説明

自動販売機

【課題】簡単な構造で、しかも蒸発器を設置する構造の小型化を図ることができる自動販売機を提供すること。
【解決手段】冷気吸込ダクト32および冷気吐出ダクト33のそれぞれを通じて商品収容庫4に連通され、かつ蒸発器55を収容する直方状の蒸発器収容体47と、冷気吸込ダクト32を通じて商品収容庫4の内部空気を蒸発器収容体47内部に吸い込み、冷気吐出ダクト33を通じて該蒸発器収容体47内部に吸い込んだ内部空気を商品収容庫4に供給することにより、内部空気を商品収容庫4の内部と外部との間で循環させる循環手段とを備え、蒸発器収容体47は、左方側面に、冷気吸込ダクト32を通じて内部空気を流入させる流入口と、内部を通過した内部空気を冷気吐出ダクト33に流出させる流出口とが形成してある一方、内部には、左方側面に直交する方向に延在するとともに、右方側面近傍に間隙Sを形成する複数のフィン部材55bが設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機本体内に配設された商品収容庫の内部空気を冷却または加熱して、商品収容庫に収容された商品を冷却または加熱するようにした自動販売機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部を商品収容室と機械室とに画成し、更に商品収容室を3つの商品収容庫に画成した自動販売機が知られている。この自動販売機は、各商品収容庫にそれぞれ熱交換器(以下、庫内熱交換器とも称する)が配設されている一方、庫内熱交換器とともに冷凍サイクルを構成する圧縮機および熱交換器(以下、庫外熱交換器とも称する)が機械室に収容されている。そして、1つの商品収容庫を収容する商品を冷却のみするだけの冷却庫とし、他の2つの商品収容庫を収容する商品を冷却または加熱するための冷却加温庫としている。
【0003】
このように1つの商品収容庫を冷却庫とし、他の2つの商品収容庫を冷却加温庫とした自動販売機においては、全ての商品収容庫を冷却庫として利用することもできるし、一の商品収容庫を冷却庫とし他の商品収容庫を加温庫とすることもできる。更に一の商品収容庫を加温庫とし他の商品収容庫を冷却庫とすることもできる。
【0004】
このような自動販売機において、全ての商品収容庫を冷却庫とする場合には、全ての庫内熱交換器が蒸発器として機能する。つまり、全ての庫内熱交換器は、供給された冷媒を蒸発させることにより設置された商品収容庫の内部空気を冷却する。また、一の商品収容庫を冷却庫とし、他の商品収容庫を加温庫とする場合には、一の商品収容庫の庫内熱交換器は蒸発器として機能し、他の商品収容庫の庫内熱交換器は放熱器として機能する。つまり、他の商品収容庫の庫内熱交換器は、供給された冷媒を放熱させることにより設置された商品収容庫の内部空気を加熱する。
【0005】
このように上記自動販売機では、庫内熱交換器が蒸発器として機能したり、放熱器として機能したりして対応する商品収容庫の内部空気を冷却したり、加熱したりしている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ところが、上述したような自動販売機では、庫内熱交換器を蒸発器として、あるいは放熱器として運転しているために、冷凍サイクルの回路を切り替えるための配管や電磁弁等が必要になり、配管構成等が複雑なものになる。
【0007】
そこで、自動販売機本体の内部であって商品収容庫の外部となる機械室に冷却ユニットを備えた自動販売機が知られている。
【0008】
冷却ユニットは、圧縮機、放熱器、膨張弁および蒸発器を配管で接続して構成し、内部に封入した冷媒を循環させるものである。圧縮機は、供給された冷媒を圧縮するものである。放熱器は、供給された冷媒、すなわち圧縮機で圧縮された冷媒を放熱させるものである。膨張弁は、供給された冷媒、すなわち放熱器で放熱された冷媒を断熱膨張させるものである。蒸発器は、供給された冷媒、すなわち膨張弁で断熱膨張された冷媒を蒸発させて、蒸発させた冷媒を上記圧縮機に供給するものである。
【0009】
このような冷却ユニットを構成する蒸発器は、上記機械室に設けられ、かつ商品収容庫の内部に連通する収容体に配設されている。この収容体は、内部空気が蒸発器を一方向に通過する態様で該蒸発器を収容してある。これは、内部空気の通風路の圧力損失の増大を最小限にするためである。
【0010】
そして、商品収容庫と収容体との間で商品収容庫の内部空気を循環させることにより、収容体では蒸発器が供給された冷媒を蒸発させて通過する内部空気を冷却する結果、商品収容庫の内部空気が冷却されて該商品収容庫に収容された商品が冷却される(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2002−298210号公報
