監視された回転速度を所定閾値と比較することにより少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される。一定の実施形態において、上記制御回路は、上記電気モータにより生成された逆起電力に基づいて上記プランジャの長手方向位置を追尾すべく、且つ、上記追尾済み長手方向位置に基づいて上記少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される。これらの実施形態の幾つかにおいて、上記制御回路は、監視された回転速度を、上記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較することなどにより、上記電気モータにより生成された逆起電力を、上記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較することに基づき、上記少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される。
【0009】
筒状ハウジングの内側に長手方向に配設されたプランジャと、電気モータを含む電気駆動システムであって、上記ハウジングの主要軸線に沿う上記プランジャの長手方向平行移動を引き起こすべく構成される電気駆動システムとを備えて成る、眼球の水晶体嚢内に眼内レンズを埋め込むデバイスを制御する代表的な方法においては、ユーザ入力に応じて上記プランジャの長手方向平行移動が開始される。上記プランジャの平行移動は、上記電気モータにより生成された逆起電力に基づく少なくとも1つの障害状態の検出に応じて停止される。検出された障害状態は、第1の所定閾値との比較における、上記プランジャの前方平行移動に対する過剰抵抗、第2の所定閾値との比較における、上記プランジャの後方平行移動に対する過剰抵抗、及び、第3の所定閾値との比較における、上記プランジャの前方平行移動に対する不十分な抵抗、の内の1つ以上を含み得る。
【0010】
一定の実施形態において、上記方法は、上記逆起電力に基づいて上記電気モータの回転速度を監視する段階を含み得ることから、上記障害状態は、監視された回転速度を所定閾値と比較することにより検出される。一定の実施形態において、上記逆起電力に基づいて上記プランジャの長手方向位置が追尾され、且つ、上記障害状態の検出は、追尾済み長手方向位置に基づく。上記障害状態は、一定の実施形態においては、たとえば、監視された回転速度を、上記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較することなどにより、上記電気モータにより生成された逆起電力を、上記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較することにより検出され得る。
【0011】
当然乍ら、当業者であれば、本発明は上記の特徴、利点、状況若しくは例に限定されないことを理解し得ると共に、以下の詳細な説明を読破して添付図面を考慮すれば付加的な特徴及び利点を認識し得よう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】挿入カートリッジが設置された代表的なIOL導入装置の斜視図である。
【図2】代表的なIOL導入デバイスの起動機構の部分的破断斜視図である。
【図3】代表的なIOL導入デバイスの電気式駆動システム及び連結機構を示す図である。
【図4】本発明の一定の実施形態に係る着脱式プランジャ先端部を示す図である。
【図5】本発明の一定の実施形態に係るIOL導入デバイスの断面図である。
【図6】完全に縮動された起動装置を示す図である。
【図7】部分的に伸張された起動装置を示す図である。
【図8A】図6及び図7のデバイスの代替実施形態の線VIIIに沿う断面図である。
【図8B】図6及び図7のデバイスの代替実施形態の線VIIIに沿う断面図である。
【図9】図6及び図7の線IXに沿う別の断面図である。
【図10】本発明の一定の実施形態に係るプランジャ先端部用レンチを示す図である。
【図11】代表的なIOL導入デバイス上に設置された図10のプランジャ先端部用レンチを示す図である。
【図12】IOL導入デバイスに対する代表的な制御回路を示す概略図である。
【図13】本発明の一定の実施形態に係るIOL導入デバイスを制御する方法を示す処理フローチャートである。
