自動販売機のサンプル展示装置
【課題】利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、売り切れや準備中の状態を直感的に認識し易い自動販売機のサンプル展示装置を提供する。
【解決手段】接客面の展示室23に商品サンプル22が配設され、商品番号を入力部13から入力することで商品を選択する自動販売機1であって、商品サンプル22と対応させて商品番号を表示する商品番号表示部と、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部とを、商品サンプル22の近傍に配設する。
【解決手段】接客面の展示室23に商品サンプル22が配設され、商品番号を入力部13から入力することで商品を選択する自動販売機1であって、商品サンプル22と対応させて商品番号を表示する商品番号表示部と、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部とを、商品サンプル22の近傍に配設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動販売機のサンプル展示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、一般の自動販売機においては、接客面の展示室51に配設された各商品サンプル52に対応して選択押釦53が設けられている(特許文献1等)。この種の自動販売機では、販売する商品の種類が多くなると、これに応じて、選択押釦53の数を増やさなければならない。なお、選択押釦53には、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ表示部が設けられている。また、補充した商品がまだ適温に達していないため、販売できないことを知らせる準備中表示部などを備えたものもある。
【0003】
これに対して、特許文献2には、接客面に設けられている外扉が透明であり、外扉を通して内部の商品が見えるよう構成されたいわゆるシースルー型の自動販売機が知られている。この種の自動販売機には、商品に対応して商品番号が示されているとともに、利用者が商品番号を入力するテンキー装置などの入力部が設けられている。そして、前記入力部から所望の商品に対応する商品番号を入力することで、商品を販売するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−51058号公報
【特許文献2】特開2008−262249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図1に示すように、接客面の展示室51に商品サンプル52が配設された自動販売機において、選択押釦53を設ける代わりに、前記特許文献2に示すような商品番号を入力するテンキー装置などの入力部を設けることが考えられる。この構成によれば、販売する商品の種類が多くなっても、選択押釦の数を増やさないで済ますことができる利点がある。
【0006】
しかしながら、この場合には、商品の売り切れ状態や、準備中状態が利用者に対してわかり難くなってしまい、利便性が低下してしまう。
本発明は上記課題を解決するもので、利用者がテンキー装置などの入力部により商品番号を入力することで商品を選択できながら、利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、売り切れや準備中の状態を直感的に認識し易い自動販売機の展示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の自動販売機の展示装置は、接客面の展示室に商品サンプルが配設され、商品番号を入力部から入力することで商品を選択する自動販売機であって、前記商品サンプルと対応させて商品番号を表示する商品番号表示部と、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部とが、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に配設されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成において、商品が売り切れ状態または準備中状態になると、この状態であることが、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に配設された状態表示部に表示される。したがって、商品が売り切れ状態または準備中状態になると、利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品別に売り切れや準備中の状態を直感的に容易に認識できる。
【0009】
なお、本発明は、制御部と金銭受け入れ部と入力部とが設けられたコントロールモジュールと、収納部と搬送部とが設けられた収納搬送モジュールとが別体で分離結合可能に構成されている自動販売機に対しても良好に対応できる。この場合には、前記収納搬送モジュールの収納搬送形態に応じて、状態表示部の有無が選択可能に構成されていることが好ましい。例えば、前記収納搬送モジュールが、透明な外扉を通して実際の商品の売り切れ状態がわかるいわゆるシースルー型のものである場合には、売り切れ表示が不要であるので状態表示部を設けず、商品の収納部内部が利用者から見えない、サーペンタイン型や直積み型などのものである場合には、売り切れ表示が必要であるので、状態表示部を設けるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に、商品番号を表示する商品番号表示部だけでなく、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部を設けたので、商品が売り切れ状態または準備中状態になると、利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品別に売り切れや準備中の状態を直感的に容易に認識できる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動販売機の全体正面図である。
