説明

自動車用の送風機モジュールおよび空調モジュールの制御装置

【課題】センサ、モータ、アクチュエータ等の部材やアセンブリの電気公差、および個々の要素の動作における機械的公差が容易に調整可能にした自動車用の送風機および空調モジュールの制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の自動車用の送風機および空調モジュール(1)の制御装置は、送風機制御部(4)と、送風機および空調モジュール(1)の冷媒コンプレッサ(6)を備える冷却装置ならびにフラップおよびバルブ(13)を制御するとともにセンサ(9、10、11、12)および人間−機械インタフェース(2)からの情報を処理する空調制御部(3)と、を備え、送風機制御部(4)および空調制御部(3)が、送風機モータ(7)の送風機モータ制御部(8)と共に中央制御装置(5)として構成されており、中央制御装置(5)が送風機モータ(7)に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の送風機モジュールおよび空調モジュールの制御装置に関する。これは、送風機モータ制御および送風機モータを制御する送風機制御部と、送風機および空調モジュールの冷媒コンプレッサを備える冷却装置を制御するとともにセンサおよび人間−機械インタフェースからの情報を処理する空調制御部と、フラップおよびバルブを制御する制御部とを有する。
【背景技術】
【0002】
上述の種の制御装置は、自動車の送風機および空調モジュールの制御に使用される。空調装置のすべての要素は制御される。それは、送風機および空調モジュールの核心となる冷却に関しても、また送風装置とその電気モータに関しても、またアクチュエータにより動かされ、送風空調モジュールの重要な要素として、モジュールにおいて調整された空気を車室へ送る際の制御に利用されるフラップに関しても同じである。
【0003】
これらの各要素は、バスシステムを介して送風機および空調モジュールの他の要素の制御モジュールと、中央制御ユニットと、操作インタフェースと接続している内蔵された制御モジュールを有する。
【0004】
この種の制御装置は先行技術より公知である。
DE102005035451B3は、単相の電子整流モータについて、特に永久磁石ロータと単巻線ステータとを有する送風機モータ、ならびにバイポーラ動作において巻線に励磁電流を供給する電子制御回路について説明している。巻線部品はそれぞれ個別に制御可能である。さらに、ステータ/ロータは非対称な極で構成されており、これにより両巻線部材が異なるロータ位置で最大トルクを発生させる。この発明はこれによって、任意のロータ位置でリラクタンストルクを増大させることなく安全に所定の回転方向へ始動可能である単相モータを提供している。この発明に係る電動モータは好適には、巻線に励磁電流を供給し半導体ブリッジを有する制御回路を含む。
【0005】
しかし、送風機装置は多くの場合にその他の要素と組み合わされて作動されるのにもかかわらず、この制御装置はさらなる機能を統合させるように構成されていないことが短所である。
【0006】
さらに、EP0288658では、自動車空調装置の制御方法およびこの方法を実施するための自動車空調装置が説明されている。コンプレッサ、コンデンサおよびエバポレータの出力が直接または間接的にセンサ手段により検出され、電気的値として、共通の電子制御回路の入力部に供給される。その際、必要な冷却能力、エバポレータの凍結、圧縮最終温度、液体の脈動に関するパラメータが考慮され、これに対応して出力信号が生成される。
【0007】
この電気信号は、コンプレッサ、コンデンサまたはエバポレータの出力を操作するための電気的に作動可能である調節手段に供給される。これによって装置全体の最適な作動工程が達成される。こうしてたとえば、コンプレッサの吸入側の圧力および温度が測定されてこの値に対応する電気信号が制御回路に供給されることによって液体の脈動が回避される。さらに、自動車のエンジンの回転数がセンサ装置により検知され、電子制御回路に供給される。この回路によって、所定の回転数の超過が検出されると、コンプレッサにとって害になる回転数を回避することができる。また、アクセルペダルの位置または動きがセンサによって検知され、制御回路に対応する信号が供給される。これによって、エンジンの急激な加速時、たとえば追い越しの時には可能な限り大きな出力を車両の駆動輪に提供するため、コンプレッサと、場合によってはファンおよび送風装置駆動部を一時的に停止させることも可能である。
【0008】
EP0288658の短所は、この複雑な制御が冷却ユニットにのみ利用されており、空調装置を構成する他のユニットはこれによって制御されてないという点である。
【0009】
DE60301513T2では、電気式冷却ファンを使用する空調サイクルを有する車両空調装置の制御装置について説明されている。この車両空調装置は、コンプレッサと、ファンモータと、冷却装置の冷却用のファンとを有する。また、この車両空調装置は、ファンモータの通電を制御するファンモータ制御装置を有する。
さらに、各種探知装置が車両空調装置の制御部と接続している。車両状態検知装置が車両データを検知し、制御プラン決定装置が、それぞれ検知された車両データに応じて最大効率点を測定し、制御プランを最大効率点の測定結果に応じて決定する。
