説明

自動書庫システム及び文書管理装置

【課題】 法律などによりその保存期間が定められている領収書等の取引証票を収容する自動書庫システムを提供する。
【解決手段】
自動書庫システム1は、自動書庫2に、領収書の貼付された経理処理申請書を収容する。また、経理処理申請書の画像データを文書管理装置3が記憶する。自動書庫システム1は、金額が3万円未満であり、且つ社内規定による保存期限である1年を過ぎたという廃棄条件に合致する経理処理申請書と、廃棄条件に合致しない経理処理申請書とを自動的に仕分け、廃棄条件に合致する経理処理申請書を廃棄用コンテナに収集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動書庫システム及び文書管理装置に関し、特に法律などによりその保存期間が定められている領収書等の取引証票を収容する自動書庫システム及びこれに使用される文書管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
領収書等の現金の収受、払出し、預貯金の預入れ、引出しに際して作成された取引証憑書類(以下、取引証票という。)は、税法上、7年間保存しなければならないと定められている(所得税法施行規則第63条、法人税法施行規則第59条、第67条。)。このため、領収書は整理して保存され、通常法定の保存期間である7年経過後廃棄される。
【0003】
また、2004年には電子帳簿保存法が改正され、国税関係帳簿書類(国税関係帳簿(国税に関する法律の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿で、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律に規定する帳簿以外のもの)及び国税関係書類(国税に関する法律の規定により保存をしなければならないとされている書類)のうち、一定の要件を満たすもの(記載された金額が3万円未満の契約書及び領収書等)については、原紙の保存に代えてスキャナを使用して作成した電子データにより保存することが可能となった。また、このような電子帳簿保存法に対応した種々の文書管理システムが開発されている。例えば、特許文献1には、領収書又は申込書等をスキャナで作成した電子化文書の二重スキャン検査を実行する電子化文書保管システムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−330863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、取引証票をスキャナで電子化し、その電子データのみを保存するようにすれば、紙文書の保管スペース及びコストを削減できる。しかしながら、取引証票の電子データを作成すると共にその紙文書を廃棄してしまうと、その電子データを保存しているハードディスクなどの記録媒体の故障又は破損が発生した場合に、保存すべき取引証票が失われてしまい、電子データを再度作成することもできない。オペレータの操作ミスで電子データが削除されてしまった場合も同様の不都合が生じる。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる自動書庫システム及び文書管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の自動書庫システムは、法定保存期限が定められた取引証票を収容するための自動書庫システムであって、取引証票の画像を記憶する画像記憶部と、取引証票を特定するための取引証票特定情報を少なくとも記憶するICタグが取り付けられた取引証票を収容するためのコンテナと、前記コンテナを複数設置可能な棚状の書庫と、前記書庫に対してコンテナを出し入れする搬送部と、前記搬送部によって前記書庫から搬送されたコンテナに収容されている取引証票のICタグから情報を読み出すICタグリーダと、前記ICタグリーダによって読み出された取引証票特定情報によって特定される取引証票が、法定保存期限より短い設定保存期限を過ぎていることを含む廃棄条件に合致するものであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果にしたがって、前記廃棄条件に合致する取引証票と前記廃棄条件に合致しない取引証票とを仕分け、前記廃棄条件に合致する取引証票をまとめて特定の廃棄対象収集コンテナに収集する仕分け部と、取引証票を特定するための取引証票特定情報と、取引証票が収容されているコンテナを特定するためのコンテナ特定情報とを対応づけて記憶している証票情報記憶部と、前記仕分け部が取引証票を仕分けた結果に応じて、前記証票情報記憶部に記憶されている取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を更新する情報更新手段とを備える。
【0007】
この態様において、前記証票情報記憶部には、取引証票特定情報に対応づけられて設定保存期限に関する情報が記憶されており、前記証票情報記憶部に記憶されている設定保存期限に関する情報に基づいて、各取引証票が前記廃棄条件に合致するか否かを判定し、前記証票情報記憶部から前記廃棄条件に合致する取引証票を特定する取引証票特定情報を検索する検索手段をさらに備え、前記判定手段は、前記ICタグリーダによって読み出された取引証票特定情報が、前記検索手段によって検索された取引証票特定情報に合致するか否かを判定することにより、前記ICタグリーダによって読み出された取引証票特定情報によって特定される取引証票が、前記廃棄条件に合致するものであるか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0008】
また、この態様において、前記証票情報記憶部には、前記設定保存期限に関する情報として、その取引証票が発行された発行日が記憶されており、前記検索手段は、前記証票情報記憶部に記憶された発行日に基づいて、その取引証票の設定保存期限を算出し、算出された設定保存期限と現在の日付とを比較して、設定保存期限が過ぎているか否かを判定することによって、その取引証票が前記廃棄条件に合致するか否かを判定する構成とすることもできる。
【0009】
また、上記自動書庫システムにおいては、前記取引証票が領収書であり、前記証票情報記憶部には、その領収書の金額がさらに記憶されており、前記検索手段が、前記証票情報記憶部に記憶された金額及び発行日に基づいて、所定金額未満であり、且つ設定保存期限が過ぎているか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0010】
また、上記自動書庫システムにおいては、前記検索手段が、前記証票情報記憶部に記憶された発行日に基づいて、法定保存期限が過ぎているか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0011】
また、上記自動書庫システムにおいては、前記検索手段が、前記証票情報記憶部に記憶された発行日から保存期限の起算日を求め、前記起算日から保存期間後の保存期限を算出するように構成されていてもよい。
【0012】
また、上記自動書庫システムにおいては、前記証票情報記憶部に記憶されている前記取引証票特定情報、前記コンテナ特定情報、及び前記設定保存期限に関する情報に基づいて、収容する取引証票全体に対して廃棄条件に合致する取引証票が所定以上の割合で含まれているコンテナのコンテナ特定情報を取得し、取得されたコンテナ特定情報を含む仕分け指示データを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された仕分け指示データに含まれるコンテナ特定情報によって特定されるコンテナを前記書庫から出庫するように前記搬送部を制御し、且つ、前記搬送部によって出庫されたコンテナに収容されている取引証票の仕分け処理を実行するように前記仕分け部を制御する制御部とをさらに備える構成とすることもできる。
【0013】
また、上記自動書庫システムにおいては、前記仕分け部が取引証票を仕分けた結果、前記廃棄対象収集コンテナに収集された取引証票の取引証票特定情報を含む仕分け結果情報を生成する仕分け結果情報生成手段をさらに設け、前記情報更新手段を、前記仕分け結果情報生成手段によって生成された仕分け結果情報に含まれる取引証票特定情報と同一の取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を前記証票情報記憶部から検索し、検索された前記証票情報記憶部に記憶されているコンテナ特定情報を、前記廃棄対象収集コンテナを特定するコンテナ特定情報に変更するように構成することもできる。
【0014】
また、上記自動書庫システムにおいては、前記ICタグリーダが、前記仕分け部による取引証票の仕分け処理の後に、廃棄対象収集コンテナに収容されている取引証票のICタグから情報を読み出し、前記ICタグリーダによって読み出された情報に基づいて、前記廃棄対象収集コンテナに収容された取引証票が、設定保存期限を過ぎているものであるか否かを判定することにより、前記廃棄対象収集コンテナに収容された取引証票に、設定保存期限を過ぎていないものが含まれているか否かを確認する確認手段をさらに備える構成とすることもできる。
【0015】
また、上記自動書庫システムにおいては、取引証票が廃棄される際に、廃棄される取引証票を特定する取引証票特定情報の入力を受け付ける入力受付手段をさらに備え、前記情報更新手段が、前記入力受付手段によって取引証票特定情報の入力が受け付けられたときに、前記画像記憶部に記憶されたその取引証票の画像を残して、入力された取引証票特定情報及び当該取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を前記証票情報記憶部から消去するように構成されていてもよい。
【0016】
また、本発明の一の態様の文書管理装置は、法定保存期限が定められた取引証票を収容するためのコンテナと、前記コンテナを複数設置可能な棚状の書庫とを備える自動書庫に収容された取引証票を管理するための文書管理装置であって、取引証票を特定するための取引証票特定情報と、取引証票が収容されているコンテナを特定するためのコンテナ特定情報と、前記法定保存期限より短い設定保存期限に関する情報とを対応づけて記憶する証票情報記憶部と、取引証票の画像を記憶する画像記憶部と、前記証票情報記憶部に記憶されている前記取引証票特定情報、前記コンテナ特定情報、及び前記設定保存期限に関する情報に基づいて、収容している取引証票に、設定保存期限を過ぎていることを含む廃棄条件に合致する取引証票が含まれているコンテナのコンテナ特定情報を取得し、取得されたコンテナ特定情報を含む仕分け指示データを生成する生成手段と、前記廃棄条件に合致する取引証票と前記廃棄条件に合致しない取引証票とを仕分けて、前記廃棄条件に合致する取引証票をまとめて特定の廃棄対象収集コンテナに収集する仕分け処理を前記自動書庫へ指示するために、前記生成手段によって生成された仕分け指示データを前記自動書庫へ送信する送信手段と、前記自動書庫が前記仕分け処理を実行した後に、前記廃棄対象収集コンテナに収集された取引証票の取引証票特定情報を含む仕分け結果情報を生成したときに、前記自動書庫から前記仕分け結果情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した仕分け結果情報に含まれる取引証票特定情報と同一の取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を前記証票情報記憶部から検索し、検索された前記証票情報記憶部に記憶されているコンテナ特定情報を、前記廃棄対象収集コンテナを特定するコンテナ特定情報に変更する情報更新手段とを備える。
