説明

自動販売機および自動販売機等に搭載される貨幣処理装置

【課題】自動販売機に搭載された貨幣処理装置の動作の耐久性の低下を抑える。
【解決手段】自動販売機は、スリープモードの実行と該スリープモードからの復帰を制御するともに、前記貨幣処理装置に対して該スリープモードの開始を通知する通知信号を送信した後、該スリープモードを実行するように制御するスリープモード実行制御部を備え、前記貨幣処理装置は、前記通知信号または前記通知信号を受けたこと、を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記記憶の有無を判定するスリープモード判定部を備え、前記スリープモードが終了して前記貨幣処理装置への電源の投入時、前記判定部が前記記憶部に記憶が有ると判定した場合には、前記初期動作を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機および自動販売機等に搭載された貨幣処理装置に関し、特に貨幣処理装置の動作の耐久性の低下を抑える自動販売機および自動販売機に搭載された貨幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は常時通電され任意の時間に利用可能になっている。近年の自動販売機は、社会の省電力化へのニーズに対応するために、消費電力の低減が進んでいる。
【0003】
自動販売機の消費電力の低減を図る技術の一つにスリープモードと称される技術がある。この技術は顧客が自動販売機を利用しない時の自動販売機の消費電力を抑える技術である。
【0004】
自動販売機のスリープモードの技術には、消費電力を抑えることを目的として、さまざまなものがある。
【0005】
例えばスリープモードを備えた自動販売機の例として、特許文献1には時間帯によって照明や貨幣処理装置への電力の供給を断つスリープモードの機能を備えた自動販売機が開示されている。また特許文献1の自動販売機は、人体検知センサを備えており、人体検知センサの出力に応じて照明への電力の供給を停止(消灯)し、再開(点灯)する技術が開示されている。
【0006】
現在では、時間帯によって照明を消灯するスリープモードの機能をもつ自動販売機が市場で多くの割合を占めている。
【0007】
しかし、このようなスリープモード機能付き自動販売機においては、スリープモードであっても貨幣処理装置の電源を遮断することは無い。
【0008】
一方、自動販売機に搭載される貨幣処理装置には、硬貨処理装置と紙幣処理装置とがある。尚、貨幣処理装置は自動販売機の他、駐車場等の料金支払い機や、券売機などの無人の機器にも搭載されることが多い。
【0009】
従来の硬貨処理装置は、硬貨を識別するセンサと、正貨を金種別に振り分ける機構と、振り分けた硬貨を一時的に通路内に保持するエスクロ機構と、正貨を収容する硬貨収容部と、硬貨収容部に収容された硬貨を払い出す払出機構を備える。振り分け機構やエスクロ機構は、機構を駆動する複数のソレノイドを有し、払出し機構は、駆動するモータと複数のソレノイドを有する。
【0010】
従来の紙幣処理装置は、紙幣を識別する識別センサと、紙幣を搬送する搬送機構と、正貨を一時的に通路内に保持するエスクロ機能と、紙幣を紙幣収容部に収容する収容機構を備えている。また、搬送機構や収容機構は、それを駆動するモータを有する。
【0011】
上記した従来の貨幣処理装置(硬貨処理装置や紙幣処理装置)は、貨幣が装置の通路内に保持された状態や払出機構や収容機構が動作の途中に何らかの原因で電源の供給が停止した場合に、再び電源が投入されると次の処理が出来なくなってしまうので、これを防止するために初期動作を行うようになっている。
【0012】
初期動作には、電源が投入された際に、通路内の貨幣を自動販売機側の金庫や収納部に取り込むという目的と、払出し機構や収容機構を正規の待機位置にするという目的がある。
【0013】
硬貨処理装置の初期動作では、ソレノイドを駆動してエスクロ機構と振り分け機構を動作させて、エスクロ機構が保持した状態の硬貨を金庫へ案内する動作を実行するとともに、モータを駆動して払出機構を正規の待機位置にする動作を実行する。
【0014】
紙幣処理装置の初期動作では、モータを駆動して搬送機構と収容機構を動作させて、通路内の紙幣を返却する。あるいは通路内の紙幣を収容部側へ搬送しさらに搬送した紙幣を紙幣収容部へ収容する。また収容機構を正規の待機位置にする動作を実行する。
【0015】
貨幣処理装置は、初期動作の後貨幣の受入や自動販売機の主制御からの指令を待つ待機状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平2001−61286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
