説明

自動給餌器

【課題】 簡素な構造で、且つ、適切な場所に設置して餌を供給可能な自動給餌器を提供する。
【解決手段】 給餌コイル210は、餌を収容した給餌袋300を、その開口部が上方を向くように吊るす。餌の供給タイミングに達すると、時間経過に伴うタイマ254の回転により、突起255が開閉スイッチ256を押圧して、当該開閉スイッチ256がオン状態になると、モータ284が回転に伴って、給餌コイル210が回転する。給餌袋300は、給餌コイル210の回転により、徐々に開放端へ移動し、当該給餌コイル210から外れる。そして、給餌袋300は、餌の重みによって転倒し、開口部が下を向き、収容されている餌が落下して供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人手によることなく自動的にペットに餌を供給することが可能な自動給餌器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飼い主の留守中においても、ペットに餌を供給することができるようした様々な自動給餌器が開発されている。このような自動給餌器は、例えば、タイマ機能を有し、給餌時刻に到達すると餌を供給することができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−272295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述の自動給餌器には、給餌タイミングに適切な餌の供給を行うために、複雑な構造を有しているものがある。また、自動給餌器の本体は、地面に据え置かれるものであるため、ペットが容易に触れることができる。ペットは、餌が何度も供給されるうちに、自動給餌器内部に餌が収容されていることを認識することができる場合もあるため、本体内の餌を取り出そうとして噛み付いたり、転倒させて自動給餌器を壊してしまうこともある。また、本体が地面に据え置かれると、雨水等の天候の影響を受けやすい。更には、設置場所によっては通行の妨げになる。
【0004】
本発明は従来の問題を解決するためになされたもので、簡素な構造で、且つ、適切な場所に設置して餌を供給可能な自動給餌器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の自動給餌器は、餌を収容した袋と、前記袋の開口部が上方を向くように前記開口部と前記袋の底部とを支持する支持部と、所定のタイミングで前記支持部から前記開口部を解放する制御を行う解放制御部とを有する構成となる。
【0006】
この構成により、餌を収容した袋は、開口部が上方を向くように開口部及び底部が支持され、所定のタイミング(餌の供給タイミング)に達すると、開口部の支持が解除されて、袋内の餌の重みにより袋が転倒して開口部が下を向き、餌が落下して供給される。従って、餌の供給に際して袋の開口部を解放するだけで良く、簡素な構造で餌の供給が可能となる。また、餌が落下して供給されるため、ペットが容易に触れることができず、天候の影響を受けにくく、更には、通行の妨げにならないような高所に設置しても餌の供給が可能であり、適切な場所に設置することができる。
【0007】
また、本発明の自動給餌装置は、前記袋が、前記開口部に取り付けられる第1の紐状部材と、前記底部に取り付けられる第2の紐状部材とを有し、前記支持部が、ほぼ水平に延在する前記第1の紐状部材が掛けられて前記袋を吊るす螺旋状部材と、前記第2の紐状部材が掛けられて前記袋を吊るす棒状部材とを有し、前記解放制御部が、前記螺旋状部材を回転させることにより、前記第1の紐状部材を前記螺旋状部材の端部へ進行させ、該端部から離脱させる回転制御部を有する構成となる。
【0008】
この構成により、餌を収容した袋は、螺旋状部材に第1の紐状部材が掛けられて吊るされることにより開口部が支持され、更に螺旋状部材の回転に伴って、当該螺旋状部材の端部に徐々に移動し、第1の紐状部材が螺旋状部材から離脱することによって開口部が解放されて下を向き、餌が落下して供給される。従って、螺旋状部材を回転させる構造を有していれば良く、簡素な構造とすることが可能となる。また、給餌回数が多い場合には、巻回数の多い螺旋状部材を用いることにより、簡易に対応可能である。
【0009】
また、本発明の自動給餌器は、前記解放制御部が、前記螺旋状部材の回転数を時間に比例させる構成となる。
【0010】