この解決策では、ファン用の電子整流モータが設けられておらず、ファンモータの制御が空調装置の他の機能、特に許容限界の直線動作または旋回動作を制御しない点が短所である。
【0010】
US6,988,670B2は、統合電子モジュールが様々な機能を担いセンサの信号を受信する車両用空調機械について説明している。空調機械を通る空気量、および各フラップおよびミキサならびにアクチュエータおよびサーボモータが制御される。
これらの関連部品は統合電子モジュールを介して制御され、これは1つまたは複数の吸気および排気される空気の空気温度センサ、エバポレータおよび冷却水温度用センサを含む。また、アクチュエータ制御回路、ファンモータの速度制御のための回路、センサ制御のための回路、ユーザインタフェースとの通信用の通信回路も統合電子モジュールの一部をなしている。
この統合電子モジュールの短所は、統合電子モジュールを追加するには、既存の制御装置を利用せずに特定の場所に独自のハウジングを設ける必要性があることである。また、この統合電子モジュールは、そこに統合される電子整流モータの制御装置を備えていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】DE102005035451B3
【特許文献2】EP0288658
【特許文献3】DE60301513T2
【特許文献4】US6988670B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
その他の短所および欠点は以下の通りである。
・公差の補償:複数の部材が1つの機能的ユニットとして結合された場合、各部材の規格の公差の枠内で公差が積み重なるとその合計では、許容される限界を超えてしまう値に達する場合がある。これは、電気的公差においても、動かされる部材の機械的公差に関しても同じである。
・信号伝達の際の確実性および手間:信号が伝達される際は、外部からの影響が信号の内容を変えてしまわないか、または受信ユニットにおいて解読できないことがないかを確認する必要がある。
・必要なスペース:各制御部に対して電源および周囲との接続のための接続部を設ける必要がある。また、それぞれのハウジングも必要である。
・機器の相互に与える影響:相互の協働を前提として設計されていない異なる機器を使用する場合、望ましくない相互作用および制御全体の機能にとって不利になる相互の影響が生じる可能性がある。
・個々の制御部間の調整:相互の協働を前提として設計されていない制御部を使用する場合は、調整に関連する問題および機能面での欠陥が生じる可能性がある。
【0013】
したがって、本発明の課題は、送風機モータ制御部および送風機モータを制御する送風機制御部と、送風機および空調モジュールの冷媒コンプレッサを備える冷却装置を制御するとともにセンサおよび人間−機械インタフェースからの情報を処理する空調制御部と、フラップおよびバルブを制御する制御部とを備える自動車用の送風機および空調モジュールの制御装置を発展させて、センサ、モータ、アクチュエータ等の部材やアセンブリの電気公差、および個々の要素の動作における機械的公差が容易に調整可能であり、省スペースで信頼性があり、かつ低コストな実施が可能であり、バスシステムを介して個々の制御モジュールの接続が回避され、制御モジュールを既存であり必ず必要である制御装置に組み込むことを可能にすることである。さらに本発明の課題は、自動車用の、制御装置を有する送風機および空調モジュールを、自動車用送風機および空調モジュールが備えるすべての要素の個別の制御装置による分散した制御による短所が克服されるよう発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、送風機モータ制御部および送風機モータを制御する送風機制御部と、送風機および空調モジュールの冷媒コンプレッサを備える冷却装置を制御するとともにセンサおよび人間−機械インタフェースからの情報を処理する空調制御部と、フラップおよびバルブを制御する制御部とを備える自動車用の送風機および空調モジュールの制御装置により解決され、ここでは送風機制御部および空調制御部が、送風機モータの送風機モータ制御部と共に中央制御装置として構成されており、送風機モータに配置されている。
【0015】
さらに、この課題は、送風機制御部および空調制御部が冷媒コンプレッサの電気モータのコンプレッサモータ制御部と共に中央制御装置として構成されており、電気モータに配置されている制御装置により解決される。
【0016】
解決のためには、電子整流モータとして構成されている電気モータも利用され、中央制御装置が電気モータの制御部に組み込まれている。
【0017】
課題の解決の態様は、集積回路としての中央制御装置の構成、交換可能であるモジュールとしての中央制御装置の構成である。
【0018】
本発明の好適な発展形態は、モジュール状に構成される中央制御装置であり、個々のモジュールは容易に交換可能である。この場合は、得られるべき機能に応じて組み合わせることが可能であるように構成されている。
【0019】
課題の解決策の1つとしてさらに、送風機制御部および空調制御部が挙げられ、これらは送風機モータの送風機モータ制御部と共に中央制御装置として構成されている。これは送風機モータに配置されている。