今後、更なる節電要求への対応として自動販売機においてスリープモードの実行を多用することが考えられる。また、スリープモード中の貨幣処理装置への電源の供給を断つことは更なる節電対応として効果的である。
【0018】
しかし、従来の貨幣処理装置は電力の供給が開始される度に上述の初期動作を行う為、自動販売機がスリープモード中に貨幣処理装置の電力の供給を断ち、スリープモード終了時に再び電力の供給を開始すると、電力の供給開始の度に貨幣処理装置が初期動作を実行することになる。
【0019】
すると、初期動作回数が増加して貨幣処理装置のモータやソレノイドおよび駆動される機構(振り分け機構、エスクロ機構、払出機構、搬送機構、収容機構)動作の耐久性を相対的に低下させてしまうという問題がある。
【0020】
本発明は、上述した問題を解決することを目的として、貨幣処理装置への電源供給を断つスリープモードを多用しても、貨幣処理装置の動作の耐久性の低下を抑える自動販売機および自動販売機に搭載された貨幣処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、電源の投入時に装置を動作する初期動作を行う貨幣処理装置を搭載し、該貨幣処理装置の電力の供給を停止するスリープモードを実行する自動販売機において、
前記自動販売機は、前記スリープモードの実行と該スリープモードからの復帰を制御するともに、前記貨幣処理装置に対して該スリープモードの開始を通知する通知信号を送信した後、該スリープモードを実行するように制御するスリープモード実行制御部を備え、
前記貨幣処理装置は、前記通知信号若しくは前記通知信号を受けたことを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記記憶の有無を判定する判定部を備え、前記スリープモードが終了して電源が投入された時に、前記判定部が前記記憶部に前記記憶が有ると判定した場合には、前記初期動作を行わないようにする。
【0022】
上記目的を達成するため、請求項2の発明は、電源の投入時に、装置を動作する初期動作を行う貨幣処理装置において、
該自動販売機から所定の通知信号を受信すると、該通知信号若しくは該通知信号を受けたことを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記記憶の有無を判定する判定部を備え、
電源が投入された時、前記判定部が前記記憶部に前記記憶が有ると判定した場合には、前記初期動作を行わないようにする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、自動販売機のスリープモード実行制御部は、通知信号を送信し、所定時間が経過してから、スリープモードを実行する。貨幣処理装置は、通知信号を受信すると上記所定時間の間に、通知信号若しくは通知信号を受けたことを記憶部に記憶し、その後電源が断たれる(電力の供給が停止される)ことになる。また自動販売機がスリープモードから復帰して、貨幣処理装置に電源が投入されると、貨幣処理装置の判定部は記憶部に前記記憶があると判定した場合、初期動作を実行しないように出来る。
【0024】
これにより、自動販売機が、貨幣処理装置への電源供給を停止するスリープモードを多用しても、貨幣処理装置の初期動作の実行回数は増加しないので、貨幣処理装置の動作の耐久性の低下を抑えることが出来る。
【0025】
請求項2の発明によれば、貨幣処理装置は、自動販売機等(自動販売機、駐車場の料金支払い機や券売機等の無人の機器)から通知信号を受信すると通知信号または通知信号を受けたことを記憶部に記憶する。また貨幣処理装置の電源が投入された時、判定部は記憶部に前記記憶がある場合には初期動作を実行しないように出来る。
【0026】
これにより、自動販売機が、貨幣処理装置への電源供給を停止するスリープモードを多用しても、貨幣処理装置の初期動作の実行回数は増加しないので、貨幣処理装置の動作の耐久性の低下を抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例に係る自動販売機1の概念ブロック図。
【図2】本発明の一実施例に係る硬貨処理装置6の概念構成図。
【図3】本発明の一実施例に係る硬貨処理装置6のスリープモードの開始時の動作に係る制御のフロー。
【図4】本発明の一実施例に係る硬貨処理装置6の電源投入時の動作に係る制御フロー。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係る自動販売機1の概念ブロック図である。自動販売機1は、商品見本等を照明する蛍光灯やLEDからなる照明部3、商品選択釦4、人が近くにいることを検出する人体検知センサ5、貨幣処理装置11(硬貨処理装置6、紙幣処理装置7)、商品放出駆動部8、各種プログラムや商品販売の売上等を記憶する記憶部9を備える。
