説明

自動車のフロントグリル構造

【課題】自動車のフロントグリル構造において、放熱器の冷却性能を向上させ、且つ、車両前方からの衝撃を受けた場合、その衝撃を緩和するにある。
【解決手段】フロントグリルには前記グリル上側取付部の数をグリル下側取付部の数よりも少なく設け、フロントグリルの裏側には外気開口部の上側縁部から第2放熱器のコア上端部に向かって斜め下方に傾斜するエアガイドを設け、フロントグリルが車両前方からの衝撃を受けた場合、フロントグリルの上部をグリル下側取付部を中心として車両後方に回転させ、且つ、エアガイドをアッパメンバから車両前方に延びるステイに取り付けられた車両部品に当接する位置へ延ばす構造としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のフロントグリル構造に係り、特にフロントバンパにフロントグリルを取り付ける自動車のフロントグリル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示すように、車両101において、フロントフード102の前端部位で、フロントバンパ103を配置し、このフロントバンパ103にフロントグリル104を取り付け、また、このフロントグリル104の下方に第1放熱器(インタクーラ)122を配置し、この第1放熱器122の車両後方に該第1放熱器122よりも高さの高い第2放熱器(エアコンコンデンサ及びラジエータ)126を配置し、さらに、フロントグリル104には外気を導くための外気開口部148を設け、また、フロントグリル104の車両後方に車両部品としてのホーン18を配設した自動車のフロントグリル構造を設置したものがある。
【0003】
従来、車両の前部構造には、ラジエータグリルの上部からラジエータの上部に向かって斜めに延在してラジエータグリルとラジエータ間の第一の空間を仕切る仕切手段(エアガイド)を設けることにより、ラジエータ及びラジコアアッパとラジコアロアとが基準車の部品と共用してもラジエータの冷却性能の低下を抑制するものがある。
【特許文献1】特開2003−154967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、図11における自動車のフロントグリル構造においては、車両走行時に、フロントグリルの外気開口部から導入した外気で第2放熱器を効率的に冷却することができず、また、車両停止時には、第1放熱器からの熱気が第1放熱器の上方の空間に滞留し、第1放熱器の冷却効果が低下する不具合があった。
これに対して、上記の特許文献1のように、フロントグリルに仕切手段(エアガイド)を取り付ければ、冷却効果をある程度上げることができる。しかし、この場合、この仕切手段(エアガイド)は、フロントグリルとフロントグリルの車両後方に配置される車両部品とに固定されているため、フロントグリルが車両前方からの衝撃を受けた場合、フロントグリルが車両後方に回転することができず、その衝撃を緩和することができないという不都合があった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、放熱器の冷却性能を向上させ、且つ、車両前方からの衝撃を受けた場合、その衝撃を緩和することができる自動車のフロントグリル構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、左右のヘッドランプの下側で車両幅方向に延びるバンパ本体部とこのバンパ本体部から前記左右のヘッドランプの間に突出する枠状のグリル用取付部とを備えたフロントバンパを車両前端部に配設し、フロントグリルに上部で複数のグリル上側取付部と下部で複数のグリル下側取付部とを設け、前記フロントグリルを前記グリル上側取付部と前記グリル下側取付部とによって前記フロントバンパに取り付け、前記バンパ本体部に設けられたバンパ開口部の車両後方且つ前記フロントグリルの下方に第1放熱器を配設し、この第1放熱器の車両後方に該第1放熱器よりも高さの高い第2放熱器を配設し、前記フロントグリルに外気を導くための外気開口部を設けた自動車のフロントグリル構造において、前記フロントグリルには前記グリル上側取付部の数を前記グリル下側取付部の数よりも少なく設け、前記フロントグリルの裏側に前記外気開口部の上側縁部から前記第2放熱器のコア上端部に向かって斜め下方に傾斜するエアガイドを設け、前記フロントグリルが車両前方からの衝撃を受けた場合、前記フロントグリルの上部を前記グリル下側取付部を中心として車両後方に回転させ、且つ、前記エアガイドをアッパメンバから車両前方に延びるステイに取り付けられた車両部品に当接する