【0020】
解決策の別の態様では、送風機制御部および空調制御部が、冷媒コンプレッサのコンプレッサモータのコンプレッサモータ制御部と共に中央制御装置として構成されており、この中央制御装置は、冷却装置の冷媒コンプレッサの電気モータに配置されている。
【0021】
本発明の別の実施形態では、電気モータが電子整流モータとして構成されており、中央制御装置はこの電気モータの制御部に組み込まれている。
【0022】
本発明により以下の長所が得られる。
・中央制御ユニットは、個別に構成される制御部と比較すると必要なスペースが小さい。
・中央制御ユニットは、単一の部品であるため故障の確立が低く安全性が高い。
・中央制御ユニットが必要とするエネルギー量が少ない。
・中央制御ユニットは、必要なハウジングおよびインタフェースが1つのみであり、個々の制御部への外部の接続部が必要でないため、低コストである。
・電磁環境適合性を向上させるための措置が1度で済む。
・個々の制御モジュール間の信号伝達が中央制御ユニット内で行われるため、信号伝達、重畳、および耐干渉性の点において確実である。
・個別のモジュール間の接続線およびインタフェースを備えるバスシステムは不要であり、部分的になくすことも可能である。
・中央制御ユニット内の個々の制御部間の調整は最適化可能である。
・自動車用送風機および空調モジュール全体の電気的および機械的公差の調整は中央制御ユニット内でプログラミング可能である。
本発明のさらなる詳細、特徴および長所は、以下の実施形態の説明および添付の図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】先行技術を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態による送風機モータにおける中央制御装置を示す概略図である。
【図3】本発明の別の実施形態による冷媒コンプレッサにおける中央制御装置を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態による送風機および空調モジュールを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態によるモジュール状の制御装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は先行技術を示している。図示される送風機および空調モジュール1は、その内部に、冷媒コンプレッサ15と電気モータ16とコンプレッサモータ制御部14とを備える冷却装置6と、送風機制御部4と、空調制御部3と、送風機モータ制御部8が設けられている送風機モータ7とを含む。
【0025】
これらの3つの制御部はすべて個別の部品として相互に接続しており、空調制御部3および送風機制御部4は、同一のハウジング内に収容されるように統合されている。
【0026】
空調制御部3には、センサ9および10により情報が供給され、その際センサ9は内部センサであり、センサ10は外部センサである。送風機制御部4はセンサ11および12を有し、センサ11は内部センサであり、センサ12は外部センサである。送風機制御部4にさらに接続されているのがフラップおよびバルブならびにこれに対応するアクチュエータ13である。操作インタフェースとして人間−機械インタフェース2が設けられており、これは空調制御部3にも送風機制御部4にも作動者からの操作命令を出す。
【0027】
制御部17はフラップおよびバルブ用のアクチュエータ13を制御し、このために直接的に制御部3、4と機能接続し、ならびに間接的に制御部8および14と機能接続している。
【0028】
したがってこの先行技術では、3つの制御モジュールすべてが個別に構成されており、部品としての結合および機能的な統合は行われない。
【0029】
図2は、送風機および空調モジュール1、送風機モータ7、冷媒コンプレッサ15および電気モータ16を備える冷却装置6、ならびに中央制御装置5を示す。中央制御装置は送風機モータ7に取り付けられている。中央制御装置5には、空調制御部3と、送風機制御部4と、送風機モータ7の制御部8と、フラップおよびバルブのアクチュエータ13の制御部17が組み込まれて結合されている。
【0030】
中央制御装置5は、作動に必要とされる入力信号を人間−機械インタフェース2ならびにセンサ9、10、11、12から受け、その際センサ10および12は外部センサであり、センサ9および11は内部センサである。内部センサ9、10は、送風機および空調モジュール1の作動データを取得する。それは主に、温度、圧力、回転数ならびに電気パラメータの値である。外部センサ10、12は車両の様々な位置に設けられており、そこからデータを送る。それは主に温度に関する値である。また、圧力、太陽光の入射ならびに湿度および空気質を分析するためのセンサが用いられる。これらのセンサはここでは特に示されていないが、同様に外部センサとして使用されることが可能である。
【0031】
