説明

自動車緊急停止装置

【課題】運転中ブレーキペタルとアクセルペタルを踏み間違えた時、直ちにエンジンを停止させ、運転者や歩行者を悲惨な交通事故から守ることを課題とする。
【解決の手段】アクセルペタルと床の間に開閉スイッチを設けアクセルペタルを一杯に踏み込んだ時開閉スイッチが作動するように取り付ける。この開閉スイッチを点火系統の一次側回路に直列に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車を運転中アクセルペタルとブレーキペタルの踏み間違えによって発生する悲惨な交通事故を防止するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車の点火系統の働きは、バッテリー(5)から出た電流は、エンジンスイッチ(2)をONすると点火コイル(6)の一次コイルを通り、コンタクトブレーカー(8)へと流れアースされる。エンジンが回転するとカムシャフトで駆動されるコンタクトブレーカー(8)により電流が断続され、点火コイル(6)の二次コイルに高圧電流が誘発される。高圧電流はディストリビューター(1)により各点火プラグ(4)に導かれる。
コンデサー(7)はコンタクトブレーカー(8)の接点を保護するためのものである。
エンジンスイッチ(2)をOFFにすると一次電流が処断され点火プラグは失火しエンジン停止となる。ブレーキペタルとアクセルペタルを踏み間違えた時、エンジンや車を停止させる装置は開発されていない。
【0003】
近年の自動車は性能が向上し、アクセルペタルを一杯に踏み込むと車のスピードは200Km/時以上に、出力は300馬力を超える車もある。
通常の運転に於いては、アクセルペタルを一杯に踏むことはない。もしあるとすれば危険運転である。
ブレーキペタルはアクセルペタルに比べは遥かに強い力で踏まれ、車が減速するまでペタルを踏み続ける。
もし、ブレーキペタルを踏むつもりでアクセルペタルを踏むと、アクセルペタルは一気に床まで踏み込まれ、車は急発進、急加速する。運転者はブレーキペタルを踏んでいると誤認しているため、車を止めようと更に足を踏ん張る。結果として車は障害物に激突するか、横転しない限り停止することはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転中ブレーキペタルとアクセルペタルを踏み間違えた時、直ちにエンジンを停止させ、運転者や歩行者を悲惨な交通事故から守ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アクセルペタル(9)と床(10)の間に開閉スイッチ(3)を設けアクセルペタルを一杯に踏み込んだ時開閉スイッチが作動するように取り付ける。この開閉スイッチを点火系統の一次側回路に直列に接続する。
【効果】
【0006】
ブレーキペタルとアクセルペタルの踏み違えで発生する事故は、人為的ミスである。その為ミスをする人を特定することも、ミスを撲滅することも極めて困難である。しかし、本発明を実施すれば、たった一個の開閉スイッチを取り付けるだけで、高価な車や他人の財産はもちろん尊い人命を奪う交通事故を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は本発明の実施を示す配線図。図2は部分断面図である。
アクセルペタル(9)と床(10)の間に開閉スイッチ(3)を設ける。このスイッチ(3)を点火系統の一次側にあるエンジン開閉スイッチ(2)の後に直列に配線する。
開閉スイッチ(3)は通常は閉の状態にある。運転中ブレーキペタルとアクセルペタルを踏み間違えアクセルペタルが床(10)に接触し開閉スイッチ(3)が作動すると開の状態になり点火プラグ(4)が失火しエンジンは停止する。
【0008】
本発明は、従来ハンドル近くに取り付けられているエンジンスイッチ(2)をOFFにしてエンジンを停止させるのと同じである。ペタルを踏み違えた時、手でエンジンスイッチをOFFにする余裕がないので、強制的に作動する開閉スイッチ(3)を設けたものである。安全性、危険性に全く問題はない。
また、アクセルペタルを急に踏み込んでも、エンジンの回転が上昇するまでには若干の遅れがあるので、エンジンの回転が上昇する前にエンジンは停止し車は急発進、急加速せず停止する。停止後、アクセルペタルから足を離せば開閉スイッチ(3)は閉にもどり点火系統は元の状態に戻る。仕様書に従いエンジンスイッチ(2)でスタートし通常の走行ができる。
【0009】
開閉スイッチ(3)の配線位置は、エンジンスイッチ(2)の前後に関係なく、一次側回路又は、二次側回路を処断するが、一次側回路又は、二次側回路をアースさせてもエンジンは停止する。また電子制御式点火装置等に於いても同じである。
【0010】
開閉スイッチ(3)は、機械式でも電磁式でも電流を開閉できるものであれば良い。取り付け位置についてもアクセルペタル(9)と床(10)の間でなく、アクセルペタルを一杯に踏み込んだ時スイッチが作動すればよい、例えばアクセルペタルにケーブルを取りつれてスイッチと連動させても本発明は成立する。
【0011】
開閉スイッチ(3)を利用し電子制御式燃料系統の燃料の流れを止める方法もある。アクセルペタルにケーブルを取りつけ機械的に燃料を止めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】発明の実施例を示す配線図である。
【図2】発明の実施例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ディストリビューター 2 エンジンスイッチ
3 開閉スイッチ 4 点火プラグ
5 バッテリー 6 点火コイル
7 コンデンサー 8 コンタクトブレーカー
9 アクセルペタル 10 床
11 座席シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセルペタルと床の間に開閉スイッチを設け点火系統の一次側回路に直列に接続した自動車緊急停止装置。

【図1】
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【図2】
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