説明

自動販売機

【課題】利用者が所望する商品を正確且つ短時間に選択することの可能な自動販売機を提供する。
【解決手段】商品Cの種類を選択するための複数のタブB1〜B5をLCD14に表示させ、各タブB1〜B5がタッチされると、その種類に対応する商品Cを抽出するとともに、抽出された商品Cの画像を他の商品の画像とは異なる態様でLCD14に表示する第2制御部を備えたので、所望商品の画像を他の種類の商品の画像と容易に判別することができる。従って、例えば炭酸飲料を所望する場合には所望の商品を炭酸飲料の商品の中からを正確に選択できるとともに、所望の販売商品を選択するまでの時間を短くすることができ、利用者の利便性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば缶入り飲料、紙パック飲料、箱入り菓子等の商品を販売する自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動販売機として、商品の画像を表示可能な表示部と、表示部に設けられたタッチセンサとを備え、表示部に表示された商品画像がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品画像に対応する商品を搬出するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−89385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来例では、販売可能な全ての商品の画像が表示部に表示されているので、例えば利用者が炭酸飲料を所望しているにも拘らず無炭酸の果汁入飲料を誤って選択したり、所望の販売商品を選択するまでの時間が長くなるなど、利用者の利便性を低下させるという問題点があった。
【0004】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者が所望する商品を正確且つ短時間に選択することの可能な自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記目的を達成するために、商品の画像を表示可能な表示部と、表示部に設けられたタッチセンサとを備え、表示部に表示された商品画像がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品画像に対応する商品を搬出するようにした自動販売機において、前記商品の種類を選択するための種類選択部を表示部に表示させ、種類選択部がタッチされると、その種類に対応する商品を抽出するとともに、抽出された商品の画像を他の商品の画像とは異なる態様で表示部に表示する制御手段を備えている。
【0006】
これにより、種類選択部によって選択された種類に対応する商品の画像が他の商品の画像とは異なる態様で表示されることから、所望商品の画像を他の種類の商品の画像と容易に判別することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望商品の画像を他の種類の商品の画像と容易に判別することができるので、例えば炭酸飲料を所望する場合には所望の商品を炭酸飲料の商品の中からを正確に選択できるとともに、所望の販売商品を選択するまでの時間を短くすることができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図10は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動販売機の正面図、図2は図1に示した自動販売機の側面断面図、図3は図1に示した自動販売機の制御系構成を示すブロック図、図4は商品情報のデータ構造の一例を示す図、図5は図1に示した自動販売機における商品販売動作の流れを示すフロー図、図6は商品販売画面を示す図、図7は商品販売画面及び抽出画面を示す図、図8は種類選択後の商品販売画面及び抽出画面を示す図、図9は商品選択後の商品販売画面及び抽出画面を示す図、図10は商品販売画面の変形例を示す図である。
【0009】
まず、図1及び図2を参照して自動販売機の構造について説明する。ここでの説明では図1の手前側を前、奥側を後、左側を左、右側を右と表記する。
【0010】
自動販売機本体1は箱形を成し、前面を開口した断熱室1aをその内側に備えている。断熱室1aは断熱性の仕切り板(図示省略)によって左右に並ぶ複数の庫室SRに区分されている。
【0011】