【図14】使い捨て式のプランジャ先端部と共に使用される代表的な戻り止め用特定構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、眼球の前嚢内へとIOLを埋め込む手持ち式の眼内レンズ(IOL)導入デバイス10を示している。図示された如く、IOL導入デバイス10は、(不図示の)別体的なユーザ・コンソールからの動力及び/又は制御信号を伝達するケーブル・アセンブリ12を含むが、一定の実施形態は、主要ハウジング15内に1つ以上のバッテリを含むことで上記デバイスに対して電力を提供し、及び/又は、1つ以上のスイッチ若しくは他のユーザ入力デバイスを含むことで上記デバイスの動作を制御し得る。図示されたIOL導入デバイス10は、着脱自在に取付けられた挿入カートリッジ20を保持するカートリッジ取付け部材18も備えて成る。以下において更に詳細に説明される如く、一定の実施形態において挿入カートリッジ20は、展開されたIOLレンズを収容し得る使い捨て式のポリマ構成要素であって、プランジャ先端部25がハウジング15の本体から前方へと該挿入カートリッジ20を貫通して平行移動されるときには上記レンズを折畳んで排出し得る使い捨て式のポリマ構成要素である。一定の実施形態においてカートリッジ取付け部材18は、IOLカートリッジを収容する独特の切欠を含む金属製“円錐頭”であって、ハウジング15の内側シェルに対して圧力嵌めされた金属製“円錐頭”から成り得る。
【0014】
図2は、IOL導入デバイス10の好適実施形態の部分的破断図であり、上記デバイスのハウジングの主要軸線に沿いプランジャ先端部25を直線的に平行移動させる起動アセンブリ30の内部構造を示している。図3及び図4は図2の上記アセンブリの詳細を提供すると共に、図5はIOL導入デバイス10の断面図を示している。
【0015】
図示された実施形態において、上記起動アセンブリは、プランジャ先端部25に加え、内部螺条形成された筒状連結器35の内側における長手方向平行移動に対して構成されたプランジャ32と、電気駆動システム38とを備えて成る。図3及び図5に示された如く、電気駆動システム38は、溶接物内に配設された電気モータ42及びギヤ・セット44であって、ポリマ製の連結器スリーブ48により所定位置に保持された筒状連結器35を回転させるべく構成された電気モータ42及びギヤ・セット44を備えて成り得る。筒状連結器35上の内部螺条はプランジャ32の後端部における外部螺条形成雄型連結器46に噛合し、駆動システム38の起動に応じて、筒状連結器35内におけるプランジャ32及びプランジャ先端部25の直線的平行移動を強制する。筒状連結器35の上記内部螺条及び/又は雄型連結器46の上記螺条は、摩擦を最小化すべく(Endura 200TX、Brycoat WS2、Teflon/FEPなどの如きドライフィルム被覆とされ得る)潤滑剤により被覆される。筒状ハウジング15に対しては、エラストマから形成され得るO−リング39がシールを提供することで、ハウジング15の内部に湿気及び/又は他の汚染物質が到達することが阻止される。
【0016】
一定の実施形態において電気駆動システム38は、ギヤ・セット44に対して回転トルクを提供するブラシレスDCモータ42を備える一方、該ギヤ・セットは筒状連結器35を回転させてプランジャ32を伸張若しくは縮動させる。ギヤ・セット44は、上記モータの角速度を、たとえば125:1などの所定の減速比に従い減速させるべく作用する。これにより、駆動システム38から利用できるトルクが増大されると共に、プランジャ32の線形運動は、IOL導入処置に適した速度まで減速される。
【0017】
一定の実施形態においてプランジャ先端部25は、図4に示された如くプランジャ32から取外し可能とされ得る。これらの実施形態においてプランジャ先端部25は、一定の場合には“弾性嵌合”機構に従いプランジャ32の前端に対して取付けられる使い捨て式のプラスチック・スリーブから成り得る。上記IOLに係合する上記プラスチック・スリーブの端部は、剥き出しの金属プランジャの場合よりも更に弾性的であり、且つ、円滑な表面仕上げを有することから、上記IOLが挿入カートリッジ20を通して眼球内へと押し進められるときに該IOLに対する損傷が回避される。使い捨て式のプラスチック・スリーブを使用すると、使用の間におけるIOL導入デバイス10の再処理も容易化され得る。
【0018】
図6、図7、図8及び図9は、本発明の一定の実施形態に係る代表的なIOL導入デバイスに対する付加的な詳細を提供する。図6及び図7は夫々、プランジャ32が完全に縮動された位置及び部分的に伸張された位置とされたIOL導入デバイス10の長手断面を示している。図7に示された部分的に伸張された位置において、プランジャ先端部25はまさに、挿入カートリッジ20内への通過を開始しつつある。
【0019】
図6に見られる如く、プランジャ32を収容すべく中刳りされ且つ当該雄型連結器46の軸線に沿い“キー形成”された雄型連結器46は、プランジャ32の後端部における円周方向溝内へと掛止することで該雄型連結器46を所定位置に固定する保持リング52により、所定位置に保持される。筒状連結器35の逆端部において、ポリマ軸受スリーブ56により所定位置に保持された軸受アセンブリ54は、筒状連結器35を上記ハウジングと同心的な位置に保持し、且つ、該筒状連結器35の円滑な回転運動を促進する。エラストマ外装と金属チャネル・リングとから成る圧縮シール58は、湿気の進入を阻止するシールを提供する。2つの平坦面を備える断面を有するプランジャ32は、ピン62により所定位置に保持された配向用インサート60により、上記ハウジングに対する回転が阻止される。