この構成により、螺旋状部材の端部から第1の紐状部材が掛けられる位置までの巻回数がその第1の紐状部材を有する袋内の餌が供給されるまでの時間と比例することになる。このため、餌の供給タイミングに応じた螺旋状部材における第1の紐状部材の吊るす位置が容易に特定可能であり、餌の供給タイミングが所定時間毎の場合のみならず、不規則な場合でも適用可能となる。
【0011】
また、本発明の自動給餌器は、前記回転制御部が、前記螺旋状部材の延在方向が回転軸方向と一致するように前記螺旋状部材が取り付けられるモータと、前記所定のタイミングで前記モータに対して電力を供給する制御を行う電力供給制御部を有する構成となる。
【0012】
この構成により、モータの駆動に伴って螺旋状部材を回転させることができる。
【0013】
また、本発明の自動給餌装置は、前記電力供給制御部が、前記モータが接続される回路に構成される第1の開閉スイッチと、外縁部に前記第1の開閉スイッチに接触可能な第1の突起を有し、時間経過に応じて回転する第1の回転部とを有し、前記第1の突起が前記第1の開閉スイッチに接触した際に、前記第1の開閉スイッチが閉鎖され、前記モータへ電力が供給される構成となる。
【0014】
この構成により、所定のタイミングで第1の開閉スイッチを閉鎖してモータに電力を供給して駆動させること、すなわち、螺旋状部材を回転させることができる。
【0015】
また、本発明の自動給餌器は、前記回転制御部が、前記螺旋状部材が所定量回転した場合に、前記モータへの電力供給を停止する制御を行う電力供給停止制御部を有する構成となる。
【0016】
この構成により、螺旋状部材の回転数を一定に保つことが可能となる。
【0017】
また、本発明の自動給餌器は、前記電力供給停止制御部が、前記モータが接続される回路に構成される第2の開閉スイッチと、外縁部に前記第2の開閉スイッチに接触可能な第2の突起を有し、前記モータの駆動に連動して回転する第2の回転部とを有し、前記第2の突起が前記第2の開閉スイッチに接触した際に、前記第2の開閉スイッチが開放され、前記モータへの電力供給が停止される構成となる。
【0018】
この構成により、螺旋状部材の回転数を適切に制御することが可能となる。
【0019】
また、本発明の自動給餌装置は、前記回転制御部が、前記電力供給停止制御部により前記モータへの電力供給が停止された後に、前記電力供給制御部により前記モータへの電力供給制御が開始された場合に、前記第2の開閉スイッチを介さずに前記モータへ電力を供給する制御を行う電力再供給制御部を有する構成となる。
【0020】
この構成により、第2の回転部が第2の開閉スイッチを開放させた状態で停止していても、モータへの電力供給が可能となり、更には第2の回転部を回転させて第2の開閉スイッチを再び閉鎖させることが可能となる。
【0021】
また、本発明の自動給餌器は、前記第1の紐状部材が、前記開口部を貫通するように取り付けられ、前記支持部によって前記開口部及び底部が支持される際に、前記開口部をほぼ閉鎖させ、前記支持部から前記開口部が解放される際に、前記開口部を開放させる構成となる。
【0022】
この構成により、開口部が支持されている状態では、第1の紐状部材が開口部を貫通するように取り付けられているため、袋内の餌の重さによって開口部が自然にほぼ閉鎖される状態となり、餌の安全及び衛生を維持しやすくなる。また、開口部が解放される場合には、当該開口部が開くため、餌を落下させやすくすることが可能となる。
【0023】
また、本発明の自動給餌器は、前記開口部が、開口応力を有する構成となる。
【0024】
この構成により、開口部には、当該開口部を開放させようとする力である開口応力が働いているため、開口部が解放される際に、より容易に開口部を開かせることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明にかかる自動給餌器は、餌の供給に際して支持されている袋の開口部を解放するだけで良く、簡素な構造で餌の供給が可能となる。また、餌が落下して供給されるため、高所に設置しても餌の供給が可能であり、適切な場所に設置することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の自動給餌器について、図面を用いて説明する。
【0027】