【0017】
上記文書管理装置においては、前記生成手段が、前記証票情報記憶部に記憶されている前記取引証票特定情報、前記コンテナ特定情報、及び前記設定保存期限に関する情報に基づいて、収容する取引証票全体に対して廃棄条件に合致する取引証票が所定以上の割合で含まれているコンテナのコンテナ特定情報を取得し、取得されたコンテナ特定情報を含む仕分け指示データを生成するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る自動書庫システム及び文書管理装置によれば、記憶装置の故障又は操作者の入力ミスなどにより、画像データが失われた場合でも、取引証票の紙文書が失われることを防止し、且つ取引証票の保管スペース及びコストを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1に係る自動書庫システムでは、紙文書である領収書を自動書庫で保存すると共に、その領収書をスキャナで読み取って作成した画像データを記憶装置に記憶し、取引証票を二重に保存する。これにより、万一記憶装置の故障又は作業者の操作ミスにより画像データが失われてしまった場合でも、自動書庫に領収書が保存されているため法令を遵守することが可能である。また、電子データでの保存が可能な3万円未満の領収書については、紙文書の保存期間を1年間とし、その保存期限を過ぎた領収書は廃棄することとしている。これにより、金額が3万円未満の領収書については、比較的その領収書が必要になることが多い当初の1年間だけ紙文書と電子データで二重に保存されるため、自動書庫のスペース及び保管コストを抑えることが可能となると共に、保存すべき領収書が完全に失われてしまうことを防止し、確実な法令の遵守を達成することができる。
【0020】
図1は、実施の形態1に係る自動書庫システムの全体構成を示す模式図である。本実施の形態1の自動書庫システムは、企業の本社施設に設置され、経費に関する領収書を収容するためのものである。図1に示すように、自動書庫システム1は、自動書庫2と、文書管理装置3とを備えている。自動書庫2は、領収書が入れられたコンテナを収容する棚状の書庫21、書庫21に対してコンテナの入庫及び出庫を行うスタッカクレーン22、スタッカクレーン22によって出庫されたコンテナを搬送する搬送装置23,24,25、作業者が領収書を出し入れする出納ステーション26、自動書庫2から出庫されたコンテナ内の領収書を仕分ける仕分け装置27、及び各部を制御する制御装置28を有している。文書管理装置3は、領収書を管理するためのものであり、前記領収書に関する各種情報を記憶するデータベースを有している。また、文書管理装置3は、制御装置28とLANである通信ネットワーク4を介して接続されており、自動書庫2における領収書の入出庫動作に連携して、前記データベースの伝票に関する各種情報を更新するようになっている。
【0021】
書庫21は、複数のコンテナを収容することが可能である。図2は、コンテナの外観を示す斜視図である。コンテナ5は、上部が解放された箱状をなしており、領収書が貼付された経理処理申請書6を収容可能である。コンテナ5の一側面は底面にヒンジを介して取り付けられた開閉部51となっており、開閉可能である。この開閉部51が開いた状態で、収容された経理処理申請書6が押し出されることによって、コンテナ5から全ての経理処理申請書6を取り出すことが可能である。図3は、経理処理申請書6の一例を示す図である。図3に示すように、経理処理申請書6には、属性情報欄61と、検印欄62と、支払い情報欄63と、領収書添付欄64とが設けられている。属性情報欄61には、申請番号と、社員情報(社員番号及び社員氏名)と、部署情報(部署コード及び部署名)と、役職名とが記載される。申請番号は、社員が経費精算の申請を行う際に付される番号である。検印欄62は、経理担当者が当該経理処理申請書を精査した際に押印する欄である。支払い情報欄63には、支払いの内訳をリスト形式で記載する欄であり、リストの行番号、立替日、品目名、勘定科目、個数、税込み金額、明細備考の各項目が含まれている。また最終行には合計金額が記載される。領収書添付欄64には、支払い情報欄63に記載された支払い情報に対応する領収書65が貼付される。また、経理処理申請書6には、ICタグ7が貼付されている。ICタグ7は、小型の電子回路であるICチップによって構成されており、情報を記憶可能である。ICタグ7には、このICタグを特定するICタグIDが記憶されている。ICタグ7に搭載されるICチップは、読み書き可能なメモリ部と、後述するICタグリーダとの間で無線通信が可能なアンテナ部とを備えており、電池を内蔵せず、アンテナ部によってICタグリーダから受信した電波を電力に変換して駆動するタイプのものである。
【0022】
スタッカクレーン22は、書庫21の間に形成された通路を移動可能であり、書庫21に対してコンテナ5を出し入れすることが可能である。搬送装置23は、スタッカクレーン22との間でコンテナ5の授受を行う台車であり、床面に設けられた通路に沿って走行することによりコンテナ5を搬送する。搬送装置24及び25は、ベルトコンベヤであり、搬送装置23との間でコンテナ5の授受を行うことが可能である。搬送装置24は出納ステーション26につながっており、この搬送装置24によって出納ステーション26へのコンテナ5の搬入、及び出納ステーション26からのコンテナ5の搬出が行われる。また、搬送装置25は仕分け装置27につながっており、この搬送装置24によって仕分け装置27へのコンテナ5の搬入、及び仕分け装置27からのコンテナ5の搬出が行われる。
【0023】
出納ステーション26には、作業者の入出庫作業に用いられる作業用カウンタ、作業者がデータの入力及びデータベースの閲覧等に使用する端末装置30、領収書の画像を取り込むためのスキャナ、ICタグを発行するICタグ発行装置、ICタグリーダ、領収書の廃棄に用いられるシュレッダー等が設けられている。端末装置はコンピュータであり、キーボード及びマウスの入力装置とディスプレイ装置とが設けられている。また、端末装置にはスキャナ及びICタグリーダが接続されている。かかる端末装置は、通信ネットワーク4によってデータ通信可能に文書管理装置3に接続されており、内蔵するハードディスクに記録されたデータベース操作プログラムをCPUが実行することによって、文書管理装置3のデータベースへのデータの登録、変更、及び削除並びにデータベース中のデータを取得してディスプレイ装置に表示させることが可能である。また、出納ステーション26には、前述した制御装置28が設けられている。
【0024】
図4は、仕分け装置の構成を示すブロック図である。仕分け装置27は、搬入搬出部27aと、ホッパ27bと、分離部27cと、ICタグリーダ27dと、経理処理申請書を分類する分類部27eと、上記の各部を制御する制御部27fとを備えている。搬入搬出部27aは、搬送装置25から経理処理申請書を収容したコンテナ5と空の廃棄対象収集コンテナ5aとを受け入れ、コンテナ5の開閉部51を開き、立てられた各経理処理申請書を水平状態にして、コンテナ5から押し出すことが可能である。コンテナ5は、開閉部51がホッパ27bに臨むように配置され、経理処理申請書がコンテナ5から押し出されることによりホッパ27bにセットされる。ホッパ27bにセットされた経理処理申請書は分離部27cに供給され、分離部27cにおいて一枚ずつに分離される。分離部27cで経理処理申請書が一枚ずつに分離された後、経理処理申請書に付されたICタグからICタグIDがICタグリーダ27dによって読み出される。そして制御部27fによりICタグIDが仕分け対象として与えられたICタグIDと合致するか否かが判断される。ICタグIDが仕分け対象のICタグIDに合致する経理処理申請書と合致しない経理処理申請書とが分類部27eにより分類され、ICタグIDが仕分け対象のICタグIDに合致する経理処理申請書が搬入搬出部27aの廃棄対象収集コンテナ5aに、ICタグIDが仕分け対象のICタグIDに合致しない経理処理申請書が搬入搬出部27aのコンテナ5にそれぞれ立てられた状態で収容される。その後、コンテナ5及び廃棄対象コンテナ5aが搬送装置25によって搬送され、書庫21に入庫される。制御部27fは、CPU、ROM、RAM、通信インタフェース等を備えており(図示せず)、ROMに記憶されている制御用プログラムにしたがって、仕分け装置27の各部を制御するようになっている。
【0025】
次に制御装置28の構成について説明する。図5は、制御装置28の構成を示すブロック図である。図に示すように、制御装置28は、CPU28a、ROM28b、RAM28c、ハードディスク28d及び通信インタフェース28eを備えており、CPU28a、ROM28b、RAM28c、ハードディスク28d及び通信インタフェース28eは、バス28fによって接続されている。
【0026】
CPU28aは、ROM28bに記憶されているコンピュータプログラム及びハードディスク28eに記憶されている制御プログラム28gを実行することが可能である。そして、制御プログラム28gを当該CPU28aが実行することにより、制御装置28は後述するような動作を実行する。
【0027】
ROM28bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、当該ROM28bにはCPU28aによって実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
【0028】
RAM28cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM28cは、ハードディスク28dに記録されている制御プログラム28gの読み出しに用いられる。また、CPU28aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU28aの作業領域として利用される。
【0029】
ハードディスク28dは、CPU28aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。制御プログラム28gも、このハードディスク28dにインストールされている。
【0030】
また、ハードディスク28dには、コンテナデータベースDB11及びロケーションデータベースDB12が設けられている。図6Aは、コンテナデータベースDB11に含まれる項目を示す模式図であり、図6Bは、コンテナデータベースDB11の構成を示す図表である。また、図7Aは、ロケーションデータベースDB12に含まれる項目を示す模式図であり、図7Bは、ロケーションデータベースDB12の構成を示す図表である。図6A及び図6Bに示すように、コンテナデータベースDB11は、コンテナを特定するためのコンテナID、コンテナの書庫内での位置情報(x軸、y軸、z軸方向の各位置)、コンテナ区分(通常のコンテナ、廃棄(社内条件)、廃棄(法定条件)、査察のいずれであるかの区分)、及びコンテナの収容状況情報(収容中、空)を互いに対応付けて格納する。また、図7A及び図7Bに示すように、ロケーションデータベースDB12は、書庫内での位置(x軸、y軸、z軸方向の各位置)と、その位置における占有状況(コンテナが設置されているか空きか)とを対応づけて格納する。