【0020】
図8A及び図8Bは、図7において“VIII”として示された断面に対応する、IOL導入デバイスの2つの異なる実施形態の断面図を提供する。これらの図の各々に見られる如く、変速機44から延在する駆動シャフト82は、筒状連結器35のキー形成端部プレート84に係合することで、駆動システム38の回転トルクを該筒状連結器35に対して伝達する。筒状連結器35は、連結器スリーブ48と、ハウジング15の内側シェル86及び外側シェル88とにより囲繞される。図8Bに図示された実施形態において筒状連結器35の端部プレート84はスロット形成されることで、駆動シャフト82により占有されたスロットの部分を超える円弧の範囲を定めている。これにより、上記駆動シャフトは、方向の反転時において回転の一部分に対して自由に回転し得る。この特徴は、一定の実施形態において電気モータの始動を促進し得ると共に、一定の実施形態においては“無負荷”状態に対する監視回路を較正するためにも使用され得る。以下において更に詳細に説明される如く、この較正は、障害検出法において使用される1つ以上の閾値を確立すべく使用され得る。
【0021】
図9は、図7において“IX”として示された断面に対応するIOL導入デバイス10の一定の実施形態の断面図を提供する。上述の如く、プランジャ32は非円形の断面を有すると共に、該プランジャは、保持ピン62により上記ハウジングの内側シェル86及び外側シェル88内の所定位置へと固定された配向用インサート60により所定位置に保持される。この様にプランジャ32は上記ハウジングに対する回転が阻止されることから、電気駆動システム38による筒状連結器35の回転は、図6及び図7に示された如く、上記IOL導入デバイスの軸線に沿うプランジャ32の平行移動変位へと変換される。
【0022】
上記に示された如く、IOL導入デバイスの一定の実施形態において、プランジャ・アセンブリは、プッシュロッド32及びプランジャ先端部25を含む2つ以上の部材を備えて成る。一定の実施形態においてプランジャ先端部25は、プランジャ32上へと弾性嵌合する着脱式のプラスチック・スリーブから成り得ると共に、使用後には使い捨て可能とされ得る。一定の実施形態においては、プラスチック製プランジャ先端部25をプランジャ32上へと設置するためにプランジャ先端部用レンチが使用され得る。図10は、内側に保持されたプランジャ先端部25を備える代表的なプランジャ先端部用レンチ90を示している。図11は、カートリッジ取付け部材18上に設置されたプランジャ先端部用レンチ90を示している。
【0023】
図示された実施形態において、プランジャ先端部用レンチ90は、挿入カートリッジ20と同一様式でカートリッジ取付け部材18上へと固定される。一定の実施形態においてプランジャ先端部25は、設置モードのユーザ起動に応じて自動的にプランジャ32上へと設置される。たとえば、ユーザがデバイス上若しくは付属する操作者用コンソール上の適切なボタンを押した後、プランジャ32は既定速度にて起動されることで、該プランジャは上記使い捨て可能スリーブ内へと弾性嵌合される。この起動に続き、プランジャ32は既定速度にてその元の開始位置へと縮動する。該縮動によりプランジャ先端部25はプランジャ先端部用レンチ90から引き出され、次に該レンチは取り外されて、装填済みIOL挿入カートリッジ20により置き換えられ得る。以下において更に詳細に論じられる如く、両方の動作は、回転する電気モータ42により生成される(“逆EMF”と称されることが多い)逆起電力の監視に応じて自動的に終結され得る。
【0024】
使い捨て可能なプランジャ先端部25が使用される一定の実施形態において、該プランジャ先端部25及び挿入カートリッジ20は、該プランジャ先端部25が使用後にプランジャ32から自動的に取り外される様に特定構造を備え得る。これらの実施形態の幾つかにおいて、たとえば、プランジャ先端部25は、該プランジャ先端部25の端部が挿入カートリッジ20を完全に通過したときに挿入カートリッジ20上の対応捕捉部に係合すべく設計された1つ以上の“歯部”又は他の突出部を備え得る。一旦係合されたなら、斯かる戻り止め機構は、上記使い捨て可能スリーブ自体が上記プランジャから放出される様に、プランジャ先端部25の後方移動に対する十分な抵抗を提供する。プランジャ32が完全に縮動されたとき、挿入カートリッジ20及びプランジャ先端部25はユニットとして上記IOL導入器から取り外されて廃棄され得る。
【0025】