【図2】(a)および(b)は同自動販売機の展示装置の正面図および要部拡大正面図である。
【図3】同自動販売機の入力部およびその近傍箇所の要部正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る自動販売機の全体正面図である。
【図5】本発明のその他の実施の形態に係る自動販売機の全体正面図である。
【図6】従来の自動販売機の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の展示装置を、図面に基づき説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る自動販売機1は、左右方向の中央に配置され、制御部(図示せず)と金銭受け入れ部と入力部13とが設けられたコントロールモジュール10と、このコントロールモジュール10の左右に配設され、商品の収納部および搬送部(図示せず)が設けられた収納搬送モジュール20A、20Bとから構成されている。これらのコントロールモジュール10と、収納搬送モジュール20A、20Bとは別体で分離結合可能に構成されている。
【0014】
各収納搬送モジュール20A、20Bは、収納部および搬送部(図示せず)が設けられた本体部の前面、つまり自動販売機1の接客面に外扉21が設けられた構成とされている。外扉21の上部には、複数の商品サンプル22等からなる展示装置25が配設されてなる展示室23が設けられている。展示室23の前面には透明板24を有しており、透明板24を通して、展示装置25が見えるよう構成されている。
【0015】
図1、図2(a)に示すように、展示装置25は、左右に延びる商品棚26と、商品棚26上に左右に並べられて立設した状態で陳列される複数個の商品サンプル22と、商品棚26の内部などに配設されて商品サンプル22を上方および内部から照らし出す蛍光灯などからなる照明装置(図示せず)などを有している。なお、この実施の形態では、展示装置25は上下複数段(例えば上下2段)設けられている。商品棚26は、展示室23の背面をなす部材から前方に延びる姿勢で取り付けられている。
【0016】
図2(a)、(b)に示すように、さらに、商品棚26の前面部には、商品番号を表示する商品番号表示部27と、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28と、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29とが、商品サンプル22の近傍に、各商品サンプル22と対応させて配設されている。なお、この実施の形態では、商品番号表示部27と売り切れ状態表示部28と準備中状態表示部29とが、商品情報表示部30としてまとめて設けられている。また、この実施の形態では、商品棚26の前面部における商品情報表示部30の上方に、商品が、冷却状態で販売されるいわゆるコールド商品であるか、加温状態で販売されるいわゆるホット商品であるかを示す冷温表示部31も設けられている。
【0017】
なお、この実施の形態では、自動販売機1に向って左側の収納搬送モジュール20Aは、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、上下に蛇行状に延びる商品通路内を商品が下方に搬送され、下端部に設けられた商品払出装置により、下端の商品が1つずつ払い出されるいわゆるサーペンタイン型のものが用いられている。そして、商品払出装置に、商品の売り切れを検知する売り切れ検知装置が設けられているとともに、商品温度を検知する温度センサも設けられて、売り切れ検知や、商品が適温に達していないことが検知されるようになっている。また、収納部および搬送部は、断熱庫構造とされ、冷凍サイクルや加熱ヒータ等により冷却されたり、加温されたりする。
【0018】
一方、自動販売機1に向って右側の収納搬送モジュール20Bは、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、商品が載せられた台が、ループ状のチェーンコンベアにより下方に順次搬送され、下端部で反転する際に下端の商品が1つずつ払い出されるいわゆるチェーンコンベア型のものが用いられている。そして、下端部近傍箇所に、商品の売り切れを検知する売り切れ検知装置が設けられているとともに、商品温度を検知する温度センサも設けられて、売り切れ検知や、商品が適温に達していないことが検知されるようになっている。また、図1に示すように、各収納搬送モジュール20A、20Bにおける外扉21の下部には、販売する商品が払い出される商品取出口32が設けられている。
【0019】
図3に示すように、コントロールモジュール10には、制御部(図示せず)が内部に配設されているとともに、金銭受け入れ部としての紙幣受け入れ部12aとコイン受け入れ部12bとが前面に露出した状態で設けられている。また、利用者が購入したい商品の番号を入力するテンキー入力部13aと購入キー13bと訂正キー13cとからなる入力部13が、コントロールモジュール10における紙幣受け入れ部12aやコイン受け入れ部12bの近傍に配設されている。さらに、この実施の形態では、入力部13の近傍に、入力された商品が売り切れ状態であることをランプが点灯して通知する売り切れ状態補助表示部14や、入力された商品が準備中状態(適温に達していない状態)であり販売できないことをランプが点灯して通知する準備中状態補助表示部15も1つずつ設けられている。また、この実施の形態では、広告や各種の商品関連情報を表示する広告表示部16や、釣銭の排出指示を行う釣銭用押しボタン17なども設けられている。また、18は投入金額を表示する金額表示部、19は釣銭払出部である。
【0020】