【0029】
照明部3、商品選択釦4、人体検知センサ5、硬貨処理装置6、紙幣処理装置7、商品放出駆動部8、記憶部9は、自動販売機全体を制御する主制御部2に接続されている。また主制御部2はスリープモード実行制御部10を備える。
【0030】
照明部3、商品選択釦4、人体検知センサ5、商品放出駆動部8は、周知の自動販売機が備える手段である。硬貨処理装置6、紙幣処理装置7、スリープモード実行制御部10については後述にて詳細に説明する。
【0031】
スリープモード実行制御部10は、予め記憶部9に記憶されたプログラムと人体検知センサ5の検出信号に基づいて自動販売機を構成する照明部3、商品選択釦4、人体検知センサ5、硬貨処理装置6、紙幣処理装置7への電力の供給を停止する(電源を遮断する)スリープモードを実行するとともに再び電力の供給を開始する(電源を投入する)制御をするものである。また、スリープモード実行制御部10は、スリープモードを開始する(硬貨処理装置6への電力の供給を停止する)ことを通知する通知信号を送信してから、所定時間経過後(本実施例では10秒が経過後)、スリープモードの実行(硬貨処理装置6等への電力の供給を停止する)を実行する。
【0032】
このように構成された自動販売機1は、自動販売機1が商品を販売しない時間帯や、人体検知センサ5が人を検出していない時等に、スリープモード実行制御部10の制御に基づいて、照明部3や硬貨処理装置6や紙幣処理装置7の電力を断つ。これにより自動販売機1は電力の消費を抑える。
【0033】
次に本発明に係る一実施例の硬貨処理装置6について説明する。図2は、図1に示す自動販売機1に搭載された硬貨処理装置6の概念構成図である。硬貨処理装置6は従来の硬貨処理装置と同様に、硬貨を識別する識別センサ21、硬貨を振り分ける振り分けレバーとこのレバーを駆動するソレノイドによって構成された振り分け機構22、振り分けた硬貨を一時的に保持するレバーとこのレバーを駆動するソレノイドによって構成されたエスクロ機構29、硬貨収容部30、モータ25および複数のソレノイド24から構成された払出し機構23、プログラムや硬貨の判別閾値や硬貨収容部に収容された硬貨の枚数等を記憶する記憶部28、これらの各部位が接続され硬貨処理装置6全体を制御する制御部26を備える。
【0034】
記憶部28は、ROM、RAM、フラッシュメモリによって構成されている。
【0035】
硬貨処理装置6の制御部26は、さらに、上記の自動販売機1のスリープモード実行制御部10から通知信号を受信すると、通知信号を記憶部28のフラッシュメモリに記憶するとともに、硬貨処理装置6の状態に関する情報(以下バックアップ情報と云う)を記憶部28のフラッシュメモリに記憶する。
【0036】
バックアップ情報には、稼働履歴や、エラー履歴、硬貨処理装置6が備える硬貨収容部に収容された硬貨の枚数に係る情報等が含まれる。
【0037】
また、硬貨処理装置6に電力の供給が開始された時(硬貨処理装置へ電源を投入時)、記憶部28に通知信号の記憶が有るか否かを確認し、通知信号が記憶されていることを判定する判定部27を備えている。
【0038】
このように構成された硬貨処理装置6は、電源が投入された時、判定部27が、記憶部28に通知信号の記憶が無いと判定すると、スリープモードからの復帰ではないとみなして制御部26は、従来の硬貨処理装置6と同様に初期動作を実行する。そして待機状態となる。
【0039】
また、判定部27が、通知信号の記憶が有ると判定すると、スリープモードからの復帰であるとみなして制御部26は初期動作を実行せず、待機状態となる。
【0040】
次に、図3の硬貨処理装置6のスリープモードの開始時の動作に係る制御のフロー図を参照してスリープモードの開始時の動作の制御を詳細に説明する。
【0041】
図3の硬貨処理装置6が待機状態において、自動販売機1から通知信号を受信すると(ステップ1でYes)、記憶部28のフラッシュメモリに通知信号を記憶する。(ステップ2)ステップ1において通知信号を受信しなかった場合には、(ステップ1でNo)ステップ1に戻る。
【0042】
記憶部28に通知信号を記憶すると、制御部26は電力の供給が停止する前(電源が断たれる前)に、硬貨が投入されて、硬貨受け入れた状態で電力の供給が停止しないように、硬貨の受入を禁止する。(ステップ3)硬貨の受入が禁止された状態とは、硬貨処理装置6に投入された硬貨がそのまま返却される状態である。
【0043】
