説明

自動核移植装置

【課題】 従来は人手により行われている核移植作業を微小流路内で全て自動化することで、均一、安定かつ、効率よく核移植を遂行する自動核移植装置を提供する。
【解決手段】 卵子の分割、分離、融合の各工程を行うモジュールを含み、各モジュールは微小流路を含む搬送系を有して、連結され、該流路内を卵子が移動し、自動で新たな核が移植された卵子を作成しうる装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生医療や製薬といった医療分野、品種改良といった農林水産分野など、細胞の機能化や評価を必要とする分野において、核移植を自動化する装置に関し、核移植細胞の大量高速処理、品質の均一化を実現する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生化学の分野を中心に微小流路をガラス基板やプラスチック基板に形成し、その微小閉空間内で化学反応を起こすマイクロ(化学)チップが開発されている。特にDNAのPCR(Polymerase Chain Reaction)法の応用として従来技術と比較し、数倍〜十数倍の高速分離検出が可能となり、多くの製品開発がされている(例えば、非特許文献1参照。)。現在その応用先は生化学反応を中心とした応用であり、細胞の分離や加工といった細胞単体の個別搬送、個別加工といった技術は、確立されていない。
ところで、クローン技術の確立は今後の医療・化学産業を革新的に変化させると期待される技術である。ファンクショナルジェノミクスの分野では、遺伝子影響を調べるために特定の遺伝子を持ったマウス(KOマウス)を作成し、様々な創薬や治療の研究に使われている。KOマウスの作成方法では主に、ES細胞からキメラマウスを作り、その子孫からKOマウスを作成する方法が取られているが、安定したクローン技術により、ES細胞から直接クローン技術でKOマウスを作る方法や、体細胞で遺伝子をKOしクローンマウスを作る方法が有用となってくる。特に、ES細胞が樹立されていない動物種やマウスの系統では体細胞からのクローン体の作成は非常に有効である。一方で、現状のクローニングにおける核移植作業は、移植工程中に多くの手作業が含まれており(例えば、非特許文献2参照。)、研究の効率化、妥当な評価の障害になっている。例えば、移植後の卵細胞に対し、添加薬品の効果を比較する場合、手作業による卵子の損傷のばらつきが大きいと薬品の効果を正確に評価することができない。
このように自動化による研究の省力化と実験条件の安定化はファンクショナルジェノミクスの技術発展に必要不可欠である。また、今後の産業化を考慮する上でも作業の自動化は重要である。
【非特許文献1】ANDREW J.DEMELLO, “Microfluidics: DNA amplification moves on”, Nature 422, 28-29 (06March 2003); doi:10.1038/422028a.
【非特許文献2】T. WAKAYAMA,A. C. F. PERRY, M. ZUCCOTTI, K. R. JOHNSON, R. YANAGIMACHI, “Full-termdevelopment of mice from enucleated oocytes injected with cumulus cell nuclei”,Nature 394, 369-374 (23 July 1998); doi:10.1038/28615.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来は人手により行われている核移植作業を微小流路内で全て自動化することで、均一、安定かつ、効率よく核移植を遂行する自動核移植装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討したところ、分割、分離、融合を行う各モジュールの微小流路系の組合せにより、核移植作業の自動化を実現できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)細胞の分割、分離、融合の各工程を行うモジュールを含み、各モジュールは微小流路を含む搬送系を有して、連結され、該流路内を細胞が移動し、自動で新たな核が移植された卵子を作成しうる装置、
(2)前記微小流路を外部の駆動装置により局所的に狭めることで細胞の細胞膜を破壊せずに、前記微小流路内において細胞を2つ以上に分割するモジュールを有することを特徴とする、(1)項の自動核移植装置、
(3)徐々に狭めた流路とその出口が別の広い流路に連結された2つの流路の構成を有し、前記徐々に狭めた流路に細胞を押し込み、出口の流速を制御することにより細胞の細胞膜を破壊せずに、前記細胞を2つ以上に分割するモジュールを有することを特徴とする(1)又は(2)項記載の自動核移植装置、
(4)核の有無を判別し、核を含まない細胞のみを流路内において分離抽出する流路構造をもつモジュールを有することを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の自動核移植装置、
(5)細胞を流路内に固定、あるいは留め、周囲の液体を交換する機能をもつモジュールを有することを特徴とする、(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の自動核移植装置、