上記構成において、商品が売り切れ状態になると、この売り切れ状態が、商品サンプル22の近傍に配設された売り切れ状態表示部28のランプが点灯することで表示される(図2(b)の左側部分を参照)。したがって、商品が売り切れ状態になると、利用者が入力部13により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品サンプル22に対応して商品サンプル22近傍に設けられた売り切れ状態表示部28を見て、売り切れ状態を直感的に容易に認識できる。また、商品が準備中状態になると、この準備中状態が、商品サンプル22の近傍に配設された準備中状態表示部29のランプが点灯することで表示される(図2(b)の右側部分を参照)。したがって、商品が準備中状態になると、利用者が入力部13により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品サンプル22に対応して商品サンプル22近傍に設けられた準備中状態表示部29を見て、準備中状態を直感的に容易に認識できる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0021】
なお、本実施の形態では、さらに、入力部13の近傍に、売り切れ状態補助表示部14や準備中状態補助表示部15も1つずつ設けられている。これにより、利用者が希望する商品が売り切れ状態や準備中状態であることを万一気づかずに、利用者が入力した商品番号の商品が売り切れ状態であったり、準備中であったりした場合でも、売り切れ状態補助表示部14や準備中状態補助表示部15のランプが点灯する。したがって、この際には、入力部13の近傍で、売り切れ状態補助表示部14や準備中状態補助表示部15が点灯するので、利用者が売り切れ状態や準備中状態をさらに認識し易くなり、利用者の利便性が一層向上する。
【0022】
上記実施の形態では、両方の収納搬送モジュール20A、20Bとも、商品棚26の前面部に、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28と、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29とを設けた場合を述べたが、これに限るものではない。
【0023】
図4は本発明の他の実施の形態に係る自動販売機を示す全体正面図である。この自動販売機では、自動販売機1に向って左側の収納搬送モジュール20Aは、上記実施の形態と同様に、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、上下に蛇行状に延びる商品通路内を商品が下方に搬送され、下端部に設けられた商品払出装置により、下端の商品が1つずつ払い出されるいわゆるサーペンタイン型のものが用いられている。そして、商品払出装置に、商品の売り切れを検知する売り切れ検知装置が設けられているとともに、商品温度を検知する温度センサも設けられて、売り切れ検知や、商品が適温に達していないことが検知されるようになっている。また、収納部および搬送部は、断熱庫構造とされ、冷凍サイクルや加熱ヒータ等により冷却されたり、加温されたりする。
【0024】
これに対して、この実施の形態では、自動販売機1に向って左側の収納搬送モジュール20Cは、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、透明な外扉を通して実際の商品の売り切れ状態がわかるいわゆるシースルー型のものとされており、例えば、商品が前側に送られて1つずつ払い出されるよう構成されている。この場合には、利用者は内部を見て、当然、在庫がある商品から選択する。すなわち、売り切れ表示が不要であるので、この収納搬送モジュール20Cには売り切れ状態表示部28が設けられていない。これにより、その分だけ、左側の収納搬送モジュール20Cの製造コストの低減化を図ることが可能となる。
【0025】
また、上記実施の形態では、複数の収納搬送モジュール20A、20B、20Cが設けられる場合を述べたが、これに限るものではなく、図5に示すように、収納搬送モジュール20Aが1つだけ設けられている場合(なお、シースルー型のものなど売り切れが外部から容易に認識できるものは除く)にも、商品棚26の前面部などに、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28と、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29とを設けてもよいことは言うまでもない。
【0026】
また、上記実施の形態では、商品棚26の前面部に、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28が設けられている場合には、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29も設けられている場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、商品棚26の前面部などに、売り切れ状態表示部28だけを設けて、準備中状態表示部29は省くことも可能であり、この場合には、準備中状態である場合にも売り切れ状態表示部28のランプを点灯させるとよい。また、売り切れ状態表示部28や準備中状態表示部29の配設場所は、商品棚26の前面部に限るものではなく、商品サンプル22の近傍や商品サンプル自体に設けてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 自動販売機
10 コントロールモジュール
13 入力部
20A、20B、20C 収納搬送モジュール
21 外扉
22 商品サンプル
23 展示室
24 透明板
25 展示装置
26 商品棚
27 商品番号表示部
28 売り切れ状態表示部
29 準備中状態表示部
30 商品情報表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は自動販売機のサンプル展示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、一般の自動販売機においては、接客面の展示室51に配設された各商品サンプル52に対応して選択押釦53が設けられている(特許文献1等)。この種の自動販売機では、販売する商品の種類が多くなると、これに応じて、選択押釦53の数を増やさなければならない。なお、選択押釦53には、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ表示部が設けられている。また、補充した商品がまだ適温に達していないため、販売できないことを知らせる準備中表示部などを備えたものもある。