【0031】
通信インタフェース28eは、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、制御装置28は、当該通信インタフェース28eにより、TCP/IPプロトコルを使用して通信ネットワーク4に接続された文書管理装置3との間でデータの送受信が可能である。
【0032】
次に、文書管理装置3の構成について説明する。図8は、本実施の形態1に係る文書管理装置3の構成を示すブロック図である。文書管理装置3は、本体31と、画像表示部32と、入力部33とから主として構成されたコンピュータ3aによって構成されている。本体31は、CPU31aと、ROM31bと、RAM31cと、ハードディスク31dと、読出装置31eと、入出力インタフェース31fと、通信インタフェース31gと、画像出力インタフェース31hとから主として構成されており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、および画像出力インタフェース31hは、バス31iによって接続されている。
【0033】
CPU31aは、RAM31cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するような文書管理プログラム34aを当該CPU31aが実行することにより、コンピュータ3aが文書管理装置3として機能する。
【0034】
ROM31bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU31aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
【0035】
RAM31cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM31cは、ハードディスク31dに記録されている文書管理プログラム34aの読み出しに用いられる。また、CPU31aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU31aの作業領域として利用される。
【0036】
ハードディスク31dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。後述する文書管理プログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
【0037】
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、コンピュータを文書管理装置として機能させるための文書管理プログラム34aが格納されており、コンピュータ3aが当該可搬型記録媒体34から文書管理プログラム34aを読み出し、当該文書管理プログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
【0038】
なお、前記文書管理プログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ3aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記文書管理プログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ3aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
【0039】
また、ハードディスク31dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態1に係る文書管理プログラム34aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0040】
また、ハードディスク31dには、領収書データベースDB21、ICタグデータベースDB22、画像データベースDB23が設けられている。図9Aは、領収書データベースDB21に含まれる項目を示す模式図であり、図9Bは、領収書データベースDB21の構成を示す図表である。また、図10Aは、ICタグデータベースDB22に含まれる項目を示す模式図であり、図10Bは、ICタグデータベースDB22の構成を示す図表である。図11Aは、画像データベースDB23に含まれる項目を示す模式図であり、図11Bは、画像データベースDB23の構成を示す図表である。領収書データベースDB21は、図9A及び図9Bに示すように、領収書の発行日、申請番号、行番号、借方情報、貸方情報、摘要、現物有無区分、画像データ有無区分、画像データID、入力情報の各フィールドが設けられている。申請番号は、対応する経理処理申請書の申請番号である。行番号は、経理処理申請書の支払情報欄中の対応する行番号である。借方情報には、部門、相手先、勘定科目、金額の各項目が含まれている。貸方情報にも同様に、部門、相手先、勘定科目、金額の各項目が含まれる。現物有無区分には、対応する経理処理申請書が書庫に保存されているか否かの情報が記録され、画像データ有無区分には、対応する経理処理申請書が画像データで保存されているか否かの情報が記録される。また、画像データIDには、画像データが保存されている場合に、その画像データを特定する画像データIDが記録される。入力情報には、入力日、入力時刻、入力担当者、入力端末の各情報が含まれる。ICタグデータベースDB22には、図10A及び図10Bに示すように、対応する経理処理申請書に貼付されているICタグのICタグIDと、当該経理処理申請書の申請番号と、当該経理処理申請書が収容されているコンテナのコンテナIDとが記録される。画像データベースDB23には、図11A及び図11Bに示すように、対応する経理処理申請書の画像データIDと、当該経理処理申請書の申請番号と、当該経理処理申請書中の対応する行番号とが記録される。
【0041】
また、ハードディスク31dには、経理処理申請書の画像データ31jが記憶されている。各画像データ31jはファイル名が画像データIDとされており、これによって画像データIDから該当する画像データ31jを特定することができる。
【0042】
入出力インタフェース31fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又はIEEE1284等のパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース31fには、キーボードおよびマウスからなる入力部33が接続されており、ユーザが当該入力部33を使用することにより、コンピュータ3aにデータを入力することが可能である。
【0043】
通信インタフェース31gは、例えばEthernet(登録商標)インタフェースであり、文書管理装置3は、当該通信インタフェース31gにより、TCP/IPプロトコルを使用して通信ネットワーク4に接続された制御装置28との間でデータの送受信が可能であり、またデータベースDB21、DB22、DB23への情報の登録及び変更並びにデータベースDB21、DB22、DB23に記憶されている情報の閲覧を行なうための端末装置との間でデータの送受信が可能である。
【0044】
画像出力インタフェース31hは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部32に接続されており、CPU31aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部32に出力するようになっている。画像表示部32は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
次に、本実施の形態1に係る自動書庫システムの動作について説明する。
【0045】
<新規領収書登録>
新規に領収書を登録するときには、まず経理処理を申請する社員が経理処理申請書を作成し、経理担当者に経理処理の申請を行なう。経理担当者は、申請された経理処理を完了した後、出納ステーション26にて経理処理申請書に記載された各情報をデータベースへ登録し、また経理処理申請書を自動書庫に入庫する作業を行なう。具体的には、まず経理担当者は、出納ステーション26に設置されたスキャナを用いて経理処理申請書を画像化する。画像データのフォーマットはJPEG、GIF、BMP等である。画像データはスキャナに接続された端末装置から文書管理装置へと送信される。文書管理装置は、受け付けた画像データに対して画像データIDを付与し、この画像データIDをファイル名として画像データをハードディスク31dに記憶する。次に経理担当者は、出納ステーション26の端末装置を操作して、データベースへの新規レコードの登録作業を行なう。端末装置は、新規レコード登録要求を受け付けると、新規登録画面をディスプレイに表示する。この新規登録画面では、経理処理申請書の各情報を入力することが可能であり、経理担当者は、領収書の発行日、申請番号、行番号、借方情報、貸方情報、摘要、現物有無区分、画像データ有無区分、及び入力情報を入力する。端末装置は、このようにして入力された各情報を文書管理装置3へ送信し、文書管理装置3は領収書データベースDB21に新規レコードとして上記情報及び先ほどの画像データIDを登録する。また、文書管理装置3は、受け付けた申請番号に対応するICタグIDを発行する。また文書管理装置3は、自動書庫の制御装置28に対して、コンテナの出庫指示を行なう。制御装置28は、この出庫指示に応じて、コンテナデータベースDB11からコンテナ区分が「通常」のコンテナを1つ選択して書庫21から出庫させ、出納ステーション26へと搬送させる。このとき、制御装置28は、コンテナデータベースDB11の出庫したコンテナのレコードにおける位置情報を“null”に変更し、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報を「空き」に変更する。また、制御装置28は、出庫したコンテナのコンテナIDを文書管理装置3へと通知する。文書管理装置3は、先ほど発行したICタグIDと、申請番号と、受け付けたコンテナIDとをICタグデータベースDB22に登録し、画像データIDと、申請番号と、行番号とを画像データベースDB23に登録する。そして、文書管理装置3は、ICタグIDのデータを端末装置へ送信し、端末装置はこのICタグIDを記録したICタグをICタグ発行装置に発行させる。経理担当者は、ICタグ発行装置によって発行されたICタグを経理処理申請書に貼付し、自動書庫から出庫されたコンテナ5に当該経理処理申請書を積み込む。そして、経理処理担当者は、端末装置を操作して経理処理申請書の入庫を指示し、この指示情報が制御装置28に送信される。制御装置28は、ロケーションデータベースDB12を参照して書庫21の1つの空き位置を選択し、その空き位置に入庫するように搬送装置23及び24、スタッカクレーン22を制御する。そして、制御装置28は、コンテナデータベースDB11の当該コンテナのレコードを入庫した位置情報に更新し、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報を更新する。