同様に中央制御装置5と接続しているのが、アクチュータ13を備えるフラップおよびバルブである。その制御部17も同様に中央制御装置5に組み込まれている。電気モータ16により駆動される冷媒コンプレッサ15を備える冷却装置6はコンプレッサモータ制御部14を有し、ここから作動に必要な制御信号を受信する。コンプレッサモータ制御部14は、中央制御装置5に組み込まれている。これによって、たった1つのみの制御装置、すなわち中央制御装置5のみが必要となり、以前は分散して行われていたすべての制御を行うことになる。インタフェースの数および個々の制御装置3、4、8、14、17間の接続部の数も、これらは中央制御装置5に統合されるため、低減される。これにより、インタフェースを介した外部の相互の結合およびバスシステムを省くことができる。
【0032】
図3に、別の実施形態として、冷却装置、詳しくは冷媒コンプレッサ15の電気モータ16における中央制御装置5が示される。これは、送風機モータ7へ組み込む解決策の代わりの策となる実施形態である。
【0033】
ここでも同様に、空調制御部3と、送風機制御部4と、送風機モータ7の送風機モータ制御部8と、コンプレッサモータ制御部14と、フラップおよびバルブ用のアクチュエータの制御部17とが中央制御装置5に統合されている。中央制御装置は、冷媒コンプレッサ15を備える冷却装置6と構造的なユニットとして結合されており、電気モータ16に組み込まれている。制御部17も中央制御装置5に組み込まれているため、中央制御装置5からはさらに、送風機モータ7、およびアクチュエータ13を備えるフラップとバルブが制御される。中央制御装置5が処理する入力信号は、人間−機械インタフェース2ならびにセンサ9、10、11、12から送られる。送風機モータ7は好適な実施形態では、電子整流モータとして構成されており、その制御には同様に中央制御装置5に組み込まれる送風機モータ制御部8が用いられる。
【0034】
冷媒コンプレッサ15を備える冷却装置6は電気モータ16を有し、これは図示されている好適な実施形態では電子整流モータとして構成されている。このモータはその特有の機能に関して電子整流モータとしてコンプレッサモータ制御部14により制御される。
【0035】
図4は、自動車用の送風機および空調モジュール1の好適な実施形態の斜視図である。基本となるのは中央制御装置5であり、これと結合して構造上のユニットとして、空調制御部3と、送風機制御部4と、送風機モータ8の制御部とが統合されている。このアセンブリは、単一のハウジングならびに共通の接続部およびインタフェースを介して周囲と接続するようまとめられている。これらは、電源供給および信号伝達のためのものである。内部センサ9および11は中央制御装置5に信号を送り、その信号を中央制御装置が処理する。同様に、先の実施形態の説明で記述されており符号10および12が付けられている不図示の車両内に分散されるセンサの信号が処理される。外部の制御信号によって人間−機械インタフェースを介して機能操作が行われる。
【0036】
アクチュエータ13を備えるフラップおよびバルブは、部分的に送風機および空調モジュール1に統合されており図面に示されているが、一部は車両内に分散して設置されており、図面には示されていない。そこでこのフラップおよびバルブは、車室内で所望の条件を作り出すために、送風機および空調モジュール1内において調整された空気を分配する機能を担う。しかし、これは送風機および空調モジュール1と共に納入されるものであり、他の部品および中央制御装置5と共に、電気的公差および機械的面において発生する公差が考慮され、適切な制御により調整されるよう相互に調節が行われている。
【0037】
さらに、冷媒コンプレッサ6を備える冷却装置、ならびに送風機モータ7が、送風機および空調モジュールの右側に図示されている。中央制御装置5は実施形態では集積回路として示されており、これにより小型化とこれに伴う長所がより一層顕著になる。その長所とは特に、スペースおよびエネルギーの必要量の観点、また低コストである点、また部品間の相互の最適な調整ならびに機能のプログラミングの柔軟性である。
【0038】
図5は好適な実施形態を示しており、ここではモジュールとしての中央制御装置5が、容易に取り外し可能で、中央制御装置5のメインボード18として構成される別の完成モジュールと交換可能であるように、送風機モータ7に取り付けられている。こうした交換は、故障時に修理の一環として行われることが可能であるが、あるいは機能が変更された新たな制御を導入するために行われることも可能である。好適には、意図しない緩みに対して保護されたコネクタ接続において、工具を用いることなく取り外し可能であるコネクタ21によって行われる。中央制御装置5のメインボード18のモジュールが除去されて別のものが取り付けられる。
【0039】
本発明の好適な実施形態では、中央制御装置5の個々のコンポーネントは個別のモジュールとして、符号19および20で示される拡張基板AおよびBとして構成されている。この対象となるのは、空調制御部3、送風機制御部4ならびに制御部8および17であり、それぞれ拡張基板19および20として容易に交換可能に構成されているモジュールとして、好適には保護されたコネクタ接続23、24で構成されている。
【0040】