本発明の自動給餌器の外観図を図1に示す。同図に示す自動給餌器100は、保護カバー102、落下ダクト104、絞り管106、餌落下管108及び紐110を有する。この自動給餌器100は、上部の保護カバー102に取り付けられた紐110が支持棒150に掛けられることにより、吊るされた状態で配置される。なお、自動給餌器110が吊るされた状態で配置されるのであれば、紐110以外の手段が用いられても良い。
【0028】
保護カバー102内には、自動給餌器100の本体(図示せず)が配置される。この本体は、所定タイミングで餌の供給動作を行うものであり、餌を収容した給餌袋(図示せず)を吊るしている。給餌袋内の餌は、本体の給餌動作によって給餌袋の外に出て、更に、落下ダクト104、絞り管106及び餌落下管108内を通過し、餌皿112上に落下する。
【0029】
次に、本体の構成を説明する。本体の第1の構成例を図2に示す。同図に示す本体200−1は、制御回路201及び給餌コイル210を有する。制御回路201は、電池202、タイマ204、開閉スイッチ206及び直流モータ208を有する。
【0030】
タイマ204は、開閉スイッチ206の近傍に配置されており、例えば12時間で1回転する等、時間経過とともに回転する。このタイマ204の外周部には突起205が設けられている。
【0031】
タイマ204は、時間経過に応じて、開閉スイッチ206をオン、オフする。具体的には、タイマ204が回転すると、突起205は、やがて開閉スイッチ206に接触し、当該開閉スイッチ206を押圧する。開閉スイッチ206は、突起205によって押圧されることにより閉鎖し、オン状態となる。これにより、制御回路201が導通して、直流電源である電池202からの電力が直流モータ208に供給され、当該直流モータ208は回転する。
【0032】
更に、タイマ204が回転を継続すると、突起205は、開閉スイッチ206を押圧しなくなる。開閉スイッチ206は、突起205によって押圧されなくなることにより開放し、オフ状態となる。これにより、制御回路201が導通しなくなり、電池202からの電力が直流モータ208に供給されなくなって、当該直流モータ208は停止する。
【0033】
このように、タイマ204内の突起205による開閉スイッチ206への接触と離隔に伴う動作が繰り返されることにより、直流モータ208は、回転と停止とを繰り返すことになる。直流モータ208の回転軸は、ほぼ水平に延在する。この直流モータ208の回転軸には、当該回転軸に沿ってほぼ水平に延在する給餌コイル210が取り付けられている。
【0034】
給餌コイル210の配置の一例を図3に示す。図3に示すように、給餌コイル210の一方端は、直流モータ208の回転軸209に取り付けられており、他方端は開放端となっている。また、給餌コイル210の内方には、支持棒212が挿入されている。この支持棒212は、給餌コイル210の他方端(開放端)が自重によって下がり、給餌コイル210の延在方向の水平が保てなくなることを防止するためのものである。支持棒212は、直流モータ208とは反対の側が支持部214によって支持されている。また、支持棒212は、支持部214の側から抜き挿し可能であり、給餌コイル210は、直流モータ208の回転軸から取り外し可能である。このため、支持棒214を抜き出した上で、給餌コイル210を直流モータ208の回転軸から取り外して、給餌袋300を給餌コイル210に吊るす作業を行うことができ、当該作業を簡易に行うことが可能になっている。
【0035】
再び、図2に戻って説明する。給餌コイル210は、直流モータ208の回転に伴い、当該直流モータ208と同一の回転速度で巻回方向に沿って回転する。この給餌コイル210には、餌を収容した給餌袋300が吊るされている。給餌コイル210に吊るされた給餌袋300は、給餌コイル210が1周する毎に、その1周分だけ当該給餌コイル210の開放端に向かって移動し、やがて給餌コイル210から外れる。
【0036】
給餌袋300の構成を図4に示す。図4に示す給餌袋300は、袋本体302、支持紐304、テンション付き開口部306及び回収紐310を有する。
【0037】
支持紐304は、一方端が給餌コイル210に掛けられ、他方端がテンション付き開口部306を貫通して当該テンション付き開口部306に結び付けられている。回収紐310は、一方端が自動給餌器100に備えられた回収紐保持金具216に結び付けられ、他方端が袋本体302の底部に結び付けられている。
【0038】