(6)細胞を各工程のモジュール間で搬送管理するため、モジュール間で流路を連結する際、各モジュールの入力端及び/又は出力端に細胞をカウントする制御回路を有することを特徴とする(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の自動核移植装置、
(7)各モジュールは、細胞が搬送される流路と、モジュール内駆動装置等の制御情報信号の2種類が共通バスを通して接続でき、各モジュールを容易に抜き差して交換することで容易にシステム変更できる構造を有することを特徴とする(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の自動核移植装置、
(8)前記細胞が卵子である、(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の自動核移植装置、
【0006】
(9)新たな核が移植された細胞を作成する方法であって、細胞を微小流路の搬送系を移動させることにより、細胞の分割、分離及び融合が自動的に行なうことを特徴とする方法、
(10)微小流路を外部の駆動装置により局所的に狭めることで細胞の細胞膜を破壊せずに、微小流路内において卵子を2つ以上に分割する工程を含むことを特徴とする(9)項記載の核移植方法、
(11)徐々に狭めた流路とその出口が別の広い流路に連結された2つの流路を用いて、前記徐々に狭めた流路に細胞を押し込み、出口の流速を制御することで細胞の細胞膜を破壊せずに、前記細胞を2つ以上に分割する工程を含むことを特徴とする(9)又は(10)項記載の核移植方法、
(12)核の有無を判別し、核を含まない細胞のみを流路内において分離抽出する工程を含むことを特徴とする(9)〜(11)項のいずれか1項に記載の核移植方法、
(13)細胞を流路内に固定、あるいは留めることにより、周囲の液体を交換する工程を含むことを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の核移植方法、
(14)細胞を各工程間で搬送管理するため、各工程間で微小流路の搬送系を連結する際、各工程の入力端及び/又は出力端で細胞を検出・カウントすることを含むことを特徴とする(9)〜(13)項のいずれか1項に記載の核移植方法、及び
(15)前記細胞が卵子である、(9)〜(14)項のいずれか1項に記載の核移植方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動核移植装置は、核移植作業の各工程を微小流路内で全て自動化することで、安定かつ、効率よく核移植を遂行することができる。それにより、核移植卵の大量生産が可能である。
本発明の自動核移植装置は、現在の生化学分野における化学反応(液体の混合や反応を中心とした応用)だけでなく、微小流路系を使い、細胞等の微小生体の個別搬送、個別加工に応用を広げることで、細胞を扱う分野に対して、大量自動処理を提供することが可能となり、応用分野が広がり、バイオ研究の場だけでなく、産業化に対しても大きな効果が期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の自動核移植装置の好ましい実施形態について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。各図の説明において同一の符号には同じものを示す。なお、処理する細胞として卵子(卵細胞)を例にとって以下に説明するが、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の自動核移植装置は、体細胞等の任意の動物細胞、植物細胞、ES細胞等についても使用することができる。
図1は、卵細胞のクローン処理のプロトコルを示す図である。図1中、1は卵子、2は核、3は透明帯、4はドナー細胞を示す。
図1から明らかなように、卵細胞のクローン処理は主に、透明帯3の除去、卵子1の二分割、分割された卵子の核2の有無による分離(ソーティング)、分離された核無細胞とドナー細胞4とをカップリングし、細胞融合する作業工程を含む。本発明の自動核移植装置は、そのような従来、人手により行われていた各工程(作業)を、それぞれの作業を専用に行うモジュールによって処理する。
図2を参照して、本発明の自動核移植装置について説明する。
図2は、本発明の自動核移植装置の概要を示す図である。図2中、5は供給ポート、6は分割加工モジュール、7は分離モジュール、8は融合加工モジュール、9は取り出しポート、10は搬送・電装インターフェースを表す。
図2から明らかなように、本発明の自動核移植装置は、卵子の分割、分離、融合の各工程を行うモジュールを含み、核移植の各工程に対応する各モジュール(すなわち、供給ポート5、分割加工モジュール6、分離モジュール7、融合加工モジュール8、取り出しポート9)を搬送・電装インターフェース10により連結している。
本発明において、細胞を流路内に固定あるいは留め(堰き止め)、細胞周囲の液体を交換する機能をもつモジュールを含めることができる。本発明の装置において、2つの直列したモジュールに着目した場合、先のモジュールと後のモジュールとでは、作業工程上、雰囲気液体が異なる場合に有用である。例えば、先のモジュールにおいては、水溶液であり、後のモジュールではバッファーである場合等である。