1つのモジュール内での制御装置3、4、8、14、17の2つ以上の組み合わせも本発明の範囲内である。この措置によってモジュールは、制御部3、4、8のメインボードおよび拡張基板18、19、20として個別にまたはグループとして交換可能である。このために、HMIと車両とのコネクタ22およびコンポーネント用コネクタ25が用いられる。これによって中央制御装置5の機能が全体として変更可能であり、故障時には個別にまたはグループで交換可能である。またこれにより中央制御装置5はその複雑な機能においても、アセンブリ全体を交換することなく細かい部分での修正が可能である。
【0041】
実施形態において示された送風機モータ7の代わりに、別の電気モータがモジュール状に構成された制御装置に加えられることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 送風機および空調モジュール
2 人間−機械インタフェース
3 空調制御部
4 送風機制御部
5 中央制御装置
6 冷媒コンプレッサを備える冷却装置
7 送風機モータ
8 送風機モータ制御部
9 冷媒コンプレッサの内部センサ
10 冷媒コンプレッサの外部センサ
11 送風機の内部センサ
12 送風機の外部センサ
13 アクチュエータを備えるフラップおよびバルブ
14 コンプレッサモータ制御部
15 冷媒コンプレッサ
16 冷媒コンプレッサの電気モータ
17 フラップおよびバルブ用のアクチュエータの制御部
18 メインボード
19 拡張基板A
20 拡張基板B
21 電気モータのコネクタ
22 HMI車両コネクタ
23 拡張部A用コネクタ
24 拡張部B用コネクタ
25 コンポーネント用コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機モータ制御部(8)および送風機モータ(7)を制御する送風機制御部(4)と、送風機および空調モジュール(1)の冷媒コンプレッサ(6)を備える冷却装置を制御するとともにセンサ(9、10、11、12)および人間−機械インタフェース(2)からの情報を処理する空調制御部(3)と、フラップおよびバルブ(13)を制御する制御部(17)と、を有する自動車用の送風機および空調モジュール(1)の制御装置であって、送風機制御部(4)および空調制御部(3)が、送風機モータ(7)の送風機モータ制御部(8)と共に中央制御装置(5)として構成されており、この中央制御装置(5)が送風機モータ(7)に配置されていることを特徴とする自動車用の送風機および空調モジュール(1)の制御装置。
【請求項2】
送風機制御部(4)と、送風機および空調モジュール(1)の冷媒コンプレッサ(6)を備える冷却装置ならびにフラップおよびバルブ(13)を制御するとともにセンサ(9、10、11、12)および人間−機械インタフェース(2)からの情報を処理する空調制御部(3)と、を備える自動車用の送風機および空調モジュール(1)の制御装置であって、送風機制御部(4)および空調制御部(3)が、冷媒コンプレッサ(15)の電気モータ(16)のコンプレッサモータ制御部(14)と共に中央制御装置(5)として構成されており、この中央制御装置(5)が電気モータ(16)に配置されていることを特徴とする自動車用の送風機および空調モジュール(1)の制御装置。
【請求項3】
電気モータ(7、16)が電子整流モータとして構成されており、中央制御装置(5)が電気モータ(7、16)の制御部に組み込まれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
中央制御装置(5)が、集積回路として構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
中央制御装置(5)が交換可能であるモジュールとして構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
中央制御装置(5)がモジュールとして構成されており、個々のモジュールが容易に交換可能であり、得られるべき機能に応じて組み合わせることが可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至乃至5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
送風機制御部(4)および空調制御部(3)が、送風機モータ(7)の送風機モータ制御部(8)と共に中央制御装置(5)として構成されており、送風機モータ(7)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の自動車用制御装置を備える送風機および空調モジュール(1)。
【請求項8】
送風機制御部(4)および空調制御部(3)が、冷媒コンプレッサ(15)のコンプレッサモータ(16)のコンプレッサモータ制御部(14)と共に中央制御装置(5)として構成されており、この中央制御装置(5)が、冷却装置(6)の冷媒コンプレッサ(15)の電気モータ(16)に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の送風機および空調モジュール。
【請求項9】
電気モータ(7、16)が電子整流モータとして構成されており、中央制御装置(5)が電気モータ(7、16)の制御部に組み込まれていることを特徴とする請求項7又は8に記載の送風機および空調モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate