説明

自動暗化フィルターの制御

自動暗化フィルター(ADF)及び溶接トーチなどの関連ツールを、対応する通信ユニットによって制御する。本発明は、ADFが暗状態に到達するまでツールが有効化しないようにするのを助ける。ユニットとADF間の通信チャネルは、ワイヤを用いるかワイヤを用いない媒体を使用して実現させてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明状態から暗状態に変化することのできる自動暗化保護フィルターレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
自動暗化フィルター又はADFは、溶接アークの閃光等の極めて強いレベルの入射光線からの保護を所望する際に、溶接等の応用によく用いられる。典型的なADFとしては、溶接アークの閃光に曝されない場合の明(無色又は透明)状態から、前記閃光に曝される場合の暗(ほぼ不透明)状態にフィルターを変化させる電池式電子制御回路が挙げられる。これによって、溶接機が溶接操作を行えるとともに、保護シールドを外すことなく溶接領域外での作業を行えるようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のADFは、制御電圧の制御下で明状態から暗状態へ変化することのできる液晶材料層を含む。センサが溶接アークの起動を検出するとともに、フィルターレンズに応用した場合に溶接アークを明状態から暗状態に変化させる目的で、対応する制御電圧を生成する。センサが反応する際にはアークはすでにスイッチが入っているので、ADFの切換えは、非常に短時間、例えば数百マイクロ秒未満にしなければならない。明状態及び暗状態間のこの急激又は「厳しい」移行は、特に、典型的な作業日工程を通じて多くの明状態から暗状態への移行が行われる作業条件下では、使用者にとって不快なものとなり得る。
従来のADFのセンサは、他の光源、他の溶接機、電流、又は付近の磁界からの干渉によって悪影響を受け、ADFが溶接アークの不在下で暗状態に入る原因となる。特定の用途、例えば低電流タングステン不活性ガス(TIG)溶接等では、溶接アークからの使用可能信号は比較的弱い。これらのケースでは、検出器はアークの検出に失敗し、溶接アークが存在する場合ですら、ADFが暗状態に入らないと思われる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、自動暗化フィルター(ADF)及び溶接トーチのような関連ツールを提供し、前記ADF及びツールは、対応する通信ユニットによって制御される。本発明は、ADFが暗状態に到達する前にツールが有効化しないようにするのを助ける。ユニットとADFの間の通信チャネルは、有線又は無線媒体を用いて実現させてよい。
【0005】
1つの実施形態では、本発明は、暗状態コマンドメッセージに応じて明状態から暗状態に変化する切換え式フィルター、有効化ツールコマンドに応じてツールに電力を供給する電力制御装置、及び、ツール有効化信号に応じて暗状態コマンドを生成する通信ユニットを備えるシステムに関し、切換え式フィルターはさらに、暗状態に入る際に暗状態認識メッセージを生成し、通信ユニットはさらに、暗状態認識メッセージに応じて有効化ツールコマンドを生成する。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、ツール有効化信号を受信すること、ツール有効化信号に応じて切換え式フィルターの暗状態コマンドメッセージを生成すること、切換え式フィルターから暗状態認識メッセージを受信すること、及び、暗状態認識メッセージに応じて有効化ツールコマンドを生成することを含む方法に関するものである。
別の実施形態では、本発明は、ツール有効化信号を受信すること、ツール有効化信号に応じて切換え式フィルターの暗状態コマンドメッセージを生成すること、暗状態待機時間の経過を待つこと、及び、前記暗状態待機時間の経過後に有効化ツールコマンドを生成することを含む方法に関するものである。
【0007】
本出願で使用する時、「自動暗化フィルター(ADF)」という用語は、回路、及び、溶接等の環境又は過剰に明るい光によって人間の目が損傷する可能性のあるその他の環境において過度の閃光からユーザーの目を保護するように設計されている切換え式フィルター又はレンズなどの保護装置を意味する。「ADFレンズ」という用語は、制御信号に応じて明状態から暗状態に変化することができるフィルターを意味する。