図14は、上記で論じられた如き代表的な戻り止め機構を示している。図14Aは挿入カートリッジ20内へと完全に挿入されたプランジャ先端部25の平面図を提供する一方、図14Bは、プランジャ先端部25及び上記挿入カートリッジ上の協働する戻り止め用特定構造を備えて成る代表的な戻り止め機構140を示している。図14Bの好適実施形態において、プランジャ先端部25がその完全伸張位置に在るときに、該プランジャ先端部25からの突出部は挿入カートリッジ20の下側唇部に係合する。
【0026】
図12は、IOL導入デバイスの動作を制御する本発明の一定の実施形態に係る代表的な制御回路100を示している。図示された制御回路100は、ホール効果センサ104を含む三相のブラシレスDCモータ42に対するものである。図12には示されないが、一定の実施形態においてモータ42は中立基準点を提供しても良く;当業者であれば、中立の終点が存在すると逆EMFの測定が簡素化されることを理解し得るが、絶対的に必要ではない。いずれの場合でも当業者であれば、図12の回路は、ブラシ式モータを含む異なる形式のモータに対して容易に適合化され得ることを理解し得よう。特に、当業者であれば、ホール効果センサのフィードバックを使用せずにブラシレスDCモータを制御する技術が公知であることを理解し得よう。
【0027】
制御回路100は、モータ42を整流するためのパルス幅変調(PWM)制御信号を生成する制御プロセッサ95、並びに、該デジタル制御信号を固定子巻線入力A、B及びCに印加されるアナログ駆動信号へと変換する駆動器回路98を含んでいる。制御回路100は更に、モータの回転子入力A、B及びCからの逆EMF信号を検出するサンプリング回路97を含み;一定の実施形態において、該サンプリング回路97は、上記モータ入力における電圧を、制御プロセッサ95による使用のためのデジタル信号へと変換するアナログ/デジタル変換器を含む。一定の実施形態において、サンプリング回路97は制御プロセッサ95により生成されるPWM制御信号に対して同期され得ることから、所定の回転子入力に対する逆EMFは、その入力に対する駆動信号がフローティングであるときにのみサンプリングされる。但し、当業者であれば、他の実施形態においてモータ入力はデューティ・サイクルの全体に亙りサンプリングされ得ると共に、逆EMF信号は制御プロセッサ95におけるデジタル処理により分離されることを理解し得よう。また当業者であれば、サンプリング回路97は一定の実施形態においてモータ入力信号の各々に対する低域通過フィルタも含み得ることを理解し得るが、モータが高速で動作しているときは斯かる低域通過フィルタにより引き起こされる遅延が考慮されるべきことは理解されよう。
【0028】
図示された実施形態において、制御プロセッサ95はホール効果センサ104からの信号にアクセスし;これらのセンサ出力は、上記モータの回転子位置の表示を提供すると共に、従来の技術に従いPWM信号のタイミングを制御すべく制御プロセッサ95により使用され得る。代替的に、逆EMF信号のゼロ交差が検出され得、ゼロ交差時間は、上記モータに対して印加される電流を制御するPWM信号を同期すべく使用される。此処でも、逆EMF信号を用いてセンサ無しのブラシレス・モータを始動かつ制御する技術は公知である。斯かる技術の幾つかは、たとえば、2003年9月におけるバージニア州、ブラックスバーグのバージニア工科大学のジァンウェン・シャオによる“センサ無しブラシレスDC(BLDC)モータ駆動に対する逆EMFの直接的検出方法[Direct Back EMF Detection Method for Sensorless Brushless DC (BLDC) Motor Drives]”と題された修士論文に記述されている(http://scholar.lib.vt.edu/theses/available/etd−09152003−171904/unrestricted/T.pdfにて入手可能である)。
【0029】
本発明の一定の実施形態において、逆EMFはまた、上記IOL導入デバイスの動作における障害を検出するためにも監視かつ使用され得る。たとえば、眼内レンズの幾何学形状、及び、上記挿入カートリッジ内へと導入される粘弾性体の体積に依り、適切に装填されたカートリッジは、上記プランジャに対して独特の固有粘性抵抗を有することから、上記モータに対して既知の負荷を与える。装填されたカートリッジと比較した場合、未積載のカートリッジもまた区別可能である固有の負荷特徴を有する。DCモータにおけるトルクと速度との間の関係の故に、所定の駆動レベルに対し、負荷の増大はモータ速度の低下に反映される。逆に、負荷における減少は、モータ速度の増大に反映される。モータの逆EMFは該モータの回転速度に正比例することから、逆EMFのレベルはモータの速度を、故に、付与された負荷を、決定すべく監視され得る。所定の瞬間において監視された逆EMFレベルを所定の閾値と比較することにより、制御プロセッサ95は、モータが期待速度で動作しているか否かを検出し得る。故に上記制御プロセッサは、動作における障害を検出すると共に、(たとえば作動停止することにより)自動的に応答し、及び/又は、ユーザに対してフィードバックを提供し得る。
