自動車用の窓ガラスおよび構成部材アセンブリ
少なくとも一方の端縁に隣接して付着し、端縁の長さ方向の少なくとも一部分に沿って延在する、窓ガラス構成部材を取り付ける取り付けストリップを有する自動車用窓ガラスを開示する。取り付けストリップは、取り付けストリップの少なくとも一部分と接触する接着材料のストリップによって、窓ガラスの主要面に接着する。取り付けストリップの少なくとも他の部分は窓ガラスの主要面から間隔を開けて配置する。接着剤は、取り付けストリップが窓ガラス端縁と重複しないように、配置する。キャビティを、窓ガラス、接着剤および取り付けストリップ間に形成し、接着剤はキャビティの閉鎖端部を形成し、キャビティの開放端部を窓ガラス端縁に対向させて配置する。キャビティは窓ガラス構成部材の一部分を収容する寸法にする。好適には、接着剤は、ポリビニルブチラール(PVB)とする。取り付けストリップを窓ガラスに接着する方法も開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用の窓ガラス、とくに、少なくとも一つの端縁に隣接して付着した、窓ガラス構成部材のための取り付けストリップを有する自動車用の窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の窓ガラスを自動車のような車両にはめ込むとき、窓ガラスと車体の金属ワークと間のシールを水密性とすることが必須である。このことに役立つため、通常は窓ガラスに、特許文献1(欧州特許第0545896号)に記載のように、通常、窓ガラスの少なくとも一つの端縁に沿って可撓性のガスケットを設け、このガスケットを車両のボディにおける開口部に圧着させ、シールを形成する。しかし、フロントガラスまたはバックライトに対しては、付加的な窓ガラス構成部材、例えば窓ガラスが車両に衝合するような窓ガラスの下側端縁に沿って、カウリングまたは排水トレーを設けることも必要であり、これにより、フロントガラスから流れ落ちる水を車両内部から離れる方向に反らせる。
【0003】
下側端縁に沿って付着したカウリングを有するフロントガラスは特許文献2(欧州特許第1280675号)に記載されている。ポリプロピレンような、プラスチック材料で構成し、また湾曲させた金属インサートで強化した成形カウリングを、支持体または取り付けプロファイルにより、フロントガラスの主要面に取り付ける。この取り付けプロファイルは、窓ガラスに接着し、またカウリングを取り付けプロファイルにクリップ留めする。カウリングにはトレー領域を設け、降雨時にフロントガラスを流れ落ちる水を収容して、水を車両内部に侵入しないよう排水する。取り付けプロファイルはフロントガラスの端縁に密接して保持し、自己接着テープによって、防水接合部を形成する。接着ビーズをフロントガラスの周縁に成形し、カウリングの一部をオーバーモールド(外側被覆)し、一層の防水性および接着強度を得る。この構成は良好な防水シールおよびカウリングとフロントガラスとの間に強固な接着を生ずるが、カウリング自体は嵩張り(高さ10mm、一般的にはカウリングを付着する窓ガラスの通常厚さの2倍にもなる)、フロントガラスの周縁を越えて突出する。このことは、単独のラックで保管しまた輸送することができる部分が少なくなるので、完成したフロントガラスを輸送および保管するときに問題を生じる。結果的に、保管および輸送コストがフロントガラスのみである場合と比較すると、増大してしまう。
【0004】
カウリングを窓ガラスに付着する代替方法としては、特許文献3(独国特許第19939191号)に記載されているものがある。一連の短いL字状のプロファイル(輪郭部)を、1または2成分のポリウレタン接着剤のような、接着剤を用いてラミネートガラスの主要面上に取り付ける。これらプロファイルを用いて、ワイパーを受け止める孔を有する、カウリングまたは排水トレーをフロントガラスの下側端縁に付着する。カウリングはL字状プロファイル内にクリップ留めし、また窓ガラスの端縁に衝合させる。車両に取り付けるとき、水はフロントガラスを流れ落ち、排水トレーに入り、排水される。しかし、この方法もまた、窓ガラスを多数の付着したL字状プロファイルとともにのみ保管するにしても、プロファイルは窓ガラスの周縁および窓ガラスの水平面からのかなりの距離を越えて突出してしまうので、窓ガラスのみの場合と比較して、依然として大きな保管スペースおよびこれに伴って輸送コストを要するという欠点がある。さらに、L字状プロファイルと窓ガラス表面と間における接合部の強度は、全体的にポリウレタン接着剤の接着特性によって決定される。ポリウレタン接着剤は、最大接着強度に達する前に十分に硬化するまで相当な時間を要し、したがって、窓ガラスはこの硬化が完了するまでラックで輸送または保管することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0545896号明細書
【特許文献2】欧州特許第1280675号明細書
【特許文献3】独国特許第19939191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、カウリングまたは排水トレーのような窓ガラス構成部材、またはそれらの取り付けプロファイルを、自動車用の窓ガラスに付着するとともに、保管および輸送コストを最小化し、また窓ガラス構成部材と窓ガラスと間における強固な接着を迅速かつ信頼性高く達成する、方法を見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも1つの端縁に隣接して付着する窓ガラス構成部材を取り付けるため、その端縁の長さの少なくとも一部分に沿って延在する取り付けストリップを有する自動車用の窓ガラスを設けることによってこれらの問題を解決することを目的とし、この取り付けストラップは、取り付けストリップの少なくとも一部分に接触する接着材料のストリップによって窓ガラスの主要面に接着し、かつこの取り付けストリップの他の少なくとも一部分が窓ガラスの主要面から離間し、接着剤を取り付けストリップが窓ガラスの端縁にオーバーラップしないよう配置し、窓ガラス、接着剤および取り付けストリップ間にキャビティを形成し、接着剤はキャビティの閉鎖端部を形成し、キャビティの開放端部は窓ガラスの端縁に対面しかつ前記窓ガラス構成部材の部分を収容する寸法にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
窓ガラスの端縁から突出しない取り付けストリップを用いることによって、より多数の窓ガラスを単独のラックに保管することができるので、輸送コストを削減することができる。窓ガラス構成部材、例えばカウリング用の取り付けプロファイルの一部分、例えば保持ストリップを挿入できる、キャビティを設けることによって、窓ガラス構成部材の取り付けを迅速かつ信頼性高く実行することができとともに、窓ガラス構成部材を十分に挿入するとき良好な防水接合を保証する。
【0009】
好適には、取り付けストリップの自由端縁における取り付けストリップの平面に対して90゜の角度をなして局所的に少なくとも100Nの引張力を加えるとき、取り付けストリップが窓ガラスの表面に対する接着状態を保持するよう、接着材料を選択し、また取り付けストリップを設計する。
【0010】
好適には、窓ガラスは、窓がラスの少なくとも一つの端縁に沿う単独の取り付けストリップを備える構成とする。単独の取り付けストリップの使用は、多数の短い個別の取り付け素子よりも取り扱い上有利である。
【0011】
代案として、窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備えることとし、第1取り付けストリップは包括的なものとし、第2取り付けストリップは車両固有のものとし、第1取り付けストリップを第2取り付けストリップに継ぎ合わせる構成とする。
【0012】
窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備え、第1取り付けストリップは包括的なものとし、第2取り付けストリップは車両固有のものとし、第1取り付けストリップは、各第1または第2の取り付けストリップの長さよりも小さい間隔長さだけ第2取り付けストリップから離して配置する構成とする。
【0013】
好適には、接着剤は、取り付けストリップおよび窓ガラスの表面に接着するために熱および圧力を要するタイプとする。さらに好適には、接着剤は、ポリビニルブチラール(PVB:polyvinyl butyral)とする。PVBは、ラミネートガラスの中間層に一般的に用いられる標準的な材料であり、本発明を実施するために必要な接着材料のストリップは標準的なPVB中間層剤のロールから簡単に切断することができる。
【0014】
接着剤、とくにPVBは、ウェッジ型断面を有し、閉鎖した底部から開放端部に向かって幅がわずかに減少するキャビティを生ずるようにする。適切なウェッジ型PVBストリップは、例えばHUD用途の結合器として使用可能なフロントガラス用に設計された中間層から切断することができる。
【0015】
それに加えまたは代替的に、取り付けストリップは、上向きの端縁を有し、取り付けストリップと窓ガラスと間の距離がキャビティの閉鎖端部におけるよりもキャビティの開放端部における方が小さくなるようにする。
【0016】
好適には、取り付けストリップは、ステンレススチールまたは耐食性コーティングを表面に有するスチールのうち一方とする。取り付けストリップは、窓ガラス構成部材における対応する突起に係合するための少なくとも1つの切除領域を備える。取り付けストリップは付加的または代替的に、窓ガラス上の対応するマークを用いて、取り付けストリップを窓ガラスの中央に配置するために、切欠きのような、手段を備えることができる。
【0017】
接着ストリップおよび取り付けストリップは、窓ガラスの表面上に配置して、第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、第2キャビティは窓ガラスの端縁から背反する方向に対面する構成とする。
【0018】
窓ガラスは、さらに窓ガラス上取り付ける窓ガラス構成部材を備え、この窓ガラス構成部材は、キャビティ内にはめ込んで挿入する寸法にした保持ストリップを備える構成とする。この保持ストリップは、窓ガラスまたは取り付けストリップの少なくとも一方に接触する、多数の突起または荒い表面のいずれか一方を備える。これら突起の少なくとも1つは、寸法を決めて取り付けストリップにおける切除領域内に嵌合する寸法にする。保持ストリップは、保持ストリップを窓ガラスに接着する接着剤を収容するキャビティを備える構成とする。好適には、保持ストリップは、プラスチック材料の層間に埋設した金属インサートを備える。金属インサートは、保持ストリップにおける少なくとも1つの突起を補強するものとすることができる。この保持ストリップは、長さに沿って1対の互いに平行な曲げ部を有して段差付きプロファイルを生ずる形状に形成する。
【0019】