また、本発明において、細胞を各工程のモジュール間で搬送管理するため、モジュール間で流路を連結する際、各モジュールの入力端及び/又は出力端に細胞を検出・カウントする制御回路を有することが好ましい。
本発明の装置は、上述の複数のモジュールを全て含むものであってもよいし、一部だけ含むものであってもよい。また、上述の複数・複数種のモジュールは、プロトコル、システムの変更、作業目的に応じて任意の順序で連結してよい。
搬送・電装インターフェースは、卵子等の細胞が移動する微小(マイクロ)流路の搬送系と、モジュール内駆動装置等を制御する情報信号系とを含む。
【0009】
微小流路は、層流の形成が容易であるという特徴を有し、その特徴により、本発明においては、細胞を整列させた状態で安定して搬送することができる。
本発明において、微小流路は細胞が液流により移動する限り任意の形・径でよいが、好ましくは、直径10〜300μmである。また、微小流路における流速は、細胞が液流により移動する限り任意でよいが、好ましくは、10〜500μm/秒である。
また、微小流路において細胞を流す液体は、任意の液体でよいが、好ましくは、任意の水溶液、任意のバッファーである。
微小流路に細胞を含む液体を流す駆動装置としては、注射器のようなシリンジタイプのポンプ、チューブを外から押しつぶすことで、中の液体を押し流すチュービングポンプ等を使用することができる。
各モジュール間の搬送系流路は任意のチューブ等で連結することができるし、制御情報信号系も各モジュール間で任意の電気的コネクタにより接続できる。
前記微小流路の搬送系と制御情報信号系とを含む搬送・電装インターフェースは、共通バスを通して各モジュール間で接続できることが好ましい。そうすることにより、各モジュールを容易に抜き差して交換することで、作業工程の種類、順番を容易に変更できることから、プロトコルやシステムの変更にも容易に対応でき、その他のバイオ分野での作業の自動化システムとして応用することができる。
【0010】
細胞融合モジュール(融合加工モジュール)について説明する。
細胞融合モジュールとしては、例えば、Nature. 1986 Mar 6-12;320(6057):63-5. Nuclear transplantation in sheep embryos. Willadsen SM.に記載の手順及び方法を適用することができる。
具体的には、微小流路を挟んで電極を設置してなる細胞融合モジュールが挙げられる。前記微小流路の入口と出口はそれぞれ、他のモジュールと連結していることが好ましい。
上記細胞融合モジュールにおいて、核を含まない細胞と核を含む細胞が流れる微小流路を挟んで設置した電極間に交流電場を印加する。これにより、前記微小流路を流れてきた、核を含まない細胞と核を含むドナー細胞は前記電場に対して平行な向きに整列させることができる。その後、前記電極に直流パルスを印加することで細胞融合を行うことができる。
核移植の際の新たな核の供給源としては、任意のドナー細胞を挙げることができる。
細胞融合モジュールの別の態様として、マイクロマニピュレータを用いて行うこともでき、例えば、Biol Reprod. 1987 Nov;37(4):859-66. “Nuclear transplantation in the bovine embryo: assessment of donor nuclei and recipient oocyte.” Prather RS, Barnes FL, Sims MM, Robl JM, Eyestone WH, First NL.に記載の手順及び方法を適用することができる。
具体的には、対向した2つのマイクロマニピュレータの先端に電極となる金属製の針を設置し、2つの針の間の線上に2つの細胞(核を含まない細胞と核を含むドナー細胞)が並ぶように、すなわち、針先端+核を含まない細胞+核を含むドナー細胞+針先端という位置関係にして、直流のパルスを印加することで融合を行うことができる。このとき、上記2つの細胞は接触していることが好ましく、針先端は細胞表面に接触していなくてよい。
【0011】
本発明は、微小操作技術や流路内での搬送技術を適用して核移植操作の自動化を図り、クローニング作業の効率化、高品質化、大量生産化を可能とする装置であり、細胞といった微小生体材料の分析や機能化に係る作業を必要とする再生医療、製薬といった医療分野、環境分野、および家畜の改良・増殖、希少品種等の遺伝資源保存といった農林水産分野、食料品分野に応用可能である。
【実施例】
【0012】
以下、実施例に基づき、本発明に用いる各モジュールについて好ましいものを具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
まず、図3及び4を参照して、細胞の分割を行うモジュールの第1の実施態様((2)項に対応する。)について説明する。
図3は、分割モジュールの1つの実施形態を示す断面図である。図3中、15は細胞(卵子等)、20は微小流路、31は柔軟部材、31aは壁面変形部、32は駆動装置に連結された部材、Lは液流を示す。図4(a)は、鋭利な刃を利用した分割モジュールの実施形態を示す横断面図である。図4(b)は、鋭利な刃を利用した分割モジュールの実施形態を示す縦断面図である。図4中、31bは柔軟部材、40は鋭利な刃を示す。