【0003】
これに対して、特許文献2には、接客面に設けられている外扉が透明であり、外扉を通して内部の商品が見えるよう構成されたいわゆるシースルー型の自動販売機が知られている。この種の自動販売機には、商品に対応して商品番号が示されているとともに、利用者が商品番号を入力するテンキー装置などの入力部が設けられている。そして、前記入力部から所望の商品に対応する商品番号を入力することで、商品を販売するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−51058号公報
【特許文献2】特開2008−262249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図1に示すように、接客面の展示室51に商品サンプル52が配設された自動販売機において、選択押釦53を設ける代わりに、前記特許文献2に示すような商品番号を入力するテンキー装置などの入力部を設けることが考えられる。この構成によれば、販売する商品の種類が多くなっても、選択押釦の数を増やさないで済ますことができる利点がある。
【0006】
しかしながら、この場合には、商品の売り切れ状態や、準備中状態が利用者に対してわかり難くなってしまい、利便性が低下してしまう。
本発明は上記課題を解決するもので、利用者がテンキー装置などの入力部により商品番号を入力することで商品を選択できながら、利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、売り切れや準備中の状態を直感的に認識し易い自動販売機の展示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の自動販売機の展示装置は、接客面の展示室に商品サンプルが配設され、商品番号を入力部から入力することで商品を選択する自動販売機であって、前記商品サンプルと対応させて商品番号を表示する商品番号表示部と、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部とが、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に配設されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成において、商品が売り切れ状態または準備中状態になると、この状態であることが、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に配設された状態表示部に表示される。したがって、商品が売り切れ状態または準備中状態になると、利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品別に売り切れや準備中の状態を直感的に容易に認識できる。
【0009】
なお、本発明は、制御部と金銭受け入れ部と入力部とが設けられたコントロールモジュールと、収納部と搬送部とが設けられた収納搬送モジュールとが別体で分離結合可能に構成されている自動販売機に対しても良好に対応できる。この場合には、前記収納搬送モジュールの収納搬送形態に応じて、状態表示部の有無が選択可能に構成されていることが好ましい。例えば、前記収納搬送モジュールが、透明な外扉を通して実際の商品の売り切れ状態がわかるいわゆるシースルー型のものである場合には、売り切れ表示が不要であるので状態表示部を設けず、商品の収納部内部が利用者から見えない、サーペンタイン型や直積み型などのものである場合には、売り切れ表示が必要であるので、状態表示部を設けるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に、商品番号を表示する商品番号表示部だけでなく、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部を設けたので、商品が売り切れ状態または準備中状態になると、利用者が入力部により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品別に売り切れや準備中の状態を直感的に容易に認識できる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動販売機の全体正面図である。
【図2】(a)および(b)は同自動販売機の展示装置の正面図および要部拡大正面図である。
【図3】同自動販売機の入力部およびその近傍箇所の要部正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る自動販売機の全体正面図である。
【図5】本発明のその他の実施の形態に係る自動販売機の全体正面図である。
【図6】従来の自動販売機の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の展示装置を、図面に基づき説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る自動販売機1は、左右方向の中央に配置され、制御部(図示せず)と金銭受け入れ部と入力部13とが設けられたコントロールモジュール10と、このコントロールモジュール10の左右に配設され、商品の収納部および搬送部(図示せず)が設けられた収納搬送モジュール20A、20Bとから構成されている。これらのコントロールモジュール10と、収納搬送モジュール20A、20Bとは別体で分離結合可能に構成されている。
【0014】
各収納搬送モジュール20A、20Bは、収納部および搬送部(図示せず)が設けられた本体部の前面、つまり自動販売機1の接客面に外扉21が設けられた構成とされている。外扉21の上部には、複数の商品サンプル22等からなる展示装置25が配設されてなる展示室23が設けられている。展示室23の前面には透明板24を有しており、透明板24を通して、展示装置25が見えるよう構成されている。
【0015】