【0008】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を添付の図面及び以下の説明で示す。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明と図面から、また特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、ヘルメット本体又はシェル12、及び、自動暗化フィルター(ADF)14を備える溶接ヘルメット10の1つの例を示している。具体的にいうと、ADF14は、ヘルメットシェル12の中で担持された自動暗化フィルターレンズ20を備える。自動暗化フィルター20は、ヘルメットをユーザーが装着した際に、直接着用者の目の前に来るようにヘルメットシェル12に取り付けてよい。1つの実施形態では、切換え式レンズ20は交換可能である。レンズ20には、長方形(又はその他の形状)のフレーム又はハウジングを搭載してよい。このようなフィルターの例は、米国特許第6,097,451号及び5,825,441号(双方ともホーネル及びパルマー(Hoernell and Palmer)に付与)に記載されている。ヘルメットシェルの例は、例えば、米国特許第6,185,739号、同5,533,206号、同5,191,468号、同5,140,707号、同4,875,235号、及び同4,853,973号に記載されていると思われる。ヘルメット12にはまた、内部へ供給される清浄な空気を搭載してよく、したがって、周囲空気から呼吸領域を分離させるフェイスシールを搭載してよい。そのようなフェイスシールの例は、米国特許出願第10/987,512号、同10/987,641号、同10/988,789号、同29/217,155号、同29/217,153号、同29/217,154号、同29/217,107号、及び、同29/217,156号に示されている。
【0010】
図2は、ADF14、ツール50、電力制御装置30、及び、通信ユニット40を備えるADFシステムのブロック図を示す。ADF14は、明状態から暗状態に変化することができる切換え式フィルターレンズ20を備える。切換え式フィルターレンズ20の制御は、接続24を介してフィルター制御電子装置22によって実現される。1つの実施形態では、切換え式フィルターレンズ20は、例えば、UV/IRフィルター、偏光子、及び液晶要素など、いくつかの異なる層の積層体にしてよい。別の実施形態では、切換え式フィルターレンズ20は、電子色差フィルターを使用して構築してよい。切換え式フィルターレンズ20は、制御信号に応じて暗化するシャッターとして機能し、レンズを暗くし、それによって、溶接トーチの動作によって作成される溶接アークの閃光など、ツール50の動作による有害な閃光からユーザーの目を保護する。好適な切換え式フィルターの例は、米国特許第6,097,451号及び同5,825,441号、並びに、2005年3月9日に出願されたマグナソン(Magnusson)他に対する同時係属及び同一出願人による米国特許出願第11/076,081号に記載されている。
【0011】
ツール50としては、例えば、溶接トーチ、又は、その他のタイプの機械ツール又は電動ツールが挙げられるだろう。ツール50は、多くの異なる産業、例えば、木工ツール、配管ツール、又は他の業界の機械ツールで用いるいずれかの種類の動力又は機械ツールにしてよく、本発明ではこの点については限定しないことを理解すべきである。しかしながら、説明のために、本発明は溶接トーチのような溶接産業で用いられるツールに応用するものとして記載する。電力制御装置30には、エネルギーをツール50に供給するために必要な必要電力制御電子装置が備わっている。
【0012】
本発明は、ADF14と通信ユニット40の間にプロトコルを提供し、ADF14が暗状態に入るまでツール50が有効化しないようにする。単向性又は双向性のいずれでもよい通信チャネル32は、ADF14及び通信ユニット40の間の通信を実現させる。図2は、無線通信チャネルとしての通信チャネル32を示しているが、この通信チャネル32は、有線接続を介して実現させてもよい。無線通信は、赤外線通信、高周波(RF)通信、音響通信、又はその後開発された技術によるいずれかの好適なものなど、多くの既知の無線通信法のいずれかを使用して実現させてよい。コマンドライン(42、44及び46)は、通信ユニット40、電力制御装置30、及びツール50の間の通信を可能にする。
【0013】