【特許文献2】特開2005−291523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、上述したような自動販売機では、内部空気の通風路の圧力損失の増大を最小限にするために内部空気が蒸発器を一方向に通過する態様で蒸発器を収容しているために、収容体には、蒸発器を設置スペースと通過する内部空気の圧力損失の増大を最小限にするためのスペースとを含めた大きさが必要とされ、これにより蒸発器の設置する構造の増大化を招来する虞れがある。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みて、簡単な構造で、しかも蒸発器を設置する構造の小型化を図ることができる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動販売機は、自動販売機本体内に配設された商品収容庫の内部空気を冷却または加熱して、商品収容庫に収容された商品を冷却または加熱するようにした自動販売機において、吸込ダクトおよび吐出ダクトのそれぞれを通じて前記商品収容庫に連通され、かつ供給された冷媒を蒸発させることにより周囲空気を冷却する蒸発器を収容する直方状の蒸発器収容体と、前記吸込ダクトを通じて前記商品収容庫の内部空気を前記蒸発器収容体内部に吸い込み、前記吐出ダクトを通じて該蒸発器収容体内部に吸い込んだ内部空気を商品収容庫に供給することにより、前記内部空気を商品収容庫の内部と外部との間で循環させる循環手段とを備え、前記蒸発器収容体は、一側面に、前記吸込ダクトを通じて前記内部空気を流入させるための流入口と、内部を通過した前記内部空気を前記吐出ダクトに流出させるための流出口とが形成してある一方、内部には、前記一側面に直交する方向に延在するとともに、前記一側面に対向する側面近傍に間隙を形成する複数のフィン部材が設けてあることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る自動販売機は、上述した請求項1において、前記流出口の開口面積は、前記流入口の開口面積よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項3に係る自動販売機は、上述した請求項1または請求項2において、前記蒸発器収容体内における内部空気の通路断面積は、前記流入口の開口面積よりも小さく、かつ前記流出口の開口面積は、前記通路断面積以下の大きさであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4に係る自動販売機は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記フィン部材には、通過する内部空気に対向する態様で前記内部空気の通過域に突出する切起部を設けたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項5に係る自動販売機は、上述した請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記蒸発器収容体は、前記自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる機械室の右方側に偏った位置に配設し、前記吸込ダクトおよび前記吐出ダクトは、それぞれ前記機械室において左右方向に沿って延在し、吐出ダクトが前方側に位置する態様で配設したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項6に係る自動販売機は、上述した請求項5において、前記機械室の中央領域に配設され、かつ供給された冷媒を放熱させることにより周囲空気を加熱する加熱熱交換器を収容する加熱器収容体と、前記吸込ダクトの後方側で左右方向に沿って延在する態様で配設され、対象となる商品収容庫の内部空気を前記加熱器収容体に導入するための導入ダクトと、前記吐出ダクトの前方側で左右方向に沿って延在する態様で配設され、前記加熱器収容体の内部空気を対象となる商品収容庫に導出するための導出ダクトとを備え、前記蒸発器収容体と前記加熱器収容体との間における前記吐出ダクトの前方側には、スペースを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の自動販売機によれば、吸込ダクトおよび吐出ダクトのそれぞれを通じて商品収容庫に連通され、かつ供給された冷媒を蒸発させることにより周囲空気を冷却する蒸発器を収容する直方状の蒸発器収容体と、吸込ダクトを通じて商品収容庫の内部空気を蒸発器収容体内部に吸い込み、吐出ダクトを通じて該蒸発器収容体内部に吸い込んだ内部空気を商品収容庫に供給することにより、内部空気を商品収容庫の内部と外部との間で循環させる循環手段とを備え、蒸発器収容体は、一側面に、吸込ダクトを通じて内部空気を流入させるための流入口と、内部を通過した内部空気を吐出ダクトに流出させるための流出口とが形成してある一方、内部には、一側面に直交する方向に延在するとともに、一側面に対向する側面近傍に間隙を形成する複数のフィン部材が設けてあるので、蒸発器収容体の大きさを蒸発器よりも僅かに大きいものとすれば良く、しかもフィン部材の延在方向に内部空気を通過させることができるので圧力損失が過大なものになることはない。従って、簡単な構造で、しかも蒸発器を設置する構造の小型化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1〜図3は、それぞれ本発明の実施の形態における自動販売機を模式的に示したものであり、図1は、外扉と内扉とを開放した状態を示す正面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、図1のIII−III断面図である。ここに例示する自動販売機は、缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等を販売するためのもので、本体キャビネット1を備えている。