好適には、窓ガラス構成部材は、カウリングまたは排水トレー用の取り付けプロファイル、シーリングプロファイルダムプロファイル(窓ガラスを車体に固定する接着剤をせき止めるプロファイル)、またはスペーサプロファイル(例えば、車体フランジから窓ガラスを離間させるプロファイル)のうちいずれか1つとする。
【0020】
本発明は、さらに、窓ガラス構成部材を自動車用の窓ガラスに取り付けるための取り付けストリップを接着させる方法を提供し、この方法は、窓ガラスの1つの端縁に隣接させて、窓ガラスの主要表面上に接着剤のストリップを配置するステップと、取り付けストリップを配置する配置ステップであって、取り付けストリップの一部分のみが接着剤のストリップに接触し、取り付けストリップの他の少なくとも一部分は窓ガラスの主要面から離間するようにし、取り付けストリップは前記窓ガラスの端縁とオーバーラップせず、窓ガラス、接着剤および取り付けストリップ間にキャビティを生じ、キャビティは、窓ガラスの端縁に対面しかつ窓ガラス構成部材の一部分を収容する寸法となるように配置する、該配置ステップと、および取り付けストリップが接着剤によって窓ガラスに接着するまで高温および高圧で窓ガラスをオートクレーブ処理するステップとを有することを特徴とする。
【0021】
好適には、接着剤はポリビニルブチラールとする。
【0022】
接着剤はウェッジ型断面を有することができる。
【0023】
接着剤および取り付けストリップは窓ガラスの表面に配置し、第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、この第2キャビティは窓ガラスの端縁から背反する方向に対面するものとする。
【0024】
本発明を、以下に単なる例示として、添付図面につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による窓ガラスの、カウリング取り付けプロファイル(取り付け輪郭部)を付着した状態を示す窓ガラスの線図的断面図である。
【図2】本発明による窓ガラスの、取り付けストリップを付着した状態を示す線図的平面図である。
【図3a】図1の一部分における第1実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3b】図1の一部分における第2実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3c】図1の一部分における第3実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3d】図1の一部分における第4実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3e】図1の一部分における第5実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3f】図1の一部分における第6実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3g】図1の一部分における第7実施例の詳細の線図的断面図である。
【図4】取り付けストリップの他の線図的断面図である。
【図5】取り付けストリップの一部分の線図的平面図である。
【図6】取り付けストリップ全体の線図的平面図である。
【図7】2つの窓ガラス構成部材を同時に取り付けるために用いる取り付けストリップの線図的断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による取り付けストリップの線図的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明において、好適には、保管および輸送コストを削減するために、車両製造業者へ窓ガラスを輸送中に、窓ガラスの周縁を越えて、または窓ガラス平面からのかなりの距離を超えて突出する取り付け具をなんら必要とせず、カウリングまたは排水トレー用の取り付け輪郭部または取り付けプロファイルのような窓ガラス構成部材を窓ガラスに付着する方法を提供することが必要であるとの認識に基づく。以下に限定するものではないが、以下に説明する実施例において、窓ガラス表面上に取り付ける窓ガラス構成部材は、カウリングまたは排水トレー取り付けプロファイルとする。取り付けプロファイルは、窓ガラスを車両にはめ込むとき、所定位置にカウリングを保持する。取り付けストリップを窓ガラスに取り付けた後、取り付けプロファイルを挿入することができる。つぎに、カウリングまたは排水トレーをクリップ留めする、または他の方法で取り付けプロファイルに固定する。他の構成部材、例えば封止プロファイルのために、この取り付けプロファイルを挿入するだけで十分である。
【0027】
図1は、本発明による窓ガラスの、カウリングのための取り付けプロファイル(取り付け輪郭部)を付着させた状態の線図的断面図である。ラミネートした窓ガラス1(PVBまたは同様の中間にラミネートして介在させた中間層材料の共平面層を有するガラス製の第1プライおよび第2プライを備える)は、取り付けストリップ3により付着したカウリング取り付け輪郭部(プロファイル)2を有する。単独の取り付けストリップ3を、窓ガラス1の少なくとも1個の端縁に取り付け、各端縁に沿って構成部材を取り付ける。取り付け輪郭部(プロファイル)2は、構造および強度上の目的のために埋設した1対の整形した金属インサート5を有するプラスチック本体4で形成し、カウリングを収容するための収容領域6、および一般的に細長い形状の保持ストリップ7を備える。取り付けプロファイル2を付着するとき、収容領域6は窓ガラス1の端縁に対して平行となり、保持ストリップ7は窓ガラス1の主要面に接触するようにする。取り付けストリップ3は、金属材料、例えばステンレススチールまたは耐食性コーティングを有するスチールの細長いシートで形成し、ポリビニルブチラール中間層材料(PVB)のストリップ8によって窓ガラス1の主要面に接着する。PVBストリップ8および取り付けストリップ3は、取り付けストリップ3が距離aだけ窓ガラス1の端縁の内側に位置するように配置する。PVBストリップ8および取り付けストリップ3は距離bだけオーバーラップ(重複)して接着領域を設け、この接着領域は窓ガラスの端縁から距離c離れた位置で開始し、c>aとする。取り付けストリップ3の一部分のみがPVBストリップ8と接触するので、取り付けストリップ3の他の部分は窓ガラス1の主要面と接触せず、この主要面から確実に離れる。PVBストリップ8は取り付けストリップ3が窓ガラス1の端縁とオーバーラップしないように配置する。取り付けストリップ3、PVBストリップ8および窓ガラス1の主要面は、キャビティ9を形成し、このキャビティ9は、窓ガラスの端縁に対面し、取り付けプロファイル2の細長い保持ストリップ7を収容する寸法とする。
【0028】
図2は本発明による、付着した取り付けストリップを有する窓ガラスの平面図である。窓ガラス1は通常台形である、(位置を点線で示した)PVBストリップ8によって主要面に接着する取り付けストリップ3を有する。取り付けストリップ3は窓ガラス1の端縁の内側に位置し、キャビティ9は取り付けストリップ3の長さに沿って延在して窓ガラス1の端縁に向かって外側に対面する。取り付けストリップ3は細長く、接着する窓ガラス1の端縁に適合するよう寸法を決め、また随意的に湾曲させる。取り付けストリップ3は、窓ガラス1における底部端縁の長さのほぼ全長に沿って延在した状態を示すが、好適には、取り付けストリップ3は窓ガラス1の端縁の一部分のみに沿って延在するものとする。
【0029】
他の代替的な実施形態においては、窓ガラス1の端縁に沿って互いに継ぎ合わせる、または互いに接近した間隔で配置する、多数の個別の取り付けストリップ3を設けることができる。例えば、中央の取り付けストリップ3を設け、この中央の取り付けストリップ3は、いくつかの異なる窓ガラスおよび/または車両モデルに適した包括的な設計で形成することができる。この場合、車両固有に設計し、窓ガラスの端部に向かって位置決めする、少なくとも1個、好適には2個の付加的な取り付けストリップ3によって補完することができる。独国特許第19939191号に記載されているプロファイルと対照的に、各ストリップは適度な長さ(つまり短くない)、例えば、少なくとも0.2mの長さを有する。それぞれ、可撓性継手部または雌雄連結のような、継手によって他の取り付けストリップに継ぎ合わせることができる。間隔を開ける場合、間隔の長さはいかなる間隔ストリップの長さよりも短く、好適にはミリメートルまたは数センチメートルのオーダーとする。
【0030】
取り付けストリップ3を窓ガラス1の主要面に接着するために、取り付けストリップ3およびPVBストリップ8を下側端縁に隣接して窓ガラス1に配置し、つぎにオートクレーブ処理する。この接着を実行するための適切な方法を以下に説明する。
【0031】
まず、窓ガラス1を90°Cに予加熱する。取り付けストリップ3も予加熱し、また窓ガラス1上に位置決めし、このとき取り付けストリップ3と窓ガラス1の主要面と間にPVB層8を介在させて、ジグ内に保持する。取り付けストリップ3は、取り付けストリップ3の一部分のみがPVBストリップと接触し、取り付けストリップ3の少なくとも他の一部分が窓ガラス1の主要面から間隔をとるよう、配置する。取り付けストリップ3は窓ガラス1の端縁にオーバーラップさせない。キャビティ9が、窓ガラス1、PVBおよび取り付けストリップ3間に生じ、このキャビティ9は、窓ガラス2の端縁に対面し、カウリング用の取り付けプロファイル2の一部分を収容する寸法とする。この後、高圧を取り付けストリップ3に対して約3秒間加え、PVBストリップ8と初期接着を生ずる。この初期接着が完了した後、窓ガラス組立体(窓ガラス1、取り付けストリップ3およびPVBストリップ8)をオートクレーブ内に温度140°C、12〜14バールの圧力下に少なくとも約30分間、好適には最大90分間、配置する。この加熱および圧力処理後、取り付けストリップ3を冷却し、その直後には、取り付けストリップ3の自由端縁における取り付けストリップ平面に対して90°の角度をなして局所的に加える少なくとも約100Nの引張力に耐えることができる。PVBストリップ8の接着強度は自己粘着性またはポリウレタン接着材料のどちらを用いて得られるよりも著しく大きい。
【0032】
接着した取り付けストリップ3を備える窓ガラス1を冷却した後、取り付けプロファイル2の保持ストリップ7をキャビティ9中に挿入することができ、取り付けプロファイル2が窓ガラス1の端縁に隣接し、防水シールを形成することができる。PVBストリップ8および取り付けストリップ3の配置を変更し、取り付けプロファイル2の形状およびサイズの公差を考慮することができる。しかし、取り付けプロファイル2を直ちに挿入する必要はなく、窓ガラス1は接着した取り付けストリップ3のみ備えて保管または輸送することができ、取り付けプロファイル2は工場または窓ガラス1を車両にはめ込む工場近くで順次にはめ込むことができる。窓ガラス平面から全体的に約3〜4mmだけ突出する取り付けストリップ3を設けることによって、特許文献2に記載されているような、従来の方法ではめ込むカウリングを有する窓ガラスと比較して、最大40%増の窓ガラスを、ラックに保管することができる。代案として、取り付けストリップ3の接着は、ラミネート窓ガラスのラミネーション工程中に実行することができる。