各庫室SR内には、サーペンタイン式ラックから成る商品収納ラック2がそれぞれ配置されている。各商品収納ラック2は前面側上部に商品投入口2aを有し、蛇行状の収納通路2bに缶入り飲料、瓶入り飲料、ペットボトル入り飲料等の商品Cを横向きで積み重ねた状態で収納している。また、各商品収納ラック2の下部には、収納商品Cを1個宛シュート板3上に落下搬出するための商品搬出機構2cが設けられている。さらに、各庫室SR毎に配置された商品収納ラック2それぞれには、商品Cの有無を収納通路2b単位で検知する売切検知センサ(図示省略)が設けられている。この商品収納ラック2には、サーペンタイン式ラックに限らず、サーペンタイン式ラックと同様に収納商品を1個宛搬出可能な他形式のラックを使用することが可能である。
【0012】
また、各庫室SR内には、その底部から背部にかけてシュート板3とダクト板4が設けられている。シュート板3及びダクト板4下側及び背面側の空間には、冷凍機構成機器のうちの蒸発器5と電熱ヒータ6と冷却・加温空気循環用送風機7等が配置され、ダクト板4の背面側空間はダクトDとして構成されている。さらに、各庫室SR内には、商品収納ラック2内の搬出間近商品の温度を検知する温度センサ(図示省略)が設けられている。
【0013】
断熱室1aの底板1bの下側には機械室MRが設けられており、この機械室MR内には、冷凍機構成機器のうちの凝縮器8、圧縮機9及び膨張手段(図示省略)と排熱用送風機10等が配置されている。
【0014】
また、断熱室1aの前側には、その前面開口を開閉自在に覆う断熱性の内扉11が設けられている。断熱室1aの上下左右の前端部(下側の前端部は底板1bの前端部)と各仕切り板の前端部には、内扉11を閉じた状態で商品収納室(各庫室SR)を気密状態とするためのパッキン(符号無し)が設けられており、各庫室SRは内扉11を閉じた状態で独立した断熱空間となる。さらに、内扉11の下部には、各庫室SRのシュート板3に対応した窓穴11aが複数個形成されており、各窓穴11aには、シュート板3を滑り落ちる商品Cによって押し開けられるフラップドア11bが設けられている。
【0015】
つまり、この自動販売機では、各庫室SRが独立の断熱空間を構成し、しかも、各庫室SRに蒸発器5と電熱ヒータ6が独立して設けられていることから、後述の温度調整用設定器30(図3参照)によって庫室SR毎に冷却と加温と非冷却・加温の3つのモードの何れか1つを任意に選択して実施することができる。
【0016】
外扉12は自動販売機本体1の前面開口に開閉自在に設けられており、この外扉12の表面上部には化粧パネル13が設けられている。この化粧パネル13は、液晶ディスプレイ14の画面を露出するための矩形状窓穴13aと、商品メーカー名や商品名等を文字で表示するための広告部13bを有している。
【0017】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下LCDと言う)14は後述の商品販売画面及び抽出画面を構成する静止画像及び動画像等をカラー表示するためのもので、その画面が窓穴13aから露出するように化粧パネル13の内側に配置されている。このLCD14は所定サイズと所定解像度、例えば18インチのサイズと1280×1024ピクセルの解像度を有する。このLCD14の代わりに同様の表示を可能とした周知ディスプレイ、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやPDP(Plasma Display Panel)等を使用することが可能である。
【0018】
図1及び図2における図示を省略したが、LCD14の画面には、画面に利用者がタッチした位置を検知して画面上の座標位置を指定するタッチセンサ33(図3参照)が設けられている。このタッチセンサ33には周知の静電式透明タッチパネルや感圧式透明タッチパネルの他に、赤外線センサを構成する発光部と受光部を矩形枠の上下辺と左右辺に等間隔で配置したもの等が適宜使用できる。
【0019】
また、外扉12の前面には、ロック操作レバー15、硬貨投入口16、返却レバー17、紙幣投入口18、硬貨返却口19、商品取出口20が図1に示すレイアウトで設けられている。因みに、ロック操作レバー15は外扉12内に設けられたロック機構(図示省略)を操作するためのもので、専用キーによって使用可能な状態となる。また、商品取出口20には、手動により開放可能なフラップドア21が設けられ、その内側にはフラップドア11bから排出された商品Cを受容する商品受け板22が設けられている。
【0020】
次に、図3を参照して図1及び図2に示した自動販売機の制御系構成について説明する。
【0021】