【0023】
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱筐体として形成した自動販売機本体である。この本体キャビネット1には、その前面に外扉2と内扉(図示せず)とが設けてあり、その内部に例えば2つの断熱仕切板3によって仕切られた3つの独立した商品収容庫4a,4b,4c(以下、必要に応じて商品収容庫4と総称する)が左右に並んだ態様で設けてある。より詳細に説明すると、外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものであり、内扉は、商品収容庫4a,4b,4cの前面を開閉するためのものである。商品収容庫4a,4b,4cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を所望の温度状態に維持した状態で収容するためのものである。
【0024】
上記商品収容庫4a,4b,4cには、それぞれ商品収納ラック5、搬出機構(図示せず)および商品搬出シュータ7が設けてある。商品収納ラック5は、商品を上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構は、商品収納ラック5の下部に設けてあり、この商品収納ラック5に収納された商品群のうち最下部にある商品を一つずつ搬出するためのものである。商品搬出シュータ7は、搬出機構から搬出された商品を外扉2に設けた商品取出口(図示せず)に導くためのものである。商品搬出シュータ7によって仕切られた下方部は、それぞれ断熱仕切壁8によって前後2つの室に仕切られており、前方側には吐出室9、後方側には吸込室10となっている。また、商品収容庫4a,4b,4cの背面側には、背面ダクト11が設けてある。背面ダクト11の上部には吸込口11aが形成してある一方、下部には吸込室10に連通する吐出口11bが形成してある。
【0025】
上記商品収容庫4a,4b,4cの底面となる断熱底壁12には、冷気吸込口13および冷気吐出口14が形成してある。冷気吸込口13は、吸込室10に対応する個所に設けた開口であり、冷気吐出口14は、吐出室9に対応する個所に設けた開口である。
【0026】
また、上記商品収容庫4a,4b,4cのうち、最も左側に位置する商品収容庫(以下、左庫ともいう)4aおよび中央側に位置する商品収容庫(以下、中庫ともいう)4bの断熱底壁12に形成した冷気吸込口13および冷気吐出口14には、それぞれを開閉させるための冷気吸込シャッタ15および冷気吐出シャッタ16が設けてある。つまり、左庫4aおよび中庫4bにおける冷気吸込口13は、吸込室10に対応する個所に設けた開口であり、冷気吸込シャッタ15により開閉自在となっており、冷気吐出口14は、吐出室9に対応する個所に設けた開口であり、冷気吐出シャッタ16により開閉自在となっている。
【0027】
また、左庫4aおよび中庫4bの断熱底壁12には、上述した冷気吸込口13および冷気吐出口14の他に、暖気吸込口17および暖気吐出口18が形成してある。暖気吸込口17は、吸込室10に対応する個所であって、冷気吸込口13よりも後方側に設けた開口であり、暖気吸込シャッタ19により開閉自在となっている。暖気吐出口18は、吐出室9に対応する個所であって、冷気吐出口14よりも前方側に設けた開口であり、暖気吐出シャッタ20により開閉自在となっている。尚、図には明示していないが、最も右側に位置する商品収容庫(以下、右庫ともいう)4cは、冷却専用の収容庫であり、そのため断熱底壁12には冷気吸込口13および冷気吐出口14だけが形成してある。本明細書において、「右側」とは、自動販売機を正面から見た場合の右方側を意味し、「左側」とは、自動販売機を正面から見た場合の左方側を意味するものとする。
【0028】
図2および図3に示すように、商品搬出シュータ7の下面であって、吐出室9に対応する個所には庫内ファン21が取り付けてある。庫内ファン21は、詳細は後述するが、冷気吐出口14、あるいは暖気吐出口18から空気を吐出させ、商品収納ラック5に収納された商品に空気(冷気あるいは暖気)を供給するためのものである。各商品収容庫4a,4b,4cに取り付けた庫内ファン21は、商品収容庫4a,4b,4cの庫内に配設した温度センサ(図示せず)に基づいて、オン・オフ制御することによって商品収容庫4a,4b,4cの温度制御を行うものである。
【0029】
上述した商品収容庫4a,4b,4cと断熱底壁12で区画され、かつ該商品収容庫4a,4b,4cの下方に位置する機械室22には、ダクト集合体30および冷却加熱装置40が配設してある。
【0030】