図1、図2(a)に示すように、展示装置25は、左右に延びる商品棚26と、商品棚26上に左右に並べられて立設した状態で陳列される複数個の商品サンプル22と、商品棚26の内部などに配設されて商品サンプル22を上方および内部から照らし出す蛍光灯などからなる照明装置(図示せず)などを有している。なお、この実施の形態では、展示装置25は上下複数段(例えば上下2段)設けられている。商品棚26は、展示室23の背面をなす部材から前方に延びる姿勢で取り付けられている。
【0016】
図2(a)、(b)に示すように、さらに、商品棚26の前面部には、商品番号を表示する商品番号表示部27と、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28と、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29とが、商品サンプル22の近傍に、各商品サンプル22と対応させて配設されている。なお、この実施の形態では、商品番号表示部27と売り切れ状態表示部28と準備中状態表示部29とが、商品情報表示部30としてまとめて設けられている。また、この実施の形態では、商品棚26の前面部における商品情報表示部30の上方に、商品が、冷却状態で販売されるいわゆるコールド商品であるか、加温状態で販売されるいわゆるホット商品であるかを示す冷温表示部31も設けられている。
【0017】
なお、この実施の形態では、自動販売機1に向って左側の収納搬送モジュール20Aは、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、上下に蛇行状に延びる商品通路内を商品が下方に搬送され、下端部に設けられた商品払出装置により、下端の商品が1つずつ払い出されるいわゆるサーペンタイン型のものが用いられている。そして、商品払出装置に、商品の売り切れを検知する売り切れ検知装置が設けられているとともに、商品温度を検知する温度センサも設けられて、売り切れ検知や、商品が適温に達していないことが検知されるようになっている。また、収納部および搬送部は、断熱庫構造とされ、冷凍サイクルや加熱ヒータ等により冷却されたり、加温されたりする。
【0018】
一方、自動販売機1に向って右側の収納搬送モジュール20Bは、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、商品が載せられた台が、ループ状のチェーンコンベアにより下方に順次搬送され、下端部で反転する際に下端の商品が1つずつ払い出されるいわゆるチェーンコンベア型のものが用いられている。そして、下端部近傍箇所に、商品の売り切れを検知する売り切れ検知装置が設けられているとともに、商品温度を検知する温度センサも設けられて、売り切れ検知や、商品が適温に達していないことが検知されるようになっている。また、図1に示すように、各収納搬送モジュール20A、20Bにおける外扉21の下部には、販売する商品が払い出される商品取出口32が設けられている。
【0019】
図3に示すように、コントロールモジュール10には、制御部(図示せず)が内部に配設されているとともに、金銭受け入れ部としての紙幣受け入れ部12aとコイン受け入れ部12bとが前面に露出した状態で設けられている。また、利用者が購入したい商品の番号を入力するテンキー入力部13aと購入キー13bと訂正キー13cとからなる入力部13が、コントロールモジュール10における紙幣受け入れ部12aやコイン受け入れ部12bの近傍に配設されている。さらに、この実施の形態では、入力部13の近傍に、入力された商品が売り切れ状態であることをランプが点灯して通知する売り切れ状態補助表示部14や、入力された商品が準備中状態(適温に達していない状態)であり販売できないことをランプが点灯して通知する準備中状態補助表示部15も1つずつ設けられている。また、この実施の形態では、広告や各種の商品関連情報を表示する広告表示部16や、釣銭の排出指示を行う釣銭用押しボタン17なども設けられている。また、18は投入金額を表示する金額表示部、19は釣銭払出部である。
【0020】
上記構成において、商品が売り切れ状態になると、この売り切れ状態が、商品サンプル22の近傍に配設された売り切れ状態表示部28のランプが点灯することで表示される(図2(b)の左側部分を参照)。したがって、商品が売り切れ状態になると、利用者が入力部13により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品サンプル22に対応して商品サンプル22近傍に設けられた売り切れ状態表示部28を見て、売り切れ状態を直感的に容易に認識できる。また、商品が準備中状態になると、この準備中状態が、商品サンプル22の近傍に配設された準備中状態表示部29のランプが点灯することで表示される(図2(b)の右側部分を参照)。したがって、商品が準備中状態になると、利用者が入力部13により商品番号を入力する前でも、利用者は、商品サンプル22に対応して商品サンプル22近傍に設けられた準備中状態表示部29を見て、準備中状態を直感的に容易に認識できる。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0021】
なお、本実施の形態では、さらに、入力部13の近傍に、売り切れ状態補助表示部14や準備中状態補助表示部15も1つずつ設けられている。これにより、利用者が希望する商品が売り切れ状態や準備中状態であることを万一気づかずに、利用者が入力した商品番号の商品が売り切れ状態であったり、準備中であったりした場合でも、売り切れ状態補助表示部14や準備中状態補助表示部15のランプが点灯する。したがって、この際には、入力部13の近傍で、売り切れ状態補助表示部14や準備中状態補助表示部15が点灯するので、利用者が売り切れ状態や準備中状態をさらに認識し易くなり、利用者の利便性が一層向上する。
【0022】
上記実施の形態では、両方の収納搬送モジュール20A、20Bとも、商品棚26の前面部に、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28と、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29とを設けた場合を述べたが、これに限るものではない。
【0023】