図3から明らかなように、本実施態様において、柔軟部材31により形成された微小流路20に対して、モーター、圧電素子等の駆動装置に連結された部材32によって、流路壁面を変形させ、壁面変形部31aを形成することで、流路内の細胞を押しつぶし、卵子の細胞膜を破壊せずに分割することができる。片側からの圧縮でも、両側からの圧縮であってもよい。
【0013】
また、本実施態様において、図4(a)、(b)に示すように壁面に鋭利な刃40を組み込むことで細胞壁を切除し、分割する方法でも可能である。これについても片側、両側からの切除いずれでもよい。
上記微小流路を形成する柔軟部材としては、シリコンゴムやPDMS(ポリジメチルシロキサン)のような弾性部材を挙げることができる。これら弾性部材は、吸着性に優れているため、刃の表面が十分平面であれば、吸着し、流路内の液が流出することがなく好ましい。
【0014】
図5を参照して、細胞の分割を行うモジュールの第2の実施態様((3)項に対応する。)について説明する。
図5は、流路径を絞った流路による細胞分割モジュールを示す断面図である。図5中、L1は液流、50は出口を示す。
本実施態様において、図5に示したような流路径が細胞のサイズよりも徐々に狭くなる微小流路とその出口50が広い空間を持った流路を利用し、その徐々に狭くなる微小流路中に細胞を押し込むことで、細胞膜を破壊せずに細胞を分割することができる。微小領域では表面間力が支配的であることから、細胞と流路壁の接触面積が大きくなるほど、十分に細胞を保持することが可能となる。一方、出口50より広い空間に出た細胞の領域は液流L1の流圧によって引っ張られる。すなわち、液流と壁面の接触面積を制御することで細胞を引っ張り、分割することが可能となる。
細胞が卵子である場合、入力端側から出口50に向かい徐々に狭くなる微小流路の直径は、卵子の直径程度である120〜90μmであることが好ましく、徐々に狭くなり出口50では、ほぼ卵子の直径の半分以下である50〜30μmであることが好ましい。
また、本実施態様において、細胞と壁面との接触面積を前述の駆動装置等で能動的に制御することも可能である。
【0015】
次に、図6を参照して、細胞の分離抽出を行うモジュールの第1の実施態様((4)項に対応する。)について説明する。
図6(a)は、ソーティング機構を有する磁気駆動デバイスを示す断面図である。図6(b)は、図6(a)のA−A’線断面図である。61は磁性体、62は電磁石、63は投入ポート、64は回収ポート、65は排出ポート、66は電源、67は型材、68は通路、69は流路内壁を示す。投入ポート63、回収ポート64はそれぞれ、他のモジュールと連結していることが好ましい。
電磁石62の外部磁場によって、流路内においた小型の磁性体61を駆動することによって、核を含まない卵細胞のみを流路内においてソーティングする、磁気駆動デバイスの機構を説明する。磁気駆動デバイス内で図6に示すように磁性体61を設置する。この磁性体としては、鉄やニッケル等の強磁性体でその表面は溶液中でさびないように処理されていることが好ましい。また磁性体の形状は円柱でも四角柱でも構わない。磁場を発生させる電磁石62を図6(b)に示すように磁性ワイヤの長軸方向に設置する。これらの電磁石62へ供給する電流は直流でも交流でも構わない。この磁気駆動デバイスを、例えば、倒立型の光学顕微鏡のステージ上にセットする。ステージは電動化することによりその後の処理を自動化できる。
卵細胞のソーティング時に卵細胞を1個ごとにソーティング機構へ導入する必要があるがこれには既存の任意の技術を利用してよい。
【0016】
図7は、前記磁気駆動デバイスを用いた、卵細胞のソーティングプロセスを示す図である。図中、Fは細胞の流れを示す。まず、投入ポート63から卵細胞を分散した溶液を投入する。このとき、磁性体61は図7(a)に示すように回収ポートを塞ぐ位置に配置する。溶液は通路68を介して、回収ポート64・排出ポート65の両ポートへと流れ、磁性体61とマイクロ流路との間の隙間以上の大きさの物体は磁性体の無い側の排出ポート65へと流れる。
ここで、投入ポート63を流れる卵細胞に対して蛍光反応などに基づいて目標の核を含まない卵細胞71の選別を行う場合、核を含む卵細胞72は図7(b)に示すように排出ポート65へ流れる。核を含まない卵細胞71を発見した際は図7(c)に示すように磁性体を駆動し回収ポート64を開けて卵細胞71を回収ポート64へ流して取り出す。その後直ちに磁性体を駆動し図7(a)の状態にする。
本実施態様においては、磁場を利用したアクチュエータ駆動を行っているので、(1)細胞への影響が少ない、(2)磁性体の駆動時のみエネルギを消費する、(3)複雑な制御機構が不要である、といったメリットがある。また、一般に細胞の磁性は無いまたはあっても弱いため磁性体駆動のために印加する磁場により卵細胞が動かされることはない。
前記磁気駆動デバイスの微小流路は微細加工により型材67を製作する。例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により型取りすることで磁気駆動デバイスを製作できる。また、ガラスを用いても製作できる。
図8は、ディスポーザブル磁気駆動マイクロデバイスの分解図である。
図8に示すように、電磁石62はマイクロチップ(ディスポーザブルマイクロ流体チップ82、ディスポーザブル磁性体81及びディスポーザブルカバーガラス83を含む。)の外部に取り付けるため磁気駆動デバイスをディスポーザブルにすることが可能である。なお、84は電磁石62を保持する部材である。