【0033】
取り付けプロファイル2と窓ガラス1との間における接着強度、および防水シールの一体性は保持ストリップ7の設計を最適化することによって改善することができる。図3a〜3gは、保持ストリップ7を強調した、図1の一部分における第1〜第7の実施例に関する詳細な線図的断面図を示す。保持ストリップ7の表面粗さを増大させることによって、取り付けプロファイル2は窓ガラス1の平面における引張力に対してより耐えることができるだけでなく、窓ガラス1の端縁により近く、より弾性的に衝合することができるようになる。図3aは、窓ガラス1の主要面および取り付けストリップ3の双方に係合するよう、粗くした表面を有する保持ストリップ7を示す。図3bは、窓ガラス1の主要面および取り付けストリップ3の双方に接触する突起10を形成する、上側表面および下側表面に沿う一連の溝を有する保持ストリップ7を示す。
【0034】
図3cは、変更した保持ストリップ7および変更した取り付けストリップ3の双方を示す。取り付けストリップ3に切除領域11を設け、この切除領域中に保持ストリップの下側端縁に設けた対応突起10をはめ込む。突起10は、取り付けプロファイル2が、取り付けストリップ3、PVB8および窓ガラス1によって形成するキャビティ9中にスライドさせて挿入することができるようにした傾斜表面と、および挿入後に取り付けプロファイル2が抜けるのを防ぐようにした、切除領域11の一方の端縁に係合する垂直面と、を備える。
【0035】
図3dは、図3bに示した保持ストリップ設計の変更例を示す。この場合、突起10は、突起10を交互に支持するため、整形した構造を有する金属インサート5によって部分的に補強する。
【0036】
図3eは、保持ストリップ7の他の変更例を示し、キャビティ12を保持ストリップ7の(窓ガラス1に接触する)上側表面に設け、このキャビティ12に付加的な接着剤13を充填することができる。これは、窓ガラス1の修理中にキャビティ9から保持ストリップ7が抜けるのに対してさらに抵抗をもたらすことができる。
【0037】
図3fは、保持ストリップ7および取り付けストリップ3の双方のさらなる変更例を示す。ストリップ3の3側辺領域を打ち抜くことによって、鋸歯状領域14を取り付けストリップ3に設ける。鋸歯状領域14は簡単な歯止め機構をなし、保持ストリップ上の突起10を鋸歯状領域14にはめることができ、窓ガラス1からの保持ストリップ7の抜けを防ぐ。図3gは、図3fで示した保持ストリップの変更例を示す。突起10ではなく、保持ストリップ7は保持ストリップ本体よりも柔らかい柔軟材料の領域15を有し、保持ストリップ7をキャビティ9中に挿入するとき、その領域15内に鋸歯状領域14が埋没するようにする。保持ストリップ7をポリプロピレンで形成する場合、例えば、適切な柔軟材料はTPE(thermoplastic elastomer:熱可塑性エラストマー)とする。予形成した鋸歯状領域を有する設計の代案として、組み立て中にプレスする予切断鋸歯状領域14を有する平坦取り付けストリップ3を用いることができる。この場合、保持ストリップ7をキャビティ9中に挿入した後、予切断鋸歯状領域14は柔軟材料の領域15内に押し込まれ、保持ストリップ7を所定位置に保持する。
【0038】
図示の各実施例において、保持ストリップ7は、約0.2〜0.3mmの範囲の厚さを有する金属インサート5を備え、この金属インサート5は、それぞれ少なくとも約0.2mmの厚さを有するプラスチック材料の層間に埋埋設する。好適には、保持ストリップ7は厚さ2mmより小さいまたは等しくする、より好適には厚さ1.5mmより小さいまたは等しくする。
【0039】
好適には、取り付けストリップ3は0.5mm〜2mmの範囲の厚さを有し、PVB層8は、取り付けプロファイル2の細長い保持ストリップ7の寸法に対応して、0.5mm〜2.00mmの範囲の厚さを有する。しかし、PVB層8の厚さ(および幅)も、接着後、取り付けストリップ3が取り付けストリップ3の自由端端縁における取り付けストリップの平面に対して90゜の角度で局所的に加える、少なくとも100N、好適には150Nの引張力に耐え、窓ガラスの表面に対する接着状態を維持することができるよう、決定する。接着剤は、少なくとも200Nの、窓ガラス主要面に平行に加える圧力にも耐え、組み立て中に窓ガラス構成部材の挿入に対処できるものとする。例えば、PVB8の0.76mm〜1.5mm厚さの20mm幅ストリップは約500Nの局所負荷に耐えることができる。適切なオーバーラップ状態を確実に得るために、a,bおよびc(図1参照)は、好適には以下の範囲、0.0mm≦a≦5.0mm、5.0mm≦b≦15.0mm、および20.0mm≦c≦25.0mm、とする。上述の実施例においては、(一定断面を有する)標準的なPVBを接着剤として用いたが、わずかに楔形をなす断面を有するPVB(「ウェッジ型PVB」)を用いて窓ガラス1に対して角度を付けて取り付けストリップ3を接着することができる。取り付けストリップ3と窓ガラス1と間の距離は、キャビティ9の閉鎖端部におけるよりも開放端部における方が小さくなる、キャビティ9を形成することによって、付加的摩擦力を保持ストリップ7に加え、使用中にキャビティ9内における所定位置を維持することができる。
【0040】
しかし、取り付けストリップ3を窓ガラス1の表面に接着するためにPVBを用いる代りに、取り付けストリップ3自由端縁で取り付けストリップの平面に対して90゜の角度をなして局所的に加える、少なくとも100Nの引張力に対する抵抗をもたらす、他の接着系を用いることができる。好適には、これら接着剤は強力接着を形成するために熱および圧力を要し、したがって、オートクレーブ処理することができるものとする。このような適切な接着剤としては、エポキシおよびアクリルのフィルムによるラミネート、例えば、3Mから入手可能な接着剤9270および9214がある。代案として、誘導加熱を要する2成分接着剤、および2成分エポキシ樹脂のような、他の接着剤を代わりに用いることができる。
【0041】
好適には、取り付けストリップ3は1mm〜2.5mmの範囲の厚さ、好適には約1mmの厚さ、を有する金属ストリップから形成し、耐食性材料、例えばステンレススチール、または所定寸法に沿って切断後に全周面に塗布した耐食性コーティングを有するスチールストリップにより構成する。ストリップは、必要に応じてプレス曲げ、圧延または鋳造することができる。取り付けストリップとして、プラスチックストリップと比較して、金属ストリップを用いる利点の1つとして、ステンレススチールのような金属と窓ガラスとは、互いにより近似した熱膨張率を有し、窓ガラスの熱衝撃破壊の可能性を低減し、異なる熱膨張率を補償するのに必要なPVB8層の厚さを薄くすることができる点である。さらに、取り付けストリップの異なる部分を異なる材料から形成する、または異なるプロセスを用いることが望ましいことがある。例えば、各ストリップの端部部分は車両固有のものとし、鍛造スチールから形成し、中央部分は包括的なものとし、圧延スチールから形成するものとする。
【0042】
取り付けストリップ3のあり得る実施例を図4,5および6により詳しく示す。図4は取り付けストリップ3の線図的断面図であり、この取り付けストリップ3は保持ストリップに配置した突起を収容するための切除領域、および窓ガラス1の端縁に隣接する窓ガラスの主要面に向かって対面する上向き端縁16を有するものとする。上向き端縁を設けることによって、付加的な摩擦力を保持ストリップ7に加え、窓ガラスの耐用寿命中は取り付けプロファイル2の位置を維持することができる。
【0043】
図5は取り付けストリップ3の線図的拡大平面図を示し、(図3cに示したように)突起10の位置に対応する多数の切除領域11の位置を示す。図6は細長い取り付けストリップ3全体の線図的平面図であり、3個の切除領域11、すなわち取り付けストリップ3の両側の各端部に1個、および中央に1個の切除領域11を設け、この中央の切除領域を他の2他の切除領域11から等距離に配置する。位置決め切欠き17も中央切除領域11に隣接して設け、窓ガラス1上の対応する基準マーク(図示せず)を参照することによって、取り付けストリップ3を窓ガラス1上で簡単に中央に配置できるようにする。図6において、取り付けストリップ3を平行な端縁を有するものとして示さないが、好適には、取り付けストリップ3は一般的な湾曲形状にし、隣接して取り付ける窓ガラス1の一般的な湾曲端端縁に一致させる。保持ストリップ3の長い端縁は、窓ガラス1に取り付けるべき窓ガラス構成部材に基づいて、全長に沿って等距離間隔、またはさまざまな距離間隔で離れるようにすることができる。
【0044】
上述の実施例は取り付けストリップ3を用いてカウリング用の取り付けプロファイル2を窓ガラス1の端縁に取り付けるものであるが、取り付けストリップ3を用いて他の窓ガラス構成部材またはそれら取り付けプロファイルを自動車用の窓ガラスに取り付けることもできる。好適には、窓ガラス構成部材はカウリングまたは排水トレー用の取り付けプロファイル、シーリングプロファイル、ダムプロファイル(窓ガラスを車体に固定する接着剤をせき止めるプロファイル)、またはスペーサプロファイル(例えば、車体フランジから窓ガラスを離しておくプロファイル)のうちの1つとする。平坦拡張部を設けて保持ストリップ7を形成する窓ガラス構成部材は、取り付けストリップ3、PVBストリップ8および窓ガラス1によって生ずるキャビティ9中に挿入することができる。図7は同時に2個の窓ガラス構成部材を取り付けるために用いる取り付けストリップ3の線図的断面図である。図7に示すように、他の構成部材を、窓ガラス構成部材として窓ガラス1の端縁に同時に窓ガラス1上取り付けることができ、この場合、2個のキャビティ9および18を生ずるように取り付けストリップ3およびPVBストリップ8を配置し、このキャビティ9は窓ガラス1の端縁に対面かつ隣接配置して、取り付けストリップ3の第1端縁から形成し、キャビティ18は窓ガラス1の端縁から背反し、取り付けストリップ3の反対側の端縁から形成する。窓ガラス構成部材は、それぞれ対応する保持ストリップを各キャビティ内に、矢印AよびBで示すように、互いに逆方向に挿入することができる。これによって、数個の構成部材を1つの取り付けストリップのみに、1個または数個の窓ガラス端縁に沿って、窓ガラス表面に確実に取り付けることができる。結果的に、取り付けストリップ3を用いて、窓ガラス構成部材または取り付けプロファイルを、任意な自動車用の窓ガラス(ラミネートした窓ガラス、または単独プライの窓ガラスのいずれにせよ)、例えばフロントガラス、バックライト、サイドライトおよびルーフライトに取り付けることができる。