【0046】
<領収書の出庫>
領収書を出庫するときには、経理担当者は出納ステーション26の端末装置を操作して、目的の領収書に関する情報を領収書データベースDB21から検索する。この検索は、経理処理申請書の申請番号又は発行日等を検索キーとして行なわれる。検索されたデータは、端末装置のディスプレイ装置に表示される。また、対応する画像データをディスプレイ装置に表示することもできる。検索の結果、経理担当者は目的の領収書の現物の有無、画像データの有無をディスプレイ装置の表示によって確認することができる。目的の領収書の現物が書庫に格納されている場合には、経理担当者は当該経理処理申請書の出庫指示を端末装置に対して入力することができる。出庫指示のデータは、端末装置から文書管理装置3へ送信され、文書管理装置3は、ICタグデータベースDB22から当該経理処理申請書が収容されているコンテナのコンテナIDを読み出し、そのコンテナIDを含む出庫指示データを制御装置28へ送信する。制御装置28は、コンテナデータベースDB11から、出庫指示データに含まれるコンテナIDに対応するコンテナ格納位置の情報を取得し、当該位置のコンテナを出庫するようにスタッカクレーン22、搬送装置23、24を制御する。また、制御装置28は、コンテナデータベースDB11の出庫したコンテナのレコードにおける位置情報を“null”に変更し、ロケーションデータベースDB12の前記コンテナが収容されていた位置に対応する占有状況を、「入庫中」から「空き」へ変更する。出納ステーション26までコンテナが搬送されると、経理担当者はこのコンテナから目的の経理処理申請書を取り出す。出庫の確認として、ICタグリーダで経理処理申請書のICタグから情報を読み出し、端末装置が読み出されたICタグIDを文書管理装置3に送信する。文書管理装置は、ICタグデータベースDB22から当該ICタグIDを含むレコードのコンテナIDを“null”に変更する。そして、経理担当者は、端末装置を操作してコンテナの入庫を指示し、この指示情報が制御装置28に送信される。制御装置28は、ロケーションデータベースDB12を参照して書庫21の1つの空き位置を選択し、その空き位置にコンテナを入庫するように搬送装置23及び24、スタッカクレーン22を制御する。そして、制御装置28は、コンテナデータベースDB11の当該コンテナのレコードを入庫した位置情報に更新し、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報を「空き」から「入庫中」に更新する。
【0047】
<領収書の入庫>
経理担当者が持ち出した領収書を入庫する場合には、経理担当者は出納ステーション26のICタグリーダで経理処理申請書のICタグから情報を読み出す。読み出されたICタグIDを含む入庫要求が端末装置から文書管理装置3へと送信される。文書管理装置は、入庫要求を受け付けると、コンテナの出庫指示データを制御装置28へと送信する。制御装置28は、出庫指示データを受け付けると、コンテナデータベースDB11からコンテナ区分が「通常」のコンテナを1つ選択して書庫21から出庫させ、搬送装置23、24に出納ステーション26まで搬送させる。また、制御装置28は、当該コンテナのコンテナIDを文書管理装置3へと通知する。文書管理装置3は、ICタグデータベースDB22の先ほど受信したICタグIDを含むレコードのコンテナID情報を、受け付けたコンテナIDへと変更する。経理担当者は、自動書庫から出庫されたコンテナ5に当該経理処理申請書を積み込み、端末装置を操作して経理処理申請書の入庫を指示し、この指示情報が制御装置28に送信される。制御装置28は、ロケーションデータベースDB12を参照して書庫21の1つの空き位置を選択し、その空き位置に入庫するように搬送装置23及び24、スタッカクレーン22を制御する。そして、制御装置28は、コンテナデータベースDB11の当該コンテナのレコードの位置情報を入庫した位置情報に更新し、収容状況情報が「空」であれば「収容中」に更新する。また制御装置28は、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報も更新する。
【0048】
<領収書の仕分け>
書庫21における経理処理申請書の収容数を抑制するため、企業内で取り決めた保存期限又は法定の保存期限を超過している経理処理申請書は廃棄することが望ましい。このため、本実施の形態1においては、法定の保存期間が定められていない金額が3万円未満の領収書については、経理処理申請書の原紙を1年間保存し、それ以降は画像データのみで保存し、法定の保存期限が定められている金額が3万円以上の領収書については、経理処理申請書の原紙を画像データと共に法定保存期間である7年間保存する。
【0049】
また、領収書は法律で保存期限が定められた重要なものであるため、領収書の廃棄は自動的にではなく、企業の経理担当者等の作業者が発行日及び金額を目視で確認することによって取引証票が廃棄してよいものかどうかを判断した上で廃棄するのが通常である。したがって、廃棄してよいものと廃棄すべきでないものとが混在した大量の取引証票から廃棄対象の取引証票のみを廃棄する場合には、作業者が取引証票毎に廃棄してもよいものかどうかを判断しなければならず、非常に繁雑な作業が必要となる。つまり、このような保存期限を過ぎた経理処理申請書を廃棄する際に、保存期限を過ぎた経理処理申請書のみが収集されていれば、作業者が廃棄すべき領収書と廃棄すべきでない領収書とを仕分ける必要がなく、便利である。そこで本実施の形態1に係る自動書庫システム1は、金額が3万円未満の領収書に係る経理処理申請書であって社内保存期限を過ぎたもの(以下、第1廃棄文書という)を第1廃棄用コンテナに収集する第1廃棄文書収集動作と、金額が3万円以上の領収書に係る経理処理申請書であって法定保存期限を過ぎたもの(以下、第2廃棄文書という)を第2廃棄用コンテナに収集する第2廃棄文書収集動作とを実行可能である。また、税務署の税務調査の際などにおいて、特定の条件に合致する領収書をまとめて出庫したい場合がある。そこで本実施の形態1に係る自動書庫システム1は、与えられた収集条件に合致する経理処理申請書(以下、査察用文書という)のみを査察用コンテナに収集する査察用文書収集動作を実行可能である。
【0050】
図12A〜図12Dは、本実施の形態1に係る自動書庫システムにおける第1廃棄文書収集動作の流れを示すフローチャートである。文書管理装置3のハードディスク31dに記憶されているオペレーティングシステムにおいて、夜間の所定の第1時刻において下記の第1廃棄文書収集動作を開始し、また夜間の所定の第2時刻において第2廃棄文書収集動作を開始するように設定されている。文書管理装置3のCPU31aは、第1時刻に達したか否かを判定し(ステップS101)、第1時刻に達していない場合は(ステップS101においてNO)、このステップS101の処理を繰り返す。第1時刻に達した場合は(ステップS101においてYES)、CPU31aは、収容する全ての経理処理申請書のうち第1廃棄文書の占める割合を各コンテナについて求め、処理対象とするコンテナ及び廃棄対象とする経理処理申請書を決定する処理対象決定処理を実行する(ステップS102)。
【0051】
図13A及び図13Bは、処理対象決定処理の流れを示すフローチャートである。まずCPU31aは、ICタグデータベースDB22に登録されているコンテナID毎に、第1廃棄文書の数を示す第1変数N1と、第1廃棄文書以外の経理処理申請書の数を示す第2変数N2とを設定し、その全てに初期値として0をセットする(ステップS102a)。次に、CPU31aは、ICタグデータベースDB22のレコードから1つを選択し(ステップS102b)、選択されたレコードに含まれる申請番号に対応するレコードを領収書タグデータベースDB21から特定する(ステップS102c)。次に、CPU31aは、特定された全てのレコードの借方情報又は貸方情報の金額が3万円未満か否かを判定し(ステップS102d)、金額が3万円以上のレコードが含まれる場合は(ステップS102dにおいてNO)、ステップS102jへ処理を進める。また、ステップS102dにおいて特定された全てのレコードの金額が3万円未満の場合は(ステップ102cにおいてYES)、CPU31aは、保存期間の起算日を算出する(ステップS102e)。この保存期間の起算日算出について詳しく説明する。本実施の形態1に係る起算日の算出は、税法で定められた起算日の算出方法と同様であり、その領収書の発行日が属する事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日とされる。例えば、発行日が2007年8月20日であり、当該企業の事業年度が3月末日に終了する場合、その領収書の発行日が属する事業年度終了の日は2008年3月31日であり、その翌日は、2008年4月1日である。したがって起算日は2008年4月1日から2ヶ月を経過した2008年6月1日となる。CPU31aは、このようにして算出された起算日から1年を経過した日を社内規定による保存期限として算出する(ステップS102f)。先の例では、起算日である2008年6月1日から1年を経過した2009年6月1日が社内規定による保存期限となる。
【0052】
次に、CPU31aは、算出した保存期限と現在の日付とを比較して、当該経理処理申請書が社内規定による保存期限を過ぎたものであるか否かを判定し(ステップS102g)、保存期限が過ぎている場合には(ステップS102gにおいてYES)、当該経理処理申請書のICタグIDを第1廃棄文書として設定し(ステップS102h)、当該経理処理申請書を収容するコンテナのコンテナIDに係る第1変数N1を1だけインクリメントする(ステップS102i)。保存期限が過ぎていない場合(ステップS102gにおいてNO)又はステップS102dにおいて金額が3万円以上のレコードが含まれる場合(ステップS102dにおいてNO)には、前記コンテナIDに係る第2変数N2を1だけインクリメントする(ステップS102j)。そして、CPU31aは、ICタグデータベースDB22の全レコードについて処理を完了したか否かを判定し(ステップS102k)、未処理のレコードが存在する場合は(ステップS102kにおいてNO)、未処理のレコードから1つを選択し(ステップS102l)、処理をステップS102cへ戻す。ICタグデータベースDB22の全レコードについて処理が完了した場合には(ステップS102kにおいてYES)、ICタグデータベースDB22に登録されているコンテナIDから1つを選択し(ステップS102m)、このコンテナIDによって特定されるコンテナに収容されている経理処理申請書全体における第1廃棄文書の占める割合R=N1/(N1+N2)が、所定値以上か否かを判定する(ステップS102n)。前記割合が所定値未満の場合は(ステップS102nにおいてNO)、CPU31aは、ステップS102qへ処理を進める。また、前記割合が所定値以上の場合は(ステップS102nにおいてYES)、このコンテナIDを処理対象として設定し(ステップS102o)、第1廃棄文書として設定されたICタグIDのうち、ICタグデータベースDB22において当該コンテナIDに対応しているICタグIDを廃棄対象として設定し(ステップS102p)、処理をステップS102qへ進める。そして、ステップS102qにおいて、CPU31aは、全てのコンテナIDについて前述した処理を行ったか否かを判定し、未処理のコンテナIDが存在する場合は(ステップS102qにおいてNO)、未処理のコンテナIDから1つを選択し(ステップS102r)、処理をステップS102nへ戻す。全てのコンテナIDについて前述の処理が完了している場合には(ステップS102qにおいてYES)、処理をメインルーチンのステップS103へリターンする。