テンション付き開口部306は、開口応力を有し、外部からの力が加えられていない状態では給餌袋300の開口状態を維持するものである。しかし、図4に示すように、餌が袋本体302内に収容され、支持紐304の一方端が給餌コイル210に掛けられた状態では、餌の重さによって袋本体302に加わる下向きの力によって、給餌袋300はほぼ閉鎖された状態となる。給餌袋300が閉鎖された状態であることにより、餌の安全及び衛生を維持しやすくなる。
【0039】
給餌袋300は、給餌コイル210に吊るされている場合には、図4に示すように、テンション付き開口部306を上方に向けた状態を維持する。そして、給餌コイル210の回転に伴って、支持紐304が徐々に当該給餌コイル210の開放端に向かって移動する。そして、支持紐304が給餌コイル210から外れると、給餌袋300は、回収紐保持金具216のみによって支持された状態となる。このため、給餌袋300は、餌の重みによって転倒し、底部が上を向き、テンション付き開口部306が下を向く。更に、テンション付き開口部306の開口応力によって給餌袋300が開口状態となって、収容されている餌が落下する。更に餌は、前述したように、落下ダクト104、絞り管106及び餌落下管108内を通過し、餌皿112上に落下する。
【0040】
前述した本体200−1が用いられる場合、タイマ204の回転速度、タイマ204内の突起205の配置、及び、開閉スイッチ206がオン状態を維持している間における直流モータ208の回転量すなわち給餌コイル210の回転量に応じて、給餌コイル210における給餌袋300が吊るされる位置が適切に設定されることにより、所望のタイミングで餌の供給が可能となる。具体的には、本体200−1が、タイマ204の回転速度、タイマ204内の突起205の配置、及び、開閉スイッチ206がオン状態を維持している間における給餌コイル210の回転数に応じて、給餌コイル210がN時間で1回転するような構成となっている場合、M時間後の給餌が必要であれば、給餌コイル210において開放端からの巻回数がM/Nとなる位置に給餌袋300が吊るされるようにすれば良い。
【0041】
例えば、本体200−1において、タイマ204が12時間で1回転し、2つの突起205がタイマ204における外周部の対向する位置に配置され、直流モータ208が開閉スイッチ206のオン状態が維持されている間に1回転する構成である場合を考える。
【0042】
この場合、6時間毎の餌の供給が要求されるのであれば、本体200−1において、給餌コイル210の開放端から順に1周する位置毎に給餌袋300が吊るされるようにすれば良い。これにより、6時間毎に開閉スイッチ206がオン状態となり、その都度、直流モータ208が1回転して給餌コイル210も1回転し、給餌袋300が給餌コイル210から外れて餌が供給されることになる。
【0043】
また、12時間毎の餌の供給が要求されるのであれば、給餌コイル210の開放端から順に2周する位置毎に給餌袋300が吊るされるようにすれば良い。これにより、6時間毎に開閉スイッチ206がオン状態となり、その都度、直流モータ208が1回転して給餌コイル210も1回転することになるが、12時間毎、すなわち、モータが2回転する毎に給餌コイル210も2回転し、給餌袋300が給餌コイル210から外れて餌が供給されることになる。
【0044】
また、餌の供給タイミングが不規則である場合においても対応可能である。例えば、12時間後、18時間後、24時間後の餌の供給が要求されるのであれば、給餌コイル210の開放端から2周する位置、3周する位置及び4周する位置に給餌袋300が吊るされるようにすれば良い。これにより、6時間毎に開閉スイッチ206がオン状態となり、その都度、直流モータ208が1回転して給餌コイル210も1回転することになるが、給餌コイル210が12時間後に2回転した時、18時間後に3回転した時、及び、24時間後に4回転した時に、給餌袋300が給餌コイル210から外れて餌が供給されることになる。
【0045】
本体の第2の構成例を図5に示す。同図に示す本体200−2は、制御回路251及び給餌コイル210を有する。制御回路201は、交流電源252、タイマ254、開閉スイッチ256、コイル258、変圧器262、整流器264、光電管268、抵抗270、コンデンサ272、抵抗274、トランジスタ276、278、ダイオード280、抵抗282、直流モータ284、リミッタ部286及び開閉スイッチ288を有する。
【0046】