通信ユニット40とADF14の間に伝えられるメッセージは、レンズ20が明状態から暗状態(逆もまた同様)への移行を制御するために使用される。これらのメッセージはまたツール50の有効化を制御する。このようにして、システムはツール50の有効化が可能となるまで、レンズ20が暗状態であるようにする。溶接環境では、例えば、ツール50が溶接トーチである場合、通信ユニット40は、電力制御装置30が溶接アークの点火を可能にするまで、レンズ20が暗状態にあるようにする。通信ユニット40は、図2では個別の構成要素として示されているが、通信ユニットの機能は、ツール50内、ケーブル接続ツール50と電力制御装置30の間、電力制御装置30内、又はシステムを使用する際の特定の用途及び環境に左右されるその他の好適な位置に配置してもよい。
【0014】
通信ユニット40からの状態変更コマンド、及びADF14からの状態認識に加えて、通信チャネル32を通じて、ADF14とツール制御装置60の間に伝えられるメッセージには、他の情報を含んでもよい。例えば、システムによって、各ADFを、通信チャネル32で送信されるメッセージ内に組み込まれている特有の識別コードを介して唯一のツールと関連付けるようにしてよい。そのために、各ADFは、暗状態コマンドメッセージで送信される少なくとも1つの特有の識別コードを介して、1つのツール50と独自に関連付けてよい。ADF20とツール50及び/又は通信ユニット40の間の特有の関連付けは、他の光源、電流、又は磁界からの干渉がADFの動作に影響をもたらさず、不適切な暗化又は明化を引き起こさないようにすることを助ける。
【0015】
ツール50には、ユーザーがツール50の開始及び停止を制御する少なくとも1つのスイッチを含むことができる。溶接環境では、例えば、溶接機では、溶接トーチ上に配置されている1つ以上のスイッチを押すか又は離すかすることによって、溶接アークの開始及び停止を制御する。スイッチ52としては、例えば、押しボタン、トリガー、ユーザーが作動させるその他のスイッチ、又はこれらのいくつかの組み合わせが挙げられ得る。
【0016】
有効化又は無効化(例えば、押す又は離す)のいずれかスイッチ52の作動は、結果としてツール有効化信号を生成する。本明細書で使用する時、「ツール有効化信号」という用語は、ツールの有効化、ツールの無効化、又はツールの電力供給量(例えば、ツールの速度、トルク、又は強度の調節)の調節を目的とするかどうかにかかわらず、スイッチ52の任意の作動を指す。
【0017】
スイッチ52の作動に起因するツール有効化信号は、接続46を介して通信ユニット40が受信する。このツール有効化信号に応じて、通信ユニット40は、通信チャネル32を介してADF14と通信し、ADFレンズを固有状態に変更させ、それに応じて電力制御装置30が作動できるようにする。このようにして、ADFシステムは、ADF20が暗状態に入るまでツール50を有効化させないようにし、ユーザーの目を保護するようにする。
【0018】
システムは、特定の状況では、信頼性の向上ももたらすと思われる。例えば、各ADFは、通信チャネル32を介して送信されるメッセージ内に組み込まれた特有の識別コードを介して特定のツール制御装置と関連付けるようにしてよい。この構成は、周辺の他の溶接機が特定のADFの作動に影響を及ぼさないようにする。他の光源、電流、又は磁界からの干渉は、ADFの作動に影響しない。さらに、システムがフォトダイオードの弱信号ではなくコマンドメッセージを利用して溶接アークの起動を検出する場合、低電流TIG溶接の検出は、より信頼性が高くなる可能性がある。
【0019】
図3A及び3Bは、ADFの単方向制御を説明するフローチャートである。これらのチャートでは、図内の識別番号とともに、括弧で示したプロセス工程について記載されている。本文中で用いた識別番号で、括弧書きされていないものは、図1及び2に示した構造部を指す。図3A及び3Bは、双方とも明状態から暗状態への移行(100)を制御する通信ユニット40によって実行される工程、及び暗状態から明状態への移行(120)を制御する通信ユニット40によって実行される工程を示している。明状態から暗状態への移行(100)の制御は、通信ユニット40がツール50からの有効化信号を受信する(102)際に開始する。ツール有効化信号は、例えば、ツール50に配置されているスイッチ52の1つの作動など、ユーザーが生成するものにしてよい。このツール有効化信号に応じて、通信ユニット40は暗状態コマンドメッセージを生成する(104)。暗状態コマンドメッセージとしては、例えば、暗状態に入るようにADFに命令するコマンド、並びに、暗状態コマンドを指令された通信ユニット40及びそれに関連したADF20を識別する特有の識別コードが挙げられる。