位置へ延ばす構造としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の自動車のフロントグリル構造は、放熱器の冷却性能を向上させ、且つ、車両前方からの衝撃を受けた場合、その衝撃を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明は、放熱器の冷却性能を向上させ、且つ、車両前方からの衝撃を受けた場合、その衝撃を緩和する目的を、フロントグリルの裏側に外気開口部の上側縁部から第2放熱器のコア上端部に向かって斜め下方に傾斜するエアガイドを設けたり、フロントグリルにおいてグリル上側取付部の数をグリル下側取付部の数よりも少なくして実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
【実施例】
【0009】
図1〜図10は、この発明の実施例を示すものである。図1〜図4において、1は車両、2はフロントフード、3はフロントバンパ、4はフロントバンパに取り付けられるフロントグリル、5はエンジンルーム、6はエンジンルーム5内に配設されたエンジン、7Lは左前車輪、7Rは右前車輪、8Lは左ヘッドランプ、8Rは右ヘッドランプ、9はバンパメンバ、10はアッパメンバ、11Lはアッパメンバ10の左端に連結した左支持メンバ、11Rはアッパメンバ10の右端に連結した右支持メンバ、12はロアメンバ、13はバンパメンバ9の上方に配設されたフロントメンバである。
アッパメンバ10には、図1、図2、図4に示すように、該アッパメンバ10から車両前方に延びるステイ14として、例えば、左ステイ14L・右ステイ14Rの夫々一端が固定されている。この左ステイ14L・右ステイ14Rの夫々他端は、フロントメンバ13に固定されている。
この左ステイ14L・右ステイ14Rの途中には、垂直方向に指向した左部品取付部15L・右部品取付部15Rが形成されている。この左部品取付部15L・右部品取付部15Rには、左車両部品16L・右車両部品16Rが左部品取付ボルト17L・右部品取付ボルト17R(図5参照)で取り付けられている。左車両部品16L・右車両部品16Rは、図3に示すように、車両1の正面視で車両中心線Cを挟んで略対称な位置に配設されている。左車両部品16L・右車両部品16Rは、剛性の高い円形状の左ホーン18L・右ホーン18Rである。
なお、この左ステイ14L・右ステイ14Rは、単一のステイとすることも可能である。そして、この単一のステイに、左ホーン18L・右ホーン18Rを取り付けることも可能である。
【0010】
図2、図4に示すように、フロントバンパ3は、左ヘッドランプ8L・右ヘッドランプ8Rの下側で車両幅方向(車両左右方向)Xに延びるバンパ本体部19と、このバンパ本体部19から左ヘッドランプ8Lと右ヘッドランプ8Rとの間に突出する枠状のグリル用取付部20とを備え、車両1の前端部に配設される。バンパ本体部19には、バンパ開口部21が設けられている。
【0011】
図2、図4に示すように、車両1の前端部において、バンパ本体部19のバンパ開口部21の車両後方且つフロントグリル4の下方には、第1放熱器22が配設される。この第1放熱器22は、インタクーラ23である。このインタクーラ23の左右両端部は、左支持ブラケット24L・右支持ブラケット24Rを介してバンパメンバ9に固定した左クラッシュボックス25L・右クラッシュボックス25Rに夫々支持されている。
また、車両1の前端部には、第1放熱器22の後方に、該第1放熱器22よりも高さHの高い第2放熱器26が配設される。この第2放熱器26は、エアコンコンデンサ27と、このエアコンコンデンサ27よりも車両後方で並列したラジエータ28とからなる。この第2放熱器26は、コアとして、エアコンコンデンサ27のエアコンコンデンサコア29とラジエータ28のラジエータコア30とを備える。
ラジエータ28は、ラジエータコア30と上部タンク31と下部タンク32とからなる。図4に示すように、ラジエータ28の上部タンク31は、アッパメンバ10に固定される。図2に示すように、ラジエータ28の下部タンク32は、ロアメンバ12に固定される。また、ラジエータ28には、図1に示すように、上部タンク31で車両後方に延びてエンジン6に接続したウォータインレットパイプ33が接続するとともに、下部タンク32で車両後方に延びてエンジン6に接続したウォータアウトレットパイプ34が接続している。
【0012】
図5〜図8に示すように、フロントグリル4は、グリル本体部35と、このグリル本体35の表側に着脱可能に取り付けられるフロントカバー36とからなる。