【0030】
たとえば、装填カートリッジにおいて必要とされる粘弾性体よりも少ない粘弾性体を収容するカートリッジは、期待されたレベルより大きい逆EMFに帰着し、その場合に制御プロセッサ95はユーザに対して喚起を行い得る。逆に、期待されたレベルよりも逆EMF値が小さいとき、そのことは、詰まりが生じたカートリッジを示唆する。此処でも、上記デバイスの動作は停止され得ると共に、ユーザに対しては適切な警告が提供され得る。当然乍ら、“正常な”動作は、所定の逆EMFレベルの範囲内に収まる。故に、上記プランジャの前方平行移動に対する過剰抵抗を検出すべく、且つ、上記プランジャの平行移動に対する不十分な抵抗を検出すべく、2つの別体的な閾値が使用され得る。(一定の実施形態において、別個の複数の閾値が上記プランジャの逆方向の平行移動に対して適用され得る。)これらの2つの閾値間の差は、通常動作の範囲を定義する。
【0031】
上記で論じられた如く、逆EMFレベルの大きさは、モータの速度に正比例すると共にモータの速度を直接的に監視すべく使用され得ることから、負荷を、すなわち、上記プランジャの平行移動に対する抵抗を、間接的に監視すべく使用され得る。代替的に、上記モータの速度は、所定の時的間隔における逆EMFのゼロ交差の回数をカウントすることで、逆EMFを使用して監視され得る。この手法は、モータの回転を効果的にカウントするものであり;モータと直線的平行移動との間における(上記変速機と、上記各連結機構の螺条とにより定義される)固定関係の故に、所定の時的間隔におけるモータの回転数は速度に正比例する。この評価速度は、上記で論じられたのと同一様式で、所定の閾値と比較されることで、動作における障害が検出され得る。
【0032】
本発明の一定の実施形態において、逆EMFが正方向に向かうゼロ交差点及び負方向に向かうゼロ交差点をカウントすると付加的な利点が提供される、と言うのも、上記プランジャの長手方向位置が常に追尾され得るからである。正味の累積されたゼロ交差点の総数は上記プランジャの直線的平行移動距離と正比例することから、上記デバイス内における上記プランジャの長手方向位置は、較正済み基準点が与えられるだけで、任意の時点で決定され得る。この較正済み基準点は、一定の実施形態においては製造の時点で、又は、他の実施形態においては使用の時点で定義され得る。たとえばユーザは、上記プランジャを完全に縮動させ、次に較正ボタンを押し、上記プランジャに対する“ゼロ”位置を設定することを指示され得る。代替的に、上述方法のいずれかを用いて、上記プランジャの縮動後に“ハード・ストップ”が自動的に検出されることで、上記プランジャの“ゼロ”位置を表し得る。
【0033】
上記プランジャの長手方向位置を監視する本発明の実施形態において、追尾位置情報は、所定時点における逆EMFレベルと共に使用されることで、1つ以上の障害状態を検出し得る。たとえば上記プランジャは、既知の横方向位置の特定範囲に亙ってのみ、上記挿入カートリッジと係合される。その他の場合、たとえば、上記プランジャの先端が上記カートリッジに接近しているとき、該プランジャは殆ど抵抗なしで移動することが期待される。障害を検出すべく使用される単一若しくは複数の閾値は、上記プランジャの横方向位置に依存して変化することで、更に正確な及び/又は更に情報を与える障害検出を提供する。たとえば、上記プランジャの運動に対する不十分な抵抗を検出するための閾値は、横方向位置の所定範囲であって、該範囲に亙り上記プランジャの自由運動が期待される所定範囲に対するゼロ抵抗に対応するレベルに設定され得る。その同一の範囲に亙り、過剰抵抗を検出するための上記閾値は、該プランジャが上記挿入カートリッジに係合し始めるときに期待されるよりも幾分か低い抵抗レベルに対応するレベルに設定され得る。上記プランジャが上記カートリッジに完全に係合される横方向位置に対し、両方の閾値は、更に大きな抵抗レベルに対応すべく調節され得る。
【0034】
同様に上記閾値レベルは、プランジャ移動の方向により、及び/又は、2つ以上の動作モード間で、変更されても良い。たとえば、上述された如く、一定の実施形態においては、着脱式プランジャ先端部の設置に対して別体的な動作モードが定義され得る。この設置モードにおいて、各障害検出閾値は、上記プランジャ・アセンブリの上記プッシュロッドが上記プランジャ先端部に係合するときに期待される抵抗と、上記プランジャ先端部が上記プランジャ先端部用レンチから抜き出されるときに期待される後方抵抗とを考慮すべく、通常の動作モードとは全く異なり得る。
【0035】