タイマ254は、第1の構成例におけるタイマ204と同様、外周部に突起255が設けられており、時間経過とともに回転する。突起255は、タイマ254の回転により、やがて開閉スイッチ206に接触し、当該開閉スイッチ256を押圧する。開閉スイッチ256は、突起255によって押圧されることにより閉鎖し、オン状態となる。これにより、制御回路251が導通する。
【0047】
導通時には、交流電源252によって供給される電力は、変圧器262によって電圧が変換され、更に、整流器264によって直流に変換された上で、光電管268や直流モータ284に供給される。交流電源252が家庭用電源(交流100V)である場合、交流電源252によって供給される電力は、変圧器262及び整流器264によって直流電力(例えば10.5V)に変換された上で、直流モータ284等に供給される。
【0048】
光電管268は、供給される電力によって点灯する。これにより、利用者は、自動給餌器100の作動を認識することができる。
【0049】
直流モータ284は、供給される電力により回転する。直流モータ284の回転軸は、第1の構成例における直流モータ208と同様、ほぼ水平に延在し、当該回転軸に沿ってほぼ水平に延在する給餌コイル210が取り付けられている。給餌コイル210は、前述した図3に示すように配置されている。給餌コイル210は、直流モータ284の回転に伴い、当該直流モータ284と同一の回転速度で巻回方向に沿って回転する。この給餌コイル210には、餌を収容した給餌袋300が吊るされており、この給餌袋300は、給餌コイル210が1周する毎に、その1周分だけ当該給餌コイル210の開放端に向かって移動し、やがて給餌コイル210から外れる。給餌袋300は、前述した図4に示す構成である。支持紐304が給餌コイル210から外れると、給餌袋300に収容されている餌が落下する。この餌は、前述したように、落下ダクト104、絞り管106及び餌落下管108内を通過し、餌皿112上に落下する。
【0050】
リミッタ部286は、開閉スイッチ288の近傍に配置され、直流モータ284と同軸回転を行う。このリミッタ部286の外周部には、突起287が取り付けられている。直流モータ284が1回転し、これに伴ってリミッタ部286が1回転すると、突起287は、開閉スイッチ288に接触し、当該開閉スイッチ288を押圧する。開閉スイッチ288は、突起287によって押圧されることにより開放し、オフ状態となる。これにより、開閉スイッチ256がタイマ254内の突起255に押圧されてオン状態を継続していても、制御回路251が導通しなくなり、電力が直流モータ284に供給されなくなって、当該直流モータ284は停止する。
【0051】
すなわち、リミッタ部286は、開閉スイッチ256がオン状態を継続している間における直流モータ284の回転数、すなわち、給餌コイル210の回転数を1回転に保つことが可能となる。開閉スイッチ256がオン状態を継続する時間の調整が困難である場合、換言すれば、開閉スイッチ256がオン状態を継続している間における直流モータ284の回転数を調整することが困難である場合には、このようにリミッタ部286を設けることにより、直流モータ284の回転数を適切に設定することが可能となる。
【0052】
開閉スイッチ288がオフ状態となって直流モータ284が停止すると、これに伴い、直流モータ284と同軸回転するリミッタ部286の回転も停止する。このため、開閉スイッチ288は、突起287によって押圧されたままとなり、オフ状態を維持する。
【0053】
更に、タイマ254が回転を継続すると、突起255は、再び開閉スイッチ256を押圧しなくなる。開閉スイッチ256は、突起255によって押圧されなくなることにより開放し、オフ状態となる。
【0054】
その後、タイマ254が回転を継続し、再度、突起255が開閉スイッチ256に接触して押圧することにより、当該開閉スイッチ256がオン状態になると、抵抗270及びコンデンサ272によって構成されるCR遅延の迂回回路によって、開閉スイッチ288を迂回して、直流モータ284に電力が供給される。このため、直流モータ284は、開閉スイッチ288がオフ状態であっても、回転することができる。そして、直流モータ284の回転に伴ってリミッタ部286が回転し、開閉スイッチ288が再び閉鎖してオン状態になる。更に、直流モータ284が1回転し、これに伴ってリミッタ部286が1回転すると、突起287は、再び開閉スイッチ288に接触して押圧し、当該開閉スイッチ288は、開放してオフ状態となり、直流モータ284が停止する。