次に、バックアップ情報を、記憶部28のフラッシュメモリに記憶(バックアップ)する。(ステップ4)
【0044】
次に、タイマーをスタートする。(ステップ5)これは、自動販売機1側の何らかの都合により、自動販売機がスリープモード通知信号の送信後にスリープモードを実行しなかった場合、通知信号の記憶を消去する為に設けられているものである。本実施例に係る硬貨処理装置6のタイマーの時間は15秒とする。
【0045】
次にタイマーが終了(15秒経過)したか否かをチェックする。(ステップ6)ステップ6においてタイマーが15秒を経過した場合には(ステップ6でYes)、通知信号をクリア(消去)する。(ステップ7)そして待機状態に戻る。
【0046】
タイマーが終了しなかった場合(ステップ6でNo)、ステップ6を繰り返す。通常であれば自動販売機1は、スリープモード通知信号を送信してから、10秒の間隔を置いて硬貨処理装置6の電力の供給を停止する為、硬貨処理装置6はステップ6のチェック中に電源が切れる。
【0047】
次に、図4の硬貨処理装置6の電源投入時の動作に係る制御のフロー図を参照して硬貨処理装置6の電源投入時の制御を詳細に説明する。
【0048】
図4の制御のフローは、硬貨処理装置6に電源が投入されると(電力の供給が開始された時)スタートする。判定部27は電源が供給されると記憶部28に記憶された通知信号の有無を判定する。(ステップ1)
【0049】
ステップ1において通知信号の記憶が無い場合(ステップ1でNo)、従来の硬貨処理装置と同様に初期動作を実行する(ステップ2)
【0050】
ステップ1において、通知信号の記憶が有る場合(ステップ1でYes)、記憶部28に記憶されたバックアップ情報を読み出す。(ステップ3)これにより硬貨処理装置6は、スリープモード開始前の硬貨の収容枚数を認識することが出来る。
【0051】
次に通知信号を消去し(ステップ4)、待機状態となる。
【0052】
なお、上記の通り第一の実施例に係る説明では、貨幣処理装置6は、記憶部28のフラッシュメモリに通知信号そのものを記憶する例を用いて説明をしてきたが、貨幣処理装置6が、記憶部28に通知信号を受信したことを示す記録としてたとえばフラグを記憶するようにして、電源投入時に、判定部27が、記憶部に記憶された前記フラグの有無を判定してもよい。この場合フラグがあった場合には、スリープモードからの復帰であるとみなして初期動作をしないで待機状態にする。
【0053】
また、上記の本発明に係る一実施例の説明では、硬貨処理装置6のバックアップ情報を硬貨理装置6の記憶部28に記憶する例を説明したが、バックアップ情報をスリープモードになる前に、自動販売機1の記憶部9にバックアックしてもよい。このように構成した場合、貨幣処理装置11は、通知信号を受けた時、自動販売機1へバックアップ情報を送信し、自動販売機1は受信したバックアップ情報をスリープモードの間の記憶部9に記憶する。そして貨幣処理装置がスリープモードから復帰した時、自動販売機1から貨幣処理装置11へ記憶部9に記憶しておいた貨幣処理装置11のバックアップ情報を戻す。
【0054】
上記の本発明に係る一実施例では、自動販売機1と硬貨処理装置6を例に発明の実施例を説明したが、本発明の一実施例に係る紙幣処理装置6も、硬貨処理装置7と同様に、判定手段27を備えており、スリープモードからの復帰時には、紙幣処理装置7の初期動作を行わずに、待機状態となる。
【0055】
具体的には、自動販売機1が、スリープモードの実行の開始を示す通知信号を送信し、その10秒後に、紙幣処理装置7の電源を遮断した場合、紙幣処理装置7は、通知信号を受信すると紙幣処理装置7の記憶部に通知信号あるいは通知信号を受けたこと示す情報を記憶する。また自動販売機がスリープモードから復帰した時、紙幣処理装置7が備える判別部27が、記憶部に通知信号または通知信号を受けたことを示す情報の記憶が有るか否かを判定し、記憶が有る場合には、スリープモードからの復帰であるとみなして紙幣処理装置7の初期動作をせずに待機状態になる。
【0056】
以上の通り自動販売機1と貨幣処理装置11(硬貨処理装置6、紙幣処理装置7)を例に本発明の実施例を説明したが、本発明に係る貨幣の処理装置11は、自動販売機11に限定して搭載されるものではなく、駐車場の料金支払い機や券売機等の無人の機器にも搭載される装置である。従って自動販売機以外の機器に搭載された場合であっても、スリープモードからの復帰時に、初期動作を実行せずに、待機状態にすることが出来る。
【0057】
無人機に貨幣処理装置11を搭載した場合、貨幣処理装置11が搭載された無人の機器側からスリープモードの実行を示す通知信号を受信すると、貨幣処理装置11は通知信号若しくは通知信号を受けたことを記憶し、電源が投入された時には判別部27が通知信号若しくは通知信号を受けた記憶の有無を判別し、記憶が有ると判別した場合には、初期動作をせずに待機状態になる。