【0020】
暗状態コマンドメッセージの生成後、通信ユニット40は、ADFレンズ20が暗状態に入るのが可能となるのに十分な所定時間(暗状態待機時間)待機する(106)。暗状態待機時間は1秒未満であってよく、さらには、例えば1ミリ秒〜900ミリ秒であってよい。暗状態待機時間の経過後、通信ユニット40は、有効化ツールコマンドを電力制御装置30に送信する(108)。1つの実施形態では、通信ユニット40は、暗状態待機時間中に暗状態コマンドメッセージを1回以上繰り返してよい。最初の暗状態コマンドメッセージが正確に受信されなかった場合、レンズ20は適切に受信されるために他の機会を得て、暗状態コマンドメッセージが再送信される際にコマンドに応答する。待機中の各再送信は、メッセージの受信成功に関して確率が向上する。
【0021】
暗状態から明状態への移行制御(120)は、通信ユニット40がツール50からの無効化信号を受信する(122)際に開始する。このツール無効化信号は、例えば、ツール50上に配置されるスイッチ52のうちの1つの作動(押しボタンを押す、押しボタン又はトリガーを離す等)など、ユーザーの生成によるものでよい。このツール無効化に応じて、通信ユニット40は無効化ツールコマンドを電力制御装置30に送信する(124)。
【0022】
無効化ツールコマンドの送信後、通信ユニット40は、電力制御装置30がツール50を無効化するのに十分な所定時間(無効化ツール待機時間)待機する(126)。無効化ツール待機時間は、典型的には1秒未満であってよく、例えば、1ミリ秒〜900ミリ秒であってよい。無効化ツール待機時間の経過後、通信ユニット40は、明状態コマンドメッセージを生成し、ADF14に送信する(128)。さらに、明状態コマンドメッセージとしては、明状態に入るようにADFに命令するコマンド、並びに暗状態コマンドを指令された通信ユニット40及びそれに関連したレンズ20を識別する特有の識別コードが挙げられる。この明状態コマンドは、ADFレンズ20を暗状態から明状態に移行させる。
【0023】
図4A及び4Bは、明状態から暗状態に移行する際のADFレンズの双方向制御を説明するフローチャートである。図4Aは、通信ユニット40が続く工程(150)を示し、図4Bは双方向ハンドシェイキングプロトコル中のADF20が続く工程(160)を示している。ツール有効化信号の受信(152)に応じて、通信ユニット40は暗状態コマンドメッセージを生成し、通信チャネル32を介して送信する(154)。通信ユニット40は、通信チャネル32を介してADF14からの暗状態認識メッセージを受信し(156)、ADFレンズ20が明状態から暗状態への移行を完了したことを示す。ADF14からの暗状態認識メッセージに応じて、通信ユニット40は有効化ツールコマンドを電力制御機30に送信し、それによってツール50に電力が供給される。
【0024】
プロトコルのADF14側(160)において、暗状態コマンドメッセージの受信(162)時に、フィルター制御機22は対応する制御電圧を切換式フィルター26に供給し、フィルターは暗状態に入る(164)。レンズ20が暗状態への移行を完了する際、レンズ20は通信チャネル32を介して暗状態認識メッセージを送信する(166)。上述のように、暗状態コマンドメッセージ及び暗状態認識メッセージとしては、レンズ20及び通信ユニット40を独自に関連付けている特有の識別コード、並びに暗状態コマンド及び暗状態認識が挙げられる。
【0025】
図5A及び5Bは、暗状態から明状態のADF14の移行の双方向制御を説明するフローチャートである。図5Aは、通信ユニット40が続く工程(170)を示し、図5Bは双方向ハンドシェイキングプロトコル中のAD20が続く工程(180)を示している。ツール無効化信号の受信(172)に応じて、通信ユニット40は無効化ツールコマンドを生成し、電力制御装置30に送信する(174)。次に、通信ユニット40は、ツール50が無効化し(176)、ツール50から電力が除去されたことが示されるまで待機する。ツールが無効化した際(176)、通信ユニット40は、明状態コマンドメッセージを生成し、通信チャネル32を介して送信する(178)。プロトコルのADF14側(180)で、明状態コマンドメッセージの受信(182)時に、フィルター制御機22は適切な制御電圧を切換式フィルター26に供給し、フィルターは明状態に移行する(184)。