ダクト集合体30は、機械室22の上部、すなわち断熱底壁12の下面に断熱材により構成したものであり、図4に示すように、商品収容庫4a,4b,4cの並設方向、すなわち自動販売機の左右方向に延在する4つのダクトが前後方向に並ぶ態様で設けてある。このダクト集合体30を形成する4つのダクトは、後方から前方に向けて、暖気吸込ダクト(導入ダクト)31、冷気吸込ダクト32、冷気吐出ダクト33および暖気吐出ダクト(導出ダクト)34となっている。
【0031】
暖気吸込ダクト31は、一方が左庫4aおよび中庫4bの暖気吸込口17に開口し、他方が後述する圧縮機室43に開口するものである。つまり、暖気吸込ダクト31は、左庫4aおよび中庫4bの内部と、圧縮機室43とを連通させるものである。
【0032】
冷気吸込ダクト32は、一方が商品収容庫4a,4b,4cの冷気吸込口13に開口し、他方が後述する蒸発器収容体の流入口47aに開口するものである。つまり、冷気吸込ダクト32は、商品収容庫4a,4b,4cのそれぞれの内部と、蒸発器収容体の内部とを連通させるものである。冷気吸込ダクト32は、暖気吸込ダクト31よりも長尺状のものであり、その途中から前後幅が漸次拡大するとともに、底面が漸次低くなる態様で傾斜している。
【0033】
冷気吐出ダクト33は、一方が商品収容庫4a,4b,4cの冷気吐出口14に開口し、他方が後述する蒸発器収容体の流出口47bに開口するものである。つまり、冷気吐出ダクト33は、商品収容庫4a,4b,4cのそれぞれの内部と、蒸発器収容体の内部とを連通させるものである。
【0034】
暖気吐出ダクト34は、一方が左庫4aおよび中庫4bの暖気吐出口18に開口し、他方が後述する加熱室44に開口するものである。つまり、暖気吐出ダクト34は、左庫4aおよび中庫4bの内部と、加熱室44とを連通させるものである。
【0035】
このようなダクト集合体30において、暖気吐出ダクト34の右方側、すなわち前方右方側には、切欠部30aが形成することによりスペースが設けてある。
【0036】
冷却加熱装置40は、機械室22に対して着脱自在に設けてあり、図5に示すように、加熱部41と冷却部42とを有している。加熱部41は、冷却加熱装置40の左側に位置し、圧縮機室43と加熱室44とを有している。圧縮機室43は、加熱室44の右方側後方に連通する態様で、該加熱室44の右方側に断熱材によって画成された室である。この圧縮機室43の上方は、加熱室44の開口に連通する態様で開口しており、上記暖気吸込ダクト31に通じている。圧縮機室43の内部には、図6にも示すように圧縮機51が収容してある。より詳細には、圧縮機室43の右方側面には貫通孔(図示せず)が形成してあり、該貫通孔を挿通する態様で圧縮機51が収容してある。従って、圧縮機51の一部が圧縮機室43の外部に露出する態様で収容してある。ここで、圧縮機51は、クッション材43aに巻回される態様で上記貫通孔を挿通している。つまり、圧縮機51は、クッション材43aを介して圧縮機室43を画成する断熱材に接触している。クッション材43aは、弾力性を有するものである。圧縮機51は、後述する冷却加熱ユニット50を構成するものであり、その詳細については後述する。
【0037】
加熱室44は、断熱材によって画成された直方状の室であり、上方が開口しており、上記暖気吐出ダクト34に連通している。この加熱室44の内部には、加熱熱交換器52、加熱ファン45およびヒータ46が設けてある(図2参照)。つまり、加熱室44は、加熱器収容体である。
【0038】
加熱熱交換器52は、後述する冷却加熱ユニット50を構成するものであり、詳細については後述する。加熱ファン45は、加熱熱交換器52よりも後方側に配設してあり、後方から前方に向けて空気を流すためのものである。ヒータ46は、加熱熱交換器52の前方側に設けてある。このヒータ46は、駆動することにより周囲空気を加熱するものである。
【0039】
冷却部42は、冷却加熱装置40の右側に位置し、蒸発器収容体47を有している。蒸発器収容体47は、冷却加熱装置40の右方側に位置し、前後方向が長手方向となる直方状の形態をなす断熱筐体であり、内部に蒸発器55が収容してある。この蒸発器収容体47の左方側面には、内部に空気を流入させるための開口である流入口47aと、外部に空気を流出させるための開口である流出口47bとが前後方向に沿って並ぶ態様で形成してある(図8〜図10参照)。流入口47aは、上記冷気吸込ダクト32に連通してあり、流出口47bは、上記冷気吐出ダクト33に連通している。
【0040】
また、蒸発器収容体47の下方には、水受皿48が設けてある。水受皿48は、周囲から中央に向けて漸次低くなる態様の形態をなし、最も低くなる部分にはドレーン48aが設けてある。この水受皿48に溜まったドレーン水は、ドレーン48aを介して更に下方に配設された蒸発皿49に滴下するようになっている。蒸発皿49は、滴下したドレーン水を溜めるとともにドレーン水の蒸発を促進させるためのものである。
【0041】
蒸発器55は、その構成については後述するが、上記圧縮機51や加熱熱交換器52とともに冷却加熱ユニット50を構成している。図7は、冷却加熱ユニットを概念的に示した概念図であり、かかる図7を参照しながら、冷却加熱ユニット50について説明する。
【0042】