【0045】
図8は本発明の第2実施形態による取り付けストリップの線図的断面図である。キャビティの高さがPVB8の厚さによって決定されるキャビティ9を形成するのではなく、整形した保持ストリップ19を用いて、PVBの厚さに対応するよりも大きい高さを有するキャビティを形成する。整形した保持ストリップ19は、やはり金属材料のストリップから形成するが、段差付きプロファイルを生ずるよう(ストリップの長い端縁に平行な)長さに沿って、互いに平行な1対の曲げ部を設ける。保持ストリップ19の第1部分はほぼ第1平面にあり、ほぼ第2平面に位置する保持ストリップの第2部分に対するリンク部分をなす2個の互いに平行な曲げ部を設け、これにより、第1平面および第2平面が互いに平行になるようにする。
【0046】
整形した保持ストリップ19の使用は、保持ストリップの剛性が曲げ領域20の使用によって増大するという利点を有する。これによって、ストリップ19自体を、例えば、0.5mmより小さいまたは等しい、上述の実施形態と比較して薄い厚さを有する金属ストリップから形成することができるとともに、保持ストリップの良好な保持に必要な機械特性を保持することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用の窓ガラス、とくに、少なくとも一つの端縁に隣接して付着した、窓ガラス構成部材のための取り付けストリップを有する自動車用の窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用の窓ガラスを自動車のような車両にはめ込むとき、窓ガラスと車体の金属ワークと間のシールを水密性とすることが必須である。このことに役立つため、通常は窓ガラスに、特許文献1(欧州特許第0545896号)に記載のように、通常、窓ガラスの少なくとも一つの端縁に沿って可撓性のガスケットを設け、このガスケットを車両のボディにおける開口部に圧着させ、シールを形成する。しかし、フロントガラスまたはバックライトに対しては、付加的な窓ガラス構成部材、例えば窓ガラスが車両に衝合するような窓ガラスの下側端縁に沿って、カウリングまたは排水トレーを設けることも必要であり、これにより、フロントガラスから流れ落ちる水を車両内部から離れる方向に反らせる。
【0003】
下側端縁に沿って付着したカウリングを有するフロントガラスは特許文献2(欧州特許第1280675号)に記載されている。ポリプロピレンような、プラスチック材料で構成し、また湾曲させた金属インサートで強化した成形カウリングを、支持体または取り付けプロファイルにより、フロントガラスの主要面に取り付ける。この取り付けプロファイルは、窓ガラスに接着し、またカウリングを取り付けプロファイルにクリップ留めする。カウリングにはトレー領域を設け、降雨時にフロントガラスを流れ落ちる水を収容して、水を車両内部に侵入しないよう排水する。取り付けプロファイルはフロントガラスの端縁に密接して保持し、自己接着テープによって、防水接合部を形成する。接着ビーズをフロントガラスの周縁に成形し、カウリングの一部をオーバーモールド(外側被覆)し、一層の防水性および接着強度を得る。この構成は良好な防水シールおよびカウリングとフロントガラスとの間に強固な接着を生ずるが、カウリング自体は嵩張り(高さ10mm、一般的にはカウリングを付着する窓ガラスの通常厚さの2倍にもなる)、フロントガラスの周縁を越えて突出する。このことは、単独のラックで保管しまた輸送することができる部分が少なくなるので、完成したフロントガラスを輸送および保管するときに問題を生じる。結果的に、保管および輸送コストがフロントガラスのみである場合と比較すると、増大してしまう。
【0004】
カウリングを窓ガラスに付着する代替方法としては、特許文献3(独国特許第19939191号)に記載されているものがある。一連の短いL字状のプロファイル(輪郭部)を、1または2成分のポリウレタン接着剤のような、接着剤を用いてラミネートガラスの主要面上に取り付ける。これらプロファイルを用いて、ワイパーを受け止める孔を有する、カウリングまたは排水トレーをフロントガラスの下側端縁に付着する。カウリングはL字状プロファイル内にクリップ留めし、また窓ガラスの端縁に衝合させる。車両に取り付けるとき、水はフロントガラスを流れ落ち、排水トレーに入り、排水される。しかし、この方法もまた、窓ガラスを多数の付着したL字状プロファイルとともにのみ保管するにしても、プロファイルは窓ガラスの周縁および窓ガラスの水平面からのかなりの距離を越えて突出してしまうので、窓ガラスのみの場合と比較して、依然として大きな保管スペースおよびこれに伴って輸送コストを要するという欠点がある。さらに、L字状プロファイルと窓ガラス表面と間における接合部の強度は、全体的にポリウレタン接着剤の接着特性によって決定される。ポリウレタン接着剤は、最大接着強度に達する前に十分に硬化するまで相当な時間を要し、したがって、窓ガラスはこの硬化が完了するまでラックで輸送または保管することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0545896号明細書
【特許文献2】欧州特許第1280675号明細書
【特許文献3】独国特許第19939191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、カウリングまたは排水トレーのような窓ガラス構成部材、またはそれらの取り付けプロファイルを、自動車用の窓ガラスに付着するとともに、保管および輸送コストを最小化し、また窓ガラス構成部材と窓ガラスと間における強固な接着を迅速かつ信頼性高く達成する、方法を見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも1つの端縁に隣接して付着する窓ガラス構成部材を取り付けるため、その端縁の長さの少なくとも一部分に沿って延在する取り付けストリップを有する自動車用の窓ガラスを設けることによってこれらの問題を解決することを目的とし、この取り付けストラップは、取り付けストリップの少なくとも一部分に接触する接着材料のストリップによって窓ガラスの主要面に接着し、かつこの取り付けストリップの他の少なくとも一部分が窓ガラスの主要面から離間し、接着剤を取り付けストリップが窓ガラスの端縁にオーバーラップしないよう配置し、窓ガラス、接着剤および取り付けストリップ間にキャビティを形成し、接着剤はキャビティの閉鎖端部を形成し、キャビティの開放端部は窓ガラスの端縁に対面しかつ前記窓ガラス構成部材の部分を収容する寸法にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
窓ガラスの端縁から突出しない取り付けストリップを用いることによって、より多数の窓ガラスを単独のラックに保管することができるので、輸送コストを削減することができる。窓ガラス構成部材、例えばカウリング用の取り付けプロファイルの一部分、例えば保持ストリップを挿入できる、キャビティを設けることによって、窓ガラス構成部材の取り付けを迅速かつ信頼性高く実行することができとともに、窓ガラス構成部材を十分に挿入するとき良好な防水接合を保証する。
【0009】
好適には、取り付けストリップの自由端縁における取り付けストリップの平面に対して90゜の角度をなして局所的に少なくとも100Nの引張力を加えるとき、取り付けストリップが窓ガラスの表面に対する接着状態を保持するよう、接着材料を選択し、また取り付けストリップを設計する。
【0010】
好適には、窓ガラスは、窓がラスの少なくとも一つの端縁に沿う単独の取り付けストリップを備える構成とする。単独の取り付けストリップの使用は、多数の短い個別の取り付け素子よりも取り扱い上有利である。
【0011】
代案として、窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備えることとし、第1取り付けストリップは包括的なものとし、第2取り付けストリップは車両固有のものとし、第1取り付けストリップを第2取り付けストリップに継ぎ合わせる構成とする。
【0012】
窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備え、第1取り付けストリップは包括的なものとし、第2取り付けストリップは車両固有のものとし、第1取り付けストリップは、各第1または第2の取り付けストリップの長さよりも小さい間隔長さだけ第2取り付けストリップから離して配置する構成とする。
【0013】
好適には、接着剤は、取り付けストリップおよび窓ガラスの表面に接着するために熱および圧力を要するタイプとする。さらに好適には、接着剤は、ポリビニルブチラール(PVB:polyvinyl butyral)とする。PVBは、ラミネートガラスの中間層に一般的に用いられる標準的な材料であり、本発明を実施するために必要な接着材料のストリップは標準的なPVB中間層剤のロールから簡単に切断することができる。
【0014】
接着剤、とくにPVBは、ウェッジ型断面を有し、閉鎖した底部から開放端部に向かって幅がわずかに減少するキャビティを生ずるようにする。適切なウェッジ型PVBストリップは、例えばHUD用途の結合器として使用可能なフロントガラス用に設計された中間層から切断することができる。
【0015】
それに加えまたは代替的に、取り付けストリップは、上向きの端縁を有し、取り付けストリップと窓ガラスと間の距離がキャビティの閉鎖端部におけるよりもキャビティの開放端部における方が小さくなるようにする。
【0016】
好適には、取り付けストリップは、ステンレススチールまたは耐食性コーティングを表面に有するスチールのうち一方とする。取り付けストリップは、窓ガラス構成部材における対応する突起に係合するための少なくとも1つの切除領域を備える。取り付けストリップは付加的または代替的に、窓ガラス上の対応するマークを用いて、取り付けストリップを窓ガラスの中央に配置するために、切欠きのような、手段を備えることができる。
【0017】
接着ストリップおよび取り付けストリップは、窓ガラスの表面上に配置して、第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、第2キャビティは窓ガラスの端縁から背反する方向に対面する構成とする。
【0018】
窓ガラスは、さらに窓ガラス上取り付ける窓ガラス構成部材を備え、この窓ガラス構成部材は、キャビティ内にはめ込んで挿入する寸法にした保持ストリップを備える構成とする。この保持ストリップは、窓ガラスまたは取り付けストリップの少なくとも一方に接触する、多数の突起または荒い表面のいずれか一方を備える。これら突起の少なくとも1つは、寸法を決めて取り付けストリップにおける切除領域内に嵌合する寸法にする。保持ストリップは、保持ストリップを窓ガラスに接着する接着剤を収容するキャビティを備える構成とする。好適には、保持ストリップは、プラスチック材料の層間に埋設した金属インサートを備える。金属インサートは、保持ストリップにおける少なくとも1つの突起を補強するものとすることができる。この保持ストリップは、長さに沿って1対の互いに平行な曲げ部を有して段差付きプロファイルを生ずる形状に形成する。