第1制御部23は商品Cの温調及び搬出等を主として制御するためのもので、第2制御部24はLCD14の表示及び外部とのデータ通信等を主として制御するためのものである。両制御部23,24はCPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータから成り、制御上で必要なデータ交換を相互で行うことができる。勿論、第1制御部23と第2制御部24は1台のコンピュータで構成してもよい。なお、第2制御部24は本願請求項でいう制御手段を構成している。
【0022】
第1制御部23には、硬貨処理機25、紙幣識別機26、搬出駆動部27、圧縮機駆動部28、ヒータ駆動部29、温度調整用設定器30が接続されている。また、第1制御部23には、各庫室SR毎に配置された商品収納ラック2内の商品Cの有無を収納通路2b単位で検知する売切検知センサ(図示省略)が売切検知部(図示省略)を介して接続され、各庫室SR内の搬出間近商品の温度を検知する温度センサ(図示省略)が温度検知部(図示省略)を介して接続されている。
【0023】
硬貨処理機25と紙幣識別機26は外扉12内に配置されていて、硬貨処理機25は硬貨投入口16を通じて投入された硬貨の真偽識別と計数と貯蔵を行い、投入硬貨の金額に関するデータを第1制御部23に送出する。紙幣識別機26は紙幣投入口18を通じて投入された紙幣の真偽識別と貯蔵を行い、投入紙幣の金額に関するデータを第1制御部23に送出する。
【0024】
搬出駆動部27は、各商品収納ラック2に設けられた商品搬出機構2cの動作、詳しくは商品搬出機構2cに用いられているソレノイド等のアクチュエータの動作を制御するためのもので、第1制御部23からの制御信号に基づいて所定の商品搬出機構2cを動作させて所期の商品搬出を行う。
【0025】
圧縮機駆動部28は、冷凍機を構成する圧縮機9の動作、詳しくは圧縮機9を駆動するためのモータの運転を制御するためのもので、第1制御部23からの制御信号に基づいて所期の圧縮機駆動を行う。
【0026】
ヒータ駆動部29は、各電熱ヒータ6への通電を制御するためのもので、第1制御部23からの制御信号に基づいて所定の電熱ヒータ6への通電を行う。
【0027】
温度調整用設定器30は、先に述べた3つのモードの何れか1つを各庫室SR毎に選択するためのもので、モード選択用の押しボタンスイッチ等を備え、選択されたモードに関するデータを第1制御部23に送出する。
【0028】
第2制御部24には、LCD駆動部31と、座標検出部32と、音声出力部34と、メモリーカードアダプタ(以下MCアダプタと言う)36と、モデム38と、無線通信部40が接続されている。
【0029】
LCD駆動部31は、外扉12に設けられたLCD14の表示を制御するためのもので、第2制御部24からの画像データ及び制御信号に基づいてLCD14を駆動して所期の画像表示を行う。
【0030】
座標検出部32は、タッチセンサ33の検知信号に基づき画面上の座標に関するデータを第2制御部24に送出する。後述する各画面で表示される領域はLCD14の画面上の座標を基準として設定されているので、座標検出部32から第2制御部24に送られるデータによって各種画面においてどの領域が選択されたかを簡単に判断できる。
【0031】
音声出力部34は、第2制御部24からの音声信号及び制御信号に基づいてスピーカ35を駆動して所期の音声出力を行う。このスピーカ35は外扉12内のLCD14の両側に少なくとも1個宛配置されていて、ステレオ方式により立体的な音響効果が得られるようになっている。
【0032】
MCアダプタ36は、メモリーカード(以下MCと言う)37の接続を可能とする。モデム38は公衆電話回線39等を利用して外部サーバ等との間でデータ通信を行うためのものであり、無線通信部40は携帯電話網やPHS電話網等を利用して外部サーバ等との間で無線にてデータ通信を行うためのものである。
【0033】
LCD14に表示され得る静止画像及び動画像等の画像データと文字データやスピーカ35から出力される音声データは、MC37、モデム38を介してのデータ通信、または、無線通信網40を介してのデータ通信によって、第2制御部24が備えるハードディスク等の記憶手段に取り込むことができ、データ更新も任意に行うことができる。
【0034】
前記の画像データ、文字データ及び音声データには、後述する商品販売画面時の表示画像(販売可能商品それぞれに対応した複数の商品画像を含む)、表示文字及び出力音声や、抽出画面時の表示画像、表示文字及び出力音声等が含まれる。
【0035】