【0017】
次に、図9を参照して、細胞の分離抽出を行うモジュールの第2の実施態様について説明する。
外部磁場によって、流路内においた小型の磁性体を駆動することによって、核を含まない卵細胞のみを流路内においてソーティングする、磁気駆動デバイスの機構を説明する。図9にソーティング機構を有する磁気駆動デバイスの概要を示す。磁性体が駆動する微小流路の幅は磁性体の幅に加えて卵細胞が通過できる大きさがあればよい。磁気駆動デバイス内で図9に示すように磁性体61を設置する。この磁性体には鉄やニッケル等の強磁性体が適しており、その表面は溶液中でさびないように処理されていることが好ましい。また磁性体の形状は円柱でも四角柱でも構わない。磁場を発生させる電磁石62を図9(b)に示すように磁性ワイヤの短軸方向に設置する。これらの電磁石62へ供給する電流は直流でも交流でも構わない。この磁気駆動デバイスを例えば、倒立型の光学顕微鏡のステージ上にセットする。ステージは電動化することによりその後の処理を自動化できる。
【0018】
卵細胞のソーティング時に卵細胞を1個ごとにソーティング機構へ導入する必要があるがこれには既存の任意の技術を利用してよい。図10に卵細胞のソーティングプロセスを示す。図中、Fは細胞の流れを示す。まず、投入ポート63から卵細胞を分散した溶液を投入する。このとき磁性体は図10(a)に示すように回収ポート64を塞ぐ位置に配置する。溶液は通路68を介して、回収ポート64・排出ポート65の両ポートへと流れるが磁性体61とマイクロ流路との間の隙間以上の大きさの物体は磁性体61の無い側のポートへと流れる。投入ポート63を流れる卵細胞に対して蛍光反応などに基づいて目標の核を含まない卵細胞71の選別を行う。核を含む卵細胞72は図10(b)に示すように排出ポート65へ流れる。核を含まない卵細胞71を発見した際は図10(c)に示すように磁性体61を駆動し回収ポート64を開けて卵細胞を回収ポート64へ流して取り出す。その後直ちに磁性体を駆動し図10(a)の状態にする。この例では磁場を利用したアクチュエータ駆動を行っているので、(1)細胞への影響が少ない、(2)磁性体の駆動時のみエネルギを消費する、(3)複雑な制御機構が不要である、のメリットがある。また、一般に細胞の磁性は無いまたはあっても弱いため磁性体駆動のために印加する磁場により卵細胞が動かされることはない。
また、前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様と比較してポートの切り替えに必要な駆動距離が少なくて済むため、磁性体駆動に必要な電力が少なくて済む特徴がある。
微小流路は微細加工により型材67を製作する。例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により型取りすることで磁気駆動デバイスを製作できる。また、ガラスを用いても製作できる。
また電磁石はマイクロチップの外部に取り付けるため、前述の細胞の分離抽出を行うモジュールの第1の実施態様のように磁気駆動デバイスをディスポーザブルにすることが可能である。
【0019】
次に、図11を参照して、細胞周囲の液交換を行うモジュールの第1の実施態様((5)項に対応する。)について説明する。
外部磁場による磁気駆動デバイス内での細胞を流路内に固定、あるいは留め、周囲の液体を交換するための細胞機構を示す。図11にフィルタリング機構を有する磁気駆動デバイスの概要を示す。図中、130は、交換する液体を投入する試薬投入ポートを示す。磁気駆動デバイス内で図11に示すように磁性体61を設置する。磁性体61の選別、電磁石62の設置位置及び電源66の選択は、前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様と同様である。この磁気駆動デバイスを例えば、倒立型の光学顕微鏡のステージ上にセットする。ステージは電動化することによりその後の処理を自動化できる。
図12に卵細胞のフィルタリングプロセスを示す。図中、Lは溶液の流れ、Sは交換する液体の流れを表す。まず、ソーティング機構で選別された卵細胞を投入ポート63から投入する。このとき磁性体61は図12(a)に示すように回収ポート64を空ける位置に配置する。卵細胞が流れてきた際に磁性体61を駆動し図12(b)に示すように流路を塞ぎ卵細胞の堰き止を行う。この時卵細胞は磁性体61により堰き止められるが溶液は磁性体61と微小流路の隙間を流れる。細胞を堰き止めた後図12(c)に示すように、試薬投入ポート130から交換する溶液を流し、卵細胞15の周囲の液体を交換する。処理した卵細胞を回収する際は磁性体61を駆動し流路を開けて卵細胞15を回収ポート64へ流して取り出す。この例では磁場を利用したアクチュエータ駆動を行っているので前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様と同様に、(1)細胞への影響が少ない、(2)磁性体の駆動時のみエネルギを消費する、(3)複雑な制御機構が不要である、のメリットがある。また、一般に細胞の磁性は無いまたはあっても弱いため磁性体駆動のために印加する磁場により卵細胞が動かされることはない。