【0053】
次に、CPU31aは、処理対象決定処理によって廃棄対象として設定されたICタグID、処理対象として設定されたコンテナID及び仕分け条件情報を含む仕分け指示データを生成する(ステップS103)。ここで仕分け条件情報は、その仕分け処理の目的が何であるかを示す情報である。具体的には、仕分け条件情報は「廃棄(社内条件)」、「廃棄(法定条件)」、及び「監査」の何れかを示す情報であり、この場合の仕分け条件情報は「廃棄(社内条件)」を示す情報とされる。そして、CPU31aは、通信インタフェース31gを介して仕分け指示データを制御装置28へと送信する(ステップS104)。
【0054】
制御装置28のCPU28aは、仕分け指示データを受信すると、仕分け指示データに含まれるコンテナIDのうちの1つを選択し(ステップS105)、このコンテナIDによって特定されるコンテナの出庫処理を行う(ステップS106)。ステップS106の出庫処理では、まずCPU28aがデータベースDB11から当該コンテナIDに対応するコンテナ格納位置の情報を取得し、当該位置のコンテナを出庫するようにスタッカクレーン22、搬送装置23、25を制御する。これによって、スタッカクレーン22が書庫21から目的のコンテナ5を出庫し、このコンテナ5が搬送装置23及び25によって仕分け装置27まで搬送される。さらに、CPU28aは、コンテナデータベースDB11の出庫したコンテナのレコードにおける位置情報を“null”に変更し、ロケーションデータベースDB12の前記コンテナが収容されていた位置に対応する占有状況を、「入庫中」から「空き」へ変更する。これによって当該コンテナの出庫処理が完了する。
【0055】
次に、CPU28aは、コンテナデータベースDB11から仕分け指示データに含まれる仕分け条件情報に対応するコンテナ区分を有し、収容状況が「空」であるレコードを検索する(ステップS107)。つまり、本動作においては、ステップS107の処理ではコンテナ区分が「廃棄(社内条件)」であり、且つ収容状況が「空」であるレコードが検索される。そして、CPU28aは、検索されたレコードに含まれるコンテナID(つまり、廃棄(社内条件)用のコンテナのコンテナID)を選択し(ステップS108)、廃棄用コンテナ5aの出庫処理を実行する(ステップS109)。ステップS109の廃棄用コンテナ5aの出庫処理では、まずCPU28aがデータベースDB11から当該コンテナIDに対応するコンテナ格納位置の情報を取得し、当該位置のコンテナを出庫するようにスタッカクレーン22、搬送装置23、25を制御する。これによって、スタッカクレーン22が書庫21から廃棄用コンテナ5aを出庫し、この廃棄用コンテナ5aが搬送装置23及び25によって仕分け装置27まで搬送される。また、制御装置28のCPU28aは、コンテナデータベースDB11の出庫した廃棄用コンテナ5aのレコードにおける位置情報を“null”に変更し、ロケーションデータベースDB12の廃棄用コンテナ5aが収容されていた位置に対応する占有状況を、「入庫中」から「空き」へ変更する。これによって廃棄用コンテナの出庫処理が完了する。
【0056】
次に、CPU28aは、仕分け指示データ中の前記コンテナIDに対応するICタグIDの数、すなわち前記コンテナIDによって特定されるコンテナに収容された経理処理申請書のうちの第1廃棄文書の数を計数し(ステップS110)、この計数した結果を廃棄用コンテナ5aに収容する経理処理申請書の数(以下、収容数という)としてRAM28cに記憶する(ステップS111)。そして、前記コンテナIDに対応するICタグIDを含む制御データを生成し(ステップS112)、この制御データを仕分け装置27へと送信する(ステップS113)。仕分け装置27の制御部27fは、この制御データを受信すると、仕分け処理を実行する(ステップS114)。仕分け処理では、仕分け対象の経理処理申請書を収容するコンテナ5と廃棄用コンテナ5aとが搬入搬出部27aにセットされ、コンテナ5の開閉部51が開かれて、ホッパ27bに経理処理申請書の束がセットされる。経理処理申請書は分離部27cにおいて一枚ずつに分離され、ICタグリーダ27dによってICタグからICタグIDが読み出される。制御部27fは、ICタグIDが制御データに含まれるICタグIDに合致するか否かを判定し、ICタグに記憶されているICタグIDが制御データに含まれるICタグIDに合致する経理処理申請書(第1廃棄文書)と、ICタグに記憶されているICタグIDが制御データに含まれるICタグIDに合致しない経理処理申請書(第1廃棄文書以外の経理処理申請書)とが分類部27eにより分類される。そして、第1廃棄文書である経理処理申請書は廃棄用コンテナ5aに、第1廃棄文書以外の経理処理申請書は元の通常のコンテナ5にそれぞれ収容され、仕分け処理が終了する。仕分け装置27の制御部27fは、仕分け処理を終了した後に、仕分け処理の終了を通知するための仕分け処理終了データを制御装置28へ送信する(ステップS115)。
【0057】
制御装置28が仕分け装置27から仕分け処理終了データを受信すると、制御装置28のCPU28aは、仕分け処理が完了したコンテナ5の入庫処理を実行する(ステップS116)。ステップS116のコンテナの入庫処理においては、CPU28aは、ロケーションデータベースDB12を参照して書庫21の1つの空き位置を選択し、その空き位置に仕分け装置27にあるコンテナ5を入庫するように搬送装置23及び24、スタッカクレーン22を制御する。そして、CPU28aは、コンテナデータベースDB11の当該コンテナ5のレコードを入庫した位置情報に更新し、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報を「空き」から「入庫中」に更新する。これでコンテナ5の入庫処理が完了する。
【0058】
次に、制御装置28のCPU28aは、仕分け指示データに含まれる全コンテナIDの仕分け処理が完了したか否かを判定し(ステップS117)、まだ仕分け処理を行っていないコンテナIDが存在する場合には(ステップS117においてNO)、仕分け処理を行っていないコンテナIDから1つを選択し(ステップS118)、仕分け指示データ中の前記コンテナIDに対応するICタグIDの数、すなわち前記コンテナIDによって特定されるコンテナに収容された経理処理申請書のうちの第1廃棄文書の数を計数し(ステップS119)、この計数した結果を、RAM28cに記憶されている収容数に加算する(ステップS120)。RAM28cに記憶されている収容数は、その時点で廃棄用コンテナ5aに収容されている経理処理申請書の数であり、この数に計数した仕分けるべき第1廃棄文書の数を加算することにより、次回の仕分け処理終了後に廃棄用コンテ5aに収容される経理処理申請書の数が求められる。CPU28aは、加算結果が、廃棄用コンテナ5aの収容限度を示す所定数以下であるか否かを判定し(ステップS121)、所定数以下である場合には(ステップS121においてYES)、RAM28cの収容数を、加算後の数(次回の仕分け処理終了後に廃棄用コンテナ5aに収容される経理処理申請書の数)で上書きし(ステップS122)、処理をステップS126に進める。
【0059】
また、ステップS121において加算後の数が所定数を超える場合には(ステップS121においてNO)、次回の仕分け処理をそのまま行うと、廃棄用コンテナ5aに収容される経理処理申請書の数が収容限度を超えてしまうことになる。したがってこの場合には廃棄用コンテナ5aを空のものに交換する。この場合、CPU28aは、RAM28cの収容数を、ステップS119で計数した数で上書きし(ステップS123)、廃棄用コンテナ5aの入庫処理を実行する(ステップS124)。ステップS124の廃棄用コンテナ5aの入庫処理においては、CPU28aは、ロケーションデータベースDB12を参照して書庫21の1つの空き位置を選択し、その空き位置に廃棄用コンテナ5aを入庫するように搬送装置23及び24、スタッカクレーン22を制御する。そして、CPU28aは、コンテナデータベースDB11の当該廃棄用コンテナ5aのレコードの位置情報を入庫した位置情報に更新し、収容状況情報を「空」から「収容中」に更新する。また、CPU28aは、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報を「空き」から「入庫中」に更新する。これで廃棄用コンテナ5aの入庫処理が完了する。次に、CPU28aは、新たな廃棄用コンテナ5aの出庫処理を実行する(ステップS125)。この処理は、ステップS109の廃棄用コンテナ出庫処理と同様の処理であるので、その説明を省略する。その後、CPU28aは処理をステップS126へ進める。
【0060】
ステップS126において、CPU28aは、ステップS118において選択したコンテナIDによって特定されるコンテナ5の出庫処理を行う。この処理は、ステップS106のコンテナ出庫処理と同様であるので、その説明を省略する。これにより、仕分け処理対象の新たなコンテナ5が仕分け装置27に供給される。コンテナ5の出庫処理が完了した後、CPU28aは、処理をステップS112へと戻す。
【0061】
ステップS117において、全コンテナIDについて仕分け処理が完了している場合には(ステップS117においてYES)、廃棄用コンテナ5aの入庫処理を実行する(ステップS127)。この処理は、ステップS124の廃棄用コンテナ入庫処理と同様の処理であるので、その説明を省略する。
【0062】
次に、CPU28aは、仕分け結果データを生成する(ステップS128)。この仕分け結果データは、仕分け条件(廃棄(社内条件))、仕分け処理によって第1廃棄文書を収容した廃棄用コンテナのコンテナID、及び仕分け処理によって廃棄用コンテナに収容された経理処理申請書(第1廃棄文書)のICタグIDの各情報が含まれている。この仕分け結果データにおいては、ICタグIDが、そのICタグIDによって特定されるICタグが貼付された経理処理申請書が収容されている廃棄用コンテナのコンテナIDに対応づけられている。次に、CPU28aは、この仕分け結果データを文書管理装置3へ送信する(ステップS129)。文書管理装置3のCPU31aは、仕分け結果データを受信すると、仕分け結果データに含まれるICタグIDのうちの1つを選択し(ステップS130)、ICタグデータベースDB22の当該ICタグIDを含むレコードのコンテナIDを、仕分け結果データにおいて当該ICタグIDに対応する廃棄用コンテナのコンテナIDに更新する(ステップS131)。次にCPU31aは、仕分け結果データに含まれる全ICタグIDについてデータベースの更新が完了したか否かを判定し(ステップS132)、ICタグデータベースDB22の更新を行っていないICタグIDが残っている場合には(ステップS132においてNO)、ICタグデータベースDB22の更新を行っていないICタグIDのうちの1つを選択し(ステップS133)、処理をステップS131へ戻す。ステップS132において全ICタグIDについてICタグデータベースDB22の更新処理が完了している場合は(ステップS132においてYES)、処理を終了する。