冷却加熱ユニット50は、圧縮機51と、加熱熱交換器52と、ガスクーラ53と、膨張弁54と、蒸発器55とを配管で順次接続することにより構成してある。この冷却加熱ユニット50において、冷媒としては、不燃性、安全性、不腐食性を有し、更にオゾン層への影響が少ない二酸化炭素を用いている。
【0043】
圧縮機51は、上記圧縮機室43に一部が外部に露出する態様で収容してある。この圧縮機51は、蒸発器55からの冷媒(二酸化炭素)を圧縮して高温高圧の状態にするものである。本実施の形態における圧縮機51は、2回に分けて圧縮動作を行う二段式圧縮機51である。より詳細に説明すると、圧縮機51は、1回目の圧縮動作を行う第1圧縮機51aと、2回目の圧縮動作を行う第2圧縮機51bとを有し、これらの間に中間熱交換器51cが設けてある。中間熱交換器51cは、第1圧縮機51aによる1回目の圧縮動作により圧縮された冷媒を放熱させて該冷媒を第2圧縮機51bに戻すものである。 この中間熱交換器51cは、図には明示しないが、圧縮機室43の前方側に配設してある。
【0044】
加熱熱交換器52は、上記加熱室44に配設してある。この加熱熱交換器52は、圧縮機51で高温高圧の状態に圧縮された冷媒を放熱させるものである。冷媒が放熱することにより、加熱熱交換器52の周囲を通過する空気は熱が与えられることになり加熱される。
【0045】
ガスクーラ53は、加熱熱交換器52から供給された冷媒を更に放熱させるものである。冷媒が放熱することによりガスクーラ53の周囲を通過する空気は熱が与えられることになり加熱される。 このガスクーラ53は、冷却加熱装置40において、前方側中央、すなわち加熱室44と蒸発器収容体47との間の領域において中間熱交換器51cよりも前方側であって、ダクト集合体30の切欠部30aにより設けられたスペースに進入する態様で配設してある。つまり、蒸発器収容体47と加熱室44との間における冷気吐出ダクト33の前方側、すなわち暖気吐出ダクト34の右方側のスペースには、加熱熱交換器52から供給された冷媒を放熱させることにより周囲を通過する空気を加熱するガスクーラ53を配設してある。
【0046】
上記ガスクーラ53の後方にはガスクーラファン53aが設けてある。ガスクーラファン53aは、前方側から後方側に空気(外気)を送出するためのものである。つまり、ガスクーラファン53aにより送出される空気は、ガスクーラ53の周囲を通過した後、中間熱交換器51cの周囲を通過し、その後圧縮機室43の右方側を通過することになる。これにより、圧縮機51は、一部が露出する態様で、すなわち一部がガスクーラ53とともに外気の通過域に露出する態様で圧縮機室43に収容してある。
【0047】
膨張弁54は、蒸発器収容体47とともに冷却部42に配設してあり、供給された冷媒を断熱膨張させる、すなわち該冷媒を減圧して低温低圧の状態に調整するものである。
【0048】
蒸発器55は、蒸発器収容体47の内部に収容してある。この蒸発器55は、膨張弁54で低温低圧の状態に断熱膨張させた冷媒を蒸発させるものである。この冷媒が蒸発することにより、蒸発器55の周囲を通過する空気は熱が奪われることになり冷却される。また、蒸発器55は、通過した冷媒を上記圧縮機51に供給するものである。
【0049】
この蒸発器55は、冷媒の流路を構成する蛇行状のチューブ55aが板状の複数のフィン部材55bを貫通して構成してある。この複数のフィン部材55bは、それぞれ蒸発器収容体47の左方側面に直交する方向、すなわち左右方向に沿って延在するとともに、該蒸発器収容体47の右方側面の近傍に間隙Sを形成してある。従って、フィン部材55b間および間隙Sは、空気の通路となる。また、フィン部材55bの表面には、図10および図11に示すように、通過する空気に対向する態様で空気の通路に突出する切起部55cを設けている。
【0050】
このような蒸発器55における空気の通路断面積、すなわちフィン部材55b間および間隙Sにおける空気の通路断面積は、流入口47aの開口面積よりも小さくなっており、流出口47bの開口面積よりと同等、あるいはそれ以上の大きさを有している。つまり、換言すると、流出口47bの開口面積は、流入口47aの開口面積よりも小さくなっている。
【0051】
上記冷却加熱ユニット50では、上記構成の他に、内部熱交換器56および電磁弁57が設けてある。内部熱交換器56は、ガスクーラ53からの冷媒(高圧冷媒)と、蒸発器55からの冷媒(低圧冷媒)とを熱交換させるものである。より詳細に説明すると、内部熱交換器56の内部にはガスクーラ53で放熱された冷媒が通過するための高圧冷媒管路56aと、蒸発器55で蒸発した冷媒が通過するための低圧冷媒管路56bとが、互いに熱交換可能な距離を有して非接触向流する態様で配設してある。この内部熱交換器56は、冷却部42において蒸発器収容体47の前方に配設してある。電磁弁57は、蒸発器55とともに蒸発器収容体47の内部に配設してあり、開閉動作することにより蒸発器55への冷媒の供給を許容および規制するものである。
【0052】
このような冷却加熱ユニット50では、冷媒が循環することにより、加熱熱交換器52は周囲を通過する空気を加熱する加熱手段として、蒸発器55は周囲を通過する空気を冷却する冷却手段として作用する。
【0053】