フロントグリル4のグリル本体部35には、上部で複数のグリル上側取付部として、例えば、右側から順次に、第1〜第4グリル上側取付部37A〜37Dを設けるとともに、下部で複数のグリル下側取付部として、例えば、右側から順次に、第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eを設ける。つまり、このフロントグリル4のグリル本体部35には、グリル上側取付部37の数をグリル下側取付部38の数よりも少なく設けている。このフロントグリル4は、第1〜第4グリル上側取付部37A〜37D及び第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eによってフロントバンパ3に取り付けられる。
このような構造により、フロントグリル4が車両前方からの衝撃を受けた場合、フロントグリル4の上部を、第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eを中心として車両後方に回転させ、且つ、後述する左エアガイド49L・右エアガイド49Rをアッパメンバ10から車両前方に延びる左ステイ14L・右ステイ14Rに取り付けられた車両部品である左ホーン18L・右ホーン18Rに当接する位置へ延ばすことができる。
【0013】
フロントグリル4について具体的に説明すると、図5〜図8に示すように、グリル本体部35の下部は、前記第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eとして、車両下方に突出する第1〜第5突出片39A〜39Eを備え、これら第1〜第5突出片39A〜39Eをフロントバンパ3のバンパ本体部19の各係合孔40(図4参照)に差し込んで係合される。
一方、フロントグリル4のグリル本体部35の上部は、前記第1〜第4グリル上側取付部37A〜37Dとして、車両後方に延出する第1〜第4延出片41A〜41Dを備え、これら第1〜第4延出片41A〜41Dに第1〜第4脆弱部42A〜42Dを設け、第1〜第4延出片41A〜41Dがフロントバンパ3のグリル用取付部20の端部20Eに各固定用ネジ43(図4参照)で固定される。第1〜第4脆弱部42A〜42Dは、例えば、グリル本体部35の厚さを薄くする等で形成される。
また、図7に示すように、フロントグリル4のグリル本体部35の上面には、左リブ44L・右リブ44Rが設けられている。
【0014】
上記の構造において、フロントグリル4のフロントバンパ3ヘの取付部位においては、上部の第1〜第4グリル上側取付部37A〜37Dが下部の第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eよりも少ないため、図9に示すように、フロンドグリル4が車両前方からの衝撃力Fを受けた場合、例えば、車両1の前部に歩行者が接触した場合等で、フロントグリル4の上部の第1〜第4グリル上側取付部37A〜37Dに加わる荷重の負担がフロントグリル4の下部の第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eに比べて大きくなり、フロントグリル4の上部で第1〜第4脆弱部42A〜42Dが破断してフロントバンパ3のグリル用取付部20から外れる。これにより、図10に示すように、フロントグリル4は、第1〜第5グリル下側取付部38A〜38Eを中心に車両後方に回転し、その際、後述する左エアガイド49L・右エアガイド49Rが車両部品である左ホーン18L・右ホーン18Rに当接し、この左ホーン18L・右ホーン18Rがアッパメンバ10に支持する左ステイ14L・右ステイ14Rを撓ませて衝撃を吸収し、歩行者を保護することができる。
また、上記の構造において、フロントグリル4の下部は、第1〜第5突出片39A〜39Eによりフロントバンパ3のバンパ本体部19に差し込んで係合されているため、フロントグリル4が車両前方からの衝撃を受けた場合、フロントグリル4の下部の第1〜第5突出片39A〜39Eでは、フロントバンパ3のバンパ本体部19から外れることなく、回転する。それに対して、フロントグリル4の上部は、第1〜第4脆弱部42A〜42Dが設けられた第1〜第4延出片41A〜41Dをフロントバンパ3のグリル用取付部20の端部20Eに固定しているため、フロントグリル4が車両前方からの衝撃を受けた場合、第1〜第4延出片41A〜41Dの第1〜第4脆弱部42A〜43Dに高い応力が集中して破断し易くなる。これにより、フロントグリル4の上部は、フロントバンパ3のグリル用取付部20から外れて車両後方に回転して倒れる。この結果、図9に示すように、例えば、車両1の前部に歩行者が接触して衝撃力Fが作用した際に、フロントグリル4を、下部の第1〜第5突出片39A〜39Eを中心に確実に車両後方に回転させることができ、歩行者を保護することができる。