また、第2制御部24の記憶手段には、商品販売画面及び抽出画面に表示される複数の商品情報が記憶されている。各商品情報は商品Cの内容を表すものであり、図4に示すように商品Cを識別するための商品コードと、商品画像、価格、品名、銘柄、カロリー及び容量等の複数の属性から構成されている。また、商品画像は、所定のサイズ及び解像度を有するLCD14において実サイズで表示可能なサイズ(横ピクセル×縦ピクセル数)で作成されている。
【0036】
次に、図5〜図9を参照して図1及び図2に示した自動販売機における商品販売動作について説明する。
【0037】
自動販売機の電源を入れると、図6に示す商品販売画面がLCD14に表示される(ステップS1)。
【0038】
この商品販売画面には、複数の商品サンプル表示領域A1〜A30と、自動販売機の稼動状態を販売中か準備中の何れかにより表示するための稼動状態表示領域A31と、硬貨投入口16及び紙幣投入口18を通じて投入された金額を表示するための投入金額表示領域A32と、商品属性表示領域A33と、商品情報表示領域A34と、電源投入時の商品販売画面に戻すためのリターン領域B35が図6に示すレイアウトで設定されている。
【0039】
各商品サンプル表示領域A1〜A30の中央には、販売可能商品を示す商品画像が縮小サイズでそれぞれ表示されている。この縮小サイズの商品画像SDIは、第2制御部24の記憶手段に記憶されている商品情報の商品画像を70%〜30%に相似縮小したものである。
【0040】
また、各商品サンプル表示領域A1〜A30に表示された縮小サイズの商品画像SDIの下側には商品Cの価格を示す数字が表示され、縮小サイズの商品画像SDIの上側には商品の冷却・加温状態を示すCOLDまたはHOTの温調文字が表示されている。この温調文字は商品価格と隣接して表示してもよい。温調文字がCOLDの場合には温調文字またはその下地にブルー系の寒色が使用され、温調文字がHOTの場合には温調文字またはその下地にレッド系の暖色が使用される。縮小サイズの商品画像SDIと温調文字との間には任意の設定により新商品やキャンペーン等のアイコンを表示することができる。また、商品Cが冷却中または加温中で販売に適さない状態にあるときには、商品価格の表示エリアに冷却中または加温中の文字を表示することができる。
【0041】
ここで、前記商品サンプル表示領域A1〜A30の表示設定の流れを簡単に説明する。まず、商品Cを各商品収納ラック2の収納通路2bに収納し、この後に収納商品Cに対応する商品コードを第1制御部23に接続可能なリモコンまたは第1制御部23と無線通信可能なハンディターミナルによって入力し、次に、商品コードを各商品サンプル表示領域A1〜A30に割り当てる操作を行う。各商品コードに対応した商品画像及び商品価格は第2制御部24の記憶手段に予め記憶されているので、商品コードの入力により所定の縮小サイズの商品画像SDIとその商品価格が各商品サンプル表示領域A1〜A30に表示される。また、温調文字は温度調整用設定器30で設定された内容に準じて表示される。新商品やキャンペーン等のアイコンを表示する場合には、予め用意されたアイコン群の中から所定のアイコンを選択した後にアイコンを表示すべき商品サンプル表示領域を選択すればよい。
【0042】
また、商品属性表示領域A33には、商品情報を構成する品名、銘柄及びカロリーのそれぞれを示す領域A33a〜A33cが表示されており、各領域A33a〜A33cのうち何れか1つがタッチされることにより、所望商品の属性が選択される。
【0043】
次に、各領域A33a〜A33cのうち何れか1つがタッチされることにより、所望商品の属性選択がなされると(ステップS2)、図7に示すような抽出画面Bが表示される(ステップS3)。
【0044】
この抽出画面Bには、所望商品の種類を選択するための種類選択部としての複数のタブB1〜B5と、各タブB1〜B5によって選択された種類に対応する商品Cの商品画像を表示するための抽出商品表示領域B6が図7に示すレイアウトで設定されている。なお、図7に示す抽出画面Bは、品名を示す領域A33aがタッチされた場合に表示されるものであり、抽出画面Bのタブの数は、販売可能商品の品名の種類数(本実施形態では5つ)に応じて任意に変更される。
【0045】
そして、各タブB1〜B5のうち何れか1つがタッチされることにより種類選択がなされると(ステップS4)、選択された種類に対応する商品Cを第2制御部24の記憶手段から抽出し(ステップS5)、抽出した商品Cの商品画像を抽出商品表示領域B6に表示する(ステップS6)。例えば、品名の種類として「コーヒー」が割り当てられたタブB1がタッチされた場合には、品名に「コーヒー」が付与された商品情報を第2制御部24の記憶手段から抽出し、抽出した商品情報の商品画像を、図8に示すようにレイアウトされた複数の商品サンプル表示領域B1a〜B1fに表示する。なお、抽出された商品情報の数に応じて抽出画面B上の商品サンプル表示領域の数が変化することは言うまでもない。