以上のような構成を有する自動販売機では、次のようにして商品収容庫4a,4b,4cの内部空気を冷却することができる。ここでは、全ての商品収容庫4a,4b,4cの内部空気を冷却する場合について説明する。このように全ての商品収容庫4a,4b,4cの内部空気を冷却する場合には、前提として、暖気吸込口17は暖気吸込シャッタ19により閉成され、暖気吐出口18は暖気吐出シャッタ20により閉成されているものとし、冷気吸込口13および冷気吐出口14はともに開成されているものとする。これにより、加熱部41を構成する圧縮機室43および加熱室44は、それぞれ左庫4aおよび中庫4bと遮断される一方、蒸発器収容体47は商品収容庫4a,4b,4cと連通している。
【0054】
このような状態でガスクーラファン53aおよび庫内ファン21を駆動させる。ガスクーラファン53aを駆動させることにより、自動販売機の前方より外気がガスクーラ53の周囲を通過し、その後加熱室44と蒸発器収容体47との間を通過することになる。つまり、ガスクーラ53の周囲を通過した外気は、中間熱交換器51cの周囲を通過し、その後圧縮機室43の周囲を通過して自動販売機の後方側に放出されることになる。
【0055】
つまり、ガスクーラファン53aの駆動により冷却加熱装置40における加熱室44と蒸発器収容体47との間には、前方から後方に向かって外気が通過することになる。このように通過する外気に対して、ガスクーラ53および中間熱交換器51cでは、供給された冷媒を放熱させて熱を放出することができる。また、一部がガスクーラ53とともに外気の通過域に露出する態様で圧縮機室43に収容してある圧縮機51では、駆動により生ずる熱を上記外気に対して放出することができる。
【0056】
一方、庫内ファン21を駆動させることにより、商品収容庫4a,4b,4cの内部空気は、吸込口11aから背面ダクト11に至り、該背面ダクト11を通過した内部空気は、吐出口11bを通じて吸込室10に至る。吸込室10に至った内部空気は、図12に示すように、開成している冷気吸込口13から冷気吸込ダクト32に進入し、該冷気吸込ダクト32を通過した後に、左方側面に設けられた流入口47aから蒸発器収容体47の内部に至る。ここで蒸発器収容体47の内部に収容された蒸発器55は、複数のフィン部材55bが蒸発器収容体47の左方側面(流入口47a)に直交する方向に沿って延在するとともに、蒸発器収容体47の右方側面の近傍に間隙Sを形成してあるので、流入口47aから蒸発器収容体47の内部に進入した空気は、図8に示すようにフィン部材55b間を通過し、その後蒸発器収容体47の右方側面に当接して上記間隙Sを前方に向けて進み、すなわち右方側面に沿って前方に向けて進み、その後再びフィン部材55b間を通過して流出口47bに至る。流出口47bに至った内部空気は、冷気吐出ダクト33に進入し、該冷気吐出ダクト33を通過した後に冷気吐出口14を通じて吐出室9に至り、その後商品収容庫4a,4b,4cの内部を通過する。つまり、庫内ファン21は、商品収容庫4a,4b,4cの内部空気を冷気吸込ダクト32を通じて蒸発器収容体47の内部に吸い込み、冷気吐出ダクト33を通じて該蒸発器収容体47の内部に吸い込んだ内部空気を商品収容庫4a,4b,4cに供給することにより、内部空気を商品収容庫4a,4b,4cの内部と外部との間で循環させる循環手段を構成している。
【0057】
次に、左庫4aの内部空気のみを加熱する場合について説明する。このように左庫4aの内部空気を加熱する場合には、前提として、図13に示すように、左庫4aの暖気吸込口17は暖気吸込シャッタ19により開成され、暖気吐出口18は暖気吐出シャッタ20により開成されているものとし、冷気吸込口13および冷気吐出口14はともに冷気吸込シャッタ15および冷気吐出シャッタ16により閉成されているものとする。また、中庫4bの暖気吸込口17は暖気吸込シャッタ19により閉成され、暖気吐出口18は暖気吐出シャッタ20により閉成されているものとし、冷気吸込口13および冷気吐出口14はともに開成されているものとする(図13参照)。
【0058】
これにより、加熱部41を構成する圧縮機室43および加熱室44は、左庫4aとは連通している一方、中庫4bとは遮断され、蒸発器収容体47は中庫4bおよび右庫4cと連通している。
【0059】
このような状態でガスクーラファン53a、庫内ファン21および加熱ファン45を駆動させる。ここでガスクーラ53を駆動させることによる作用と、中庫4bおよび右庫4cの庫内ファン21を駆動させることによる作用は、全ての商品収容庫4a,4b,4cの内部空気を冷却する場合と同じであるため説明を割愛する。
【0060】
左庫4aの庫内ファン21を駆動させ、かつ加熱ファン45を駆動させることにより、左庫4aの内部空気は、吸込口11aから背面ダクト11に至り、該背面ダクト11を通過した内部空気は、吐出口11bを通じて吸込室10に至る。吸込室10に至った内部空気は、図13に示すように、開成している暖気吸込口17から暖気吸込ダクト31に進入し、該暖気吸込ダクト31を通過した後に、圧縮機室43に進入する。
【0061】