【0063】
なお、ここでは法定の保存期間が定められていない金額が3万円未満の領収書のみが貼付された経理処理申請書を収集する第1廃棄文書収集動作について述べたが、本実施の形態1に係る自動書庫システム1は、法定の保存期限が定められている金額が3万円以上の領収書が貼付された経理処理申請書を収集する第2廃棄文書収集動作を行うことも可能であり、また税務調査に対応するために、申請番号、勘定科目、発行日、相手先、金額又はこれらの組み合わせを収集条件として設定し、その収集条件に合致する経理処理申請書を収集する査察用文書収集動作を行うことも可能である。第2廃棄文書収集動作では、本実施の形態1に係る自動書庫システム1は、上述の第1廃棄文書収集動作のステップS102d〜S102gにおいて実行される、着目する経理処理申請書が第1廃棄文書であるか否かを判定する処理の代わりに、着目する経理処理申請書が法定保存期間である7年を過ぎたものであるか否かを判定することにより、各経理処理申請書が第2廃棄文書であるか否かを判定する処理を実行し、その他は第1廃棄文書収集動作と概ね同様の動作を行うことにより、第2廃棄文書である法定保存期限の7年を過ぎた経理処理申請書が収集される。さらに詳しく説明すると、この第2廃棄文書収集動作では、所定割合以上第2廃棄文書を収容しているコンテナを処理対象のコンテナとし、当該コンテナに収容された経理処理申請書を第2廃棄文書と第2廃棄文書以外の文書とに仕分け、第2廃棄文書のみを区分が「廃棄(法定条件)」の廃棄用コンテナに収集する。また、本実施の形態1に係る自動書庫システム1の査察用文書収集動作では、自動書庫システム1は、経理処理申請書の収集条件を経理担当者から受け付け、上述の第1廃棄文書収集動作のステップS102d〜S102gにおいて実行される、着目する経理処理申請書が第1廃棄文書であるか否かを判定する処理の代わりに、着目する経理処理申請書が収集条件に合致するものであるか否かを判定することにより、各経理処理申請書が査察用文書であるか否かを判定する処理を実行し、その他は第1廃棄文書収集動作と概ね同様の動作を行うことにより、査察用文書である前記収集条件に合致する経理処理申請書が収集される。さらに詳しく説明すると、この査察用文書収集動作では、査察用文書を1つでも収容しているコンテナを処理対象のコンテナとし、当該コンテナに収容された経理処理申請書を査察用文書と査察用文書以外の文書とに仕分け、査察用文書のみを区分が「査察」の廃棄用コンテナに収集する。
【0064】
<収集文書の出庫>
本実施の形態1に係る自動書庫システム1は、上記の第1廃棄文書収集動作、第2廃棄文書収集動作、及び査察用文書収集動作によってそれぞれ収集された第1廃棄文書、第2廃棄文書、及び査察用文書を出庫する収集文書出庫動作を行うことが可能となっている。図14Aは、本実施の形態1に係る収集文書出庫動作における文書管理装置の出庫指示受付処理の流れを示すフローチャートであり、図14Bは、本実施の形態1に係る収集文書出庫動作における制御装置28の文書収集用コンテナ出納処理の流れを示すフローチャートである。また、図14Cは、本実施の形態1に係る収集文書出庫動作における文書管理装置のデータベース更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
経理担当者は、第1廃棄文書、第2廃棄文書又は査察用文書を出庫する場合には、出納ステーション26の端末装置を操作して、出庫する収集文書を指定する。端末装置のディスプレイ装置に表示された画面中には、「廃棄(社内条件)」、「廃棄(法定条件)」、「監査」の3つの出庫指示ボタンが設けられており、何れかのボタンを選択(クリック)することにより出庫する収集文書の指定が行われる。端末装置は、収集文書の指定を受け付けると、指定された収集文書(第1廃棄文書、第2廃棄文書、及び査察用文書の何れか)を示す指示データを文書管理装置3へ送信する。文書管理装置3のCPU31aは、この指示データを受信すると、出庫指示受付処理を起動し(図14A参照)、この指示データを解析して、指定された収集文書を収容するコンテナ(つまり、区分が「廃棄(社内条件)」、「廃棄(法定条件)」、又は「監査」のコンテナ)の出庫を指示する制御データを生成し(ステップS151)、この制御データを制御装置28へと送信する(ステップS152)。そして、CPU31aは、出庫指示受付処理を終了する。
【0066】
制御装置28のCPU28aは、前記制御データを受信すると、文書収集用コンテナ出納処理を起動する(図14B参照)。この文書収集用コンテナ出納処理では、CPU28aは、受信した制御データを解析し、当該制御データで出庫が指示されているコンテナの区分を特定して(ステップS161)、特定された区分データを含み、且つ収容状況情報が「収容中」であるレコードをコンテナデータベースDB11から検索する(ステップS162)。検索の結果、該当するレコードで、後述する出庫処理を未実施のものが存在する場合には(ステップS162で「該当レコード有り」)、CPU28aは、当該レコードに含まれるコンテナIDで特定されるコンテナを出庫する出庫処理を実行する(ステップS163)。ステップS163の出庫処理では、まずCPU28aがデータベースDB11から当該コンテナIDに対応するコンテナ格納位置の情報を取得し、当該位置のコンテナを出庫するようにスタッカクレーン22、搬送装置23、24を制御する。これによって、スタッカクレーン22が書庫21から目的の収集用コンテナを出庫し、このコンテナが搬送装置23及び24によって出納ステーション26まで搬送される。
【0067】
経理担当者は、出納ステーション26に出庫されたコンテナから経理処理申請書を取り出す。ここで、当該コンテナに収容されている全ての経理処理申請書は、同一の目的(社内条件による廃棄、法定条件による廃棄、又は監査)のために収集されたものであるため、経理担当者はコンテナから目的の経理処理申請書を探し出す必要がなく、全ての経理処理申請書を取り出すだけでよい。そして、経理担当者は、出納ステーション26に設けられたICタグリーダに、取り出した全ての経理処理申請書のICタグからICタグIDを読み出させ、端末装置の入力装置を操作することにより、経理処理申請書を出庫する目的を指定する。ここでいう出庫する目的とは、「廃棄」又は「持ち出し」であり、経理処理申請書が第1廃棄文書又は第2廃棄文書であり、経理担当者がこれらを廃棄しようとする場合には「廃棄」を、経理処理申請書が査察用文書であり、経理担当者が税務調査のためにこれらを持ち出そうとする場合には「持ち出し」を指定する。端末装置は、このようにして受け付けたICタグID及び出庫目的を示す出庫完了通知データを文書管理装置3へ送信する。文書管理装置3のCPU31aは、この出庫完了通知データを受信したときに、データベース更新処理を起動する(図14C参照)。このデータベース更新処理では、CPU31aは、受信した出庫完了通知データを解析し、出庫完了通知データに含まれる出庫目的が「廃棄」であるか「持ち出し」であるかを判定する(ステップS181)。判定の結果、出庫完了通知データに含まれる出庫目的が「廃棄」である場合には(ステップS181において「廃棄」)、CPU31aは、ICタグデータベースDB22から当該出庫完了通知データに含まれるICタグIDを含む全てのレコードを削除し(ステップS182)、処理をステップS184へ進める。このステップS182の処理では、領収書データベースDB21及び画像データベースDB23は更新されず、またハードディスク31dに記憶されている画像データ31jは消去されない。これにより、経理処理申請書が廃棄されたときでも、画像データ31jが残され、経理処理申請書が必要となった際にも容易に対処することができる。
【0068】
一方、ステップS181における判定の結果、出庫完了通知データに含まれる出庫目的が「持ち出し」である場合には(ステップS181において「持ち出し」)、CPU31aは、ICタグデータベースDB22から当該出庫完了通知データに含まれるICタグIDを含む全てのレコードのコンテナIDを“null”へ変更し(ステップS183)、処理をステップS184へ進める。
【0069】
ステップS184において、CPU31aは、出納ステーション26のコンテナの入庫を指示する制御データを生成し、ステップS185においてこの制御データを制御装置28へ送信する。そして、データベース更新処理を終了する。
【0070】
制御装置28のCPU28aは、前記制御データを受信すると、出納ステーション26にあるコンテナの入庫処理を実行する(ステップS164)。ステップS164のコンテナの入庫処理においては、CPU28aは、ロケーションデータベースDB12を参照して書庫21の1つの空き位置を選択し、その空き位置に出納ステーション26にあるコンテナを入庫するように搬送装置23及び24、スタッカクレーン22を制御する。そして、CPU28aは、コンテナデータベースDB11の当該コンテナのレコードを入庫した位置情報に更新し、ロケーションデータベースDB12の当該位置のレコードの占有状況情報を「空き」から「入庫中」に更新する。これでコンテナの入庫処理が完了する。そして、CPU31aは、ステップS162へ処理を戻す。
【0071】
ステップS162における検索の結果、該当するレコードが存在しない場合又は該当するレコードの全てについて前述の出庫処理を実施済みの場合には(ステップS162で「該当レコード無し」)、CPU28aは処理を終了する。
【0072】
経理担当者は、上述のような動作によって第1廃棄文書又は第2廃棄文書を出庫した場合には、コンテナから取り出した経理処理申請書の内容を1つ1つ確認して廃棄してよいものかどうかを判断した上で、これらの経理処理申請書を出納ステーション26に設けられたシュレッダーで廃棄する。また、経理担当者は、上述のような動作によって査察用文書を出庫した場合には、コンテナから取り出した経理処理申請書を税務調査に使用する。
【0073】
このように、本実施の形態1に係る自動書庫システムによれば、保存期限が過ぎた経理処理申請書を廃棄する場合に、経理担当者が大量の経理処理申請書から廃棄してよいものと廃棄すべきでないものとに手作業で仕分ける必要がなく、経理担当者は廃棄用コンテナの出庫を指示すれば、容易に廃棄すべき経理処理申請書のみを得ることができる。また、最終的には経理担当者が各経理処理申請書を確認して廃棄すべきものか否かを判断することになるが、経理担当者は廃棄用コンテナから取り出した経理処理申請書のみを確認すればよく、廃棄作業の際の手間を軽減することができる。