【0055】
このような動作により、直流モータ284は、開閉スイッチ256がオン状態になる毎に、1回転する動作を繰り返すことになる。
【0056】
前述した本体200−2が用いられる場合、タイマ254の回転速度、タイマ254内の突起255の配置に応じて、給餌コイル210における給餌袋300が吊るされる位置が適切に設定されることにより、所望のタイミングで餌の供給が可能となる。具体的には、本体200−2が、タイマ204の回転速度及びタイマ204内の突起205の配置に応じて、給餌コイル210がN時間で1回転するような構成となっている場合、M時間後の給餌が必要であれば、給餌コイル210において開放端からの巻回数がM/Nとなる位置に給餌袋300が吊るされるようにすれば良い。
【0057】
なお、本体200−2において、直流モータ284の代わりに交流モータが用いられる場合には、交流電源252からの電力が直接に交流モータに供給されるようにすれば良い。また、本体200−2において、開閉スイッチ256がオン状態を継続する時間の調整が可能である場合には、リミッタ部286は省略可能である。
【0058】
このように、本実施形態における自動給餌器100は、給餌袋300を、そのテンション付き開口部306が上方を向くように、支持紐304を給餌コイル210に掛けるとともに、回収紐310を回収紐保持金具216に結び付けて支持する。そして、餌の供給タイミングに達すると、時間経過に応じた給餌コイル210の回転に伴って、支持紐304が当該給餌コイル210から外れ、給餌袋300は、餌の重みによって転倒し、テンション付き開口部306が下を向く。更に、テンション付き開口部306の開口応力によって給餌袋300が開口状態となって、収容されている餌が落下し、落下ダクト104、絞り管106及び餌落下管108内を通過し、餌皿112上に落下する。
【0059】
従って、時間経過に応じて給餌コイル210を回転させるだけの簡素な構造により、供給タイミングに応じた餌の適切な供給が可能となる。また、自動給餌器100は吊るされた状態で配置され、餌が落下して供給されるため、ペットが容易に触れることができず、天候の影響を受けにくく、更には、通行の妨げにならないような高所に設置することが可能となる。また、給餌回数が多い場合には、巻回数の多い給餌コイル210を用いることにより、簡易に対応可能である。
【0060】
また、本実施形態における自動給餌器100は、給餌コイル210の回転数を時間に比例させている。このため、給餌コイル210の開放端から支持紐304が掛けられる位置までの巻回数がその支持紐304を有する給餌袋300内の餌が供給されるまでの時間と比例することになり、利用者は、所望する餌の供給タイミングに応じて、給餌コイル210のどの位置に給餌袋300を吊るせば良いのかを容易に認識することができ、餌の供給タイミングが所定時間毎の場合のみならず、不規則な場合でも適用可能となる。
【0061】
また、餌は給餌袋300に収容されるため、固形物以外の餌の供給にも適用可能である。更には、複数の給餌袋300のそれぞれに、異なる餌を異なる量で収容して供給することができるため、各供給時における餌の種類及び量の自由度を高めることができる。また、餌が落下して空になった給餌袋300は、引き続き回収紐保持金具216によって支持されるため、自動給餌器100の内部で給餌袋300が詰まったり、散乱することが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明に係る自動給餌器は、簡素な構造で、且つ、適切な場所に設置して餌を供給可能という効果を有し、自動給餌器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】自動給餌器の外観図である。
【図2】本体の第1の構成例を示す図である。
【図3】給餌コイルの配置の一例を示す図である。
【図4】給餌袋の構成を示す図である。
【図5】本体の第2の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
100 自動給餌器
102 保護カバー
104 落下ダクト
106 絞り管
108 餌落下管
110 紐
112 餌皿
200−1、200−2 本体
201、251 制御回路
202 電池
204、254 タイマ
205、255、287 突起
206、256、288 開閉スイッチ