圧縮機室43に進入した内部空気は、圧縮機51の周囲を通過する際に圧縮機51から放出される熱(駆動熱)を吸収し、その後圧縮機室43に連通する加熱室44に進入する。加熱室44に進入した内部空気は、加熱熱交換器52を通過する際に、加熱熱交換器52に供給された冷媒が放熱することにより加熱される。そして、加熱熱交換器52を通過した空気は、連通する暖気吐出ダクト34に進入し、該暖気吐出ダクト34を通過した後に暖気吐出口18を通じて吐出室9に至り、その後左庫4aの内部を通過する。つまり、庫内ファン21は、左庫4aの内部空気を暖気吸込ダクト31を通じて圧縮機室43および加熱室44に吸い込み、暖気吐出ダクト34を通じて該圧縮機室43および加熱室44に吸い込んだ内部空気を左庫4aに供給することにより、内部空気を左庫4aの内部と外部との間で循環させる循環手段を構成している。
【0062】
以上説明したような本発明の実施の形態における自動販売機によれば、蒸発器収容体47は、左方側面に流入口47aと流出口47bとが形成してある一方、その内部には該左方側面に直交する方向に延在するとともに、右方側面近傍に間隙Sを形成する複数のフィン部材55bが設けてあるので、蒸発器収容体47の大きさを蒸発器55よりも僅かに大きいものとすれば良く、しかもフィン部材55bの延在方向に内部空気を通過させることができるので圧力損失が過大なものになることはない。従って、簡単な構造で、しかも蒸発器55を設置する構造の小型化を図ることができる。特に、流出口47bの開口面積を流入口47aの開口面積よりも小さくしており、より詳細には、内部空気の通路断面積を流入口47aの開口面積よりも小さく、かつ流出口47bの開口面積を上記通路断面積以下の大きさにしてあるため、通過する空気に対して抵抗を徐々に拡大させていくことにより、流入口47aより内部に進入した内部空気をフィン部材55b間に均一に通過させることができ、これにより有効熱交換面積を増大させて、熱交換効率の向上を図ることができる。しかも、フィン部材55bの表面には、通過する内部空気に対向する態様で空気通路(空気通過域)に突出する切起部55cを形成してあるので、通過する空気を整流化させることができる。
【0063】
上記自動販売機によれば、加熱対象となる左庫4aの内部空気を圧縮機51から放出される熱(駆動熱)で加熱しているので、かかる駆動熱を有効に利用することができる。しかも従来のように配管構造を複雑にする必要がない。従って、簡単な構造で、加熱対象となる商品収容庫(左庫4a)の内部空気の加熱効率の向上を図ることができる。また、圧縮機51は、一部がガスクーラ53とともに外気の通過域に露出する態様で圧縮機室43に収容してあるので、駆動熱を上記外気に対して放出することができ、特に上述したように全ての商品収容庫4a,4b,4cの内部空気を冷却する場合には、圧縮機51の駆動熱を確実に外部に放出できるため、圧縮機室43が異常な高温になることにより圧縮機51が停止してしまうことを回避することができる。更に、圧縮機51はクッション材43aを介して圧縮機室43に接触してあるため、圧縮機室43の密閉性を向上させることができるとともに、クッション材43aが圧縮機51が駆動することによる振動を吸収して振動音が大きくなることを抑制することができる。
【0064】
また、上記自動販売機によれば、ダクト集合体30に切欠部30aが形成してあるので、蒸発器収容体47と加熱室44との間における冷気吐出ダクト33の前方側にスペースが設けられ、該スペースにガスクーラ53を配設することができ、スペース効率に優れたものとなる。
【0065】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。上述した実施の形態では、加熱対象となる商品収容庫4aの内部空気を、圧縮機51の周囲を通過して該圧縮機51から放出される熱を吸収させた後に加熱熱交換器52を通過して加熱させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、商品収容庫からの内部空気を分岐させて、一方は圧縮機51の周囲を通過させ、かつ他方は加熱熱交換器52を通過させ、圧縮機51の周囲を通過させた内部空気と、加熱熱交換器52を通過させた内部空気とを合流させて商品収容庫4aの内部に供給するようにしても良く、また、内部空気を分岐させて、一方は圧縮機51の周囲を通過させ、かつ他方は加熱熱交換器52を通過させ、圧縮機51の周囲を通過させた内部空気を加熱熱交換器52に通過させることにより、加熱熱交換器52を通過させる内部空気と合流させて商品収容庫4aの内部に供給するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明は、自動販売機本体内に配設された商品収容庫の内部空気を冷却または加熱して、商品収容庫に収容された商品を冷却または加熱するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における自動販売機を模式的に示したものであり、外扉と内扉とを開放した状態を示す正面図である。
【図2】図2は、図1のII−II断面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III断面図である。