【0019】
好適には、窓ガラス構成部材は、カウリングまたは排水トレー用の取り付けプロファイル、シーリングプロファイルダムプロファイル(窓ガラスを車体に固定する接着剤をせき止めるプロファイル)、またはスペーサプロファイル(例えば、車体フランジから窓ガラスを離間させるプロファイル)のうちいずれか1つとする。
【0020】
本発明は、さらに、窓ガラス構成部材を自動車用の窓ガラスに取り付けるための取り付けストリップを接着させる方法を提供し、この方法は、窓ガラスの1つの端縁に隣接させて、窓ガラスの主要表面上に接着剤のストリップを配置するステップと、取り付けストリップを配置する配置ステップであって、取り付けストリップの一部分のみが接着剤のストリップに接触し、取り付けストリップの他の少なくとも一部分は窓ガラスの主要面から離間するようにし、取り付けストリップは前記窓ガラスの端縁とオーバーラップせず、窓ガラス、接着剤および取り付けストリップ間にキャビティを生じ、キャビティは、窓ガラスの端縁に対面しかつ窓ガラス構成部材の一部分を収容する寸法となるように配置する、該配置ステップと、および取り付けストリップが接着剤によって窓ガラスに接着するまで高温および高圧で窓ガラスをオートクレーブ処理するステップとを有することを特徴とする。
【0021】
好適には、接着剤はポリビニルブチラールとする。
【0022】
接着剤はウェッジ型断面を有することができる。
【0023】
接着剤および取り付けストリップは窓ガラスの表面に配置し、第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、この第2キャビティは窓ガラスの端縁から背反する方向に対面するものとする。
【0024】
本発明を、以下に単なる例示として、添付図面につき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による窓ガラスの、カウリング取り付けプロファイル(取り付け輪郭部)を付着した状態を示す窓ガラスの線図的断面図である。
【図2】本発明による窓ガラスの、取り付けストリップを付着した状態を示す線図的平面図である。
【図3a】図1の一部分における第1実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3b】図1の一部分における第2実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3c】図1の一部分における第3実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3d】図1の一部分における第4実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3e】図1の一部分における第5実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3f】図1の一部分における第6実施例の詳細の線図的断面図である。
【図3g】図1の一部分における第7実施例の詳細の線図的断面図である。
【図4】取り付けストリップの他の線図的断面図である。
【図5】取り付けストリップの一部分の線図的平面図である。
【図6】取り付けストリップ全体の線図的平面図である。
【図7】2つの窓ガラス構成部材を同時に取り付けるために用いる取り付けストリップの線図的断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による取り付けストリップの線図的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明において、好適には、保管および輸送コストを削減するために、車両製造業者へ窓ガラスを輸送中に、窓ガラスの周縁を越えて、または窓ガラス平面からのかなりの距離を超えて突出する取り付け具をなんら必要とせず、カウリングまたは排水トレー用の取り付け輪郭部または取り付けプロファイルのような窓ガラス構成部材を窓ガラスに付着する方法を提供することが必要であるとの認識に基づく。以下に限定するものではないが、以下に説明する実施例において、窓ガラス表面上に取り付ける窓ガラス構成部材は、カウリングまたは排水トレー取り付けプロファイルとする。取り付けプロファイルは、窓ガラスを車両にはめ込むとき、所定位置にカウリングを保持する。取り付けストリップを窓ガラスに取り付けた後、取り付けプロファイルを挿入することができる。つぎに、カウリングまたは排水トレーをクリップ留めする、または他の方法で取り付けプロファイルに固定する。他の構成部材、例えば封止プロファイルのために、この取り付けプロファイルを挿入するだけで十分である。
【0027】
図1は、本発明による窓ガラスの、カウリングのための取り付けプロファイル(取り付け輪郭部)を付着させた状態の線図的断面図である。ラミネートした窓ガラス1(PVBまたは同様の中間にラミネートして介在させた中間層材料の共平面層を有するガラス製の第1プライおよび第2プライを備える)は、取り付けストリップ3により付着したカウリング取り付け輪郭部(プロファイル)2を有する。単独の取り付けストリップ3を、窓ガラス1の少なくとも1個の端縁に取り付け、各端縁に沿って構成部材を取り付ける。取り付け輪郭部(プロファイル)2は、構造および強度上の目的のために埋設した1対の整形した金属インサート5を有するプラスチック本体4で形成し、カウリングを収容するための収容領域6、および一般的に細長い形状の保持ストリップ7を備える。取り付けプロファイル2を付着するとき、収容領域6は窓ガラス1の端縁に対して平行となり、保持ストリップ7は窓ガラス1の主要面に接触するようにする。取り付けストリップ3は、金属材料、例えばステンレススチールまたは耐食性コーティングを有するスチールの細長いシートで形成し、ポリビニルブチラール中間層材料(PVB)のストリップ8によって窓ガラス1の主要面に接着する。PVBストリップ8および取り付けストリップ3は、取り付けストリップ3が距離aだけ窓ガラス1の端縁の内側に位置するように配置する。PVBストリップ8および取り付けストリップ3は距離bだけオーバーラップ(重複)して接着領域を設け、この接着領域は窓ガラスの端縁から距離c離れた位置で開始し、c>aとする。取り付けストリップ3の一部分のみがPVBストリップ8と接触するので、取り付けストリップ3の他の部分は窓ガラス1の主要面と接触せず、この主要面から確実に離れる。PVBストリップ8は取り付けストリップ3が窓ガラス1の端縁とオーバーラップしないように配置する。取り付けストリップ3、PVBストリップ8および窓ガラス1の主要面は、キャビティ9を形成し、このキャビティ9は、窓ガラスの端縁に対面し、取り付けプロファイル2の細長い保持ストリップ7を収容する寸法とする。
【0028】
図2は本発明による、付着した取り付けストリップを有する窓ガラスの平面図である。窓ガラス1は通常台形である、(位置を点線で示した)PVBストリップ8によって主要面に接着する取り付けストリップ3を有する。取り付けストリップ3は窓ガラス1の端縁の内側に位置し、キャビティ9は取り付けストリップ3の長さに沿って延在して窓ガラス1の端縁に向かって外側に対面する。取り付けストリップ3は細長く、接着する窓ガラス1の端縁に適合するよう寸法を決め、また随意的に湾曲させる。取り付けストリップ3は、窓ガラス1における底部端縁の長さのほぼ全長に沿って延在した状態を示すが、好適には、取り付けストリップ3は窓ガラス1の端縁の一部分のみに沿って延在するものとする。
【0029】
他の代替的な実施形態においては、窓ガラス1の端縁に沿って互いに継ぎ合わせる、または互いに接近した間隔で配置する、多数の個別の取り付けストリップ3を設けることができる。例えば、中央の取り付けストリップ3を設け、この中央の取り付けストリップ3は、いくつかの異なる窓ガラスおよび/または車両モデルに適した包括的な設計で形成することができる。この場合、車両固有に設計し、窓ガラスの端部に向かって位置決めする、少なくとも1個、好適には2個の付加的な取り付けストリップ3によって補完することができる。独国特許第19939191号に記載されているプロファイルと対照的に、各ストリップは適度な長さ(つまり短くない)、例えば、少なくとも0.2mの長さを有する。それぞれ、可撓性継手部または雌雄連結のような、継手によって他の取り付けストリップに継ぎ合わせることができる。間隔を開ける場合、間隔の長さはいかなる間隔ストリップの長さよりも短く、好適にはミリメートルまたは数センチメートルのオーダーとする。
【0030】
取り付けストリップ3を窓ガラス1の主要面に接着するために、取り付けストリップ3およびPVBストリップ8を下側端縁に隣接して窓ガラス1に配置し、つぎにオートクレーブ処理する。この接着を実行するための適切な方法を以下に説明する。
【0031】
まず、窓ガラス1を90°Cに予加熱する。取り付けストリップ3も予加熱し、また窓ガラス1上に位置決めし、このとき取り付けストリップ3と窓ガラス1の主要面と間にPVB層8を介在させて、ジグ内に保持する。取り付けストリップ3は、取り付けストリップ3の一部分のみがPVBストリップと接触し、取り付けストリップ3の少なくとも他の一部分が窓ガラス1の主要面から間隔をとるよう、配置する。取り付けストリップ3は窓ガラス1の端縁にオーバーラップさせない。キャビティ9が、窓ガラス1、PVBおよび取り付けストリップ3間に生じ、このキャビティ9は、窓ガラス2の端縁に対面し、カウリング用の取り付けプロファイル2の一部分を収容する寸法とする。この後、高圧を取り付けストリップ3に対して約3秒間加え、PVBストリップ8と初期接着を生ずる。この初期接着が完了した後、窓ガラス組立体(窓ガラス1、取り付けストリップ3およびPVBストリップ8)をオートクレーブ内に温度140°C、12〜14バールの圧力下に少なくとも約30分間、好適には最大90分間、配置する。この加熱および圧力処理後、取り付けストリップ3を冷却し、その直後には、取り付けストリップ3の自由端縁における取り付けストリップ平面に対して90°の角度をなして局所的に加える少なくとも約100Nの引張力に耐えることができる。PVBストリップ8の接着強度は自己粘着性またはポリウレタン接着材料のどちらを用いて得られるよりも著しく大きい。
【0032】