【0074】
また、本実施の形態1に係る自動書庫システムによれば、税務調査の際に、経理担当者が大量の経理処理申請書の中から特定の条件(申請番号、勘定科目、発行日、相手先、金額又はこれらの組み合わせ)に合致する経理処理申請書を探し出す必要がなく、経理担当者は査察用コンテナの出庫を指示すれば、容易に税務調査に必要な経理処理申請書のみを得ることができる。
【0075】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る自動書庫システム201は、仕分け装置227によって廃棄用コンテナに収集された経理処理申請書に、廃棄すべきでないものが含まれていないかどうかをチェックすることができる。本実施の形態2に係る自動書庫システム201のその他の構成は、実施の形態1に係る自動書庫システム1の構成と同様であるので、統一構成要素につては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図15は、本実施の形態2に係る第1廃棄文書収集動作における仕分け装置227の動作の流れを示すフローチャートである。ステップS115の仕分け処理は、実施の形態1で説明したステップS115の仕分け処理と同様であるので、その説明を省略する。仕分け装置227の制御部227fは、仕分け処理を終了した後に、廃棄用コンテナに収集された経理処理申請書に、廃棄すべきでないものが含まれていないかどうかをチェックするチェック処理を実行する。
【0077】
この時点では、仕分け処理が終了したコンテナ5と廃棄用コンテナ5aとが搬入搬出部27aにセットされている。チェック処理では、まず制御部227fは、搬入搬出部27aを制御して、廃棄用コンテナ5aの開閉部51を開き、収容された経理処理申請書を廃棄用コンテナ5aから押し出す(ステップS201)。これによって、ホッパ27bに経理処理申請書の束がセットされる。次に、制御部227fは、前記ホッパ27bに設けられた図示しないセンサの出力を確認して、ホッパ27bに経理処理申請書がセットされているか否かを判定し(ステップS202)、ホッパ27bに経理処理申請書がセットされている場合には(ステップS202においてYES)、分離部27cを制御して、ホッパ27bにセットされた経理処理申請書の束から一枚を分離して送出し(ステップS203)、ICタグリーダ27dによって読み出されたICタグIDを取得する(ステップS204)。制御部227fは、ICタグIDが制御データに含まれるICタグIDに合致するか否かを判定し(ステップS205)、ICタグに記憶されているICタグIDが制御データに含まれるICタグIDの何れか1つに合致する場合には(ステップS205においてYES)、分類部27eを制御して、当該経理処理申請書を廃棄用コンテナ5aに収容し(ステップS206)、ステップS202へ処理を戻す。ステップS205において、ICタグに記憶されているICタグIDが制御データに含まれるICタグIDのどれにも合致しない場合には(ステップS205においてNO)、分類部27eを制御して、当該経理処理申請書を通常のコンテナ5に収容し(ステップS207)、ステップS202へ処理を戻す。また、ステップS202においてホッパ27bに経理処理申請書がセットされていない場合には(ステップS202においてNO)、チェック処理を終了する。仕分け装置27の制御部227fは、チェック処理を終了した後に、仕分け処理の終了を通知するための仕分け処理終了データを制御装置28へ送信する(ステップS116)。
本実施の形態2に係る自動書庫システム2のその他の動作は、実施の形態1に係る自動書庫システム1の動作と同様であるので、その説明を省略する。
【0078】
本実施の形態2に係る自動書庫システム2によれば、仕分け装置227が仕分け処理を終了した後に、廃棄用コンテナに収集された経理処理申請書に、廃棄すべきでないものが含まれていないかどうかをチェックするチェック処理を実行するため、最終的に廃棄用コンテナに収容されている経理処理申請書に、廃棄条件に合致しないものが含まれていることを防止することができる。
【0079】
(その他の実施の形態)
上記の各実施の形態においては、ICタグにICタグIDのみが記憶されており、文書管理装置3にて収集条件に合致する経理処理申請書を特定し、これらの経理処理申請書に対応するICタグIDを含む仕分け指示データを文書管理装置3が制御装置28へ送信し、制御装置28がこれらのICタグIDを含む制御データを生成して仕分け装置27,227へ送信し、仕分け装置27,227では、コンテナに収容されている経理処理申請書のICタグからICタグIDを読み取って、与えられた制御データに含まれるICタグIDと合致するか否かを判定することにより、収集条件に合致する経理処理申請書と、収集条件に合致しない経理処理申請書とを仕分ける構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。他の実施の形態の自動書庫システムとして、ICタグに、申請番号、勘定科目、発行日、相手先、金額の情報を記憶させておき、仕分け装置に経理処理申請書の収集条件を与え、仕分け装置がICタグから読み取った情報に基づいて経理処理申請書が収集条件に合致するか否かを判定し、収集条件に合致する経理処理申請書と収集条件に合致しない経理処理申請書とを仕分ける構成とすることもできる。例えば、社内条件の廃棄対象の経理処理申請書を収集する場合には、文書管理装置3から制御装置28を介して仕分け装置へ第1廃棄文書の収集を指示し、この指示を受けた仕分け装置がICタグから読み出した発行日に基づいて起算日を算出し、ICタグから読み出した金額及び算出した起算日に基づいて、収集条件である「金額が3万円未満であり、且つ、起算日から1年以上経過していること」を満たすか否かを判定する。
【0080】
また、経理処理申請書が収集条件に合致するか否かの判定を自動書庫2の制御装置によって行う構成とすることも可能である。この場合には、制御装置28の記憶装置にICタグIDに対応する申請番号、勘定科目、発行日、相手先、金額の情報を記憶しておき、これらの情報に基づいて、経理処理申請書が収集条件に合致するか否かの判定を制御装置28によって行う。仕分け装置27は、かかる制御装置28による判定結果に応じて、経理処理申請書を仕分ける。
【0081】
また、仕分け装置27,227が読み取ったICタグIDを制御装置28を介してまたは直接に文書管理装置3へ通知し、文書管理装置3がICタグデータベースDB22及び領収書データベースDB21を参照して、受け付けたICタグIDに対応する発行日、金額等の情報から、収集条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を制御装置28を介してまたは直接に仕分け装置27,227へ与え、当該判定結果にしたがって仕分け装置27,227が経理処理申請書を仕分ける構成とすることもできる。
【0082】
また、上記の各実施の形態においては、領収書が貼付された経理処理申請書を自動書庫に収容する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、領収書そのものを自動書庫に収容する構成であってもよい。この場合には、経理担当者が領収書にICタグを取り付け、領収書をコンテナに収容する。自動書庫は、このようなコンテナを作業者の要求に応じて自動的に書庫に入庫し、また書庫から出庫する。また、上記の実施の形態と同様に、コンテナに収容されている領収書を収集条件に合致するものと合致しないものとに仕分け、収集条件に合致する領収書を収集用コンテナにまとめて収容する。また、ICタグを経理処理申請書又は領収書に貼付するのではなく、ICタグが埋め込まれた経理処理申請書又は領収書を利用してもよい。つまり、ICタグが最初から埋め込まれた紙を使用して経理処理申請書を作成し、この経理処理申請書を自動書庫に収容することもできるし、ICタグが最初から埋め込まれた領収書を自動書庫に収容することもできる。この場合は、作業者が経理処理申請書又は領収書にICタグを取り付ける手間がなく、より容易な運用が可能となる。
【0083】
また、上記の各実施の形態においては、経理処理申請書が保存期限(社内規定による保存期限及び法定保存期限)を過ぎているものか否かを判定する際に、発行日から保存期間の起算日を算出し、その起算日から保存期間を経過した日を保存期限として算出する構成としたが、これに限定されるものではなく、社内規定による保存期限を発行日から所定の保存期間を経過した日とし、この保存期限を算出する構成としてもよい。また、保存期限の日付を経理処理申請書毎にデータベースに記憶しておき、このデータベースから読み出した保存期限と現在の日付とを比較して、経理処理申請書が保存期限を過ぎたものであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0084】
また、上記の各実施の形態においては、第2廃棄文書(法定の保存期限を過ぎた経理処理申請書)を廃棄する際に、画像データを残して、ICタグデータベースDB22の廃棄した経理処理申請書に対応するレコードを削除する構成としたが、これに限定されるものではなく、経理処理申請書の法定の保存期限を過ぎたときに、当該経理処理申請書の画像データを削除する構成としてもよい。例えば、文書管理装置3が法定の保存期限を過ぎた経理処理申請書を検索し、法定の保存期限を過ぎた全ての経理処理申請書の画像データ31jをハードディスク31dから一括で削除する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の自動書庫システム及び文書管理装置は、記憶装置の故障又は操作者の入力ミスなどにより、画像データが失われた場合でも、取引証票の紙文書が失われることを防止し、且つ取引証票の保管スペース及びコストを抑制することが可能となるという効果を奏し、法律などによりその保存期間が定められている領収書等の取引証票を収容する自動書庫システム及びこれに使用される文書管理装置などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施の形態1に係る自動書庫システムの全体構成を示す模式図。
【図2】本実施の形態1に係るコンテナの外観を示す斜視図。
【図3】経理処理申請書の一例を示す図。
【図4】実施の形態1に係る仕分け装置の構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態1に係る自動書庫の制御装置の構成を示すブロック図。
【図6A】実施の形態1に係るコンテナデータベースに含まれる項目を示す模式図。
【図6B】実施の形態1に係るコンテナデータベースの構成を示す図表。
【図7A】実施の形態1に係るロケーションデータベースに含まれる項目を示す模式図。
【図7B】実施の形態1に係るロケーションデータベースの構成を示す図表。
【図8】実施の形態1に係る文書管理装置の構成を示すブロック図。
【図9A】実施の形態1に係る領収書データベースに含まれる項目を示す模式図。
【図9B】実施の形態1に係る領収書データベースの構成を示す図表。
【図10A】実施の形態1に係るICタグデータベースに含まれる項目を示す模式図。