本発明の一定の実施形態において、上記で論じられた閾値の1つ以上は、たとえば工場での較正により、事前決定されると共に、制御プロセッサ95における若しくは該プロセッサがアクセス可能なメモリ内に記憶される。(当業者であれば、このメモリは、工場で決定されたパラメータなどを記憶するプログラム・メモリ若しくは別体的メモリから成り得ると共に、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュなどの幾つかの従来のメモリ形式の内の任意の形式から成り得ることを理解し得よう)。一定の実施形態において、動作の間に使用される上記閾値は、上記モータの始動時に決定された“無負荷”逆EMFレベル、又は、対応する“無負荷”回転速度に対して調節され得る。先に簡潔に論じられた如く、このことは、方向の反転毎における短い時間間隔であって、該時間間隔の間において上記IOL導入器の上記駆動システムは上記プランジャと係合されていない短い時間間隔を該駆動システムが有する様に該駆動システムを設計することにより、促進され得る。1つの設計手法は図8Bに示され、上記で論じられた。斯かる実施形態においては、逆EMF若しくは速度に対する“無負荷”レベルが測定され得ると共に、基準レベルを確立すべく使用され得る。この基準レベルは、記憶された閾値レベルをスケール調節し及び/又は変換し、更に正確な操作用閾値を獲得すべく使用され得る。
【0036】
先の考察を念頭に置くと、当業者であれば、図13の処理フローチャートは、上述の機械的構成の内の任意の構成及びその変更例に係る眼内レンズ導入デバイスを制御する方法の好適実施形態を示すことを理解し得よう。また当業者であれば、この特定の処理フローは限定を意図するものでなく、本発明の有効範囲内に収まるこの方法の多くの変更例は、先の考察に鑑みれば明らかであることを理解し得よう。更に、当業者であれば、図13の処理フローは、制御プロセッサ95内の若しくは該プロセッサに関連付けられたプログラム・メモリであって、たとえば、読出専用メモリ(ROM)、プログラマブル読出専用メモリ(PROM)、フラッシュ・メモリ、磁気的若しくは光学的なメモリデバイスなどの種々の従来形式の内の一種類以上の形式から成り得るメモリに記憶されたソフトウェア若しくはファームウェアにおいて実施され得ることを理解し得よう。
【0037】
いずれの場合でも、図13に示された処理フローは、非動作状態におけるIOL導入デバイスから開始する。ブロック210に示された如く、上記デバイスは、上記プランジャ・アセンブリの起動が開始されるべきことを示すユーザ入力をチェックする。このユーザ入力は、上記IOL導入デバイスに対してケーブルにより接続された操作者用コンソールにおけるキー・パッド若しくはタッチスクリーン、又は、ケーブル若しくはコンソールにより上記IOL導入デバイスに対して電気接続された足踏み操作スイッチ、又は、上記IOL導入デバイス自体の本体上の1つ以上のスイッチ若しくはボタンの如き、多数の従来のユーザ入力デバイスの内の任意のものに由来し得る。いずれの場合でも、ブロック220に示された如く、上記プランジャ・アセンブリが移動されるべきことを示すユーザ入力に応じて制御回路は、示された方向における上記プランジャの平行移動を開始する。
【0038】
ブロック230に示された如く、上記プランジャが移動されるにつれ、上記で論じられた技術の内の任意の技術に従い、上記電気モータからの逆EMFが監視される。一定の実施形態において、逆EMFレベルの大きさが監視されると共に、1つ以上の所定の閾値と比較される。他の実施形態においては、所定の時的間隔に対する逆EMFのゼロ交差が、検出かつカウントされてプランジャの速度の表示を獲得すると共に、1つ以上の所定閾値と比較される。ブロック240に示された如く、もし障害状態が検出されたなら、ブロック260に示された如く上記プランジャの移動は即座に中止される。上記で論じられた如く、検出された障害状態は、所定の閾値レベルと比較した場合における上記プランジャの前方若しくは後方移動に対する過剰抵抗、又は、所定の閾値レベルと比較した場合における上記プランジャの前方若しくは後方移動に対する不十分な抵抗に対応し得る。これらの場合のいずれにおいても、障害検出に対する閾値レベルは、先に論じられた如く上記プランジャの追尾済み長手方向位置に従い変更され得る。更に、操作用閾値レベルは、“無負荷”状態において決定された基準抵抗若しくは動作速度に従い調節され得る。
【0039】
一定の実施形態において、検出された障害に応じた上記プランジャの移動停止には、ユーザに対して該障害を表す警報が伴い又は追随する。一定の場合、特定形式の障害(たとえば、“カートリッジ詰まり”、“未積載カートリッジ”など)を示すメッセージが、操作者用コンソール上のグラフィカル・ユーザ・インタフェースを介してユーザに提供され得る。ブロック240にて障害状態が検出されなければ、ブロック250に示された如く、次にユーザ入力のステータスがチェックされる。もしユーザ入力が、プランジャの移動が停止されるべきことを示しているなら、ブロック260に示された如く、次にモータが起動解除され且つ上記プランジャの平行移動が停止される。その他の場合には、ブロック220に示された如くプランジャの平行移動が継続し、且つ、前述の動作は、障害が生ずるまで、又は、プランジャ・アセンブリの移動が停止されるべきことをユーザ入力が表すまで、反復される。