接着した取り付けストリップ3を備える窓ガラス1を冷却した後、取り付けプロファイル2の保持ストリップ7をキャビティ9中に挿入することができ、取り付けプロファイル2が窓ガラス1の端縁に隣接し、防水シールを形成することができる。PVBストリップ8および取り付けストリップ3の配置を変更し、取り付けプロファイル2の形状およびサイズの公差を考慮することができる。しかし、取り付けプロファイル2を直ちに挿入する必要はなく、窓ガラス1は接着した取り付けストリップ3のみ備えて保管または輸送することができ、取り付けプロファイル2は工場または窓ガラス1を車両にはめ込む工場近くで順次にはめ込むことができる。窓ガラス平面から全体的に約3〜4mmだけ突出する取り付けストリップ3を設けることによって、特許文献2に記載されているような、従来の方法ではめ込むカウリングを有する窓ガラスと比較して、最大40%増の窓ガラスを、ラックに保管することができる。代案として、取り付けストリップ3の接着は、ラミネート窓ガラスのラミネーション工程中に実行することができる。
【0033】
取り付けプロファイル2と窓ガラス1との間における接着強度、および防水シールの一体性は保持ストリップ7の設計を最適化することによって改善することができる。図3a〜3gは、保持ストリップ7を強調した、図1の一部分における第1〜第7の実施例に関する詳細な線図的断面図を示す。保持ストリップ7の表面粗さを増大させることによって、取り付けプロファイル2は窓ガラス1の平面における引張力に対してより耐えることができるだけでなく、窓ガラス1の端縁により近く、より弾性的に衝合することができるようになる。図3aは、窓ガラス1の主要面および取り付けストリップ3の双方に係合するよう、粗くした表面を有する保持ストリップ7を示す。図3bは、窓ガラス1の主要面および取り付けストリップ3の双方に接触する突起10を形成する、上側表面および下側表面に沿う一連の溝を有する保持ストリップ7を示す。
【0034】
図3cは、変更した保持ストリップ7および変更した取り付けストリップ3の双方を示す。取り付けストリップ3に切除領域11を設け、この切除領域中に保持ストリップの下側端縁に設けた対応突起10をはめ込む。突起10は、取り付けプロファイル2が、取り付けストリップ3、PVB8および窓ガラス1によって形成するキャビティ9中にスライドさせて挿入することができるようにした傾斜表面と、および挿入後に取り付けプロファイル2が抜けるのを防ぐようにした、切除領域11の一方の端縁に係合する垂直面と、を備える。
【0035】
図3dは、図3bに示した保持ストリップ設計の変更例を示す。この場合、突起10は、突起10を交互に支持するため、整形した構造を有する金属インサート5によって部分的に補強する。
【0036】
図3eは、保持ストリップ7の他の変更例を示し、キャビティ12を保持ストリップ7の(窓ガラス1に接触する)上側表面に設け、このキャビティ12に付加的な接着剤13を充填することができる。これは、窓ガラス1の修理中にキャビティ9から保持ストリップ7が抜けるのに対してさらに抵抗をもたらすことができる。
【0037】
図3fは、保持ストリップ7および取り付けストリップ3の双方のさらなる変更例を示す。ストリップ3の3側辺領域を打ち抜くことによって、鋸歯状領域14を取り付けストリップ3に設ける。鋸歯状領域14は簡単な歯止め機構をなし、保持ストリップ上の突起10を鋸歯状領域14にはめることができ、窓ガラス1からの保持ストリップ7の抜けを防ぐ。図3gは、図3fで示した保持ストリップの変更例を示す。突起10ではなく、保持ストリップ7は保持ストリップ本体よりも柔らかい柔軟材料の領域15を有し、保持ストリップ7をキャビティ9中に挿入するとき、その領域15内に鋸歯状領域14が埋没するようにする。保持ストリップ7をポリプロピレンで形成する場合、例えば、適切な柔軟材料はTPE(thermoplastic elastomer:熱可塑性エラストマー)とする。予形成した鋸歯状領域を有する設計の代案として、組み立て中にプレスする予切断鋸歯状領域14を有する平坦取り付けストリップ3を用いることができる。この場合、保持ストリップ7をキャビティ9中に挿入した後、予切断鋸歯状領域14は柔軟材料の領域15内に押し込まれ、保持ストリップ7を所定位置に保持する。
【0038】
図示の各実施例において、保持ストリップ7は、約0.2〜0.3mmの範囲の厚さを有する金属インサート5を備え、この金属インサート5は、それぞれ少なくとも約0.2mmの厚さを有するプラスチック材料の層間に埋埋設する。好適には、保持ストリップ7は厚さ2mmより小さいまたは等しくする、より好適には厚さ1.5mmより小さいまたは等しくする。
【0039】
好適には、取り付けストリップ3は0.5mm〜2mmの範囲の厚さを有し、PVB層8は、取り付けプロファイル2の細長い保持ストリップ7の寸法に対応して、0.5mm〜2.00mmの範囲の厚さを有する。しかし、PVB層8の厚さ(および幅)も、接着後、取り付けストリップ3が取り付けストリップ3の自由端端縁における取り付けストリップの平面に対して90゜の角度で局所的に加える、少なくとも100N、好適には150Nの引張力に耐え、窓ガラスの表面に対する接着状態を維持することができるよう、決定する。接着剤は、少なくとも200Nの、窓ガラス主要面に平行に加える圧力にも耐え、組み立て中に窓ガラス構成部材の挿入に対処できるものとする。例えば、PVB8の0.76mm〜1.5mm厚さの20mm幅ストリップは約500Nの局所負荷に耐えることができる。適切なオーバーラップ状態を確実に得るために、a,bおよびc(図1参照)は、好適には以下の範囲、0.0mm≦a≦5.0mm、5.0mm≦b≦15.0mm、および20.0mm≦c≦25.0mm、とする。上述の実施例においては、(一定断面を有する)標準的なPVBを接着剤として用いたが、わずかに楔形をなす断面を有するPVB(「ウェッジ型PVB」)を用いて窓ガラス1に対して角度を付けて取り付けストリップ3を接着することができる。取り付けストリップ3と窓ガラス1と間の距離は、キャビティ9の閉鎖端部におけるよりも開放端部における方が小さくなる、キャビティ9を形成することによって、付加的摩擦力を保持ストリップ7に加え、使用中にキャビティ9内における所定位置を維持することができる。
【0040】
しかし、取り付けストリップ3を窓ガラス1の表面に接着するためにPVBを用いる代りに、取り付けストリップ3自由端縁で取り付けストリップの平面に対して90゜の角度をなして局所的に加える、少なくとも100Nの引張力に対する抵抗をもたらす、他の接着系を用いることができる。好適には、これら接着剤は強力接着を形成するために熱および圧力を要し、したがって、オートクレーブ処理することができるものとする。このような適切な接着剤としては、エポキシおよびアクリルのフィルムによるラミネート、例えば、3Mから入手可能な接着剤9270および9214がある。代案として、誘導加熱を要する2成分接着剤、および2成分エポキシ樹脂のような、他の接着剤を代わりに用いることができる。
【0041】
好適には、取り付けストリップ3は1mm〜2.5mmの範囲の厚さ、好適には約1mmの厚さ、を有する金属ストリップから形成し、耐食性材料、例えばステンレススチール、または所定寸法に沿って切断後に全周面に塗布した耐食性コーティングを有するスチールストリップにより構成する。ストリップは、必要に応じてプレス曲げ、圧延または鋳造することができる。取り付けストリップとして、プラスチックストリップと比較して、金属ストリップを用いる利点の1つとして、ステンレススチールのような金属と窓ガラスとは、互いにより近似した熱膨張率を有し、窓ガラスの熱衝撃破壊の可能性を低減し、異なる熱膨張率を補償するのに必要なPVB8層の厚さを薄くすることができる点である。さらに、取り付けストリップの異なる部分を異なる材料から形成する、または異なるプロセスを用いることが望ましいことがある。例えば、各ストリップの端部部分は車両固有のものとし、鍛造スチールから形成し、中央部分は包括的なものとし、圧延スチールから形成するものとする。
【0042】
取り付けストリップ3のあり得る実施例を図4,5および6により詳しく示す。図4は取り付けストリップ3の線図的断面図であり、この取り付けストリップ3は保持ストリップに配置した突起を収容するための切除領域、および窓ガラス1の端縁に隣接する窓ガラスの主要面に向かって対面する上向き端縁16を有するものとする。上向き端縁を設けることによって、付加的な摩擦力を保持ストリップ7に加え、窓ガラスの耐用寿命中は取り付けプロファイル2の位置を維持することができる。
【0043】
図5は取り付けストリップ3の線図的拡大平面図を示し、(図3cに示したように)突起10の位置に対応する多数の切除領域11の位置を示す。図6は細長い取り付けストリップ3全体の線図的平面図であり、3個の切除領域11、すなわち取り付けストリップ3の両側の各端部に1個、および中央に1個の切除領域11を設け、この中央の切除領域を他の2他の切除領域11から等距離に配置する。位置決め切欠き17も中央切除領域11に隣接して設け、窓ガラス1上の対応する基準マーク(図示せず)を参照することによって、取り付けストリップ3を窓ガラス1上で簡単に中央に配置できるようにする。図6において、取り付けストリップ3を平行な端縁を有するものとして示さないが、好適には、取り付けストリップ3は一般的な湾曲形状にし、隣接して取り付ける窓ガラス1の一般的な湾曲端端縁に一致させる。保持ストリップ3の長い端縁は、窓ガラス1に取り付けるべき窓ガラス構成部材に基づいて、全長に沿って等距離間隔、またはさまざまな距離間隔で離れるようにすることができる。
【0044】
上述の実施例は取り付けストリップ3を用いてカウリング用の取り付けプロファイル2を窓ガラス1の端縁に取り付けるものであるが、取り付けストリップ3を用いて他の窓ガラス構成部材またはそれら取り付けプロファイルを自動車用の窓ガラスに取り付けることもできる。好適には、窓ガラス構成部材はカウリングまたは排水トレー用の取り付けプロファイル、シーリングプロファイル、ダムプロファイル(窓ガラスを車体に固定する接着剤をせき止めるプロファイル)、またはスペーサプロファイル(例えば、車体フランジから窓ガラスを離しておくプロファイル)のうちの1つとする。平坦拡張部を設けて保持ストリップ7を形成する窓ガラス構成部材は、取り付けストリップ3、PVBストリップ8および窓ガラス1によって生ずるキャビティ9中に挿入することができる。図7は同時に2個の窓ガラス構成部材を取り付けるために用いる取り付けストリップ3の線図的断面図である。図7に示すように、他の構成部材を、窓ガラス構成部材として窓ガラス1の端縁に同時に窓ガラス1上取り付けることができ、この場合、2個のキャビティ9および18を生ずるように取り付けストリップ3およびPVBストリップ8を配置し、このキャビティ9は窓ガラス1の端縁に対面かつ隣接配置して、取り付けストリップ3の第1端縁から形成し、キャビティ18は窓ガラス1の端縁から背反し、取り付けストリップ3の反対側の端縁から形成する。窓ガラス構成部材は、それぞれ対応する保持ストリップを各キャビティ内に、矢印AよびBで示すように、互いに逆方向に挿入することができる。これによって、数個の構成部材を1つの取り付けストリップのみに、1個または数個の窓ガラス端縁に沿って、窓ガラス表面に確実に取り付けることができる。結果的に、取り付けストリップ3を用いて、窓ガラス構成部材または取り付けプロファイルを、任意な自動車用の窓ガラス(ラミネートした窓ガラス、または単独プライの窓ガラスのいずれにせよ)、例えばフロントガラス、バックライト、サイドライトおよびルーフライトに取り付けることができる。