微小流路は微細加工により型材67を製作する。例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により型取りすることで磁気駆動デバイスを製作できる。また、ガラスを用いても製作できる。また電磁石62はマイクロチップの外部に取り付けるため、前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様のように磁気駆動デバイスをディスポーザブルにすることが可能である。
【0020】
次に、図13を参照して、細胞周囲の液交換を行うモジュールの第2の実施態様((5)項に対応する。)について説明する。
外部磁場による磁気駆動デバイス内での細胞を流路内に固定、あるいは留め、周囲の液体を交換するための細胞機構を示す。図13はソーティング機構を有する磁気駆動デバイスの概要を示す。磁性体61が駆動する微小流路の幅は磁性体61の幅に加えて卵細胞が通過できる大きさがあればよい。磁性体61の選別、電磁石62の設置位置及び電源66の選択は、前記細胞分離抽出モジュールの第2の実施態様と同様である。この磁気駆動デバイスを例えば、倒立型の光学顕微鏡のステージ上にセットする。ステージは電動化することによりその後の処理を自動化できる。
図14は卵細胞のフィルタリングプロセスを示す。まず、ソーティング機構で選別された卵細胞15を投入ポート63から投入する。このとき磁性体61は図14(a)に示すように回収ポート64を空ける位置に配置する。卵細胞15が流れてきた際に磁性体61を駆動し図14(b)に示すように流路を塞ぎ卵細胞の堰き止めを行う。この時卵細胞15は磁性体により堰き止められるが溶液は磁性体61と微小流路の隙間を流れる。粒子を堰き止めた後図14(c)に示すように試薬投入ポート130から交換する溶液を流し、卵細胞の周囲の液体を交換する。処理した卵細胞を回収する際は磁性体を駆動し流路を開けて卵細胞15を回収ポート64へ流し取り出す。この例では磁場を利用したアクチュエータ駆動を行っているので、前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様と同様に、(1)細胞への影響が少ない、(2)磁性体の駆動時のみエネルギを消費する、(3)複雑な制御機構が不要である、のメリットがある。また、一般的に卵細胞には磁性は存在しないため磁性体駆動のために印加する磁場が卵細胞を動かしたり影響を与えたりすることはない。また、前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様と比較してフィルタの開閉に必要な駆動距離が少なくて済むため、磁性体駆動に必要な電力が少なくて済む特徴がある。
微小流路は微細加工により型材67を製作する。例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により型取りすることで磁気駆動デバイスを製作できる。また、ガラスを用いても製作できる。また電磁石はマイクロチップの外部に取り付けるため、前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様のように磁気駆動デバイスをディスポーザブルにすることが可能である。
【0021】
次に、図15を参照して、各モジュール間の細胞搬送の際、モジュール内の細胞の入出力を検出・カウントする1つの実施態様((6)項に対応する。)について説明する。
図15は、モジュール入出力管理回路を示す断面図である。図15中、151は、光導波路、152は発光回路、153は受光回路、154はカウンタ回路、Rは光照射を示す。
各モジュールはチューブ等の流路で連結されており、その中を細胞15等の生体組織が搬送される。それらの細胞の搬送管理を行うため、各モジュールの入出力端では、細胞をカウントし、数や導入された細胞の性質をチェックする回路を有することが好ましい。図15の通り、微小流路20の側面に光導波路151を配し、フォトダイオード等の発光回路152からの光を任意の受光回路153でチェックし、通過した細胞のカウントをカウンタ回路154で行う。また、発光回路152からの光を励起光とし、受光回路153で蛍光を受光すれば、任意の方法により蛍光染色された細胞のカウントを行うことも可能であり、これにより、機能化された細胞のみを選択的にチェック、管理することも可能である。
【0022】
実施例2
前記細胞分離抽出モジュールの第1の実施態様による微小粒子のソーティングの実験を行った。磁性体として直径200μm、長さ6mmの鉄ワイヤを、ソーティングの対象として直径50μmのポリスチレン粒子を用いた。ポートの切り替えに必要な鉄ワイヤの駆動距離は3mmとした。倍率4倍で倒立型光学顕微鏡を用いて観察した。
結果を図7に従って説明する。図7(a)及び(b)に示すように鉄ワイヤにより回収ポートが塞がれているので粒子は排出ポートへと流れた。目的の粒子の場合には鉄ワイヤを駆動し回収ポートを開け排出ポートを塞ぐことで目的の粒子の選別が可能であった。また、鉄ワイヤの駆動速度は100V印加時(消費電力:約4.3W)に90mm/秒であり、この実験システムでは毎秒30回のポートの切り替えが可能であるため、人が手作業で選別するよりも高速に卵細胞の選別が可能であった。
【0023】
実施例3