【0040】
図13の処理フローの上記考察において、プランジャの平行移動は、一旦開始されたなら、ユーザ入力が停止を指示するまで、又は、障害状態が検出されるまで、継続することが想定された。当業者であれば、上記プランジャの動作は、いずれかの終端又は両方の終端にて機械的停止部により制限され得ることを理解し得よう。一定の実施形態において、これらの機械的停止部は、上述されたのと同一の障害検出機構により、すなわち、逆EMFレベル及び/又はモータの速度を監視することにより検出され得る。代替的に、一定の実施形態によれば、上述された如くプランジャの長手方向位置を追尾することにより該プランジャが機械的停止部に到達することが阻止されると共に、該プランジャが機械的停止部に到達する前に該プランジャの移動が自動的に停止され得る。
【0041】
眼内レンズ導入デバイス、及び、斯かるデバイスを用いる方法の種々の実施形態に関する先の記述は、例証及び例示の目的で与えられた。当然乍ら、当業者であれば、本発明は、本明細書中に詳細に示された様式以外の様式で、本発明の本質的な特性から逸脱することなく実施され得ることを理解し得よう。故に、現在の各実施形態は全ての見地において、限定的ではなく例示的であると見做されるものであり、且つ、添付の各請求項の意味及び均等範囲に収まる全ての変更は、該意味及び均等範囲内に包含されるべきことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状ハウジングであって、該筒状ハウジングの前端部と後端部との間に延在する主要軸線を有する筒状ハウジングと、
該筒状ハウジング内に長手方向に配設されると共に第1端部及び第2端部を有するプランジャであって、前記第1端部が前記筒状ハウジングの前記前端部に向けて配設されるプランジャと、
前記筒状ハウジング内に配設された電気駆動システムであって、該電気駆動システムが、電気モータを有すると共に前記筒状ハウジングの前記主要軸線に沿う前記プランジャの長手方向平行移動を引き起こすべく構成される電気駆動システムと、
前記筒状ハウジングの前記前端部又はその近傍にあって且つ前記プランジャと整列させて着脱式の挿入カートリッジを収容すべく構成されるカートリッジ取付け部材であって、前記プランジャが前記筒状ハウジングの前記前端部に向けて平行移動されるにつれて、前記挿入カートリッジ内に配設された眼内レンズが該挿入カートリッジから排出されるカートリッジ取付け部材と、
前記電気モータに対して電気接続された制御回路であって、ユーザ入力に応じて前記プランジャの平行移動を開始させ、前記電気モータにより生成された逆起電力に基づいて少なくとも1つの障害状態を検出し、且つ、検出された障害状態に応じて前記プランジャの平行移動を停止させるべく構成される制御回路と、
を具備する眼球の水晶体嚢内に眼内レンズを埋め込むデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの障害状態が、
第1の所定閾値との比較における、前記プランジャの前方平行移動に対する過剰抵抗と、
第2の所定閾値との比較における、前記プランジャの後方平行移動に対する過剰抵抗と、
第3の所定閾値との比較における、前記プランジャの前方平行移動に対する不十分な抵抗と、
から成る集合から選択される1つ以上の障害状態を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記制御回路が、前記逆起電力に基づいて前記電気モータの回転速度を監視すべく、且つ、監視された回転速度を所定閾値と比較することにより前記少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記制御回路が、前記電気モータにより生成された逆起電力に基づいて前記プランジャの長手方向位置を追尾すべく、且つ、前記追尾済み長手方向位置に基づいて前記少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記制御回路が、前記電気モータにより生成された逆起電力を、前記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較することに基づき、前記少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記制御回路が、前記逆起電力に基づいて前記電気モータの回転速度を監視すべく、且つ、監視された回転速度を前記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較することにより前記少なくとも1つの障害状態を検出すべく構成される請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記カートリッジ取付け部材に対して