【0045】
図8は本発明の第2実施形態による取り付けストリップの線図的断面図である。キャビティの高さがPVB8の厚さによって決定されるキャビティ9を形成するのではなく、整形した保持ストリップ19を用いて、PVBの厚さに対応するよりも大きい高さを有するキャビティを形成する。整形した保持ストリップ19は、やはり金属材料のストリップから形成するが、段差付きプロファイルを生ずるよう(ストリップの長い端縁に平行な)長さに沿って、互いに平行な1対の曲げ部を設ける。保持ストリップ19の第1部分はほぼ第1平面にあり、ほぼ第2平面に位置する保持ストリップの第2部分に対するリンク部分をなす2個の互いに平行な曲げ部を設け、これにより、第1平面および第2平面が互いに平行になるようにする。
【0046】
整形した保持ストリップ19の使用は、保持ストリップの剛性が曲げ領域20の使用によって増大するという利点を有する。これによって、ストリップ19自体を、例えば、0.5mmより小さいまたは等しい、上述の実施形態と比較して薄い厚さを有する金属ストリップから形成することができるとともに、保持ストリップの良好な保持に必要な機械特性を保持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の窓ガラスであって、前記窓ガラスの少なくとも1つの端縁に隣接して付着する窓ガラス構成部材を取り付けるため、前記端縁の長さの少なくとも一部分に沿って延在する取り付けストリップを有し、前記取り付けストラップは、前記取り付けストリップの少なくとも一部分に接触する接着材料のストリップによって前記窓ガラスの主要面に接着し、かつ前記取り付けストリップの他の少なくとももう一部分が前記窓ガラスの主要面から離間し、前記接着剤を、前記取り付けストリップが前記窓ガラスの端縁にオーバーラップしないよう配置する、該自動車用窓ガラスにおいて、前記窓ガラス、前記接着剤および前記取り付けストリップ間にキャビティを形成し、前記接着剤は前記キャビティの閉鎖端部を形成し、前記キャビティの開放端部は前記窓ガラスの端縁に対面しかつ前記窓ガラス構成部材の部分を収容する寸法にしたことを特徴とする、自動車用の窓ガラス。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラス表面に対して90゜の角度で、少なくとも100Nの引張力を加えるとき前記取り付けストリップが前記窓ガラスの表面に対する接着状態を保持するものとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラスは、窓ガラスの少なくとも一つの端縁に沿う単独の取り付けストリップを備える構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項4】
請求項1または2に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備え、前記第1取り付けストリップは包括的なものとし、前記第2取り付けストリップは車両固有とし、前記第1取り付けストリップを前記第2取り付けストリップに継ぎ合わせる構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項5】
請求項1または2に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備え、前記第1取り付けストリップは包括的なものとし、前記第2取り付けストリップは車両固有とし、前記第1取り付けストリップは、前記第1または前記第2の取り付けストリップのどちらかの長さよりも短い間隔長さだけ、前記第2取り付けストリップから間隔を開けて配置する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤は、前記取り付けストリップおよび前記窓ガラスの表面に接着する熱および圧力を要するものとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項7】
請求項6に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤は、ポリビニルブチラールとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項8】
請求項6または7に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤は、ウェッジ型断面を有することを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、ステンレススチールまたは耐食性コーティングを有するスチールのうち一方としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、前記窓ガラス構成部材における対応する突起に係合するための少なくとも1つの切除領域を備えることを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、前記窓ガラス中央に前記取り付けストリップを配置するための切欠きのような手段を備えることを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、前記窓ガラスの主要面に向かって対面する上向き端縁を有する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項13】
請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤および取り付けストリップは、前記窓ガラスの表面に配置して第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、前記第2キャビティは前記窓ガラス端縁から背反する方向に対面する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、さらに、前記窓ガラスに取り付ける窓ガラス構成部材を備え、前記窓ガラス構成部材は、前記キャビティ内にはめ込んで挿入する寸法にした保持ストリップを備える構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項15】
請求項14に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、前記窓ガラスまたは前記取り付けストリップのうち少なくとも一方に接触する、多数の突起または粗くした表面のどちらか一方を備えたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項16】
請求項15に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、少なくとも1つの突起は、前記取り付けストリップにおける切除領域内に嵌合する寸法にしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項17】
請求項14に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、前記保持ストリップを前記窓ガラスに接着させる接着剤を収容するキャビティを有する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項18】
請求項14〜17のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、プラスチック材料の層間に埋設した金属インサートを有する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項19】
請求項18に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記金属インサートは、前記保持ストリップにおける少なくとも1つの突起を補強するものとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項20】
請求項1〜19のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、長さに沿って1対の互いに平行な曲げ部を有して段差付きプロファイルを生ずる形状に形成したことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項21】
請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラス構成部材は、カウリング、または排水トレー用の取り付けプロファイル、シーリングプロファイル、ダムプロファイルまたはスペーサプロファイルのうちいずれか1つとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項22】
自動車用の窓ガラスに窓ガラス構成部材を取り付けるための取り付けストリップを接着する方法において、
前記窓ガラスの1つの端縁に隣接させて、前記窓ガラスの主要面上に接着剤のストリップを配置するステップと、
取り付けストリップを配置する配置ステップであって、前記取り付けストリップの一部分のみが前記接着剤のストリップに接触し、前記取り付けストリップの他の少なくとも一部分は前記窓ガラスの主要面から離間するようにし、前記取り付けストリップは前記窓ガラスの端縁とオーバーラップせず、前記窓ガラス、前記接着剤および前記取り付けストリップ間にキャビティを生じ、前記キャビティは、前記窓ガラスの端縁に対面しかつ前記窓ガラス構成部材の一部分を収容する寸法となるように配置する、該配置ステップと、および
前記取り付けストリップが前記接着剤によって前記窓ガラスに接着するまで高温および高圧で前記窓ガラスをオートクレーブ処理するステップと、
を有する方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、前記接着剤をポリビニルブチラールとすることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22または23に記載の方法において、前記接着剤はウェッジ型断面を有することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項22〜24のうちいずれか一項に記載の方法において、さらに、前記窓ガラスの表面に前記接着剤および取り付けストリップを配置する配置ステップであって、第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、前記第2キャビティを前記窓ガラスの端縁から背反する方向に対面するよう配置する、該配置ステップを有する方法。