前記細胞分離抽出モジュールの第2の実施態様による微小粒子のソーティングの実験を行った。磁性体として直径200μm、長さ10mmの鉄ワイヤを、ソーティングの対象として直径50μmのポリスチレン粒子を用いた。ポートの切り替えに必要な鉄ワイヤの駆動距離は0.1mmとした。倍率4倍で実施例2と同様の顕微鏡を用いて観察した。
結果を図10に従って説明する。図10(a)及び(b)に示すように鉄ワイヤにより回収ポートが塞がれているので粒子は排出ポートへと流れた。目的の粒子の場合には鉄ワイヤを駆動し回収ポートを開け排出ポートを塞ぐことで図10(c)に示すように目的の粒子の選別が可能であった。この実験システムでは電磁石への35V印加時(1回の駆動に要するエネルギ:約19mJ)に毎秒30回のポートの切り替えが可能であるため、人が手作業で選別するよりも著しく高処理速度での卵細胞の選別が可能であった。
【0024】
実施例4
前記細胞周囲液交換モジュールの第1の実施態様による微小粒子周囲の液交換の実験を行った。磁性体として直径200μm、長さ6mmの鉄ワイヤを、ソーティングの対象として直径50μmのポリスチレン粒子を用いた。フィルタの開閉に必要な鉄ワイヤの駆動距離は3mmとした。倍率10倍で実施例2と同様の顕微鏡を用いて観察した。
結果を図12に従って説明する。液体は間隙を通って流れて行く一方、図12(c)に示すように鉄ワイヤにより流れてきた卵細胞としてのポリスチレン粒子を微小流路内に堰き止めることに成功した。また、鉄ワイヤの駆動速度は100V印加時(消費電力:約4.3W)に90mm/秒であり、この実験システムでは毎秒30回のフィルタの開閉が可能であった。
【0025】
実施例5
前記細胞周囲液交換モジュールの第2の実施態様による微小粒子周囲の液交換の実験結果を行った。磁性体として直径200μm、長さ10mmの鉄ワイヤを、ソーティングの対象として直径50μmのポリスチレン粒子を用いた。フィルタの開閉に必要な鉄ワイヤの駆動距離は0.1mmとした。倍率4倍で実施例2と同様の顕微鏡を用いて観察した。
結果を図14に従って説明する。図14(b)に示すように鉄ワイヤで流路を塞いで、粒子を流したところ、液体は間隙を通って流れて行く一方、図14(c)に示すように鉄ワイヤにより流れてきた卵細胞を微小流路内に堰き止めることに成功した。この実験システムでは電磁石への5Vの印加時(消費電力:約12mW)において約7800μm/秒の流速に耐えることが可能であるため、低消費電力での高速試薬交換が可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、クローン処理プロトコルを示す図である。
【図2】図2は、本発明のモジュール化された自動核移植装置の概要を示す図である。
【図3】図3は、分割モジュールの1つの実施形態を示す断面図である。
【図4】図4は、鋭利な刃を利用した分割モジュールの実施形態を示す断面図である。
【図5】図5は、流路径を絞った流路による細胞分割モジュールを示す断面図である。
【図6】図6(a)は、卵細胞ソーティング機構(電磁石を磁性体の長軸方向両側に配置)の平面断面図である。図6(b)は卵細胞ソーティング機構(電磁石を磁性体の長軸方向両側に配置)のA−A’線断面図である。
【図7】図7は、卵細胞ソーティングプロセス(電磁石を磁性体の長軸方向両側に配置)の平面断面図である。
【図8】図8は、ディスポーザブル磁気駆動マイクロデバイスの分解図である。
【図9】図9(a)は、卵細胞ソーティング機構(電磁石を磁性体の短軸方向両側に配置)の平面図である。図9(b)は、卵細胞ソーティング機構(電磁石を磁性体の短軸方向両側に配置)の断面図である。
【図10】図10は、卵細胞ソーティングプロセス(電磁石を磁性体の短軸方向両側に配置)の平面図である。
【図11】図11(a)は、卵細胞フィルタリング機構(電磁石を磁性体の長軸方向両側に配置)の平面図である。図11(b)は、卵細胞フィルタリング機構(電磁石を磁性体の長軸方向両側に配置)の断面図である。
【図12】図12は、卵細胞フィルタリングプロセス(電磁石を磁性体の長軸方向両側に配置)である。
【図13】図13(a)は、卵細胞フィルタリング機構(電磁石を磁性体の短軸方向両側に配置)の平面図である。図13(b)は、卵細胞フィルタリング機構(電磁石を磁性体の短軸方向両側に配置)の断面図である。
【図14】図14は卵細胞フィルタリングプロセス(電磁石を磁性体の短軸方向両側に配置)の平面図である。
【図15】図15は、モジュール入出力管理回路を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 卵子
2 核
3 透明帯
4 ドナー細胞
5 供給ポート
6 分割加工モジュール
7 分離モジュール
8 融合加工モジュール
9 取り出しポート
10 搬送・電装インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞の分割、分離、融合の各工程を行うモジュールを含み、各モジュールは微小流路を含む搬送系を有して、連結され、該流路内を細胞が移動し、自動で新たな核が移植された細胞を作成しうる装置。
【請求項2】
前記微小流路を外部の駆動装置により局所的に狭めることで細胞の細胞膜を破壊せずに、前記微小流路内において細胞を2つ以上に分割するモジュールを有することを特徴とする請求項1記載の自動核移植装置。
【請求項3】