着脱自在に取付け可能な挿入カートリッジであって、前記眼内レンズを収容し得ると共に、前記プランジャが前記筒状ハウジングの前記前端部に向けて平行移動されるときには前記眼内レンズを折畳んで当該デバイスから排出し得る挿入カートリッジを更に具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記プランジャが前記筒状ハウジングの前記前端部に向けて平行移動されるときに、前記眼内レンズに係合する様に前記プランジャの前記第1端部に対して弾性嵌合すべく構成された着脱式プランジャ先端部を更に具備する請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カートリッジ取付け部材に対して着脱自在に取付け可能なプランジャ先端部用レンチであって、前記プランジャが前記筒状ハウジングの前記前端部に向けて平行移動されるときに前記プランジャの前記第1端部に対して弾性嵌合するために前記着脱式プランジャ先端部を収容すべく、且つ、その後に、前記プランジャが前記筒状ハウジングの前記後端部に向けて平行移動されるときに前記着脱式プランジャ先端部を解放すべく構成される、プランジャ先端部用レンチを更に具備する請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記着脱式プランジャ先端部が、該プランジャ先端部が前記挿入カートリッジ内に完全に挿入されたときに該挿入カートリッジ上の対応する戻り止め用特定構造に係合すべく構成された第1の戻り止め用特定構造を備えることから、該着脱式プランジャ先端部がその後、前記プランジャが前記筒状ハウジングの前記後端部に向けて平行移動されるときに該プランジャから取り外される請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
筒状ハウジング内に長手方向に配設されたプランジャと、電気モータを有する電気駆動システムであって、前記筒状ハウジングの主要軸線に沿う前記プランジャの長手方向平行移動を引き起こすべく構成される電気駆動システムとを具備する眼球の水晶体嚢内に眼内レンズを埋め込むデバイスを制御する方法であって、
ユーザ入力に応じて前記プランジャの平行移動を開始する段階と、
前記電気モータにより生成された逆起電力に基づいて少なくとも1つの障害状態を検出する段階と、
検出された障害状態に応じて前記プランジャの平行移動を停止させる段階と、
含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの障害状態は、
第1の所定閾値との比較における、前記プランジャの前方平行移動に対する過剰抵抗と、
第2の所定閾値との比較における、前記プランジャの後方平行移動に対する過剰抵抗と、
第3の所定閾値との比較における、前記プランジャの前方平行移動に対する不十分な抵抗と、
から成る集合から選択される1つ以上の障害状態を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記逆起電力に基づいて前記電気モータの回転速度を監視する段階を更に含み、
前記少なくとも1つの障害状態を検出する段階が、前記監視された回転速度を所定閾値と比較する段階を含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記逆起電力に基づいて前記プランジャの長手方向位置を追尾する段階を更に含み、
前記少なくとも1つの障害状態を検出する段階が、前記追尾済み長手方向位置に基づく請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの障害状態を検出する段階が、前記電気モータにより生成された逆起電力を、前記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較する段階を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記逆起電力に基づいて前記電気モータの回転速度を監視する段階を更に含み、
前記少なくとも1つの障害状態を検出する段階が、前記監視された回転速度を、前記追尾済み長手方向位置と共に変化する閾値と比較する段階を含む請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【公表番号】特表2012−505066(P2012−505066A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532116(P2011−532116)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/057083
【国際公開番号】WO2010/044974
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】