【請求項1】
自動車用の窓ガラスであって、前記窓ガラスの少なくとも1つの端縁に隣接して付着する窓ガラス構成部材を取り付けるため、前記端縁の長さの少なくとも一部分に沿って延在する取り付けストリップを有し、前記取り付けストラップは、前記取り付けストリップの少なくとも一部分に接触する接着材料のストリップによって前記窓ガラスの主要面に接着し、かつ前記取り付けストリップの他の少なくとももう一部分が前記窓ガラスの主要面から離間し、前記接着剤を、前記取り付けストリップが前記窓ガラスの端縁にオーバーラップしないよう配置する、該自動車用窓ガラスにおいて、前記窓ガラス、前記接着剤および前記取り付けストリップ間にキャビティを形成し、前記接着剤は前記キャビティの閉鎖端部を形成し、前記キャビティの開放端部は前記窓ガラスの端縁に対面しかつ前記窓ガラス構成部材の部分を収容する寸法にしたことを特徴とする、自動車用の窓ガラス。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラス表面に対して90゜の角度で、少なくとも100Nの引張力を加えるとき前記取り付けストリップが前記窓ガラスの表面に対する接着状態を保持するものとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラスは、窓ガラスの少なくとも一つの端縁に沿う単独の取り付けストリップを備える構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項4】
請求項1または2に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備え、前記第1取り付けストリップは包括的なものとし、前記第2取り付けストリップは車両固有とし、前記第1取り付けストリップを前記第2取り付けストリップに継ぎ合わせる構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項5】
請求項1または2に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラスは、窓ガラスの各端縁に沿って配置する少なくとも第1取り付けストリップおよび第2取り付けストリップを備え、前記第1取り付けストリップは包括的なものとし、前記第2取り付けストリップは車両固有とし、前記第1取り付けストリップは、前記第1または前記第2の取り付けストリップのどちらかの長さよりも短い間隔長さだけ、前記第2取り付けストリップから間隔を開けて配置する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤は、前記取り付けストリップおよび前記窓ガラスの表面に接着する熱および圧力を要するものとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項7】
請求項6に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤は、ポリビニルブチラールとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項8】
請求項6または7に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤は、ウェッジ型断面を有することを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、ステンレススチールまたは耐食性コーティングを有するスチールのうち一方としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、前記窓ガラス構成部材における対応する突起に係合するための少なくとも1つの切除領域を備えることを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、前記窓ガラス中央に前記取り付けストリップを配置するための切欠きのような手段を備えることを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記取り付けストリップは、前記窓ガラスの主要面に向かって対面する上向き端縁を有する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項13】
請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記接着剤および取り付けストリップは、前記窓ガラスの表面に配置して第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、前記第2キャビティは前記窓ガラス端縁から背反する方向に対面する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、さらに、前記窓ガラスに取り付ける窓ガラス構成部材を備え、前記窓ガラス構成部材は、前記キャビティ内にはめ込んで挿入する寸法にした保持ストリップを備える構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項15】
請求項14に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、前記窓ガラスまたは前記取り付けストリップのうち少なくとも一方に接触する、多数の突起または粗くした表面のどちらか一方を備えたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項16】
請求項15に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、少なくとも1つの突起は、前記取り付けストリップにおける切除領域内に嵌合する寸法にしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項17】
請求項14に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、前記保持ストリップを前記窓ガラスに接着させる接着剤を収容するキャビティを有する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項18】
請求項14〜17のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、プラスチック材料の層間に埋設した金属インサートを有する構成としたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項19】
請求項18に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記金属インサートは、前記保持ストリップにおける少なくとも1つの突起を補強するものとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項20】
請求項1〜19のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記保持ストリップは、長さに沿って1対の互いに平行な曲げ部を有して段差付きプロファイルを生ずる形状に形成したことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項21】
請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の自動車用の窓ガラスにおいて、前記窓ガラス構成部材は、カウリング、または排水トレー用の取り付けプロファイル、シーリングプロファイル、ダムプロファイルまたはスペーサプロファイルのうちいずれか1つとしたことを特徴とする自動車用の窓ガラス。
【請求項22】
自動車用の窓ガラスに窓ガラス構成部材を取り付けるための取り付けストリップを接着する方法において、
前記窓ガラスの1つの端縁に隣接させて、前記窓ガラスの主要面上に接着剤のストリップを配置するステップと、
取り付けストリップを配置する配置ステップであって、前記取り付けストリップの一部分のみが前記接着剤のストリップに接触し、前記取り付けストリップの他の少なくとも一部分は前記窓ガラスの主要面から離間するようにし、前記取り付けストリップは前記窓ガラスの端縁とオーバーラップせず、前記窓ガラス、前記接着剤および前記取り付けストリップ間にキャビティを生じ、前記キャビティは、前記窓ガラスの端縁に対面しかつ前記窓ガラス構成部材の一部分を収容する寸法となるように配置する、該配置ステップと、および
前記取り付けストリップが前記接着剤によって前記窓ガラスに接着するまで高温および高圧で前記窓ガラスをオートクレーブ処理するステップと、
を有する方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、前記接着剤をポリビニルブチラールとすることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22または23に記載の方法において、前記接着剤はウェッジ型断面を有することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項22〜24のうちいずれか一項に記載の方法において、さらに、前記窓ガラスの表面に前記接着剤および取り付けストリップを配置する配置ステップであって、第2窓ガラス構成部材を収容するための第2キャビティを形成し、前記第2キャビティを前記窓ガラスの端縁から背反する方向に対面するよう配置する、該配置ステップを有する方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2010−526718(P2010−526718A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507917(P2010−507917)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055933
【国際公開番号】WO2008/138959
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(504106697)ピルキントン オートモーティヴ ドイチェラント ゲーエムベーハー (20)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055933
【国際公開番号】WO2008/138959
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(504106697)ピルキントン オートモーティヴ ドイチェラント ゲーエムベーハー (20)
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