徐々に狭めた流路とその出口が別の広い流路に連結された2つの流路の構成を有し、前記徐々に狭めた流路に細胞を押し込み、出口の流速を制御することにより細胞の細胞膜を破壊せずに、前記細胞を2つ以上に分割するモジュールを有することを特徴とする請求項1又は2記載の自動核移植装置。
【請求項4】
核の有無を判別し、核を含まない細胞のみを流路内において分離抽出する流路構造をもつモジュールを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動核移植装置。
【請求項5】
細胞を流路内に固定、あるいは留め、周囲の液体を交換する機能をもつモジュールを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動核移植装置。
【請求項6】
細胞を各工程のモジュール間で搬送管理するため、モジュール間で流路を連結する際、各モジュールの入力端及び/又は出力端に細胞をカウントする制御回路を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動核移植装置。
【請求項7】
各モジュールは、細胞が搬送される流路と制御情報信号系とが共通バスを通して接続でき、各モジュールを容易に抜き差して交換できる構造を有し、容易にシステム変更できることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動核移植装置。
【請求項8】
前記細胞が卵子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動核移植装置。
【請求項9】
新たな核が移植された細胞を作成する方法であって、細胞を微小流路の搬送系を移動させることにより、細胞の分割、分離及び融合を自動的に行なうことを特徴とする方法。
【請求項10】
微小流路を外部の駆動装置により局所的に狭めることで細胞の細胞膜を破壊せずに、該微小流路内において細胞を2つ以上に分割する工程を含むことを特徴とする請求項9記載の核移植方法。
【請求項11】
徐々に狭めた流路とその出口が別の広い流路に連結された2つの流路を用いて、前記徐々に狭めた流路に細胞を押し込み、出口の流速を制御することで細胞の細胞膜を破壊せずに、前記細胞を2つ以上に分割する工程を含むことを特徴とする請求項9又は10記載の核移植方法。
【請求項12】
核の有無を判別し、核を含まない細胞のみを流路内において分離抽出する工程を含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の核移植方法。
【請求項13】
細胞を流路内に固定、あるいは留めることにより、周囲の液体を交換する工程を含むことを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の核移植方法。
【請求項14】
細胞を各工程間で搬送管理するため、各工程間で微小流路の搬送系を連結する際、各工程の入力端及び/又は出力端で細胞を検出・カウントすることを含むことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の核移植方法。
【請求項15】
前記細胞が卵子である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の核移植方法。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−325429(P2006−325429A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149903(P2005−149903)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)「Fourth International Symposium on Microchemistry and Microsystems(ISMM 2004)Tenth National Meeting of the Society for Chemistry and Micro−Nano Systems(第10回化学とマイクロ・ナノシステム研究会,10−CHEMINAS)講演要旨集」、東京大学工学部応用化学科北森研究室気付「化学とマイクロ・ナノシステム研究会」事務局、平成16年11月25日発行。前記講演要旨集の表紙、目次、該当頁(205頁)及び奥付を提出する。(2) 化学とマイクロ・ナノシステム研究会主催、「第10回化学とマイクロ・ナノシステム研究会」(平成16年11月25〜26日開催)において上記(1)の文書をもって、平成16年11月26日発表。前記(1)がこの事実を証明する。(3) 「第10回化学とマイクロ・ナノシステム研究会Webページ」、 <http://unit.aist.go.jp/sinmolbio/cheminas/top.htm>に基づいて、前記(2)の「第10回化学とマイクロ・ナノシステム研究会」が平成16年11月25〜26日に開催され、前記(1)の講演要旨集が平成16年11月25日に発行されたことを示す。
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【出願人】(000237824)富士平工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】