208、284 直流モータ
209 回転軸
210 給餌コイル
216 回収紐保持金具
252 交流電源
258 コイル
262 変圧器
264 整流器
268 光電管
270、274、282 抵抗
272 コンデンサ
276、278 トランジスタ
280 ダイオード
286 リミッタ部
300 給餌袋
302 袋本体
304 支持紐
306 テンション付き開口部
310 回収紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
餌を収容した袋と、
前記袋の開口部が上方を向くように前記開口部と前記袋の底部とを支持する支持部と、
所定のタイミングで前記支持部から前記開口部を解放する制御を行う解放制御部とを有することを特徴とする自動給餌器。
【請求項2】
前記袋は、
前記開口部に取り付けられる第1の紐状部材と、
前記底部に取り付けられる第2の紐状部材とを有し、
前記支持部は、
ほぼ水平に延在し、前記第1の紐状部材が掛けられて前記袋を吊るす螺旋状部材と、
前記第2の紐状部材が掛けられて前記袋を吊るす棒状部材とを有し、
前記解放制御部は、
前記螺旋状部材を回転させることにより、前記第1の紐状部材を前記螺旋状部材の端部へ進行させ、該端部から離脱させる回転制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の自動給餌器。
【請求項3】
前記解放制御部は、前記螺旋状部材の回転数を時間に比例させることを特徴とする請求項2に記載の自動給餌器。
【請求項4】
前記回転制御部は、
前記螺旋状部材の延在方向が回転軸方向と一致するように前記螺旋状部材が取り付けられるモータと、
前記所定のタイミングで前記モータに対して電力を供給する制御を行う電力供給制御部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の自動給餌器。
【請求項5】
前記電力供給制御部は、
前記モータが接続される回路に構成される第1の開閉スイッチと、
外縁部に前記第1の開閉スイッチに接触可能な第1の突起を有し、時間経過に応じて回転する第1の回転部とを有し、
前記第1の突起が前記第1の開閉スイッチに接触した際に、前記第1の開閉スイッチが閉鎖され、前記モータへ電力が供給されることを特徴とする請求項4に記載の自動給餌器。
【請求項6】
前記回転制御部は、前記螺旋状部材が所定量回転した場合に、前記モータへの電力供給を停止する制御を行う電力供給停止制御部を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の自動給餌器。
【請求項7】
前記電力供給停止制御部は、
前記モータが接続される回路に構成される第2の開閉スイッチと、
外縁部に前記第2の開閉スイッチに接触可能な第2の突起を有し、前記モータの駆動に連動して回転する第2の回転部とを有し、
前記第2の突起が前記第2の開閉スイッチに接触した際に、前記第2の開閉スイッチが開放され、前記モータへの電力供給が停止されることを特徴とする請求項6に記載の自動給餌器。
【請求項8】
前記回転制御部は、前記電力供給停止制御部により前記モータへの電力供給が停止された後に、前記電力供給制御部により前記モータへの電力供給制御が開始された場合に、前記第2の開閉スイッチを介さずに前記モータへ電力を供給する制御を行う電力再供給制御部を有することを特徴とする請求項7に記載の自動給餌器。
【請求項9】
前記第1の紐状部材は、前記開口部を貫通するように取り付けられ、前記支持部によって前記開口部及び底部が支持される際に、前記開口部をほぼ閉鎖させ、前記支持部から前記開口部が解放される際に、前記開口部を開放させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の自動給餌器。
【請求項10】
前記開口部は、開口応力を有することを特徴とする請求項9に記載の自動給餌器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−25611(P2006−25611A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204422(P2004−204422)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(501011705)
【Fターム(参考)】