【0058】
以上の説明の通り、本発明の一実施例に係る自動販売機1は、電源の投入時に装置を動作する初期動作を行う貨幣処理装置を搭載し、該貨幣処理装置の電力の供給を停止するスリープモードを実行する自動販売機1であって、
スリープモードの実行とスリープモードからの復帰を制御するともに、貨幣処理装置11に対して該スリープモードの開始を通知する通知信号を送信した後、該スリープモードを実行するように制御するスリープモード実行制御部10を備え、
前記貨幣処理装置11は、前記通知信号または前記通知信号を受けたことを記憶する記憶部28と、
前記記憶部28に記憶された前記記憶の有無を判定する判定部27を備え、
前記スリープモードが終了して前記貨幣処理装置11への電源が投入された時、前記判定部27が前記記憶部に前記記憶が有ると判定した場合には前記初期動作を行わないようにする。
【0059】
これにより、自動販売機1が、貨幣処理装置への電源供給を停止するスリープモードを多用しても、貨幣処理装置11の初期動作の実行回数は増加しないので、貨幣処理装置11の各種機構動作の耐久性の低下を抑えることが出来る自動販売機となる。
【0060】
また、本発明の一実施例に係る貨幣処理装置11は、電源の投入時に、装置を動作する初期動作を行う貨幣処理装置であって、
自動販売機等(自動販売機、駐車場の料金支払い機や券売機等の無人の機器)から所定の通知信号を受信すると、該通知信号若しくは該通知信号を受けたことを記憶する記憶部28と、
前記記憶部28に記憶された前記記憶の有無を判定する判定部27を備え、
電源が投入された時、前記判定部27が前記記憶部28に記憶が有ると判定した場合には、前記初期動作を行わないようにする。
【0061】
これにより、貨幣処理装置11は、自動販売機等が貨幣処理装置への電源供給を停止するスリープモードを多用しても、貨幣処理装置の初期動作の実行回数は増加しないので、貨幣処理装置の動作の耐久性の低下を抑えることが出来る貨幣処理装置となる。
【符号の説明】
【0062】
1 自動販売機
2 主制御部
3 照明部
4 商品選択釦
5 人体検知センサ
6 硬貨処理装置
7 紙幣処理装置
8 商品放出駆動部
9 記憶部
10 スリープモード実行制御部
11 貨幣処理装置
21 硬貨識別センサ
22 振り分け機構
23 払い出し機構
24 ソレノイド
25 モータ
26 制御部
27 判定部
28 記憶部
29 エスクロ機構
30 硬貨収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源の投入時に装置を動作する初期動作を行う貨幣処理装置を搭載し、該貨幣処理装置の電力の供給を停止するスリープモードを実行する自動販売機において、
前記自動販売機は、前記スリープモードの実行と該スリープモードからの復帰を制御するともに、前記貨幣処理装置に対して該スリープモードの開始を通知する通知信号を送信した後、該スリープモードを実行するように制御するスリープモード実行制御部を備え、
前記貨幣処理装置は、前記通知信号若しくは前記通知信号を受けたこと、を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記記憶の有無を判定する判定部を備え、
前記スリープモードが終了して前記貨幣処理装置に電源が投入された時、前記判定部が前記記憶部に前記記憶が有ると判定した場合には、前記初期動作を行わないことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
電源の投入時に装置を動作する初期動作を行う貨幣処理装置において、
自動販売機等から所定の通知信号を受信すると、該通知信号または該通知信号を受けたこと、を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記記憶の有無を判定する判定部を備え、
電源が投入された時、前記判定部が前記記憶部に前記記憶が有ると判定した場合には、前記初期動作を行わないことを特徴とする貨幣処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20445(P2013−20445A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153190(P2011−153190)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(307003777)株式会社日本コンラックス (140)
【Fターム(参考)】