【0026】
このようにして、ADF14及び通信ユニット40は連動して、ADFレンズ20が暗状態に入る前にツール50が有効化しないようにする。ADF及び通信ユニットは、特有の識別コードを介して互いに独自に関連付けてよく、本発明は、ADFの作動が、周囲の他のツール又は他の光源、電流、又は磁界からの干渉によって影響を受けないようにすることを助けると思われる。
【0027】
本明細書に記載のADFシステムは、ADF14の切換え時間の信頼性の向上及び要求の緩和をもたらすと思われる。例えば、ADFレンズ20は、さらにゆっくりと暗状態に入ると思われる。暗状態が得られるまでツールは有効化しないので、ツールの有効化は任意時間(一般的に1ミリ秒〜99ミリ秒等の数ミリ秒)遅れ、レンズが暗化を完了するのに十分な時間をかけることを可能とする。これは、明状態から暗状態への「穏やかな」変化が利用可能なことを意味する。明状態から暗状態への円滑な移行は、急激な変化よりもユーザーの目にとって心地良いものである。また、電子色差技術などの緩慢化技術を切換え式フィルターに使用してよい。電子式差技術によって得られる利点としては、「より明るい」明状態、良好な光特性における可能性、及びより低価であることが挙げられる。
【0028】
本発明はまた、溶接アークが存在しない場合であっても、ADFが暗状態に入る原因となる他の光源、付近の他の溶接機、電流、又は磁界からの干渉によって悪影響を受けないようにすることを助けると思われる。さらに、暗状態への移行は、ユーザーが保護されるべき溶接アーク又は他の入射光線源の感知に依存しない。つまり、溶接アーク信号が弱いような場合、暗状態に入らない危険が低減又は消失する。したがって、本発明は、多岐にわたる状況及び環境において、ADFがユーザーに適切な保護機能を提供するのを助ける。
【0029】
発明の背景の項目における引用も含め、上で引用した全ての特許及び特許出願は、それぞれの全体が本文書に参照として組み込まれる。
【0030】
本発明の様々な実施形態を記載してきた。例えば、記載してきたADF及び関連ツールを備えるシステムは、ADFが暗状態に到達するまでツールが有効化しないようにする。しかし、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本明細書に記載のシステムに対して様々な変更を行ってもよい。例えば、主に溶接に関して記載しているが、本発明は多岐にわたる他のシステム又は技術分野で広く用いてよい。上記及び他の実施形態は、特許請求の範囲の開示内にある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による切換え式フィルターレンズ20を有する自動暗化フィルター(ADF)14を備える溶接ヘルメット10の斜視図。
【図2】本発明による対応通信ユニット40によって制御されるADF14及び関連ツール50を内部に備えるADFシステムのブロック図。
【図3A】本発明によるADFの単向性制御を説明するフローチャート。
【図3B】本発明によるADFの単向性制御を説明するフローチャート。
【図4A】本発明によるADFが暗状態に入る際の双向性制御を説明するフローチャート。
【図4B】本発明によるADFが暗状態に入る際の双向性制御を説明するフローチャート。
【図5A】本発明によるADFが明状態に入る際の双向性制御を説明するフローチャート。
【図5B】本発明によるADFが明状態に入る際の双向性制御を説明するフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗状態コマンドメッセージに応じて明状態から暗状態に変化する切換え式フィルター、
有効化ツールコマンドに応じてツールに電力を供給する電力制御装置、及び、
ツール有効化シグナルに応じて暗状態コマンドメッセージを生成する通信ユニット
を備えているシステムであって、
前記切換え式フィルターがさらに、暗状態に入る際に暗状態認識メッセージを生成し、
前記通信ユニットがさらに、前記暗状態認識メッセージに応じて有効化ツールコマンドを生成するシステム。
【請求項2】