【0046】
抽出画面Bに商品画像が表示されているときには、商品選択がなされたか否か、即ち、抽出画面Bに表示された各商品サンプル表示領域B1a〜B1fの何れか1つに利用者がタッチしたか否かを判別する(ステップS7)。
【0047】
商品選択がなされたときには、図9に示すように商品情報表示領域A34に選択商品の商品画像を実サイズで表示して商品アピールを行う。先に述べたように、第2制御部24の記憶手段に記憶されている商品画像は所定のサイズ及び解像度を有するLCD14において実サイズ表示可能なサイズで作成されているため、選択商品の商品画像をそのまま商品情報表示領域A34に表示すれば該商品画像は実サイズの商品画像RSIとなる。また、同じ商品情報表示領域A34に選択商品の商品説明CE、例えば容量やカロリーや原材料名等を縦スクロールや横スクロールや静止状態で表示して更なる商品アピールを行う。
【0048】
この後は投入金額が商品価格以上であるか否かを判別する(ステップS8)。
【0049】
ステップS8で投入金額が商品価格に満たないと判別された場合、例えば投入金額がいくらか不足している場合や、この段階で硬貨または紙幣の投入がない場合にはステップS2に移行する。つまり、ステップS8における実サイズの商品画像RSIの表示と商品説明CEの表示は、投入金額が商品価格以上で商品選択がなされるまでは、商品選択操作に基づいて行われることになる。換言すれば、利用者は所望商品の実サイズの商品画像RSIの表示と商品説明CEの表示を任意に行うことで、これら表示から商品に係わる情報、或いは、購買決定を行うに必要な情報を適宜入手することができる。
【0050】
因みに、ステップS8において投入金額がいくらか不足している場合には、必要に応じて投入金額が不足しています等のメッセージを、投入金額が商品価格に達するまで縦または横等のスクロールや静止状態で表示するようにしてもよい。
【0051】
ステップS8で投入金額が商品価格以上であると判別された場合には、図9に示すように購入決定領域A36を商品情報表示領域A34に表示する。この場合、購入決定の有無は、購入決定領域A36がタッチされたか否かにより判別される(ステップS9)。そして、購入決定がなされた場合、即ち購入決定領域A36がタッチされた場合には、選択商品が収納されている商品収納ラック2の商品搬出機構2cを動作させて商品搬出を行う(ステップS10)。
【0052】
商品搬出完了後は、商品情報表示領域A34の実サイズの商品画像RSI及び商品説明CEの表示をクリアし、電源投入時の商品販売画面に戻す。
【0053】
なお、上記ステップS2において属性選択がなされていない場合、ステップS4において種類選択がなされていない場合及びステップ9において購入決定がなされていない場合には、ステップS7に移行する。また、ステップS7において商品選択がなされていない場合には、ステップS2に移行する。
【0054】
また、カロリーを示す領域A33cがタッチされた場合には、例えば「50kcal未満」、「50〜99kcal」及び「100kcal以上」等のように割り当てられた複数のタブを抽出画面Bに表示する。そして、各タブのうち何れか1つがタッチされたときに、タッチされたタブに対応するカロリーが付与された商品情報を抽出し、抽出した商品情報の商品画像を抽出商品表示領域B6に表示する。
【0055】
このように、本実施形態の自動販売機によれば、商品Cの種類を選択するための複数のタブB1〜B5をLCD14に表示させ、各タブB1〜B5がタッチされると、その種類に対応する商品Cを抽出するとともに、抽出された商品Cの画像を他の商品の画像とは異なる態様でLCD14に表示する第2制御部24を備えたので、所望商品の画像を他の種類の商品の画像と容易に判別することができる。従って、例えば炭酸飲料を所望する場合には所望の商品を炭酸飲料の商品の中から正確に選択できるとともに、所望の販売商品を選択するまでの時間を短くすることができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0056】
また、商品Cの画像のうち抽出された商品Cの画像のみをLCD14に表示するようにしたので、利用者が所望する商品の画像のみをLCD14に表示することができ、利用者の利便性をより向上させることができる。