【0015】
また、図7に示すように、フロントグリル4のグリル本体部35には、略下側半分において、外気を導くための外気開口部として、中央縦壁45を挟んで左外気開口部46L・右外気開口部46Rを設ける。
また、フロントグリル4のグリル本体部35の裏側には、下部で左外気開口部46L・右外気開口部46Rの下側縁部から車両後方に水平に延びる左下部外気導入部47L・右外気導入部47Rを設ける。
更に、フロントグリル4のグリル本体部35の裏側には、図4、図8に示すように、左外気開口部46L・右外気開口部46Rの上側縁部から第2放熱器26のコア上端部としてのエアコンコンデンサコア29及びラジエータコア30の上端部に向かって左曲げ部48L・右曲げ部48Rから斜め下方に傾斜する左エアガイド49L・右エアガイド49Rを設ける。左エアガイド49Lの上面は、左端から順次に所定間隔で配設された第1〜第6左保持材50A〜50Fでグリル本体部35の裏側に保持されている。同様に、右エアガイド49Rの上面は、右端から順次に所定間隔で配設された第1〜第6右保持材51A〜51Fでグリル本体部35の裏側に保持されている。
また、図7に示すように、左エアガイド49L・右エアガイド49Rには、左ホーン18L・右ホーン18Rの前面部と左右両側部とを囲む円弧状の左切欠部52L・右切欠部52Rを設ける。この左切欠部52L・右切欠部52Rは、フロントグリル4の正面視で、左外気開口部46L・右外気開口部46Rの夫々の略中央部位において、左ホーン18L・右ホーン18Rを挟むように左エアガイド49L・右エアガイド49Rの左後端部53L・右後端部53Rに形成され、図10に示すように、フロントグリル4が車両前方からの衝撃を受けた場合、左ホーン18L・右ホーン18Rに引っ掛かるように当接する。
【0016】
上記の構造において、フロントグリル4の裏側に左外気開口部46L・右外気開口部46Rの上側縁部から第2放熱器26のコア上端部に向かって斜め下方に傾斜する左エアガイド49L・右エアガイド49Rを設けているので、図4に示すように、車両走行時に、左エアガイド51L・右エアガイド51Rにより導かれる外気を第2放熱器26に直接吹きかけて効率良く冷却することができる。
また、上記の構造において、車両部品を左ホーン18L・右ホーン18Rとすることで、剛性の高い左ホーン18L・右ホーン18Rにより、この左ホーン18L・右ホーン18Rに加えられた衝撃を効率的に左ステイ14L・右ステイ14Rに伝達し、この左ステイ14L・右ステイ14Rを撓ませて、その衝撃をより一層吸収して歩行者を保護することができる。また、左エアガイド49L・右エアガイド49Rに左ホーン18L・右ホーン18Rの前面部と左右両側部を囲む円弧状の左切欠部52L・右切欠部52Rを設けているため、図9、図10に示すように、フロントグリル4が車両後方に回転して倒れた場合、円弧状の左切欠部52L・右切欠部52Rの円周部分と円形状を形成する左ホーン18L・右ホーン18Rの外周面が互いに面接触をし、左左切欠部52L・右切欠部52Rの円周部分で左ホーン18L・右ホーン18Rを挟むように引っ掛けて確実に当接することができ、歩行者を保護することができる。更に、左ホーン18L・右ホーン18Rを使用することで、新たな部品を追加する必要がなくなるため、部品点数の低減及びコスト削減に繋げることができる。
【0017】
更に、図4に示すように、左エアガイド49L・右エアガイド49Rの左後端部53L・右後端部53Rは、車両前後方向Yで第1放熱器22の後方端面の上方まで延設されている。
このように、左エアガイド49L・右エアガイド49Rの左後端部53L・右後端部53Rを第1放熱器22の後方端面の上方まで延設しているため、車両停止時に、第1放熱器22からの熱気が煙突状に上昇し、左エアガイド49L・右エアガイド49Rに沿って熱気を左外気開口部46L・右外気開口部46Rから車両1の外部に排出させ、第1放熱器22を効率良く冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
この発明に係る自動車のフロントグリル構造を、各種車両に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】車両前部の平面図である。
【図2】車両前部の左側面図である。
【図3】車両前部の正面図である。
【図4】図3のIV−IV線による車両前部の断面図である。