【図10B】実施の形態1に係るICタグデータベースの構成を示す図表。
【図11A】実施の形態1に係る画像データベースに含まれる項目を示す模式図。
【図11B】実施の形態1に係る画像データベースの構成を示す図表。
【図12A】実施の形態1に係る自動書庫システムにおける第1廃棄文書収集動作の流れを示すフローチャート。
【図12B】実施の形態1に係る自動書庫システムにおける第1廃棄文書収集動作の流れを示すフローチャート。
【図12C】実施の形態1に係る自動書庫システムにおける第1廃棄文書収集動作の流れを示すフローチャート。
【図12D】実施の形態1に係る自動書庫システムにおける第1廃棄文書収集動作の流れを示すフローチャート。
【図13A】実施の形態1に係る自動書庫システムにおける処理対象決定処理の流れを示すフローチャート。
【図13B】実施の形態1に係る自動書庫システムにおける処理対象決定処理の流れを示すフローチャート。
【図14A】実施の形態1に係る収集文書出庫動作における文書管理装置の出庫指示受付処理の流れを示すフローチャート。
【図14B】実施の形態1に係る収集文書出庫動作における制御装置の文書収集用コンテナ出納処理の流れを示すフローチャート。
【図14C】実施の形態1に係る収集文書出庫動作における文書管理装置のデータベース更新処理の流れを示すフローチャート。
【図15】実施の形態2に係る第1廃棄文書収集動作における仕分け装置の動作の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0087】
1 自動書庫システム
2 自動書庫
21 書庫
22 スタッカクレーン
23,24,25 搬送装置
26 出納ステーション
27 仕分け装置
27d ICタグリーダ
27e 分類部
27f 制御部
28 制御装置
28a CPU
28b ROM
28c RAM
28d ハードディスク
28e 通信インタフェース
3 文書管理装置
31a CPU
31b ROM
31c RAM
31d ハードディスク
31g 通信インタフェース
31j 画像データ
32 画像表示部
33 入力部
DB11 コンテナデータベース
DB12 ロケーションデータベース
DB21 領収書データベース
DB22 ICタグデータベース
DB23 画像データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
法定保存期限が定められた取引証票を収容するための自動書庫システムであって、
取引証票の画像を記憶する画像記憶部と、
取引証票を特定するための取引証票特定情報を少なくとも記憶するICタグが取り付けられた取引証票を収容するためのコンテナと、
前記コンテナを複数設置可能な棚状の書庫と、
前記書庫に対してコンテナを出し入れする搬送部と、
前記搬送部によって前記書庫から搬送されたコンテナに収容されている取引証票のICタグから情報を読み出すICタグリーダと、
前記ICタグリーダによって読み出された取引証票特定情報によって特定される取引証票が、法定保存期限より短い設定保存期限を過ぎていることを含む廃棄条件に合致するものであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果にしたがって、前記廃棄条件に合致する取引証票と前記廃棄条件に合致しない取引証票とを仕分け、前記廃棄条件に合致する取引証票をまとめて特定の廃棄対象収集コンテナに収集する仕分け部と、
取引証票を特定するための取引証票特定情報と、取引証票が収容されているコンテナを特定するためのコンテナ特定情報とを対応づけて記憶している証票情報記憶部と、
前記仕分け部が取引証票を仕分けた結果に応じて、前記証票情報記憶部に記憶されている取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を更新する情報更新手段と
を備える自動書庫システム。
【請求項2】
前記証票情報記憶部には、取引証票特定情報に対応づけられて設定保存期限に関する情報が記憶されており、
前記証票情報記憶部に記憶されている設定保存期限に関する情報に基づいて、各取引証票が前記廃棄条件に合致するか否かを判定し、前記証票情報記憶部から前記廃棄条件に合致する取引証票を特定する取引証票特定情報を検索する検索手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記ICタグリーダによって読み出された取引証票特定情報が、前記検索手段によって検索された取引証票特定情報に合致するか否かを判定することにより、前記ICタグリーダによって読み出された取引証票特定情報によって特定される取引証票が、前記廃棄条件に合致するものであるか否かを判定するように構成されている請求項1に記載の自動書庫システム。
【請求項3】
前記証票情報記憶部には、前記設定保存期限に関する情報として、その取引証票が発行された発行日が記憶されており、
前記検索手段は、前記証票情報記憶部に記憶された発行日に基づいて、その取引証票の設定保存期限を算出し、算出された設定保存期限と現在の日付とを比較して、設定保存期限が過ぎているか否かを判定することによって、その取引証票が前記廃棄条件に合致するか否かを判定するように構成されている請求項2に記載の自動書庫システム。
【請求項4】
前記取引証票は領収書であり、
前記証票情報記憶部には、その領収書の金額がさらに記憶されており、
前記検索手段は、前記証票情報記憶部に記憶された金額及び発行日に基づいて、所定金額未満であり、且つ設定保存期限が過ぎているか否かを判定するように構成されている請求項3に記載の自動書庫システム。
【請求項5】
前記検索手段は、前記証票情報記憶部に記憶された発行日に基づいて、法定保存期限が過ぎているか否かを判定するように構成されている請求項3に記載の自動書庫システム。
【請求項6】
前記検索手段は、前記証票情報記憶部に記憶された発行日から保存期限の起算日を求め、前記起算日から保存期間後の保存期限を算出するように構成されている請求項4又は5に記載の自動書庫システム。
【請求項7】
前記証票情報記憶部に記憶されている前記取引証票特定情報、前記コンテナ特定情報、及び前記設定保存期限に関する情報に基づいて、収容する取引証票全体に対して廃棄条件に合致する取引証票が所定以上の割合で含まれているコンテナのコンテナ特定情報を取得し、取得されたコンテナ特定情報を含む仕分け指示データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された仕分け指示データに含まれるコンテナ特定情報によって特定されるコンテナを前記書庫から出庫するように前記搬送部を制御し、且つ、前記搬送部によって出庫されたコンテナに収容されている取引証票の仕分け処理を実行するように前記仕分け部を制御する制御部とをさらに備える請求項2乃至6の何れかに記載の自動書庫システム。
【請求項8】
前記仕分け部が取引証票を仕分けた結果、前記廃棄対象収集コンテナに収集された取引証票の取引証票特定情報を含む仕分け結果情報を生成する仕分け結果情報生成手段をさらに備え、
前記情報更新手段は、前記仕分け結果情報生成手段によって生成された仕分け結果情報に含まれる取引証票特定情報と同一の取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を前記証票情報記憶部から検索し、検索された前記証票情報記憶部に記憶されているコンテナ特定情報を、前記廃棄対象収集コンテナを特定するコンテナ特定情報に変更するように構成されている請求項1乃至7の何れかに記載の自動書庫システム。
【請求項9】
前記ICタグリーダは、前記仕分け部による取引証票の仕分け処理の後に、廃棄対象収集コンテナに収容されている取引証票のICタグから情報を読み出し、
前記ICタグリーダによって読み出された情報に基づいて、前記廃棄対象収集コンテナに収容された取引証票が、設定保存期限を過ぎているものであるか否かを判定することにより、前記廃棄対象収集コンテナに収容された取引証票に、設定保存期限を過ぎていないものが含まれているか否かを確認する確認手段をさらに備える請求項1乃至8の何れかに記載の自動書庫システム。
【請求項10】
取引証票が廃棄される際に、廃棄される取引証票を特定する取引証票特定情報の入力を受け付ける入力受付手段をさらに備え、
前記情報更新手段は、前記入力受付手段によって取引証票特定情報の入力が受け付けられたときに、前記画像記憶部に記憶されたその取引証票の画像を残して、入力された取引証票特定情報及び当該取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を前記証票情報記憶部から消去するように構成されている、請求項1乃至9の何れかに記載の自動書庫システム。
【請求項11】
法定保存期限が定められた取引証票を収容するためのコンテナと、前記コンテナを複数設置可能な棚状の書庫とを備える自動書庫に収容された取引証票を管理するための文書管理装置であって、
取引証票を特定するための取引証票特定情報と、取引証票が収容されているコンテナを特定するためのコンテナ特定情報と、前記法定保存期限より短い設定保存期限に関する情報とを対応づけて記憶する証票情報記憶部と、
取引証票の画像を記憶する画像記憶部と、
前記証票情報記憶部に記憶されている前記取引証票特定情報、前記コンテナ特定情報、及び前記設定保存期限に関する情報に基づいて、収容している取引証票に、設定保存期限を過ぎていることを含む廃棄条件に合致する取引証票が含まれているコンテナのコンテナ特定情報を取得し、取得されたコンテナ特定情報を含む仕分け指示データを生成する生成手段と、
前記廃棄条件に合致する取引証票と前記廃棄条件に合致しない取引証票とを仕分けて、前記廃棄条件に合致する取引証票をまとめて特定の廃棄対象収集コンテナに収集する仕分け処理を前記自動書庫へ指示するために、前記生成手段によって生成された仕分け指示データを前記自動書庫へ送信する送信手段と、
前記自動書庫が前記仕分け処理を実行した後に、前記廃棄対象収集コンテナに収集された取引証票の取引証票特定情報を含む仕分け結果情報を生成したときに、前記自動書庫から前記仕分け結果情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した仕分け結果情報に含まれる取引証票特定情報と同一の取引証票特定情報に対応するコンテナ特定情報を前記証票情報記憶部から検索し、検索された前記証票情報記憶部に記憶されているコンテナ特定情報を、前記廃棄対象収集コンテナを特定するコンテナ特定情報に変更する情報更新手段と
を備える文書管理装置。
【請求項12】
前記生成手段は、前記証票情報記憶部に記憶されている前記取引証票特定情報、前記コンテナ特定情報、及び前記設定保存期限に関する情報に基づいて、収容する取引証票全体に対して廃棄条件に合致する取引証票が所定以上の割合で含まれているコンテナのコンテナ特定情報を取得し、取得されたコンテナ特定情報を含む仕分け指示データを生成するように構成されている請求項11に記載の文書管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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