【図4】図4は、図1〜図3に示した機械室の内部に設けれたダクト集合体および冷却加熱装置を模式的に示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示した冷却加熱装置の構成を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5に示した加熱部の要部を模式的示す平面図である。
【図7】図7は、図4に示した冷却加熱装置を構成する冷却加熱ユニットを概念的に示す概念図である。
【図8】図8は、図5に示した蒸発器収容体の内部を上方側から見た場合を示す説明図である。
【図9】図9は、図8に示した蒸発器収容体の内部を右方側か見た場合を示す説明図である。
【図10】図10は、図8に示した蒸発器収容体の内部構造を前方側から見た場合を示す説明図である。
【図11】図11は、蒸発器を構成するフィン部材に形成された切起部を説明するための説明図である。
【図12】図12は、冷気の循環を説明するための説明用斜視図である。
【図13】図13は、暖気の循環を説明するための説明用斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1 本体キャビネット
4a,4b,4c) 商品収容庫
21 庫内ファン
30 ダクト集合体
30a 切欠部
31 暖気吸込ダクト
32 冷気吸込ダクト
33 冷気吐出ダクト
34 暖気吐出ダクト
40 冷却加熱装置
41 加熱部
42 冷却部
43 圧縮機室
44 加熱室
47 蒸発器収容体
47a 流入口
47b 流出口
50 冷却加熱ユニット
51 圧縮機
52 加熱熱交換器
53 ガスクーラ
55 蒸発器
55a チューブ
55b フィン部材
55c 切起部
S 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機本体内に配設された商品収容庫の内部空気を冷却または加熱して、商品収容庫に収容された商品を冷却または加熱するようにした自動販売機において、
吸込ダクトおよび吐出ダクトのそれぞれを通じて前記商品収容庫に連通され、かつ供給された冷媒を蒸発させることにより周囲空気を冷却する蒸発器を収容する直方状の蒸発器収容体と、
前記吸込ダクトを通じて前記商品収容庫の内部空気を前記蒸発器収容体内部に吸い込み、前記吐出ダクトを通じて該蒸発器収容体内部に吸い込んだ内部空気を商品収容庫に供給することにより、前記内部空気を商品収容庫の内部と外部との間で循環させる循環手段と
を備え、
前記蒸発器収容体は、一側面に、前記吸込ダクトを通じて前記内部空気を流入させるための流入口と、内部を通過した前記内部空気を前記吐出ダクトに流出させるための流出口とが形成してある一方、内部には、前記一側面に直交する方向に延在するとともに、前記一側面に対向する側面近傍に間隙を形成する複数のフィン部材が設けてあることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記流出口の開口面積は、前記流入口の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記蒸発器収容体内における内部空気の通路断面積は、前記流入口の開口面積よりも小さく、かつ前記流出口の開口面積は、前記通路断面積以下の大きさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記フィン部材には、通過する内部空気に対向する態様で前記内部空気の通過域に突出する切起部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動販売機。
【請求項5】
前記蒸発器収容体は、前記自動販売機本体内であって商品収容庫の外部となる機械室の右方側に偏った位置に配設し、
前記吸込ダクトおよび前記吐出ダクトは、それぞれ前記機械室において左右方向に沿って延在し、吐出ダクトが前方側に位置する態様で配設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動販売機。
【請求項6】
前記機械室の中央領域に配設され、かつ供給された冷媒を放熱させることにより周囲空気を加熱する加熱熱交換器を収容する加熱器収容体と、
前記吸込ダクトの後方側で左右方向に沿って延在する態様で配設され、対象となる商品収容庫の内部空気を前記加熱器収容体に導入するための導入ダクトと、
前記吐出ダクトの前方側で左右方向に沿って延在する態様で配設され、前記加熱器収容体の内部空気を対象となる商品収容庫に導出するための導出ダクトと
を備え、
前記蒸発器収容体と前記加熱器収容体との間における前記吐出ダクトの前方側には、スペースを設けたことを特徴とする請求項5に記載の自動販売機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−262410(P2008−262410A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105036(P2007−105036)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】