さらに、前記通信ユニットが、無線通信チャネルを介して前記暗状態コマンドメッセージを送信するとともに、前記暗状態認識メッセージを受信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ツールに溶接トーチを備える請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記切換え式フィルターを安全ヘルメット内に配置する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記暗状態コマンドメッセージに、暗状態コマンド及び特有の識別コードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記暗状態認識メッセージに、暗状態認識及び特有の識別コードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記切換え式フィルターが、前記暗状態コマンドメッセージで送信する少なくとも1つの特有の識別コードを介して前記通信ユニットと独自に関連付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記切換え式フィルターが、前記暗状態コマンドメッセージで受信した特有の識別コードを検出する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ツール有効化シグナルをユーザーが作動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
暗状態コマンドメッセージに応じて明状態から暗状態に変化する切換え式フィルター、
有効化ツールコマンドに応じてツールに電力を供給する電力制御装置、及び、
ツール有効化シグナルに応じて暗状態コマンドメッセージを生成するとともに、暗状態待機時間の経過後に前記有効化ツールコマンドを生成する通信ユニット
を備えるシステム。
【請求項11】
前記暗状態待機時間が1ミリ秒〜900ミリ秒である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
ツール有効化シグナルを受信すること、
前記ツール有効化シグナルに応じて切換え式フィルターの暗状態コマンドメッセージを生成すること、
前記切換え式フィルターから暗状態認識メッセージを受信すること、及び、
前記暗状態認識に応じて有効化ツールコマンドを生成すること
を含む方法。
【請求項13】
さらに、
ツール無効化シグナルを受信すること、
前記ツール無効化シグナルに応じて無効化ツールコマンドを生成すること、及び、
前記ツールを無効化する際、切換え式フィルターの明状態コマンドメッセージを生成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記暗状態認識メッセージに特有の識別コードを含み、前記方法にさらに、前記特有の識別コードが承認済み識別コードと適合する場合にのみ、有効化ツールコマンドを生成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ツール有効化シグナルを受信すること、
前記ツール有効化シグナルに応じて切換え式フィルターの暗状態コマンドメッセージを生成すること、
暗状態待機時間が経過するまで待機すること、及び、
前記暗状態待機時間の経過後に有効化ツールコマンドを生成すること
を含む方法。
【請求項16】
さらに、
ツール無効化シグナルを受信すること、
前記ツール無効化シグナルに応じて無効化ツールコマンドを生成すること、及び、
前記ツールを無効化する際、切換え式フィルターの明状態コマンドメッセージを生成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
自動暗化フィルター(ADF)であって、
保護ヘルメットを備え、
前記ヘルメットに内蔵されている切換え式フィルターが、暗状態コマンドメッセージに応じて、明状態から暗状態に変化し、暗状態に入る際に暗状態認識メッセージを生成する、自動暗化フィルター(ADF)。
【請求項18】
前記切換え式フィルターがさらに、明状態コマンドメッセージに応じて暗状態から明状態に変化する請求項17に記載のADF。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2009−511179(P2009−511179A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535622(P2008−535622)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/039545
【国際公開番号】WO2007/047264
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)