【0057】
さらに、抽出された商品Cの画像のみを表示する抽出画面Bを商品販売画面上に重なるようにLCD14に表示させ、抽出画面Bに表示された商品画像がタッチされたことをタッチセンサ33により検知すると、その商品画像に対応する商品Cを搬出するようにしたので、抽出された商品Cの画像のみがより前面に表示されることから、利用者の注意を引くことができる。従って、利用者が所望する商品をより正確に選択することができる。
【0058】
さらにまた、各タブB1〜B5によって選択可能な商品Cの種類数を販売可能商品の種類数に応じて変更可能にしたので、販売可能な商品の種類を利用者が容易に確認することができ、利用者の利便性をより向上させることができる。
【0059】
なお、上記実施形態は本発明の一具体例に過ぎず、本発明が上記実施形態のみに限定されることはない。例えば、前記実施形態では、商品販売画面上に抽出画面Bを表示させるようにしたものを示したが、図10に示すように商品販売画面において抽出されなかった商品Cの商品画像を、暗色で覆うことにより非表示にするように構成してもよい。この場合、商品情報表示領域A34には、選択された属性に応じた商品の種類を示す複数の領域A33d〜A33hが表示され、各領域A33d〜A33hの何れか1つがタッチされると、商品の抽出を行うようになっている。
【0060】
また、前記実施形態では、商品Cの品名、銘柄またはカロリーに基づいて商品Cを抽出するようにしたが、商品価格、容量、容器(ペットボトルやアルミ缶等)、さらにはHOTやCOLDのような温度設定等を商品属性表示領域A33に表示させ、これらの属性に基づいて商品Cを抽出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動販売機の正面図
【図2】図1に示した自動販売機の側面断面図
【図3】図1に示した自動販売機の制御系構成を示すブロック図
【図4】商品情報のデータ構造の一例を示す図
【図5】図1に示した自動販売機における商品販売動作の流れを示すフロー図
【図6】商品販売画面を示す図
【図7】商品販売画面及び抽出画面を示す図
【図8】種類選択後の商品販売画面及び抽出画面を示す図
【図9】商品選択後の商品販売画面及び抽出画面を示す図
【図10】商品販売画面の変形例を示す図
【符号の説明】
【0062】
14…LCD、24…第2制御部、33…タッチセンサ、B…抽出画面、B1〜B5…複数のタブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の画像を表示可能な表示部と、表示部に設けられたタッチセンサとを備え、表示部に表示された商品画像がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品画像に対応する商品を搬出するようにした自動販売機において、
前記商品の種類を選択するための種類選択部を表示部に表示させ、種類選択部がタッチされると、その種類に対応する商品を抽出するとともに、抽出された商品の画像を他の商品の画像とは異なる態様で表示部に表示する制御手段を備えた
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記制御手段を、商品の画像のうち抽出された商品の画像のみを表示部に表示するように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
【請求項3】
前記制御手段を、抽出された商品の画像のみを表示する所定の抽出画面を商品画像上に重なるように表示部に表示させ、抽出画面に表示された商品画像がタッチされたことをタッチセンサにより検知すると、その商品画像に対応する商品を搬出するように構成した
ことを特徴とする請求項2記載の自動販売機。
【請求項4】
前記種類選択部によって選択可能な商品の種類数を販売可能商品の種類数に応じて変更可能に構成した
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の自動販売機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−59092(P2008−59092A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232753(P2006−232753)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【出願人】(393010570)TIS株式会社 (10)
【Fターム(参考)】