図4は本発明の他の実施の形態に係る自動販売機を示す全体正面図である。この自動販売機では、自動販売機1に向って左側の収納搬送モジュール20Aは、上記実施の形態と同様に、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、上下に蛇行状に延びる商品通路内を商品が下方に搬送され、下端部に設けられた商品払出装置により、下端の商品が1つずつ払い出されるいわゆるサーペンタイン型のものが用いられている。そして、商品払出装置に、商品の売り切れを検知する売り切れ検知装置が設けられているとともに、商品温度を検知する温度センサも設けられて、売り切れ検知や、商品が適温に達していないことが検知されるようになっている。また、収納部および搬送部は、断熱庫構造とされ、冷凍サイクルや加熱ヒータ等により冷却されたり、加温されたりする。
【0024】
これに対して、この実施の形態では、自動販売機1に向って左側の収納搬送モジュール20Cは、本体部内に設けられる収納部および搬送部として、透明な外扉を通して実際の商品の売り切れ状態がわかるいわゆるシースルー型のものとされており、例えば、商品が前側に送られて1つずつ払い出されるよう構成されている。この場合には、利用者は内部を見て、当然、在庫がある商品から選択する。すなわち、売り切れ表示が不要であるので、この収納搬送モジュール20Cには売り切れ状態表示部28が設けられていない。これにより、その分だけ、左側の収納搬送モジュール20Cの製造コストの低減化を図ることが可能となる。
【0025】
また、上記実施の形態では、複数の収納搬送モジュール20A、20B、20Cが設けられる場合を述べたが、これに限るものではなく、図5に示すように、収納搬送モジュール20Aが1つだけ設けられている場合(なお、シースルー型のものなど売り切れが外部から容易に認識できるものは除く)にも、商品棚26の前面部などに、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28と、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29とを設けてもよいことは言うまでもない。
【0026】
また、上記実施の形態では、商品棚26の前面部に、商品の売り切れ状態を表示する売り切れ状態表示部28が設けられている場合には、商品が適温に達していない準備中状態を表示する準備中状態表示部29も設けられている場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、商品棚26の前面部などに、売り切れ状態表示部28だけを設けて、準備中状態表示部29は省くことも可能であり、この場合には、準備中状態である場合にも売り切れ状態表示部28のランプを点灯させるとよい。また、売り切れ状態表示部28や準備中状態表示部29の配設場所は、商品棚26の前面部に限るものではなく、商品サンプル22の近傍や商品サンプル自体に設けてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 自動販売機
10 コントロールモジュール
13 入力部
20A、20B、20C 収納搬送モジュール
21 外扉
22 商品サンプル
23 展示室
24 透明板
25 展示装置
26 商品棚
27 商品番号表示部
28 売り切れ状態表示部
29 準備中状態表示部
30 商品情報表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接客面の展示室に商品サンプルが配設され、商品番号を入力部から入力することで商品を選択する自動販売機であって、
前記商品サンプルと対応させて商品番号を表示する商品番号表示部と、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部とが、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に配設されていることを特徴とする自動販売機のサンプル展示装置。
【請求項2】
制御部と金銭受け入れ部と入力部とが設けられたコントロールモジュールと、収納部と搬送部とが設けられた収納搬送モジュールとが別体で分離結合可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機のサンプル展示装置。
【請求項3】
前記収納搬送モジュールの収納搬送形態に応じて、状態表示部の有無が選択可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の自動販売機のサンプル展示装置。
【請求項1】
接客面の展示室に商品サンプルが配設され、商品番号を入力部から入力することで商品を選択する自動販売機であって、
前記商品サンプルと対応させて商品番号を表示する商品番号表示部と、商品の売り切れ状態および準備中状態の少なくとも一方を表示する状態表示部とが、前記商品サンプル自体または前記商品サンプルの近傍に配設されていることを特徴とする自動販売機のサンプル展示装置。
【請求項2】
制御部と金銭受け入れ部と入力部とが設けられたコントロールモジュールと、収納部と搬送部とが設けられた収納搬送モジュールとが別体で分離結合可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機のサンプル展示装置。
【請求項3】
前記収納搬送モジュールの収納搬送形態に応じて、状態表示部の有無が選択可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の自動販売機のサンプル展示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−3806(P2013−3806A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133762(P2011−133762)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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