【図5】フロントカバーが取り付けられたフロントグリルの平面図である。
【図6】フロントカバーが取り付けられたフロントグリルの正面図である。
【図7】フロントカバーが取り外されたフロントグリルの前方からの斜視図である。
【図8】フロントカバーが取り外されたフロントグリルの後方からの斜視図である。
【図9】車両前部に衝撃力が作用した際の車両前部の左側面図である。
【図10】車両前部に衝撃力が作用した際でフロントグリルの後方からの斜視図である。
【図11】従来において車両前部の左側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 車両
2 フロントフード
3 フロントバンパ
4 フロントグリル
5 エンジンルーム
6 エンジン
8L 左ヘッドランプ
8R 右ヘッドランプ
9 バンパメンバ
10 アッパメンバ
12 ロアメンバ
13 フロントメンバ
14L 左ステイ
14R 右ステイ
16L 左車両部品
16R 右車両部品
18L 左ホーン
18R 右ホーン
19 バンパ本体部
20 グリル用取付部
22 第1加熱器
26 第2加熱器
35 グリル本体部
36 フロントカバー
37A〜37D 第1〜第4グリル上側取付部
38A〜38E 第1〜第5グリル下側取付部
39A〜39E 第1〜第5突出片
41A〜41D 第1〜第4延出片
42A〜42D 第1〜第4脆弱部
46L 左外気開口部
46R 右外気開口部
49L 左エアガイド
49R 右エアガイド
52L 左切欠部
52R 右切欠部
53L 左エアガイドの左後端部
53R 右エアガイドの右後端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のヘッドランプの下側で車両幅方向に延びるバンパ本体部とこのバンパ本体部から前記左右のヘッドランプの間に突出する枠状のグリル用取付部とを備えたフロントバンパを車両前端部に配設し、フロントグリルに上部で複数のグリル上側取付部と下部で複数のグリル下側取付部とを設け、前記フロントグリルを前記グリル上側取付部と前記グリル下側取付部とによって前記フロントバンパに取り付け、前記バンパ本体部に設けられたバンパ開口部の車両後方且つ前記フロントグリルの下方に第1放熱器を配設し、この第1放熱器の車両後方に該第1放熱器よりも高さの高い第2放熱器を配設し、前記フロントグリルに外気を導くための外気開口部を設けた自動車のフロントグリル構造において、前記フロントグリルには前記グリル上側取付部の数を前記グリル下側取付部の数よりも少なく設け、前記フロントグリルの裏側に前記外気開口部の上側縁部から前記第2放熱器のコア上端部に向かって斜め下方に傾斜するエアガイドを設け、前記フロントグリルが車両前方からの衝撃を受けた場合、前記フロントグリルの上部を前記グリル下側取付部を中心として車両後方に回転させ、且つ、前記エアガイドをアッパメンバから車両前方に延びるステイに取り付けられた車両部品に当接する位置へ延ばす構造としたことを特徴とする自動車のフロントグリル構造。
【請求項2】
前記フロントグリルの下部は前記複数のグリル下側取付部として車両下方に突出する複数の突出片を備え、この突出片を前記フロントバンパの前記バンパ本体部に差し込んで係合し、前記フロントグリルの上部は前記複数のグリル上側取付部として車両後方に延出する複数の延出片を備え、この延出片に脆弱部を夫々設け、前記延出片を前記フロントバンパの前記グリル取付部に固定したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のフロントグリル構造。
【請求項3】
前記ステイに取り付けられる前記車両部品はホーンであり、前記エアガイドには前記ホーンの前面部と左右両側部とを囲む円弧状の切欠部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車のフロントグリル構造。
【請求項4】
前記エアガイドの後端部を、車両前後方向で前記第1放熱器の後方端面の上方まで延設したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動車のフロントグリル構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−286241(P2009−286241A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140379(P2008−140379)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)